JP3008459B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JP3008459B2 JP2210769A JP21076990A JP3008459B2 JP 3008459 B2 JP3008459 B2 JP 3008459B2 JP 2210769 A JP2210769 A JP 2210769A JP 21076990 A JP21076990 A JP 21076990A JP 3008459 B2 JP3008459 B2 JP 3008459B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、難燃剤および変性ポリエステルエラストマ
ーを含有しているブルーミングのない難燃性のポリアミ
ド組成物に関する。
該組成物は、成形性および衝撃特性、特に引張特性に
優れ、自動車部品、電気部品、機械部品、その他各種成
形品の製造用として広く一般に使用することができる。
(従来の技術) 従来よりポリアミド樹脂は、比較的安価に得られ、か
つ成形が容易であるなどの優れた特性を有するため、電
子部品や自動車部品をはじめ生活用品全般にわたり広く
使用されている。しかしながらポリアミド樹脂は易燃性
であり、ひとたび火災が発生すると簡単に燃焼するた
め、特にケーブルの火災などは社会に大きな影響を与え
る。
そこで最近では、電気製品、自動車内装品、繊維製品
など、これら樹脂の利用分野の一部で法律によって難燃
化が義務づけられている。例えば、米国の自動車関係に
おけるMVSS−302の難燃規制が知られている。
一般にポリアミド樹脂に難燃性を付与するためには、
樹脂の混練時に難燃剤が添加され、難燃剤としては、無
機化合物、有機リン化合物などが知られているが、難燃
効果を発揮させるためには、配合量を増加させなければ
ならず、そのため、分散不良による樹脂の物性の低下
や、配合した上記難燃剤が成形後に樹脂表面に粉状に析
出するという、いわゆるブルーミング現象が生じやすい
という欠点があった。
また、ゴムで補強されたポリアミド樹脂に難燃剤を加
えることによって、難燃性の優れたゴム補強ポリアミド
樹脂を製造することが知られているが、このようにして
得られた難燃性ゴム補強ポリアミド樹脂においては、難
燃剤を加える前のゴム補強ポリアミド樹脂が本来持って
いる優れた特性、すなわち、引張強伸度特性、衝撃特性
が、難燃剤を加えることによって低下してしまうという
欠点があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、前記従来技術で知られている方法では解決
できなかった引張強伸度特性、衝撃特性がすぐれ、かつ
ブルーミングのない難燃性ポリアミド組成物を提供しよ
うとするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記問題点を解決するため、すなわち
衝撃特性や耐熱性などの物性に優れ、かつブルーミング
を生じない組成物を得ることを目的として、鋭意研究努
力した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわち
本発明は、(A)ポリアミド樹脂、並びに(B)不飽和
カルボン酸及び不飽和カルボン酸誘導体から選ばれた単
量体とポリエステルエラストマーとを反応させて得られ
る変性ポリエステルエラストマーおよび(C)有機ハロ
ゲン化合物、含窒素化合物および下記一般式(I)〜
(III)で示されるリン化合物より選ばれた1種以上の
難燃剤を含有することを特徴とするポリアミド組成物に
よって上記目的が達成される。
(ただし、式中R1、R2およびR3はそれぞれ同一または異
なるアルキル、ハロアルキル、アリールおよびハロアリ
ール基を示す。) 本発明の組成物に含有される(A)ポリアミド樹脂と
しては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイ
ロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6/6,6、ナイロン4,
6、ポリキシリレンアジパミド、ポリヘキサメチレンテ
レフタラミド、ポリフェニレンフタラミド、ポリキシリ
レンアジパミド、ポリキシレンアジパミド/ヘキサメチ
レンアジパミド、ポリエステルアミドエラストマー、ポ
リエーテルアミドエラストマー、ダイマー酸共重合ポリ
アミド等が例示される。これらは単独で又は混合して用
いられ得、あるいは、これらの樹脂を形成するモノマー
を用いて得られる共重合体もまた、用いられる。ポリア
ミド樹脂の融点は170℃以上であることが耐熱性の点か
ら好ましい。通常、ポリアミド樹脂は相対粘度(JIS K6
810−1970に準じ、90%硫酸中で測定)が1.8以上である
ことが好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。
本発明の組成物に含有される変性ポリエステルエラス
トマーの調製に使用されるポリエステルエラストマーと
しては、ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合
体、ポリエステル型ブロック共重合体等が挙げられる。
上記ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体
は、ポリエステルをハードセグメント、ポリエーテルを
ソフトセグメントとし、両者が交互に繰り返し並んでい
ることにより、ゴム状弾性体の性質を有するブロック共
重合体である。
このようなポリエステル単位を構成する酸及びアルコ
ールは、それぞれ主として芳香族ジカルボン酸、及び炭
素数2〜15のアルキレングリコールである。ジカルボン
酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、エ
チレンビス(p−オキシ安息香酸)、ナフタレンジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息
香酸等が挙げられる。グリコールの具体例としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ペンタメチレングリコール、2,2−ジ
メチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、シクロヘキサンジエタノール、ベンゼンジメタ
ノール、ベンゼンジエタノール等が挙げられる。上記の
ジカルボン酸及びグリコールとしては、繊維形成能を有
する程度の分子量のポリエステルにした場合の融点が、
200℃以上になるものが適している。
上記ブロック共重合体のソフトセグメントであるポリ
エーテル単位は、平均分子量が500〜5000程度のポリオ
キシアルキレングリコールである。このポリオキシアル
キレングリコール単位は、アルキレン基が2〜9個の炭
素原子を有するオキシアルキレン基をモノマー単位とす
る。具体的には、ポリ(オキシエチレン)グリコール、
ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシテ
トラメチレン)グリコール等が好適な例として挙げられ
る。ポリエーテルは、単独、ランダム共重合体、ブロッ
ク共重合体、あるいは2種以上のポリエーテルの混合物
であっても良い。さらに、ポリエーテルの分子鎖中に少
量の脂肪族基、芳香族基等を有していても良い。また、
イオウ、窒素、リン等を有する改質ポリエーテルでもよ
い。
ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体には、
ポリエーテル単位が1〜85重量%、好ましくは5〜80重
量%の割合で、そしてポリエステル単位が99〜15重量
%、好ましくは95〜20重量%の割合で含有される。
ポリエステル型ブロック共重合体としては、結晶性芳
香族ポリエステルとラクトン類との反応によって得られ
るものが挙げられる。結晶性芳香族ポリエステルとして
は、エステル結合、又はエステル結合とエーテル結合と
を主として有するポリマーであって、少なくとも一種の
芳香族基を主たる繰り返し単位として有し、分子末端に
水酸基を有するものが挙げられる。この結晶性芳香族ポ
リエステルとしては、高重合度のポリマーを形成した場
合の融点が150℃以上になるものが好ましい。本発明の
ポリアミド樹脂組成物を成形用材料に用いる場合には、
分子量5000以上のポリマーが好ましいが、接着剤やコー
ティング剤に用いる場合には、分子量5000以下のもので
も良い。結晶性芳香族ポリエステルの好適な具体例は、
ホモポリエステル、ポリエステルエーテル、共重合ポリ
エステル、共重合ポリエステルエーテル等に見いだすこ
とができる。ホモポリエステルの例としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタ
レート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等が挙げら
れる。ポリエステルエーテルの例としては、ポリエチレ
ンオキシベンゾエート、ポリ−p−フェニレンビスオキ
シエトキシテレフタレート等が挙げられる。共重合ポリ
エステル又は共重合ポリエステルエーテルとしては、主
としてテトラメチレンテレフタレート単位、又はエチレ
ンテレフタレート単位を有し、更に他の共重合成分を有
するポリマーが挙げられる。このような共重合成分とし
ては、テトラメチレンテレフタレート単位、エチレンイ
ソフタレート単位、テトラメチレンアジペート単位、エ
チレンアジペート単位、テトラメチレンセバケート単
位、エチレンセバケート単位、1,4−シクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート単位、テトラメチレン−p−
オキシベンゾエート単位、エチレン−p−オキシベンゾ
エート単位等が例示される。共重合ポリエステル及び共
重合ポリエステルエーテルは、テトラメチレンテレフタ
レート単位又はエチレンテレフタレート単位を60モル%
以上含むことが好ましい。
ポリエステル型ブロック共重合体を形成する他方の構
成成分であるラクトン類としては、ε−カプロラクトン
が最も好ましいが、エナントラクトン、カプリロラクト
ン等も用いられる。これらのラクトン類を2種以上用い
てもよい。
ポリエステル型ブロック共重合体は、上記結晶性芳香
族ポリエステルとラクトン類とを、重量比97/3〜5/95の
割合で用い、共重合して得られる。好ましくはこの重量
比を95/5〜30/70とするのがよい。上記共重合に際して
は、必要に応じて触媒を加え、加熱混合して反応進行さ
せる。このようにして得られるポリエステルエラストマ
ー(ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体及び
/又はポリエステル型ブロック共重合体)は、単独で、
又は2種以上混合して用いられ得る。
変性ポリエステルエラストマーを得るためにポリエス
テルエラストマーと反応させる変性剤は、不飽和カルボ
ン酸及びその誘導体から選ばれる。不飽和カルボン酸と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリ
ル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル
酸、エンド−ビシクロ(2,2,1)ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボン酸(ナジック酸)、メチル−エンドシス−
ビシクロ(2,2,1)ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン
酸(メチルナジック酸)等が例示できる。不飽和カルボ
ン酸の誘導体としては、上記の酸の酸ハライド、アミ
ド、イミド、酸無水物、エステル等の誘導体が挙げられ
る。具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレ
イン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等が例示でき
る。これらの中で、不飽和ジカルボン酸又は不飽和ジカ
ルボン酸無水物が好適に用いられる。特に、マレイン
酸、ナジック酸、又はこれらの酸無水物が好適である。
これらの変性剤は、ポリエステルエラストマーに対し
て約0.01〜約20重量%、好ましくは約0.02〜約20重量%
の範囲で用いられる。0.01重量%未満ではポリアミド樹
脂組成物の物性の改善効果が小さい。20重量%を越える
とグラフト反応時に、ゲル化が起こり易くなる。
ポリエステルエラストマーに変性剤を反応させる(グ
ラフト共重合する)方法は、特に限定されないが、得ら
れる変性ポリエステルエラストマー中にゲルなどの好ま
しくない成分が含まれないようにすることが望ましい。
また、流動性が低下すると加工性が悪くなるので望まし
くない。具体的には、例えば、上記ポリエステルエラス
トマー、変性剤、及びラジカル発生剤を配合し、溶融混
練することによりグラフト反応が起こり、変性ポリエス
テルエラストマーが得られる。ラジカル発生剤として
は、公知の有機過酸化物又はジアゾ化合物が用いられ得
る。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−
ブチルクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキ
サイド、アゾビスイソブチロニトリル等を例示すること
ができる。ラジカル発生剤の使用量は、ポリエステルエ
ラストマーに対して0.05重量%以上、好ましくは0.1〜
1.5重量%である。
本発明のポリアミド樹脂組成物に於いては、ポリアミ
ド樹脂(A)と変性ポリエステルエラストマー(B)と
の重量比(A)/(B)を95/5〜5/95とするのが好まし
く、更に好ましくは(A)/(B)を90/10〜10/90とす
るのが良い。変性ポリエステルエラストマーの重量比が
95/5より小さくなると、耐衝撃性、剛性等が改善されな
い。変性ポリエステルエラストマーの重量比が5/95より
大きくなると、耐水性などが低下する。
次に本発明において配合される(C)難燃剤は、該ポ
リアミド組成物の成形加工中に受ける熱履歴を考慮する
と、耐熱性に優れた化合物が好ましく、本発明では、有
機ハロゲン化合物、含窒素化合物および前記一般式
(I)〜(III)で示されるリン化合物より選ばれた1
種以上の難燃剤が採用されるが、本発明では特に有機ハ
ロゲン化合物が好ましい。
前記有機ハロゲン化合物とは、一般にハロゲン系難燃
剤として取り扱われる化合物をいうが、該ポリアミド組
成物の成形加工中に受ける熱履歴を考慮すると耐熱性に
優れた芳香族ハロゲン化合物が好ましい。
具体例として、デカブロモジフェニルエーテル、テト
ラブロモビスフェノールAとホスゲンより得られるブロ
モ化ポリカーボネート等のハロゲン化ポリカーボネー
ト、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールA
およびホスゲンより得られるブロム化共重合ポリカーボ
ネート、テトラブロモビスフエノールAとエピクロルヒ
ドリンより得られるブロム化エポキシ化合物のようなハ
ロゲン化エポキシ化合物、臭素化ポリスチレン、ブロム
化ポリフェニレンオキサイド等を挙げることが出来る。
これらは、1種類のみを用いたものでもよく、また2
種以上を併用したものでもよい。
また含窒素化合物としては、メラミン、ベンゾグアナ
ミン、ジメチロール尿素、シアヌール酸およびシアヌー
ル酸メラミンからなる群から選ばれた1種以上の含窒素
化合物である。これらの含窒素化合物の中でもメラミ
ン、メラミンシアヌレートが好適に使用される。該含窒
素化合物に、ハロゲン化銅とメタキシリレンジアミン、
ベンジルアミン、2−メルカプトベンゾチアゾールまた
は、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの含窒素化
合物との錯体、ハロゲン化銅とハロゲン化カリウムとか
らなる複合耐熱剤を併用することがより好ましい。
またリン化合物として、前記一般式(I)で表わされ
る化合物の具体例としては、トリメチルホスフェート、
トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフ
ェート、ジフェニルオクチルホスフェート、トリブチル
ホスフェート、トリス(3−クロルエチル)ホスフェー
ト、トリス(ジクロルプロピル)ホスフェート、トリス
(2,3−ジブロムプロピル)ホスフェート、トリス(ブ
ロムクロルプロピル)ホスフェート、トリス(2−ブロ
ムエチル)ホスフェート、トリオクチルホスフェート、
トリブトキシエチルホスフェートなどが挙げられる。
一般式(II)で表わされる化合物の具体例としては、
トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、ト
リス(2−クロルエチル)ホスファイト、トリフェニル
ホスファイトなどが挙げられる。
一般式(III)で表わされる化合物の具体例として
は、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸
ジエチル、フェニルホスホン酸ジブチル、ベンジルホス
ホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチル、ビス
(ヒドロキシエチル)ベンジルホスホネート、ビス(2
−ブロモエチル)2−ブロモエチルホスホネートなどが
挙げられる。
前記一般式(I)〜(III)で表わされる化合物は1
種または2種以上を同時に用いてもよい。
さらに本発明においては、難燃助剤を添加することが
好ましく、難燃助剤としては、三酸化アンチモン、酸化
マグネシウム、酸化モリブデン、酸化スズ、酸化ジルコ
ニウム、酸化亜鉛等が挙げられる。
また、本発明組成物の特性を損なわない範囲で他の難
燃剤、例えば塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、
パークロロペンタシクロデカン等を併用してもよい。
前記(C)難燃剤の配合量は、(A)〜(C)の成分
の合計を100重量%として、5〜60重量%、好ましくは1
0〜50重量%である。配合量が5重量%未満の場合、難
燃性に関しては充分と言えず、比較的燃えやすいという
欠点があり好ましくない。一方、配合量が60重量%を超
えると、分散不良による樹脂の物性の低下や、配合した
難燃剤が成形後に樹脂表面に粉状に析出するブルーミン
グ現象が生じやすくなり、また、アイゾット衝撃強度、
引張強伸度も低下するので好ましくない。
次に本発明組成物を製造する方法として、(A)ポリ
アミド、(B)変性ポリエステルエラストマーおよび
(C)難燃剤をV型ブレンダー、ヘンシルミキサー、ス
ーパーミキサー等で混合し、これを直接溶融成形する
か、または押出機、ニーダー等で溶融混合した後、チッ
プ化し、これを成形してもよい。
本発明の組成物には必要に応じて、難型剤、カップリ
ング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光保護剤、亜リン
酸塩安定剤、過酸化物分散剤、塩基性補助剤、増核剤、
可塑剤、潤滑剤、帯電防止剤、無機充填剤、顔料、染
料、カーボンブラックなどを配合することも可能であ
る。
(作 用) (B)変性ポリエステルエラストマーは、ポリエステ
ルエラストマーに、不飽和カルボン酸及びその誘導体か
ら選ばれる変性剤をグラフト反応させて得られたもので
あるので、これとポリアミド樹脂(A)とが加熱下に混
合されることにより、上記グラフト反応したカルボン酸
及びその誘導体と、ポリアミド樹脂のアミノ末端基とが
一部反応するものと推測される。この反応によって、ポ
リアミド樹脂と変性ポリエステルエラストマーとの均一
相溶分散が促進され、このようにしてポリアミド樹脂の
優れた特性を保持したまま、耐熱性を付加することがで
きるものと推測される。
また難燃剤を添加した場合には、難燃剤中の極性基と
ナイロン、ポリエステルエラストマーの末端基との反応
等により相溶性の向上し、ブルーミング現象を起こさ
ず、また難燃性の向上も認められ、引張特性、衝撃特性
の低下もほとんど見られないものと思われる。
(実施例) 本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。尚、実施例に示す
難燃性、プレートアウト、ブルーミングおよび機械的性
質は次の測定により評価した。
(1) 難燃性 長さ5in、幅1/2in、厚さ1/32in、1/16″1/8″の試験
片を作成し、UL−94(米国Under Writers Laboratories
Incで定められた規格)の方法に従って測定した。
(2) プレートアウト 直径100mm、厚さ3.2mmの円板を鏡面金型にて50ショッ
ト続けた後の金型面および成形品表面を肉眼で観察し
た。
(3) ブルーミング 直径100mm、厚さ3.2mmの円板を作成し、これを40℃、
90%の雰囲気中に1週間放置し、表面状態を肉眼で観察
した。
(4) 機械的性質 引張強さは、ASTM D638に準じて、また、アイゾット
衝撃強さは、2.5×1/2×1/2inchのテストピースを用
い、ASTM D−256で定められた方法に従ってそれぞれ測
定した。
本実施例ではポリアミド樹脂として、相対粘度2.53
(98%硫酸中;1g/100ml、25℃)のナイロン6、相対粘
度2.51のナイロン6,6及び、相対粘度2.10のポリメタキ
シリレンアジパミド(MXD−6)を用い、これらの樹脂
を100℃で16時間真空乾燥して使用した。
ポリエステルエラストマーとしては ポリテトラメチレングリコールとポリテトラメチレ
ンテレフタレートとのポリエーテル−ポリエステルエラ
ストマー(東洋紡績社製ペルプレンP150B)、及び ポリカプロラクトンとポリテトラメチレンテレフタ
レートとのポリエステル型ブロック共重合体(東洋紡績
社製ペルプレンS−1000)を用いた。
またここで用いた難燃剤、難燃助剤ア〜カを第1表に
示す。
製造例 変性ポリエステルエラストマーの調製 前記又はを100重量部、無水マレイン酸0.5重量
部、ジクミールパーオキサイド0.3重量部をミキサーで
均一に混合した。この混合物を30mm二軸押出機に供給
し、シリンダー温度200〜230℃で、無水マレイン酸変性
反応を行った。このようにして得られた反応生成物を、
80℃にて12時間真空乾燥機で乾燥して変性ポリエステル
エラストマー′又は′を得た。
実施例1〜16、比較例1〜9 上記のポリアミド樹脂と、前記製造例で得られた変性
ポリエステルエラストマー′又は′と難燃剤を第2
表に示す比率でドライブレンドした後、30mmφ二軸押出
機を用いてペレットを製造した。そのときのシリンダー
温度は、ナイロン6の場合には250℃、ナイロン6,6の場
合には280℃、MXD−6の場合には260℃である。得られ
たペレットは、70℃にて16時間真空乾燥した後二軸押出
時とそれぞれ同じポリマー温度、金型70℃で各試験片を
作成した。その結果を第2、3表に示す。
第2、3表より明らかなように、実施例1〜16で得ら
れた本発明の組成物は、引張強伸度、衝撃強度、難燃
性、ブルーミング性等すべてにおいて優れた特性を有し
ていることが判る。また比較例1、6は難燃剤が配合さ
れていないために難燃性は向上せず、比較例2〜4、
5、7においてはポリエステルエラストマーが変性され
ていないために、引張強伸度、衝撃強度が低く、また難
燃剤の効果も、HB、V−2と極めて低いことが判る。
実施例11〜16、比較例8、9は窒素化合物を難燃剤と
して用いた場合であるが、前記と同様に、比較例8、9
は未変性のポリエステルエラストマーを用いているた
め、引張強伸度、衝撃強度及び難燃性も低いことが判
る。
(発明の効果) 本発明組成物は、このようにブルーミングを生ずる事
なく、かつ、引張強伸度、耐衝撃性などの物性にも優れ
た難燃性のポリアミド組成物であり、従って、自動車部
品や電子部品をはじめ、生活用品全般にわたり広く利用
することができ、産業界に寄与すること大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12 C08L 67/00 - 67/08 C08K 3/00 - 13/08 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂、並びに(B)不飽
    和カルボン酸及び不飽和カルボン酸誘導体から選ばれた
    単量体とポリエステルエラストマーとを反応させて得ら
    れる変性ポリエステルエラストマーおよび(C)有機ハ
    ロゲン化合物、含窒素化合物および下記一般式(I)〜
    (III)で示されるリン化合物より選ばれた1種以上の
    難燃剤を含有することを特徴とするポリアミド樹脂組成
    物。 (ただし、式中R1、R2およびR3はそれぞれ同一または異
    なるアルキル、ハロアルキル、アリールおよびハロアリ
    ール基を示す。)
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