JP2996494B2 - 振動型モータ装置 - Google Patents

振動型モータ装置

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JP2996494B2
JP2996494B2 JP2206239A JP20623990A JP2996494B2 JP 2996494 B2 JP2996494 B2 JP 2996494B2 JP 2206239 A JP2206239 A JP 2206239A JP 20623990 A JP20623990 A JP 20623990A JP 2996494 B2 JP2996494 B2 JP 2996494B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、振動型モータ装置に係り、特に圧電素子等
の電気−機械エネルギー変換素子部の配置と交流電圧の
印加方式に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、振動波モータ等の振動型モータとしては、円環
形状の弾性体に曲げ振動を起こし、摩擦力により移動体
を駆動させるタイプのものが、カメラ用AF機構などで実
用化されている。しかし、リング形状であるため、加圧
機構を含めユニットとしては意外とコスト高であり、中
空を要求されぬモータ用途としてはコスト上不利であ
る。そこで、中実型で、加圧系などの構成が容易なタイ
プのモータとして第10図に示すような振動型モータとし
ての棒状振動波モータが提案されている。
1は先端部の小径軸部1aと後端部の大径軸1bとの間に
径が先端部に向け漸減するホーン形状のホーン部1cを形
成した金属丸棒からなる振動体、2は振動体1の大径軸
部1bと同径の外径に形成された軸心にボルト通し孔を有
する金属丸棒からなる押え体、3及び4は大径軸部1bと
同径の外径に形成された円環形状の圧電素子板、5は圧
電素子板3,4の電極板で、振動体1と押え体2との間
に、電極板5を挟むようにして圧電素子板3,4を配し、
ボルト6により押え体2を振動体1に固定することによ
り、圧電素子板3,4を振動体1と押え体2との間に固定
して振動子Aを構成している。ボルト6はその頭部が円
環状の絶縁体7を介して押え体2に接し、且つ軸部が圧
電素子板3,4及び電極板5と非接触状態に保持されてい
る。
圧電素子板3,4は、片面側に分極方向が互いに異な
り、且つ厚み方向に分極された2つの電極(+電極a、
−電極b)が中心軸線位置に形成された絶縁部dの両側
に対称に形成されると共に、他面側に+電極a、−電極
bの共通電極cが形成されていて、振動子Aの軸線に対
して互いに位置的位相が90゜の角度ずれて配置されてい
る。なお、圧電素子板3の分極電極(+電極a、−電極
b)は導電体である振動体1の後端面に接し、また圧電
素子板4の共通電極cは導電体である押え体2の前端面
に接している。
そして、電極板5と振動子1との間に交流電圧V1を、
また電極板5と押え体2との間に交流電圧V2を印加する
ことにより、圧電素子板3の厚み方向における伸縮変位
による振動と、圧電素子板4の厚み方向における伸縮変
位による振動との合成により振動子Aを振動させる。
交流電圧V1と交流電圧V2とは、第11図に示すように、
振幅及び周波数が共に同じで、時間的位相が90゜のずれ
を有している。
したがって、振動子Aは、軸心を中心とし、縄飛びの
縄のような円運動(以下縄飛び振動と称す)を行なうこ
とになる。また、V1とV2の位相を逆転させることによ
り、円運動の正逆回転が可能となる。なお、この円運動
が生じる原理については、公知であるので説明は省略す
る。
第3図に示す様にロータRは、振動子Aの軸心lと同
軸に嵌合し、ロータRの内径部の後端部(以下摩擦接触
部と称す)Rbを摺動部Bに対応する位置まで延出し、摩
擦接触部Rbをホーン部1cの摺動部Bに当接させている。
該ホーンは軸方向の加圧力を受ける事で、摺動部Bにお
いて適切な摩擦力を得るため設けられている。そして、
この摺動部Bは振動体1において、縄飛び振動の節以外
の場所となっている。
ロータRの内径部Raの内径は、低摩擦係数の部材Rdを
介して、振動体1において縄飛び振動の節の位置に接す
る構造になっており、摺動部B以外で生じる振動に対し
て接触して音を発生するのを防ぐため、ロータRには逃
げRcが設けられている。
ロータRの摩擦接触部Rbは、摺動部Bの外周形状と合
致する内径が漸増する形状に拡開し、振動体1の縄飛び
運動時に摺動部Bと面接触する。
ロータRは、例えば不図示のスラストベアリングを介
して不図示のバネ等により第3図中央印方向に押され
て、前述の適切な漸増形状を有する摺動部により摩擦接
触部Rbと摺動部Bとの接触部に所定の摩擦力を発生さ
せ、また該スラストベアリングにより軸方向の回転が許
容されている。
以上の構造よりロータRの摩擦接触部Rbに振動体1の
振動が回転力となり伝わり、ロータRを回転させること
ができる。また、電圧V1とV2の位相差を逆転させること
により、正逆回転が可能となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような振動波モータ等の振動型モータに印加する
交流電圧の大きさは、移動体Rが移動可能となるに十分
な大きさ、通常は数10Vp−p以上が必要であり、電源を
市販されているような乾電池とする小型機器に用いる場
合には、電圧を昇圧する手段、例えばトランスなどが必
要であるという問題を有している。
本出願に係る発明の目的は、このような問題を解決
し、低電圧でも特に電圧を昇圧する手段を必要とせずに
十分な駆動を行える振動型モータ装置を提供しようとす
るものである。
〔課題を解決するための手段〕
本出願に係る発明の目的を実現する第1の構成は、平
板形状の電気−機械エネルギー変換素子部を振動体に対
して複数重ね合わせ方向に配設し、各電気−機械エネル
ギー変換素子部に交流電圧を印加して駆動力を得る振動
型モータ装置において、前記電気−機械エネルギー変換
素子部を挟み込んで対向する電極間に180゜位相が異な
る第1の交流電圧を印加するとともに、該第1の交流電
圧が印加される電気−機械エネルギー変換素子部の表面
に対して表面が対向する電気−機械エネルギー変換素子
部を挟み込んで対向する電極間に前記第1の交流電圧と
は位相が異なり、かつ前記電極間に印加される位相とし
て180゜位相差を有する第2の交流電圧を印加し、更
に、前記第1の交流電圧が印加される電極と第2の交流
電圧が印加される電極間に絶縁部材を配設したことを特
徴とするものである。
本出願に係る発明の目的を実現する第2の構成は、平
板形状の電気−機械エネルギー変換素子部を振動体に対
して複数重ね合わせ方向に配設し、各電気−機械エネル
ギー変換素子部に交流電圧を印加して駆動力を得る振動
型モータ装置において、交流電圧を形成する第1の交流
信号源と、該第1の交流信号源とは位相が180゜異なる
交流電圧を形成する第2の交流信号源と、前記電気−機
械エネルギー変換素子部を挟み込んで対向する第1と第
2の電極の内第1の電極に前記第1の交流信号源の出力
を印加し、第2の電極に前記第2の交流信号源の出力を
印加するとともに、該電気−機械エネルギー変換素子部
の表面に対して表面が対向する電気−機械エネルギー変
換素子部を挟み込んで対向する第3と第4の電極の内第
3の電極に前記1の交流信号源の出力を印加し、第4の
電極に前記第2の交流信号源の出力を印加し、更に、前
記第2と第3の電極間に絶縁部材を配設したことを特徴
とするものである。
本出願に係る発明の目的を実現する第3の構成は、平
板形状の電気−機械エネルギー変換素子部を振動体に対
して複数重ね合わせ方向に配設し、各電気−機械エネル
ギー変換素子部に交流電圧を印加して駆動力を得る振動
型モータ装置において、交流電圧を形成する第1の交流
信号源と、該第1の交流信号源とは位相が180゜異なる
交流電圧を形成する第2の交流信号源と、前記電気−機
械エネルギー変換素子部を挟み込んで対向する第1と第
2の電極の内第1の電極に前記第1の交流信号源の出力
を印加し、第2の電極に前記第2の交流信号源の出力を
印加するとともに、前記第2の電極の表面に対して表面
が対向する電気−機械エネルギー変換素子部の反対側の
表面に設けられた第3の電極に前記第1の交流信号源の
出力を印加したことを特徴とするものである。
〔作用〕
上記した第1の構成では、第1図の実施例1に示すよ
うに、重ね合わせ方向に設けられた各電気−機械エネル
ギー変換素子部の両側に180゜位相の異なる交流電圧
を、各電気−機械エネルギー変換素子部に印加される交
流電圧として位相が異なる状態で印加される。その際、
各電気−機械エネルギー変換素子部の電極間に絶縁部材
を配し、各電気−機械エネルギー変換素子部の両側の電
極に180゜位相が異なる電圧を印加し、更に各素子部に
印加される電圧の位相を異ならせた。
上記した第2の構成では、第4図の実施例2に示すよ
うに、重ね合わせ方向に設けられた各電気−機械エネル
ギー変換素子部の両側に180゜位相の異なる交流電圧を
印加させる。その際、各電気−機械エネルギー変換素子
部の電極間に絶縁部材を配し、各電気−機械エネルギー
変換素子部の両側の電極に180゜位相が異なる電圧を印
加し、更に第1と第2の信号源からの電圧で上記のよう
に各電気−機械エネルギー変換素子部に180゜位相が異
なる電圧を印加させる電極の構成とした。
上記した第3の構成では、第5図の実施例3に示すよ
うに、重ね合わせ方向に設けられた各電気−機械エネル
ギー変換素子部の両側に180゜位相の異なる交流電圧を
印加させる。その際、上記第2の構成では、各電気−機
械エネルギー変換素子部の間に絶縁部材を設けている
が、この第3の構成では絶縁部材を設けることなく、各
電気−機械エネルギー変換素子部それぞれに180゜位相
差の電圧を印加させるために、第2の電極を2つの電気
−機械エネルギー変換素子部の電圧を印加する電極に兼
用させ、電極の数を少なくした。
〔実 施 例〕
実施例1 第1図は本発明による振動型モータ装置の実施例1の
分解斜視図である。
1は先端部の小径軸部1aと後端部の大径軸部1bとの間
に径が先端部に向け漸減するホーン形状のホーン部1cを
形成した金属丸棒からなる振動体、2は振動体1の大径
軸部1bと同径の外径に形成された軸心にボルト通し孔を
有する金属丸棒からなる押え体、3及び4は大径軸部1b
と同径の外径に形成された円環形状の圧電素子板、5は
圧電素子板3の電極板、9は圧電素子板4の電極板、7
・8はテフロンシートなどの絶縁板で、振動体1と押え
体2との間に、電極板5および9と絶縁板8を挟むよう
にして圧電素子板3,4を配し、ボルト6により押え体2
を振動体1に固定することにより、圧電素子板3,4を振
動体1と押え体2との間に固定して振動子Aを構成して
いる。ボルト6はその頭部が円環状の絶縁板7を介して
押え体2に接し、且つ軸部が圧電素子板3,4及び電極板
5と非接触状態に保持されている。
圧電素子板3,4は、片面側に分極方向が互いに異な
り、且つ厚み方向に分極された2つの電極(+電極a,−
電極b)が中心軸線位置に形成された絶縁部dの両側に
対称に形成されると共に、他面側に+電極a、−電極b
の共通電極cが形成されていて、振動子Aの軸線に対し
て互いに位置的位相が90゜の角度ずれて配置されてい
る。なお、圧電素子板3の分極電極(+電極a,−電極
b)は導電体である振動体1の後端面に接し、圧電素子
板3の共通電極cは電極板5に接する。また圧電素子板
4の分極電極(+電極a,−電極b)は電極板9に接し、
圧電素子板4の共通電極cは導電体である押え体2の前
端面に接している。
そして振動体1に交流電圧V3を、電極板5に交流電圧
V4を印加することにより、圧電素子板3に(V3−V4)な
る電圧を印加する。また電極板9に交流電圧V5を、押え
体2に交流電圧V6を印加することにより、圧電素子板4
に(V5−V6)なる電圧を印加する。
交流電圧V3と交流電圧V5とは、第2図に示すように、
振幅及び周波数が共に同じで、時間的位相が90゜のずれ
を有している。
さらに交流電圧V4と交流電圧V6は、第2図に示すよう
に振幅及び周波数が共に交流電圧V3・V5と同じで、それ
ぞれ交流電圧V3・交流電圧V5を反転した(時間的位相が
180゜ずれた)交流電圧となっている。したがって圧電
素子板3には、(V3−V4)=2V3なる電圧が印加される
ことになり、また圧電素子板4には、(V5−V6)=2V5
なる電圧が印加されることになり、電源から発生しうる
交流電圧の2倍の大きさの電圧を圧電素子板に印加する
ことが可能となる。
このような電圧印加方法によって振動子Aは軸心を中
心とし、縄飛びの縄のような円運動を行なうことにな
る。また振動体1に交流電圧V5、電極板5に交流電圧
V6、電極板9に交流電圧V3、押え体2に交流電圧V4を夫
々印加することにより、円運動の逆回転も可能となる。
なお、この円運動が生じる原理については、公知である
ので説明は省略する。
第3図に示す様にロータRは、振動子Aの軸心lと同
軸に嵌合し、ロータRの内径部の後端部(以下摩擦接触
部と称す)Rbを摺動部Bに対応する位置まで延出し、摩
擦接触部Rbをホーン部1cの摺動部Bに当接させている。
該ホーン部は軸方向の加圧力を受ける事で、摺動部Bに
おいて適切な摩擦力を得るため設けられている。そし
て、この摺動部Bは振動体1において、縄飛び振動の節
以外の場所となっている。
ロータRの内径部Raの内径は、低摩擦係数の部材Rbを
介して、振動体1において縄飛び振動の節の位置に接す
る構造になっており、摺動部B以外で生じる振動に対し
て接触して音を発生するのを防ぐため、ロータRには逃
げRcが設けられている。
ロータRの摩擦接触部Rbは、摺動部Bの外周形状と合
致する内径が漸増する形状に拡開し、振動体1の縄飛び
運動時に摺動部Bと面接触する。
ロータRは、例えば不図示のスラストベアリングを介
して不図示のバネ等により第3図中矢印方向に押され
て、前述の適切な漸増形状を有する摺動部により摩擦接
触部Rbと摺動部Bとの接触部に所定の摩擦力を発生さ
せ、また該スラストベアリングにより軸方向の回転が許
容されている。
以上の構造よりロータRの摩擦接触部Rbに振動子Aの
振動が回転力となって伝わり、ロータRを回転させるこ
とができ、棒状の超音波モータMを成立させる。また、
前述した円運動を逆回転させる方向により、ロータの正
逆回転が可能となる。
本実施例では前述したように、電極板と絶縁板の枚数
を増やすだけの、接着などを要しない簡単な変更により
電源から発生しうる交流電圧の2倍の大きさの電圧を圧
電素子板に印加することが可能となるため、従来の1/2
の大きさの交流電圧で従来と同等のモータ特性(回転数
・トルク)を得ることが可能となった。
第12図は、本発明による第1の実施例のモータを使用
して光学レンズの鏡筒を駆動する場合の構成例である。
112はロータRと同軸的に接合された歯車で、回転出
力を歯車113に伝達し、歯車113と噛み合う歯車をもった
鏡筒114を回転させる。
ロータRおよび鏡筒114の回転位置、回転速度を検出
するために、光学式エンコーダスリット板115が歯車113
と同軸に配置され、フォトカプラ116で位置速度を検出
する。なおロータRはバネポスト109およびボルトに付
けられたバネポスト100間のバネ111により振動体1に加
圧接触させ、さらに軸受110により回転可能としてい
る。
実施例2 第4図は本発明による振動型モータ装置の実施例2の
分解斜視図である。この実施例は、圧電素子板を実施例
1の倍である4枚用いた実施例であり、図中に示した符
号のうち第1図に示す符号と同じものは実施例1と同様
の機能・作用を有する。第4図に示したように絶縁板8
と電極板9との間に、電極板10・圧電素子板3′・電極
板5′・絶縁板8′を設けている。圧電素子板3′の配
置の方向は圧電素子板3と同様になっており、後端面側
に共通電極cかつ絶縁部dの中心軸線が圧電素子板3に
おけるそれと同方向となるように配置されている。そし
て振動体1と電極板10に交流電圧V3、電極板5・5′に
交流電圧V4を印加することにより、圧電素子板3′には
圧電素子板3と同様の電界が生じ圧電素子板3と同様の
力を発生する。
また、圧電素子板4と押え体2の間には、電極板11・
絶縁板12・電極板9′・圧電素子板4′が設けられてい
る。圧電素子板4′の配置の方向は、圧電素子板4と同
様になっており、後端面側に共通電極cが形成されると
共に、絶縁部dの中心軸線が圧電素子板4におけるそれ
と同方向(圧電素子板3の絶縁部dの中心軸線とは90
゜)となるように配置されている。そして電極板9・
9′に交流電圧V5、電極板11と押え体2に交流電圧V6
印加されることにより、圧電素子板4′には圧電素子板
4と同様の電界が生じ、圧電素子板4と同様の力を発生
する。
以上のように圧電素子板枚数を第1図に示した実施例
1の2倍としたため、実施例1の約2倍の力を発生す
る。言いかえれば実施例1における交流電圧の約1/2の
大きさの交流電圧(従来例の約1/4)で実施例1や従来
例と同等のモータ特性(回転数・トルク)を得ることが
可能となった。
なお実施例2では圧電素子板の枚数を実施例1の2倍
としたが、2倍に限るものではなく、同様の方法で3
倍,4倍……としても良い。
実施例3 第5図(a),(b)は本発明による振動型モータ装
置の実施例3の分解斜視図である。なお、第5図(b)
は第5図(a)と斜視方向を逆方向としている。本実施
例は第4図に示した実施例2における圧電素子板3′お
よび4′の向き(表・裏)を逆にした実施例であり、第
5図(a),(b)に示したとおり圧電素子板3′の前
端面側を共通電極cとし、後端面側の+電極aが圧電素
子板3の+電極aと同じ側となるように絶縁部dの中心
軸線を圧電素子板3のそれと同方向としている。また圧
電素子板4′の前端面側を共通電極cとし、後端面側の
+電極aが圧電素子板4の+電極aと同じ側となるよう
に絶縁部dの中心軸線を圧電素子板4のそれと同方向と
している。そして振動体1および電極板13に交流電圧V3
を、電極板5に交流電圧V4、電極板9および押え体2に
交流電圧V5、電極板14に交流電圧V6を夫々印加すること
により、第4図に示した実施例2と同様の特性が得られ
る。
以上のような圧電素子板の配置により、実施例2と比
較して電極板2枚および絶縁体2枚を少なくすることが
できる。
実施例2.3において圧電素子板の枚数や電極板の配置
方法を実施例1と異なる例を示したが、圧電素子板の枚
数や電極板の配置方法は以上に限るものではない。
実施例4 第6図(a),(b)は本発明による振動型モータ装
置の実施例4の分解斜視図である。
なお、第6図(b)は第6図(a)と斜視方向を逆方
向としている。
21・24・27はテフロンシートなどの絶縁板、22e・22f
・22e′・22f′はそれぞれ圧電素子板23の電極e・f・
e′・f′に交流電圧を印加するための電極板、25e・2
5f・25e′・25f′はそれぞれ圧電素子板26の電極e・f
・e′・f′に交流電圧を印加するための電極板であ
り、22eと22f・22e′と22f′・25eと25f・25e′と25f′
は導通しないように間隔を有して配置される。なお符号
eとe′・fとf′はそれぞれ対向する電極である。圧
電素子板23・26は全領域にわたって一様に同一厚さ方向
に分極されていて、電極の設けていない絶縁部dの中心
軸線が、互いにほぼ軸心を中心に90゜ずれた位置に配置
される。
以上の構成で電極板22eと22f′に交流電圧V3,電極板2
2fと22e′に交流電圧V4、電極板25eと25f′に交流電圧V
5,電極板25fと25e′に交流電圧V6をそれぞれ印加するこ
とにより、圧電素子板23の厚み方向における伸縮変位に
よる振動と、圧電素子板26の厚み方向における伸縮変位
による振動との合成により振動子Aを振動させ、公知の
原理によりロータRを回転させる。
圧電素子板23・26の分極方法および電極形成方法とし
ては、圧電素子板23・26の両面とも全面に分極用電極を
設け、公知の方法により分極を行ない、それぞれの分極
用電極の中心軸近傍であるdおよびd′の部分をエッチ
ング等によって除いて電極e・f・e′・f′を形成し
ても良いし、あらかじめ電極e・f・e′・f′を設
け、これらの電極を用いて公知の方法で分極を行なって
も良い。
前述した各実施例1〜3における圧電素子板では、中
心軸で2分割された一対の領域の分極方向を逆とするた
め、この一対の領域に正逆符号の異なる電圧を印加して
同時に分極する場合、領域の境界における高電圧による
リーク防止のために絶縁部の幅をある程度大きくしなけ
ればならず、またこの領域の境界付近では分極時に厚み
方向ではなく横方向の電界が強くなって所望の厚み方向
の分極が得られず、このような理由により圧電素子が有
効に作用する面積が小さくなる、という欠点があった。
また、一対の領域を同時ではなく個別に分極を行なう場
合にはこの欠点は解消されるが、分極の工程が倍になり
複雑になるという欠点が生ずる。本実施例では圧電素子
板全面にわたっで同一厚み方向とするため、以上に述べ
た欠点が無い。
以上のように、本実施例は従来例の1/2以下の大きさ
の交流電圧で従来例と同等以上の性能を得ることが可能
となった。
実施例5 第7図(a),(b)は本発明による実施例5の分解
斜視図である。なお、第7図(b)は第7図(a)と斜
視方向を逆方向としている。本実施例は実施例4の電極
板22e′・22f′と絶縁体24の間および電極板25e′・25
f′と絶縁板27の間に、それぞれ図に示したように圧電
素子板28と電極板29e・29f、圧電素子板30と電極板31e
・31fをさらに加え、実施例4の2倍である4枚の圧電
素子板を用いることにより、実施例4のさらに1/2の大
きさの交流電圧で同等の特性が得られるようにした実施
例である。圧電素子板28、30は圧電素子板23,26と同様
に全面にわたって同一厚み方向に分極されている。そし
て圧電素子板28,30は前端面側が一つの電極である電極
e′・f′となる向きで、かつ圧電素子板28の電極e′
が電極板22e′、電極f′が電極22f′、電極eが電極板
29e、電極fが電極い板29fに、又圧電素子板30は、圧電
素子板30の電極e′が電極板25e′、電極f′が電極25
f′、電極eが電極板31e、電極fが電極板31fに夫々接
するように配置される。圧電素子板28および30の絶縁部
dの中心軸線はそれぞれ圧電素子板23および26と同方向
である。
このような圧電素子板及び電極板の配置において、電
極板22eと22f′と29eに交流電圧V3、電極板22fと22e′
と29fに交流電圧V4、電極板25eと25f′と31eに交流電圧
V5、電極板25fと25e′と31fに交流電圧V6を夫々印加す
ることによって、圧電素子板28と30はそれぞれ圧電素子
板23および26と同様の厚み方向における伸縮変位による
振動を発生する。すなわち圧電素子板23・28の厚み方向
における伸縮変位による振動と、圧電素子板26・30の厚
み方向における伸縮変位による振動の合成により、振動
子Aは軸心を中心とした縄飛びの縄のような円運動を行
なうことになり、公知の方法によりロータが回転する。
以上のように本実施例は従来例の1/4以下の大きさの
交流電圧で従来例と同等以上の性能を得ることが可能と
なった。
なお、電極板の形状や配線方法は以上に限るものでは
なく、実際にモータを用いる場合の実装形態やモータの
組み立てやすさに応じて他の形状・方法であっても良
い。例えば第6図における電極板22fと22e′には同じ交
流電圧V4を印加するので、電極板22f・22e′のかわり
に、第8図に示した電極板32を用い、電極板部32bを第
6図における電極22fの位置に、折り曲げ部32cを折り曲
げて電極板部32dを第6図における22e′の位置に夫々配
置し、端子部32aから交流電圧V4を印加するというよう
な電極板形状・配線方法であっても良い。同様の方法を
電極板22eと22f′、25eと25f′、25fと25e′にも用いる
ことができる。また第7図における電極板22fと22e′と
29fには同じ交流電圧V4を印加するので、電極板22f・22
e′・29fの代わりに、第9図に示した電極板33を用い、
折り曲げ部33c、33eを夫々折り曲げて電極板部33bを第
7図における電極板22fの位置に、電極板部33dを第7図
における電極板22e′の位置に、電極板部33eを第7図に
おける電極板29fの位置に夫々配置し、端子部33aから交
流電圧V4を印加するというような電極板形状・配線方法
であっても良い。同様の方法を電極板22eと22f′と29
e、25eと25f′と31e、25fと25e′と31fにも用いること
ができる。
第8図第9図の電極板とも例えば0.1mm程度の厚さの
リン青銅を用いれば折り曲げることは容易である。
なお、本実施例4・5において、全面にわたって同一
厚み方向に分極された圧電素子板を用いた場合の例を示
したが、圧電素子板の枚数や電極板の配置方法は以上に
限るものではない。
〔発明の効果〕
請求項1、2、3に係る発明によれば、従来印加して
いた電圧の半分の電圧で同等の性能を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による振動型モータ装置の実施例1を示
す分解斜視図、第2図はその圧電素子に印加する交流電
圧の波形図、第3図はその組付状態を示す一部切欠側面
図、第4図は実施例2の分解斜視図、第5図(a),
(b)は実施例3の分解斜視図、第6図(a),(b)
は実施例4の分解斜視図、第7図(a),(b)は実施
例5の分解斜視図、第8図、第9図は夫々電極板の展開
状態を示す図である。第10図は従来の振動型モータとし
ての棒状振動波モータの分解斜視図、第11図はその圧電
素子に印加する交流電圧の波形図である。第12図は実施
例1のモータを用いたレンズ駆動機構を示す図である。 1……振動体、2……押え体 3・4……圧電素子板、5……電極板 6……ボルト、7・8……絶縁板 9……電極板、A……振動子 10・11……電極板、12……絶縁板 13・14……電極板、21……絶縁板 22e・22f・22e′・22f′……電極板 23……圧電素子板、24……絶縁板 25e・25f・25e′・25f′……電極板 26……圧電素子板、27……絶縁板 28……圧電素子板、29e・29f……絶縁板 30……圧電素子板、31e・31f……電極板 32・33……電極板
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02N 2/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平板形状の電気−機械エネルギー変換素子
    部を振動体に対して複数重ね合わせ方向に配設し、各電
    気−機械エネルギー変換素子部に交流電圧を印加して駆
    動力を得る振動型モータ装置において、 前記電気−機械エネルギー変換素子部を挟み込んで対向
    する電極間に180゜位相が異なる第1の交流電圧を印加
    するとともに、該第1の交流電圧が印加される電気−機
    械エネルギー変換素子部の表面に対して表面が対向する
    電気−機械エネルギー変換素子部を挟み込んで対向する
    電極間に前記第1の交流電圧とは位相が異なり、かつ前
    記電極間に印加される位相として180゜位相差を有する
    第2の交流電圧を印加し、更に、前記第1の交流電圧が
    印加される電極と第2の交流電圧が印加される電極間に
    絶縁部材を配設したことを特徴とする振動型モータ装
    置。
  2. 【請求項2】平板形状の電気−機械エネルギー変換素子
    部を振動体に対して複数重ね合わせ方向に配設し、各電
    気−機械エネルギー変換素子部に交流電圧を印加して駆
    動力を得る振動型モータ装置において、 交流電圧を形成する第1の交流信号源と、該第1の交流
    信号源とは位相が180゜異なる交流電圧を形成する第2
    の交流信号源と、前記電気−機械エネルギー変換素子部
    を挟み込んで対向する第1と第2の電極の内第1の電極
    に前記第1の交流信号源の出力を印加し、第2の電極に
    前記第2の交流信号源の出力を印加するとともに、該電
    気−機械エネルギー変換素子部の表面に対して表面が対
    向する電気−機械エネルギー変換素子部を挟み込んで対
    向する第3と第4の電極の内第3の電極に前記1の交流
    信号源の出力を印加し、第4の電極に前記第2の交流信
    号源の出力を印加し、更に、前記第2と第3の電極間に
    絶縁部材を配設したことを特徴とする振動型モータ装
    置。
  3. 【請求項3】平板形状の電気−機械エネルギー変換素子
    部を振動体に対して複数重ね合わせ方向に配設し、各電
    気−機械エネルギー変換素子部に交流電圧を印加して駆
    動力を得る振動型モータ装置において、 交流電圧を形成する第1の交流信号源と、該第1の交流
    信号源とは位相が180゜異なる交流電圧を形成する第2
    の交流信号源と、前記電気−機械エネルギー変換素子部
    を挟み込んで対向する第1と第2の電極の内第1の電極
    に前記第1の交流信号源の出力を印加し、第2の電極に
    前記第2の交流信号源の出力を印加するとともに、前記
    第2の電極の表面に対して表面が対向する電気−機械エ
    ネルギー変換素子部の反対側の表面に設けられた第3の
    電極に前記第1の交流信号源の出力を印加したことを特
    徴とする振動型モータ装置。
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