JP3028898B2 - 管の漏洩欠陥位置測定方法 - Google Patents

管の漏洩欠陥位置測定方法

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JP3028898B2
JP3028898B2 JP5175076A JP17507693A JP3028898B2 JP 3028898 B2 JP3028898 B2 JP 3028898B2 JP 5175076 A JP5175076 A JP 5175076A JP 17507693 A JP17507693 A JP 17507693A JP 3028898 B2 JP3028898 B2 JP 3028898B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、管の漏洩欠陥位置測定
方法、例えば、多管式熱交換器に用いられる伝熱細管の
漏洩欠陥位置をヘリウムガスを用いて測定するヘリウム
リークテストに関する。更に詳しくは、被検査管の外部
である管外部空間にその内部である管内部空間よりも高
圧状態でサーチガスを充満すると共に前記管内部空間の
管内気体に一方向流を生じさせ、前記管内部空間に前記
被検査管の一端側からプローブを挿入して移動させ、そ
のプローブの各挿入位置において前記プローブにより採
取した前記管内気体をサーチガス検出器へ供給し、前記
サーチガスの含有量の測定値が変化するときの前記プロ
ーブの挿入位置を測定することによって被検査管の漏洩
欠陥位置を得る管の漏洩欠陥位置測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述の如き管の漏洩欠陥位置測定
方法としては、特開昭57年98797号公報に記載の
ものが知られている。同公報によれば、多管式熱交換器
の胴内部にヘリウムガスを注入すると共に、伝熱細管の
一端側から管内気体を吸引して伝熱細管内に一方向流れ
を生じさせ、ヘリウムガスの有無の変異点をもって漏洩
欠陥の位置とし、この位置を測定することを目的として
いる。そして、吸引手段を構成するにあたり、伝熱細管
の一端側部分を排気ダクトを結合してブロワ等を駆動さ
せることにより、エジェクタ効果をもって管内気体を吸
引していた。
【0003】しかし、上述の管の漏洩欠陥位置測定方法
によれば、測定される漏洩欠陥位置は実際の漏洩欠陥位
置に対して未だ大きな誤差を生じる場合がある。つま
り、従来の欠陥位置測定方法では、ヘリウムガスの拡散
速度と管内気体の吸引速度との釣合が適切にとれていな
かった。したがって、測定精度を上げるには何度も繰り
返し作業を要し、その結果、測定作業やその後の修理作
業に長時間を要するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる問題に鑑みて、
本発明の目的は、管の漏洩欠陥位置を従来よりも短時間
で正確に測定することの可能な管の漏洩欠陥位置測定方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る管の漏洩欠陥位置測定方法の特徴構成
は、被検査管の外部である管外部空間にその内部である
管内部空間よりも高圧状態でサーチガスを充満すると共
に前記管内部空間の管内気体に一方向流を生じさせ、前
記管内部空間に前記被検査管の一端側からプローブを挿
入して移動させ、そのプローブの各挿入位置において前
記プローブにより採取した前記管内気体をサーチガス検
出器へ供給し、前記サーチガスの含有量の測定値が変化
するときの前記プローブの挿入位置を測定することによ
って被検査管の漏洩欠陥位置を得る方法において、前記
管内気体の一方向流の流速を一定範囲内に設定し、前記
プローブを回転させて前記被検査管に対する前記プロー
ブの管内気体採取用の孔の位相を変化させることにあ
る。前記プローブの横に番線を沿わせて結合し、この番
線の下部の操作により前記プローブを回転させてもよ
い。前記被検査管が熱交換器における伝熱細管であり、
前記管外部空間が伝熱細管を囲む胴の内部空間であり、
前記サーチガスがヘリウムガスであるようにするとよ
い。前記管内気体の一方向流の流速は、2.1cm/sec
以上4.8cm/sec 以下の範囲内に設定することが望ま
しい。一方、上記いずれかに記載の管の漏洩欠陥位置測
定方法に用いる吸引装置の特徴は、2種類のバルブと2
種類の流量計を並列に備えていることにある。
【0006】
【作用】まず、漏洩欠陥位置から管内部に侵入するサー
チガスの挙動を調べるために、煙によるシュミレーショ
ンを行った。図4に示すように、管60の内部気体に一
方向流Fを発生させ、漏洩欠陥60aから煙を入れる
と、同図(a)に示すように管内気体の流速が低い場合
は、漏洩欠陥60aとは反対側の部分で漏洩欠陥60a
よりもかなり下方の位置まで煙70が拡散するのに対
し、同図(c)に示すように管内気体の流速が高い場合
には、漏洩欠陥60a置とは反対側の部分には煙70が
ほとんど行き渡らない状態で下流側に煙70が流れてい
ることが判明した。また、管内気体の流速を適度に調整
することによって、同図(b)に示すように漏洩欠陥6
0aとほぼ同じ高さの位置に、漏洩による煙を含む部分
と含まない部分の境界層(以下、本明細書において「エ
アカーテン」と称する。)が管60の直径方向に沿うよ
うに広がることが判明した。
【0007】ところで、プローブの外径は、管内への挿
入・退出を容易にすべく、管の内径よりもかなり小さく
形成されているため、プローブの先端は管の内部におい
て中心に存在するとは限らず、壁面に沿うように移動す
る可能性も高い。従来の測定方法においてはサーチガス
のエアカーテンが図4(a),(c)のような状態にな
っていた可能性があり、管の直径方向に対するプローブ
先端の位置によって、漏洩欠陥位置の測定に大きな誤差
を生じている可能性があったので、繰り返し測定作業を
行う必要があった。
【0008】下記表1,2にその結果を示す発明者の実
験によれば、前記管内気体の一方向流の流速を一定範囲
内、特に、2.1cm/sec 以上4.8cm/sec 以下の範
囲内に設定することで、プローブの先端が管の壁面のう
ち、漏洩欠陥のある側、この欠陥とは反対側、及び、こ
れらの中間位置のいずれにあっても、漏洩欠陥位置の手
前10mm程度の位置において、サーチガス検出器の値が
バックグラウンドの値の倍程度になることが判明した。
すなわち、上記シュミレーション及び下記表1,2の傾
向より、上記流速の範囲内において、サーチガスのエア
カーテンは管の直径方向に沿うように広がっていること
となり、ガス採取孔を有するプローブの先端が被検査管
の直径方向のどこに位置していても、漏洩欠陥とほぼ同
じ高さの位置でサーチガスのエアカーテンを貫通するこ
とが可能となる。
【0009】本発明では、管内気体の一方向流の流速を
一定範囲内に設定することで、サーチガスのエアカーテ
ンが管の直径方向に沿うように広げている。そして、プ
ローブを回転させて前記被検査管に対する前記プローブ
の管内気体採取用の孔の位相を変化させることで、前記
エアカーテンが管の直径方向に沿うように広がっている
ことを確認することができる。また、上記吸引装置の特
徴によれば、2種類のバルブと2種類の流量計を並列に
備えているので、上記一方向流の流量を連続的に調整す
ることができる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の第一の
実施例を説明する。本実施例においては、図1に示すよ
うに、多管式熱交換器における1本の伝熱細管の実物大
模型を用いて実験装置を構成してある。この実験装置1
は、大略、漏洩欠陥を有する被検査管である逆U字型の
伝熱細管3と、漏洩欠陥部に設けた擬似胴部5と、擬似
胴部5にサーチガスであるヘリウムガスを供給するボン
ベ7と、伝熱細管3の一端側から管内に挿入するプロー
ブ9と、プローブ9により採取した管内気体を検知する
サーチガス検出器の一例であるヘリウム検出器11と、
伝熱細管の他端から管内気体を吸引する吸引装置13と
よりなる。
【0011】伝熱細管3に設けた擬似胴部5は、図2に
示すように、伝熱細管3に形成した漏洩欠陥3aを気密
状態で取り囲んでおり、先のボンベ7から延出するヘリ
ウム供給管5aと連結されて、熱交換器における胴を部
分的に再現している。すなわち、擬似胴部5と伝熱細管
3とで囲まれる部分が、胴の内部空間で且つ伝熱細管の
外部である管外部空間5bに相当するものとなる。な
お、本実施例では、漏洩欠陥3aを水中置換法にて0.
0024Acc/secの大きさに設定し、ヘリウムガスの供
給圧をゲージ圧で0.5kg/cm2G程度に設定して、上記
管外部空間5bを伝熱細管3の内部である管内部空間3
aよりも高圧にしてある。また、伝熱細管3は全長がほ
ぼ18m程度、管内直径が20mm程度のものを用いてい
る。
【0012】吸引装置13は、真空ポンプ13a、流量
計及びバルブ13b,13cよりなる。吸引装置13か
ら延出する吸引管14と伝熱細管3とは栓15を介して
気密状態に結合されている。真空ポンプ13aにはレシ
プロピストンポンプを用いてあるが、他の形式のもので
もよく、排気系口はプローブの挿入側とは隔離された所
に位置させてある。バルブ13b,13c及び流量計は
回路に2系統並列接続してあり、各別に0〜1000cc
/minの範囲と、0〜20l/minの範囲とで連続的に流量
を調整できるように構成してある。すなわち、バルブの
調整によって、管内部空間3bの管内気体を所定の流量
で吸引することにより、同管内気体に所定速度の一方向
流Fを生じさせることが可能となっている。
【0013】上記プローブ9としては、図2に示すよう
に、先端がコーン状に尖った直径9mm程度の棒で且つ中
心を貫通する非常に微細な孔9aより管内気体を採取す
るスニファープローブを用いてある。このプローブ9の
基部はヘリウム検出器11へ採取気体を導く採取管9b
と連結されている。採取管9bには、プローブ9を伝熱
細管3内に押し込み可能な程度の座屈強度を有するもの
を用いてある。本実施例では、伝熱細管3の直径方向に
おけるプローブ9先端の位置を変化させるため、直径6
mm程度の番線17を1mm程度隔ててプローブ9の横に沿
わせ、これら両者をビニールテープで巻き付けて結合し
てある。そして、番線17の下部をL字型に折り曲げ
て、漏洩欠陥3aに対するプローブ9の位相を変更する
ための図示しない操作部を構成してある。本実施例で
は、プローブ9が、夫々、漏洩欠陥3aと同位相にある
場合(図中B)、漏洩欠陥3aから90°回転した位相
にある場合(図中Q)、及び、漏洩欠陥3aから180
°回転した位相にある場合(図中H)の3点にて採取を
行っている。採取管9bには、挿入されたプローブ9の
先端から伝熱細管3の入り口までの距離を計測可能とす
るための図示しない目盛りを付けてあり、また、本実施
例では漏洩欠陥3aの位置が既知であるので、漏洩欠陥
3aの位置からプローブ9の先端までの距離を測定でき
る。
【0014】ヘリウム検出器(ヘリウムリークディテク
タ)11は、ヘリウム測定用として調整された質量分析
計を備えており、その他、ロータリーポンプや油拡散ポ
ンプよりなる排気装置、真空計、トラップ等を備えてい
る。排気装置の吸引力により採取された管内気体は質量
分析計に送られ、ここでヘリウムガス濃度が相対値とし
て計測される。大気中に含まれるヘリウムガス濃度をバ
ックグラウンドの値とし、このバックグラウンドの値よ
りも測定されたヘリウムガス濃度が高いときは、伝熱細
管の漏洩欠陥位置3aよりも前記一方向流Fの下流側位
置にプローブ9の先端が位置していることになる。
【0015】ここで、上記実験装置による測定結果を表
1,2に示す。プローブ9を前記一方向流の上流側から
下流側(吸引装置13の結合側)に向かって挿入してい
き、各挿入位置において、上記番線17の操作部により
漏洩欠陥3aに対するプローブ9の位相を変えて上記
B,Q,Hに対応する3点ずつの採取を行った。設備の
温度はほぼ常温である。なお、表中、測定位置の符号が
負になっているのはプローブ9の先端が漏洩欠陥3aよ
りも前記一方向流Fの上流側にあることを意味し、測定
位置の符号が正になっているのはプローブ9の先端が漏
洩欠陥3aよりも下流側にあることを意味する。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】上記表1,2によれば、吸引装置13によ
る吸引量が0.4〜0.9l/min場合、漏洩欠陥からの
距離を−20mmから−10mmに変更すると、ヘリウム検
出器11によるヘリウムガスの含有量の測定値は、上記
B,Q,Hのいずれの位相においてもバックグラウンド
の値の2倍以上に変化している。したがって、プローブ
9が伝熱細管3の直径方向に対するどのような位置にあ
っても、漏洩欠陥3aの上流側10〜20mm程度の位置
から漏洩欠陥3aの存在位置をほぼ確実に測定できるこ
とが伺える。すなわち、同吸引量の範囲においてはサー
チガスのエアカーテンが漏洩欠陥3aの上流側10〜2
0mmの間に形成されていると考えられ、このエアカーテ
ンをプローブ9で貫通し、エアカーテンの位置を知るこ
とによって、漏洩欠陥3aの位置を間接的に知ることが
できることとなる。なお、吸引量0.3l/min以下では
漏洩欠陥3aの上流側20mmと30mmとの間から徐々に
測定値が大きくなっていて変化が緩慢であることより、
また、吸引量1.0l/min以上ではBの位相での値の変
化が小さいことより、夫々、漏洩欠陥位置の正確な測定
に対しては望ましくない結果となっている。本実験装置
による吸引装置13の吸引量としては0.4l/min以上
0.9l/minが適切である。伝熱細管の内径が20mmで
あることを考慮して、これらの値を以下の式により伝熱
細管3内での流速に置換する。
【0019】 0.4×1000/(1.0×1.0×π×60)≒2.1[cm/sec] 0.9×1000/(1.0×1.0×π×60)≒4.8[cm/sec] よって、漏洩欠陥位置の正確な測定を行うには、管内気
体の一方向流Fの流速をほぼ2.1cm/sec以上4.8cm
/sec以下の範囲内に設定することが必要となる。
【0020】漏洩欠陥3aからさらに150mm程度挿入
した下流側の位置では、ヘリウムガスがほぼ均一に拡散
していると共に管内気体の流量が既知であるため、ヘリ
ウム検出器の測定値をもって欠陥孔寸法の絶対値を知る
ことができる。すなわち、孔の寸法が既知の標準テスト
ポートとヘリウムガス濃度が既知の校正用ガスとを用い
てヘリウム検出器の値を測定し、これらの値を用いて計
算により欠陥孔の寸法を求めることができる。但し、欠
陥孔は円筒形直管形状と仮定する。
【0021】まず、欠陥孔を算出するための一般式を求
める。気体の流れを圧縮性流体として取り扱うと、 Q=π×d4×(P1−P2)/(128×μ×l) −(a) なお、P1,P2:入口、出口の圧力 [kgf/m
2] Q:漏洩量 [m3/sec] l:欠陥長さ(細管材料の厚み) [m] μ:ヘリウムガスの粘性係数 [kgf・sec/m2] d:漏洩欠陥を丸孔としたときの直径 [m]
【0022】ここで、式(a)を変形すると、漏洩欠陥孔
の直径dを求めるための一般式が得られる。 d= [128×μ×l×Q/π×(P1−P2)]1/4) −(b) 以下に、流量0.6l/min、測定位置+150mmにおけ
る測定結果を用いて、欠陥孔の寸法を求める。まず、ヘ
リウム検出器の校正のための値を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】上記表3の結果より、 51[div]/5[ppm]=10.2[div/ppm] 480[div]/5[ppm]= 9.6[div/ppm] よって、1ppm あたりの表示値は両者の平均、9.9d
ivであることとする。
【0025】流量0.6l/min 、測定位置+150mm
における測定結果の平均を求める。 (1400+1400+1300)/3=1367[div] また、欠陥孔から伝熱細管中へリークしたヘリウムガス
の細管内の平均濃度は (1367−51)/9.9=132.9[ppm] さらに1秒間にリークするヘリウムガス量は、 Q=132.9×10-6×600/60=1.329×10-3[cm3/sec]
【0026】ここで、ヘリウムの粘性係数 μ=19.93
×10-6[kgf・sec/m2]、伝熱細管の肉厚l=1.2×10
-3[m]、細管外側の絶対圧力P1=1.5×104[kgf/m2]、細
管内側の絶対圧力P2=1.0×104[kgf/m2]であるから、
式(b)を用いて、漏洩欠陥の孔の直径dが求まる。 d=[128×19.93×10-6×1.2×10-3×1.33×10-9/3.14×(1.5-1.0)×104]1/4 ≒2.26×10-5 [m] =22.6 [μm]
【0027】次に、本発明の第二実施例として、多管式
熱交換器における伝熱細管の漏洩欠陥位置測定方法につ
いて説明する。図3に示すように、熱交換器20は、大
略、胴21の内部を管板23により上下に仕切ると共
に、胴21の下部を仕切壁25にて左右に仕切って2つ
の仕切室27,29を形成し、逆U字型の伝熱細管3
を、その各端部が各別に仕切室27,29に連通するよ
うに管板23に固着してなる。本来、多管式熱交換器で
は、非常に数多くの伝熱細管が設けられているが、この
図では代表して1本のみ描いてある。胴21には仕切弁
31を備えた蒸気移送管33及び移送水弁35を備えた
移送水管37が夫々連通している。また、上記両仕切室
27,29は夫々図示しない一次水管により高温側圧力
容器と連通している。そして、一方の仕切室27から伝
熱細管3を経て他方の仕切室29に流れる高温の一次水
の加熱により、移送水管37から供給された二次水は蒸
気となって蒸気移送管33へ至る。なお、各仕切室2
7,29の下部には点検用のマンホール27a,29a
が開口しており、これらは通常運転時において図示しな
い蓋により封止されている。
【0028】プローブ9、ヘリウム検出器11、吸引装
置等13は先の第一実施例とほぼ同様に構成してある
が、プローブ9に番線を沿わせていない点、並びに、バ
ルブ13d及び流量計と並列に常時閉状態となっている
バイパス用の切替弁13eを設けた点が異なる。また、
プローブ9に接続する採取管9bにゲージを設けて、プ
ローブ9の先端部の挿入位置を測定できるようにしてあ
る。なお、漏洩欠陥位置の測定作業に先立って、仕切室
27,29、伝熱細管3及び胴21内部を夫々減圧によ
り十分乾燥させておき、仕切弁31及び移送水弁35を
閉じると共に、伝熱細管3、管板23及び胴21に囲ま
れた胴の内部空間21aに約10kg/m2G程度の到達圧力
(ゲージ圧)でヘリウムガスを注入しておく。また、周
知の方法によって、どの伝熱細管に漏洩欠陥が生じてい
るかを調べておく。
【0029】まず、漏洩欠陥が生じている伝熱細管3の
一端側にマンホール29aを介して吸引装置13の吸引
管14を詮15により取り付け、吸引量0.4〜0.9
l/min (管内気体の流速に換算すると、2.1〜
4.8cm/sec)程度の割合で管内気体を吸引する。そし
て、採取管9bを手で持ち、伝熱細管3の他端側から他
のマンホール27aを介してプローブ9を管内部空間3
bに挿入して行く。このとき、最初は数mずつ挿入して
いき、ヘリウム検出器11の測定値が大きくなった時に
は、少し戻してもう一度測定を行い、測定値が未だ大き
い時はさらに戻し、測定値が小さいときには先程よりも
短いピッチで順次挿入して行く。各測定点ではヘリウム
検出器11の応答時間を考慮して90秒程度以上待って
から、次の測定点までプローブ9を移動させる。この操
作を数回繰り返すことにより、ヘリウムガスの含有量の
測定値が変化するときのプローブ挿入位置を測定でき、
最終的に漏洩欠陥位置を得ることができる。なお、測定
作業開始前や測定値が不安定な場合は伝熱細管3内にヘ
リウムガスが滞留していることも考えられるため、上記
切替弁13eを操作して吸引量を一時的に増し、滞留し
たヘリウムガスを排出するようにしてもよい。
【0030】次に、漏洩欠陥の孔の大きさを評価するた
め、漏洩欠陥位置がほぼ判明した段階でプローブ9の先
端が漏洩欠陥位置よりもさらに下流側に位置するように
押し込んで行く。この際、ヘリウム検出器11の測定値
が大きく変わらないところまでプローブ9を押し込む。
リークしたヘリウムガスが管内気体中にほぼ均一に拡散
しているところで測定すれば、標準値との比較により漏
洩欠陥の孔の大きさをより正確に求められるからであ
り、上述のごとくプローブ9を漏洩欠陥3aの位置より
もさらに下流側へ150mm程度挿入すれば足りる。孔の
大きさは、測定値と上述の式(b)等を用いて求めるこ
とができる。本実施例では、漏洩欠陥を生じていない伝
熱細管や漏洩欠陥位置よりも上流側の部分において、標
準テストポートや標準テストガスを用いてヘリウム検出
器の測定感度を簡単かつ実情に即して校正することがで
き、より正確な漏洩欠陥の孔の大きさを知ることができ
る。なお、本発明は、上記熱交換器20として立型熱交
換器について特に好適に実施できる。
【0031】次に、その他の実施例を説明する。上記実
施例では、プローブ9の挿入方向と吸引装置11による
管内気体に生じた一方向流Fの方向とを同一方向にした
が、これらの方向は互いに逆方向であってもよい。すな
わち、ポンプを用いて伝熱細管の一端側から一定の流量
で空気を送り込む一方、伝熱細管の他端からプローブを
挿入するようにしてもよく、この場合、ヘリウム検出器
による計測値がバックグラウンドの値程度になること
で、漏洩欠陥位置の存在を知ることができる。
【0032】上記実施例ではサーチガス検出器11で検
知すべきサーチガスとしてヘリウムガスを用いたが、ア
ンモニアガスやフロンガス等の他のものを用いてもよい
し、サーチガス検出器11としては、質量分析計を含ま
ない種類のものを用いることもできる。また、上記実施
例では多管式熱交換器の伝熱細管に本発明を実施した
が、他の種類の熱交換器や、熱交換器以外の管について
も実施可能である。さらに、本発明は常温のみならず、
0〜100℃程度の温度範囲で実施可能である。なお、
上記各実施例ではプローブの挿入を手により行ったが、
クランプの付いた棒を介して挿入したり、ロボットを用
いて挿入してもよい。
【0033】
【発明の効果】このように、上記本発明にかかる管の漏
洩欠陥位置測定方法によれば、被検査管に対するプロー
ブの管内気体採取用の孔の位相を変化させることで、エ
アカーテンが管の直径方向に沿うように広がっているこ
とを確認でき、漏洩欠陥位置を迅速且つ正確に測定でき
るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】管の漏洩欠陥位置測定方法を実施するための装
置の全体図である。
【図2】プローブと伝熱細管との関係を示す要部拡大図
であって、(a)は縦断面図、(b)は概略横断面図で
ある。
【図3】熱交換器において管の漏洩欠陥位置測定方法を
実施するための説明図である。
【図4】煙による管の漏洩欠陥位置測定方法のシュミレ
ーションを示す縦断面図であって、(a)は管内気体の
流速が低い場合、(b)は管内気体の流速が適切である
場合、(c)は管内気体の流速が高い場合を夫々示す。
【符号の説明】
3 被検査管 5b,21a 管外部空間 3b 管内部空間 F 一方向流 9 プローブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 敬 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番 1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所 内 (72)発明者 中島 広水 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番 1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所 内 (72)発明者 藤田 文雄 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番 1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所 内 (72)発明者 東 悟 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番 1号 三菱重工業株式会社 神戸造船所 内 (56)参考文献 特開 昭57−98797(JP,A) 特開 平5−40071(JP,A) 実開 昭58−51248(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 3/00 - 3/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査管(3)の外部である管外部空間
    (5b,21a)にその内部である管内部空間(3b)
    よりも高圧状態でサーチガスを充満すると共に前記管内
    部空間(3b)の管内気体に一方向流(F)を生じさ
    せ、前記管内部空間(3b)に前記被検査管(3)の一
    端側からプローブ(9)を挿入して移動させ、そのプロ
    ーブ(9)の各挿入位置において前記プローブ(9)に
    より採取した前記管内気体をサーチガス検出器へ供給
    し、前記サーチガスの含有量の測定値が変化するときの
    前記プローブ(9)の挿入位置を測定することによって
    被検査管(3)の漏洩欠陥位置を得る管の漏洩欠陥位置
    測定方法において、前記管内気体の一方向流(F)の流
    速を一定範囲内に設定し、前記プローブ(9)を回転さ
    せて前記被検査管(3)に対する前記プローブ(9)の
    管内気体採取用の孔(9a)の位相を変化させることを
    特徴とする管の漏洩欠陥位置測定方法。
  2. 【請求項2】 前記プローブ(9)の横に番線(17)
    を沿わせて結合し、この番線(17)の下部の操作によ
    り前記プローブ(9)を回転させる請求項1記載の管の
    漏洩欠陥位置測定方法。
  3. 【請求項3】 前記被検査管(3)が熱交換器における
    伝熱細管であり、前記管外部空間が伝熱細管を囲む胴の
    内部空間(21a)であり、前記サーチガスがヘリウム
    ガスである請求項1又は2のいずれかに記載の管の漏洩
    欠陥位置測定方法。
  4. 【請求項4】 前記管内気体の一方向流(F)の流速を
    2.1cm/sec以上4.8cm/sec 以下の範囲内に設定し
    てある請求項1〜3のいずれかに記載の管の漏洩欠陥位
    置測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の管の漏
    洩欠陥位置測定方法に用いる吸引装置であって、2種類
    のバルブ(13b、13c)と2種類の流量計を並列に
    備えている吸引装置。
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