JP3005165B2 - 記録データ処理方法、インクジェット記録装置及び方法 - Google Patents

記録データ処理方法、インクジェット記録装置及び方法

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JP3005165B2
JP3005165B2 JP6263694A JP26369494A JP3005165B2 JP 3005165 B2 JP3005165 B2 JP 3005165B2 JP 6263694 A JP6263694 A JP 6263694A JP 26369494 A JP26369494 A JP 26369494A JP 3005165 B2 JP3005165 B2 JP 3005165B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2種類以上の異種イン
ク、例えばカラーインクに用いられる浸透系のインクと
黒インクに用いられる蒸発系のインクにより記録を行う
記録データ処理方法、インクジェット記録装置及び方法
に係り、特に、異種インクの境界部分の画質を向上させ
た記録データ処理方法、インクジェット記録装置及び方
法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、パソコンやワープロ等のOA機器が
広く普及している。これら機器で入力した情報をプリン
トアウトする方式として、例えばワイヤードット方式、
熱転写方式、インクジェット方式等種々の記録方式が開
発されている。昨今のDTP(デスクトップパブリッシ
ング)の普及から、記録装置のカラー化へのニーズが急
増してきており、安価で高品位カラー出力が可能なイン
クジェット記録方式が注目されてきている。
【0003】上記インクジェット記録装置の画像レベル
を支配している代表的な因子の1つとして、記録インク
を挙げることができる。記録インクは一般的には水系の
液体であり、水系記録インクは記録媒体への定着メカニ
ズムに基づいて浸透系と蒸発系の大きく2種類に分類す
ることができる。
【0004】浸透系のインクは、記録媒体へのヌレ性が
大きいため記録媒体深部にまで記録インクが浸透してい
くので、定着は極めて高速に完了する。このように、浸
透系同士の近接であれば、記録媒体表面でのインクの混
色や流れは防止できる。しかし、記録媒体の深部にまで
記録インクを浸透させてしまうため、発色性に劣り、記
録媒体とのコントラストが取りづらい。そこで、Y(イ
エロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)などのインク
に於いてのみに使用することが好ましい。
【0005】輪郭の強調や文字として用いられるBkの
インクには、エッジのシャープさを強く要求されるた
め、染料を表層でトラップする蒸発系のインクを使用す
ることが好ましい。しかし、蒸発系のインクと浸透系の
インクの両者を用いると、どちらを先に打ち込んでも境
界接触領域で混色が発生する。
【0006】そこで、異種インクであるブラックとカラ
ーが近接する境界を検出する手段と、異種インク近接箇
所での記録画素を少なくとも1つ以上の他種インク画素
に置き換える境界部画素置き換え手段とを設けた構成の
インクジェット記録装置が提案されている。具体的に
は、ブラック印字ドットのカラー印字ドットとの境界部
(例えば4ドット幅)を、予め決められたイエロー、マ
ゼンタ、シアン、ブラックで形成したプロセスブラック
(PCBk)で置き換えることにより、境界接触領域で
の混色を防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の記録方
式にあっては、図12に記載したようなカラーグラデー
ションのバックに黒文字(ABCDE)を記録した場
合、全ての黒文字のカラーとの境界領域(ここでは4ド
ット幅)がPCBk変換される。すなわち、ブラックで
印字した文字に近接するカラーの印字デューティーによ
らず、ブラック文字の境界検知領域4ドット幅分が全て
PCBk変換されることになる。確かに、上述したPC
Bk変換方式であれば、どんなに高デューティーなカラ
ーバックであっても境界部での混色は防止することがで
きる。
【0008】ところが、図12に記載したような実際の
記録では、低デューティーなカラーバックとなる下方部
の文字ほど境界部のPCBk印字が実際の黒文字に比べ
てぼやけた印字になってしまう不具合が生じる。これ
は、低デューティーなカラーバックほど、記録媒体と黒
文字とのコントラストがはっきりと人間の目に認識でき
るためである。
【0009】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたもので、異種インクを近接させることに起因した
画像劣化を解決し、高画像品位の記録を可能としたイン
クジェット記録装置及び方法を提供することを目的とす
る。
【0010】また、本発明は、異種インク、例えば黒イ
ンクとカラーインクの近接状況に拘らず、混色が少なく
シャープな黒画像を得ることができるインクジェット記
録装置及び方法を提供することができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、異種インクを記録ヘッドから記録媒体へ
吐出させて記録ドットを形成して画像を記録するインク
ジェット記録装置において、異種インクにより形成され
る記録ドットと着目ドットとの境界接触度を、該着目ド
ットを中心にn×mの画素領域(n≧1、m≧1)の各
画素に重み係数を設定しておき、該画素領域に存在する
異種インクの記録ドットを該重み係数で補正してカウン
トすることにより検出する境界接触度検出手段と、この
境界接触度検出手段により検出された境界接触度に応じ
て、前記着目ドットにより形成される記録画素を異種イ
ンクによる記録ドットに置き換える置換手段とを有する
ことを特徴とする。
【0012】また、本発明は、異種インクを記録ヘッド
から記録媒体へ吐出させて記録ドットを形成して画像を
記録するインクジェット記録方法において、異種インク
により形成される記録ドットと着目ドットとの境界接触
度を、該着目ドットを中心にn×mの画素領域(n≧
1、m≧1)の各画素に重み係数を設定しておき、該画
素領域に存在する異種インクの記録ドットを該重み係数
で補正してカウントすることにより検出するステップ
と、この検出ステップにより検出された境界接触度に応
じて、前記着目ドットにより形成される記録画素の記録
データを異種インクによる記録ドットに対応するデータ
に置き換えるステップと、この置換ステップによって置
き換えられた記録データに基づいて、インクを吐出する
ステップとを有することを特徴とする。
【0013】さらに、本発明は、異種インクを記録ヘッ
ドから記録媒体へ吐出させて記録ドットを形成して画像
を記録するための記録データ処理方法において、異種イ
ンクにより形成される記録ドットと着目ドットとの境界
接触度を、該着目ドットを中心にn×mの画素領域(n
≧1、m≧1)の各画素に重み係数を設定しておき、該
画素領域に存在する異種インクの記録ドットを該重み係
数で補正してカウントすることにより検出するステップ
と、この検出ステップにより検出された境界接触度に応
じて、前記着目ドットにより形成される記録画素の記録
データを異種インクによる記録ドットに対応するデータ
に置き換えるステップとを有することを特徴とする。
【0014】
【作用】上記構成によれば、異種インクの近接状況に応
じて記録画素を他種インク画素に置換えるので、異種イ
ンクを近接させながら高画質記録を可能とすることがで
きる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を参照して
詳細に説明する。
【0016】(記録装置)図8は、本発明のインクジェ
ット記録装置の一実施例の構成を示す概略斜視図であ
る。図8に示すように、キャリッジ2は駆動モータ11
の正逆回転を2つの駆動力伝達ギヤ9,10を介してリ
ードスクリュー5に伝達することで、キャリッジ2は図
示矢印a方向及びb方向に往復移動される。キャリッジ
2は、記録用のインクを収容するインクタンク(不図
示)と記録紙30に向けてインクを吐出する記録ヘッド
(不図示)とが一体になったインクジェットカートリッ
ジ1が搭載されており、インクジェットカートリッジ1
に対向して、記録紙30を搬送するためのプラテン4が
回転自在に設けられている。プラテン4によって搬送さ
れた記録紙30は、インクジェットカートリッジ1と対
向する側において紙押さえ板3によりプラテン4に押圧
されて、インクジェットカートリッジ1との間隔が所定
の間隔となるように保持される。そして、駆動モータ1
1によりキャリッジ2を移動させつつ、記録ヘッドから
インクを吐出する記録動作は、記録制御手段22からの
制御に基づいて行われる。
【0017】キャリッジ2の移動方向の図示左側には、
2つのフォトカプラ7、8が設けられている。これら各
フォトカプラ7、8は、キャリッジ2の図示左端部に設
けられたレバー6のこの域での存在を確認して、駆動モ
ータ11の回転方向切り換え等を行うためのホームポジ
ション検知手段である。
【0018】インクジェットカートリッジ1の記録動作
における往復動作の範囲外で、吸引動作の際にインクジ
ェットカートリッジ1が移動される位置には、キャップ
支持部材14に支持されたキャップ部材13が設けられ
ている。キャップ部材13はインクジェットカートリッ
ジ1の記録ヘッドの前面(吐出口面)をキャップするも
ので、この状態で吸引手段12によりキャップ部材13
内の吸引を行うことで、記録ヘッド内の増粘インクや気
泡を除去する等のヘッド回復動作が行われる。キャップ
部材13の側方には、ブレード支持部材16に支持され
たクリーニングブレード15が設けられている。クリー
ニングブレード15はブレード支持部材16に、インク
ジェットカートリッジ1に向けて突出可能に支持され、
記録ヘッドの前面との当接が可能となっている。これに
より、吸引動作後に、クリーニングブレード15をイン
クジェットカートリッジ1の移動経路中に突出させ、イ
ンクジェットカートリッジ1の移動に伴って記録ヘッド
前面の汚れ等を拭き取る。クリーニングブレード15は
この形態に限らず、周知のクリーニングブレードが適用
できる。
【0019】(記録ヘッド)ここで、上述した記録ヘッ
ドについて図9を参照して説明する。図9は、図8に示
したインクジェットカートリッジの記録ヘッドの要部斜
視図である。記録ヘッドには、図9に示すように記録紙
30(図8参照)と所定の間隔をおいて対向する面に、
Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk
(黒)、それぞれのインクを吐出する吐出口1bY、1
bM、1bC、1bKが、所定のピッチで複数形成され
ている。共通液室1cと各吐出口1bとを連結する各液
路1dの壁面に沿って、インク吐出用のエネルギーを発
生するための電気熱変換体1eが配設されている。共通
液室1cは、前述したインクジェットカートリッジ1
(図8参照)のインクタンクと連結しており、共通液室
1cにはインクタンクからインクが供給される構成とな
っている。インクタンクから共通液室1cに供給されて
一時的に貯えられたインクは、毛管現象により液路1d
に侵入し、吐出口1bでメニスカスを形成して液路1d
を満たした状態を保つ。このとき、電極(不図示)を介
して電気熱変換体1eが通電されて発熱すると、電気熱
変換体1e上のインクが急激に加熱されて液路1d内に
気泡が発生し、この気泡の膨張により吐出口1bからイ
ンクが吐出される。
【0020】(制御構成)次に、装置構成の各部の記録
制御を実行するための制御構成について、図10に示す
ブロック図を参照して説明する。制御回路を示す同図に
おいて、10は記録信号を入力するインターフェ−ス、
11はMPU、12はMPU11が実行する制御プログ
ラムを格納するプログラムROM、13は各種データ
(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を
保存しておくダイナミック型のRAMであり、印字ドッ
ト数や、インク記録ヘッドの交換回数等も記憶できる。
14は記録ヘッドに対する記録データの供給制御を行う
ゲートアレイであり、インターフェース10、MPU1
1、RAM13間のデータの転送制御も行う。20は記
録ヘッドを搬送するためのキャリアモータ、19は記録
用紙搬送のための搬送モータである。15はヘッドを駆
動するヘッドドライバ、16、17は夫々搬送モータ1
9、キャリアモータ20を駆動するモータドライバであ
る。
【0021】図11は、図10の各部の詳細を示す回路
図である。ゲートアレイ14は、データラッチ141、
セグメント(SEG)シフトレジスタ142、マルチプ
レクサ(MPX)143、コモン(COM)タイミング
発生回路144、デコーダ145を有する。記録ヘッド
18は、ダイオードマトリックス構成を取っており、コ
モン信号COMとセグメント信号SEGが一致したとこ
ろの吐出用ヒータ(H1からH128)に駆動電流が流
れ、これによりインクが加熱され吐出する。
【0022】上記デコーダ145は、上記コモンタイミ
ング発生回路144が発生したタイミングをデコードし
て、コモン信号COM1〜8のいずれか1つを選択す
る。データラッチ141はRAM13から読み出された
記録データを8ビット単位でラッチし、この記録データ
をマルチプレクサ143はセグメントシフトレジスタ1
42に従い、セグメント信号SEG1〜8として出力す
る。マルチプレクサ143からの出力は、1ビット単
位、2ビット単位、または8ビット全てなど、シフトレ
ジスタ142の内容によって種々変更することができ
る。
【0023】上記制御構成の動作を説明すると、インタ
ーフェース10に記録信号が入るとゲートアレイ14と
MPU11との間で記録信号がプリント用の記録データ
に変換される。そして、モータドライバ16、17が駆
動されるとともに、ヘッドドライバ15に送られた記録
データに従って記録ヘッドが駆動され、印字が行われ
る。
【0024】(実施例1)本実施例は、上述した記録装
置を用いてカラー記録を行った場合に、異なった色が近
接する境界部で異色インクが混じりあうことなく、より
本当の黒色に近くエッジがシャープとなるような記録が
可能なインクジェット記録装置を提供することを目的と
する。
【0025】本実施例では、記録インクとしてY,M,
C、Bkの4種類のインクを用いる。各インクの組成と
しては、Bkインクは、染料と、不揮発成分を含み水を
主成分とする溶剤で構成されており、表面張力が約50
dyn/cmとなるインクを用いる。一方、Y,M,C
インクは、染料と、不揮発成分を含み水を主成分とする
溶剤に、アセチレノールを加えてヌレ性を増加させ、表
面張力が約27dyn/cmとなるインクに調整してい
る。
【0026】一般的な記録用紙の臨界表面張力は、およ
そ35dyn/cmである。Bkインクは紙に対してヌ
レにくいインクとなっており、定着時間は長めにかか
る。しかし、記録用紙の表層から20μm程度の深さ範
囲にしか染料が移動(定着)して行かないので、比較的
高濃度・高発色性を示し、記録紙とのコントラストも高
く高品位を重視したインク組成となっている。
【0027】一方、C,M,Yインクは前記の通り低表
面張力のインクであり、記録紙に対して非常にヌレ易い
性質を持っており記録紙に対して極めて高速定着する。
しかし、記録紙の深部にまでインクが浸透してしまうの
で発色性としては若干劣るものの、いわゆるカラーイン
ク(Y,M,Cインク)は前述のように記録紙に対する
コントラストとしてはBkインクほどには強くなくとも
実使用上問題は少ない。そこで、上述のように、境界に
じみの起こらないインク組成に構成している。
【0028】前述した境界処理では、カラーグラデーシ
ョンバックの黒文字の記録を行った場合、全ての境界領
域が同様にPCBk変換されてしまう。特に、低デュー
ティーのカラーバックの黒文字においては本来PCBk
変換しなくともカラーとブラックの混色する確率は非常
に低く、PCBk変換することでかえってエッジのシャ
ープさの損失及び本来の黒色からのズレという点では不
具合となっていた。
【0029】以下に、上記不具合を解消するために本実
施例で採用した手段について詳細に述べる。
【0030】図1に本発明の一実施例を説明する制御構
成図を示す。本実施例の制御構成は、異種インクの境界
部における近接状況(以下、接触度という)を検出する
境界接触度検出手段1000、境界部の接触度に応じて
異種インクによるドットの置き換えを行うドット置き換
え手段1001、演算処理手段1002、ホストからの
データを蓄えておくプリントバッファ1004、演算処
理した結果を一時保存する作業用バッファ1003を有
する。
【0031】図2に本発明の実施例1を説明するフロー
チャートを示す。
【0032】(境界接触度の計算)記録装置では色毎の
記録データを、記録に先立ってドットを形成するか否か
の1、0のビット描画データに展開する(展開するメモ
リーを、以下ではプリントバッファーと称す)。
【0033】まず、印字開始命令が有ると、Y,M,C
の各プリントバッファのデータについて論理和(OR)
をとり、カラーデータ作業用バッファに格納する(S1
00,S101)。Bkは独立にブラック作業用バッフ
ァに格納する(S102)。
【0034】続いて、Bkの着目ドットからの距離に比
例して9×9の領域について予め設定した境界接触度係
数を、Bkの着目ドットを中心として加算して、境界接
触度を求める(S103)。加算した値を予め設定した
複数のランク(ここでは4ランクとする。記録装置の構
成あるいはインクの特性に合わせて最適にすることが好
ましい。)のどのランクに相当するか検出し、Bkの着
目ドットを対応するいずれかのランクの境界接触度保存
用のバッファ1〜4に格納する(S104)。上記処理
を、全Bkドットについて行う(S105)。これによ
り、全Bkドットが境界接触度保存用バッファ1〜4の
いずれかに格納される。
【0035】図3に、着目ドットを中心としたn×m
(本実施例では9×9としたが記録装置の構成及びイン
クの特性に合わせた値とすることが好ましい。)画素の
領域の境界接触度係数を示す。以下に、着目ドットの境
界接触度係数の加算値とランクとの関係を示す。
【0036】 ランク 境界接触度 RANK1 :0.000〜0.779 RANK2 :0.800〜1.558 RANK3 :1.559〜2.337 RANK4 :2.338〜3.116
【0037】ここで、一度に処理を行う領域となる縦横
のドットサイズ(ビットマップサイズ)としては、境界
接触度検出のために検出するドット数(本実施例では周
囲4画素であるので9×9画素サイズ)以上であれば制
限は無いが、横は記録サイズの1行相当分、縦はヘッド
のノズル相当分にすることが容易である場合が多い。
【0038】更に論理和や論理積はCPUの機能を利用
しても、ハードロジックで処理する方式であっても良
い。また、ビット単位処理でもバイト単位、或いはワー
ド単位処理でも良いが、大きな単位で処理する方が高速
処理が可能であることは云うまでもない。
【0039】(境界部画素の置き換え)理論上は、黒画
素はY,M,Cのインクを重ね合わせることによって作
り出すことができる(Y,M,Cインクの混合で作りだ
した黒画素を以下ではPCBkと称する)。Y,M,C
インクは前記のように浸透系のインクであるので、浸透
系のインクで作り出したPCBkはY,M,C画素と混
色することはない。黒も含めて全ての色をY,M,Cイ
ンクで作り出せば、異種インク同士の境界部のにじみ問
題は解消できるが、現実的にはY,M,Cインクで作り
出したPCBkの黒画像は、ユーザーが望んでいるいわ
ゆる真っ黒にはなりづらい。これはインクジェット記録
装置に用いるインクの場合にのみに当てはまる問題では
なく、グラビアなどの印刷の分野に於いても黒は黒専用
インクを用いている場合が大半であることからも理解で
きよう。
【0040】前述のように黒はコントラストの高い真っ
黒が望まれているので、染料が記録媒体の深部に潜って
しまう浸透系のインクは適しておらず、蒸発系のインク
を用いる。このため、境界部の境界部でのにじみ問題が
生じるのである。
【0041】そこで、本発明ではカラーと黒と境界部の
接触頻度を検出し、カラーのデューティーが高い場合に
はできるだけPCBkで記録を行い、カラーデューティ
ーが低い場合にはTrue Black(単一黒イン
ク)で記録を行うことで、より黒画像を高品位とするこ
とが可能となる。
【0042】然るに、前記境界部の境界接触度検出手段
によりカラー画素とBk画素の境界部の接触度の検出を
行った後、境界部のBkデータを近接するカラーのデュ
ーティーに見合ったPCBkデータに置き換えること
で、全体としてのBk画像の高画質化と異種間インクの
境界部での画像の乱れ問題を解消する。
【0043】図4に、ランク分けした境界接触度に対応
するPCBk変換用マスク1〜4を示す。本実施例では
簡単のためPCBkをBkインクとCYANインクで構
成し、その割合を100:0,75:25,62.5:
37.5,50:50の4種類とした。もちろん、PC
Bkを作る色味に合わせてY,Mのマスクを加え、さら
にその比率を多数用いても良い。
【0044】境界接触度保存用バッファ1〜4とそのラ
ンクに対応するPCBk変換用マスク1〜4(CYA
N,Bk)との論理積(AND)をとる(S106)。
続いて、カラー色(ここでは、CYAN)の各ランク毎
の論理積値の論理和(OR)をとる(S107)。これ
により、黒画像を記録するインク(置換え対象画素のイ
ンク)が画素毎に得られることになる。
【0045】この論理和(OR)の結果を、カラー色
(ここでは、CYAN)についてはそれぞれの色のプリ
ントバッファのオリジナルデータに追加する(S10
7)。Bkについてはプリントバッファのオリジナルデ
ータと入れ換える(S108)ことで不必要なブラック
画素を削除することができる。
【0046】置換え対象画素は全てBk画素であるの
で、置き換え対象画素であるBk画素をBkオリジナル
画素から削除すると同時に、削除したBk画素に対応し
たY,M,C画素を各々追加することで、即ちY,M,
Cの原画像であるオリジナルプリントバッファーと該追
加画素の論理和を取ることで上記画素の追加処理が実現
できる。
【0047】以上の様にY,M,C,Bkの各色毎に構
成されている原画像であるプリントバッファーのデータ
に、画素の追加削減補正を行うことで境界のにじみ問題
は解消できる。
【0048】図5に本実施例を適応した場合の記録画像
を示す。図5に示すようにカラーの濃度(デューティ
ー)が低い領域では、黒画素の置換がなされず、黒画像
は黒インクで形成される。このため、シャープな黒画像
を記録することができる。カラー画像との混色にじみ
は、カラー画像の濃度(デューティー)が低いのでそも
そも生じにくい。一方、カラーの濃度が高い領域では、
黒画素の置換が行われるので、カラー画像との混色にじ
みは生じない。
【0049】このように、本実施例では、グラデーショ
ンに応じて最適な境界処理が行われることで混色がなく
シャープな黒文字品位の記録が可能となり、高画質記録
を実現できる。
【0050】(実施例2)本実施例は、境界部のBk画
素に近接するカラー画素が2次色(Red、Gree
n、Blue)である場合を考慮して、より正確にBk
画素とカラー画素の境界接触度を検出するものである。
【0051】一般に、2値データの記録を行う記録装置
において、カラー画像の1画素当りに打ち込まれるイン
クは、イエロー、マゼンタ、シアンの内の1つ或いは2
つの異色インク(混色の結果、レッド、グリーン、ブル
ーが得られる)によって画像を表現している。このた
め、同じカラー画像との境界部であっても、イエロー、
マゼンタ、シアンと近接するよりも、レッド、グリー
ン、ブルーと近接する黒画像の方がより混色し易い。
【0052】そこで、本実施例では、カラー(Y,M,
C)各色のプリントバッファのデータそれぞれに対する
境界接触度Y、境界接触度M、境界接触度Cを境界接触
度係数から求め、最終的にカラー各色に対する境界接触
度Y,M,Cを全て加算することにより、黒の着目ドッ
トの境界接触度としている。
【0053】図6に、本実施例を説明するフローチャー
トを示す。
【0054】まず、印字開始命令があると、Y,M,C
の各プリントバッファのデータを、カラーデータ作業用
バッファY,M,Cにそれぞれ格納する(S200,S
201)。Bkはブラック作業用バッファに格納する
(S202)。
【0055】続いて、Bkの着目ドットからの距離に比
例して9×9の領域について各色(Y,M,C)別個に
予め設定した境界接触度係数を、Bkの着目ドットを中
心として加算することにより、Y,M,C毎の境界接触
度を求める(S203)。同一着目ドットに対して各色
別個に計算した境界接触度を全て加算し、着目ドットの
境界接触度とする(S204)。
【0056】加算した値を予め設定した複数のランク
(ここでは4ランクとする。記録装置の構成あるいはイ
ンクの特性に合わせて最適にすることが好ましい。)の
どのランクに相当するか検出し、ランク境界接触度保存
用のバッファ1〜4に格納する(S205)。1ライン
分の処理が終われば続いて境界部のドット置き換えの処
理を行う(S206〜S209)。境界部のドット置き
換えの処理は、実施例1のS105〜S108と同じで
あるので、説明を省略する。
【0057】ここで、着目ドットを中心とした9×9画
素の領域の境界接触度係数は、実施例1と同じとした。
【0058】本実施例における着目ドットの境界接触度
とランクとの関係は、下記のように各色別個に計算した
値を加算するため実施例1での境界接触度の値の倍とす
る。
【0059】 ランク 境界接触度 RANK1 :0.000〜1.558 RANK2 :1.559〜3.116 RANK3 :3.117〜4.674 RANK4 :4.675〜6.232
【0060】以上のように、2つのドットで形成される
カラー画素の方が1つのドットで形成されるカラー画素
に比べ、Bkとの混色を起こし易いことを考慮すること
によって、実施例1よりさらに正確にBk画素とカラー
画素との境界部での混色の発生を予測でき、境界部によ
り最適なドット置き換え処理を施すことが可能となる。
【0061】(実施例3)次に、前記境界接触度検出手
段、及びドット置き換え手段を高速に処理する実施例に
ついて説明する。
【0062】前述してきたようなアルゴリズムによって
境界検出、記録画素の置き換えをソフト的に処理するこ
とも勿論可能であるが、該処理を全てソフト的に行うに
は極めて大きな負荷がかかる。1行分のデータを処理す
る場合を1例にして該処理の重さの概略を考察する。
【0063】本実施例で用いる記録ヘッドはY,M,
C,Bkの4ヘッド、各64ノズル、解像度は前記同様
各々360DPI,記録紙サイズをA4版サイズとす
る。この時の1行のプリントバッファーサイズは縦64
ドット(8バイト)、横2880ドットとなる。このバ
ッファーをバイト単位でアクセスして全ての処理を行う
場合、Y,M,Cの各画素の論理和を取る処理だけで、
少なくとも69120回のRAMのロード(8×288
0×3)と、23040回のRAMへのライト処理が必
要となる。また、境界接触度のデータが得られた後も、
各色毎にマスクパターンとの論理積を取り、更に該各色
毎の論理積と各色毎に原画像との論理和を取るのに、最
低でも20万回以上のRAMのリードと9万回以上のR
AMへのライト動作が必要となる。しかし、実行してい
る処理そのものは単純ループ動作であって、出力結果を
フィードバックして次の処理内容が変更されるような処
理ではない。よって、極めてハード化し易い処理内容と
云える。
【0064】図7は上記処理をハード化した制御構成を
示す図である。同図を用いてハード処理の概略を説明す
ると、ロジック2004にY,M,C,Bk画像のプリ
ントバッファー2000〜2003の先頭アドレスが入
力される。各色のデータは該先頭アドレスから規則的に
格納されている。本実施例では連続アドレスで記録画素
データが格納されている。上記各色毎の先頭アドレスを
受け取ったロジック2004は先頭アドレスのデータを
読みだして(本実施例ではバイト単位)ロジック内のメ
モリーに格納する。
【0065】この処理が完了すると、ロジック2004
はロジック内で前記色毎の先頭アドレスを1バイト分イ
ンクリメントして、次に読み込むべきアドレスを自動生
成して所望のデータの読み込みを行う。データの読み込
み順序の規則は問題ではなく、ロジック2004は所望
の時に所望のデータをCPUの命令無しに読み込むこと
が可能(DMA処理が可能)である点にある。
【0066】以上のように、CPU2006はロジック
2004にY,M,C,Bkの原画のプリントバッファ
ーの先頭アドレスを設定するだけで、ロジック2004
が自動的に原画像の読み込み、色毎(Y,M,C)の論
理和、更には論理和データに対するBkデータの境界接
触度の計算処理及びランク分けを実行し、規定のアドレ
スから規定の規則に従ってランク分けされたBkデータ
の出力を行う制御処理が可能となる。出力されたBkデ
ータは、図示しない作業用バッファに格納される。
【0067】上述の処理をソフト的に行うには、何万回
にも及ぶRAMへのリードとライトをCPUが行う必要
があったのに対し、ハード処理では4バイト(4色分)
のアドレス設定だけで同様な処理を完了することが可能
となる。また、上述の処理は単純処理の積み重ねにすぎ
ず、ロジックを構成するに際してもさほど大がかりな規
模にはならない。
【0068】本実施例ではランク分けされたBkデータ
の出力アドレスは固定としたが、出力アドレスを設定す
るように汎用的にロジックを構成してあっても良い。
【0069】ランク分けされたBkデータ(本実施例で
はランク1〜ランク4)が作成できたら、Bkデータが
格納されている作業用バッファの先頭アドレスと、Y,
M,C,Bkの原画像が格納されている先頭アドレス
と、Y,M,C,BKのマスクパターンが格納されてい
る先頭アドレスの、12バイトデータをCPU2006
ロジック2005に設定するだけで、ランク1〜ランク
4の各Bkデータと各色(Y,M,C,Bk)毎のマス
クパターンの論理積、及び論理積データとカラー色毎
(Y,M,C)の原画像データの論理和とBk原画像デ
ータの論理積を取り、予め定められた各色(Y,M,
C,Bk)毎のアドレスに結果を出力する。
【0070】ロジック2004と同様、各アドレスはロ
ジック2005内で自動的にインクリメントされ、所望
のアドレスを作り出して処理の継続を所定の回数行うも
のである。この結果、出力されたデータが境界部の画素
の置き換え処理が完了した実記録画像データのプリント
バッファー2000〜2003に入る。
【0071】以上のようにハード処理化することによ
り、現実的なコストの範囲で極めて高速な境界制御手段
が確立できる。
【0072】(実施例4)上述の実施例1〜3は、カラ
ーインクドットとブラックインクドットの境界部の状況
を細かく識別して必要最小限のドット置き換えを行うた
めに、着目ドット(Bkドット)を中心としたn×mの
画素領域に存在する異種インクドット(カラードット)
の数を各画素に予め設けた重み係数で補正してカウント
し、前記カウントした値で分けられた各ランクのデータ
に対して予め決められた割合のマスクでマスキングする
ことによりドットの置き換えを行った。
【0073】上述の実施例では、境界接触度に応じた各
ランクの対象インクのデータに対して予め決められたマ
スクをかける際に、対象インクのデータが図15(a)
に示したような規則的なパターンではマスクと同調する
場合が生じていた。
【0074】図15(a)に示すようなデータ(ここで
は、ランク2の境界接触度保存用バッファ内のデータと
する。)に対して、ランク2用のBkとCYANのマス
クで論理積をとると、図15(c)に示すように上半分
のデータが図15(b)に示すマスクと同調して、CY
ANのみのデータとなってしまうことがわかる。また、
下半分のデータについても、約50%の割合でBkとC
YANに変換されているものの、規則的なパターンとな
っていることがわかる。
【0075】本実施例では、対象インクの境界接触度に
応じてランク分けされた各データに対してドットを置き
換える場合に、このようなマスクとの同調を防止する置
換方法を示す。
【0076】図13に本実施例を説明する制御構成図を
示す。この制御構成は、図1に示す構成に、作業用バッ
ファ1003内のデータから記録ドットを検出するドッ
ト位置検出手段1005を付加し、ドット置換え手段1
001がドット位置に基づいてドットの置換えを行うも
のである。
【0077】図14に本実施例を説明するフローチャー
トを示す。
【0078】境界部のドット置き換え手法は、ランク1
からランク4の境界接触度保存用バッファ内のデータに
対して、図4に示したようなn×m画素のマスクを各色
毎、各ランク用に設けておき、該マスクと境界接触度保
存用バッファ内のデータとの論理積(AND)をとった
ものを、オリジナルBkデータのドット置き換えドット
として、各色のプリントバッファ内のオリジナルデータ
に追加或いは置き換えて実際の記録用データとしてい
る。
【0079】境界接触度保存用のバッファ1〜4への格
納(S300〜S306)については、図6の実施例2
(S200〜S206)と同様なので、説明は省略す
る。
【0080】簡単のため、ランク1〜ランク3の境界接
触度保存用バッファ内にはデータが存在しないものと
し、図15(a)に示す8×8画素のオリジナルデータ
を、ランク4の境界接触度保存用バッファ内のデータと
して説明する。
【0081】まず、ドット位置検出手段は、Bkデータ
の抽出を行うために50%のBkマスク(図15(d)
のBk)に相当する4ビットのチェッカー{1010}
を用意する。そして、図15(a)のランク4の境界接
触度保存用バッファ内の最上位の1ラスタのデータ{0
1010101}について、最上位ビットの0,1を判
定する(S307)。最上位ビットが1であれば、チェ
ッカーの最上位ビットとの論理積(AND)をとり(S
309)、1ドットのBkデータとして作業用バッファ
に書き込み、チェッカーを左に1ビットローテートして
{0101}とする(S308)。最上位ビットが0の
場合には、Bkデータはヌルデータとして作業用バッフ
ァに書き込み、チェッカーのローテートは行わない(S
310)。以下、同様の処理を行うと、最上位1ラスタ
のドット置き換え後のBkデータは{0100010
0}となる。同様の処理を8ラスタ行う(S311)。
【0082】次に、50%のCYANマスク(図15
(d)のC)に相当する4ビットチェッカー{010
1}を用意し、図15(a)のランク4の境界接触度保
存用バッファ内の最上位の1ラスタのデータ{0101
0101}について、最上位ビットの0,1を判定す
る。最上位ビットが1であれば、チェッカーの最上位ビ
ットとの論理積(AND)をとり、1ドットのCYAN
データとし、チェッカーを左に1ビットローテートして
{1010}とする。最上位ビットが0の場合にはCY
ANデータはヌルデータとし、チェッカーのローテート
は行わない。以下、同様の処理を行うと最上位1ラスタ
のドット置き換え後のCYANデータは{000100
01}となる。同様の処理を8ラスタ行う。
【0083】本実施例では、混色をできる限り抑えるた
めにドット置き換えをBkとCYANそれぞれ50%の
割合で変換したが、Yellow,Magentaを加
えて同様の処理を行うことで、記録装置或いはインクの
特性に合った変換割合とすることが好ましい。全データ
の変換が終了したら作業用バッファ内の各ランクの論理
和をとり、Y,M,C、Kそれぞれのオリジナルプリン
トバッファに追加或いは入れ替えを行う(S312〜S
313)。
【0084】図15(e)に上記方法でドット置き換え
を行った後のBkとCYANのデータを示す。
【0085】以上説明したように、ドット位置検出手段
を用いて境界部のドット置き換えを行うことにより、ド
ット置き換え時に発生するマスクの同調を防止できるの
で、オリジナルのBk画像を保持したままカラー画像と
の境界部の混色を防止でき、高品位なBkとカラー画像
の記録が可能となる。
【0086】(実施例5)本実施例では、Bkドットの
カラードットとの境界部接触状況をより正確に判断する
ことによって、さらに高品位な画像の記録を行う方法に
ついて説明する。
【0087】図17(a),(b)に示した2タイプの
境界領域において、Bkの着目ドットの境界接触度を計
算した場合、以下のようにどちらの境界接触度もほぼ同
じ値になってしまうことがわかる。 TYPE1 境界接触度=2*(A+C+E+J)+2*(B+G+I)+4*(D
+F+H+K+L)=1.558 TYPE2 境界接触度=2*(2*(B+C+G+I+J)+4*(F+L))
=1.516 ところが実際は、100%デューティーで着目ドットと
近接しているTYPE1の境界の方が、50%デューテ
ィーで近接しているTYPE2の境界より倍の確率で混
色する。
【0088】上記問題を解決するために本実施例では、
Bkの着目ドットの周囲n×m(本実施例では9×9)
画素の領域を複数の領域(本実施例では着目ドットを含
む左右上下4つの5×5画素領域)に分割して、分割し
た領域毎に境界接触度を計算し、4つの領域の境界接触
度の内最も大きな値を該着目ドットの境界接触度とし
て、その境界接触度に見合ったランクの境界接触度保存
用バッファにデータを書き込む。
【0089】本実施例における境界接触度とランクの関
係を以下に示す。このランクの境界接触度は、実施例2
の各ランクの境界接触度を4で割ったものである。
【0090】 ランク 境界接触度 RANK1 0.000〜0.390 RANK2 0.391〜0.779 RANK3 0.780〜1.169 RANK4 1.170〜1.558
【0091】上記方法で図17に示した2タイプの境界
領域における着目ドットの境界接触度を計算すると、以
下のように混色のし易さに見合った境界接触度となるこ
とが分る。
【0092】TYPE1 領域1の境界接触度=A+B+C+
E+G+I+J+2*(D+F+H+K+L)=0.779 領域2の境界接触度=0 領域3の境界接触度=B+G+I+2*(A+C+D+
E+F+H+J+K+L)=1.037 領域4の境界接触度=A+C+E+J=0.258 着目ドットの境界接触度=1.037・・・RANK3 TYPE2 領域1の境界接触度=B+G+I+2*(C+J+F+L)
=0.471 領域2の境界接触度=B+G+I+2*(C+J+F+L)=0.471 領域3の境界接触度=B+G+I+2*(C+J+F+L)=0.471 領域4の境界接触度=B+G+I+2*(C+J+F+L)=0.471 着目ドットの境界接触度=0.471・・・RANK2
【0093】図16に本実施例を説明するフローチャー
トを示す。
【0094】印字開始命令があると各色のプリントバッ
ファ中のY,M,C,Bkデータを各色の作業用バッフ
ァに格納する(S400〜S402)。着目ドット周囲
9×9画素領域を4つの領域に分割(着目ドットを含む
5×5画素)して、それぞれの領域別にYellowデ
ータに対する境界接触度(1Y〜4Y)を求める。同様
にMagentaとCyanについても4領域の境界接
触度(1M〜4Mと1C〜4C)を計算する(S40
3)。境界接触度1Y〜境界接触度4Yの内、最も大き
い値を境界接触度Yとし、同様に境界接触度Mと境界接
触度Cを決定する(S404)。各カラー色に対する境
界接触度(Y,M,C)を加算して着目ドットに対する
境界接触度とする(S405)。決定された境界接触度
に見合ったランクの境界接触度保存用バッファ(1〜
4)にデータを格納する(S406)。上記の処理を1
ライン分行う(S407)。
【0095】以降の処理(S408〜S410)は、実
施例2の図6(S207〜S209)と同様であるの
で、説明は省略する。
【0096】以上説明したように境界接触度を計算する
際に、着目ドットの周囲n×m画素(本実施例では9×
9画素)領域を複数(本実施例では4つ)に分割して、
分割した各領域について境界接触度を計算し、その値を
基に着目ドットの境界接触度を決定することにより、最
適なドット置き換えが可能となり、結果として高品位な
記録が可能となる。
【0097】(実施例6)本実施例では、実施例5で説
明した方法を用いた場合に発生する不具合を解消する方
法について説明する。
【0098】Bkの着目ドットの周囲n×m(本実施例
では9×9)画素領域を複数の領域(本実施例では上下
左右4つの5×5画素領域)に分割して、分割した領域
毎に境界接触度を計算し、4つの領域の境界接触度の内
最も大きな値を該着目ドットの境界接触度とすると図1
8に示すようなカラーとBkのグラデーションが徐々に
交わるような画像の場合、低デューティーなBk部では
全てドット置き換えの対象となる。ところが、図18に
示すような画像においてはBkとカラーとの境界部での
混色は見た目に気にならないため、Bkは全てTrue
Blackで記録されることが好ましい。
【0099】上記問題を解決するために、本実施例では
前記4つに分割した領域の境界接触度の内最も大きな接
触度と最も小さな接触度との差を着目ドットの境界接触
度とし、その境界接触度に見合ったランクの境界接触度
保存用バッファにBkデータを書き込む。
【0100】本実施例における境界接触度とランクの関
係は、実施例5で記載した値を用いて良い。上記方法で
図17(a),(b)に示した2タイプの境界領域にお
ける着目ドットの境界接触度を計算すると、以下に示す
ようにドット置き換えを行う必要のないドットに対して
は境界接触度は0に近い値となり、ドット置き換えを行
うべきドットに対しては高い境界接触度となることが分
る。
【0101】TYPE1 領域1の境界接触度=A+B+C+
E+G+I+J+2*(D+F+H+K+L)=0.779 領域2の境界接触度=0 領域3の境界接触度=B+G+I+2*(A+C+D+
E+F+H+J+K+L)=1.037 領域4の境界接触度=A+C+E+J=0.258 着目ドットの境界接触度=1.037-0=1.037・・・RAN
K3 TYPE2 領域1の境界接触度=B+G+I+2*(C+J+F+L)
=0.471 領域2の境界接触度=B+G+I+2*(C+J+F+L)=0.471 領域3の境界接触度=B+G+I+2*(C+J+F+L)=0.471 領域4の境界接触度=B+G+I+2*(C+J+F+L)=0.471 着目ドットの境界接触度=0.471-0.471=0・・・RAN
K1
【0102】以上説明したように、境界接触度を計算す
る際に着目ドットの周囲n×m画素(本実施例では9×
9画素)領域を複数(本実施例では4つ)に分割して、
分割した各領域について境界接触度を計算し、最も大き
な境界接触度から最も小さな境界接触度を差し引いた値
を着目ドットの境界接触度とすることにより、最適なド
ット置き換えが可能となり、結果として高品位な記録が
可能となる。
【0103】(実施例7)上記実施例では、対象インク
ドットが孤立点や1ドット罫線の場合、実際の記録画像
上は異種インクとの混色はほとんど気にならないが、計
算した境界接触度は非常に大きな値となる。このため、
ドット置き換えの対象となり、かえってマスクの同調な
どによる色ズレが生じる場合があった。
【0104】そこで、本実施例では、対象となるインク
ドットが孤立点或いは1ドット罫線を形成しているよう
な状況においても、同一インクの接触度を検出すること
で最適なドットの置き換えを行う。
【0105】図20に示すような異種インクの中に非常
に低デューティーな対象インクのドットが存在するよう
な画像の場合、対象インクの着目ドットの境界接触度を
計算すると四方八方に異種インクのドットが存在するた
め非常に大きな値となり、ドット置き換え位置の対象と
なる。ところが孤立点のような1ドットの場合、異種イ
ンクと接触していても混色或いは滲みの程度は見た目に
気にはならない。
【0106】これは、通常の滲みが隣合った異種インク
ドット同士が単独で混色するというより、そのドットに
つながる複数のドットのインクがあふれて異種インクド
ットへ流れるために混色や滲みが発生するためである。
単一のドットでは、インク量そのものが少ないために滲
みや混色の程度が非常に低い。すなわち、境界接触度が
非常に大きくても、孤立点や1ドット罫線の場合には異
種インクによるドット置き換えを行わない処理が必要と
なる。
【0107】そこで本実施例では、着目ドットの異種イ
ンクドットに対する境界接触度を求めるのと同時に、同
一インクに対する接触度を求め境界接触度が非常に大き
い場合でも、同一インクに対する接触度が低い場合には
着目ドットのランクを低くする。
【0108】図19に本実施例を説明するフローチャー
トを示す。
【0109】印字開始命令があると、Y,M,C,Bk
データを作業用バッファに格納する(S500〜50
3)。続いてBk着目ドット周囲n×m画素(本実施例
では9×9)の領域についてそれぞれ境界接触度を計算
しする(S504)。各カラー色に対する境界接触度
(Y,M,C)を加算して着目ドットに対する境界接触
度とする(S505)。
【0110】次に、着目ドット周囲n×m(5×5)画
素領域に存在するBkドット数をカウントし、Bk接触
度とする(S506)。ここでは、Bk接触度を5×5
画素内に存在するドット数としたが、画素毎に重み係数
を持たせても良い。着目ドットの境界接触度が4.675よ
り大きく、さらにBK接触度が5より大きい場合には境
界接触度保存用バッファ1にデータを格納する(S50
7〜S509)。それ以外の場合には、着目ドットの境
界接触度をそれに見合ったランクの境界接触度保存用バ
ッファ(1〜4)に格納する(S510)。
【0111】1ライン分の処理が終了したら、各色の各
PCBk変換用マスク(1〜4)を各ランクのバッファ
内のデータと論理積(AND)をとり(S511)、カ
ラー(Y,M,C)各色毎に各ランクの論理和(OR)
をとることによって記録用のデータの追加分とし、オリ
ジナルプリントバッファに追加する。Bkについては各
ランクの論理和(OR)をとった後、記録用データとし
てオリジナルプリントバッファのデータと入れ換える
(S512〜S514)。
【0112】以上説明したように着目ドットの異種イン
クに対する境界接触度が大きくても、同一インクに対す
る接触度が小さい場合にはドットの置き換えを行わない
ことにより、必要なドットにのみドット置き換えが可能
となり、結果として高品位な記録が可能となる。
【0113】また、上述の制御手段は全て記録装置内の
制御部で統括処理する場合について説明してきたが、該
制御手段全てを、プリンタードライバーなどにより外部
装置の資源で実行し、画素の置き換え処理が完了した後
の実記録データを受け取るデータ処理方法に拡張するこ
とも可能である。多くの場合、記録装置に接続される外
部装置はパソコンであり、前記処理を行うためのCPU
の処理能力やRAM容量はパソコンの方が優れている。
【0114】よって、本発明の適用される対象は、イン
クジェット記録装置に限らず、パソコン(ホストコンピ
ュータ)等の優れた処理能力を有した外部装置内での処
理手段にも当然拡張されるものである。
【0115】異種インク画素の境界接触検出手段及び該
境界部の画素変換手段を実行するハード処理手段以外の
構成及び作用は前記実施例と同様であるので説明は省略
する。
【0116】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッドを用いた記録
装置において優れた効果をもたらすものである。
【0117】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書、同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出
来る。
【0118】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0119】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0120】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0121】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0122】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、記録色や濃度を異にする複数のインク
に対応して2個以上の個数設けられるものであってもよ
い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかい
ずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色に
よるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備え
た装置にも本発明は極めて有効である。
【0123】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付加時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0124】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0125】
【発明の効果】本発明は上述のごとく、異種インクが近
接する境界の異種インク同士の接触度を検出し、検出し
た接触度に応じて記録画素を他種インク画素に置き換え
ることにより、異種インクの近接状況に応じて記録画素
を他種インク画素に置換えることが可能となり、異種イ
ンクを近接させながらより高画質な記録を可能とするこ
とができる。
【0126】さらに、対象ドットが存在する場合にのみ
マスク処理を行うことで画像パターンに同調することを
防ぐことが可能となり、また境界接触度の検出を着目ド
ットを中心とした複数の領域に分割して行うことによ
り、異種インク同士の近接状況をより正確に判断でき、
さらに同一インクの接触状況を同時に認識することによ
り孤立点や1ドット罫線等に対してはドット置き換え処
理を施さない等、異種インクを近接させながらより高画
質な記録を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の構成図である。
【図2】本発明の実施例1を説明するフローチャートで
ある。
【図3】実施例1のn×mの接触度係数を示す図であ
る。
【図4】実施例1のPCBk変換用マスクを示す図であ
る。
【図5】本発明の実施例1を実施した場合のカラーグラ
デーションバックのキャラクターを表す図である。
【図6】本発明の実施例2を説明するフローチャートで
ある。
【図7】本発明の実施例3を説明するハード制御構成図
である。
【図8】本発明のインクジェット記録装置の一実施例の
構成を示す概略斜視図である。
【図9】図8に示したインクジェットカートリッジの記
録ヘッドの要部斜視図である。
【図10】本発明のインクジェット記録装置の一実施例
の装置構成の各部の制御構成を示すブロック図である。
【図11】図10の各部の詳細を示す回路図である。
【図12】従来のカラーグラデーションバックのキャラ
クターを表す図である。
【図13】本発明の実施例4を説明する制御構成図であ
る。
【図14】本発明の実施例4を説明するフローチャート
である。
【図15】本発明の実施例5で説明する8×8のマスク
処理を表す図である。
【図16】本発明の実施例5を説明するフローチャート
である。
【図17】実施例5で説明する2種類の接触状況を表す
図である。
【図18】本発明の実施例6を説明するカラーとBkの
グラデーションの図である。
【図19】本発明の実施例7を説明するフローチャート
である。
【図20】本発明の実施例7を説明する異種インク間の
接触状況を表す図である。
【符号の説明】
11 MPU 12 ROM 13 DRAM 14 ゲートアレイ 1000 境界接触度検出手段 1001 ドット置換え手段 1002 演算処理手段 1003 作業用バッファ 1004 プリントバッファ 1005 ドット位置検出手段
フロントページの続き (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岩崎 督 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中田 和宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 笠原 隆史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−276373(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/21

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異種インクを記録ヘッドから記録媒体へ
    吐出させて記録ドットを形成して画像を記録するインク
    ジェット記録装置において、 異種インクにより形成される記録ドットと着目ドットと
    の境界接触度を、該着目ドットを中心にn×mの画素領
    域(n≧1、m≧1)の各画素に重み係数を設定してお
    き、該画素領域に存在する異種インクの記録ドットを該
    重み係数で補正してカウントすることにより検出する境
    界接触度検出手段と、 この境界接触度検出手段により検出された境界接触度に
    応じて、前記着目ドットにより形成される記録画素を異
    種インクによる記録ドットに置き換える置換手段とを有
    することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記着目ドットにより形成される記録画
    素は黒インクによって形成されることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記置換手段は、着目したインクの記録
    ドットを前記境界接触度の値に応じて少なくとも2つ以
    上のランクに分割し、該分割されたランク毎に予め定め
    られた割合で該着目した記録ドットを異種インクによる
    記録ドットに置き換えることを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記置換手段によりドットの置き換えが
    実行される対象インク毎に、少なくとも前記分割された
    ランク数だけ設定された複数の置換マスクパターンと、 該分割された各ランクに対応した置換マスクパターンの
    ドット置き換え位置と着目インクデータとの論理積をと
    る論理積手段と、 得られた各ランクのドット置き換え位置の論理和をとる
    ことにより着目インクデータの置き換え位置を求める論
    理和手段とを有することを特徴とする請求項3記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記境界接触度検出手段は、前記画素領
    域に存在する前記異種インクのうちの1つの異種インク
    の記録画素を前記重み係数で補正してカウントして前記
    着目ドットと1つの異種インクにより形成されるドット
    との境界接触度を検出し、該異種インク数分の境界接触
    度を加算することにより該着目ドットに対する複数の異
    種インクにより形成される記録ドットとの境界接触度を
    検出することを特徴とする請求項4記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  6. 【請求項6】 記録画素の有り無し信号を2値記録デー
    タで受けとるデータ受信手段を有し、 前記境界接触度検出手段と置換手段は、前記データ受信
    手段によって受信された前記2値記録データに対して接
    触度検出処理及び置換処理を行うことを特徴とする請求
    項5記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記境界接触度に応じてランク分けした
    それぞれのインクドットのデータに対して、ドットが特
    定位置に存在するか否かを検出する位置検出手段を有
    し、 前記置換手段は、前記位置検出手段によってドットが特
    定位置に存在する場合にのみ、予め決められた割合のマ
    スクパターンでドットの置き換えを行うことを特徴とす
    る請求項4記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記境界接触度検出手段は、前記画素領
    域を少なくとも2つ以上に分割し、分割した画素領域毎
    に存在する異種インクにより形成される記録ドットを該
    重み係数で補正してカウントすることにより該着目ドッ
    トに対する異種インクにより形成される記録ドットとの
    境界接触度を検出することを特徴とする請求項7記載の
    インクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記境界接触度検出手段は、前記2つ以
    上に分割された画素領域毎に検出した境界接触度の内、
    最も大きい値の境界接触度を前記着目ドットの境界接触
    度とすることを特徴とする請求項8記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  10. 【請求項10】 前記境界接触度検出手段は、前記2つ
    以上に分割された画素領域毎に検出した境界接触度の
    内、最も大きい値の境界接触度と最も小さい境界接触度
    との差を前記着目ドットの境界接触度とすることを特徴
    とする請求項8記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 同種インクによる記録ドット同士の接
    触度を検出する同種インク接触度検出手段を有し、 前記置換手段は、前記境界接触度検出手段による異種イ
    ンクの記録ドット同士の境界接触度と、前記同種インク
    接触度検出手段による同種インクの記録ドット同士の接
    触度に応じて、記録画素を異種インクによる記録ドット
    に置き換えることを特徴とする請求項1記載のインクジ
    ェット記録装置。
  12. 【請求項12】 前記同種インク接触度検出手段は、着
    目ドットを中心にn×mの画素領域(n≧1、m≧1)
    の画素領域に存在する同種インクの記録ドット数をカウ
    ントすることにより、該着目ドットに対する同種インク
    により形成される記録ドットとの接触度を検出すること
    を特徴とする請求項11記載のインクジェット記録装
    置。
  13. 【請求項13】 前記置換手段は、前記同種インクによ
    り形成される記録ドットとの接触度に応じて異種インク
    による置き換えを行うことを特徴とする請求項11また
    は12記載のインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 前記記録ヘッドは、熱によってインク
    を吐出することを特徴とする請求項1乃至請求項13の
    いずれかに記載のインクジェット記録装置。
  15. 【請求項15】 異種インクを記録ヘッドから記録媒体
    へ吐出させて記録ドットを形成して画像を記録するイン
    クジェット記録方法において、 異種インクにより形成される記録ドットと着目ドットと
    の境界接触度を、該着目ドットを中心にn×mの画素領
    域(n≧1、m≧1)の各画素に重み係数を設定してお
    き、該画素領域に存在する異種インクの記録ドットを該
    重み係数で補正してカウントすることにより検出するス
    テップと、 この検出ステップにより検出された境界接触度に応じ
    て、前記着目ドットにより形成される記録画素の記録デ
    ータを異種インクによる記録ドットに対応するデータに
    置き換えるステップと、 この置換ステップによって置き換えられた記録データに
    基づいて、インクを吐出するステップとを有することを
    特徴とするインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】 異種インクを記録ヘッドから記録媒体
    へ吐出させて記録ドットを形成して画像を記録するため
    の記録データ処理方法において、 異種インクにより形成される記録ドットと着目ドットと
    の境界接触度を、該着目ドットを中心にn×mの画素領
    域(n≧1、m≧1)の各画素に重み係数を設定してお
    き、該画素領域に存在する異種インクの記録ドットを該
    重み係数で補正してカウントすることにより検出するス
    テップと、 この検出ステップにより検出された境界接触度に応じ
    て、前記着目ドットにより形成される記録画素の記録デ
    ータを異種インクによる記録ドットに対応するデータに
    置き換えるステップとを有することを特徴とする記録デ
    ータ処理方法。
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