JP3011171U - 有料道路の管理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無線通信不成立の場合に対応可能な有料道路
の管理装置を提供する。 【構成】 有料道路の走行車両と電波による送受信をす
る送受信アンテナ２と、編成した送信信号を変調して送
受信アンテナ２に送り、受信波から車両に関する情報を
得る通信手段３と、送受信アンテナ２の受信波に基づき
初期設定のチャネルの空き状況を確認し、初期設定のチ
ャネルが塞がっていれば別の空きチャネルを探す空きチ
ャネル検出手段５を備えて構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、有料道路の管理装置、とりわけ料金自動決済機能を備えた有料道路 の管理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

有料道路の入口ゲートあるいは出口ゲート（料金所）における従来の有料道路 の管理装置には、車両との間での電波による交信に基づき料金決済を行なうもの がある。 すなわち、入口ゲートの場合を説明すれば、有料道路の入口ゲートに接近中の 車両に電波信号を送信して交信を行ない、該車両や運転者（免許証）に関する識 別番号を入手し、これを確認の上、識別番号に基づき道路料金の自動決済を実行 するものである。 前記の識別番号確認は、車両の入口ゲートへの接近中ならびにゲート通過直前 までに完了するもので、したがって通過車両はゲートにおいて一時停止する必要 がなく、そのまま無停止走行で通過できるから、ゲートにおける待ちや渋滞が発 生しないという効果がある。

【０００３】 このような従来の有料道路の管理装置の構成例を図４に示す。 同図において、送受信アンテナ２は有料道路入口ゲートの前方に設けられるも ので、有料道路を入口ゲートに向かい走行して来る車両に電波を送信し、あるい はこの車両から電波を受信する。 通信手段１０２は、編成した送信信号を変調して送受信アンテナ２から車両に 送り、これに応えて車両から送信されてきた該車両に関する情報を受信し、受信 波を検波して車両情報を得て、この車両情報に基づき料金決済手段１０３が料金 自動決済を実行するものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 ところで、前記のような有料道路管理装置においては、例えば、交信周波数帯 （以下、チャネルという）が塞がって所謂ビジー状態にある時や、雑音や妨害電 波等の影響で通信が履行されない場合には、車両との交信が成立しないままで車 両がゲートを通過してしまい、課金が為されないという不都合が発生するおそれ があった。

【０００５】 本考案は、従来技術の有するこのような課題や欠点を解決するためなされたも ので、その目的は雑音や妨害電波等の影響で通信が履行されなかった通過車両の 課金が確実に為される有料道路の管理装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を実現するため本考案に係る有料道路の管理装置は、有料道路を走行 する車両に電波を送信し、あるいは前記車両からの電波を受信するための送受信 アンテナと、編成した送信信号を変調して前記送受信アンテナに送り、あるいは 受信波を検波して受信信号を得る通信手段とを備え、前記車両から該車両に関す る情報を無線で受信し、ゲート無停止通行許可信号を該車両に無線で送信するこ とにより有料道路を管理する有料道路の管理装置において、車両との前記無線通 信にあたり、前記送受信アンテナの受信波に基づき初期設定のチャネルの空き状 況を確認し、初期設定のチャネルが塞がっていれば別の空きチャネルを探す空き チャネル検出手段を備えて構成したことを特徴とする。

【０００７】 前記空きチャネル検出手段による前記初期設定のチャネルの空き状況確認ある いは別の空きチャネル発見が、予め設定された時間内に実行されるか否かを監視 する時間監視手段を備え、かつ予め設定された時間内に実行されない場合に、前 記ゲート無停止通行許可信号の車両への送信を中止してゲート一旦停止信号を送 信する車両誘導手段を備えたことを特徴とする。

【０００８】 車両との前記無線通信において、前記通信手段の行なう通信が正常に完了した か否かを判定する通信正常完了判定手段を備え、予め設定された時間内に前記通 信が正常完了しない場合は前記ゲート無停止通行許可信号の送信を中止してゲー ト一旦停止信号を送信する構成としたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】

本考案に係る有料道路の管理装置では、通信手段が送受信アンテナを経て、有 料道路を走行して入口ゲートに接近する車両に、編成した送信信号を載せた電波 を送信し、これに応えて車両から送信された電波を受信して、該車両に関する情 報を得る。 ここで車両との無線通信にあたり、空きチャネル検出手段が受信波に基づき初 期設定のチャネルの空き状況を確認し、初期設定のチャネルが塞がっていれば別 の空きチャネルを探してを確保する。

【００１０】 さらに、時間監視手段が、空きチャネル検出手段による初期設定のチャネルの 空き状況確認あるいは別の空きチャネル発見が、予め設定された時間内に実行さ れるか否かを監視する。予め設定された時間内に実行されない場合には、車両誘 導手段がゲート無停止通行許可信号の送信を中止して、かわりにゲート一旦停止 信号を送信して、車両を所定ゲートに誘導する。

【００１１】 又、車両との前記無線通信において、通信正常完了判定手段が、前記通信手段 の行なう通信が正常に完了したか否かを判定する。予め設定された時間内に通信 が正常完了しなかった場合は、ゲート無停止通行許可信号の送信を中止してゲー ト一旦停止信号を送信し、車両を所定のゲートへ誘導する。

【００１２】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。 図１は、本考案に係る有料道路の管理装置の一実施例のブロック図、図２は図 １の有料道路の管理装置を適用した有料道路入口ゲートの斜視図である。 図において、有料道路の管理装置１は、送受信アンテナ２と、通信手段３と、 時間監視手段４と、空きチャネル検出手段５と、通信正常完了判定手段６と、車 両誘導手段７と、料金決済手段８と、表示器９とを備える。

【００１３】 送受信アンテナ２は、有料道路を走行する車両に電波を送信し、あるいは車両 からの電波を受信する。 通信手段３は、編成した送信信号を変調して送受信アンテナ２から車両に送り 、該車両からの受信波を検波して、該車両に関する情報を得る。 空きチャネル検出手段５は、車両との無線通信にあたり、送受信アンテナ２の 受信波に基づき初期設定のチャネルの空き状況を確認し、初期設定のチャネルが 塞がっていれば別の空きチャネルを探す。

【００１４】 時間監視手段４は、空きチャネル検出手段５による初期設定のチャネルの空き 状況確認あるいは別の空きチャネル発見が、予め設定された時間内に実行される か否かを監視する。 予め設定された時間内に実行されない場合に、車両誘導手段７はゲート無停止 通行許可信号の送信と表示を中止して、ゲート一旦停止信号７ａを通信手段３お よび送受信アンテナ２を経て車両に送信するとともに、表示器９に表示し、車両 を磁気カード発行所１６又はマニュアル式決済所２１へ誘導する。

【００１５】 また、通信正常完了判定手段６は、車両との前記無線通信において、通信手段 ３の行なう通信が正常に完了したか否かを判定する。予め設定された時間内に通 信が正常完了しなかった場合は、車両誘導手段７に所定の信号を送る。車両誘導 手段７は前記信号に基づき、車両へのゲート無停止通行許可信号の送信と表示を 中止して、ゲート一旦停止信号７ａを通信手段３および送受信アンテナ２を経て 車両に送信するとともに、表示器９に表示する。そして、車両を磁気カード発行 所１６又はマニュアル式決済所２１へ誘導する。

【００１６】 本考案の有料道路の管理装置１では、有料道路入口ゲート１７に接近中の車両 ２０と交信のための送受信アンテナ２が該入口ゲート１７に設けられ、これより も後方（下流側）に、進入してくる車両２０に進行すべき経路を案内する表示器 ９が設けられている。 そして、さらに下流側に、磁気カード発行所１６と、マニュアル式決済所２１ が設けられている。 送受信アンテナ２近傍の道路脇に、マイクロコンピュータＭＣが配設され、該 マイクロコンピュータＭＣには前記通信手段３、時間監視手段４、空きチャネル 検出手段５、通信正常完了判定手段６、車両誘導手段７、料金決済手段８がそれ ぞれ実行プログラムとして内蔵されている。

【００１７】 ゲート上流側から進入してくる車両は、管理装置１と交信を行ない、管理装置 １は該車両がゲートに到るまでにその経路を決定して、該車両に通知するととも に表示器９に表示する。通信が正常に完了した車両２０は、そのまま速度を落と すことなく、無停止走行経路１８を直進してゲートを通過する。 一方、通信を正常完了できなかった車両２４は、受信したゲート一旦停止信号 ７ａに基づき磁気カード受取経路１９に進んで磁気カード発行所１６にて一時停 止し、磁気カードの発行を受ける。あるいは、通信を正常完了できなかった車両 ２４は、マニュアル式決済所２１に進んで一時停止し、手動による決済処理を受 ける。

【００１８】 図３は図１の有料道路の管理装置の動作フローチャートである。 図３に基づき以下に動作を詳細に説明すると、空きチャネル検出手段５が、デ フォルトチャネルが空いているか否かの確認を行ない（ステップＳ１）、デフォ ルトチャネルが空いていれば、通信手段３に通知する。そして、通信手段３は車 両との通信を開始する（ステップＳ２）。ついで、通信正常完了判定手段６が一 定時間内に通信が正常に完了したか否かを確認し（ステップＳ３）、通信が正常 完了していれば、無停止走行許可を車両誘導手段７に送る（ステップＳ４）。

【００１９】 一方、ステップＳ１でデフォルトチャネルが空いていなければ、空きチャネル をサーチし（ステップＳ５）、空きチャネルがあれば（ステップＳ６）、ステッ プＳ２に進んで通信を開始する。ここで、空きチャネルがなければ、時間監視手 段４がタイムアウトか否かを判定し（ステップＳ７）、タイムアウトでなければ ステップＳ１に戻ってデフォルトチャネルの空きを確認する。タイムアウトであ れば、車両誘導手段７はゲート一旦停止信号７ａを出力し、車両を磁気カード受 取所１６へ誘導する（ステップＳ８）。 このように、通信に障害が発生した車両を、表示器９の表示により磁気カード 発行所１６あるいはマニュアル式（手動）決済所２１に誘導して、磁気カードあ るいは手動発券による処理を行なう。

【００２０】

【考案の効果】

以上説明した様に、本考案に係る有料道路の管理装置は、有料道路のゲートに 接近中の車両と電波による通信を試みるにあたり、まず空き状態の通信チャネル の確保を行ない、かつ、所定時間内に通信が完了したか否かの判定を行ない、正 常に通信完了できた車両は無停止で高速のまま入口ゲートを通過させる。 一方、正常に通信が完了しなかった車両は、入口ゲートに設けられた磁気カー ド発行所あるいはマニュアル式決済所に進ませて一時停止させ、通過処理を行な うものであるから、例えば、妨害電波等によって進入車両との通信が不成立の場 合でも、確実に課金できて有料道路料金の徴収もれの発生を防止することが可能 となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る有料道路の管理装置の一実施例の
ブロック図である。

【図２】図１の有料道路の管理装置を適用した有料道路
入口ゲートの斜視図である。

【図３】図１の有料道路の管理装置の動作フローチャー
トである。

【図４】従来の有料道路の管理装置のブロック構成図で
ある。

【符号の説明】

１ 有料道路の管理装置 ２ 送受信アンテナ ３ 通信手段 ４ 時間監視手段 ５ 空きチャネル検出手段 ６ 通信正常完了判定手段 ７ 車両誘導手段 ８ 料金決済手段 ９ 表示器

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 有料道路を走行する車両に電波を送信
   し、あるいは前記車両からの電波を受信するための送受
   信アンテナと、編成した送信信号を変調して前記送受信
   アンテナに送り、あるいは受信波を検波して受信信号を
   得る通信手段とを備え、前記車両から該車両に関する情
   報を無線で受信し、ゲート無停止通行許可信号を該車両
   に無線で送信することにより有料道路を管理する有料道
   路の管理装置において、車両との前記無線通信にあた
   り、前記送受信アンテナの受信波に基づき初期設定のチ
   ャネルの空き状況を確認し、初期設定のチャネルが塞が
   っていれば別の空きチャネルを探す空きチャネル検出手
   段を備えて構成したことを特徴とする有料道路の管理装
   置。
2. 【請求項２】 前記空きチャネル検出手段による前記初
   期設定のチャネルの空き状況確認あるいは別の空きチャ
   ネル発見が、予め設定された時間内に実行されるか否か
   を監視する時間監視手段を備え、かつ予め設定された時
   間内に実行されない場合に、前記ゲート無停止通行許可
   信号の車両への送信を中止してゲート一旦停止信号を送
   信する車両誘導手段を備えたことを特徴とする請求項１
   記載の有料道路の管理装置。
3. 【請求項３】 車両との前記無線通信において、前記通
   信手段の行なう通信が正常に完了したか否かを判定する
   通信正常完了判定手段を備え、予め設定された時間内に
   前記通信が正常完了しない場合は前記ゲート無停止通行
   許可信号の送信を中止してゲート一旦停止信号を送信す
   る構成としたことを特徴とする請求項１又は２記載の有
   料道路の管理装置。