JP3031085B2 - シーソー操作型電子部品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主にビデオカメラのズ
ーム速度調整用等に用いられるシーソー操作型電子部品
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】シーソー操作型の電子部品としては、操
作キーを揺動させることによってスイッチング動作を行
うシーソー操作型スイッチが広く知られている。この従
来のシーソー操作型スイッチを図６〜図９により説明す
る。

【０００３】同図によると、シーソー操作型スイッチ
は、筐体１の上部に支軸４を介して操作キー５を揺動自
在に取付け、この操作キー５の下方に上記支軸４に対し
て垂直な摺動子受け板５ｃを延設して、そこに導電性の
摺動子７を片持ち固定すると共に、複数の扇形固定接点
９ａ〜９ｉをパターン形成した基板８を上記筐体内の摺
動子受け板５ｃと対向する位置に固定し、この基板８の
表面に上記摺動子７を弾接させ、更に、摺動子受け板５
ｃの反対面に一対のばね受け片１６，１７が支軸４に回
転自在に取付けられ、その端部間にコイルばね１８が縮
設されると共に、両ばね受け片１６，１７間に筐体側壁
から突設された係止突片１ｉおよび摺動子受け板５ｃか
ら突設された係合ピン５ｅが嵌入されて挟まれた構成と
なっている。また３は底板であり、２ａは基板８に対向
して設けられた側板である。

【０００４】そして、操作キー５の端部を押圧操作する
と、上記支軸４を回転中心としてこの操作キー５と摺動
子受け板５ｃとが一体的に回転し、摺動子７が基板８の
表面を回転摺動して各扇形固定接点９との接触位置を変
化させることによって、操作キー５の押圧ストロークに
応じて、摺動子７が複数の扇形固定接点９のうちの特定
の接点に接触してその回路をスイッチオンさせたり、あ
るいは別の接点から離脱してその回路をスイッチオフさ
せる等のスイッチング動作を行わせることができると共
に、摺動子受け板５ｃの反対面では、係合ピン５ｅがコ
イルばね１８の弾力に抗して一方のばね受け片１７を回
動させる。

【０００５】この後、操作キー５への押圧操作を解除す
ると、コイルばね１８の弾力によってばね受け片１７が
当初の位置に復帰し、これに伴って係合ピン５ｅを介し
て操作キー５および摺動子７が元の中立位置に復帰す
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】近年、ビデオカメラの
ズーム速度調節用などとして、抵抗値が無段階で調整で
きるシーソー操作型電子部品を要望する声が高まってき
ている。

【０００７】しかしながら、上記した従来のシーソー操
作型スイッチの基板に固定接点の代わりに抵抗体を印刷
等の方式で形成すれば無段階調整のできるシーソー操作
型の可変抵抗器として使用することは可能であるが、こ
の方式では、操作キーの回動支軸に対して垂直に基板を
設け、操作キーの揺動に連動して摺動子が基板表面の接
点上（扇形抵抗体上）を同心円状に回動摺動するもので
あるから、高さ寸法が大きく、ビデオカメラのような小
形電子機器に組み込むには不適当であった。

【０００８】そして、高さ寸法を小さくするためには、
基板寸法すなわちその表面に形成される扇形抵抗体を小
さくする必要があるが、抵抗体を小さく設定すると、ね
らい通りの抵抗値に製作することが難しく、また、扇形
抵抗体の半径すなわち摺動子の回転摺動半径を小さくす
ると、印刷時等のズレによって、左右の押圧ストローク
に対する抵抗値の変化が不揃いになり易いという欠点が
あった。

【０００９】更に、操作キーを中立位置に復帰させるた
めの構造が複雑で、構成部品も多くコスト高になってい
た。

【００１０】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、高さ寸法をおさえながら抵抗体を大きくで
き、しかも操作キーの復帰構造が簡単なシーソー操作型
電子部品を提供することを目的とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、操作キーの中立位置復帰用板ばね先端に取
付けた抵抗基板またはスイッチ基板と、絶縁基体の両端
に取付けた弾性接点とを、操作キーのシーソー動作によ
り摺動接触させるようにしたものである。

【００１２】

【作用】したがって本発明によれば、シーソー操作型電
子部品の高さ寸法を非常に小さくできると共に、また操
作キーの中立位置復帰機能部を安価に製作することがで
きるものである。

【００１３】

【実施例】本発明のシーソー操作型電子部品の一実施例
であるシーソー操作型可変抵抗器を、図１〜図３により
説明する。

【００１４】同図によると、２１は成形樹脂から成る中
空の操作キーで、上面の左右対称位置に押圧操作部２２
が設けられており、その下面内側に各々左右突部２３が
設けられていると共に、中央前後面の同心の支持孔２４
で揺動可能に保持されている。

【００１５】２５は成形樹脂から成る絶縁基体で、上面
中央前後に一対の突出片部５０を備え、この突出片部５
０に設けられた同心の支軸２６が上記操作キー２１の支
持孔２４に嵌合して操作キー２１を揺動可能に支持する
と共に、支軸２６が設けられた一対の突出片部５０の間
の基体上面には、弾性を有する金属薄板から成る逆ハの
字形の板ばね２７が配され、その中央の孔２８に絶縁基
体２５の二本のボス２９を通すことにより位置決めされ
ている。

【００１６】尚、絶縁基体２５の下面には、本シーソー
操作型可変抵抗器を機器に取付けるためのねじ孔３０を
有する保持部３１が設けられている。

【００１７】３２はＴ字形支持体で、操作キー２１の中
立位置において上記板ばね２７に一定の付勢力を持たせ
るために、板ばね２７の上方からその孔３３に上記ボス
２９を通してはめ込み、両側のアーム部先端３４で板ば
ね２７の左右アーム部３５の上面中間部をおさえて一定
量撓ませた後、ボス２９の上方突出部２９´をかしめる
ことによって、板ばね２７と共に絶縁基体２５に固定さ
れている。

【００１８】そして、この状態において、操作キー２１
の下面突部２３が、各々逆ハの字形板ばね２７の左右ア
ーム３５の先端近くに丁度接するように設定されてい
る。

【００１９】更に、３６は後述のようなコの字形印刷抵
抗体３７を片面に有する抵抗基板で、印刷抵抗体３７が
下側となるように、上記板ばね２７左右アーム３５の下
面端部に重ねて、回転支軸すなわち操作キー２１の操作
面に対して平行に取付けられている。

【００２０】そして、３８Ａ，３８Ｂは弾性を有する金
属薄板から成る弾性接触子で、その接点部３９Ａ，３９
Ｂが上記印刷抵抗体３７に対して一定の接触圧力で弾接
するように前記絶縁基体２５の上面両端部から中央方向
上方に向かって伸ばされている。

【００２１】また、各々の接触子３８Ａ，３８Ｂの根元
部から一体に、外部接続用端子４０Ａ，４０Ｂが下方に
向かって伸ばされている。

【００２２】ここで、抵抗基板３６のコの字形印刷抵抗
体３７の詳細について、図４に基づいて説明すると、コ
の字形印刷抵抗体３７の上下の平行部４１Ａ，４１Ｂが
所定の固有抵抗を有する抵抗層で、その一方の端部が銀
等の比抵抗の小さな導電層４２によって接続されてい
る。

【００２３】そして、このようなコの字形印刷抵抗体３
７を有する二枚の抵抗基板３６が、その導電層４２が外
側で開口側が内側となるような対称な形で、板ばね２７
の左右のアーム部３５の下面に重ねて取付けられてい
る。

【００２４】また、弾性接触子３８Ａ，３８Ｂの接点部
３９Ａ，３９Ｂは抵抗層４１Ａ，４１Ｂと同間隔に配列
され、中立位置において端部の導電層４２に接触するよ
うに設定されている。

【００２５】従って、中立位置において、本シーソー操
作型可変抵抗器の左右の外部接続用端子４０Ａ，４０Ｂ
間の抵抗値はほぼゼロとなっている。

【００２６】次に、本シーソー操作型可変抵抗器の操作
キーをシーソー操作する場合の動作について、操作状態
の正面断面図である図５により説明する。

【００２７】まず、操作キー２１の一方の左押圧部２２
を矢印の方向に押すと、操作キー２１は支軸２６（図示
せず）を中心に回転し、押圧操作部下面の左側の突部２
３が板ばね２７の左側のアーム部３５の当接部を下方に
押し下げ、左側のアーム部３５はＴ形支持体３２の下端
３２Ａを支点にして下方に撓み、その中間部はＴ形支持
体３２の左側のアーム部先端３４を離れ、操作キー２１
の左側のストッパー４３が絶縁基体２５の左端の段部４
４に当たる位置まで押し下げることができる。

【００２８】これに伴い、板ばね２７の左側のアーム部
３５の下面に取付けられた抵抗基板３６も下方に押し下
げられると共に、その下面に弾接した左側の弾性接触子
３８Ａ，３８Ｂの接点３９Ａ，３９Ｂを下方に押し下
げ、弾性接触子３８Ａ，３８Ｂはその弾性脚の下端３８
Ｃ，３８Ｄを支点として下方へ撓む。

【００２９】この時、板ばね２７の左側のアーム部３５
と弾性接触子３８Ａ，３８Ｂが、各々Ｔ形支持体３２の
下端３２Ａと弾性脚の下端３８Ｃ，３８Ｄを支点として
円運動をすることにより、両者の接点である左側の抵抗
基板３６下面のコの字形印刷抵抗体３７と弾性接点３９
Ａ，３９Ｂとの接触位置は、矢印で示すように、下方へ
の撓みに伴って中央に近づくことになり、弾性接触子３
８Ａ，３８Ｂの接点３９Ａ，３９Ｂは、コの字形印刷抵
抗体３７の導電層４２から平行な抵抗層４１Ａ，４１Ｂ
上へと移動していき、外部接続用端子４０Ａ，４０Ｂ間
の抵抗値は、下方への撓み量すなわち操作キー２１の押
圧操作量に応じて増大することになる。

【００３０】そして、操作キー２１の左側の押圧操作部
２２に加えていた押し力を除くと、板ばね２７の左側の
アーム部３５の弾性力によって操作キー２１は突部２３
を介して中立位置（図１の状態）まで押し戻され、コの
字形印刷抵抗体３７と弾性接触子３８Ａ，３８Ｂとの接
触位置も元の導電層４２との接触へ復帰する。

【００３１】以上の操作キー２１の左側の押圧操作部２
２操作時において、逆ハの字形の板ばね２７の右側のア
ーム部３５は、Ｔ字形支持体３２の右側のアーム部先端
３４により規制されているので全く動作せず、従って右
側の外部接続用端子４０Ａ，４０Ｂ間の抵抗値はほぼゼ
ロのままである。

【００３２】また、同様に、操作キー２１の他方の右側
の押圧操作部２２に押し力を加えて押し下げると、その
押し込み量に対応して右側の外部接続用端子４０Ａ，４
０Ｂ間の抵抗値のみを変化させることができるものであ
る。

【００３３】以上の説明では、左側の抵抗基板３６のコ
の字形印刷抵抗体３７と右側の抵抗基板３６のコの字形
印刷抵抗体３７の抵抗値との関係について述べなかった
が、これらの抵抗値を同じ値にも、各々別個の値にも設
定することができることは勿論である。

【００３４】なお、上記実施例においては、抵抗基板３
６にコの字形印刷抵抗体３７を設けてシーソー操作型可
変抵抗器を構成しているが、コの字形印刷抵抗体に代え
て複数個の固定接点を有するスイッチ基板を用いてシー
ソー操作型スイッチを構成することも可能であり、この
場合には無段階調整の効果はないが、小形化、低価格化
の効果を有するものである。

【００３５】

【発明の効果】本発明のシーソー操作型電子部品は、上
記実施例により明らかなように、 （１）抵抗基板またはスイッチ基板が小形で、操作キー
の操作面と平行に取付けられ、しかも操作キーの復帰用
板ばねや弾性接触子と共に操作キーの空隙部内に収めら
れるので、シーソー操作型電子部品全体としての大き
さ、特に高さ寸法を非常に小さくすることができる。

【００３６】（２）抵抗基板上のコの字形印刷抵抗体の
抵抗層またはスイッチ基板上の固定接点は直線上であ
り、印刷時等のズレも生じ難く、高精度化が可能とな
る。

【００３７】（３）操作キーを中立位置に復帰させるた
めの部品は、金属薄板製の板ばね一枚であり、またシー
ソー操作型電子部品全体としての構成部品点数も少ない
ので、コスト面でも非常に有利である。 等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシーソー操作型電子部品の一実施例で
あるシーソー操作型可変抵抗器の正面断面図

【図２】（Ａ）同正面図 （Ｂ）同側断面図

【図３】同分解斜視図

【図４】同図１のＡ−Ａ′線における断面図

【図５】同操作状態の正面断面図

【図６】従来のシーソー操作型電子部品であるシーソー
操作型スイッチの分解斜視図

【図７】同要部である基板の正面図

【図８】同正面図

【図９】同要部である復帰機構の動作を説明する正面図

【符号の説明】

２１ 操作キー ２３ 突部 ２５ 絶縁基体 ２６ 支軸 ２７ 板ばね ３２ Ｔ字形支持体 ３５ アーム部 ３６ 抵抗基板 ３８ 弾性接触子５０ 突出片部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 操作キーと、この操作キーを揺動可能に
   支持する支軸が設けられた一対の突出片部を上面中央に
   備えた絶縁基体と、中央部を上記絶縁基体の上面の突出
   片部間に固定され、左右アームの上面先端が上記操作キ
   ーの下面の左右突部に当接して操作キーを中立位置に保
   持する逆ハの字形の板ばねと、上記操作キーの中立位置
   において上記板ばねに一定の付勢力を持たせるためにこ
   の板ばねの左右アームの上面中間部をおさえつけるよう
   に上記絶縁基体に固定されたＴ字形支持体と、上記板ば
   ねの左右アームの下面にそれぞれ装着された抵抗基板
   と、上記絶縁基体の上面両端部から各々伸ばされ、その
   各々に設けられた接点部がそれぞれの抵抗基板に弾接し
   ている弾性接触子からなるシーソー操作型電子部品。
2. 【請求項２】抵抗基板に代えて複数個の固定接点を有す
   るスイッチ基板を板ばねの左右アームの下面に装着した
   請求項１記載のシーソー操作型電子部品。