JP3020040U - マッサージ機能付き履物底 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 刺激体に加わる体重支持状態の変化に対応し
ながら、足裏のつぼに適度の物理的刺激を与えて、歩行
疲労の軽減、健康回復等が達成できる履き心地の良いマ
ッサージ機能付き履物底を提供することを目的とする。 【構成】 足裏を支持する底体１の支持面であって、足
裏の土踏まず対応位置に、体重荷重に抵抗して圧縮変形
する圧縮コイルバネ２で支持された刺激体３を設けると
ともに、足指の付け根に対応する部分に沿って盛り上が
り状態に厚くした足指刺激部５を形成し、足裏の起伏或
は道路等の歩行面の起伏により変動する力を分散させ
て、土踏まず部分の刺激機能を失うことなく、疼痛を与
えない程度に軽減して、足裏の土踏まず部分への適度の
刺激付与を確保するとともに、履き心地を良好にして、
疼痛等による歩行障害を招くことのないマッサージ機能
付き履物底の構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は前踏部から踵部にかけて徐々に厚くなり、接地面が略フラット若しく は前踏部から曲線的に変化する非接地面を介して踵部に連続した状態となってい る履物、例えば、サンダル、スリッパ、ブーツ、カジュアルシューズ、スポーツ シューズ、その他の特殊靴（登山靴、釣り用靴、作業靴等）の底として使用する マッサージ機能付き履物底に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、足裏に多く集中するつぼに物理的刺激を与えて健康回復を図ること を目的として、足裏を支持する履物底の表面の全面または足裏の土踏まずに対応 する位置に、硬質ゴム、合成樹脂等からなる同一高さの刺激体又は高低差の刺激 体の多数を突設固定し、歩行運動時に加わる体重の付加状態変化を利用して、物 理的刺激を与えるようにした履物底は周知のところである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが上記周知の履物底の刺激体は、刺激効果を高めるために比較的硬質の 材料を用いて定形的な多くの突起が形成されているために、個々人によって異な る足裏の起伏或は道路等の歩行面の起伏によって、刺激体に加わる体重付加状態 の変化に対応できず、多くの場合疼痛を伴って履き心地を悪くするだけでなく、 極端な場合は、一部の刺激体に集中荷重が加わり、その当接部分に内出血、擦り 傷を招く等の問題点があった。

【０００４】 本考案は上記のような問題点に着眼してなされたものであって、刺激体に加わ る体重付加状態の変化に対応しながら、足裏のつぼに適度の物理的刺激を与えて 、歩行疲労の軽減、健康回復等が達成できる履き心地の良いマッサージ機能付き 履物底を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するための手段として、足裏を支持する底体の支持面であって 、足裏の土踏まず等の対応位置に、体重荷重に抵抗して底体内へ押し込み状態に 下降する復帰自在の刺激体を設けた構成を基本とし、より具体的には、補強基板 の表面に弾性部材を介して装飾シートを被覆し、足裏の土踏まず部分等の対応位 置に刺激体用穴を設けた足裏支持底と、前記刺激体用穴に対応する位置に該刺激 体用穴よりも大きい刺激体保持用穴を貫通した底主体と、前記刺激体保持用穴に 対応する位置に、後記圧縮コイルバネを支持する支持座体を設けた接地底とが、 順次積層されて一体化している底体と、頂部断面形状を凸曲面とした刺激用頭に 続いて支持脚を形成し、刺激体用穴からの抜け止めを防止する抜止縁を周囲に形 成し、刺激用頭部を前記底体の表面に突出させた状態で刺激体保持用穴に収容さ れる刺激体と、前記刺激体保持用穴内であって、前記接地底に設けた支持座体と 前記刺激体の支持脚との間に介装された圧縮コイルバネとから構成したことを特 徴とするマッサージ機能付き履物底を考案したのである。

【０００６】 なお、土踏まず部分の幅方向に、弾頭形の刺激用頭とした二個の刺激体を設け て、それぞれを、同一圧縮強度の又は体重荷重の大小に対応する圧縮強度の異な る圧縮コイルバネで支持する手段、刺激体の刺激用頭の二個を、高低差を設けて 土踏まず対応部分の幅方向に突設し、一個又は複数の圧縮コイルバネで支持する 手段、刺激体が土踏まず部分の幅方向に長い刺激頭となっており、該刺激頭の頂 部ラインが足裏の幅方向の土踏まずラインに対応するものとして、該刺激体を一 個又は複数の圧縮コイルバネで支持する手段、足裏支持底の弾性部材を、土踏ま ず対応部分の幅方向に断面凸曲面状に厚くした弾性的刺激部や、足指の付け根に 対応する部分に沿って盛り上がり状態に厚くした足指刺激部を併設する手段を採 用し、足裏への物理的刺激範囲を広げる場合もある。

【０００７】 上記、弾性的刺激部又は足指刺激部は、弾性部材よりも硬い別の弾性部材を介 装固定しても目的は達成される。

【０００８】 刺激体の材質としては、成形又は切削加工された合成樹脂、硬質ゴム、木、ア ルミニウム等の軽量部材からなるものが、履物の軽量化の点から好ましいことは いうまでもない。

【０００９】

【作用】

上記構成とした本考案に係るマッサージ機能付き履物底は、通常の場合には、 主として前踏部と踵部と刺激体とによって体重を支持して、刺激体により足裏の 土踏まず部分に刺激を与えるのであるが、足裏の起伏或は道路等の歩行面の起伏 によって刺激体に加わる力が大きくなった場合には、刺激体を支持する圧縮コイ ルバネの圧縮変形によって刺激体が下降して、支持する力が、前踏部と踵部との 表面に分散支持されて小さくなり、土踏まず部分の刺激機能を失うことなく、疼 痛を与えない程度に軽減されるように作用し、足裏の土踏まず部分への適度の刺 激付与を確保するようになる。

【００１０】 また、足裏支持底の弾性部材を、足指の付け根に対応する部分に沿って盛り上 がり状態に厚くした足指刺激部を有する形態とした場合には、足指の付け根部分 のつぼも同時に刺激するように作用する。

【００１１】

【実施例】

図１は本考案の実施例１に係る左足用のマッサージ機能付き履物底の分解断面 図、図２は図１のＡ−Ａ線位置に相当する完成品の拡大断面図であり、足裏を支 持する底体１の支持面であって足裏の土踏まず対応位置に、体重荷重に抵抗して 底体１内へ圧縮コイルバネ２に抗して押し込み状態に下降する刺激体３を設けた 構成となっている。

【００１２】 底体１は、ゴム又は合成樹脂製の補強基板４の表面に、足指の付け根に対応す る部分に沿って盛り上がり状態に厚くした足指刺激部５を形成した硬質スポンジ 、ゴム、軟質合成樹脂等からなる弾性部材６を介して、適宜の材料、例えば、布 、皮革、合成樹脂等のいずれかからなる装飾シート７が被覆一体化され、足裏の 土踏まず部分対応位置に刺激体用穴８を設けた足裏支持底９と、前記刺激体用穴 ８に対応する位置に該刺激体用穴８よりも大きい刺激体保持用穴１０を貫通した 底主体１１と、前記刺激体保持用穴１０に対応する位置に、圧縮コイルバネ２を 支持する支持筒１２の突設された支持座体１３を設けた接地底１４とが、順次積 層一体化されて係止縁１５を形成した構成となっている。

【００１３】 また、圧縮コイルバネ２としては、平均的な体重荷重、要求される圧縮変形量 、コイル径、素線径を基礎として、既製の商品から最適のものを選択採用するか 、所定の計算式によって設計したものであり、前記接地底１４を接着する前に、 刺激体３を支持する状態で刺激体保持用穴１０に装着される。

【００１４】 さらに刺激体３は、履物重量を軽量化するために、成形又は切削加工された合 成樹脂、硬質ゴム、木、アルミニウム等の軽量部材を使用して、前記底体１とは 別に製作されたものであって、頂部を半球形状とした刺激用頭１６に続いて支持 脚１７を形成し、周囲には前記係止縁１５に係止される抜止縁１８を形成した構 成であり、接地底１４を接着する前に、刺激用頭１６を前記底体１の足底支持底 ９の刺激体用穴８から表面に突出させた状態で刺激体保持用穴１０に挿入し、抜 止縁１８を係止縁１５に係止させるように、前記圧縮コイルバネ２の一端側で支 持させ、圧縮コイルバネ２の他端側を、支持座体１３の支持筒１２で支持するよ うに接地底１４を接着することにより、圧縮コイルバネ２と一緒に底体１に収容 される。

【００１５】 本考案は上記実施例１に限定されるものではなく、図３に示した図１のＡ−Ａ 線位置に相当する完成品（実施例２）の断面図に示すように、土踏まず部分が対 応する底体１の幅方向に、高低差ｈが形成される弾頭形の刺激用頭１６とした二 個の独立した刺激体３を設けて、それぞれを、同一圧縮強度の又は体重荷重に対 応する圧縮強度の異なる圧縮コイルバネ２で支持する構成とする場合もある。

【００１６】 また、図４に示した図１のＡ−Ａ線位置に相当する断面図（実施例３）に示す ように、刺激体３の刺激用頭１６を、土踏まず対応部分の底体１の幅方向に長い 形態とするとともに、該刺激用頭１６の頂部ラインを足裏の土踏まずラインに対 応する形態として、これを一個又は複数の圧縮コイルバネ２で支持する構成とし てもよい。

【００１７】 なお、図示省略したが、実施例１において、刺激体３に隣接して、弾性部材６ と一体に弾性的刺激部を膨出形成し、刺激体３の土踏まず部分に隣接する足裏へ の当接支持を和らげる構成、実施例２において、高低差ｈを形成することなく同 一高さとしたり、また刺激用頭１６の二個をラクダこぶの状態に連接して土踏ま ず対応部分の底体１の幅方向に突設する構成、実施例３において、刺激体３を同 一高さとする構成とし、いずれも一個又は複数の圧縮コイルバネ２でバランス良 く支持するように変更することも、本考案の実施例に含まれるものである。

【００１８】 また、前記弾性的刺激部、足指刺激部の一方又は両方を設ける場合には、弾性 部材６とは別部材を、該弾性部材６の相当位置に接着固定することができる。

【００１９】

【考案の効果】

以上のように構成された本考案に係るマッサージ機能付き履物底は、通常の場 合には、主として前踏部と踵部との表面と刺激体とによって体重を支持して、刺 激体により足裏の土踏まず部分に刺激を与えるのであるが、足裏の起伏或は道路 等の歩行面の起伏によって、刺激体に加わる力が大きくなった場合には、刺激体 を支持する圧縮コイルバネの圧縮変形によって刺激体が下降し、支持する力が、 前踏部と踵部との表面に分散されて小さくなり、土踏まず部分の刺激機能を失う ことなく、疼痛を与えない程度に軽減されるように作用して、足裏の土踏まず部 分への適度の刺激付与を確保するとともに、当接部分に内出血、擦り傷、疼痛等 による歩行障害を招くことのない履き心地の良好なマッサージ機能付き履物底を 提供することができる。

【００２０】 また、請求項３に記載のように、刺激体が土踏まず部分の幅方向に長い刺激頭 であって、該刺激頭の頂部ラインが足裏の土踏まずラインに対応するものであり 、該刺激体を一個又は複数の圧縮コイルバネで支持する構成とした場合には、土 踏まず部分のつぼだけでなく、これに隣接する足裏部のつぼをも、分散された力 によってバランスよく刺激し、該刺激による健康回復効果を良好にすることがで きる。

【００２１】 さらに、請求項４、５に記載のように、足裏支持底の弾性部材が、足指の付け 根に対応する部分に沿って盛り上がり状態に厚くした足指刺激部と、土踏まず対 応部分の幅方向に断面凸曲面状に厚くした弾性的刺激部を有する形態とした場合 には、前記作用効果とは別に、足指の付け根部分のつぼにも刺激を付与すること ができ、歩行疲労を軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１に係るマッサージ機能付き履
物底の分解断面図である。

【図２】完成品とした場合の図１のＡ−Ａ線に相当する
位置の断面図である。

【図３】実施例２の場合の図１のＡ−Ａ線に相当する位
置の断面図である。

【図４】実施例３の場合の図１のＡ−Ａ線に相当する位
置の断面図である。

【符号の説明】

１ 底体 ２ 圧縮コイルバネ ３ 刺激体 ４ 補強基板 ５ 足指刺激部 ６ 弾性部材 ７ 装飾シート ８ 刺激体用穴 ９ 足裏支持底 １０ 刺激体保持用穴 １１ 底主体 １２ 支持筒 １３ 支持座体 １４ 接地底 １５ 係止縁 １６ 刺激用頭 １７ 支持脚 １８ 抜止縁

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 足裏を支持する底体の支持面であって、
   足裏の土踏まず等の対応位置に、体重荷重に抵抗して底
   体内へ押し込み状態に下降する復帰自在の刺激体を凸設
   したことを特徴とするマッサージ機能付き履物底。
2. 【請求項２】 底体は、補強基板の表面に弾性部材を介
   して装飾シートで被覆され、足裏の土踏まず部分対応位
   置に刺激体用穴が開設された足裏支持底と、前記刺激体
   用穴に対応する位置に該刺激体用穴よりも大きい刺激体
   保持用穴が貫通された底主体と、前記刺激体保持用穴に
   対応する位置に、後記圧縮コイルバネを支持する支持座
   体が設けられた接地底とが、順次積層一体化された構成
   であり、刺激体は、頂部断面形状を凸曲面とした刺激用
   頭と支持脚とからなり、その周面に、前記刺激体用穴か
   らの抜け止めを防止する抜止縁が形成された構成とし、
   該刺激体を、刺激用頭部を前記底体の表面に突出させた
   状態で刺激体保持用穴に収容して、支持脚と前記接地底
   に設けた支持座体との間に、所定強さの圧縮コイルバネ
   を介装した構造の請求項１記載のマッサージ機能付き履
   物底。
3. 【請求項３】 刺激体が土踏まず部分の幅方向に長い刺
   激頭であって、該刺激頭の頂部ラインが足裏の土踏まず
   ラインに対応するものであり、該刺激体を一個又は複数
   の圧縮コイルバネで支持した請求項２記載のマッサージ
   機能付き履物底。
4. 【請求項４】 足裏支持底の弾性部材が、足指の付け根
   に対応する部分に沿って盛り上がり状態に厚くした足指
   刺激部を有する形態である請求項２又は３記載のマッサ
   ージ機能付き履物底。
5. 【請求項５】 足裏支持底の弾性部材が、土踏まず対応
   部分の幅方向に断面凸曲面状に厚くした弾性的刺激部を
   有する形態である請求項２、３又は４記載のマッサージ
   機能付き履物底。