JP3026612B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物

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JP3026612B2
JP3026612B2 JP2415109A JP41510990A JP3026612B2 JP 3026612 B2 JP3026612 B2 JP 3026612B2 JP 2415109 A JP2415109 A JP 2415109A JP 41510990 A JP41510990 A JP 41510990A JP 3026612 B2 JP3026612 B2 JP 3026612B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネート樹脂組
成物に関し、詳しくは新規なポリカーボネート−ポリジ
メチルシロキサン(PC−PDMS)共重合体及びゴム
状弾性体を含有する耐衝撃性に優れたポリカーボネート
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性に優れた樹脂であり
他樹脂とのブレンドによる改良も広く行われている。例
えば、ゴム状弾性体を添加してポリカーボネート樹脂の
耐衝撃性を改良することが行われている。しかし、単に
ゴム状弾性体を添加しただけでは強度,弾性率が大きく
低下しない範囲では耐衝撃性の向上は望めなかった。こ
の問題点を改善したものとしてポリカーボネート−ポリ
シロキサンとアクリルゴムまたはポリジメチルシロキサ
ン(PDMS)へのグラフト共重合体及びゴムからなる
ポリカーボネート樹脂(特開昭61−200161号公
報参照)及びポリカーボネート−ポリシロキサンとイソ
ブチレンからなるポリカーボネート樹脂(特開昭63−
51452号公報参照)が挙げられる。しかし、このよ
うなポリカーボネート樹脂組成物は、双方共にポリカー
ボネート−ポリシロキサンを用いているため耐衝撃性は
向上するが、向上効果が低いという問題があった。とこ
ろで、先般、本発明者らのグループは従来のポリカーボ
ネートが持つ機械的,光学的性質を維持しつつ、耐衝撃
性を改良した新しい構造のポリカーボネート系共重合体
を開発することに成功した(特願平1−174046号
明細書およびPCT/JP90/00864号明細
書)。本発明者らは上記の新規ポリカーボネート系共重
合体の長所を維持しつつ、さらに性質を向上させるべく
鋭意研究を重ねた。
【0003】
【課題を解決するための手段】その結果、この新規ポリ
カーボネート系共重合体にゴム状弾性体を配合すること
により、耐衝撃性をさらに改善することができることを
見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したもの
である。すなわち、本発明は、(A)一般式(a)
【0004】
【化3】
【0005】〔式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水
素,炭素数1〜4のアルキル基を示し、R3 及びR4
それぞれ独立に水素,ハロゲン,炭素数1〜20のアル
キル基又はアリール基を示し、xは1〜5の整数を示
し、yは1〜4の整数を示し、nは1〜100の整数を
示す。〕で表わされるポリカーボネートブロック及び一
般式(b)
【0006】
【化4】
【0007】〔式中、R5 及びR6 はそれぞれ独立に芳
香核を含む有機残基を示し、mは100以上の整数を示
す。〕で表わされるポリジメチルシロキサンブロックか
らなる共重合体であって、この共重合体中のポリジメチ
ルシロキサンブロック部分の割合が0.5〜10重量%で
ある共に該共重合体のn−ヘキサン可溶分が1.0重量%
以下であり、粘度平均分子量が10,000〜50,000であるポ
リカーボネート−ポリジメチルシロキサン(PC−PD
MS)共重合体40〜99重量%及び(B)ゴム状弾性
体60〜1%からなることを特徴とするポリカーボネー
ト樹脂組成物を提供するものである。
【0008】本発明の組成物は、上記の如く(A)PC
−PDMS共重合体及び(B)ゴム状弾性体を主成分と
するものであるが、ここで(A)成分であるPC−PD
MS共重合体は、上記のように一般式(a)で表わされ
るポリカーボネート(以下、PCということがある)ブ
ロック及び一般式(b)で表わされるポリジメチルシロ
キサン(以下、PDMSということがある)ブロックか
らなるブロック共重合体である。一般式(a)中のR1
及びR2 は、それぞれ独立に水素,炭素数1〜4のアル
キル基、例えば、メチル基,エチル基,n−プロピル
基,i−プロピル基,n−ブチル基,i−ブチル基,s
−ブチル基,t−ブチル基を示す。また、一般式(a)
中のR3 及びR4 は、それぞれ独立に水素,ハロゲン
(例えば、塩素,フッ素,臭素など),炭素数1〜20
のアルキル基(例えば、メチル基,エチル基,n−プロ
ピル基,i−プロピル基,n−ブチル基,i−ブチル
基,s−ブチル基,t−ブチル基,n−オクチル基,t
−オクチル基,n−デシル基,n−オクタデシル基な
ど)又はアリール基(例えば、フェニル基,ベンジル
基,α,α−ジメチルベンジル基など)を示す。また、
一般式(b)中のR5 及びR6 は、芳香核を有する有機
残基である。ここで、芳香核を有する有機残基として
は、様々なものがあるが、例えば、3−(o−ヒドロキ
シフェニル)プロピレン基,2−(p−ヒドロキシフェ
ニル)エチレン基あるいは
【0009】
【化5】
【0010】で表わされる基などがあげられる。また、
(A)成分であるPC−PDMS共重合体は、例えば一
般式(c)
【0011】
【化6】
【0012】〔式中、R1,R2,R4 及びyは前記と同じ
である。〕で表わされる有機ジヒドロキシ化合物及び一
般式(d)
【0013】
【化7】
【0014】〔式中、R5 ,R6 及びmは前記と同じで
ある。〕で表わされるポリジメチルシロキサンと炭酸エ
ステル形成性誘導体とを液体媒体中で分子量調節剤の存
在下に反応させることによって得ることができる。ここ
で一般式(c)で表わされる有機ジヒドロキシ化合物と
しては、様々なものがあるが、例えば、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)アルカンが挙げられるが、さらに具体
的には2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン〔通称ビスフェノールA〕;ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブ
タン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソペン
タン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソヘキ
サン;4,4−ジヒドロキシトリフェニルメタン;4,
4−ジヒドロキシテトラフェニルメタン;1,1 −ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;2,2−
ビス(4,4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(4,4−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)プロパンなどのビスフェノール類であ
る。また、一般式(d)で表わされるポリジメチルシロ
キサンは、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン
とジシロキサンとを反応させて、末端が水素のポリジメ
チルシロキサンを製造し、これをアリルフェノールと反
応させることにより、末端フェノールポリジメチルシロ
キサンを合成することができる。このとき、オクタメチ
ルシクロテトラシロキサンとジシロキサンの量比によ
り、ジメチルシラノキシ単位の繰り返し数を制御するこ
とができる。この製造工程は下記の反応式で表わすこと
ができる。
【0015】
【化8】
【0016】ここで、ジメチルシラノオキシ単位の繰り
返し数mは、100以上であることが必要である。この
mが100未満であると、例えば充填材として用いたガ
ラス繊維と混合したときにアイゾット耐衝撃性が低下す
る。なおmが400を超えるものは製造が困難になり実
用的でない。
【0017】この反応終了後、低沸点成分(主として2
〜3量体)を除去するために真空蒸留を行うことが望ま
しい。真空蒸留の条件は特に制限はないが、100〜2
00℃で10Torr以下で低沸点成分が留去しなくなるま
で(例えば1〜200分)蒸留すればよい。また、炭酸
エステル形成性誘導体としては、通常はホスゲンが用い
られるが、このホスゲン以外に各種の化合物、例えばブ
ロモホスゲン,ジフェニルカーボネート,ジ−p−トリ
ルカーボネート,フェニル−p−トリルカーボネート,
ジ−p−クロロフェニルカーボネート,ジナフチルカー
ボネートなど、あるいは更にこれらの化合物と前記有機
ジヒドロキシ化合物とからなるポリカーボネートオリゴ
マーを用いることも可能である。
【0018】本発明において、上記のような有機ジヒド
ロキシ化合物及びポリジメチルシロキサンと炭酸エステ
ル形成性誘導体とからPC−PDMS共重合体を製造す
るにあたって、反応系に分子量調節剤を存在させる。分
子量調節剤としては様々なものを用いることができる
が、具体的にはペンタハロゲノフェノール(例えば、ペ
ンタブロモフェノール,ペンタクロロフェノール,ペン
タフルオロフェノール),トリハロゲンフェノール(例
えば、トリブロモフェノール,トリクロロフェノール,
トリフルオロフェノール),フェノール,p−クレゾ−
ル,p−tert−ブチルフェノール,p−tert−オクチル
フェノール,p−クミルフェノールなどがあげられる。
【0019】有機ジヒドロキシ化合物の仕込み量は、製
造すべきPCブロックの重合度によって適宜定めればよ
い。一方、分子量調節剤及び炭酸エステル形成性誘導体
の導入量は、PCブロックの重合度を規定する。したが
って、その導入量はその目的に応じた量とすればよい。
なお、分子量調節剤の具体的な導入量は、生成するポリ
カーボネートの末端位(特に両末端位)に結合するに足
りる量あるいはこれをやや上廻る量を目安とすればよ
い。
【0020】ポリジメチルシロキサンは、共重合体中に
0.5〜10重量%、特に1〜10重量%存在するように
配合するのが好ましい。この量が0.5重量%未満である
と、例えば充填材として用いたガラス繊維と混合したと
きにアイゾット耐衝撃性が低下する。しかし、10重量
%を超えるものは、熱変形温度が低下する。本発明で用
いるPC−PDMS共重合体は、液体媒体中で反応を進
行させることにより製造することができるが、具体的に
は公知の界面重合法やピリジン法等に準じて反応を進行
させればよい。
【0021】上記のようにして得られる一般式(a)で
表わされるPCブロックと一般式(b)で表わされるP
DMSブロックからなる共重合体は、10,000〜50,000、
好ましくは 12,000 〜 30,000 の粘度平均分子量を有す
るものである。粘度平均分子量が 10,000 未満である
と、アイゾット耐衝撃性が低く、本発明の目的には適当
でない。しかし、粘度平均分子量が 50,000 を超えるも
のは、製造困難である。
【0022】また、本発明のPC−PDMS共重合体
は、n−ヘキサン可溶分が1.0重量%以下である。ここ
でn−ヘキサン可溶分が1.0重量%を超えるものでは、
ガラス繊維等の無機質充填材と混合したときに耐衝撃性
の向上効果が小さい。特にガラス繊維等と混合したとき
の耐衝撃性の向上効果を高めるためには、上記PC−P
DMS共重合体の結晶化度が30%以上のものが好まし
い。なお、このn−ヘキサン可溶分が1.0重量%以下の
PC−PDMS共重合体を製造するには、例えば共重合
体中のPDMS含有率を10重量%以下にするととも
に、PDMS中のジメチルシラノオキシ単位の繰り返し
数が100以上のものを用い、かつ第三級アミン等の触
媒を5.3×10-3モル/kg・オリゴマー以上用いて、上
述した共重合反応を行えばよい。
【0023】一方、本発明で用いる(B)成分であるゴ
ム状弾性体としては、例えば天然ゴム,合成ゴム,グラ
フト共重合体などが挙げられる。ここで使用されるゴム
状弾性体には特に制限はなく、例えば天然ゴム(N
R),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),ブチルゴ
ム(BR),イソプレンゴム(IR),ニトリル−ブタ
ジエンゴム(NBR),ニトリル−イソプレンゴム(N
IR),クロロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴ
ム,イソブチレン−イソプロピレンゴム(IIR),エ
チレン−プロピレンゴム(EPM),エチレン−プロピ
レン−ジエンゴム(EPDM),クロロスルフォン化ポ
リエチレンゴム(CSM),ハロゲン化ブチルゴム,ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム,スチレン−
イソプレンブロック共重合体ゴム,ゴム状クロルスルホ
ン化ポリエチレン(CSM),ゴム状塩素化ポリエチレ
ン(CPE),アクリルゴム,アクリル酸アルキルエス
テルと2−クロロエチルビニルエーテルの共重合体(A
CM),アクリル酸アルキルエステルとアクリロニトリ
ルとの共重合体(ANM),ウレタンゴム(熱可塑性タ
イプ),シリコーンゴム,フッ素ゴム,ポリエステル−
ポリエーテル−ポリエステルブロック共重合体ゴム,エ
ピクロルヒドリンゴム,エチレン−酢酸ビニルゴム(E
VM)などのオレフィン系ゴム,種々のアクリル系ゴ
ム,その他有機ケイ素化合物,有機フッ素化合物系,ウ
レタン系,エーテル系などが挙げられる。さらには、M
AS樹脂(60〜80重量%のn−ブチルアクリレ−ト
とスチレン,メタクリル酸メチルとのグラフト共重合
体),MABS樹脂(オクチルアクリレートとブタジエ
ンとを重量比7:3の割合で共重合させて得られるゴム
ラテックスにスチレンおよびメタクリル酸メチルを添加
し、グラフト重合させて得られた共重合体),MBS樹
脂(メタクリル酸メチルとブタジエンとを共重合させて
得られるゴムラテックスにスチレンを添加し、グラフト
重合させて得られる共重合体)等が挙げられる。
【0024】上記で示した本発明の組成物において、上
述した(A)成分と(B)成分の混合割合は、通常
(A)成分40〜99重量%及び(B)成分60〜1重
量%である。好ましくは(A)成分50〜95重量%及
び(B)成分50〜5重量%がよい。また、(A)成分
が40重量%未満の場合は、PC−PDMS共重合体の
本来有する耐衝撃性が充分に発現せず、99重量%を超
えると流動性が悪くなる。(B)成分が1重量%未満の
場合は、流動性の向上が見られず、60重量%を超える
と強度及び弾性率が低下する。
【0025】本発明のポリカーボネート樹脂組成物には
本発明の目的を阻害しない限り、各種の無機質充填材,
ガラス繊維,添加剤またはその他の合成樹脂等を必要に
応じて配合することができる。まず、ポリカーボネート
樹脂組成物の機械的強度,耐久性または増量を目的とし
て配合される前記無機質充填材としては、例えばガラス
繊維(GF),炭素繊維(CF),ガラスビーズ,ガラ
スフレーク,カーボンブラック,硫酸カルシウム,炭酸
カルシウム,ケイ酸カルシウム,酸化チタン,アルミ
ナ,シリカ,アスベスト,タルク,クレー,マイカ,石
英粉等が挙げられる。また、前記添加剤としては、例え
ばリン系(亜リン酸エステル系,リン酸エステル系
等),アミン系等の酸化防止剤,例えばベンゾトリアゾ
ール系,ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤,例えば脂肪
族カルボン酸エステル系,パラフィン系の外部滑剤,常
用の難燃化剤,離型剤,帯電防止剤,着色剤等が挙げら
れる。その他の合成樹脂としては、ポリエチレン,ポリ
プロピレン,ポリスチレン,AS樹脂,ABS樹脂,ポ
リメチルメタクリレート等の各樹脂を挙げることができ
る。
【0026】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
上記の各成分を配合し、混練することにより得ることが
できる。配合,混練は通常の方法を採用することができ
る。例えばリボンブレンダ,ヘンシェルミキサー,バン
バリーミキサー,ドラムタンブラー,単軸スクリュー押
出機,2軸スクリュー押出機,コニーダ,多軸スクリュ
ー押出機等により行うことができる。混練に際しての加
熱温度は通常250〜300℃が適当である。かくして
得られたポリカーボネート樹脂組成物は既知の種々の成
形方法、例えば射出成形,押出成形,圧縮成形,カレン
ダー成形,回転成形等を適用して自動車用バンパーなど
自動車分野の成形品や家電分野等の成形品を製造するこ
とができる。本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
特に自動車分野にあっては、内装材料にあっている。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 製造例1 (末端フェノールPDMSの合成)オクタメ
チルシクロテトラシロキサン1483g 、1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサン18.1g 及び86%硫酸
35g を混合し、室温で17時間攪拌した。その後、油
相を分離し、炭酸水素ナトリウム25g を加え1時間攪
拌した。濾過後、150℃,3torrで真空蒸留し、低沸
点物を除いた。2−アリルフェノール60g と塩化白金
−アルコラート錯体0.0014g との混合物に、294
g の上記で得られたオイルを90℃の温度で添加した。
この混合物を90から115℃の温度に保ちながら3時
間攪拌した。生成物を塩化メチレンで抽出し、80%の
水性メタノールで3回洗浄し、過剰の2−アリルフェノ
ールを除いた。その生成物を無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、真空中で115℃の温度まで溶剤を留去した。核磁
気共鳴(NMR)の測定により、得られた末端フェノー
ルPDMSのジメチルシラノオキシ単位の繰り返し数は
150であった。
【0028】製造例2 (ビスフェノールAのポリカー
ボネートオリゴマーの合成)5%水酸化ナトリウム水溶
液400リットルにビスフェノールA60kgを溶解し、
ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調製し
た。次いで、室温に保持したこのビスフェノールAの水
酸化ナトリウム水溶液を138リットル/時間の流量
で、またメチレンクロライドを69リットル/時間の流
量で、内径10mm,管長10mの管型反応器にオリフィ
ス板を通して導入し、これにホスゲンを並流して10.7
kg/時間の流量で吹き込み、3時間連続的に反応させ
た。ここで用いた管型反応器は二重管となっており、ジ
ャケット部分には冷却水を通して反応液の排出温度を2
5℃に保った。また、排出液のpHは10〜11を示すよ
うに調整した。このようにして得られた反応液を静置す
ることにより、水相を分離除去し、メチレンクロライド
相(220リットル)を採取して、これにさらにメチレ
ンクロライド170リットルを加え、十分に攪拌したも
のをポリカーボネートオリゴマー(濃度317g /リッ
トル)とした。ここで得られたポリカーボネートオリゴ
マーの重合度は3〜4であった。
【0029】製造例3〜5 製造例1で得た反応性PDMS91g をメチレンクロラ
イド2リットルに溶解させ、製造例2で得たPCオリゴ
マー10リットルと混合した。そこへ、水酸化ナトリウ
ム26g を水1リットルに溶解させたものとトリエチル
アミン(TEA)b(cc)を加え500rpm で室温にて
1時間攪拌した。その後、5.2重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液5リットルにビスフェノールA600を溶解さ
せたもの、メチレンクロライド8リットル及びp−tert
−ブチルフェノール(PTBP)a(g)を加え500
rpm で室温にて2時間攪拌した。しかる後に、メチレン
クロライド5リットルを加え、さらに水5ットルで水
洗、0.01規定水酸化ナトリウム水溶液5リットルでア
ルカリ洗浄、0.1規定塩酸5リットルで酸洗浄及び水5
リットルで水洗を順次行い、最後にメチレンクロライド
を除去し、チップ状のPC−PDMS共重合体を得た。
得られたPC−PDMS共重合体の性状試験を以下の条
件で行った。(PDMS含有率及びPDMS鎖長(ジメ
チルシラノオキシ単位)の測定)PDMS含有率は 1
NMRで1.7ppm に見られるビスフェノールAのイソプ
ロピルのメチル基のピークと0.2ppm に見られるジメチ
ルシロキサンのメチル基のピークの強度比で求めた。P
DMS鎖長は 1HNMRで0.2ppm に見られるジメチル
シクロキサンのメチル基のピークと2.6ppm に見られる
PC−PDMS結合部のメチレン基のピークの強度比で
求めた。 (n−ヘキサン可溶分の測定)n−ヘキサンを溶媒とし
てソックスレイ抽出された成分である。即ち、試料でチ
ップ状の共重合体15g を円筒濾紙No. 84(28×1
00mm)に採取し、これを300mlのn−ヘキサンを用
いて、3〜4分に1回(20ml/回)の還流量で8時間
還流させて抽出した。その後、300mlのn−ヘキサン
を蒸発させた後の残渣物を秤量し、これをn−ヘキサン
可溶分とした。得られた結果を第1表に示す。
【0030】実施例1〜11及び比較例1〜7 第2表及び第3表に示すPC−PDMS共重合体および
ゴム状弾性体の所定量をドラムタンブラーで予備混合し
たあと、押出機に供給して温度280℃で混練し、ポリ
カーボネート樹脂組成物を得、これをペレット化した。
さらに得られたペレットを成形温度280℃,金型温度
80℃で射出成形して試験片を得た。この得られた試験
片のアイゾット衝撃強度及びペレットの引張破断強さを
測定した。その結果を第2表及び第3表に示す。上記試
験は、以下に示す条件で行った。アイゾット衝撃試験
(kg・cm/cm )は、JIS K−7110に準拠して、
1/8インチ厚みのペレットを用い、23℃,−30℃
にて行った。引張破断強度試験(kg/cm 2 )は、JIS
K−7113に準拠して行った。
【0031】
【表1】 *1 製造例3のPC−PDMS共重合体 *2 製造例4のPC−PDMS共重合体 *3 パラロイドKM330(アクリル系ゴム)ローム
アンドハース(株)製 *4 ハイブレン B611(アクリル系ゴム)日本ゼ
オン(株)製 *5 ブチル268 (ブチルゴム) 日本ゼ
オン(株)製 *6 03MA409C(長さ3mm, 直径13μm)旭フ
ァイバーグラス(株)製 *a PC-PDMS 共重合体とゴム状弾性体の合計量に基く
百分率 *b PC-PDMS 共重合体とゴム状弾性体の合計量を10
0重量部としたときの割合
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】以上の如く、本発明のポリカーボネート
樹脂組成物は、PC−PDMS共重合体とゴム状弾性体
を混合することにより得ることができる。このポリカー
ボネート樹脂組成物によれば、耐衝撃性に優れた成形品
を製造することができる。したがって、本発明のポリカ
ーボネート樹脂組成物は、耐衝撃性に優れた成形品の素
材として有効な利用が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−36258(JP,A) 特開 平2−250887(JP,A) 特開 平4−31457(JP,A) 特開 昭55−160052(JP,A) 国際公開91/885(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 69/00 C08G 64/00 - 64/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一般式(a) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素,炭素数1
    〜4のアルキル基を示し、R3 及びR4 はそれぞれ独立
    に水素,ハロゲン,炭素数1〜20のアルキル基又はア
    リール基を示し、xは1〜5の整数を示し、yは1〜4
    の整数を示し、nは1〜100の整数を示す。〕で表わ
    されるポリカーボネートブロック及び一般式(b) 【化2】 〔式中、R5 及びR6 はそれぞれ独立に芳香核を含む有
    機残基を示し、mは100以上の整数を示す。〕で表わ
    されるポリジメチルシロキサンブロックからなる共重合
    体であって、この共重合体中のポリジメチルシロキサン
    ブロック部分の割合が 0. 5〜10重量%である共に該
    共重合体のn−ヘキサン可溶分が 1. 0重量%以下であ
    り、粘度平均分子量が10,000〜50,000であるポリカーボ
    ネート−ポリジメチルシロキサン共重合体40〜99重
    量%及び(B)ゴム状弾性体60〜1重量%からなるこ
    とを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
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