JP3018674U - 減容容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インフレーション法で成形された厚手のチュ
ーブラフイルムの上下端をヒートシールした後、ふくら
ませこの上下面において外方に膨出する隅角部を本体に
沿い折り畳み一体化し、容器の上下面を角型とし全体直
方体形状とすることにより、容器に内容物が充填されて
いる状態及び、一部の内容物を半減した状態において、
容器の取扱がペットボトル若しくは紙パックと遜色な
く、内容物が空になった時は、このペットボトルや、紙
パックよりは遥かに容易に扁平に減容し、空容器の回収
時に嵩張らないようにする。 【構成】 インフレーションフイルム法で成形された厚
手のチューブラフイルム１０の上下端を横断方向にヒー
トシールしヒートシール部１１とする。この後、このチ
ューブラフイルム１０をふくらませこの上下面において
外方に膨出する隅角部を本体に沿い折り畳み一体化す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は厚手のインフレーションフイルムによって立方体乃至直方体形状に 形成されている主として、清涼飲料水、水、牛乳などの容器において、内容物を 放出後において、空の容器の体積を減少させ、回収時に嵩張らないようにする減 容容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、清涼飲料水、水、醤油、牛乳などはブロー成形された、いわゆるペッ トボトル、或いは耐水性加工された紙製の箱型の容器に入れられている。 また薄い合成樹脂製のフイルム袋に封入されたものも一部市場に見受けられる 。 しかしながら、ブロー成形容器及び紙容器においては、内容物が空になった状 態でも嵩張っており、簡単には、減容積して扁平にはできない。またこれらの容 器は製造コストも高い。

【０００３】 他方薄い合成樹脂製フイルムを用いて袋においては、使用後の減容性には優れ ているが、内容物を半減したときに、全体が柔軟すぎて（例えば自立できず）取 扱難い。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、減容容器において、容器に内容物が充填されている状態及び、一 部の内容物を半減した状態において、容器の取扱が従来のペットボトル若しくは 紙パック（例えば牛乳パック）と遜色なく、内容物が空になった時は、前述のブ ロー成形されたペットボトルや、紙製の牛乳パックよりは遥かに容易に扁平に減 容でき、空容器の回収時に嵩張らないようにするためである。

【０００５】 また開口部にはキャップを設け、内容物を半減した後においても、一時的に開 口部が閉じられるようにしたものである。 また容器の内外において、ガス又は空気がフイルムを通して通過せず、充填物 の変質を防止することを目的とする。

【０００６】 また、フイルムの厚さを厚手とし、容器自体がむやみと変形せず、取り扱い易 くするためである。 容器の上面より空容器に内容液体を充填したり、ストローを用いて容易に内容 液を吸い出せるようにするためである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記の課題を達成するために、この考案は厚手のインフレーションフイルム製 の減容容器において、チューブラフイルムの上下端をヒートシールした後、ふく らませこの上下面において外方に膨出する隅角部が本体に沿い折り畳まれ一体化 され、容器が上下面共に角型とし直方体形状としてあることを特徴とする減容容 器とする。 また前記の課題を達成するために、この考案はインフレーションフイルム製の 減容容器において、チューブラフイルムの上下端をＨ型、Ｘ型のうちの一つのヒ ートシールにより角型に形成した直方体形状としてあることを特徴とする減容容 器とする。 また前記の課題を達成するために、前記減容容器は多層樹脂フイルム又はシー トからなり、少なくともガスバリア層を含んでいることを特徴とする場合もある 。 また前記の課題を達成するために、前記減容容器の前記厚手のフイルムとは厚 さが０．０６ｍｍ乃至０．３ｍｍであることを特徴とすることが好ましい。 また前記の課題を達成するために、前記減容容器は前記容器上面にストロー乃 至充填用ノズル差し込み部が形成されていることを特徴とする場合もある。

【０００８】

【作用】

請求項１記載の考案の減容容器においては、全体が立方体乃至直方体形状であ るが、空の状態においては容器の胴部は全く継目がなく、全周連結したフイルム であるから、この部分を内法に押し潰して容器全体を扁平にすれば、その体積は 著しく減少され、未使用状態での保存、又は容器としての商品流通を合理化する 。 また内容物を充填すれば、容器の形状は内圧によりふくらみ、上下面が正方形 乃至長方形の角型をなしているから、概ね立方体乃至直方体形状となり、これを 箱詰などするときも、相隣る容器の前後左右上下に、殆ど隙間なく詰め込める。 また容器のフイルムは厚手であるから、内容物を一部取りだしたときにおいて も、容器自体の形態はそれ程変化しない。

【０００９】 また容器が空になった後、即ち、使用済みの容器においては、容器は未使用時 のときと同様に凹ませて容積を著しく減殺できるから、廃品回収時の体積が減少 する。

【００１０】 請求項２記載の考案においては、請求項１記載の考案の作用の外容器の上下面 がＨ型、Ｘ型のうちの一つのヒートシールによって角型に形成されているから、 フイルムが重なりあった部分がなくフイルムの使用量が少なく、全体として容器 自体が軽量であるし、フイルムの重なりあった部分がヒートシール部分以外にな いから、透明なフイルムで容器が形成された場合は、すべての面から内容物を透 視し得る。

【００１１】 請求項３記載の考案においては、請求項１又は２記載の考案の作用の外、フイ ルムにガスバリア層を有しているから、内部に炭酸ガス含有の液体を充填する場 合においても、ガス抜けが起こらない。 また酸化しやすい液体を充填する場合において外気が透過せず、内容物を劣化 させない。

【００１２】 請求項４記載の考案においては、請求項１、２又は３記載の考案の作用に加え て、厚手のフイルムの厚み寸法が前述の通りであるから、特に外力を加えない限 り、容器として概ね元の形態を保持する作用をなす。

【００１３】 請求項５記載の考案においては請求項１、２、３又は４記載の考案の作用の外 、容器の上面にストロー乃至充填用ノズル挿入用の差し込み部が設けてあるから 、液体を容器に充填するとき、又は液体を吸い出す時に利用できる。

【００１４】

【実施例】

実施例１ 図１及び２に示すものであり、請求項１、４及び５記載の考案の代表的な実施 例である。 まず、フイルム厚さが、０．０６ｍｍ乃至０．３ｍｍのインフレーション法に より成形された厚手のチューブラフイルム１０を所定長さに切断し、その両端を チューブラフイルムの横断方向にヒートシールしてヒートシール部１１を形成し 、同時に一方のヒートシール部１１の近傍に小孔１２を穿設する。 前述の小孔１１より空気ノズルを挿入し、容器Ａの中に空気を吹き込み容器を ふくらませると、隅角部１３が突出した状態にある（図２参照）。 この状態において三角形状の前記突出した部分を容器Ａの底及び上面側に折り 曲げて、ほゞ立方体乃至直方体形状として、減容容器とする。

【００１５】 実施例１の作用 容器Ａが空の状態においては全くヒートシール部１１のない胴部１５を押し潰 して扁平にしておく。 容器Ａとして使用するときは、小孔１２より充填用のノズル（図示していない ）を挿入して注入する。 つまり、前記小孔１２のストロー又は充填用ノズル挿入用の差し込み部となっ ている。

【００１６】 容器Ａが内容物で満杯になれば、小孔１２に粘着シール１６などを貼付して、 これを密閉する。 内容物で満杯となった容器Ａは上面１４及び下面が正方形乃至長方形の角型で あるから、全体として概ね立方体乃至直方体形状となるが胴部１５においては丸 みを呈している。

【００１７】 この内容物を充填した容器Ａを商品として流通させる場合はこの容器Ａの一辺 のほゞ整数倍の内のり寸法のある段ボール箱などの包装箱に左右上下に密着させ て箱詰する。

【００１８】 個々の容器Ａの内容物を取り出すときには、前記粘着シール片１６を剥離して 、小孔１２にストローなどを挿入して、吸い出す。 使用済みの空の容器は未使用時のものと同様に扁平に潰して廃品として回収す る。

【００１９】 実施例２ 図３に示すものであり、請求項２、４及び５記載の考案の代表的な実施例であ る。 実施例１と異なるところは、空気を注入してふくらましたとき、三角形状の隅 角部１３を折り曲げることなく、その根元部分をヒートシール部１１の方向と直 角方向に、ヒートシール部１１ａを形成し、全体としてＨ型のヒートシール部を 上面１４及び下面を角型にしたものである。

【００２０】 実施例２の作用 実施例１と殆ど同じ作用を為す。 異なるところは、上面１４及び下面に折り曲げ部がなく、実施例１より軽量と なるし、透明なフイルムを用いたとき、容器Ａのすべての面は一枚のフイルムで 形成されているから、内容物がどの面からも透けて見える。

【００２１】 実施例３ 図４及び図５に示すものであり、請求項２、４及び５記載の考案の実施例であ る。 実施例２と異なり、チューブラフイルム１０を両ガゼットに折り込み、まず、 両ガゼット２０部分を、それぞれひだ毎に独立して、４５°傾斜して、傾斜ヒー トシール部１１ｂを形成すると共に、その余端１７をそれぞれ直角二等辺三角形 に切除する。

【００２２】 而して、その後、前記両ガゼット２０のない部分を実施例１と同様にチューブ ラフイルムの横断方向にヒートシールしてヒートシール部１１を形成する。 その他の構成は実施例１と同じである。

【００２３】 実施例３の作用 この実施例のものは、空の場合は両ガゼット２０の部分が内方に折り込まれ、 元々扁平であり、著しく減容状態となっている。

【００２４】 この容器に清涼飲料水などの液体を注入する場合には、小孔１２より充填用ノ ズルを挿入し、注入する。液体を注入すると容器はふくらみ、立方体乃至直方体 形状となる。小孔１２の部分は、粘着剤の塗布してあるシール片１６を貼付し、 液体が濡れないようにする。 シール片１６を剥離し、小孔１２よりストローなどを挿入して、容器１０中の 前記液体を吸いだせば、容器１０は再び扁平となる。

【００２５】 実施例４乃至６ 実施例１乃至３において使用するフイルムがガスバリア層を有するフイルムで 成形したものであり、請求項５記載の実施例である。 ガスバリア層としては、エチレンビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）その 他ポリ塩化ヒニリデン（ＰＶＤＣ）系のものなどが用いられ、これらを低密度ポ リエチレン層とラミネート若しくはサンドイッチにされたインフレーションフイ ルムが用いられる。その他二軸延伸ＰＶＡ、若しくはこれをコートしたポリエチ レンフイルムなどを用いる。

【００２６】

【考案の効果】

すべての請求項記載の考案において、容器は前述の通りに構成し、作用を為す から、空の状態において、胴部の周面には全く縦方向のシール部が全くないから この部分のフイルムは容易に扁平にすることができ、未使用の空の容器並びに使 用後の廃棄物とするとき、著しく容積が小さくなり、保管、輸送、並びに廃品回 収時に嵩張らない。 また厚手のフイルムであるから、内容物が半減した場合でも、容器の形態が余 り崩れず、取扱い易い。 この考案のものにおいては、清涼飲料水、水、液体調味料牛乳などの液体容器 として最適である。 また容器は立方体乃至立方体形状であるから、安定よく、箱詰めする場合の箱 詰め効率がよい。

【００２７】 請求項１記載の考案においては、前記各請求項記載の共通の効果の外、上下面 とも隅角部が本体に沿い折畳まれて、角型に形成されているから、隅角部に或る 程度の丸味が形成され、隅角部に応力の集中が起こらず丈夫である。 請求項２記載の考案においては、前記各請求項記載の共通の効果の外上下端が 、Ｈ型又はＸ型の一つのヒートシールによって角型に形成してあるから容器のす べての面が単一のフイルムによって形成され、容器が軽量である。 請求項３記載の考案においては、前記各請求項記載の共通の効果の外、ガスバ リヤ層を有しているから、炭酸ガスを含む清涼飲料水を充填した場合であっても 、ガス拔けのおそれはない。

【００２８】 また外部から空気がフイルムを透過して内容物を劣化させることを防ぐ効果を 有する。

【００２９】 請求項４記載の考案は、前記各請求項記載の共通の効果の外、フイルムの厚さ が０．０６ｍｍ乃至０．３ｍｍと厚手のフイルムであるから容器として大きな外 力を加えない限り、概ね原形を保持し、廃棄物とするときは、手で簡単に潰して 扁平できる効果を有する。

【００３０】 請求項５記載の考案においては、前記各請求項記載の考案の共通の効果の外、 容器に液体を充填するときは、差し込み部からノズルを挿入して行え、また吸い 出すときにはストローを挿入して行うことができる。

【００３１】 実施例固有の効果 実施例１においては、請求項１、４及び５記載の考案の効果を併せて奏する。 実施例２においては、請求項２、４及び５記載の考案の効果を併せて奏する。 実施例３においては、実施例２の効果の外、元々ガゼット折したフイルムより 上下端をＸ形状のヒートシール部１１及び１１ｂを形成したものであるから、未 使用のとき及び廃棄するとき扁平にし易い。 実施例４乃至６においては、対応する実施例に加え、フイルム中にガスバリヤ 層があるから、充填されるものがガスが発生するものであっても、ガスが外部に 漏れず、また空気が容器Ａのフイルムを透過して侵入せず、内部の液体の劣化を 防ぐ効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の容器の製造過程における素材の正面
図である。

【図２】実施例１の容器の斜視図である。

【図３】実施例２の斜視図である。

【図４】実施例３の斜視図である。

【図５】実施例３の製造過程の平面図である。

【符号の説明】

Ａ 容器 １０ チューブラフイルム １１ ヒートシール部 １５ 胴部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】厚手のインフレーションフイルム製の減容
   容器において、チューブラフイルムの上下端をヒートシ
   ールした後、ふくらませこの上下面において外方に膨出
   する隅角部が本体に沿い折り畳まれ一体化され、容器が
   上下面共に角型とし直方体形状としてあることを特徴と
   する減容容器。
2. 【請求項２】インフレーションフイルム製の減容容器に
   おいて、チューブラフイルムの上下端をＨ型、Ｘ型のう
   ちの一つのヒートシールにより角型に形成した直方体形
   状としてあることを特徴とする減容容器。
3. 【請求項３】前記容器は多層樹脂フイルム又はシートか
   らなり、少なくともガスバリア層を含んでいることを特
   徴とする請求項１又は２記載の減容容器。
4. 【請求項４】前記厚手のフイルムとは厚さが０．０６ｍ
   ｍ乃至０．３ｍｍであることを特徴とする請求項１、２
   又は３記載の減容容器。
5. 【請求項５】前記容器上面にストロー乃至充填用ノズル
   差し込み部が形成されていることを特徴とする請求項
   １、２、３又は４記載の減容容器。