JP3007258B2 - ベンジルアルコール類の合成法 - Google Patents

ベンジルアルコール類の合成法

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JP3007258B2
JP3007258B2 JP6048222A JP4822294A JP3007258B2 JP 3007258 B2 JP3007258 B2 JP 3007258B2 JP 6048222 A JP6048222 A JP 6048222A JP 4822294 A JP4822294 A JP 4822294A JP 3007258 B2 JP3007258 B2 JP 3007258B2
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寛之 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】本発明は、医療用又は農園芸用の殺菌活
性化合物を、より収率良く有利に製造する方法を提供す
ることを目的とする。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた殺菌活性を有す
る新規又は公知のアゾール系化合物の新規な製造法に関
する。
【0003】
【従来の技術】下記一般式(III)で表される化合物
の一部は、特開平5−222060号公報(特願平4−
267234号)に農園芸及び医療用殺菌剤として記載
されている、新規化合物である。
【0004】又、一般式(III)で表される化合物の
一部は、特公平3−45065号公報に植物病原菌類の
防除剤として記載されている公知化合物である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般式(III)で表
される本発明目的物を製造するに際して、下記一般式
(I)の化合物を原料とし、下記一般式(II)の化合
物を用いて、通常のグリニャール反応、すなわち、エー
テル系溶媒中、ルイス酸非存在下で反応を行なうと、化
合物(III)は低収率でしか得られない。
【0006】そこで、本発明者等は、本発明目的物の製
造方法に関して、反応剤、溶媒、反応時間、反応温度及
びその他の条件を種々検討した結果、ルイス酸存在下で
反応を行なうことにより、既知の製造法と比べ、より高
い収率で目的物が得られることを見出し、本発明を完成
した。
【0007】
【発明の構成】
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、 一般式
(I)
【0009】
【化6】
【0010】[式中、AはN又はCHを示し、nは0、
1、2又は3を示し(nが2又は3の時、それぞれのX
は異なっていてもよい)、Xは、ハロゲン原子、フェニ
ル基、同一若しくは異なった1乃至3個のハロゲンで置
換されていてもよい炭素数1乃至6個のアルキル基又は
同一若しくは異なった1乃至3個のハロゲンで置換され
ていてもよい炭素数1乃至6個のアルコキシ基(このア
ルコキシ基が2つ隣接する場合、それぞれが結合してい
る炭素原子を共にして5又は6員のジオキソラノ又はジ
オキサノのヘテロ環を形成してもよい)を示す。]で表
わされる化合物と、一般式(II)
【0011】
【化7】R1 MgZ (II) [式中、R1 は炭素数1乃至6個のアルキル基、炭素数
1乃至3個のアルキル基が置換してもよいシクロアルキ
ル基、炭素数1乃至3個のアルキル基が置換してもよい
シクロアルキルアルキル基又は式R234 Si(C
2m −で表される基(式中、R2 は炭素数1乃至4
個のアルキル基又は同一若しくは異なった1乃至3個の
ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示
し、R3 及びR4 は、炭素数1乃至4個のアルキル基を
示し、mは、1、2又は3を示す。)を示し、Zはハロ
ゲン原子を示す。]で表わされる化合物を、ルイス酸存
在下、反応することを特徴とする、一般式(III)
【0012】
【化8】
【0013】[式中、A、n、X及びR1 は、前記と同
意義を示す。]で表わされる化合物の製造方法である。
【0014】上記のX及びZの定義における「ハロゲン
原子」とは、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子
であり、好適には塩素原子、臭素原子又は沃素原子であ
る。
【0015】上記のX及びR1 の定義における「炭素数
1乃至6個のアルキル基」とは、例えばメチル、エチ
ル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチ
ル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、
2-メチルブチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、n-
ヘキシル、4-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-メ
チルペンチル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチ
ル、2,2-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジ
メチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチ
ル、2-エチルブチルのような炭素数1乃至6個の直鎖又
は分枝鎖アルキル基であり、好適には炭素数1乃至4個
の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、更に好適にはメチ
ル、エチル、プロピル又はブチル基である。
【0016】上記のXの定義における「同一若しくは異
なった1乃至3個のハロゲンで置換されていてもよい炭
素数1乃至6個のアルキル基」とは、無置換の前記「炭
素数1乃至6個のアルキル基」の他、例えばトリフルオ
ロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジク
ロロメチル、ジブロモメチル、フルオロメチル、クロロ
メチル、ブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2-トリクロ
ロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-ブロモエチ
ル、2-クロロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジブロモ
エチル、3-クロロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピ
ル、4-フルオロブチル、5,5,5-トリクロロペンチル、6,
6,6-トリフルオロヘキシルのような、前記「炭素数1乃
至6個のアルキル基」に同一又は異なった1乃至3個の
ハロゲン原子が置換した基である。このとき、同一又は
異なった1乃至3個のハロゲンで置換された低級アルキ
ル基としては、好適には炭素数1乃至3個の直鎖又は分
枝鎖アルキル基に同一のハロゲン原子が1乃至3個置換
した基であり、更に好適にはメチル又はエチル基に弗素
原子又は塩素原子が1乃至3個置換した基であり、最も
好適にはトリフルオロメチル基である。
【0017】上記のXの定義における「炭素数1乃至6
個のアルコキシ基」とは、例えばメトキシ、エトキシ、
n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブト
キシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、イ
ソペンチルオキシ、2-メチルブトキシ、ネオペンチルオ
キシ、1-エチルプロポキシ、n-ヘキシルオキシ、4-メチ
ルペンチルオキシ、3-メチルペンチルオキシ、2-メチル
ペンチルオキシ、1-メチルペンチルオキシ、3,3-ジメチ
ルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、1,1-ジメチルブト
キシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、
2,3-ジメチルブトキシ、2-エチルブトキシのような炭素
数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基であり、好
適には炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基
であり、更に好適にはメトキシ又はエトキシ基である。
【0018】上記のXの定義における「同一若しくは異
なった1乃至3個のハロゲンで置換されていてもよい炭
素数1乃至6個のアルコキシ基」とは、無置換の前記
「炭素数1乃至6個のアルコキシ基」の他、例えばトリ
フルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、ジフルオロメ
トキシ、ジクロロメトキシ、ジブロモメトキシ、フルオ
ロメトキシ、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、ヨード
メトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、2,2,2-トリフル
オロエトキシ、2-ブロモエトキシ、2-クロロエトキシ、
2-フルオロエトキシ、2,2-ジブロモエトキシ、3-クロロ
プロポキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、4-フルオ
ロブトキシ、5,5,5-トリクロロペンチルオキシ、6,6,6-
トリフルオロヘキシルオキシのような前記「炭素数1乃
至6個のアルコキシ基」に同一又は異なった1乃至3個
のハロゲン原子が置換した基である。このとき、同一又
は異なった1乃至3個のハロゲンで置換された低級アル
コキシ基としては、好適には炭素数1乃至3個の直鎖又
は分枝鎖アルコキシ基に同一のハロゲン原子が1乃至3
個置換した基であり、更に好適にはメトキシ又はエトキ
シ基に弗素原子又は塩素原子が1乃至3個置換した基で
あり、最も好適にはトリフルオロメトキシ基である。
【0019】上記のXの定義における「2つ隣接するア
ルコキシ基が形成する5又は6員のジオキソラノ又はジ
オキサノのヘテロ環」は、ジオキソラン環又はジオキサ
ン環であり、好適には5員のジオキソラン環である。
【0020】上記のR1 の定義における「炭素数1乃至
3個のアルキル基が置換してもよいシクロアルキル基」
とは、例えばシクロプロピル、1-メチルシクロプロピ
ル、2-メチルシクロプロピル、2,2-ジメチルシクロプロ
ピル、2,3-メチルシクロプロピル、シクロブチル、1-メ
チルシクロブチル、2-メチルシクロブチル、3-メチルシ
クロブチル、1,2-ジメチルシクロブチル、2,3-ジメチル
シクロブチル、3,3-ジメチルシクロブチル、シクロペン
チル、1-メチルシクロペンチル、2-メチルシクロペンチ
ル、3-メチルシクロペンチル、2,3-ジメチルシクロペン
チル、3,3-ジメチルシクロペンチル、3,4-ジメチルシク
ロペンチル、シクロヘキシル、1-メチルシクロヘキシ
ル、2-メチルシクロヘキシル、3-メチルシクロヘキシ
ル、4-メチルシクロヘキシル、1,3-ジメチルシクロヘキ
シル、2,4-ジメチルシクロヘキシル、4,4-ジメチルシク
ロヘキシルのような、炭素数1乃至3個のアルキル基が
置換してもよい3乃至6員環のシクロアルキル基であ
り、好適にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペ
ンチルである。
【0021】上記のR1 の定義における「炭素数1乃至
3個のアルキル基が置換してもよいシクロアルキルアル
キル基」とは、シクロプロピルメチル、1-シクロプロピ
ルエチル、2-シクロプロピルエチル、1-シクロプロピル
プロピル、2-シクロプロピルプロピル、3-シクロプロピ
ルプロピル、1-シクロプロピルブチル、2-シクロプロピ
ルブチル、3-シクロプロピルブチル、4-シクロプロピル
ブチル、1-メチル-2-シクロプロピルエチル、シクロブ
チルメチル、2-シクロブチルメチル、3-シクロブチルメ
チル、1-シクロペンチルエチル、2-シクロペンチルエチ
ル、1-シクロヘキシルエチル、2-シクロヘキシルエチル
のような、前記「炭素数1乃至3個のアルキル基が置換
してもよいシクロアルキル基」が後記「炭素数1乃至4
個のアルキル基」に置換した基であり、好適にはシクロ
プロピルメチル、1-シクロプロピルエチル、1-シクロペ
ンチルエチルである。
【0022】上記のR2 、R3 及びR4 の定義における
「炭素数1乃至4個のアルキル基」とは、メチル、エチ
ル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチ
ル、s-ブチル、t-ブチルであり、好適にはメチル、エチ
ル、t-ブチルである。
【0023】上記のR2 の定義における「同一若しくは
異なった1乃至3個のハロゲン原子で置換されていても
よいフェニル基」とは、フェニル基並びに、例えば、2-
クロロフェニル、3-クロロフェニル、4-クロロフェニ
ル、2-フロロフェニル、3-フロロフェニル、4-フロロフ
ェニル、4-ブロモフェニル、2,4-ジフロロフェニル、2,
6-ジフロロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,6-ジク
ロロフェニル、2-クロロ-4- フロロフェニル、2,4,6-ト
リフロロフェニル、2,4,6-トロクロロフェニルのよう
な、1乃至3個の前記「ハロゲン原子」で任意の位置が
置換されたフェニルである。
【0024】本発明の方法により製造される一般式(I
II)で表される代表的化合物としては、例えば、下記
の表1に記載する化合物を挙げることができるが、本発
明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0025】
【化9】
【0026】
【表1】 ──────────────────────────────────── 化合物番号 A (X)n1 (実施例番号) ──────────────────────────────────── 1 N H CH3 2 N 4−Cl CH3 3(14) N 4−F CH3 4(1) N 4−F CH2CH3 5 N 4−Cl CH2CH3 6 N 2,4−F2 CH2CH3 7 CH 2,4−Cl2 CH2CH3 8 N 2,4−Cl2 CH2CH3 9 N 4−F CH2CH2CH3 10 N 4−Cl CH(CH3)2 11(7) N H CH2CH2CH2CH3 12(8) N 4−F CH2CH2CH2CH3 13 N 4−Cl CH2CH2CH2CH3 14 CH 2,4−Cl2 CH2CH2CH2CH3 15(13) N 2,4−Cl2 CH2CH2CH2CH3 16 N 2−Cl,4−F CH2CH2CH2CH3 17(11) N 4−CH3 CH2CH2CH2CH3 18(12) N 4−OCH3 CH2CH2CH2CH3 19 N 4−CF3 CH2CH2CH2CH3 20 N 4−OCF3 CH2CH2CH2CH3 21 N 4−Ph CH2CH2CH2CH3 22 N 2,4,6−F3 CH2CH2CH2CH3 23 N 4−F CH(CH3)CH2CH3 24(21) N 4−F C(CH3)3 25 N 2,4−F2 CH2CH2CH2CH2CH3 26 N 2,4−Cl2 CH(CH3)CH2CH2CH3 27 N H CH2CH(CH3)CH2CH3 28 N 4−F CH2CH2CH(CH3)2 29(23 N H CH2C(CH3)3 30(15) N 4−F CH2C(CH3)3 31(17) N 4−Cl CH2C(CH3)3 32(16) N 2,4−F2 CH2C(CH3)3 33(18) N 2,4−Cl2 CH2C(CH3)3 34 N 2,4,6−F3 CH2C(CH3)3 35 CH 4−F CH2C(CH3)3 36 N 4−F CH2CH2CH2CH2CH3 37 N 4−Cl cyclo-Propyl 38 N 2,4−F2 1-CH3-cyclo-Propyl 39(22) N 4−F cyclo-Butyl 40 N H cyclo-Pentyl 41 N 4−F cyclo-Hexyl 42 N H CH2-(cyclo-Propyl) 43 N H CH(CH3)-(cyclo-Propyl) 44 N 4−F CH(CH3)-(cyclo-Propyl) 45 N 4−Cl CH(CH3)-(cyclo-Propyl) 46 N 2,4−F2 CH(CH3)-(cyclo-Propyl) 47 CH 2,4−Cl2 CH(CH3)-(cyclo-Propyl) 48 N 2,4−Cl2 CH(CH3)-(cyclo-Propyl) 49 N 4−CH2 CH3 CH(CH3)-(cyclo-Propyl) 50 N 4−OCH(CH32 CH(CH3)-(cyclo-Propyl) 51 N 4−CF2 Cl CH(CH3)-(cyclo-Propyl) 52 N 4−Ph CH(CH3)-(cyclo-Propyl) 53 N H CH2-(cyclo-Butyl) 54 N 4−F CH2-(cyclo-Pentyl) 55 N 4−Cl CH(CH3)-(cyclo-Pentyl) 56 N 2,4−F2 CH2-(cyclo-Hexyl) 57 CH H CH2Si(CH3)3 58 N H CH2Si(CH3)3 59 CH 4−F CH2Si(CH3)3 60 N 4−F CH2Si(CH3)3 (2-6,9,10,24,25) 61 CH 4−Cl CH2Si(CH3)3 62 N 4−Cl CH2Si(CH3)3 63 N 4−Br CH2Si(CH3)3 64 N 4−CH3 CH2Si(CH3)3 65 N 4−CF3 CH2Si(CH3)3 66 N 4−OCH3 CH2Si(CH3)3 67 N 4−OCF3 CH2Si(CH3)3 68 N 4−CH2 CH3 CH2Si(CH3)3 69 N 4−CH(CH32 CH2Si(CH3)3 70 N 4−Ph CH2Si(CH3)3 71 N 2,4−F2 CH2Si(CH3)3 72 CH 2,4−Cl2 CH2Si(CH3)3 73 N 2,4−Cl2 CH2Si(CH3)3 74 N 2−Cl,4−F CH2Si(CH3)3 75 N 2,4,6−F3 CH2Si(CH3)3 76 N 2,4,6−Cl3 CH2Si(CH3)3 77 N 4−CH(CH32 CH2Si(CH3)2Ph 78 N 4−F CH2Si(CH3)2CH2CH3 79 N 4−Cl CH2Si(CH2CH3)2(p-Cl-Ph) 80 N H CH2CH2Si(CH3)3 81 N 4−F CH2CH2CH2Si(CH3)3 82 N 2,4−F2 CH2CH2CH2CH3 83(19) N 4−F CH2CH(CH3)2 84(20) N 4−Cl CH2CH(CH3)2 ──────────────────────────────────── 表中、Phはフェニル基を示す。
【0027】本発明に用いるルイス酸としては、通常の
ルイス酸であれば用いることができるが、好適には乾燥
可能なものが望ましく、そのようなルイス酸としては例
えば、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、
過塩素酸リチウム、フッ化マグネシウム、塩化マグネシ
ウム、臭化マグネシウム、臭化マグネシウム−ジエチル
エーテル錯体、ヨウ化マグネシウム、過塩素酸マグネシ
ウム、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、三塩化
ホウ素、三臭化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化ジエチ
ルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、クロロト
リメチルシラン、トリメチルシリルトリフロロメタンス
ルホナート、t−ブチルジメチルシリルトリフロロメタ
ンスルホナート、塩化カルシウム、三塩化チタン、四塩
化チタン、チタニウムテトライソプロポキシド、二塩化
チタニウムジイソプロポキシド、チタノセンジクロリ
ド、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化イットリウ
ム、ジルコノセンジクロリド、塩化パラジウム、酢酸パ
ラジウム、二塩化スズ、スズ(II)トリフロロメタンスル
ホナート、四塩化スズ、塩化セリウム、塩化ランタン、
三塩化ランタニド等であり、更に好適には過塩素酸リチ
ウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、臭化マグ
ネシウム−ジエチルエーテル錯体、ヨウ化マグネシウム
である。
【0028】使用するルイス酸は、市販の試薬を用いる
ことができるのはもちろん、周知の方法に従って反応容
器内で直前に合成し、単離することなく反応に使用する
ことも可能である。例えば、そのような例として、前記
の臭化マグネシウム−ジエチルエーテル錯体は、ジエチ
ルエーテルを含む不活性溶媒中で金属マグネシウムとエ
チレンジブロマイド又は臭素から合成し、単離すること
なく反応に使用することができる。
【0029】使用するルイス酸の量は特に限定はなく、
好適には1乃至10当量、さらに好適には1乃至3当量
である。
【0030】本発明の方法で用いる式(II)で表され
る有機マグネシウム反応剤の量は、式(I)の化合物に
対して化学量論量以上であれば特に限定はないが、好適
には1乃至10当量、さらに好適には1乃至3当量であ
る。
【0031】本発明の方法で用いる式(II)の有機マ
グネシウム反応剤は、通常エーテル系溶媒中、又は必要
に応じて他エーテル系溶媒若しくは他の溶媒との混合溶
媒中で調製される。
【0032】エーテル系溶媒としては、例えばジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル
等が挙げられるが、好適にはジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテルである。
【0033】本発明の方法は、式(II)の有機マグネ
シウム反応剤を調製する際に用いる上記エーテル系溶媒
及び必要に応じて他のエーテル系溶媒中で行われるか、
又はそれらと他の溶媒との混合溶媒中で行なわれ、好ま
しくは、混合溶媒中で行われ、更に好ましくはジエチル
エーテルとトルエンの混合溶媒又はジエチルエーテルと
ジクロロメタンの混合溶媒である。
【0034】他の溶媒としては、反応に不活性な溶媒で
あれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ペンタ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素
類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエ
タン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸アミド
等のアミド類、及びこれらの混合物が挙げられ、好適に
はベンゼン、トルエン、ジクロロメタンである。
【0035】本発明の方法では、反応温度は特に限定は
ないが、好適には−100℃乃至100℃、更に好適に
は−50℃乃至60℃である。
【0036】反応時間は、主に反応温度、原料化合物、
反応試薬又は使用される溶媒の種類によって異なるが、
通常2分乃至24時間であり、好適には5分乃至5時間
である。
【0037】反応後は通常の後処理によって式(II
I)の化合物を得ることができる。反応が定量的に進行
しなかった場合、原料(I)との混合物となるが、クロ
マトグラフィー、再結晶等の通常の精製法によってより
純度の高い(III)を得ることができる。また原料
(I)は酸性状態での水溶性が高いことから、分液操作
によって容易に(III)を純度の高いものにすること
ができる。水層に溶解している(I)は、炭酸ナトリウ
ム、炭素水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリ
ウム等で中和後抽出することによって高収率で回収する
ことができる。
【0038】本発明の方法を実施例および参考例により
さらに詳しく説明する。
【0039】
【実施例】
【0040】
【実施例1】2−(4−フロロフェニル)−1−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−2−ブタノール 臭化マグネシウム−ジエチルエーテル錯体(526mg)
のエーテル−ジクロロメタン(1:1,5ml)溶液
に、α−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4
−フロロアセトフェノン(207mg)のジクロロメタ
ン(10ml)溶液を室温で加え、20分間撹拌した。
ここへ1.8M−臭化エチルマグネシウムのエーテル溶
液(1.2ml)をジクロロメタン(3ml)で希釈し
て加えた。反応混合液を2時間撹拌したのち、重層水に
注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出層を乾燥後、濃縮し
白色粉末(220mg)を得た。これをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーによって精製し、目的化合物(1
68mg)を得た。収率70% MASS(M/z): 235(M+),206,164,153,149,135,123,115,10
9,95,91,83. NMR(270MHz) δ(CDCl3)ppm: 0.80(3H,t,J=7.6Hz), 1.75
(1H,dt,J=14.3Hz,J=7.6Hz), 1.90(1H,dt,J=14.3Hz,J=7.
6Hz), 4.41(2H,s), 7.00(2H,dd,J=8.7Hz,J=8.7Hz), 7.2
8(2H,dd,J=8.7Hz,J=5.3Hz), 7.84(1H,s), 7.88(1H,s).
【0041】
【実施例2】2−(4−フロロフェニル)−1−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−3−トリメチルシリル−2−プ
ロパノール 臭化マグネシウム−ジエチルエーテル錯体(566m
g)のエーテル−トルエン(1:1,5ml)溶液に、
α−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4−フ
ロロアセトフェノン(220mg)のトルエン(15m
l)溶液を室温で加え、30分間撹拌した。ここへ、
1.637M−塩化トリメチルシリルメチルマグネシウ
ムのエーテル溶液(1.3ml)をトルエン(13m
l)で希釈して加えた。反応混合液を2.5時間撹拌し
たのち3%塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層
を乾燥後、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーによって精製し目的化合物(138m
g)を得た。収率44% 融点118〜119℃ NMR(270MHz) δ(CDCl3)ppm: -0.18(9H,s), 1.16(1H,d,J
=14.5Hz), 1.33(1H,d,J=14.5Hz), 4.36(1H,d,J=14.0H
z), 4.43(1H,d,J=14.0Hz), 6.93-7.01(2H,m), 7.26-7.3
1(2H,m), 7.91(1H,s), 7.99(1H,s)
【0042】
【実施例3】2−(4−フロロフェニル)−1−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−3−トリメチルシリル−2−プ
ロパノール (i)マグネシウム(26.4g)のエーテル(30m
l)懸濁液にクロロメチルトリメチルシラン(150m
l)のエーテル(70ml)溶液を約10ml加え激し
く撹拌した。反応開始後、エーテル(100ml)で希
釈したのち、残りのクロロメチルトリメチルシランのエ
ーテル溶液を途中、エーテル(300ml)を3回に分
けて追加しながら3時間かけて滴下した。滴下終了後2
時間加熱還流したのち室温で一夜静置した。得られた塩
化トリメチルシリルメチルマグネシウムは使用直前にジ
クロロメタン(400ml)で希釈して用いた。
【0043】(ii)マグネシウム(26.5g)のエ
ーテル(130ml)懸濁液に1,2−ジブロモエタン
(93ml)のエーテル(170ml)溶液を激しく撹
拌しながら約20ml加えた。反応開始後、途中系内の
二層分離状態が維持されるようにエーテル(約1.5リ
ットル)を追加しながら、残りの1,2−ジブロモエタ
ンのエーテル溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後
さらに2時間撹拌したのちジクロロメタン(1.5リッ
トル)を加え溶液とした。ここへα−(1,2,4−ト
リアゾール−1−イル)−4−フロロアセトフェノン
(100g)のジクロロメタン(600ml)溶液を加
え1時間撹拌した。
【0044】(iii) 上記(ii)で得られた懸濁
液に激しく撹拌しながら15〜22℃で上記(i)で得
た塩化トリメチルシリルマグネシウムのエーテル−ジク
ロロメタン溶液を加え、1時間撹拌した。反応混合液を
氷水(3リットル)に注ぎ、ヘキサン(2リットル)、
希塩酸(濃塩酸600mlを1.4リットルの水で希釈
したもの)を加え、よく振とうした後、分液した。有機
層(上層)を10%塩酸(1リットル)で2回、次いで
飽和食塩水(400ml)で洗浄した。洗浄水を合わせ
ジクロロメタン−ヘキサン(1:1,1リットル)で抽
出し、この有機層を用いてさらに先の水層を抽出した。
有機層を10%塩酸(500ml)で2回、次いで飽和
食塩水(200ml)で洗浄した。有機層を合わせ無水
硫酸ナトリウムと少量の重そうで乾燥後濃縮し、目的化
合物(65g)を得た。収率45%。
【0045】水層及び洗浄水は炭酸ナトリウムで中和
し、pHを約8〜9に調整後、酢酸エチル(1.25リ
ットル)で2回抽出した。抽出層を合わせ、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、濃縮し原料(53g)を回収した。
回収率96%
【0046】
【実施例4】2−(4−フロロフェニル)−1−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−3−トリメチルシリル−2−プ
ロパノール (i) マグネシウム237mgとエーテル1mlをジムロー
ト冷却管、滴下ロートをつけた三つ口フラスコ(10m
l)に入れ、窒素ガス気流下、室温で攪拌した。ここに
クロロメチルトリメチルシラン1.3mlとエーテル3.
3mlの混合物を滴下し、発熱が止まり、マグネシウムが
ほぼなくなるまで攪拌した。
【0047】(ii) マグネシウム237mgとエーテル5
mlをジムロート冷却管、滴下ロートをつけた三つ口フラ
スコ(50ml)に入れ、窒素ガス気流下、室温で攪拌し
た。これにジブロモエタン0.84mlとエーテル5mlの
溶液を滴下した。反応が進行するにつれ、エーテルが留
去していくので随時エーテルを追加した。マグネシウム
がほぼなくなるまで攪拌を続けた。
【0048】(iii) 上記(ii)で得られた懸濁液より、
減圧下にエーテルを留去し、MgBr2・OEt2の白色結晶を得
た。ここにトルエン3.3mlを加え激しく攪拌し懸濁液
とした。次に、乳鉢で粉砕したα−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−4−フロロアセトフェノン1g
を加え、1時間攪拌した。この懸濁液に上記(i) で得た
塩化トリメチルシリルマグネシウムのエーテル溶液を加
え、3時間攪拌した。その後反応系内に酢酸エチルと飽
和NH4Cl 水を加え攪拌した。分液ロートで分液し、水層
を更に酢酸エチルで2回抽出した。分液した酢酸エチル
層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧濃縮し粗生成物1.37gを得た。このもの
をトルエンに溶解し10% HClで分液し、トルエン層を
水洗、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮し、目的物854mg(収率63%)を得
た。先の10% HCl水層を中和し、酢酸エチルで抽出、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、原料のα−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4−フロロ
アセトフェノン370mg(回収率100%)を得た。
【0049】
【実施例5】2−(4−フロロフェニル)−1−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−3−トリメチルシリル−2−プ
ロパノール (i) マグネシウム3.65gのエーテル10ml懸濁液
にクロロメチルトリメチルシラン18.4gのエーテル
(15ml)とトルエン(50ml)の混合溶液を約5ml加
え激しく攪拌した。反応開始後、残りの溶液を内温が4
0℃を越えない様に少しずつ滴下し、マグネシウムが殆
ど溶解するまで攪拌を続け、室温に放置した。
【0050】(ii) マグネシウム(3.65g)とエー
テル(35ml)とトルエン(35ml)の混合物に臭素
(24g)を内温が27℃を越えない様に1.5時間か
けて少しずつ滴下した。ここにα−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−4−フロロアセトフェノン(2
4.6g)を加え、更にトルエン(20ml)を滴下し、
室温で1時間攪拌した。
【0051】(iii) 上記(ii)で得られた懸濁液を内温
10℃以下に冷却し、激しく攪拌しながら18℃以下で
上記(i) で得た塩化トリメチルシリルマグネシウムのエ
ーテル−トルエン溶液を加え、1時間攪拌した。反応混
合物を内温20℃以下に冷却し、20%NH4Cl 水溶液
(200ml)を加え、30分攪拌した。次いで、酢酸エ
チル(200ml)を加え、分液ロートでよく振盪した
後、分液した。有機層を飽和食塩水(200ml)で洗浄
した。更に有機層を10% HCl(200ml)で分液し、
この水層を10%NaOH水溶液で中和し、酢酸エチル(2
00ml)で分液し、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、原料(9.
15g)を回収した。回収率67.4%。
【0052】先に10%HCl で分液した時に得られた有
機層を飽和食塩水(200ml×2)で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、濃縮し、目的物(16.7g)を
得た(粗収率47.4%)。このものに水(150ml)
を加え、40℃にて30分加熱攪拌後、放冷、濾取、乾
燥し、目的物(15.8g)を得た。収率44.8%。
【0053】
【実施例6】2−(4−フロロフェニル)−1−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−3−トリメチルシリル−2−プ
ロパノール (i) マグネシウム1.2g、エーテル5mlの混合物に
室温、窒素ガス気流下に、攪拌しつつ、クロロメチルト
リメチルシラン6.2mlのエーテル20ml溶液を滴下
し、マグネシウムが殆ど溶解するまで攪拌した。
【0054】(ii) マグネシウム2.4g、トルエン5
0ml、エーテル25mlの混合物に室温、窒素ガス気流下
に攪拌しつつ臭素5mlを内温があまり昇温しないように
ゆっくりと滴下した。
【0055】(iii) 上記(ii)で得られた懸濁液にα−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4−フロロ
アセトフェノン10gを激しく攪拌しつつ加えた。この
際、内温が上昇しない様に反応容器を水浴で冷やした。
更に5分間攪拌した後、上記(i) で得た塩化トリメチル
シリルマグネシウムのエーテル溶液を攪拌しつつ、加え
た。室温で2時間放置後、実施例4と同様に反応液を処
理し、目的物を8.57g(収率62%)と原料のα−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4−フロロ
アセトフェノン3.56g(回収率93.7%)を得
た。
【0056】
【実施例24】2−(4−フロロフェニル)−1−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−3−トリメチルシリル−2−プ
ロパノール 無水塩化セリウム(999.7mg)に0℃にて強く攪
拌しながら乾燥THF(15ml)を加え、室温で14
時間攪拌した。ここへ氷冷下、1.07規定−塩化トリ
メチルシリルマグネシウムのTHF溶液(3.8ml)
を加え、同温度で4.5時間攪拌した。ここへ、α−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4−フロロ
アセトフェノン(549.3mg)のTHF(10m
l)溶液を滴下し、1.5時間攪拌した。これを0.1
規定塩酸に注ぎ、ここへ炭酸ナトリウム(約2g)を加
えた。混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液の
有機層を分離し、水層は酢酸エチルで抽出した。有機層
を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、原料と
目的化合物の混合物を630mg得た。 1H−NMRに
よって原料と目的化合物の比を測定したところ、66対
34であった(収率34%)。
【0057】
【比較例】
【0058】
【比較例1】2−(4−フロロフェニル)−1−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−2−ブタノール α−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4−フ
ロロアセトフェノン(219.8mg)のテトラヒドロ
フラン(10ml)溶液に室温で1.8M−臭化エチル
マグネシウムのエーテル溶液(1.20ml)を加え、
2時間撹拌した。反応混合液を水に注ぎ、酢酸エチルで
抽出した。有機層を乾燥後、濃縮し、白色粉末(22
3.2mg)を得た。これをNMRで分析したところ、
目的化合物、1−(4−フロロフェニル)−2−(1,
2,4−トリアゾール−1−イル)エタノール(還元
体)及び原料の、2:1:12の混合物であった。目的
化合物の収率13%。
【0059】この反応を同様にエーテル溶媒で行なう
と、目的化合物、1−(4−フロロフェニル)−2−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)エタノール
(還元体)及び原料の、5:1:23の混合物であっ
た。目的化合物の収率17%。
【0060】
【比較例2】2−(4−フロロフェニル)−1−(1,2,4−トリ
アゾール−1−イル)−3−トリメチルシリル−2−プ
ロパノール (特願平4−267234号記載のA法に準
じた方法) α−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−4−フ
ロロアセトフェノン(205mg)のエーテル(20m
l)懸濁液に1M−塩化トリメチルシリルメチルマグネ
シウムのエーテル溶液(10ml)を室温で加え、6時
間撹拌した。反応混合液を塩化アンモニウム水に注ぎ、
酢酸エチルで抽出した。抽出層を乾燥後、濃縮し、得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによっ
て精製し、目的化合物(20mg)を得た。収率7%。
【0061】実施例1、2、3、4、5、6及び24、
実施例1に準じて行った実施例7〜23及び26、並び
に、実施例24に準じて行なった実施例25を表2に、
比較例1及び2、並びに、比較例1に準じて行った比較
例3〜17を表3にそれぞれ示す。なお表中の収率は、
単離収率又はNMRの積分比から求めた値を示す。
【0062】
【化10】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】 表中の Et2O とはジエチルエーテル、iPr2O とはジイソ
プロピルエーテル、THF とはテトラヒドロフランを示
す。
【0065】表2で得られた式(III)の各化合物の
NMR及びMASSスペクトルデータを表4に示す。
【0066】
【表4】
【0067】
【発明の効果】以上の実施例及び比較例から明らかなよ
うに、本発明によれば、式(III)の化合物を、収率
良く、工業的実施に有利に製造できる方法が提供可能と
なる。
【0068】
【参考例】以下、本発明によって製造される式(II
I)の化合物の生物効果を、参考例として示す。
【0069】
【参考例1】 稲いもち病防除試験 (治療効果) 4-5 葉期の稲苗 (品種: 幸風) に、稲いもち病菌(Pyric
ularia oryzae)の分生胞子懸濁液を噴霧接種した。菌接
種後、稲苗を温度20-22 ℃、相対湿度100%の室内に24時
間置いた後、試験化合物の10ppm 液を3 ポット当たり30
ml の割合で散布した。続いて、稲苗を同室内に6 日間
置いて発病させ、上位2 葉に形成された病斑数をもとに
して防除効力を調査した。結果を表5に示す。
【0070】尚、防除効力は、試験植物の発病程度を肉
眼観察し、下記の基準で表示した(以下の参考例にて同
様) 。
【0071】 5:発病が全く認められない。 4:発病程度が無処理区( 試験化合物を供試していない
場合、以下同じ) の10%以下。 3:発病程度が無処理区の10% 以上30% 以下。 2:発病程度が無処理区の30% 以上50% 以下。 1:発病程度が無処理区の50% 以上70% 以下。 0:発病程度が無処理区の70% 以上で、無処理区と差が
認められない。
【0072】
【参考例2】 稲紋枯病防除試験 (予防効果) 4-5 葉期の稲苗 (品種: 日本晴) に、試験化合物の100
ppm 液を3 ポット当たり30 ml の割合で散布した。薬液
散布24時間後に、予め稲紋枯病菌(Rhizoctoniasolani)
を培養したエンバク粒を稲苗の地際に4-5 粒置き、温度
25-27 ℃、相対湿度100%の室内に5 日間置いて発病させ
た。葉鞘に形成された病斑の高さをもとにして防除効力
を調査した。結果を表5に示す。
【0073】
【参考例3】 稲紋枯病防除試験 (治療効果) 4-5 葉期の稲苗 (品種: 日本晴) の地際に、予め稲紋枯
病菌(Rhizoctonia solani)を培養したエンバク粒を4-5
粒置いて接種した。菌接種後、稲苗を温度25-27 ℃、相
対湿度100%の室内に24時間置いた後、試験化合物の10 p
pm液を3 ポット当たり30 ml の割合で散布した。続い
て、稲苗を同室内に5 日間置いて発病させ、葉鞘に形成
された病斑の高さをもとにして防除効力を調査した。結
果を表5に示す。
【0074】
【参考例4】 稲紋枯病防除試験 (水面施用) ポット内に育成した3-4 葉期の稲苗 (品種: 日本晴)
を、水深1 cmの湛水状態に保ち、試験化合物を有効成分
量が100 g/10a となるようにポット内に施用した。稲苗
をガラス温室内に7 日間置いた後、予め稲紋枯病菌(Rhi
zoctonia solani)を培養したエンバク粒を稲苗の地際に
4-5 粒置き接種した。温度25-27 ℃、相対湿度100%の室
内に5 日間置いて発病させた後、葉鞘に形成された病斑
の高さをもとにして防除効力を調査した。結果を表5に
示す。
【0075】
【参考例5】 小麦赤さび病防除試験 (治療効果) 1.5 葉期の小麦苗 (品種: 農林61号) に、小麦赤さび病
菌(Puccinia recondita)の胞子をふりかけて接種した。
菌接種後、小麦苗を温度20-22 ℃、相対湿度100%の室内
に24時間置いた後、次いで15-20 ℃のガラス温室に移し
て2 日後に、試験化合物の3 ppm 液を3 ポット当たり30
ml の割合で散布した。続いて、小麦苗をガラス温室内
に10日間置いて発病させ、第1 葉に形成された病斑の面
積をもとにして防除効力を調査した。結果を表5に示
す。
【0076】
【参考例6】 大麦うどんこ病防除試験 (治療効果) 1 葉期の大麦苗 (品種: 赤神力) に、大麦うどんこ病菌
(Erysiphe graminis f.sp.hordei) の分生胞子をふりか
けて接種した。菌接種後、大麦苗を温度15-20℃のガラ
ス温室内に24時間置いた後、試験化合物の3 ppm 液を3
ポット当たり30ml の割合で散布した。続いて、大麦苗
をガラス温室内に10日間置いて発病させ、第1 葉に形成
された病斑の面積をもとにして防除効力を調査した。結
果を表5に示す。
【0077】なお、表中の「−」は、未試験であること
を示す。また、比較に用いた化合物は、以下の通りであ
る。
【0078】比較化合物 1 4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−5−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−トリメ
チルシリル−1−ペンテン {J-F. Chollet et al. (Pestic. Sci., 29, 427-435
(1990) の化合物XXの一光学異性体} 比較化合物 2 4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−5−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−トリメ
チルシリル−1−ペンテン {J-F. Chollet et al. (Pestic. Sci., 29, 427-435
(1990) の化合物XXの一光学異性体−比較化合物1のジ
アステレオマー} 比較化合物 3 3−t−ブチル−3−ヒドロキシ−4−(1,2,4−
トリアゾール−1−イル)−1−トリメチルシリル−1
−ペンチン {特開昭61−257975の実施例11の異性体A} 比較化合物 4 3−(2,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシ−
4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ト
リメチルシリル−1−ブチン {J-F. Chollet et al. (Pestic. Sci., 29, 427-435
(1990) の化合物II、及びGB2224278の実施例
4の中間体} 比較化合物 5 4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−5−
(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−トリメ
チルシリル−1−ペンテン {J-F. Chollet et al. (Pestic. Sci., 29, 427-435
(1990) の化合物XXIII} 比較化合物 6 3−(2,4−ジクロロフェニル)−3−ヒドロキシ−
4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ト
リメチルシリル−1−ブテン {GB2224278の実施例4、化合物番号13}
【0079】
【表5】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A01N 43/653 A01N 43/653 C 55/00 55/00 C C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 平4−360847(JP,A) 特開 平1−250357(JP,A) 特開 昭54−160372(JP,A) 特開 昭56−12372(JP,A) 特開 昭57−81469(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 [式中、AはN又はCHを示し、nは0、1、2又は3
    を示し(nが2又は3の時、それぞれのXは異なってい
    てもよい)、Xは、ハロゲン原子、フェニル基、同一若
    しくは異なった1乃至3個のハロゲンで置換されていて
    もよい炭素数1乃至6個のアルキル基又は同一若しくは
    異なった1乃至3個のハロゲンで置換されていてもよい
    炭素数1乃至6個のアルコキシ基(このアルコキシ基が
    2つ隣接する場合、それぞれが結合している炭素原子を
    共にして5又は6員のジオキソラノ又はジオキサノのヘ
    テロ環を形成してもよい)を示す。]で表わされる化合
    物と、一般式(II) 【化2】R1MgZ (II) [式中、R1は炭素数1乃至6個のアルキル基、炭素数
    1乃至3個のアルキル基が置換してもよいシクロアルキ
    ル基、炭素数1乃至3個のアルキル基が置換してもよい
    シクロアルキルアルキル基又は式R234Si(C
    2m−で表される基(式中、R2は炭素数1乃至4個
    のアルキル基又は同一若しくは異なった1乃至3個のハ
    ロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し、
    3及びR4は、炭素数1乃至4個のアルキル基を示し、
    mは、1、2又は3を示す。)を示し、Zはハロゲン原
    子を示す。]で表わされる化合物を、ルイス酸存在下、
    エーテル系溶媒と他の溶媒との混合溶媒中、反応するこ
    とを特徴とする、一般式(III) 【化3】 [式中、A、n、X及びR1は、前記と同意義を示
    す。]で表わされる化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(I) 【化4】 [式中、AはNを示し、nは1を示し、Xはハロゲン原
    子を示す。]で表わされる化合物と、化合物(CH33
    SiCH2MgClを、臭化マグネシウム−ジエチルエ
    ーテル錯体存在下、ジエチルエーテル及び、トルエン又
    はジクロロメタンの混合溶媒中、反応することを特徴と
    する、一般式(III) 【化5】 [式中、A、n及びXは、前記と同意義を示し、R1
    (CH33SiCH2を示す。]で表わされる化合物の
    製造方法。
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