JP3020799U - 血液透析用穿刺針 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性を向上させた血液透析用穿刺針。 【解決手段】カヌラ長が１０〜１９ｍｍである血液透析
用穿刺針。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は血液透析用穿刺針に関する。 人工透析の血液回路は大きく分けて吸引・返還用留置針（一般に、ＡＶＦセッ トと呼ばれる。）、静脈側・動脈側回路チューブ、透析器からなる。本考案はこ のＡＶＦ用穿刺針に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＡＶＦ用穿刺針は、例えば特開昭５２−９８３８０号公報に開示あるように、 カヌラ長を２５〜３８ｍｍにして使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらこのカニューラ長では、長いため、体動の激しい透析患者の場合 に患者の血管壁に傷をつける危険性があった。 本考案は、この問題を解決するための有効な改良である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、カヌラ長が１０〜１９ｍｍであることを特徴とする血液透析用穿刺 針を要旨とする。

【０００５】 チューブ内の液体の流線流量はポアズイユの式で定義されるので、チューブ内 の流量を増加させるには、（１）圧力差を増加、（２）チューブの内径を増加、 （３）液体粘度の減少のほか、（４）チューブの長さを減少させるとよい。この うち血液透析では（１）〜（３）は一定になるので、（４）を選択できることに なる。しかしながらカヌラ長が１ｍｍ以下であると、１０ｇｆ程度の力でカヌラ が患者の体から抜けるということがあるし、針が深い静脈にアクセスできるため に必要とされる最小の長さには、実際上の制限がある。 このため、本考案のカヌラ長は１０ｍｍ以上を必要とする。

【０００６】 また、血管を傷つけないようにしようとして、穿刺針が血管に入り込む角度を 狭く限定せねばならぬとき程、穿刺針の動きの許容範囲が狭いのであるから、穿 刺部の動きに応じて穿刺針の先端が血管の内壁を傷つける可能性がある。この可 能性はカヌラ長が長い程発生しやすい。 そこで本考案のカヌラ長は１９ｍｍ以下が好ましいことになる。

【０００７】

【考案の効果】

本考案は、カヌラ長を短くすることによって、穿刺時や透析中に血管に傷をつ けることを防止し、血液透析用穿刺針の使用時の安全性を向上させることができ る。

【０００８】

【考案の実施の形態】

図１は本考案の効果を模擬的に測定する実験方法の説明図である。 ポリ塩化ビニル製チューブ１は、半透明であり、内径が３ｍｍで、チューブの 厚さが１ｍｍの寸法であり、内シャントと見立てたものである。穿刺針２をチュ ーブ１に穿刺して穿刺針２の先端がチューブ１内壁に接するときの角度θを最大 無傷角として種々の長さの穿刺針について最大無傷角を実測した。測定は各々５ 回とした。括弧内の数値は４／（カヌラ長）をｓｉｎθとした場合の計算値であ る。

【０００９】 カヌラ長，ｍｍ ５．０ ７．５ １０．０ １２．５ １５．０ 最大無傷角，° ５３．１ ３２．２ ２３．６ １８．７ １７．５ (53.1) (32.2) (23.6) （１８．７）
（１５．５） カヌラ長，ｍｍ １７．５ ２０．０ ２２．５ ２５．０ 最大無傷角，° １３．２ １１．５ １０．２ ９．０ （１３．２） （１１．５） (10.2)
( 9.2) 上記の値からカヌラ長が短ければ短い程、血液透析時の体動による血管壁の損 傷が少なくなることが示唆される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の効果を模擬的に測定する実験方法の説
明図である。

【符号の説明】

１ ポリ塩化ビニル製チューブ ２ 穿刺針

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カヌラ長が１０〜１９ｍｍであることを
   特徴とする血液透析用穿刺針。