JP3034595U

JP3034595U - 歯科技工用ハンドピースに装着する穴開け治具

Info

Publication number: JP3034595U
Application number: JP1995008289U
Authority: JP
Inventors: 政明下坂
Original assignee: 政明下坂
Priority date: 1995-07-04
Filing date: 1995-07-04
Publication date: 1997-02-25
Anticipated expiration: 2001-07-04

Abstract

(57)【要約】【目的】歯科技工において、歯形模型の座面にド
リルで穿孔する際に、穿孔する穴の精度（直角度、平行
度、嵌合精度など）を維持できると同時に、初心者でも
確実な穿孔作業が行えるようにした、歯科技工用ハンド
ピースに挿着する穴開け治具を提供する。【構成】中空円筒状のガイドスリーブＡ（１Ａ）
の一端に、固定フランジＡ（２Ａ）をセットネジ（９）
で固定し、該ガイドスリーブＡ（１Ａ）の他端よリスラ
イドフランジ（３）を挿着し、固定フランジＡ（２Ａ）
との間に圧縮バネ（４）を設ける。スライドフランジ
（３）のフランジ部に設けた雌ネジ部に螺着したガイド
ピン（５）の他端を、固定フランジＡ（２Ａ）のフラン
ジ部に設けた穴に貫通させ、先端部の雄ネジにアジヤス
トナット（６）を取り付けて、スライドフランジ（３）
の回り止めとする。スライドフランジ（３）の外側フ
ランジ面に、ガイドフランジ（７）をボルトで緊結して
ある歯科技工用ハンドピースに装着する穴開け治具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、歯科技工用ハンドピースを使用する「歯形模型」に対する穴開け作業の際に、該ハンドピースに装着して使用する、歯科技工用ハンドピースに装着する穴開け治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の歯科技工において、「歯形模型」に対する穴開け作業の際に、歯科技工用ハンドピースに装着する穴開け治具は見当らないが、第１図の様に、上下にスライドできる穴開きテーブル上に、「歯形模型」の穴開け面を下に向けて置き、該穴開きテーブルのガイドバー相互の中心部に、上向きにドリルを設置し、該架台から上部にＬ字状アームをオーバーハンクさせ、光センサをスポットが下向きになるように取り付け、前記ドリルの芯と一致させ、「歯形模型」の歯部頂面にスポットを映し、「歯形模型」の裏面に穴開けを行なう装置が開発され、供用されているが、直接目視できない「歯形模型」裏面での穴開け作業であるため、歯形中心に正確に穴開けすることが困難であることや、手で押えて持った「歯形模型」がずれやすいことや、こじる力が働くためドリルを折損することがあり、機器が高価であるなど多くの課題が残されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

歯科技工の「歯形模型」における穴開け作業では、個々の歯部の中心位置に穴開けすること、正確に直角度を保って穴開けすること、穴部に挿着されるダウエルピン（図６参照）を正確に保持すること等が「必須要件」とされているが、従来の歯科技工用ハンドピースにおける穴開け作業や、前項で紹介した穴開け装置では、精度の確保が困難であると同時に、数多くの手直し作業が必要となり、納期の面や加工コストの面でも課題が残されており、簡便な穴開け治具の出現が待ち望まれていた。この考案では、歯科技工用ハンドピースに簡単に装着して、「正確な穴開け位置の確保」、「直角度を正確に保持できる」、「穴の大きさ、深さを正確に保持する」等の穴開け作業の必須要件を満足できるものであり、特別な技能を必要とせず、簡単且つ正確に穴開け作業を実施することのできる、歯科技工用ハンドピースに装着する穴開け治具を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、この考案の歯科技工用ハンドピースに装着する穴開け治具においては、該ハンドピース本体の外径部に、テーピング等を介してガイドスリーブＡ（１Ａ）挿着の上、固定フランジＡ（２Ａ）を挿着して、セットネジ（９）で固定する。スライドフランジ（３）を他端から挿着して、該フランジ相互の間に圧縮バネ（４）装着する、スライドフランジ（３）のフランジ部に設けた雌ネジ部に挿着したガイドピン（５）の他端を、固定フランジＡ（２Ａ）のフランジ部に貫通させ、更に先端部のネジにロックナット（１０）を取り付けて、スライドフランジ（３）の回り止めとしてあり、該スライドフランジ（３）外側面にガイドフランジ（７）を固定ボルト・ナット（８）で緊結固定してある。又、中空円筒状のネジ付きガイドスリーブＢ（２Ｂ）一端の雄ネジ部に、雌ネジ付き固定フランジＢ（２Ｂ）を装着し、ロックナット（１０）で位置決めできるようにする事で、ストローク調整を行なえるようにしてある。ガイドフランジ筒部に複数の窓状部（１１）を大きく取ることで、穴位置マークとドリル先端のマッチング確認や、穴開け状態の常時確認を行なう。

【０００５】

【作用】

上記のように構成された歯科技工用ハンドピースに装着する穴開け治具において、ハンドピースの穴開け治具部分を手で保持し、ガイドフランジ部分を被加工物である「歯形模型」の底面に押しあて、圧縮バネの力に逆らって押す力を加えることで、ドリル先端が穴開け位置に接近する。ドリル先端が穴開けマーク位置と一致するのを、ガイドフランジの窓状部から確認して穴開け作業に移り、ドリルでの穴開け状況を目視しながら作業を進め、ガイドスリーブの先端面が「歯形模型」の底面に接触した状態で、所定深さの穴開け作業が完了する。ガイドフランジの窓状部は、穴開け作業に伴う切屑の排出口を兼用するため、穴開け作業を連続して行なっても、切屑による支障が出る恐れはなくなった。「歯形模型」における穴開け作業では、ガイドフランジのフランジ面と、「歯形模型」の底面との接触面積を大きく取れるため、非常に安定したポジションを確保することができるので、常時安定した穴開け作業の実施が可能になった。

【０００６】

【実施例】

この考案の実施例を図面を参照して説明する。

【第１実施例】この考案の第１実施例を図２で説明する。図２において、中空円筒状のガイドスリーブＡ（１Ａ）の一端に固定フランジＡ（２Ａ）をセットネジ（９）で固定し、該ガイドスリーブＡ（１Ａ）の他端よりスライドフランジ（３）を挿着して、固定フランジＡ（２Ａ）との間に圧縮バネ（４）を設けてある。一方、スライドフランジ（３）のフランジ部に設けた雌ネジ部に螺着したガイドピン（５）の他端を、固定フランジＡ（２Ａ）のフランジ部に設けた穴に貫通させ、先端部の雄ネジにアジヤスト・ナット（６）を取り付けて、スライドフランジ（３）の回り止めとしてある。スライドフランジ（３）の外側フランジ面にガイドフランジ（７）を固定ボルト・ナット（８）緊結固定したもので構成される。歯科技工用ハンドピースへの装着は、予め、該ハンドピースの外径部のサイズに対応して、テープ類を用いてテーピングを行い、穴開け治具の装着にマッチする状態を準備したうえで、該穴開け治具の装着・固定をおこなう。尚、専用として使用するケースでは接着する方法も行われる。ガイドピン（５）のアジヤスト・ナット（６）を調整することで、スライドフランジ（３）とガイドフランジ（７）の位置調整を行うことができる。圧縮バネの圧縮強度は、強すぎると作業者の手の疲労を増すことになるので、ガイドとして位置保持に必要限度の強度を選んで設定する。

【０００７】

【第２実施例】この考案の第２実施例を図３で説明する。図３においては、第１実施例の図２との相違点のみについて説明を加える。ネジ付きガイドスリーブＢ（１Ｂ）は、一端部に所定長さの雄ネジ部を設けてあり、ネジ付き固定フランジＢ（２Ｂ）の内径部に設けた雌ネジ部と螺合させることで、相互の位置関係を微調整できるように工夫されたもので、所定位置に固定するにはロックナット（１０）と緊結固定させる。前記雄ネジ部をテーパー状（例えばパイプネジ）として、端面より複数のすり割り溝を切り込み、前記雌ネジ部をテーパー状にして螺合させることで、ネジ付きガイドスリーブＢ（１Ｂ）を所定の箇所に固定できるメリットが生まれる。第１実施例の図２におけるガイドピン（５）のアジヤスト・ナット（６）による調整に比べ、第２実施例の図３における方式では、調整範囲が大きくとれるようになると同時に、ネジ付きガイドスリーブＢ（１Ｂ）に対するネジ付き固定フランジＢ（２Ｂ）の調整では、圧縮バネ（４）の圧縮力に関係を及ぼさずに調整を行うことのできるメリットがある。

【０００８】図４は、ガイドフランジ（７）の斜視図であり、窓状部の形状の一例を示してある。ガイドフランジ（７）の筒部に窓状部（１１）を設けることで、ガイドフランジ（７）の内部での穴開け作業の実施状況を、逐一確認しながら作業を進めることが出来るようになるので、作業の確実性が向上することになり、加えて穴開け作業で発生する削り屑の排出も容易になり、連続作業が可能になった。図５においては、「歯形模型」の底面における穿穴の配置状況の例を斜視図で示してある。穴開け作業では、必須要件である「座面に対する直角度の保持」、「個々の歯部のセンターに一致した穿孔」、「穴の精度と深さの維持」等を満足できるものであることが要求されている。図６においては、ダウエルピンと「歯形模型」との挿着・嵌合状況を示す。この考案の穴開け治具で穿孔された穴に、ダウエルピンのネジ状部を挿着し、石膏又は接着剤で固定する。接着完了時点でのダウエルピン相互の並びにおける「直角度」「平行度」「高さのレベル揃い」等が、義歯（冠又は挿し歯）における歯並びなどに大きな影響を与えることになり、歯科技工における必須要件とされている。図７においては、この考案の穴開け治具を歯科技工用のハンドピースに装着した例が斜視図で示されている。嵩張らない装着状態を見れば、手によく馴染むことがわかり、作業性の良さが理解できるものと思う。

【０００９】

【考案の効果】

この考案は、以上に説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を生ずる。イ）穴開けの精度が維持される。「歯科技工」における穴開け加工において、ガイドフランジを「歯形模型」の座面に押しあてる形での作業となるので、ドリルの位置関係が安定することで、正確な穴開け位置の確保、座面との直角度の確保、穴の大きさ深さの精度の確保などにより、穴開け作業での精度を確保できる。ロ）穴開けドリルの折損を防止できる。通常のハンドピースにおける穿孔作業では、作業中に一寸でもこじる力が働くと、ドリルを折損することが多かったが、ガイドフランジを押しあてることで、安定した孔開け作業ができるので、ドリルの折損を防止できるようになった。ハンドピースを取り落とすなどのトラブルの際にも、孔開け治具で保護されるようになっているので、ドリルの折損を防止することができる。ハ）ハンドピースのサイズに対応した装着が可能。ハンドピースはメーカーによる形式毎に、外径のサイズが異なっており不揃いであるが、テーピング等で若干の調整をするこてで、殆どの形式のものに装着が可能である。ニ）取り扱いが容易であり、作業能率が向上する。全体がコンパクトに纏っているため、ハンドピースに装着した状態でも嵩張らず、作業者の手に馴染みやすいため、取り扱いが容易であり、作業能率が向上することになる。ホ）ローコストである。穴開け治具は、シンプルな構造であり、構成する部品点数も少ないので、低価格で供給可能であるので、専用装置等の大がかりなものと比較すると、大幅にコストを低減することが可能である。ヘ）作業に熟練度を必要としない。従来のハンドピースや専用機による穿孔作業では、可成な熟練度が要求されていたが、この考案の穴開け治具を装着して使用することで、初心者での高精度作業が可能になった。ト）手直し作業を未然に防止できる。従来方式のさぎょうでは、熟練者でも若干の手直しは避けられなかったが、この考案の穴開け治具を使用する事で、初心者でも手直しを未然に防止することができるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の穴開け専用機を示す概念図

【図２】歯科技工用ハンドピースに装着する第１実施例
の穴開け治具の縦断面図

【図３】歯科技工用ハンドピースに相着する第２実施例
の穴開け治具の縦断面図

【図４】窓状部を設けたガイドフランジの斜視図

【図５】歯形模型の座面に穿孔された状態を示す斜視図

【図６】歯形模型に使用するダウエルピンの挿着状態を
示す縦断面図

【図７】歯科技工用ハンドピースに穴開け治具を装着し
た状態を示す斜視図

【符号の説明】

１ＡガイドスリーブＡ１Ｂネジ付きガイドスリーブＢ２Ａ固定フランジＡ２Ｂネジ付き固定フランジＢ３スライ
ドフランジ４圧縮バネ５ガイド
ピン６アジヤスト・ナット７ガイド
フランジ８固定ボルト・ナット９セット
ネジ１０ロックナット１１窓状
部

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成７年１１月３０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】中空円筒状のガイドスリーブＡ（１Ａ）
の一端に、固定フランジＡ（２Ａ）をセットネジ（９）
で固定し、該ガイドスリーブＡ（１Ａ）の他端よりスラ
イドフランジ（３）を挿着し、固定フランジＡ（２Ａ）
との間に圧縮バネ（４）を設ける。スライドフランジ
（３）のフランジ部に設けたメネジ部に螺着したガイド
ピン（５）の他端を、固定フランジＡ（２Ａ）フランジ
部に設けた穴に貫通させ、その先端部の雄ネジにアジヤ
スト・ナット（６）を取り付けて、スライドフランジ
（３）の回り止めとしてある。スライドフランジ（３）
の外側フランジ面にガイドフランジ（７）を固定ボルト
・ナット（８）で緊結固定した歯科技工用ハンドピース
に装着する穴開け治具
【請求項２】中空円筒状のネジ付きガイドスリーブＢ
（１Ｂ）の一端雄ネジ部に、雌ネジ付き固定フランジＢ
（２Ｂ）を螺着し、ロックナット（１０）で緊結固定す
ることで、位置決めできるようにした請求項１記載の歯
科技工用ハンドピースに装着する穴開け治具。
【請求項３】ガイドフランジ（７）の筒部に複数の窓
状部（１１）を設けてある請求項１及び２記載の歯科技
工用ハンドピースに装着する穴開け治具。