JP3012319B2 - 脳及び筋肉組織傷害による浮腫の治療剤 - Google Patents
脳及び筋肉組織傷害による浮腫の治療剤Info
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Description
浮腫の治療剤に関し、特に脳及び筋肉組織の血管床の傷
害または疾病の結果として起きる脳及び筋肉組織の浮腫
の減少におけるコルチコトロピン放出因子またはそのア
ナログの使用に関する。
ヘルスによって与えられた許可証第DA−00091号のも
とで政府の支持によって行われた。政府はこの発明にお
いて一定の権利を有する。
赤み、腫脹、熱及び痛みによって知らされる。種々の化
学薬品が炎症反応の化学的メディエイターとして掛かわ
り合ってきた。このなかには、ヒスタミン、セロトニ
ン、キニン、プロスタグランジン、血小板活性化因子、
ロイコトリエン、及び神経末端からサブスタンスPが含
まれる。急性炎症反応のメディエイターは、血管の透過
性の増加、白血球の牽引、痛み、局所浮腫及び壊死の1
つまたはそれ以上に役割を演じているように思われる。
事象から起きる。例えば、ピンカードら(Pinckard et
al.)はテキストInflammation:Basic Principles and C
linical Correlates(Gallin et al.Ed.1988)第10章に
おいて、血小板活性化因子(platelet−activating fac
tor“PAF")について記載している。この構造的に関係
のある化合物の一群は、炎症反応に直接的または間接的
に関係のある種々の生理学的作用を増進させるように見
える。発明者らは、PAFがヒトの疾病状態、例えば菌体
内毒素ショック、及び臓器移植拒絶の病因に関係してき
たことに注目している。
抗炎症薬品がある。1986年4月1日発行の米国特許第4,
579,844号、発明者ロビーら(Rovee et al.)は、皮膚
の炎症状態のプロスタグランジン シンテアーゼ イン
ヒビターのコルチコステロイドとの同時使用による局所
的治療を開示している。1983年9月13日発行の米国特許
第4,404,198号、発明者ケリー(Kelley)は、炎症の治
療にサリチール酸フェニールを含む成分の局部的施用を
開示している。1976年9月14日発行の米国特許第3,980,
778号、発明者エアら(Ayer et al.)は、皮膚及び粘膜
の炎症の局部的、経口的または非経口的治療に用いるス
テロイドについて開示している。イブプロフェン(既知
の抗炎症剤)はUV−B−誘発の炎症に関連してテストさ
れたが、日焼け反応の治療には限られた有用性を有する
ことが見出され、また乾癬に対する高UV−B照射治療後
のUV−B−誘発炎症に伴う症状の軽減に対して気休め薬
よりもやや効果があるにすぎない。スターンら(Stern
et al.),Arch.Derm.,121,pp.508−512(1985). 1985年1月31日発行の米国特許第4,801,612号、発明
者ウエイ(Wei)は、患者の皮膚または粘膜の炎症反応
のコルチコトロピン放出因子またはそのアナログ投与に
よる抑制の効用について開示している。
ョンは、各特定血管床に対してそれ自身の選択的薬理を
有している。これは、1つの血管床、例えば皮膚及び粘
膜において有用な抗炎症剤が他の血管床、例えば脳また
は筋肉組織おいて当然有用であるということにはならな
い。例えば、ヒスタミン、ブラジキニン、セロトニン、
またはアラキドニック アシドは、皮膚及び粘膜におけ
る強力な浮腫生成薬剤であるが、柔膜(脳の最も内部の
脈管で占められた皮膜)の血管の透過性を増加できなか
った。選択的薬理の他の例はエピネフリンであって、こ
の内生的物質は皮膚の血管を収縮させるが、骨格筋肉の
血管を拡張する。このように、脳のような血管床におけ
る血管(特に後毛細管細静脈)の透過性は、皮膚及び粘
膜におけるそれと同等ではない。
脳及び末梢神経末端に存在する41アミノ酸ニューロペプ
チドであって、下垂体細胞からのACTH放出を刺激する。
1984年12月18日発行の米国特許第4,489,163号、発明者
リビアら(Rivier et al.)は、ラットCRFとそのアナロ
グを開示している。ヒトCRFはラットCRFと同一の配列を
有する。ヒトとラット双方のCRFの配列を下に示す。
3年11月15日発行の米国特許第4,415,558号、発明者ベー
ル ジュニアーら(Vale,Jr.et al.)は、ヒツジCRF、
アナログの合成とヒツジ視床下部抽出物からのoCRFの単
離を開示した。この合成oCRFは血圧を下げることがわか
った。ヒツジCRFのアミノ酸配列を下に示す。
e)については、Regulatory Peptides2,1−13(1981)
に記載されている。ソウバジンは、40アミノ酸ペプチド
てあって、哺乳類の血圧の低下、またACTH及び−エンド
ルフィンの分泌の刺激に生物学的な活性を有することを
報告されている。ソウバジンのアミノ酸配列を下に示
す。
者リーダリスら(Lederis et al.)及び1985年8月6日
発行の米国特許第4,533,654号、発明者リーダーリスら
は、ラット及びヒツジCRFならびにそのアナログに類似
のペプチドを開示し、かつホワイトサッカー(white su
cker)及びコイ(carp)ウロテンシン(urotensin)は
それぞれACTHを刺激し血圧を低下させることを見出し
た。コイウロテンシンのアミノ酸配列を下に示す。
シンは、アミノ酸の第24番位置がイソロイシン、同じく
第27番位置がグルタミン酸である以外は、コイウロテン
シンと同一のアミノ酸配列を有する。
24(1984)は、ヤギCRFの構造を開示しているが、これ
はヒツジCRFのそれと同一である。エッシュら(Esch et
al.),BBRC,Vol.122,pp.899−905(1984)は、ウシCRF
の構造を開示しているが、これは1個のアミノ酸残基の
みによてヒツジ及びヤギCRFとは異なっている(第33番
がヒツジ及びヤギCRFの第33番のセリンでなくてアスパ
ラギンである)。ブタCRFがパシーら(Patthy et a
l.),Proc.Natl.Acad.Sci.,Vol.82,pp.8762−8766(198
5)によって単離され特徴づけられた。ブタCRFはラット
/ヒトCRFと共通のアミノ酸配列(残基1−39)を有
し、第40、41番位置のみが異なる。残基40はアスパラギ
ンまたはイソロイシンであり、残基41はフエニルアラニ
ン−アミドである。
バソジェニック(vasogenic)浮腫と呼ばれる状態、を
減少させることであり、この状態は種々の不利な医学的
状態、例えば脳虚血、脳梗塞、神経外科手術による頭蓋
内出血、脳感染及び膿瘍、脳腫脹及び外傷性脳傷害によ
って生じる。
とき、例えば成形再構成手術、腹部手術、背部の手術、
整形手術、またはその他の外傷性裂傷(例えばガラス破
片または刃物による創傷)の場合に出液を減らすことで
ある。
分の漏出を減少させることである。
は筋肉組織の傷害または疾病による患者の治療方法であ
って、浮腫が1つの因子をなし、患者にコルチコトロピ
ン放出因子(またはその塩またはアナログ)を、傷害を
受け、もしくは病気の脳、神経系統組織、または筋肉組
織の血管透過性を減少させるのに効果的な量において投
与し、これによって浮腫を減少させることからなる。
と関係がある。この状態は、正常では血液成分を脳の組
織から分離している血管の機能に故障があるときに起き
る。脳の血管は、酸素の欠乏、傷害を受けた組織中に生
じた有毒物質、または未知の原因、例えば新生児の脳出
血と関連した原因によって傷害を受けると透過性が増
す。脳浮腫と関連した医学的状態は、脳虚血、脳梗塞、
脳腫瘍、脳感染及び膿瘍、脳の外傷帯び挫傷、ならびに
神経外科手術から起こる二次脳損傷である。脊髄傷害は
脳の損傷と似た問題を提起し、脊髄は脳細胞と同様に神
経組織である。
透過性を減らし、脳及び中枢神経系統の傷害の処置にお
いて治療的価値を有する。かくして、例えば、増加した
水分が組織の構造を圧迫し歪め、脳細胞への酸素を送達
を妨げるところの浮腫によって起きる重大な医学的危急
が実質的に回避されまたは軽減される。また、この発明
による投与は、手術中における組織への血液成分の漏出
を制限し、または最小にすることができる。
の脳を示す。青色染料で染色された(濃炎によって示
す)外皮は、凍傷(cold injury)によって生じた血管
透過性増加の領域の輪郭を示す。左側は、生理的食塩水
によって処理したラットの脳である。右側はこの発明に
よって処理したラットの脳である。
術)を受けたのち、1/2時間たって採ったラットの2つ
の筋肉組織断面を示す。青色染料で染色さた(濃炎によ
って示す)組織は、外科的傷害による血管透過性増加の
領域の輪郭を示す。左側は、生理的食塩水によって処理
したラットの組織である。右側はこの発明によって処理
したラットの組織である。
ェニック浮腫が発生し、水の量が増加して脳組織の構造
を圧迫し、ゆがませて脳細胞への酸素の供給を妨げる。
その患者は意識を失い、呼吸が停止することがある。発
明者は、コルチコトロピン放出因子(“CRF")とそのア
ナログ、及びそれに関係しているペプチド(例えばソウ
バジン(sauvagine)やウロテンシンI(urotensin))
が脳の傷害後、脳の血管における漏出を減少することに
対して効果的である(血管の透過性の変化として技術的
に定量した)ことを発見した。この発見は、脳の血管が
皮膚や粘膜にある血管に比べてより緊密な(“tighte
r")結合を有しており、そして通常、皮膚の血管の漏出
を促進する炎症性のメディエイターに応答しないことか
ら驚くべきことであった。
を意味しており、例えばラット、ヒト、ウシ、ヤギ、ブ
タ、ヒツジから単離したものが含まれている。CRFのア
ナログにはソウバジンやコイのウロテンシン及びサッカ
ーのウロテンシン(そのほとんどは低級の脊椎動物から
単離された。)が含まれており、それらの合成ペプチド
構造はCRFに似ていて、参考文献としてここに記載する
U.S.Pat.No.4,415,558,4,489,163,4,553,654及び4,528,
189に述べられている。
記記載した天然の源から単離することができるし、ある
いは固相法(ソリッドフェーズ)のペプチド合成手法を
用いたりして容易に合成して単離することもできる。例
えばその合成はペプチドのカルボキシル末端から開始さ
れ、適当なアミノ酸、例えばL−アルギニン、L−イソ
ロイシン、L−フェニルアラニン、L−バリン等を、適
当な樹脂サポートであるP−メチルベンズヒドリルアミ
ン樹脂クロルメチル化された樹脂、ヒドロキシメチル樹
脂からなるサポートにカップリングすることによって行
われる。
ドのようなカルボキシル基の活性化化合物の助けによ
り、かつt−ビトルオキシカルボニル(BOC)、ベンジ
ル(BZL)、p−メチルベンジル(MBZL)、t−アミル
オキシカルボニル(AOC)、トシル(TOS)、o−ブロモ
ベンジルオキシカルボニル(BRZ)、シクロヘキシル(O
HEX)、あるいはジクロロベンジル(BZLC12)のような
保護基で保護されたアミノ酸のα−アミノ基を用いて行
うことができる。このカップリング反応に続いて、例え
ばメチレンクロライド中でトリフロロ酢酸を用いたり、
ジオキサン中でトリフロロ酢酸のみ、あるいはHClを用
いたりすることによってα−アミノ保護基が取り外され
る。この脱保護基は約0℃から室温の間の温度範囲で行
われる。その後、配列におけるおのおの次のアミノ酸
が、望ましい順序で同様の手法を順次行うことによって
カップリングされ、最後のアミノ酸(例えばL−セリ
ン、L−アスパラギン、L−グルタミン)が付加され
て、希望のペプチドが最後的に得られる。
に、いくつかは固相反応器に添加される前にカップリン
グすることができる。それぞれの保護されたアミノ酸や
アミノ酸配列は、過剰(約3倍から4倍の過剰量)に固
相反応器に導入されて、このカップリングはジメチルホ
ルムアミド:メチレンクロライドの1:1溶媒中、あるい
はジメチルホルムアミドやメチレンクロライドの単独溶
媒中で行うことができる。その合成のそれぞれの段階に
おけるカップリング反応がうまく進行したかどうかはニ
ンヒドリン反応によって確認できる。
後、脱保護基の段階はフッ化水素(hydrogen fluorid
e)の様な試薬で処理することによって行われる。
トとして用いられている場合には、(フッ化水素のよう
な試薬で処理することによって)樹脂から開裂したペプ
チドは、カルボキシル末端にてアミドの形になるであろ
う。クロロメチル化された樹脂やヒドロキシメチル化さ
れた樹脂が樹脂サポートとして用いられている場合に
は、樹脂サポートから開裂したペプチドは、カルボキシ
ル末端にてベンジルエステルノ形になっているであろ
う。それから技術上よく知られた方法にて迅速に変換さ
れ、ペプチドのカルボキシル末端のアミドの形が形成さ
れる。
治療上、効果的な投与量は少なくとも約0.1μg/kg、更
に好ましくは約1から約200μg/kg、最も適量なのは約
5から100μg/kgである。特に好ましい投与量は約30μg
/kgを静脈内に投与したときである。その投与はゆっく
りと皮内あるいは皮下に注入すればよく、または障害の
ある身体の部位に直接注射してもよい。局所的に注射す
るときは局部投与ごとに、約10から約100μgの投与量
(即ち、約0.1から約1μg/kg体重)が好ましい。
るべきである。投与は好ましくは静脈内、皮内、あるい
は皮下に注入されて行われる。投与は筋肉や脳の外科手
術等による計画的な切開の約2時間前に行うことがで
き、また外科手術や事故による障害の後、3日まで可能
である。この薬物は好ましくは血流にのせて適用する
が、脳脊髄の分泌液や脳に、あるいは筋肉に局所的に注
射して投与することもできる。
ャリア、例えば等張性塩、燐酸緩衝溶液等と組み合わせ
て投与できる。局所投与は好ましくはない。それはCRF
やそのアナログが大きな分子(例えば40または41のアミ
ノ酸からなる)であり、注射によって投与した時ほど
は、作用部位に効果的に到達しないためである。
あるが、薬剤的に許容できる非毒性の塩、酸を付加した
塩の形で投与される。実例を示すと、酸を付加した塩は
塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、サルファ塩、酢酸塩、ク
エン酸塩、安息香酸塩、琥珀酸塩、マロン酸塩、アスコ
ルビン酸塩、酒石酸塩等である。
ルは再生可能浮腫モデルとして開発したもので、それは
脳浮腫の頻ぱんの発生の後、即座に皮質の障害が起きる
性質を持っている。このモデルはチャンら(Chan et a
l.,Brain Resarch277,pp.329−337(1983))によって
記述されている。そのモデルとしては麻酔されたラット
を用いる。2.5cmの切開部分が露出した右脳半球の矢状
縫合と骨の上に作られる。ドライアイスとアセトンの混
合物を−50℃の温度で満たした真鍮黄銅のカップに付着
された60mm2のプレートが、1分間ラットの頭蓋骨に当
てがわれる。その動物は凍傷の開始後に、さまざまな間
隔でいけにえとなる。塗料は冷凍される前に静脈内に投
与される。それから皮質の断片が脳より得られる。
の組で1匹ずつのラットにそれぞれ塩またはCRF(皮下
に30μg/kgを二度、凍傷の30分と10分前に注射)を注射
した。その動物はペントバルビタールナトリウムを60mg
/kg、腹腔内に注射することによって麻酔がかけられ、
そしてモナストラルブルー、60mg/kgが静脈内注射され
た。冷やしたプローブを4分間頭蓋骨に当て、凍傷後を
1時間おいて、脳が採取された。モナストラルブルーで
脳組織は染色されており、内皮細胞のアルブミンの表面
と基礎膜との間に留まっているコロイド状の色素は血管
の漏出の度合に比例している。第1番目の組から得られ
た結果を第1に示す。表1にはデータのまとめを示す。
の度合はイメージ分析のソフトウエアプログラムでJAVA
(Jandel Corporaton,San Rafael,California)と呼ば
れるプログラムを用いて定量された。染色強度は任意の
単位で示され、白色の濾紙の上におかれたモナストラル
ブルー溶液(1−30mg/ml)を用いて内的に検定した。
価は平均±S.E.M.である。
傷によって生じた血管の浸出量の範囲及び強度は、この
発明に従ってCRFの投与の行って処置したラットの脳の
方が塩で処置したラットの脳よりも小さくかつ弱いもの
である。表1のデータによってわかるように、CRFを処
理したグループの病巣の大きさは、塩を処理したグルー
プの病巣の大きさのわずか44%であった。
からより大きな障害の識別を尋ねられた観察者は、塩と
CRFに対する脳の割り当てを、8回のうち8回とも正し
く推測することができる。このように脳における血管の
漏出を抑制するCRFの効力が証明される。
付けられている部位は氷冷によって障害を受け、脳皮質
及びの氷冷ゾーンから離れた部位である基底の神経節に
おける水とナトリウムの濃度が測定された。脳組織の水
及びナトリウムの濃度は脳浮腫の指標として役立てた。
氷冷による障害の後、脳皮質の水とナトリウムの濃度が
氷冷されていない組織に対して評価された。皮下に30μ
g/kgの用量を二度に分離して、一度目は障害の前15分の
時点で、二度目は一度目の投与の後90分の時点で投与し
たCRFによって、脳浮腫の二つの指標が抑制された。表
2はそのデータがまとめられている。
ne)で麻酔された雄のスプレイジードウレイ ラット
(Sprague−Dawley rats)300−325gに塩またはCRF(30
μg/kg s.c.2x)を注射した後、脳皮質の障害を1分間
頭蓋骨に冷えたプローブを当てるることによって作っ
た。脳組織を3時間後に採取し、水とナトリウムの濃度
を分析した。
この発明に従ってCRFを処理したラットに比較して脳皮
質の障害に含まれる水の量は増加し、かつ実質的にナト
リウムの量も増加した。このことは、脳組織の水とナト
リウムの濃度が脳浮腫の指標として役立てられるので、
CRFを投与したラットでは脳皮質の障害による血管の漏
出が抑制されていることを示している。しかしながらこ
の発生の処置は、障害を受けていない基底神経節におけ
る水とナトリウムの濃度には影響がない。
(S.D.,Simonsen Labs.,Gilroy,California)にペント
バルビタールナトリウム60mg/kgを腹腔内注射して麻酔
を行い、さらにモナストラル ブルー60mg/kgを、腹腔
内の筋肉壁を通して4cmの生中線切開する(開腹手術)
前に、0.2ml/100gの量を、3分量かけて静脈内注射し
た。塩またはCRFはグループあたり8匹のラットで無作
意に選んだ組に投与された。病巣の大きさはmm2で示す
範囲として測定し、その明るさの強度はジャバ(JAVA)
のイメージ分析ソフトウエア プログラムを用いて定量
化した。その明るさの強度は任意の単位で示され、白色
の濾紙の上におかれたモナストラルブルー溶液(1−30
mg/ml)を用いて内的に検定された。価は平均±S.E.Mで
ある。図2は、一組のラット(対照のラットと治療され
たラット)の血管の透過率のそれぞれの量を示したもの
である。表3及び表4にはこれらの実験から得られたデ
ータがまとめられている。
の発生に従ってCFRを用いたことが生じる効果を示して
いる。このように表3のデータは、CRFを処理したグル
ープの病巣の大きさが、塩を処理したグループのデータ
に比べてそれぞれ63%、42%、29%であり、血管の漏出
は投与量に応じて減少していることが判る。
いてもよく、更に有意に血管の漏出を減少できることを
示している。それは表4に示されたCRFを処理したグル
ープの病巣の大きさが塩を処理したグループの病巣の大
きさに比べて59%であっることからわかる。
た場合、血管の透過率の増加が起きる。これらの物質は
炎症メディエイターと呼ばれ、セロトニン、サブスタン
スP、ブラジキニン、ニューロテンシン、及びヒスタミ
ンのような化学物質を含む。CRFはラットの足の指の皮
膚に注射された時、これらのメディエイターの浮腫を発
生させる特性に拮抗することが前記記述より明らかにな
っている。これらのメディエイターは皮膚や粘膜内で原
則として血管に沿って移動する。しかし最新発見された
他の炎症メディエイターとして、血小板活性化因子と呼
ばれる重要な新種の炎症メディエイターがあり、それは
皮膚や粘膜の血管に作用するのみではなく、肺や他の内
蔵器官にある毛細血管にも作用する。
ある。1モルの基準ではPAF−エイスサーは、他の一般
に知られた血管に作用する物質よりも2倍から4倍のオ
ーダで効果がある。PAFは障害が生じたことにより、炎
症のある細胞で速やかに合成され、血管の透過性が上昇
する。PAFはさまざまな有害な薬理状態の原因となるよ
うに関連していることが判明した。そして疾病の段階の
病理学的及び症候的進行を説明することができる。例え
ばバクテリアが血流に存在していて内毒素を産生する場
合は、内毒素がPAFや他の因子の放出を刺激し、それか
らそれらが身体のさまざま器官全体に渡り、特に肺の血
管の透過性を増加させる。そして血圧の低下、血液量の
減少、血液の濃縮として現れる内毒素性(敗血病性の)
ショックとして知られている状態を引き起こす。
除去された後に、器官を悪化させることである。この悪
化は健全な組織の水の透過が当然の成行きとして増加す
ることである。このようにPAFの作用に拮抗できる試薬
は、内毒素のショック状態にある時や、また腎臓や心
臓、肝臓、肺等を臓器移植するためにそれらの器官を保
存したり、身体に再付着する前の切断した肢や指を保存
したりする際に治療学上有効である。このような使用の
際、移植を行うための器官の血管系はCRFあるいはCRFア
ナログを約5から500μg含有する溶液で灌流されてい
ることが望ましい。
の透過性の増加がCRFによって拮抗されることを示して
いる。
を処理した対照のグループの病巣の大きさの44%であっ
た。このことは患者がPAFによる内毒素ショックの状態
にあるような条件でこの発明が有効であることを示して
いる。
上記のとおり説明したが、この記載及び実施例は説明す
るためのものであり、本発明の請求範囲を限定している
ものではない。本発明の請求範囲は特許請求の範囲に記
載されたとおりである。
Claims (8)
- 【請求項1】浮腫が一つの要素である脳、神経組織もし
くは筋肉組織の傷害または疾病を有する患者を治療する
治療剤であって、 本質的にコルチコトロピン放出因子からなり、塩、アナ
ログあるいはアナログの塩を含むニューロペプチドを有
効成分として含み、有効量で傷害あるいは疾病を有する
脳や神経系統、筋肉組織における血管の透過性を低下さ
せ、結果として浮腫を減少させるのに使用することを特
徴とする 脳及び筋肉組織の傷害による浮腫を減少させる治療剤。 - 【請求項2】前記ニューロペプチドを投与する患者は、
脳虚血、脳梗塞、血液−中枢神経系柵の機能異常、頭部
や脊髄への外傷性傷害、脳腫瘍、脳感染、または脳膿瘍
によるバソジェニック浮腫を既往していることを特徴と
する請求項1記載の脳及び筋肉組織の傷害による浮腫を
減少させる治療剤。 - 【請求項3】前記ニューロペプチドを投与する患者は、
脳や筋肉組織に外傷性の挫傷や裂傷を受けた人や、また
は脳や筋肉組織の切開もしくは手術を必要とする外科的
な治療を受けていたりもしくは回復途中にある人であっ
て、前記投与は外傷や外科手術の2時間前から、外傷や
外科手術の3日後まで行うことにより治療するための請
求項1記載の脳及び筋肉組織の傷害による浮腫を減少さ
せる治療剤。 - 【請求項4】前記投与が静脈内か皮内か皮下に注射する
ことによって行なわれるための請求項1記載の脳及び筋
肉組織の傷害による浮腫を減少させる治療剤。 - 【請求項5】前記ニューロペプチドは薬剤的に許容でき
るキャリアと組み合わせて投与されることを特徴とする
請求項4記載の脳及び筋肉組織の傷害による浮腫を減少
させる治療剤。 - 【請求項6】前記投与が患者の体重1kgあたり約1から
約100μgの範囲の用量を注射あるいは注入させること
により行うための請求項1記載の脳及び筋肉組織の傷害
による浮腫を減少させる治療剤。 - 【請求項7】前記ニューロペプチドは哺乳類のコルチコ
トロピン放出因子、またはそのアナログ、またはその塩
であり、効果的な用量は患者の体重1kgあたり少なくと
も約1μgであることを特徴とする請求項1記載の脳及
び筋肉組織の傷害による浮腫を減少させる治療剤。 - 【請求項8】内毒素ショックが生じている患者の治療剤
であって、前記患者にコルチコトロピン放出因子を、そ
の塩及びアナログを含む形で有効量を投与して、炎症性
メディエイターに拮抗させるのに使用することを特徴と
する治療剤。
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