JP3017372B2 - セラミック接合用コンパウンド - Google Patents

セラミック接合用コンパウンド

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JP3017372B2
JP3017372B2 JP5065909A JP6590993A JP3017372B2 JP 3017372 B2 JP3017372 B2 JP 3017372B2 JP 5065909 A JP5065909 A JP 5065909A JP 6590993 A JP6590993 A JP 6590993A JP 3017372 B2 JP3017372 B2 JP 3017372B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、珪素、炭化珪素、窒化
珪素、窒化アルミニウム及びこれらを組合わせた複合物
等非酸化物セラミックスや、アルミナ、ジルコニヤ、ム
ライト等酸化物セラミックスの各種広範囲セラミックス
の接合及びそれらの空隙部の充填に適したコンパウンド
に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは、耐熱性が高く、堅固で
あり、また、化学的に不活性で、極めて高純度に調製可
能である等の長所があり、先端材料として多方面に使わ
れている。これらセラミックスの加工は、通常、焼成前
の素材の成形段階等で行うのが一般的である。しかし、
セラミック成形体の焼成前後では大きな体積変化が起こ
るため、焼成前の加工のみで寸法精度を高めることは困
難である。そのため、焼成後に目的の形状と精度を得る
ように再加工することもできるが、セラミックスは、上
記のように堅固で脆く加工性が悪いため、その形状や大
きさが制限される。
【0003】また、目的のセラミック形状体を構成する
ように区分された各部品材を組立てて接合することによ
り、複雑形状体や大型品を形成することも従来から行わ
れている。この場合、耐熱性、化学的耐久性等に優れる
セラミックスの長所を保持しながら、各セラミック焼成
部品材を所定形状等に接合できなければ、本来のセラミ
ックスとしての利用価値が損なわれる。そのため、セラ
ミックス接合法として、耐熱性を有する方法も各種実施
されている。例えば、はんだガラスによる接合法や、メ
タライジングによる金属接合法等がある。また、例えば
アルミナセメント等のセメント系無機材料の一部も、高
耐熱性接合材として使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
はんだガラス接合及び金属接合法のいずれも適用できる
材料が限られており、耐熱性や耐蝕性も十分ではなかっ
た。しかも、接合時には高度な技術を必要とする上に、
接合部の形状も単純なものに限られている。また、無機
材料系接合材は室温で固着できる利点があるが、耐火性
とするために、通常1000℃以上の高温で焼成する必
要があり、焼成過程で固着力が著しく低減したり、ひび
割れ等を発生して破損したりすることが多く、極めて限
られた材料や用途にしか使用することができなかった。
また、無機材料系接合材には、成分や不純物として種々
の元素成分を含むことが多く、所定の高純度化を達成で
きないこともある。
【0005】本発明は、上記した従来のセラミックスの
接合法の現況に鑑み、種々のセラミックスを簡便な工程
で強固に接合でき、焼成前及び焼成過程においても十分
な接合強度を有し、且つ、高純度、高耐熱性、高耐薬品
性等の優れた接合層及び接合体を形成することができる
セラミック接合材、即ちセラミック接合用コンパウンド
を提供することを目的とし、更に、それにより強固に固
着接合されて一体化されたセラミックスの大型品や複雑
形状体を簡便に形成することを目的とする。
【0006】発明者は、上記目的を達成するための接合
材としての要件を種々検討し、特に下記の2点が満足さ
れるように鋭意検討した結果、本発明を完成した。即
ち、 (1)接合材が接合時に室温で十分な強度な固着力を発
現でき、且つ、その固着力が焼成過程でも保持される接
合材であること。即ち、焼成過程で接合部が離脱等する
おそれがない上、特別な焼成用治具が不要となる。ま
た、接合体の形状や大きさでの制限を受けることもな
い。更に、場合によってはセラミック接合体の使用温度
を焼成温度域とすることにより、接合後の焼成工程を省
略することもできる。 (2)高純度を要求されるセラミック用接合材として
は、例えば遷移金属やアルカリ金属イオン等の汚染物
を、その成分や不純物として含まないようにすること。
セラミックスは、電子部品や半導体素子製造用部材等高
純度を要求される用途が非常に多く、これらの使用にお
いては、原料素材を初めセラミックスの製造工程や加工
の段階でも、上記汚染物が混入しないようにする必要が
ある。従って、接合したセラミック接合体を特に半導体
素子の処理に使用する場合には、Si、O、N、C、H
等の元素以外はすべて汚染物であり極力低減させる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリシ
ラザン化合物、ポリカルボシラン化合物、セラミック粉
末及び溶媒からなるセラミック接合用コンパウンドに於
いて、前記ポリシラザン化合物と前記ポリカルボシラン
化合物との重量比が1:0.05〜40であることを特
徴とするセラミック接合用コンパウンドが提供される。
また、本発明によれば、ポリシラザン化合物、ポリカル
ボシラン化合物、セラミック粉末及び溶媒からなるセラ
ミック接合用コンパウンドに於いて、前記ポリシラザン
化合物及び前記ポリカルボシラン化合物との総量と前記
セラミック粉末との重量比が1:2〜40であることを
特徴とするセラミック接合用コンパウンドが提供され
る。さらに、本発明によれば、上記セラミック接合用コ
ンパウンドの一好適態様として、前記セラミック粉末
が、被接合セラミックスと同種または熱膨張係数が近似
することを特徴とするセラミック接合用コンパウンドが
提供される。
【0008】
【作用】本発明は上記のように構成され、上記特定量比
で配合されるポリシラザン類やポリカルボシラン類化合
物は、所定の溶媒に溶解して粘着性溶液を形成し、その
溶液を被接合セラミックスの接合部に塗布等し、乾燥さ
せることにより容易にセラミックスを固着接合でき、そ
の後の焼成中でも固着力が保持される。また、ポリシラ
ザン類やポリカルボシラン類化合物は、不活性ガスまた
は酸素含有ガス雰囲気下で加熱すれば、その雰囲気によ
りSiN、SiC、SiON、Si、SiO2 等の耐熱
性で化学的に安定な化合物を生成する。そして、前記ポ
リシラザン類とポリカルボシラン類の総量に対し特定量
比で混在するセラミック粉末と共に堅固な接合層を形成
し、セラミックス同士の強固な接合体を得ることができ
る。また、ポリシラザン類やポリカルボシラン類化合物
は、化学的に合成することができ、高純度化が容易であ
り、半導体等に有害な汚染元素を含まず、半導体部材等
各種セラミックスの接合材として、汚染源となることが
ない。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で使用するポリシラザン類及びポリカルボシラン類
化合物は炭化珪素(SiC)や窒化珪素(SiN)の前
駆体として良く知られている。ポリシラザン類はペルヒ
ドロポリシラザンの種々の分子量の重合体、メチルポリ
シラザンの各種重合体等、SiNまたはSiCの前駆体
として通常用いられる化合物を使用することができる。
また、ポリカルボシラン類は[RR′SiCH2n
(但し、R及びR′は、R≠R′で、H、CH3 、C6
5 のいずれかである。n=5〜5000以上)の一般
式で表され、SiCの前駆体として従来から用いられて
いる化合物を使用することができる。
【0010】発明者の知見によれば、上記ポリシラザン
類及びポリカルボシラン類化合物は、いずれもキシレン
等の有機溶媒に溶解した後、溶媒を除去した場合には常
温である程度の固着力を生じるが温度上昇により固着力
が変化する。即ち、ポリシラザン化合物、ポリカルボシ
ラン化合物及び両者比率約1:1の混合物のそれぞれに
ついて、温度と固着強度の関係を実験検討した。その結
果を図1に模式的に示した。図1によれば、ポリシラザ
ン化合物の固着力、即ち、接着強度は約100〜200
℃で殆どなくなるが、200℃付近から急激に増大し、
500℃付近からはその増加率が低下し、900〜10
00℃で再び更に上昇傾向となる。ポリシラザン化合物
は室温付近ではその種類や重合度によって固体から粘稠
な液体であり、温度が上昇すると低粘性の液体が生成す
ると共に分解反応が起こり極めて脆いゲルが生成するた
め、接着強度が低下する。200℃以上では重合が進み
ゲルが固化するため接着強度が上昇するが、500℃付
近からは熱分解が激しく有機物が多く離脱し残留分が多
孔質化するため、接着強度の上昇が緩慢になる。また、
約900〜1000℃では熱分解反応が完了し生成した
無機化合物の焼結と結晶化が進行し、接着強度が更に急
激に上昇するものと推定される。
【0011】一方、ポリカルボシラン化合物は、図1に
示されるように約200〜400℃で固着力が無くなる
が、約400℃以上では温度と共に固着力が増加し、6
00℃を越えると強度増加率が小さくなり、ポリシラザ
ン化合物と同様に900〜1000℃で再び更に上昇傾
向となる。ポリカルボシラン類化合物の殆どは、室温付
近で固体であり通常は200℃付近まで安定で固着力が
保持される。しかし、200℃以上に昇温すると低粘性
の液体となり重合反応が起こり始め接着強度が失われる
が、400℃以上では高分子化していくため温度と共に
固着力が増加する。また通常はゲル化反応が起こらない
のでポリシラザンの場合より高強度になる。600℃を
越えるとポリシラザンと同様に、固化物の熱分解反応が
進行し多孔質化するため強度増加率が低下するが、熱分
解反応が完了する約900〜1000℃以上で接着強度
が再び温度と共に急激に上昇する。
【0012】また一方、図1から明らかなように、ポリ
シラザン化合物及びポリカルボシラン化合物を単独で使
用したときは、それぞれ昇温の途中で固着力が殆ど無く
なる温度域が出現するが、本発明のように両者を混合し
て用いた場合は、ほぼ全温度域で両者の平均値を上回る
接着強度が得られることが分かる。その理由は明らかで
ないが、ポリシラザンの固着力がなくなる100〜20
0℃付近では、ポリカルボシランは固化あるいは高粘性
の液体であるためにポリシラザンのゲル化が妨げられ、
また重合反応は高分子化し粘性が増加する方向に進行す
るため固着力が低減することがない。また一方、ポリカ
ルボシランの固着力がなくなる200〜400℃付近で
は、重合、固化したポリシラザンに溶融したポリカルボ
シランが可塑材として作用し、脆性さを補い強度を増大
させる。600℃以上の高温では、両者の分解温度が異
なるため全体としては急激なガス放出が起こらず、構造
が破壊することなく固化が完了する。また反応生成物の
性質も両者で異なるので、複合化による相互作用が固着
力増加に寄与するものと考えられる。
【0013】上記したように、本発明においてポリシラ
ザン類とポリカルボシラン類化合物の双方を特定量比で
併用したことによる相互作用により、適用温度全域で所
定の高接着強度を保持することができる。本発明におい
ては、ポリシラザン類化合物及びポリカルボシラン類化
合物は、ポリシラザン化合物を基準として重量比で1:
0.05〜40、より好ましくは1:0.1〜20で混
合して用いる。
【0014】本発明のセラミック接合用コンパウンドに
おいて、上記ポリシラザン化合物及びポリカルボシラン
化合物の混合物に、更にセラミック粉末を添加混合す
る。添加するセラミック粉末としては、被接合セラミッ
クスと同種のセラミックス粉末または被接合セラミック
スとその熱膨張係数が所定の範囲で整合する異種のセラ
ミックス粉末を用いるのが好ましい。セラミック接合コ
ンパウンドを、ポリシラザン類化合物及びポリカルボシ
ラン類化合物の混合物のみから構成した場合、被セラミ
ックスの接合面が極めて小さな時には良好な接合体が得
られるが、面積が大きくなると剥がれを生じ、良好な接
合体を得ることが困難であった。発明者は、その主な原
因が、接合後のセラミックス焼成時に、これらの化合物
がSiN、SiC、SiO2 等化合物に変化し、その際
に水素や炭化水素等の有機物が離脱または燃焼、揮散し
体積収縮が起こり、接合部に隙間やひび割れが発生する
ことを知見した。本発明は、ポリシラザン類化合物及び
ポリカルボシラン類化合物の混合物にセラミック粉末を
添加することのより、上記の焼成時の体積収縮を軽減す
ると共に、接合強度の向上を図ることができたものであ
る。
【0015】本発明において、被接合セラミックスと同
種のセラミックス粉末を用いると、特に良好な接合状態
を得ることができる。接合層と被接合セラミックスとの
熱膨張差がなくなるために、セラミックス接合体の熱歪
みが軽減されるためと推定される。また、被接合セラミ
ックスと同種でなく、異種であっても熱膨張係数がほぼ
同様、または、その差が1×10-6以下のセラミック粉
末でも高接合強度の接合体を得ることができる。ポリシ
ラザン類化合物及びポリカルボシラン類化合物の混合物
に加えられる被接合セラミックスと同種のセラミック粉
末とは、被接合セラミックスと同種のセラミックス粉末
をいう。例えば、シリコンの接合にはシリコン粉末、S
iCにはSiC粉末、SiNにはSiN粉末、アルミナ
に対してはアルミナ粉末、ジルコニアにはジルコニア粉
末等である。一方、熱膨張係数の整合する異種のセラミ
ック粉末としては、被接合セラミックスとは異なり、そ
れぞれの平均熱膨張係数の差が1×10-6以下であるセ
ラミック粉末で、例えばシリコン、SiC、SiN、窒
化アルミニウム等の各種セラミックス材料中から適宜選
択することができる。例えば、被接合セラミックスの窒
化アルミニウムに対し、SiNやシリコンの粉末等を選
択することができる。被接合セラミックスと異種セラミ
ックス粉末との平均熱膨張係数の差が1×10-6を超え
ると、得られるセラミックス接合体における熱歪みが大
きくなり、剥がれ等の不都合が生じるため好ましくな
い。
【0016】セラミック粉末の添加量は、上記化合物混
合物に対して重量比で1:2〜40、好ましくは1:4
〜20で添加する。化合物混合物の総量に対するセラミ
ックス粉の重量比が2以下であると焼成時のひび割れ防
止等の効果が十分でなく、40を超えると接合強度が低
下し実用的でない。添加するセラミックス粉末の粒度
は、適用する塗布手段や接合物の形状等により適宜選択
することができる。また、大きな隙間の充填等には、粒
度の大きいセラミックス粉を用いることにより、乾燥後
の収縮が少なく良好な結果を得ることができる。この場
合、混練、生成した接合用コンパウンドの保管時に、セ
ラミック粉末が沈降分離し易い等の問題を生じる場合が
あり、通常は平均粒径100μm以下のセラミック粉末
を用いるのが好ましい。
【0017】本発明のコンパウンドは、上記ポリシラザ
ン類及びポリカルボシラン類化合物混合物に、上記した
セラミック粉末を添加して得た粉末混合物と、キシレン
等の有機溶媒を添加して十分混練してスラリーとする。
溶媒の種類や、固形分と溶媒との混合比は、接合時の各
条件に応じて適宜選択することができる。これらは、塗
布等の作業性に関係し、一般に、溶媒の分量が少ないほ
うが乾燥が簡単で乾燥後の体積減少も少なく良好な結果
を得ることができる。しかし、溶媒が少なすぎると流動
性が低下し、塗布作業が難しくなる。そのため、通常、
上記のポリシラザン類及びポリカルボシラン類化合物混
合物とセラミック粉末との粉末混合物と溶媒とを、1:
0.05〜40重量比で混合するのがよい。高流動性を
付与するためには、溶媒の液体成分が20重量%以上と
なるように溶媒を添加するのが好ましい。本発明におい
て、作業性改善の目的で、上記の粉末混合物、溶媒の
他、適量の界面活性剤や増粘剤を加えても良い。
【0018】上記のようにして得られる本発明のセラミ
ック接合用コンパウンドは、刷毛やデスペンサー等を使
用し、各被接合セラミクッスの接合面に一定量を塗布や
注入等することにより接合部を形成することができる。
塗布等した後、溶媒が蒸発・固化する以前に、各被接合
セラミックスの接合部を突き合わせ、必要に応じ加熱し
て乾燥させる。更にその後、窒素、アルゴン等の不活性
ガス雰囲気中、または空気等の酸素含有ガス雰囲気内
で、所定の温度に加熱、焼成することにより、目的の高
耐熱性、高強度接合のセラミック接合体を得ることがで
きる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。但し、本発明は下記実施例により制限されるもので
ない。 実施例1〜9及び比較例1 ポリシランをオートクレーブ中で加熱して得たポリカル
ボシランを、分子量1700〜2100のペルヒドロポ
リシラザンに対し、表1に示した各重量割合で混合して
化合物混合物を得た。得られた混合物に、平均粒径20
μmのシリコン粉末を、混合物との重量比が1:5の割
合で添加し、ポリシラザン、ポリカルボシラン及びシリ
コンからなる混合粉末を得た。更に、得られた混合粉末
固形分に対して、重量比1:0.5になるようにキシレ
ンを加え、ボールミルで4時間混練して接合用コンパウ
ンドをそれぞれ作成した。作成した接合用コンパウンド
は各々約30gであった。
【0020】また、端面を平面に仕上げた直径10mm
φ、長さ30mmのシリコン棒を用意した。次いで、一
のシリコン棒の端面に上記で得られた各接合用コンパウ
ンドを石英ガラス棒で塗りつけ接合部を形成した後、他
のシリコン棒の端面と合わせて押付け接着させた。接着
したシリコン接着体を70℃で3時間乾燥させて接合部
を固着させた。その後、固着したシリコン接着体を窒素
ガス雰囲気中で表1に示した各温度でそれぞれ焼成し
た。焼成、形成したシリコン接合体の各引張強度を測定
した。その結果を表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】上記実施例及び比較例から明らかなよう
に、ポリカルボシランを添加しないでポリシラザン単独
の化合物から接合コンパウンドを作成した場合には、い
ずれの焼成温度においても引張強度が低く、特に120
℃及び1350℃での焼成後の引張強度が極めて低いこ
とが分かる。一方、ポリカルボシラン/ポリシラザン重
量比が0.05〜40、特に0.1〜20で混合された
接合コンパウンドが、ポリシラザン単独のものに比し
て、焼成温度120〜1350℃で処理された後の引張
強度がいずれも向上していることが分かる。
【0023】実施例10 ポリカルボシラン/ポリシラザン重量比を0.3とした
以外は実施例1と同様にして接合用コンパウンドを作成
した。得られた接合用コンパウンドを直径10mmφの
一の窒化珪素棒の端面に塗り、他の窒化珪素棒の端面と
突き合わせ接着した。その後、室温で乾燥し、更に空気
中250℃で熱処理した。熱処理後の接着窒化珪素棒
は、実施例1と同様に測定し引張強度0.5MPaの接
合強度を有していた。次いで、上記で得た接着窒化珪素
棒を窒素ガス雰囲気中で1000℃で焼成した結果、引
張強度10MPaの接合強度を有していた。また、焼成
温度1350℃では引張強度100MPaの接合強度が
得られた。
【0024】実施例11〜17及び比較例2〜3 平均分子量約1300のヘキサメチルシクロトリシラザ
ン重合体に対して、実施例1で使用したポリカルボシラ
ンを重量比1:0.2の割合で秤量して添加して化合物
の混合物を得た。得られた混合物に平均粒径2μmの炭
化珪素粉末を表2に示した重量割合で添加して混合粉末
を得た。更に、トルエン/ヘキサン比が5/1の混合溶
媒に、混合溶媒と同重量の上記で得た混合粉末を加え
て、ボールミルで良く混練して接合用コンパウンドを作
成した。一方、5×5×25(mm)の炭化珪素セラミ
ックス角棒を用意し、上記のようにして作成した接合用
コンパウンドを用い、実施例1と同様にして、5×5
(mm)の端面に塗布、2本の炭化珪素セラミックス角
棒の端面接着した。次いで、室温で乾燥した後、アルゴ
ンガス雰囲気中で表2に示した各温度で焼成し、曲げ強
度を、四点曲げ加重法を用い測定した。その結果を表2
に示した。
【0025】
【表2】
【0026】上記実施例及び比較例より明らかなよう
に、ポリシラザン類及びポリカルボシラン類の化合物混
合物にセラミック粉末のSiCを添加しない比較例2の
接合用コンパウンドは、本発明の接合用コンパウンドが
焼成温度の上昇と共に曲げ強度が増大するのに対し、焼
成温度によることなく焼成後の曲げ強度は低く、且つ変
化することもない。また、化合物混合物に対し、SiC
を40倍を超えて、50倍添加した比較例3の接合用コ
ンパウンドは、接着能自体が発現されないことが分か
る。
【0027】実施例18 実施例1で用いたペルヒドロポリシラザン5g、平均分
子量約40000のポリシラスチレン5g、平均粒径2
0μmのアルミナ粉末80g、平均粒径1μmのアルミ
ナ粉末45g、及び、キシレン30gを混合してボール
ミルで混練し、接合用コンパウンドを得た。一方、5×
5×25(mm)のアルミナセラミックスの角棒を用意
し、上記のようにして作成した接合用コンパウンドを用
い、実施例1と同様にして、5×5(mm)の端面に塗
布、2本のアルミナセラミックス角棒の端面接着した。
次いで、室温で乾燥して固着した。各アルミナセラミッ
ク固着棒を空気中で500℃及び1200℃でそれぞれ
焼成し、実施例11と同様にして曲げ強度を測定した。
その結果、それぞれ3MPa及び60MPaの曲げ強度
を有していた。
【0028】実施例19 平均分子量約2000のトリメチルヒドロポリシラザン
50g、ポリカルボシラン5g、平均粒径5μmのシリ
コン粉末200g、ジエチレングリコールブトキシアセ
テート60g及びキシレン30gを混合し、ボールミル
で十分混練して接合用コウンパウンドを得た。得られた
接合用コンパウンドを用い、30×30(mm)角で、
厚さ0.8mmの窒化アルミニウムのセラミック板にス
クリーン印刷し、その上に同じ大きさのシリコンセラミ
ック板をのせて圧接し、乾燥させて固着した。得られた
セラミック固着板を窒素ガス雰囲気中で1200℃で加
熱焼成した結果、強固な窒化アルミニウムとシリコンと
の接合体が得られた。
【0029】
【発明の効果】本発明のセラミック接合用コンパウンド
は、常温乾燥で十分な固着力を有し、且つ、焼成等の高
温加熱処理時にもその固着力を保持すると共に、接合強
度を増加させて、接合部の欠損や剥れ等を生じることな
く種々のセラミックスを簡便な工程で強固なセラミック
接合体として大型化及び複雑形状化して得ることができ
る。更に、本発明のセラミック接合用コンパウンドは、
セラミックス粉末の他、主にSi、O、N、C及びHの
元素から構成される化合物を構成成分として用いること
ができ、半導体汚染物の混入を極力抑制することがで
き、半導体製造工程の各種セラミック部材の接合材や充
填材としても有用である。また、形成される接合層部
は、高純度、高耐熱性、高耐薬品性等に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリシラザン類化合物、ポリカルボシラン類化
合物またはポリシラザン類化合物及びポリカルボシラン
類化合物の等量混合物における焼成温度と接着強度の関
係図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 37/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリシラザン化合物、ポリカルボシラン
    化合物、セラミック粉末及び溶媒からなるセラミック接
    合用コンパウンドに於いて、 前記ポリシラザン化合物と前記ポリカルボシラン化合物
    との重量比が1:0.05〜40であることを特徴とす
    るセラミック接合用コンパウンド。
  2. 【請求項2】 前記セラミック粉末が、被接合セラミッ
    クスと同種または熱膨張係数が近似することを特徴とす
    る請求項1記載のセラミック接合用コンパウンド。
  3. 【請求項3】 ポリシラザン化合物、ポリカルボシラン
    化合物、セラミック粉末及び溶媒からなるセラミック接
    合用コンパウンドに於いて、 前記ポリシラザン化合物及び前記ポリカルボシラン化合
    物との総量と前記セラミック粉末との重量比が1:2〜
    40であることを特徴とするセラミック接合用コンパウ
    ンド。
  4. 【請求項4】 前記セラミック粉末が、被接合セラミッ
    クスと同種または熱膨張係数が近似することを特徴とす
    る請求項3記載のセラミック接合用コンパウンド。
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