JP2996107B2 - 計 器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、計器、詳しくは、発光
素子からの光により発光する指針と、ランプからの光に
より発光する文字板と、指針及び文字板を覆うスモーク
ガラスとを有する車両用速度計等の計器に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の計器は、発光素子及びランプに
電源が供給されていない消灯時には、スモークガラスの
低い透過率を利用して指針及び文字板が外部から見えな
いようにし、一方、昼夜を問わず点灯時には、指針及び
文字板が浮かび上がって見えることを特徴としている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、発光素子及び
ランプの光度に限界があるため、スモークガラスの透過
率にも限界があり、このため、外光が強い場合に、外光
がスモークガラスを透過し、指針及び文字板が外部から
見える結果となり、上記のような特徴を十分に活かすこ
とが難しいという問題があった。

【０００４】本発明は、上記問題点を解決し、外光が強
い場合であっても指針又は文字板が外部から見えないよ
うにして、その特徴を十分に活かすことができる計器を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明による計器は、発
光素子からの光により発光する指針と、ランプからの光
により発光する文字板と、前記指針及び文字板を覆うス
モークガラスとを有する計器において、前記指針又は文
字板のいずれか一方又は両方の表面反射特性のピーク波
長を、前記スモークガラスの透過率の低い波長に合致さ
せるよう設定したことを特徴とする。

【０００６】

【０００７】

【０００８】

【０００９】

【発明の作用】 本発明の計器において 、指針又は文字板
のいずれか一方又は両方の表面反射特性のピーク波長
が、スモークガラスの透過率の低い波長に合致している
ため、上記ピーク波長付近の外光成分については、スモ
ークガラスを透過して指針又は文字板に到達する光量は
少なくなり、また、上記ピーク波長付近から外れた外光
成分については、スモークガラスを透過する光量が多く
ても指針又は文字板の表面で反射されなくなる。

【００１０】

【００１１】

【００１２】

【００１３】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１４】図１は、一実施例に係る計器の構成を概略
的に示している。

【００１５】図１において、１は指針、２は文字板、３
はスモークガラスを表している。

【００１６】指針１は、ポリカーボネート又はアクリル
樹脂等による透明樹脂成形品である。指針１の下面に
は、ホットスタンプ等により着色された着色面４（図
２）が設けられている。また、指針１の上面及び両側面
には、印刷、蒸着又はスパッタリング等により作成され
た特定波長反射層５（図２）が設けられている。指針１
の基部１ａには、発光素子６、例えばＬＥＤ又はランプ
が配設されている。発光素子６は、指針１下面の着色面
４を照射して指針１を発光させるものである。なお、指
針１の基部１ａは、白色ケース７に取り付けられた内機
８のシャフト９に連結され、指針１は内機８によって回
転される。

【００１７】文字板２は、図３又は図４に示すように構
成されている。図３に示す文字板２は、ポリカーボネー
ト又はアクリル等の透明樹脂によって成形された基板２
１と、この基板２１の上面に印刷、蒸着又はスパッタリ
ング等により形成された特定波長反射層２２と、この特
定波長反射層２２の上面に印刷等により形成された黒色
層２３とからなる。一方、図４に示す文字板２は、ポリ
カーボネート又はアクリル等の透明樹脂によって成形さ
れた基板２１と、この基板２１の上面に印刷等により形
成された黒色層２３と、この黒色層２３及び基板２１の
上面に印刷、蒸着又はスパッタリング等により形成され
た特定波長反射層２２とからなる。

【００１８】文字板２の裏面には、拡散板１０が配設さ
れている。拡散板１０は、ポリカーボネート等の樹脂に
よって作成され、熱かしめ等により文字板２に固定され
ている。拡散板１０は、ケース７に配設されたランプ１
１からの光を拡散して文字板２を裏面側から照射するも
のである。ランプ１１は、キセノンランプ又は冷陰極管
等からなる。

【００１９】スモークガラス３は、指針１及び文字板２
を覆うように黒色見返し板１２又はケース７に固定され
ている。スモークガラス３は、アクリル又はポリカーボ
ネート等の透明樹脂によって成形されている。スモーク
ガラス３は、図５、図６又は図７に示すような波長と透
過率の関係の分光特性をもつように予め設定されてい
る。

【００２０】次に、指針１及び文字板２の各特定波長反
射層５，２２と、スモークガラス３と、発光素子６及び
ランプ１１との関係を、図５及び図６に基づいて説明す
る。

【００２１】図５に示すように、波長４００〜７００ｎ
ｍで透過率が約３０％となり、波長４００ｎｍ以下では
波長の減少に従って透過率が比例的に減少し、波長７０
０ｎｍ以上では波長の増大に従って透過率が比例的に増
大するようスモークガラス３を作成した場合、スモーク
ガラス３の透過率が低い値となる波長２００ｎｍ付近の
光のみを反射するよう、換言すると反射ピーク波長が２
００ｎｍ付近となるように各特定波長反射層５，２２を
作成する。また、発光素子６及びランプ１１は、それぞ
れ発光波長が波長４００〜７００ｎｍの範囲内となるも
のを使用している。

【００２２】このように構成することにより、波長が４
００ｎｍ以下の外光成分に対しては、特定波長反射層
５，２２の反射率が高いものとなるが、スモークガラス
３の透過率が低く、スモークガラス３を透過して指針１
及び文字板２に到達する外光の光量が少ないため指針１
及び文字盤２が外部から見えにくい。一方、波長が４０
０ｎｍ以上の外光成分に対しては、特定波長反射層５，
２２の反射率が０％であるため、指針１及び文字板２は
外部から見えない。従って、消灯時に外光が強い場合に
も、指針１及び文字板２が外部から見えにくいものとな
る。なお、点灯時には、上述したように各特定波長反射
層５，２２の反射ピーク波長が２００ｎｍ付近であり、
また、発光素子６及びランプ１１の各発光波長が４００
〜７００ｎｍの範囲にあることから、各特定波長反射層
５，２２が、指針１及び文字板２の発光を妨げることは
ない。

【００２３】一方、図６に示すように、波長５００ｎｍ
付近で透過率が約２０％と低いスモークガラス３を作成
した場合、反射ピーク波長が５００ｎｍ付近となるよう
に各特定波長反射層５，２２を作成する。

【００２４】このように構成することにより、上述した
図５に示す場合と同様、消灯時に外光が強い場合にも、
指針１及び文字板２が外部から見えにくいものとなる。

【００２５】

【００２６】

【００２７】また、図示を省略したが、他の実施例とし
て、上記特定波長反射層５，２２を廃止し、指針１自体
及び文字板２自体を特定波長を反射する特性を有する材
料で作成するようにしてもよい。

【００２８】

【発明の効果】 本発明の計器によると、 消灯時に外光が
強い場合であっても、指針又は文字板が外部から見えに
くくなり、計器としての特徴を十分に活かすことができ
るようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例に係る計器の概略構成図

【図２】指針の構造を示し、図２(A) は、側面図、図２
(B) は、図２(A) 図示Ｂ−Ｂ線断面図

【図３】文字板の構造を示し、図３(A) は、正面図、図
３(B) は、図３(A) 図示Ｂ−Ｂ線断面図

【図４】他の実施例に係る文字板の断面図

【図５】スモークガラスの透過率と特定波長反射層の反
射率との関係を示すグラフ

【図６】他の実施例に係るスモークガラスの透過率と特
定波長反射層の反射率との関係を示すグラフ

【符号の説明】

１ 指針 ２ 文字板 ３ スモークガラス ４ 着色面 ５，２２ 特定波長反射層 ６ 発光素子 １１ ランプ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G01D 13/28 G01D 11/26 G01D 11/28

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 発光素子からの光により発光する指針
   と、ランプからの光により発光する文字板と、前記指針
   及び文字板を覆うスモークガラスとを有する計器におい
   て、 前記指針又は文字板のいずれか一方又は両方の表面反射
   特性のピーク波長を、前記スモークガラスの透過率の低
   い波長に合致させるよう設定したことを特徴とする計
   器。
2. 【請求項２】 前記表面反射特性は、前記指針又は文字
   板の表面に設けられた特定波長反射層により設定される
   ことを特徴とする請求項１に記載の計器。