JP3012041U - シンクポケット用の包丁差し - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 排水機能を有するポケットを備えたシンクを
利用することにより、包丁を安定性良く保持できると共
に包丁の水切りを行え且つその水を適切に処理でき、し
かも取り付けが簡単に行える包丁差しを提案する。 【構成】 排水機能を有するポケットを備えたシンクに
取り付けられるシンクポケット用の包丁差しであって、
ほぼ刃先の高さで立ち上がる筒状本体を備え、この筒状
本体の上下方向中途部の外壁に、ポケットの上縁部に掛
かるフランジ部を形成し、このフランジ部よりも下側の
筒状本体外壁の少なくとも一部を、ポケットに応じた形
状に形成すると共に、上記筒状本体の上部に、刃先が挿
入されるスリットを有する蓋体を固定した。筒状本体に
おけるフランジ部よりも下側に、ポケットに応じた形状
の簀子を固定した。筒状本体及び簀子により形成される
底面形状が、ポケット内壁の平面形状にほぼ一致する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、排水機能を有するポケットを備えたシンクを利用して、このポケッ トに取り付ける包丁差しに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、台所に包丁差しを設ける場合、例えば調理台まわりの壁に吊り掛けタイ プの包丁差しを取り付けたり、調理台の上に据置タイプの包丁差しを置くことが 行われていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

包丁差しに求められる機能には、安定性があって包丁を差しても倒れないこと 、濡れた包丁の水切りができること、水切りによって滴る水を適切に処理できる こと、などが挙げられるが、上記従来のものには、これらの機能の全てを備えた 上で、既設の調理台付近に簡単に取り付けられるものはなかった。

【０００４】 ところで、水洗いを行うシンクのなかには、水洗い用の凹陥部の周囲にポケッ トと称する小さな凹部を設け、ここにスポンジ又は洗剤のボトルなどを、すぐに 使用できる状態で置けるようにしたものがある。このポケットには、上記スポン ジ等から水が滴るが、その排水方法としては、例えばポケットをシンクに対して 脱着自在に設けておき、水が溜まるとポケットを取り外して排水できるように構 成したもの、ポケットの底部にドレン口を設け、これを排水ホースに連通するな どして排水機能をもたせ、そのままで自然に排水できるように構造したもの、な どがある。

【０００５】 本考案は、シンクが調理台の近くに位置することに着目し、このシンクのなか でも、ポケットを備えたシンクを利用することにより、包丁を安定性良く保持で きると共に包丁の水切りを行え且つその水を適切に処理でき、しかも取り付けが 簡単に行える包丁差しを提案することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、請求項１は、ポケットを備えたシンクに取り付けら れるシンクポケット用の包丁差しを対象とする。そして、ほぼ刃先の高さで立ち 上がる筒状本体を備え、この筒状本体の上下方向中途部の外壁に、ポケットの上 縁部に掛かる係止部を形成し、この係止部よりも下側の筒状本体外壁の少なくと も一部を、ポケットに応じた形状に形成すると共に、上記筒状本体の上部に、刃 先が挿入されるスリットを有する蓋体を固定した構成である。

【０００７】 請求項２は、請求項１の構成において、筒状本体における係止部よりも下側に 、ポケットに応じた形状の簀子を固定した構成である。

【０００８】 請求項３は、請求項２の構成において、筒状本体及び簀子により形成される底 面形状が、ポケット内壁の平面形状にほぼ一致する構成である。

【０００９】 請求項４は、請求項１ないし３の構成において、ポケットが、シンクに対して 脱着自在に設けられている構成としている。

【００１０】 請求項５は、請求項１ないし３の構成において、ポケットが、排水機能を有し ている構成としている。

【００１１】

【作用】

請求項１では、包丁差しをシンクのポケットに挿入すれば、取り付けが完了す る。その場合、筒状本体の係止部がポケットの上縁部に掛かり、しかも係止部下 側の筒状本体外壁がポケット内壁によって支持されるから、包丁差しが安定して 固定される。そして、スリットに包丁の刃先を挿入すると、濡れた包丁の水切り がなされ、刃先から滴る水が筒状本体の下に落ちるが、そこはポケットの底壁で あるから、この水はそのまま適宜に処理される。

【００１２】 請求項２では、包丁差しをシンクのポケットに挿入すれば、筒状本体により請 求項１と同様の作用が発揮される。さらに、簀子がポケットの底壁上に配置され るから、この簀子の上にスポンジ等を置けば、ポケット本来の機能が発揮される 。

【００１３】 請求項３では、筒状本体及び簀子が、ポケット内壁のほぼ全周で嵌合するから 、包丁差しが安定して固定される。

【００１４】 請求項４では、刃先から滴る水が筒状本体の下に落ちると、この水はポケット に溜まるが、この水はポケットを取り外して排水される。

【００１５】 請求項５では、刃先から滴る水が筒状本体の下に落ちると、ポケットの有する 排水機能により、水は排水される。

【００１６】

【実施例】

以下、実施例を説明する。図１〜図３は実施例に係るシンクポケット用の包丁 差しであって、図４に示すタイプのシンクに備えられ、且つ排水機能を有するポ ケットに取り付けられるものである。すなわち、このシンクは、水洗い用の凹陥 部Ｗの奥側にポケットと称する小さな凹部Ｐを設け、ここにスポンジ又は洗剤の ボトルＳなどを挿入して、すぐに使用できる状態で置けるようにしたものである 。このポケットＰは、シンク上面に形成したほぼ長円形の開口（図示省略）に、 図５及び図６に示したユニットを嵌入することにより設けられるものである。こ れの図において、１はポケット底壁、２はポケット底壁１から一体的に立ち上が るポケット内壁、３はポケット内壁の上縁を外側に折り返して形成されたフラン ジ、４はポケット底壁１のほぼ中央に開口するドレン口であって、このドレン口 ４は上記水洗い用の凹陥部Ｗが接続された排水ホース（図示省略）に対して接続 されており、ポケットＰ自体で排水機能を有し、上記スポンジ等Ｓから滴る水を 独自に排水ホースへ排水できる構造になっている。なお、５，５はポケット底壁 １において上方へ凸成されたリブである。

【００１７】 図１〜図３に戻って実施例の包丁差しを説明する。この包丁差しは、例えば樹 脂製である。これらの図において、１０は、ほぼ包丁Ｎの刃先ｎの高さで立ち上 がる筒状本体であって、この筒状本体１０は中空で且つ下方に向かって開放され ている。この筒状本体１０の上下方向中途部の外壁には、ポケットＰの上縁部に 掛かる係止部１１が突出して形成されている。そして、この係止部１１よりも下 側の筒状本体１０の外壁が、ポケットＰの内壁２に応じた形状に形成されている 。また、上記筒状本体１０の上部には、包丁Ｎの刃先ｎが挿入されるスリット１ ２ａを有する蓋体１２を一体的に形成している。この場合、蓋体１２を別体に設 けて筒状本体１０に固定してもよい。図ではスリット１２ａを２つ設けているが 、この数は任意である。

【００１８】 ２０は上記筒状本体１０の下端側方に一体的に設けた簀子であって、ほぼポケ ットＰの底壁１に応じたに形状に形成すると共に、周縁を下方に折曲げている。 また、簀子２０には多数の水切り用の穴２１・・・が形成されている。そして、 上記筒状本体１０及び簀子２０により形成される底面形状（ほぼ図１の外形に相 当する）が、ポケット内壁２の平面形状にほぼ一致するように形成している。こ こで、筒状本体１０に簀子２０を固定するか否かは任意である。また、簀子２０ を固定するときでも、筒状本体１０の下端側方に限らず、係止部１１よりも下側 に固定すればそれでよい。

【００１９】 従って、上記実施例においては、包丁差しをシンクのポケットＰに挿入すれば 、取り付けが完了する。その場合、筒状本体１０の係止部１１がポケット上縁部 のフランジ３に掛かり、しかも係止部下側の筒状本体外壁がポケット内壁２によ って支持され、しかも筒状本体１０及び簀子２０がポケット内壁のほぼ全周で嵌 合するから、包丁差しが安定して固定される。そして、スリット１２ａに包丁Ｎ の刃先ｎを挿入すると、濡れた包丁Ｎの水切りがなされ、刃先ｎから滴る水が筒 状本体１０の下に落ちるが、そこはポケットＰの底壁１であるから、ポケットＰ の有する排水機能により、水はドレン口４から排水ホースへ排水される。

【００２０】 また、簀子２０がポケットＰの底壁１上に配置されるから、この簀子２０の上 にスポンジ等Ｓを置けば、ポケット本来の機能が発揮される。すなわち、スポン ジ等Ｓを、すぐに使用できる状態で置くと、これらの水切りが行われ、水はドレ ン口４から排水ホースへ排水することができる。

【００２１】 図７は変形例であって、先の実施例に対して、スリット１２’ａの向きが平面 視でほぼ９０度異なっているのみであり、他の構成は同様である。このスリット の向きは任意であり、これら２つの例以外の角度位置であってもよい。

【００２２】 また、係止部であるが、実施例のように筒状本体の外壁に一連に突出形成して もよいが、周方向の要所要所に飛び飛びに設けてもよい。さらに、実施例では係 止部よりも下側の筒状本体外壁を、ほぼ全体的にポケットに応じた形状に形成し たが、少なくとも一部をそのような形状に形成すれば、安定性を確保する上で十 分な機能が得られる。

【００２３】 さらに、上記実施例では、ポケット底壁にドレン口を開口し、これを排水ホー スに接続して排水機能を発揮できるようにしたものを説明したが、このようなド レン口を開口せずに、ポケット上縁部に切り欠き部を設け、この切り欠き部から 水洗い用の凹陥部まで導水溝を引き、この導水溝を介して排水するようにしたも のも排水機能を有するものであるから、本考案の包丁差しを利用することができ る。しかも、排水機能を備えていないポケットについても本考案の包丁差しを利 用できることがある。例えば、ドレン口等の穴が底壁に開口していないポケット ユニットであって、シンクに上面の開口に上記ポケットユニットを脱着自在に嵌 入した構成のものである。この場合、排水はポケットをシンク開口から取り外し て逆さにすることにより行えるから、濡れた包丁の水切りができ、且つ、この水 を排水できるものである。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように、請求項１によれば、排水機能を有するポケットを備えた シンクを利用する包丁差しとして、安定性が高く、また濡れた包丁の水切りがで きて滴る水を適切に処理でき、しかも既設のシンクに挿入するだけで簡単に取り 付けることができる包丁差しを提案することができた。その場合、排水方法につ いては、請求項４及び５で例示できた。

【００２５】 請求項２によれば、請求項１の効果に加えて、さらに簀子の上にスポンジ等を 置くことができる。

【００２６】 請求項３によれば、請求項２の効果に加えて、さらに包丁差しを安定して固定 することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の一部省略平面図、

【図２】実施例の一部省略側面図、

【図３】実施例の筒状本体の縦断側面図、

【図４】シンクの一部斜視図、

【図５】ポケットユニットの半分を断面してみせた正面
図、

【図６】ポケットユニットの半分を断面してみせた側面
図、

【図７】変形例の図１相当図である。

【符号の説明】

Ｐ ポケット ２ 内壁 ３ フランジ（上縁部） １０ 筒状本体 １１ 係止部 １２ 蓋体 １２ａ スリット ２０ 簀子

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ポケットを備えたシンクに取り付けられる
   シンクポケット用の包丁差しであって、ほぼ刃先の高さ
   で立ち上がる筒状本体を備え、この筒状本体の上下方向
   中途部の外壁に、ポケットの上縁部に掛かる係止部を形
   成し、この係止部よりも下側の筒状本体外壁の少なくと
   も一部を、ポケットに応じた形状に形成すると共に、上
   記筒状本体の上部に、刃先が挿入されるスリットを有す
   る蓋体を固定したことを特徴とするシンクポケット用の
   包丁差し。
2. 【請求項２】筒状本体における係止部よりも下側に、ポ
   ケットに応じた形状の簀子を固定した請求項１記載のシ
   ンクポケット用の包丁差し。
3. 【請求項３】筒状本体及び簀子により形成される底面形
   状が、ポケット内壁の平面形状にほぼ一致する請求項２
   記載のシンクポケット用の包丁差し。
4. 【請求項４】ポケットが、シンクに対して脱着自在に設
   けられている請求項１ないし３のうちいずれか１項に記
   載のシンクポケット用の包丁差し。
5. 【請求項５】ポケットが、排水機能を有している請求項
   １ないし３のうちいずれか１項に記載のシンクポケット
   用の包丁差し。