JP3011853B2 - 基板の洗浄残渣検査方法および検査装置 - Google Patents

基板の洗浄残渣検査方法および検査装置

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JP3011853B2 JP6083131A JP8313194A JP3011853B2 JP 3011853 B2 JP3011853 B2 JP 3011853B2 JP 6083131 A JP6083131 A JP 6083131A JP 8313194 A JP8313194 A JP 8313194A JP 3011853 B2 JP3011853 B2 JP 3011853B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子等のフラ
ットディスプレイを製造する工程において、上記フラッ
トディスプレイを構成する基板の洗浄後に基板上に残る
酸、あるいはアルカリを検出する基板の洗浄残渣検査方
法および検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶表示素子等のフラットディ
スプレイの製造工程においては、フラットディスプレイ
を構成するガラス基板の表面検査が行われる。このよう
な表面検査には、例えば物質表面の物理的性状を検査す
る方法である接触角測定法や、オージェ電子分光分析装
置、あるいはガスクロマトグラフィを利用した方法が用
いられる。また、ガラス基板上の皮脂や油膜等による汚
れを検出する方法としては、例えば特開平4−2587
62号公報に開示されているように、水蒸気と不活性ガ
スを用いて、基板上の結露状態により上記の汚れを検出
する方法が開示されている。
【0003】ところで、上記のフラットディスプレイの
製造工程において、上記ガラス基板上への透明電極の形
成や、レジスト膜または配向膜等の印刷が行われる際に
は、酸によるエッチング処理や苛性ソーダによる基板洗
浄が行われる。この際、酸またはアルカリが、完全に除
去されず、ガラス基板上に残渣として残ると、透明電極
の欠陥や、印刷ムラ、印刷はじき等の不良が発生して、
良品率の低下を招来する。また、液晶材料としてシアノ
系液晶材料を用いている場合、このような酸、あるいは
アルカリの残渣が、上記シアノ系液晶材料と反応する
と、アミド化合物が生成され、このアミド化合物が結晶
化すると、フラットディスプレイの表示不良を引き起こ
す原因となる。
【0004】しかしながら、上述した従来の表面検査の
方法では、いずれも洗浄後のガラス基板上に残存する酸
またはアルカリを正確に検出することはできない。例え
ば接触角測定方法では、ガラス基板上の残渣の有無を検
出することは可能であるが、その成分まで特定すること
はできない。また、オージェ電子分光分析装置は、一般
に大型で、このような検査には不向きなだけでなく、
酸、アルカリ以外の残渣も同時に検出してしまうため、
検出された残渣のうち酸、アルカリのみを識別すること
は困難である。
【0005】また、ガスクロマトグラフィーを利用した
場合には、発生した残渣の成分を特定することは可能で
あるが、残渣の発生状態を確認できない。また、特開平
4−258762号公報に開示されている方法は、上述
のように、皮脂、油膜等を検出することを目的とするも
のであるため、酸、アルカリを検出することはできな
い。
【0006】そこで、酸性、あるいはアルカリ性の判定
に使用されるフェノールフタレイン試薬をガラス基板上
に滴下して、ガラス基板上の酸、あるいはアルカリを判
定することが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フェノ
ールフタレイン試薬を用いても、ガラス基板表面に存在
する酸、あるいはアルカリの有無を検出するにすぎず、
この結果を基に、基板上の残渣量を推定することは不可
能である。まして、酸およびアルカリと液晶との反応に
よるアミド化結晶現象まで正確にとらえることは困難で
ある。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、フラットディスプレイを
構成するガラス基板の表面状態を一定に保ち、透明電
極、レジスト膜、配向膜等の各種層の形成を安定にかつ
均一に行うと共に、フラットディスプレイの表示不良を
防止するために、フラットディスプレイの製造工程にお
いて実施される基板上の洗浄残渣の検査において、基板
上の残渣量を容易に、かつ正確に検知することができる
方法および検査装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る基
板の洗浄残渣検査方法は、上記の課題を解決するため
に、基板の洗浄後、この基板上に残る酸またはアルカリ
を検出する基板の洗浄残渣検査方法において、酸および
アルカリと反応することにより、化合物を結晶析出させ
る試薬を洗浄後の基板上に供給し、基板上に析出した結
晶の状態を評価することを特徴としている。
【0010】また、請求項2の発明に係る基板の洗浄残
渣検査方法は、上記の課題を解決するために、請求項1
記載の基板の洗浄残渣検査方法において、上記試薬とし
て、少なくとも100ppmの水分を含むシアノ系液晶
材料を用い、このシアノ系液晶材料を基板上に供給した
後、この基板を加熱し、さらに冷却して、酸、あるいは
アルカリとシアノ系液晶材料とが反応することにより基
板上に析出するアミド化合物の結晶の状態を評価するこ
とを特徴としている。
【0011】また、請求項3の発明に係る基板の洗浄残
渣検査装置は、上記の課題を解決するために、基板の洗
浄後、この基板上に残る酸またはアルカリを検出する基
板の洗浄残渣検査装置において、酸およびアルカリと反
応することにより、化合物を結晶析出させる試薬を洗浄
後の基板上に供給する試薬供給手段を備えたことを特徴
としている。
【0012】また、請求項4の発明に係る基板の洗浄残
渣検査装置は、上記の課題を解決するために、請求項3
記載の基板の洗浄残渣検査装置において、試薬供給後の
基板を加熱する加熱手段と、加熱後の基板を冷却する冷
却手段とを備えていると共に、上記試薬供給手段は、試
薬として少なくとも100ppmの水分を含むシアノ系
液晶材料を用いることを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1の方法によれば、上記基板上に酸およ
びアルカリと反応して化合物を結晶析出させる試薬を供
給すると、洗浄残渣として基板上に酸、あるいはアルカ
リが存在する場合には、生成された化合物の結晶が析出
するので、この結晶の有無および析出量を評価すること
によって、基板上における酸、あるいはアルカリの残渣
の有無および残渣量を検出することができる。したがっ
て、大型の装置を必要とすることなく、簡単な方法で、
より正確に酸、あるいはアルカリの洗浄残渣を検査でき
る。
【0014】例えばフラットディスプレイの製造工程に
おいて、この方法を実施して洗浄残渣の検査を行うと、
酸、あるいはアルカリが表面に存在する基板を正確に検
出できるので、このような洗浄残渣のない、表面状態の
均一な基板のみをフラットディスプレイの製造に供する
ことが可能になる。これにより、酸、あるいはアルカリ
の洗浄残渣が原因となる透明電極の欠陥や、レジスト
膜、配向膜等の印刷ムラや、印刷はじき等を防ぐことが
でき、上記した各種層の形成を安定に、かつ均一に行え
る。
【0015】また、請求項2の方法のように、上記試薬
として基板上に供給された少なくとも100ppmの水
分を含むシアノ系液晶材料を用いると、基板上に酸が存
在する場合、液晶材料中に含まれ、一般式
【0016】
【化1】
【0017】で示される3PCHが、加熱により、以下
に示すような加水分解反応を起こし、アミド化合物を生
成する。
【0018】
【化2】
【0019】また、基板上にアルカリが存在する場合に
は、上記3PCHが、以下に示すような加水分解反応反
応を起こし、アミド化合物を生成する。
【0020】
【化3】
【0021】このようにして生成されたアミド化合物
は、液晶中に溶解しているが、冷却すると、結晶として
析出する。この結晶は、一度析出すると、常温では液晶
へ溶け込み難いので、基板表面の洗浄残渣である酸、あ
るいはアルカリが、上記アミド化合物の結晶の発生状態
により、容易に、かつ迅速、正確に検知できる。したが
って、液晶表示素子等の製造工程において、この方法に
より洗浄残渣の検査を行うと、基板上における酸、ある
いはアルカリの有無および残渣量を容易に、かつ迅速、
正確に検出できるだけでなく、表示不良の原因となるア
ミド化結晶現象をも容易に検出できる。
【0022】また、請求項3の構成によれば、試薬供給
手段から、酸、あるいはアルカリと反応することにより
化合物を結晶析出させる試薬を基板上に供給するだけ
で、容易に基板上の、酸、あるいはアルカリの有無およ
び残渣量を検出できる。したがって、簡単な構成で、迅
速、かつ正確に基板における洗浄残渣の検査を行える装
置を安価に提供できる。また、このような装置を用いて
フラットディスプレイの製造工程における洗浄残渣の検
査を行えば、基板への各種層の形成時において、欠陥、
印刷ムラ、印刷はじき等が生じるのを防ぐことができ
る。
【0023】また、請求項4の構成によれば、試薬とし
て、少なくとも100ppmの水分を含むシアノ系液晶
材料を用い、さらに、試薬供給手段により、上記シアノ
系液晶材料を供給した後の基板を加熱する加熱手段と、
加熱後の基板を冷却する冷却手段が設けられている。基
板上に酸、あるいはアルカリが存在すれば、加熱手段に
より加熱されると、試薬として供給したシアノ系液晶材
料が加水分解されて、アミド化合物を生成する。このア
ミド化合物は、冷却手段により冷却されると、結晶とし
て析出するので、例えば液晶表示素子の製造工程におい
てこの装置を用いた洗浄残渣の検査を行えば、酸、ある
いはアルカリの有無および残渣量だけでなく、表示不良
の原因となるアミド化合物の結晶の発生状態をも検出で
きる。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の一実施例について図1ないし図2
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0025】本実施例に係る基板の洗浄残渣検出装置
は、図1に示すように、ガラス基板1上の数カ所に、1
00ppm以上の水分を含むシアノ系液晶材料2を滴下
する液晶滴下装置(試薬供給手段)3と、ガラス基板1
に素ガラス4を張り合わせた検査用基板5を加熱する加
熱装置6と、加熱後の検査用基板5を冷却する冷却装置
7とを備えている。
【0026】本実施例では、上記シアノ系液晶材料2と
して、ネマティック−アイソトロピック転移点90℃
で、一般式
【0027】
【化4】
【0028】で示されるシアノフェニルシクロヘキサン
系液晶材料を20wt%含有するネマティック液晶を用
いた。尚、この液晶材料の含有水分量をカールフィッシ
ャー法で求めると200ppmであった。
【0029】次に、上記の構成の装置を用いて、洗浄残
渣を検出する方法を図2を参照して説明する。まず、図
示しない洗浄装置にて洗浄を完了したガラス基板1(図
2(a)参照)に、前記した液晶滴下装置3を用いて同
図(b)に示すように、上記シアノ系液晶材料2を数カ
所滴下する。このガラス基板1に、同図(c)に示すよ
うに、素ガラス4を張り合わせ、ガラス基板1と素ガラ
ス4との間に挟み込まれた上記シアノ系液晶材料2をガ
ラス基板1の全面に広げて、検査用基板5を形成する。
【0030】この検査用基板5を前記した加熱装置6に
て、液晶転移点以上の温度(ここでは、100℃とし
た)で、1時間加熱する。加熱後の検査用基板5(同図
(d)参照)を前記した冷却装置7にて0℃、1時間の
条件で冷却し、冷却後の検査用基板5(同図(e)参
照)に結晶が析出しているか否かによって、酸、あるい
はアルカリの有無を検出する。
【0031】例えば2%の苛性ソーダで基板洗浄を行う
洗浄装置において、洗浄仕上げ工程を行う純水超音波洗
浄槽で出力低下異常が発生したために、アルカリが残渣
として残った基板を上記の方法で検査すると、加熱処理
により、ガラス基板1上に滴下したシアノ系液晶材料2
が、アルカリにより加水分解されてアミド化合物を生成
する。このアミド化合物は、冷却処理により結晶として
析出し、例えば同図(e)において円で囲んだ部分にア
ルカリが存在しているとすると、この部分には、同図
(f)に示すように、アミド化合物の結晶8が析出す
る。
【0032】また、酸によるエッチング等を行った後の
ガラス基板を用いて、上記と同様に洗浄残渣の検査を実
施した場合には、基板上に酸が残存している部分で、加
熱により、シアノ系液晶材料2が加水分解され、アミド
化合物を形成するため、冷却を行うことにより、上記と
同様の結晶析出が観察される。尚、析出した結晶は、常
温では液晶に溶け込み難いので、結晶の析出状態は明確
に観察できる。また、この結晶をガスクロマトグラフィ
ーで調べたところ、アミド化合物であることが確認され
た。
【0033】このように、酸、あるいはアルカリが洗浄
残渣としてガラス基板1上に存在する場合、上記の処理
を行うことにより、結晶が析出するので、ガラス基板1
上における酸、あるいはアルカリの有無や、絶対量等を
結晶の析出状態から、容易に、かつ迅速、正確に検出で
きる。
【0034】尚、検査を実施するガラス基板1として
は、実際にフラットディスプレイの製造に用いられる基
板を使用してもよいし、フラットディスプレイを構成す
る基板と同様の処理を行ったダミー基板を用いてもよ
い。
【0035】また、上記の検査を一般的に用いられてい
る恒温槽及び冷却槽を備えた簡易的な装置を用いて、1
cm角程度の小片に切り出したガラス基板サンプルに対
して実施した場合にも、酸、あるいはアルカリからなる
洗浄残渣が、容易に、かつ迅速、正確に検出できた。こ
のように、上記のような検査は、安価にして構成できる
装置でも、実行することが可能である。
【0036】このような検査を例えば液晶表示素子の製
造工程に取り入れた場合、液晶表示素子に用いられるガ
ラス基板上に洗浄残渣として存在する酸、あるいはアル
カリの状態、および残渣量をより正確に検出できるの
で、これらの残渣が原因となって液晶表示素子に発生す
る透明電極の欠陥や、レジスト膜、配向膜等の印刷ム
ラ、印刷はじきを防ぐことができる。また、酸、あるい
はアルカリと液晶材料とが化学反応をなして結晶が発生
するのを未然に防ぐことができるので、この結晶が原因
となる表示不良を回避できる。
【0037】〔実施例2〕次に、本発明の他の実施例
を、図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
尚、説明の便宜上、前記の実施例の図面に示した部材と
同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、そ
の説明を省略する。
【0038】本実施例に係る洗浄残渣検査装置は、酸、
あるいはアルカリによる洗浄工程と洗浄残渣の検査工程
とを一貫して行えるものである。このため、図3に示す
ように、本洗浄残渣検査装置10には、例えば2%の苛
性ソーダを用いてガラス基板1を洗浄する洗浄部11
と、液晶滴下部12と、ガラス張り付け部13と、ホッ
トプレート槽14と、クールプレート槽15と、結晶と
して析出したアミド化合物を自動的にカウントし、検査
の合否を判定する判定部16とが、この順に一列に設け
られている。ガラス基板1は、上記洗浄槽1側から判定
部16側に向かって順次搬送される。また、本洗浄残渣
検査装置10には、上記した各部を制御すると共に、判
定部16による検査結果の表示等を行うコントロールボ
ックス17が設けられている。
【0039】上記液晶滴下部12は、100ppm以上
のシアノ系液晶材料を充填したシリンジ18と、N2
スを用いてシリンジ18を作動させるディスペンサ19
と、上記シリンジ18を上下動させるZ軸方向作動ロッ
ド20とを備えている。上記ガラス張り付け部13は、
上記ガラス基板1に張り合わせる素ガラス4の保持およ
び解除が可能であり、また保持した素ガラス4を上下動
させるZ軸方向作動ロッド21を備えている。
【0040】ホットプレート槽14は、100℃に、ク
ールプレート槽15は0℃にそれぞれ設定されている。
判定部16は、図示しない偏光板を備えた光源22と、
図示しない偏光板を備えたCCD(Charge Coupled Dev
ice)カメラ23と、このCCDカメラ23を検査ポイン
トへと移動させるX−Yテーブル24と、CCDカメラ
23で撮像した画像を映し出すモニターテレビ25とを
備えている。判定部16は、CCDカメラ23により撮
像した画像を基に、結晶として析出したアミド化合物を
カウントし、カウント値と合否を判定した検査結果とを
上記コントロールボックス17に出力する。
【0041】本洗浄残渣検査装置10は、通常は、生産
ラインとしての生産タクトにてスムーズに洗浄作業を行
い、指定された枚数毎、あるいはラインの立ち上げ前
に、コントロールボックス17の制御により、予め設定
されたプログラムに基づいて切り換わり、上記した各部
での処理を実行して検査を行うようになっている。
【0042】次に、上記の構成を備えた洗浄残渣検査装
置10により行われるガラス基板1の洗浄および洗浄残
渣の検査について説明する。
【0043】まず、ガラス基板1が上記洗浄部11に送
られ、ここで、ガラス基板1に2%苛性ソーダが吹き付
けられる。この洗浄部11を通過後、ガラス基板1は、
液晶滴下部12まで搬送される。液晶滴下部12では、
ガラス基板1が搬送されてくると、Z軸方向作動ロッド
20によりシリンジ18を最適位置まで下降させ、さら
にディスペンサ19を作動させて、ガラス基板1上の数
カ所に、シリンジ18から前記実施例1と同様のシアノ
系液晶材料を滴下する。液晶材料滴下後のガラス基板1
は、続いてガラス張り付け部13に搬送される。ガラス
張り付け部13では、Z軸方向作動ロッド21により、
ガラス基板1上に素ガラス4を載置して張り付け、ガラ
ス基板1の全面に上記シアノ系液晶材料を広げて、前記
実施例1と同様の検査用基板を形成する。
【0044】検査用基板は、この後、ホットプレート槽
14に搬送され、100℃で1時間加熱され、加熱後
は、クールプレート槽15に搬送されて0℃で1時間冷
却される。酸、あるいはアルカリの存在する上記ガラス
基板1上の箇所では、ガラス基板1上に滴下されたシア
ノ系液晶材料が、加熱により酸、あるいはアルカリで加
水分解されて、アミド化合物が生成される。ガラス基板
1上で生成されたアミド化合物は、続いて冷却処理が行
われることにより、結晶として析出する。
【0045】冷却を終了した検査用基板は、上記判定部
16まで搬送され、光源部22により光を照射されなが
ら、CCDカメラ23で撮影される。これにより、ガラ
ス基板1上に析出した結晶を観察することができ、その
数量が判定部16により自動的にカウントされる。
【0046】このように、本実施例では、簡単な改造を
行うだけで、通常の生産ラインの中に洗浄残渣の検査工
程を組み込むことが可能になる。また、検査の判定等も
自動的に行えるので、さらに、検査が簡素化され、迅
速、かつ正確に行えるようになる。したがって、このよ
うな正確な検査を行えることにより、例えば液晶表示素
子の製造工程において、ガラス基板上に存在する酸、あ
るいはアルカリが原因となって、透明電極の欠陥や、レ
ジスト膜、配向膜等の印刷ムラ、印刷はじき等が発生す
るのを防ぐことができると共に、表示不良となるアミド
化結晶現象を未然に防ぐことも可能になる。
【0047】尚、本実施例では、洗浄部において、苛性
ソーダを用いて洗浄処理を行った場合について説明した
が、洗浄液は、上記の苛性ソーダに限定されるものでは
なく、例えば酸を用いた処理を行う場合にも、同様の構
成の装置で検査を行うことが可能である。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明に係る基板の洗浄残渣検
査方法は、以上のように、酸およびアルカリと反応する
ことにより、化合物を結晶析出させる試薬を洗浄後の基
板上に供給し、基板上に析出した結晶の状態を評価する
ものである。
【0049】それゆえ、試薬をガラス基板上に供給する
ことにより析出した結晶の有無およびその量を評価する
ことによって、基板上における酸、あるいはアルカリの
残渣の有無および残渣量を検出することができ、大型の
装置を必要とすることなく、簡単な方法で、より正確に
酸、あるいはアルカリの洗浄残渣を検査できるという効
果を奏する。
【0050】さらに、例えばフラットディスプレイの製
造工程において、この方法により洗浄残渣の検査を行う
と、洗浄残渣のない、表面状態の均一な基板のみをフラ
ットディスプレイの製造に供することが可能になり、
酸、あるいはアルカリの洗浄残渣が原因となる透明電極
の欠陥や、レジスト膜、配向膜等の印刷ムラや、印刷は
じき等を防ぐことができ、上記した各種層の形成を安定
に、かつ均一に行えるという効果を併せて奏する。
【0051】また、請求項2の発明に係る基板の洗浄残
渣検査方法は、以上のように、上記試薬として、少なく
とも100ppmの水分を含むシアノ系液晶材料を用
い、このシアノ系液晶材料を基板上に供給した後、この
基板を加熱し、さらに冷却して、酸、あるいはアルカリ
とシアノ系液晶材料とが反応することにより基板上に析
出するアミド化合物の結晶の状態を評価するものであ
る。
【0052】そえゆえ、請求項1に係る効果に加えて、
基板上における酸、あるいはアルカリの有無および残渣
量を容易に、かつ迅速、正確に検出できるだけでなく、
表示不良の原因となるアミド化結晶現象をも容易に検出
できるという効果を奏する。
【0053】また、請求項3の発明に係る基板の洗浄残
渣検査装置は、以上のように、酸およびアルカリと反応
することにより、化合物を結晶析出させる試薬を洗浄後
の基板上に供給する試薬供給手段を備えた構成である。
【0054】それゆえ、簡単な構成で、迅速、かつ正確
に基板における洗浄残渣の検査を行える装置を安価に提
供できると共に、このような装置を用いてフラットディ
スプレイの製造工程における洗浄残渣の検査を行えば、
基板への各種層の形成時において、欠陥、印刷ムラ、印
刷はじき等が生じるのを防ぐことができるという効果を
奏する。
【0055】また、請求項4の発明に係る基板の洗浄残
渣検査装置は、以上のように、試薬供給後の基板を加熱
する加熱手段と、加熱後の基板を冷却する冷却手段とを
備えていると共に、上記試薬供給手段は、試薬として少
なくとも100ppmの水分を含むシアノ系液晶材料を
用いる構成である。
【0056】それゆえ、請求項3に係る効果に加えて、
基板上に酸、あるいはアルカリが存在すれば、基板上に
供給したシアノ系液晶材料は、加熱手段により加熱され
ると、アミド化合物を生成し、さらに、このアミド化合
物は、冷却手段により冷却されると、結晶化するので、
例えば液晶表示素子の製造工程においてこの装置を用い
た洗浄残渣の検査を行えば、酸、あるいはアルカリの有
無および残渣量だけでなく、表示不良の原因となるアミ
ド化合物の結晶の発生状態をも検出できるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における基板の洗浄残渣検査
装置の概略の構成を示す模式図である。
【図2】上記洗浄残渣検査装置により検査を実施するガ
ラス基板の状態変化を示す模式図である。
【図3】本発明の他の実施例における基板の洗浄残渣検
査装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板(基板) 2 シアノ系液晶材料(試薬) 3 液晶滴下装置(試薬供給手段) 6 加熱装置(加熱手段) 7 冷却装置(冷却手段) 8 結晶 10 洗浄残渣検査装置 12 液晶滴下部(試薬供給手段) 14 ホットプレート槽(加熱手段) 15 クールプレート槽(冷却手段)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の洗浄後、この基板上に残る酸または
    アルカリを検出する基板の洗浄残渣検査方法において、 酸およびアルカリと反応することにより、化合物を結晶
    析出させる試薬を洗浄後の基板上に供給し、基板上に析
    出する結晶の状態を評価することを特徴とする基板の洗
    浄残渣検査方法。
  2. 【請求項2】上記試薬として、少なくとも100ppm
    の水分を含むシアノ系液晶材料を用い、このシアノ系液
    晶材料を基板上に供給した後、この基板を加熱し、さら
    に冷却して、酸、あるいはアルカリとシアノ系液晶材料
    とが反応することにより基板上に析出するアミド化合物
    の結晶の状態を評価することを特徴とする請求項1記載
    の基板の洗浄残渣検査方法。
  3. 【請求項3】基板の洗浄後、この基板上に残る酸または
    アルカリを検出する基板の洗浄残渣検査装置において、 酸およびアルカリと反応することにより、化合物を結晶
    析出させる試薬を洗浄後の基板上に供給する試薬供給手
    段を備えたことを特徴とする基板の洗浄残渣検査装置。
  4. 【請求項4】試薬供給後の基板を加熱する加熱手段と、
    加熱後の基板を冷却する冷却手段とを備えていると共
    に、上記試薬供給手段は、試薬として少なくとも100
    ppmの水分を含むシアノ系液晶材料を用いることを特
    徴とする請求項3記載の基板の洗浄残渣検査装置。
JP6083131A 1994-04-21 1994-04-21 基板の洗浄残渣検査方法および検査装置 Expired - Fee Related JP3011853B2 (ja)

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