JP3016936B2 - 金属板貼合せ加工用ポリエステルフイルム - Google Patents

金属板貼合せ加工用ポリエステルフイルム

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JP3016936B2
JP3016936B2 JP575492A JP575492A JP3016936B2 JP 3016936 B2 JP3016936 B2 JP 3016936B2 JP 575492 A JP575492 A JP 575492A JP 575492 A JP575492 A JP 575492A JP 3016936 B2 JP3016936 B2 JP 3016936B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属板貼合せ加工用ポリ
エステルフイルムに関し、更に詳しくは金属板と貼合せ
て絞り加工等の製缶加工をする際優れた成形加工性を示
し、かつ耐熱性及び保香性に優れた金属缶例えば飲料
缶、食品缶等を製造し得る金属板貼合せ加工用ポリエス
テルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶には内外面の腐蝕防止として一般
に塗装が施されているが、最近、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止等の目的で、有機溶剤を使用せずに防錆性
を得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑性
樹脂フイルムによる被覆が試みられている。すなわち、
ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金属
板に熱可塑性樹脂フイルムをラミネートした後、絞り加
工等により製缶する方法の検討が進められている。この
熱可塑性樹脂フイルムとしてポリオレフィンフイルムや
ポリアミドフイルムが試みられたが、成形加工性、耐熱
性、保香性の全てを満足するものでない。
【0003】一方、ポリエステルフイルム、特にポリエ
チレンテレフタレートフイルムがバランスのとれた特性
を有するとして注目され、これをベースとしたいくつか
の提案がされている。すなわち、 (A)二軸配向ポリエチレンテレフタレートフイルムを
低融点ポリエステルの接着層を介して金属にラミネート
し、製缶材料として用いる(特開昭56―10451
号、特開平1―192546号)。 (B)非晶性もしくは極めて低結晶性の芳香族ポリエス
テルフイルムを金属板にラミネートし、製缶材料として
用いる(特開平1―192545号、特開平2―573
39号)。 (C)低配向で、熱固定された二軸配向ポリエチレンテ
レフタレートフイルムを金属板にラミネートし、製缶材
料として用いる(特開昭64―22530号)。 (D)特定の面配向係数、熱収縮率、密度を有する共重
合ポリエステルフイルムを金属板にラミネートし、製缶
材料として用いる(特開平3―86729号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らの
検討では、いずれも充分な特性が得られず、それぞれ次
の問題のあることが明らかとなった。
【0005】(A)については、二軸配向ポリエチレン
テレフタレートフイルムは耐熱性、保香性に優れるが、
成形加工性が不充分であり、大きな変形を伴う製缶加工
ではフイルムの白化(微小クラックの発生)、破断が発
生する。
【0006】(B)については、非晶性もしくは極めて
低結晶性の芳香族ポリエステルフイルムであるため成形
加工性は良好であるが、保香性が劣り、また製缶後の印
刷、レトルト殺菌処理等の後処理、更には長期の保存に
より脆化しやすく、缶外部からの衝撃により割れ易いフ
イルムに変質する恐れがある。
【0007】(C)については、上記(A)と(B)の
中間領域で効果を発揮せんとするものであるが、未だ製
缶加工に適用可能な低配向には達しておらず、またフイ
ルム面の等方性が保障されないので、製缶加工(深絞り
加工)のように全方位の変形が行われる場合、フイルム
の特定方向において成形加工性が不充分となることがあ
る。
【0008】(D)については、特に内圧の加わる缶に
用いる場合、缶外部からの衝撃によりフイルムが割れ易
く、優れた品質の缶が得られないことがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、更にこれ
らの問題のない製缶加工用ポリエステルフイルムを開発
すべく鋭意研究した結果、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、ポリエチレンテレフ
タレートを主体とする融点が210〜245℃の共重合
ポリエステル99〜60重量%と、ポリブチレンテレフ
タレート又はポリブチレンテレフタレートを主体とする
融点が180〜223℃の共重合ポリエステル1〜40
重量%とからなり、平均粒径が2.5μm以下の滑剤を
含有し、フイルムの厚さ方向の屈折率が1.505〜
1.545であり、フイルム面方向の屈折率が全方向に
ついて1.61〜1.66であり、かつDSCによるサ
ブピークが150〜205℃であることを特徴とする金
属板貼合せ加工用ポリエステルフイルムである。
【0011】本発明において用いられるポリエチレンテ
レフタレートを主体とする共重合ポリエステルについて
は、その共重合成分は酸成分でもアルコール成分でもよ
い。該酸成分としてはイソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸等の如き芳香族二塩基酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等
の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸の如き脂環族ジカルボン酸等が例示でき、またアルコ
ール成分としてはブタンジオール、ヘキサンジオール等
の如き脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノールの
如き脂環族ジオール等が例示できる。これらは単独又は
二種以上を使用することができる。
【0012】共重合成分の割合は、その種類にもよるが
結果としてポリマー融点が210〜245℃、好ましく
は215〜240℃、更に好ましくは220〜235℃
の範囲になる割合である。ポリマー融点が210℃未満
では耐熱性が劣るため、製缶後の印刷における加熱に耐
えられない。一方、ポリマー融点が245℃を越える
と、ポリマーの結晶性が大きすぎて成形加工性が損われ
る。
【0013】一方、本発明において用いられるポリブチ
レンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルに
ついても、その共重合成分は酸成分でもアルコール成分
でもよい。該酸成分としてはイソフタル酸、フタル酸、
ナフタレンジカルボン酸等の如き芳香族二塩基酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン
酸等の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等が例示でき、またア
ルコール成分としてはエチレングリコール、ヘキサンジ
オール等の如き脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタ
ノールの如き脂環族ジオール等が例示できる。これらは
単独又は二種以上を使用することができる。
【0014】共重合成分の割合は、その種類にもよるが
結果としてポリマー融点が180〜223℃、好ましく
は200〜223℃、更に好ましくは210〜223℃
の範囲になる割合である。ポリマー融点が180℃未満
では耐熱性が劣るため、製缶後の印刷における加熱に耐
えられない。なお、ポリブチレンテレフタレートホモポ
リマーの融点は223℃であり、これよりも融点の高い
共重合ポリエステルを得るのは困難である。
【0015】ここで、ポリエステルの融点測定は、Du P
ont Instruments 910 DSCを用い、昇温速度20
℃/分で融解ピークを求める方法による。なおサンプル
量は約20mgとする。
【0016】本発明において用いられるポリエチレンテ
レフタレートを主体とする共重合ポリエステル、及びポ
リブチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレ
ートを主体とする共重合ポリエステルは、その製法によ
って限定されることはない。例えば、ポリエチレンテレ
フタレートを主体とする共重合ポリエステルの場合は、
テレフタル酸、エチレングリコール及び共重合成分をエ
ステル化反応させ、次いで得られる反応生成物を重縮合
反応させて共重合ポリエステルとする方法、あるいはジ
メチルテレフタレート、エチレングリコール及び共重合
成分をエステル交換反応させ、次いで得られる反応生成
物を重縮合反応させて共重合ポリエステルとする方法、
が好ましく用いられる。各共重合ポリエステル及びポリ
ブチレンテレフタレートの製造においては、必要に応
じ、他の添加剤例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤等も添加することができる。
【0017】本発明のポリエステルフイルムは、ポリエ
チレンテレフタレートを主体とする融点が210〜24
5℃の共重合ポリエステル99〜60重量%と、ポリブ
チレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレート
を主体とする融点が180〜223℃の共重合ポリエス
テル1〜40重量%からなることが必要である。ポリブ
チレンテレフタレート又はポリブチレンテレフタレート
を主体とする共重合ポリエステルが1重量%未満で、ポ
リエチレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエス
テルが99重量%を超えるフイルムでは、特に内圧の加
わる缶に用いた場合、缶外部からの衝撃により割れ易
く、優れた品質の缶が得られない。また、ポリブチレン
テレフタレート又はポリブチレンテレフタレートを主体
とする共重合ポリエステルが40重量%を超え、ポリエ
チレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステル
が60重量%未満の場合は、フイルムの耐熱性が低下
し、耐衝撃性も不充分となる。
【0018】本発明におけるポリエステルは、平均粒径
2.5μm以下の滑剤を含有する。この滑剤は無機、有
機系の如何を問わないが、無機系が好ましい。無機系滑
剤としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム等が例示でき、有機系滑剤とし
ては架橋ポリスチレン粒子、シリコーン粒子等が例示で
きる。いずれも平均粒径が2.5μm以下であることを
要する。滑剤の平均粒径が2.5μmを超える場合は、
深絞り製缶等の加工により変形した部分の、粗大滑剤粒
子(例えば10μm以上の粒子)が起点となり、ピンホ
ールを生じたり、場合によっては破断するので、好まし
くない。
【0019】特に耐ピンホール性の点で好ましい滑剤
は、平均粒径2.5μm以下であると共に、粒径比(長
径/短径)が1.0〜1.2である単分散の滑剤であ
る。このような滑剤としては、真球状シリカ、真球状酸
化チタン、真球状ジルコニウム、真球状シリコーン粒子
等が例示できる。
【0020】ここで、球状単分散の滑剤の平均粒径及び
粒径比は、先ず粒子表面に金属を蒸着してのち電子顕微
鏡にて例えば1万〜3万倍に拡大した像から、長径、短
径及び面積円相当径を求め、次いでこれらを次式にあて
はめることによって、算出される。
【0021】平均粒径 =測定粒子の面積円相当径の総和/測定粒子の数 粒径比=粒子の平均長径/該粒子の平均短径
【0022】また、球状滑剤粒子は粒径分布がシャープ
であることが好ましく、分布の急峻度を表わす相対標準
偏差が0.5以下、更には0.3以下であることが好ま
しい。
【0023】この相対標準偏差は次式で表わされる。
【0024】
【数1】
【0025】ポリエステル中の滑剤の量は、フイルム製
造工程における巻取性によって決めるとよい。一般に粒
径の大なるものは少量、小なるものは多量添加するのが
好ましい。例えば、平均粒径2.0μmの単分散シリカ
の場合は0.05重量%、平均粒径0.3μmの二酸化
チタンでは0.3重量%程度添加するのが好ましい。ま
た意図的に滑剤の含量を調整することにより、フイルム
を不透明化することもできる。例えば二酸化チタンを5
〜20重量%、好ましくは10〜15重量%添加するこ
とにより、白色のフイルムとすることができる。
【0026】本発明のポリエステルフイルムは、上記し
たポリエチレンテレフタレートを主体とする共重合ポリ
エステルと、ポリブチレンテレフタレート又はポリブチ
レンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルと
を、それぞれ所定量配合し、溶融押出してフイルム状に
成形し、二軸延伸、熱固定することによって製造するこ
とができる。この際、上記の滑剤例えば球状単分散滑剤
は、ポリエチレンテレフタレートを主体とする共重合ポ
リエステルとポリブチレンテレフタレート又はポリブチ
レンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルの
いずれか一方又は両方に、重合時に含有させておいても
よいし、溶融押出時に添加混合してもよい。
【0027】本発明のポリエステルフイルムは、上記し
た滑剤含有ポリエステルを溶融し、ダイより吐出してフ
イルム状に成形し、二軸延伸、熱固定したものである。
そして、このフイルムは下記要件(1),(2)及び
(3)を具備する必要がある。
【0028】(1)フイルムの厚さ方向の屈折率は1.
505以上1.545以下、好ましくは1.510を越
え1.540以下、更に好ましくは1.510を越え
1.530以下である。この屈折率が1.505未満で
は、成形加工性が不充分となり、一方1.545を越え
た場合(すなわち、過度に低配向の場合)には、非晶に
近い構造となるため、耐熱性が不充分となる。
【0029】(2)フイルム面方向の屈折率は全方向に
ついて1.61以上1.66以下、好ましくは1.61
5以上1.655以下の範囲内にある。製缶加工におい
て多用される深絞り加工や絞り―しごき加工では全方向
に亘って変形が均一に行わなければならず、フイルムの
どの部分を使ってもこの変形に追従できなければならな
い。フイルム面屈折率が1.61未満の方向においては
成形加工性はよいが、耐熱性が劣り、一方屈折率が1.
66を越える方向においては成形加工性が劣るために深
絞り加工時にフイルムの白化、破断が発生する。なお、
フイルム厚み方向及び面方向の屈折率は以下のようにし
て測定する。
【0030】アッベの屈折計の接眼側に偏光板アナライ
ザーを取り付け、単色光NaD線で、それぞれの屈折率
を測定する。マウント液はヨウ化メチレンを用い、測定
温度は25℃である。
【0031】厚み方向の屈折率及び面方向の屈折率の測
定は、熱固定を終えフイルムを開放した時のフイルム全
幅を1とし、これの0.8倍の幅だけ、フイルムを延伸
の中心に対して対称に切出した時の端部分について行
う。
【0032】(3)DSCによるサブピークは150〜
205℃、好ましくは155〜200℃、更に好ましく
は160〜195℃である。このサブピークは金属板上
に加熱ラミネートした後のフイルム品質の安定性に寄与
し、このサブピークが150℃未満では金属板との加熱
ラミネート温度を上げると缶の底部が脆化し、一方加熱
ラミネート温度を下げると加工時にフイルムの破断が生
じ、加熱ラミネート温度の調整によって良好な缶をつく
ることができない。またサブピークが205℃を越える
と、いかなる加熱ラミネート温度にしても製缶時にフイ
ルムの破断が生じ、製缶が不可能となる。
【0033】なお、サブピーク温度の測定はポリエステ
ルの融点測定と同じ方法、条件で行う。すなわち、Du P
ont Instruments 910 DSCを用い、昇温速度20
℃/分でサブピークを求める。フイルムサンプルは約2
0mgとする。サブピークと融点の関係は例えば図1から
理解できよう。
【0034】本発明におけるフイルム特性を得るには、
二軸延伸処理時に逐次二軸延伸処理において縦延伸倍率
を2.5〜3.6倍、横延伸倍率を2.7〜3.6倍、
熱固定温度を150〜230℃として延伸熱処理すると
よい。更に好ましくは、かかる条件の中から、厚さ方向
の屈折率が1.505以上1.545以下、フイルム面
の屈折率分布が1.61以上1.66以下であると共に
DSCによるサブピークが150〜205℃になる条件
をみつけて二軸延伸熱固定処理を行うとよい。特に屈折
率分布(屈折率の最大値と最小値)をコントロールする
ために特開昭58―160122号公報、特開昭59―
115812号公報、特開昭59―114028号公報
等に記載されている方法を用いてもよいし、以下に述べ
る方法をとってもよい。
【0035】ポリエステルをシート状に溶融押出し、急
冷して未延伸フイルムをつくり、これをロール加熱、赤
外線加熱等で加熱し縦方向に延伸して縦延伸フイルムを
得る。この延伸は2個以上のロール周速差を利用して行
なうのが好ましい。延伸温度はポリエステルのガラス転
移点(Tg)より高い温度、更にはTgより20〜40
℃高い温度とするのが好ましい。延伸倍率は、最終的な
フイルムの特性にもよるが、2.5倍以上とするのが好
ましい。この倍率は更に3.6倍以下とするのが好まし
い。
【0036】縦延伸フイルムは、続いて、横延伸、熱固
定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フイルムとする
が、これら処理はフイルムを走行させながら行う。横延
伸の処理はポリエステルのガラス転移点(Tg)より2
0℃以上高い温度から始める。そしてポリエステルの融
点(Tm)より(120〜30)℃低い温度まで昇温し
ながら行う。この延伸開始温度は(Tg+40)℃以下
であることが好ましい。また延伸最高温度はTmより
(100〜40)℃低い温度であることが好ましい。
【0037】横延伸過程での昇温は連続的でも段階的
(逐次的)でもよい。通常逐次的に昇温する。例えばス
テンターの横延伸ゾーンをフイルム走行方向に沿って複
数にわけ、各ゾーン毎に所定温度の加熱媒体を流すこと
で昇温する。横延伸開始温度が低すぎるとフイルムの破
れが起こり、好ましくない。また延伸最高温度が(Tm
−120)℃より低いとフイルムの熱収が大きくなり、
また幅方向の物性均一性の割合が小さくなり、好ましく
ない。一方延伸最高温度が(Tm−30)℃より高いと
フイルムが軟らかくなり外乱等によってフイルムの破れ
が起こり、好ましくない。
【0038】横延伸の倍率は最終的なフイルムの物性に
もよるが、2.7倍以上、更には3.0倍以上とするの
が好ましい。この倍率は更に3.6倍以下とするのが好
ましい。
【0039】熱固定の処理は横延伸に引きつづいて行う
が、横延伸終了時の温度から始める。そして、フイルム
幅方向に2〜20%伸張させながらかつ(Tm−20)
℃以下の温度まで昇温して行なう。この伸張は通常トウ
アウトと言われているものであり、好ましくは5〜15
%である。また熱固定終了時の温度と熱固定開始時の温
度との差は40℃以下、更には30℃以下にするのが好
ましい。またこの温度差は1℃でもよいときがあるが、
5℃以上、更には10℃以上とするのが好ましい。熱固
定における伸張が5%より小さいと、フイルム幅方向の
等方性の領域が小さくなるので好ましくない。一方この
伸張が20%より大きいと横方向の熱収を著しく大きく
するばかりでなく、フイルムの破れが起こりやすくなる
ので好ましくない。
【0040】熱固定処理を行ったフイルムは一旦ポリエ
ステルのガラス転移点(Tg)以下の温度に冷却し、フ
イルム端部を所定幅でスリットし、分離してから必要に
応じて熱弛緩処理に供する。
【0041】熱弛緩処理はフイルム幅方向を拘束せず、
かつ4〜10kg/cm2 の低い走行張力下、(Tg+3
0)〜(Tg+80)℃の温度で0.3〜20秒間行
う。この熱弛緩処理に供するフイルムの厚みは6〜75
μm、更に10〜75μmが好ましい。またフイルムの
幅は1m以上が好ましい。熱弛緩処理は加熱浮上処理装
置を用いて行うのが好ましい。フイルムを加熱浮上させ
る媒体としては加熱された不活性気体特に加熱空気が好
ましく用いられる。この加熱浮上処理によると、安定し
たフイルム走行を保ちながら熱弛緩処理を効率よく行う
ことができる。
【0042】本発明の目的は、上述したポリマー組成、
滑剤、厚さ方向屈折率、屈折率分布およびDSCによる
サブピーク温度の5つの要件が全て満足されて始めて達
成されるものであり、例えばポリエチレンテレフタレー
トホモポリマーにて滑剤、厚さ方向屈折率、屈折率分
布、DSCによるサブピーク温度の要件が満たされても
良好な製缶加工性(深絞り性)は得られず、また滑剤の
平均粒径が2.5μmを越えれば他の4つの要件が満た
されてもピンホールを生じ、トラブルの原因となってし
まう。また、DSCによるサブピーク温度が150〜2
05℃の範囲内にない場合には、他の4つの要件が満た
されていても良好な缶品質が得られない。
【0043】本発明のポリエステルフイルムは、好まし
くは厚みが6〜75μmである。更に10〜75μm、
特に15〜50μmであることが好ましい。厚みが6μ
m未満では加工時に破れ等が生じやすくなり、一方75
μmを越えるものは過剰品質であって不経済である。
【0044】本発明のポリエステルフイルムが貼合せら
れる製缶用金属板としては、ブリキ、ティンフリースチ
ール、アルミニウム等の板が適切である。金属板へのポ
リエステルフイルムの貼合せは、例えば下記,の方
法で行うことができる。
【0045】金属板をフイルムの融点以上に加熱して
おいてフイルムを貼合せた後急冷し、金属板に接するフ
イルムの表層部(薄層部)を非晶化して密着させる。
【0046】フイルムに予め接着剤層をプライマーコ
ートしておき、この面と金属板を貼合せる。接着剤層と
しては公知の樹脂接着剤例えばエポキシ系接着剤、エポ
キシ―エステル系接着剤、アルキッド系接着剤等を用い
ることができる。
【0047】
【実施例】以下実施例を掲げて本発明を更に説明する。
【0048】
【実施例1〜6及び比較例1〜8】平均粒径1.5μm
の球状単分散シリカ(粒径比1.07、相対標準偏差
0.1)を0.1重量%添加含有し、表1に示す成分を
共重合したポリエチレンテレフタレートを主体とする共
重合ポリエステル(以下、PET共重合ポリエステルと
略記する)とポリブチレンテレフタレート(以下、PB
Tと略記する)又は表1に示す成分を共重合したポリブ
チレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステル
(以下、PBT共重合ポリエステルと略記する)とを表
1に示す割合で配合し、280℃で溶融押出し、急冷固
化して未延伸フイルムを得た。
【0049】次いで、この未延伸フイルムを同表に示す
条件で縦延伸、横延伸し、続いて熱固定処理して厚み2
5μmの二軸配向フイルムを得た。
【0050】
【表1】 このフイルムの厚さ方向屈折率、フイルム面方向屈折
率、DSCによるサブピークを表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
【実施例7及び比較例9】実施例5において表3に示す
滑剤を使用し、その他の条件は実施例5と同様にして、
二軸配向フイルムを得た。
【0053】
【表3】
【0054】得られた二軸配向フイルムの厚さ方向屈折
率、フイルム面方向屈折率、DSCによるサブピークを
表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】
【比較例10,11】実施例5において熱固定温度を1
45℃(比較例10)及び210℃(比較例11)に変
更した以外は実施例5と同様にして、二軸配向フイルム
を得た。
【0057】得られた二軸配向フイルムの厚さ方向屈折
率、フイルム面方向屈折率、DSCによるサブピークを
表5に示す。
【0058】
【表5】
【0059】上記実施例1〜7、比較例1〜11で得ら
れた計18種のフイルムを、230℃に加熱した板厚
0.25mmのティンフリースチールの両面に貼合せ、水
冷した後150mm径の円板状に切取り、絞りダイスとポ
ンチを用いて4段階で深絞り加工し、55mm径の側面無
継目容器(以下、缶と略す)を作成した。
【0060】この缶について以下の観察及び試験を行
い、各々下記の基準で評価した。
【0061】(1)ラミネート適性 ○:しわの発生がなくラミネート可能なもの △:ラミネート時幅収縮が著しいもの ×:ラミネート時しわが発生するもの
【0062】(2)深絞り加工性―1 ○:内外面ともフイルムに異常なく加工され、缶内外面
のフイルムに白化や破断が認められない △:缶内外面のフイルムの缶上部に白化が認められる ×:缶内外面のフイルムの一部にフイルム破断が認めら
れる
【0063】(3)深絞り加工性―2 ○:内外面とも異常なく加工され、缶内フイルム面の防
錆性試験(1%NaCl水を缶内に入れ、電極を挿入
し、缶体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値を
測定する。以下ERV試験と略す)において0.1mA
以下を示す ×:内外面ともフイルムに異常はないが、ERV試験で
電流値が0.1mA以上であり、通電個所を拡大観察す
るとフイルムに粗大滑剤を起点としたピンホール状の割
れが認められる
【0064】(4)耐衝撃割れ性 深絞り成形が良好な缶について、水を満注し、各テスト
につき10個ずつを高さ10cmから塩ビタイル床面に落
した後、缶内のERV試験を行った結果、 ○:全10個について0.1mA以下であった △:1〜5個について0.1mA以上であった ×:6個以上について0.1mA以上であったか、ある
いは、落下後既にフイルムのひび割れが認められた
【0065】(5)耐熱脆化性 深絞り成形が良好であった缶を200℃×5分間、加熱
保持した後、(4)に記した耐衝撃割れ性評価を行った
結果、 ○:全10個について0.1mA以下であった △:1〜5個について0.1mA以上であった ×:6個以上について0.1mA以上であったか、ある
いは、200℃×5分間加熱後、既にフイルムのひび割
れが認められた
【0066】以上5種の評価結果を表6に示す。
【0067】
【表6】
【0068】表6の結果から実施例のフイルムは、ラミ
ネート適性、深絞り加工性、耐衝撃割れ性、耐熱性の全
てに対して優れていることがわかる。
【0069】
【発明の効果】本発明の金属板貼合せ加工用ポリエステ
ルフイルムは、金属板と貼合せた後製缶加工、例えば深
絞り加工して金属缶を成形するにあたり、ラミネート適
性、深絞り加工性、製缶後の耐衝撃性及び耐熱性に優れ
たものであり、金属容器用として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フイルムのDSC測定チャートであり、サブピ
ーク、融点ピークを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 67:00 B29L 7:00 C08L 67:02 (56)参考文献 特開 平4−261826(JP,A) 特開 平4−117427(JP,A) 特開 平4−105922(JP,A) 特開 平2−305827(JP,A) 特開 平3−86729(JP,A) 特開 平3−87249(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 B32B 15/08 104 B29C 55/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを主体とす
    る融点が210〜245℃の共重合ポリエステル99〜
    60重量%と、ポリブチレンテレフタレート又はポリブ
    チレンテレフタレートを主体とする融点が180〜22
    3℃の共重合ポリエステル1〜40重量%とからなり、
    平均粒径が2.5μm以下の滑剤を含有し、フイルムの
    厚さ方向の屈折率が1.505〜1.545であり、フ
    イルム面方向の屈折率が全方向について1.61〜1.
    66であり、かつDSCによるサブピークが150〜2
    05℃であることを特徴とする金属板貼合せ加工用ポリ
    エステルフイルム。
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