JP3005358U

JP3005358U - ろ過器

Info

Publication number: JP3005358U
Application number: JP1994008330U
Authority: JP
Inventors: 永辻
Original assignee: 株式会社ショウエイ
Priority date: 1994-06-17
Filing date: 1994-06-17
Publication date: 1994-12-20
Anticipated expiration: 2000-06-17

Abstract

(57)【要約】【目的】砂、砂利等の層状物で形成されるろ過層に依
り汚水浄化を図るような方式のろ過器に於いて、超音波
の振動作用に基づき、逆洗水に依るろ過層の清掃作業が
極めて良好に成されるようにしたものである。【構成】ろ過器容体１の上方部分に浄化用水供給用パ
イプ３を設けると共に底面部に清浄水取り出し用パイプ
４を設け、かつ、当該ろ過器容体１の内部に所要のろ過
層を形成して成るろ過器において、当該ろ過器容体１の
内部所要個所に超音波発生盤を取付けるように構成した
ろ過器。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、砂、砂利等の層状物で形成されるろ過層に依り汚水浄化を図るような方式のろ過器に関するものであって、超音波の振動作用に基づき、逆洗水に依るろ過層の清掃作業が極めて良好に成されるようにした新規のろ過器に関する

【０００２】

【従来の技術】

従来、砂、砂利等の層状物で形成されるろ過層に依り汚水浄化を図るような方式のろ過器は、ろ過層の洗浄に際しては、浄水取出し口側から洗滌水を逆流させ、これに依りろ過層を洗滌水で吹き上げてその洗浄目的を図ることを通例とした。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記したように、ろ過層の洗浄を専ら逆洗水に依存した場合、十分な洗浄は期待し得ず、例えば、ろ過層が固まっていた場合、ろ過層の固い部分を避けて柔らかい部分に逆洗水が通り、これに依り、ろ過層にバイパス的水路が形成されてしまい、ろ過作用を逆に悪化させてしまうと言うような事態を招くことがあった。

【０００４】本考案は、超音波に依る振動作用に基づき、ろ過層の凝固を緩め、もって、逆洗水に依るろ過層の洗浄作業が極めて良好に成されるようにしたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ろ過器容体１の上方部分に浄化用水供給用パイプ３を設けると共に底面部に清浄水取り出し用パイプ４を設け、かつ、当該ろ過器容体１の内部に所要のろ過層を形成して成るろ過器において、当該ろ過器容体１の内部所要個所に超音波発生盤を取付けるように構成したことを特徴とするろ過器に係るものである。

【０００６】

【作用】

ろ過層の洗浄に際して、清浄水取り出し用パイプ４から逆洗水を圧入すると同時に、超音波発生盤を始動させる。これに依り、当該逆洗水は超音波振動を生じ、ろ過層に対する良好なる洗浄作用を奏する。

【０００７】

【実施例】

図１において、１はろ過器容体であって、その内部には、粒子の大きさを次第に大きくした砂、砂利等で構成した第１ろ過層ａ、第２ろ過層ｂ、第３ろ過層ｃが積層化してある。なお、当該ろ過層は、図示のような複数層とすることを通例とするが、一層とする場合もある。

【０００８】２はろ過器容体１の上面に着脱自在に取付けた蓋体である。３はろ過器容体１の上方部分に設けた浄化用水供給用パイプ、４はろ過器容体１の底面部に設けた清浄水取り出し用パイプであって、ろ過済みの清浄水を排出するためのものである。そして、ろ過層の洗浄に際しては、当該清浄水取り出し用パイプ４から逆洗水を圧入するように成っている。５はろ過器容体１の底部に設けた底板であって、粗の表面には多数の透孔が穿設してあり、ろ過処理済水の通過を妨げないように構成してある。

【０００９】上記したようなろ過器自体の構成は公知の技術に属する。本考案はこのような構成を有するろ過器内に、超音波発生盤を收装することに依って、ろ過層に対する超音波洗浄洗浄作用を奏させるように成したことを特徴とする。そして、当該超音波洗浄であるが、これは洗浄水中に超音波を放射して洗浄水を撹拌し、これに依り、洗浄物の表面に付着している汚染物を除去するようにしたものであり、当該洗浄は下記の二つの作用に基づくものである。

【００１０】第１の作用は、超音波発生に基づき、洗浄水中に空洞が発生したり消滅する現象（キャビティション作用）が繰り返され、この空洞が消滅するとき、非常に大きな圧力（計算では数百気圧に及ぶとされている）が生じ、洗浄物に付着したものを吸引・剥離させる作用。第２の作用は、物理的並びに化学的反応促進作用、すなわち、超音波に依る洗浄水のの微振動、撹拌、脱泡、乳化作用の促進に基づくものである。

【００１１】次に、超音波発生のための振動素子であるが、これは任意形状を呈する収束用セラミック振動子が用いられる。そして、振動子に所要の振動電源を接続して振動させ、これを洗浄水に伝えることに依り超音波を生じさせる。当該振動電源の発生用回路としては、従来、下記のようなものがある。

【００１２】二つのトランジスタにより交互のスイッチング動作を生じさせ、これに依り振動子の共振的発振を生じさせるようにしたトランジスタ自励発振回路。発振回路の周波数をコイルコアで調節するとともにこれを増幅して振動子の共振的発振を生じさせるようにしたトランジスタ他励発振回路。サイリスタを用い正弦波に近い発振波形を得るようにしたサイリスタパルス発振回路。これらの回路が代表的なものである。

【００１３】本考案は、振動子に対して所要の振動電源を接続して、洗浄水に対する超音波振動を生じさせるための所要形態を呈する超音波発生盤を、ろ過容体１内の所要個所に設けるようにしたことを特徴とするものである。従って、振動子を振動させるための振動電源としては、上記した公知の回路、また、これ以外の適宜回路を用いるものである。換言すると、本考案は、超音波を発生するための上記した基本的技術を特徴とするものではない。

【００１４】図１及び図２は本考案の第１の実施例を示したものであって、ろ過器容体１内の底部にしてかつ底板５の下側に、二つの超音波発生盤Ａを取り付けるように構成したものである。なお、超音波発生盤Ａは、前記したように振動子を電気的に振動させることに依って、所定の超音波振動を水中に伝えるようにしたものである。従って、本考案においては、超音波発生盤の形状的特徴を除き、その作動原理自体は公知技術に属するものである。

【００１１】図３及び図４は本考案の第２の実施例を表したものであって、ろ過器容体１内の底部にしてかつ底板５の上側に、円形の超音波発生盤Ｂを取り付けるように構成したものである。

【００１２】図５及び図６は本考案の第３の実施例を表したものであって、ろ過器容体１内の底部にしてかつ底板５の上側に、円形にしてかつ表面に透水用小口を穿設して成る超音波発生盤Ｃを取り付けるように構成したものである。

【００１３】上記した第１乃至第３実施例においては、超音波発生盤を、ろ過器容体１内の底部に設けた点で共通する。このように構成した場合、逆洗水はその供給と同時に超音波振動が伝えられることと成る。

【００１４】図７及び図８は本考案の第４の実施例を表したものであって、ろ過器容体１内の中央部中心に矩形状を呈する超音波発生盤Ｄを水平状に取り付けるように構成したものである。

【００１５】図９及び図１０は本考案の第５の実施例を表したものであって、ろ過器容体１内の中央部中心に円盤状を呈する超音波発生盤Ｅを垂直に取り付けるように構成したものである。

【００１６】図１１及び図１２は本考案の第６の実施例を表したものであって、ろ過器容体１内の中央部に長尺状を呈する超音波発生盤Ｆを、直径状に架設するように構成したものである。

【００１７】上記した第４乃至第６実施例においては、超音波発生盤を、ろ過器容体１内の中央部に設けた点で共通する。このように構成した場合、逆洗水に対して、容体の中央部分を振動源とするような超音波振動が伝えられることと成る。

【００１８】図１３及び図１４は本考案の第７の実施例を表したものであって、ろ過器容体１内の中央部側面に、矩形状を呈する二つの超音波発生盤Ｇを、垂直状にしてかつ互いに対向させて取り付けるように構成したものである。

【００１９】図１５及び図１６は本考案の第８の実施例を表したものであって、ろ過器容体１内の中央部側面に突起状を呈する二つの超音波発生盤Ｈを、互いに対向させて取り付けるように構成したものである。

【００２０】図１７及び図１８は本考案の第９の実施例を表したものであって、ろ過器容体１内の中央部側面に矩形状を呈する四つの超音波発生盤Ｉを、対を成すように互いに対向させて取り付けるように構成したものである。

【００２１】図１９及び図２０は本考案の第１０の実施例を表したものであって、ろ過器容体１内の中央部分に、小円状を呈する四つの超音波発生盤Ｊを、方形状を成して点在させるように構成したものである。

【００２２】上記した第７乃至第１０の実施例においては、超音波発生盤を、ろ過器容体１内の側面側から中央部にかけて複数設けた点で共通する。このように構成した場合、逆洗水に対して、容体の側面から中央部分を振動源とするような超音波振動が伝えられることと成る。

【００２３】図２１及び図２２は本考案の第１１の実施例を表したものであって、ろ過器容体１内の中央部分に平面十文字状に組んだ超音波発生盤Ｋを、ろ過器容体１内の中央部分に位置させて固定化するように構成したものである。

【００２４】図２３及び図２４は本考案の第１２の実施例を表したものであって、平面十文字状に組んだ超音波発生盤Ｌを、ろ過器容体１内の中央部分を仕切った状態で固定化するように構成したものである。

【００２５】上記した第１１及び第１２の実施例においては、超音波発生盤を、ろ過器容体１内の側面側から中央部にかけて十文字状に設けた点で共通する。このように構成した場合、逆洗水には超音波振動が、容体の側面から中央部分において指向性が殆ど無い状態で伝えられることと成る。

【００２６】図２５及び図２６は本考案の第１３の実施例を表したものであって、縦長矩形板状を呈する超音波発生盤Ｍを、ろ過器容体１内の底部から中央に向かって立ち上がらせて取り付けるように構成したものである。

【００２７】図２７及び図２８は本考案の第１４の実施例を表したものであって、棒状を呈する三本の超音波発生盤Ｎを、ろ過器容体１内の底部から中央に向かって立ち上がらせて取り付けるように構成したものである。

【００２８】上記した第１３及び第１４実施例においては、超音波発生盤を、ろ過器容体１内の内の底部から中央に向かって立ち上がらせるように設けた点で共通する。このように構成した場合、逆洗水はその供給と同時に容体の中央に達するまでの間、強い超音波振動雰囲気に保たれることとなる。

【００２９】図２９及び図３０は本考案の第１５の実施例を表したものであって、環状を呈する超音波発生盤Ｏを、ろ過器容体１内の中央に同心状に位置させるように構成したものである。そして、超音波発生盤を環形状に構成することに依り、超音波発生の指向性を無くすることができる。

【００３０】ろ過層の洗浄に際しては、ろ過器容体１の下方に設けられている清浄水取り出し用パイプ４から洗浄水を圧入する共に、当該過器容体１の上方部分に設けた浄化用水供給用パイプ３から溢水させる（所謂逆洗水に依る洗浄）。

【００３１】この状態で超音波発生盤を始動させれば、前記逆洗水は超音波振動を生じ、砂、砂利等で構成した第１ろ過層ａ、第２ろ過層ｂ、第３ろ過層ｃを震わしてその凝固を解消させるとと共に、これに付着しているゴミ等の汚れを剥離、離脱させて、その洗浄除去が成される。

【００２７】

【考案の効果】

本考案は、ろ過器容体１の上方部分に浄化用水供給用パイプ３を設けると共に底面部に清浄水取り出し用パイプ４を設け、かつ、当該ろ過器容体１の内部に所要のろ過層を形成して成るろ過器において、当該ろ過器容体１の内部所要個所に超音波発生盤を取付けるように構成したから、超音波発生盤の作用で逆洗水は超音波振動を生じ、ろ過層に対する凝固解消、並びに、汚れの強制分離を促すことと成る。従って、ろ過器に対する洗浄作用は著しく良好化される。

【００２８】請求項２に記載のように、超音波発生盤を、ろ過器容体１内の底部に設けるように構成した場合、逆洗水はその供給と同時に超音波振動が伝えられることと成るため、ろ過層の自重に基づき凝固し易い最下位ろ過層に対して強力なる超音波振動を伝えることができる。

【００２９】請求項３に記載のように、超音波発生盤を、ろ過器容体１内の中央部に設けるように構成した場合、逆洗水は容体の中央部分が振動源とするような超音波振動が伝えられることと成るため、全体に均一なる超音波振動が得られる。

【００３０】請求項４に記載のように、超音波発生盤を、ろ過器容体１内の側面側から中央部にかけて複数設けるように構成した場合、強力なる超音波振動を発生することができる。

【００３１】請求項５に記載のように、超音波発生盤を、ろ過器容体１内の側面側から中央部にかけて十文字状に設けるように構成した場合、むらが無く強力なる超音波振動を発生することができる。

【００３２】請求項６に記載のように、超音波発生盤を、ろ過器容体１内の内の底部から中央に向かって立ち上がらせて設けるように構成した場合、逆洗水はその供給と同時に容体の中央に達するまでの間、強い超音波振動雰囲気に保たれることとなり、その振動はむらの無い極めて安定したものとされる。

【００３３】請求項７に記載のように、環状を呈する超音波発生盤を、ろ過器容体１内の中央に同心状に設けるように構成した場合、超音波発生の指向性を無くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を表した縦断面図であ
る。

【図２】本考案の第１の実施例を表した要部の拡大横断
面図である。

【図３】本考案の第２の実施例を表した縦断面図であ
る。

【図４】本考案の第２の実施例を表した要部の拡大横断
面図である。

【図５】本考案の第３の実施例を表した縦断面図であ
る。

【図６】本考案の第３の実施例を表した要部の拡大横断
面図である。

【図７】本考案の第４の実施例を表した縦断面図であ
る。

【図８】本考案の第４の実施例を表した要部の拡大横断
面図である。

【図９】本考案の第５の実施例を表した縦断面図であ
る。

【図１０】本考案の第５の実施例を表した要部の拡大横
断面図である。

【図１１】本考案の第６の実施例を表した縦断面図であ
る。

【図１２】本考案の第６の実施例を表した要部の拡大横
断面図である。

【図１３】本考案の第７の実施例を表した縦断面図であ
る。

【図１４】本考案の第７の実施例を表した要部の拡大横
断面図である。

【図１５】本考案の第８の実施例を表した縦断面図であ
る。

【図１６】本考案の第８の実施例を表した要部の拡大横
断面図である。

【図１７】本考案の第９の実施例を表した縦断面図であ
る。

【図１８】本考案の第９の実施例を表した要部の拡大横
断面図である。

【図１９】本考案の第１０の実施例を表した縦断面図で
ある。

【図２０】本考案の第１０の実施例を表した要部の拡大
横断面図である。

【図２１】本考案の第１１の実施例を表した縦断面図で
ある。

【図２２】本考案の第１１の実施例を表した要部の拡大
横断面図である。

【図２３】本考案の第１２の実施例を表した縦断面図で
ある。

【図２４】本考案の第１２の実施例を表した要部の拡大
横断面図である。

【図２５】本考案の第１３の実施例を表した縦断面図で
ある。

【図２６】本考案の第１３の実施例を表した要部の拡大
横断面図である。

【図２７】本考案の第１４の実施例を表した縦断面図で
ある。

【図２８】本考案の第１４の実施例を表した要部の拡大
横断面図である。

【図２９】本考案の第１５の実施例を表した縦断面図で
ある。

【図３０】本考案の第１５の実施例を表した要部の拡大
横断面図である。

【符号の説明】

１ろ過器容体ａ第１ろ過層ｂ第２ろ過層ｃ第３ろ過層２蓋体３浄化用水供給用パイプ４清浄水取り出し用パイプ５底板Ａ超音波発生盤

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ０１Ｄ 24/00 ８１９８２４ 29/62 ８１８ 8925−4ＤＢ０１Ｄ 29/08 ５３０Ｄ 8925−4Ｄ５４０Ａ 7112−4Ｄ 29/38 ５１０Ｂ 7112−4Ｄ５８０Ｃ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ろ過器容体(１)の上方部分に浄化用水供
給用パイプ３を設けると共に底面部に清浄水取り出し用
パイプ(４)を設け、かつ、当該ろ過器容体(１)の内部に
所要のろ過層を形成して成るろ過器において、当該ろ過
器容体(１)の内部所要個所に超音波発生盤を取付けるよ
うに構成したことを特徴とするろ過器。
【請求項２】超音波発生盤を、ろ過器容体(１)内の底
部に設けるように構成した請求項１に記載のろ過器。
【請求項３】超音波発生盤を、ろ過器容体(１)内の中
央部に設けるように構成した請求項１に記載のろ過器。
【請求項４】超音波発生盤を、ろ過器容体(１)内の側
面側から中央部にかけて複数設けるように構成した請求
項１に記載のろ過器。
【請求項５】超音波発生盤を、ろ過器容体(１)内の側
面側から中央部にかけて十文字状に設けるように構成し
た請求項１に記載のろ過器。
【請求項６】超音波発生盤を、ろ過器容体(１)内の内
の底部から中央に向かって立ち上がらせて設けるように
構成した請求項１に記載のろ過器。
【請求項７】環状を呈する超音波発生盤を、ろ過器容
体(１)内の中央に同心状に設けるように構成した請求項
１に記載のろ過器。