JP2995446B2 - 遅延装置及びこれを用いたvtr等の再生搬送色信号のクロストーク除去装置 - Google Patents

遅延装置及びこれを用いたvtr等の再生搬送色信号のクロストーク除去装置

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JP2995446B2 JP5109859A JP10985993A JP2995446B2 JP 2995446 B2 JP2995446 B2 JP 2995446B2 JP 5109859 A JP5109859 A JP 5109859A JP 10985993 A JP10985993 A JP 10985993A JP 2995446 B2 JP2995446 B2 JP 2995446B2
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順弘 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遅延装置及びこれを
用いた、例えばPAL方式VTR(ビデオテープレコー
ダー) 等の再生搬送色信号のクロストーク除去装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、家庭用のVTRではガードバン
ドレスでビデオ信号が記録される。このように記録され
た信号を再生すると、再生低域変換色信号には隣接トラ
ックからのクロストークを生ずる。PAL・VHS方式
のVTRでは、一方のトラックの搬送色信号の位相を9
0°ずつ1H(1水平期間)ごとに切り換える、という
PS処理を施したビデオ信号を記録し、PAL方式色信
号の2Hごとの相関性を利用して、再生色信号の前記し
たクロストークを除去している。
【0003】このような色信号のクロストーク除去装置
として、図6に示すものが知られている。図6におい
て、1は入力端子であり、再生低域変換色信号が入力さ
れる。この再生低域変換色信号は、ガードバンドレス記
録用の色信号処理、例えば前記PS処理が施されてい
る。この入力端子1に入力された再生低域変換色信号
は、周波数変換器である平衡変調器2に入力されて平衡
変調信号に周波数変換され、また前記PS処理等も元に
戻される。前記平衡変調器2から出力された平衡変調信
号は帯域通過フィルター(BPF)3に入力され、平衡
変調信号の下側帯波である4.43MHz付近の信号のみ取り
出されて、これが搬送色信号となる。この搬送色信号は
クロストークが含まれているものである。このクロスト
ークを含む搬送色信号と、この搬送色信号を2H遅延素
子4を通すことにより得られる2H遅延搬送色信号とは
減算器5で減算される。この減算により、PAL方式搬
送色信号における2Hごとの相関性と、再生低域変換色
信号の隣接トラックからのクロストークは2H前の信号
との関係が逆になっていることから、クロストークの除
去された搬送色信号が出力端子6に得られる。
【0004】また、家庭用のVTRの輝度信号に関して
は、1水平期間ごとの相関性を利用したドロップアウト
補償、ライン相関ノイズリダクション等の画像改善が行
なわれている。ドロップアウト補償回路は、再生信号に
ドロップアウトが生じたときに、画像のライン相関性を
1H前の信号で代用させる回路である。信号としては、
再生FM信号系で行なうのが簡単ではあるが、スイッチ
ングノイズ発生の欠点を有することから、現在では復調
後の輝度信号を用いるのが主流である。図7はドロップ
アウト補償回路の一例を示すものである。図7におい
て、7は入力端子であり、再生輝度信号が入力される。
この再生輝度信号は通常スイッチ回路8を通過し、出力
端子10より出力される。このスイッチ回路8を通過し
た再生輝度信号は1H遅延素子9にも入力され、1H遅
延再生輝度信号が得られる。この1H遅延再生輝度信号
は、前記スイッチ回路8のもう一方の入力端子に入力さ
れる。そして、入力端子11から入力されるFM信号
に、ドロップアウト検出器12によってドロップアウト
の存在が検出されると、スイッチ回路8は1H遅延再生
輝度信号を選択して出力する。この出力によりドロップ
アウトの補償がなされる。このドロップアウト補償回路
は閉回路になっているので、1H以上の連続したドロッ
プアウトに対しても、更に1H前の信号により補われ
る。
【0005】ライン相関ノイズリダクション回路は、再
生輝度信号と1H遅延再生輝度信号とのライン相関性が
強いので、両者の差動出力にはライン相関性のないノイ
ズ成分が得られることを利用している。図8はライン相
関ノイズリダクション回路の一例を示すものである。図
8において、13は入力端子であり、再生輝度信号が入
力される。この再生輝度信号は差動増幅器15に入力さ
れると共に1H遅延素子14に入力され、ここで1H遅
延再生輝度信号が得られる。この1H遅延再生輝度信号
は前記のように差動増幅器15に入力されて1H間の差
分出力が得られる。この差分出力はノイズ成分であり、
このノイズ成分はリミッター16に入力されて微小高周
波のノイズのみ取り出され、次の混合器17で前記再生
輝度信号と混合され、出力端子18にはノイズの低減さ
れた輝度信号が得られる。
【0006】また、ビデオカメラの輝度信号またはVT
Rから再生された輝度信号の輪郭補正回路において、水
平輪郭補正にはそれぞれ0.1〜0.5μsの遅延時間の2個
の遅延線を直列接続し、垂直輪郭補正には1H程度の遅
延時間の2個の遅延線を直列接続して用いたものがあ
る。
【0007】さて、上記したドロップアウト補償回路、
ライン相関ノイズリダクション回路等の、共に1H遅延
素子を使用する輝度画質改善回路は、通常同一回路系で
構成されており、1個の1H遅延素子をそれぞれの回路
で共用するのが普通である。このため、現状の殆どのP
AL方式VTRには、少なくとも色信号用の2H遅延素
子及び輝度信号用の1H遅延素子がそれぞれ1個搭載さ
れている。ところで、2H遅延素子は比較的大型であ
り、VTRを小型化する際の阻害要因の一つとなるだけ
でなく、コストも比較的高いものである。従来、このよ
うな2H遅延素子を用いずに、単一の1H遅延素子を用
いて2H遅延された信号を得るものも知られている(特
開平4-37284号公報参照)。このものは、くし型フィル
ターであって、一度1H遅延素子により遅延した信号を
周波数変換して再度前記1H遅延素子に通して遅延させ
るものである。
【0008】図9は、前記くし型フィルターの遅延装置
に関連したところを主に示すものであり、高域通過フィ
ルター20の出力と周波数変換器21で低域に周波数変
換された1H遅延線22の出力とを加算する加算器23
を有し、また1H遅延線22の出力から1H遅延された
信号を取り出す高域通過フィルター24及び1H遅延線
22の出力を高域に周波数変換して低域通過フィルター
26に送る周波数変換器25を有している。入力端子1
9から入力された映像信号は元の周波数で1H遅延線2
2を通過した後に周波数を低域に変換されて再度1H遅
延線22を通過した後、元の周波数に変換される。従っ
て1H遅延線22を2回通過した映像信号が低域フィル
ター26より出力されることになり、また1H遅延線2
2を1回通過した信号及び通過しない信号も得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記PAL方式VTR
等における再生搬送色信号のクロストーク除去装置にお
いて、搬送色信号を2H遅延させるのに、または前記ビ
デオカメラの輝度信号若しくはVTRから再生された輝
度信号の輪郭補正回路において、輝度信号を遅延線の遅
延時間の2倍遅延させるのに、前記公報で公知の技術を
用いると、比較的遅延時間の短い遅延素子、例えば1H
の遅延素子により処理できる。しかし、この遅延素子の
遅延時間の2倍遅延された信号の周波数帯域を元に戻す
ための別の周波数変換器(前記図9では符号25に相当
する)が必要になる。この発明は、上記の欠点を除去
し、遅延素子の遅延時間の2倍遅延された信号の周波数
帯域を元に戻すための別の周波数変換器を必要としない
遅延装置及びこれを用いたVTR等の再生搬送色信号の
クロストーク除去装置を提供することを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの、請求項1の発明の遅延装置は、遅延すべき入力信
号と後述する帯域通過フィルターからの出力信号を加算
する加算器と、この加算器の出力信号が入力される遅延
素子と、この遅延素子の出力信号を2重平衡変調る2
重平衡変調器とを備え、この2重平衡変調器の出力信号
から、前記遅延すべき入力信号を前記2重平衡変調器に
よって2重平衡変調した際に得られる出力信号の側帯
波の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号を前記帯域
通過フィルターにより抽出し、以て、前記2重平衡変調
器からは、前記遅延すべき入力信号が前記遅延素子の遅
延時間の2倍遅延された信号として得られるようにした
ことを特徴とするものである。
【0011】請求項2の発明の遅延装置は、請求項1記
載の遅延装置において、前記2重平衡変調器に入力され
る信号を、前記遅延すべき信号と、この遅延すべき信号
を前記2重平衡変調器により2重平衡変調した際に得ら
れる出力信号の側帯波との、2種の信号の周波数帯域
に相当する周波数帯域の信号のみに帯域制限する第1の
帯域制限手段を設け、前記帯域通過フィルターに代え、
前記遅延すべき入力信号の周波数帯域に相当する周波数
帯域の信号の通過を阻止する第2の帯域制限手段を設け
たことを特徴とするものである。
【0012】また、請求項3の発明の遅延装置は、搬送
色信号及び輝度信号を含む、遅延すべき入力信号と後述
する帯域通過フィルターからの出力信号を加算する加算
器と、この加算器の出力信号をTV信号の1水平期間遅
延する1H遅延素子と、この1H遅延素子の出力信号を
2重平衡変調る2重平衡変調器とを備え、この2重平
衡変調器の出力信号から、前記搬送色信号を前記2重平
衡変調器によって2重平衡変調した際に得られる出力信
号の側帯波の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号
を前記帯域通過フィルターにより抽出し、以て、前記2
重平衡変調器からは、前記搬送色信号が2H遅延された
信号として得られるようになし、かつ、前記1H遅延素
子の出力信号から前記輝度信号の周波数帯域に相当する
周波数帯域の信号を抽出する手段を設けたことを特徴と
するものである。
【0013】請求項4の発明の遅延装置は、請求項3記
載の遅延装置において、前記2重平衡変調器に入力され
る信号を、前記搬送色信号と、この搬送色信号を前記2
重平衡変調器により2重平衡変調した際に得られる出力
信号の側帯波との、2種の信号の周波数帯域に相当す
る周波数帯域の信号のみに帯域制限する第1の帯域制限
手段を設け、前記帯域通過フィルターに代え、前記搬送
色信号の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号の通過
を阻止する第2の帯域制限手段を設けたことを特徴とす
るものである。
【0014】上記の課題を解決するための、この発明の
VTR等の再生搬送色信号のクロストーク除去装置は、
請求項3または請求項4記載の遅延装置を用い、前記2
重平衡変調器の出力信号と前記入力信号中の搬送色信号
とを減算する減算器と、この減算器から得られる信号の
周波数帯域が前記搬送色信号の周波数帯域となるように
通過帯域を制限する他の帯域通過フィルターとを備えた
ことを特徴とするものである。
【0015】
【作用】前記のように構成された請求項1の発明の遅延
装置は、遅延すべき入力信号と前記帯域通過フィルター
からの出力信号が加算器により加算され、この加算器の
出力信号が前記遅延素子により遅延される。この遅延素
子の出力信号は前記2重平衡変調器により2重平衡変調
される。この2重平衡変調器の出力信号から、前記遅延
すべき入力信号を前記2重平衡変調器によって2重平衡
変調した際に得られる出力信号の側帯波の周波数帯域
に相当する周波数帯域の信号が前記帯域通過フィルター
により抽出される。この抽出された信号は前記加算器を
経て前記遅延素子に入力され、遅延された信号は前記2
重平衡変調器により2重平衡変調されるので、前記2重
平衡変調器からは、前記遅延すべき信号が前記遅延素子
の遅延時間の2倍遅延された信号として、かつ遅延前の
元の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号として得ら
れる。
【0016】請求項2の発明の遅延装置は、前記2重平
衡変調器に入力される信号は、前記第1の帯域制限手段
により、前記遅延すべき入力信号と、この遅延すべき入
力信号を前記2重平衡変調器により2重平衡変調した際
に得られる出力信号の側帯波との、2種の信号の周波
数帯域に相当する周波数帯域の信号のみに帯域制限され
る。また、第2の帯域制限手段により、前記遅延すべき
入力信号の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号の通
過が阻止される。この通過の阻止により、抽出された信
号は前記加算器を経て前記遅延素子に入力され、遅延さ
れた信号は前記2重平衡変調器により2重平衡変調され
るので、前記2重平衡変調器からは、前記遅延すべき入
力信号が前記遅延素子の遅延時間の2倍遅延された信号
として、かつ遅延前の元の周波数帯域に相当する周波数
帯域の信号として得られる。
【0017】請求項3の発明の遅延装置は、搬送色信号
及び輝度信号を含む、遅延すべき入力信号と前記帯域通
過フィルターからの出力信号が加算器により加算され、
この加算器の出力信号は前記1H遅延素子によりTV信
号の1水平期間遅延される。1H遅延された信号は前記
2重平衡変調器により2重平衡変調され、この2重平衡
変調器の出力信号から、前記帯域通過フィルターによっ
て、前記搬送色信号を前記2重平衡変調器により2重平
衡変調した際に得られる出力信号の側帯波の周波数帯
域に相当する周波数帯域の信号が抽出される。この抽出
された信号は前記加算器を経て前記1H遅延素子に入力
され、遅延された信号は前記2重平衡変調器により2重
平衡変調されるので、前記2重平衡変調器からは、前記
搬送色信号が2H遅延された信号として、かつ遅延前の
元の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号として得ら
れる。また、1H遅延素子の出力信号から1H遅延した
輝度信号が前記抽出する手段により得られる。
【0018】請求項4の発明の遅延装置は、前記2重平
衡変調器に入力される信号が、前記第1の帯域制限手段
により、前記搬送色信号と、この搬送色信号を前記2重
平衡変調器により2重平衡変調した際に得られる出力信
号の側帯波との、2種の信号の周波数帯域に相当する
周波数帯域の信号のみに帯域制限される。また、前記第
2の帯域制限手段により、前記搬送色信号の周波数帯域
に相当する周波数帯域の信号の通過が阻止される。この
通過の阻止により、抽出された信号は前記加算器を経て
前記1H遅延素子に入力され、遅延された信号は前記2
重平衡変調器により2重平衡変調されるので、前記2重
平衡変調器からは、前記搬送色信号が2H遅延された信
号として、かつ遅延前の元の周波数帯域に相当する周波
数帯域の信号として得られる。また、1H遅延素子の出
力信号から1H遅延した輝度信号が前記抽出する手段に
より得られる。
【0019】前記のように構成された、この発明のVT
R等の再生搬送色信号のクロストーク除去装置は、請求
項3または請求項4記載の遅延装置によって得られる、
前記2重平衡変調器の出力信号と前記遅延すべき入力
号中の搬送色信号とが減算器により減算され、この減算
器から得られる信号の周波数帯域が前記他の帯域通過フ
ィルターにより前記搬送色信号の周波数帯域となるよう
に通過帯域が制限されるので、クロストークの除去され
た搬送色信号が得られる。
【0020】
【実施例】以下に、この発明の一実施例を図1及び図2
について説明する。図1は搬送色信号クロストーク除去
装置のブロック図であり、前記図6と同一符号は同等の
ものを示すので、その詳細な説明は省略する。図2は図
1の各ブロックの出力信号スペクトル波形を示すもので
ある。図1において、50は再生搬送色信号が入力され
る入力端子、51は再生輝度信号が入力される入力端子
である。52は加算器であり、前記入力端子50から入
力される再生搬送色信号と、前記入力端子51から入力
される再生輝度信号と、後述する帯域通過フィルター
(BPF)53から出力される信号とを加算する。54
は1H遅延素子であり、加算器52から出力される信号
を1H遅延させる。55は2重平衡変調器であり、前記
1H遅延素子54より出力される信号により搬送波発振
器56からの搬送波を2重平衡変調するものである。
【0021】前記帯域通過フィルター53は、前記2重
平衡変調器55より出力される信号から、搬送色信号の
周波数帯域に相当する周波数帯域の信号によりこの2重
平衡変調器55で前記搬送波発振器56からの搬送波を
2重平衡変調した際に得られる下側帯波の周波数帯域の
信号のみを通過させる。前記減算器5は入力端子50よ
り入力される再生搬送色信号と、2重平衡変調器55よ
り出力される信号との減算を行なう。57は帯域通過フ
ィルターであり、減算器5より出力される信号から搬送
色信号の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号のみを
通過させる。前記出力端子6は前記帯域通過フィルター
57より出力される、クロストークの除去された色信号
を出力する。58は低域通過フィルター(LPF)であ
り、前記1H遅延素子54より出力される信号から、再
生輝度信号の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号の
みを通過させる。59は前記低域通過フィルター58よ
り出力される信号の出力端子である。
【0022】次に図1のものの動作を、図2をも参照し
ながら説明する。尚、図2において、スペクトル波形の
頭部が円弧状に描かれているのは現在の信号、頭部が角
状に尖っているのは1H過去の信号、また頭部が水平に
なっているのは2H過去の信号であることを表わし、黒
丸は信号波形の方向を表わしている。入力端子50から
は再生搬送色信号が入力される。この入力信号のスペク
トル波形は図2(a)のようであって、再生搬送色信号
の中心周波数は4.43MHzである。この再生搬送色信号を
非遅延搬送色信号と称する。前記入力端子50に前記非
遅延搬送色信号が入力されるのと同時刻に、入力端子5
1には再生輝度信号が入力される。この再生輝度信号は
通常のVTRにおける再生輝度信号の周波数帯域と同様
に、約0〜3MHzの周波数帯域をもつものであり、そのス
ペクトル波形は図2(b)に示すようである。この再生
輝度信号を非遅延輝度信号と称する。
【0023】前記非遅延搬送色信号と非遅延輝度信号と
帯域通過フィルター53からの後記する出力信号とは、
加算器52に入力されて加算される。この加算された信
号のスペクトル波形は図2(c)のようであり、図2
(c)における0〜3MHz付近の信号は前記非遅延輝度信
号、4.43MHz付近の信号は前記非搬送色信号、また(n-4.
43)MHz付近の信号は前記帯域通過フィルター53からの
出力信号にあたるものであり、これについては後記す
る。前記加算器52より出力される、非遅延搬送色信
号、非遅延輝度信号及び(n-4.43)MHz付近の信号は1H
遅延素子54に入力され、1H遅延されて出力される。
この出力信号のスペクトル波形は図2(d)のようであ
る。図2(d)における0〜3MHz付近の信号は、1H遅
延素子54に非遅延輝度信号が入力されたのと同時刻に
おいて1H過去の信号であり、これを1H遅延輝度信号
と称する。4.43MHz付近の信号は1H遅延素子54に非
遅延搬送色信号が入力されたのと同時刻において1H過
去の信号であり、これを1H遅延搬送色信号と称する。
また(n-4.43)MHz付近の信号も図2(c)における(n-4.
43)MHz付近の信号の1H遅延信号である。
【0024】前記1H遅延素子54より出力される信号
は2重平衡変調器55に入力され、搬送波発振器56の
出力である搬送波を2重平衡変調する。この出力信号の
スペクトル波形は図2(e)のようであり、nMHzの搬送
波を2重平衡変調した4.43MHz付近の1H遅延搬送色信
号は、その差である(n-4.43)MHz付近及び和である(n+4.
43)MHz付近に、また(n-4.43)MHz付近の信号は差である
{n-(n-4.43)}MHz=4.43MHz付近及び和である{n+(n-4.4
3)}MHz=(2n-4.43)MHz付近に、また0〜3MHz付近の1H遅
延輝度信号は、その差である(n-0)MHzから(n-3)MHz、つ
まり(n-3)MHzからnMHz付近及び和である(n+0)MHzから(n
+3)MHz、つまりnMHzから(n+3)MHz付近にそれぞれ移動す
る。この2重平衡変調器55より出力される信号は帯域
通過フィルター53により帯域制限され、(n-4.43)MHz
付近の信号のみ取り出される。この(n-4.43)MHz付近の
信号は、前記説明より明かなように、1H遅延搬送色信
号が(n-4.43)MHz付近に周波数変換された信号である。
【0025】さて、前記帯域通過フィルター53から出
力された信号は、前記加算器52に非遅延搬送色信号が
入力されるのと同時刻に入力される。故に、前記加算器
52の出力信号のスペクトル波形を示す図2(c)にお
ける(n-4.43)MHz付近の信号は、1H遅延搬送色信号が
周波数変換された信号であり、図2(d)における(n-
4.43)MHz付近の信号は、1H遅延搬送色信号が周波数変
換され、更に1H遅延された信号である。この信号を2
H遅延変調信号と称する。この2H遅延変調信号は2重
平衡変調器55により図2(e)における4.43MHz付近
の信号に周波数変換されている。この図2(e)におけ
る4.43MHz付近、即ち搬送色信号の周波数帯域に相当す
る周波数帯域の信号は非遅延搬送色信号に対して2H遅
延した信号と同等の信号である。この信号を2H遅延搬
送色信号と称する。
【0026】前記図2(e)に示す、2重平衡変調器5
5からの信号は減算器5に入力され、同時刻に入力され
る入力端子50よりの非遅延搬送色信号と減算される。
この減算器5の出力信号のスペクトル波形は図2(g)
のようであり、4.43MHz付近の信号は非遅延搬送色信号
と2H遅延搬送色信号とを減算したもの、つまりクロス
トーク除去された色信号である。この減算器5より出力
された信号は帯域通過フィルター57により搬送色信号
の周波数帯域の信号、即ちクロストークの除去された色
信号のみが取り出され、これが出力端子6に出力され
る。前記1H遅延素子54より出力される信号は低域通
過フィルター58にも入力され、輝度信号の周波数帯域
に相当する周波数帯域の信号、即ち1H遅延輝度信号の
みが取り出され、これが出力端子59に出力される。
【0027】図3は他の実施例を示す搬送色信号クロス
トーク除去装置のブロック図であり、前記図1と同一符
号は同等のものを示すので、その詳細な説明は省略す
る。図4は図1の実施例に対して図3の実施例の場合に
異なるところに関しての、ブロックの出力信号スペクト
ル波形を示すものである。図3の実施例では、2重平衡
変調器55に入力される信号を予め帯域通過フィルター
60により制限し、図4(d1)に示すように、搬送色
信号の周波数帯域に相当する信号、及びこの信号を2重
平衡変調器55により2重平衡変調した際に得られる下
側帯波の周波数に相当する周波数の信号としている。上
記の処理により、図1の実施例における帯域通過フィル
ター53に代え、搬送色信号の周波数帯域に相当する周
波数帯域の信号のみの通過を阻止するトラップ61等の
帯域制限手段を用いることができる。
【0028】尚、前記図1において、帯域通過フィルタ
ー53の通過帯域を、再生搬送色信号及び再生輝度信号
の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号を2重平衡変
調器55で変調したときの下側帯波の周波数帯域に相当
する周波数帯域とすれば、2重平衡変調器55の出力よ
り、再生搬送色信号と同様にして、2H遅延した再生輝
度信号を得ることもできる。また、図3において、帯域
通過フィルター60の通過帯域を搬送色信号の周波数帯
域に相当する信号、及びこの信号を2重平衡変調器55
により2重平衡変調した際に得られる下側帯波の周波数
に相当する周波数の信号、並びに輝度信号の周波数帯域
に相当する信号、及びこの信号を2重平衡変調器55に
より2重平衡変調した際に得られる下側帯波の周波数に
相当する周波数の信号とし、かつ前記トラップ61を搬
送色信号の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号及び
輝度信号の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号のみ
の通過を阻止するものとすれば、2重平衡変調器55の
出力より、再生搬送色信号と同様にして、2H遅延した
再生輝度信号を得ることができる。
【0029】図1または図3において、前記搬送波発振
器56より出力される搬送波の周波数はnは、この搬送
波が前記2重平衡変調器55において搬送色信号の周波
数帯域に相当する周波数帯域の信号により2重平衡変調
後、帯域通過フィルター53またはトラップ61により
帯域制限され加算器52に入力される信号が、同じく加
算器52に入力される再生搬送色信号及び再生輝度信号
のそれぞれの周波数帯域に相当する周波数帯域と重複し
ない周波数に設定する。
【0030】上記説明は、入力端子50に再生搬送色信
号を入力する場合であるが、この再生搬送色信号に代
え、再生低域変換色信号を高域に平衡変調して得られ
る、再生搬送色信号を含んだ再生平衡変調信号を入力す
る場合には、前記搬送波発振器56より出力される搬送
波の周波数nMHzを、この搬送波が前記2重平衡変調器5
5において搬送色信号の周波数帯域に相当する周波数帯
域の信号により2重平衡変調された後、帯域通過フィル
ター53またはトラップ61により帯域制限され加算器
52に入力される信号が、同じく加算器52に入力され
る再生平衡変調信号及び再生輝度信号のそれぞれの周波
数帯域に相当する周波数帯域と重複しない周波数に設定
すれば、上記再生搬送色信号を入力する場合と同様の効
果が得られる。
【0031】上記図1または図3では、出力端子6にク
ロストークの除去された色信号のみを得るための手段と
して、帯域通過フィルター57を減算器5の後段に設け
たが、必ずしもこの後段に設ける必要はなく、例えば入
力端子50に再生搬送色信号が入力される場合であれ
ば、図5(a)のように前記2重平衡変調器55と減算
器5との間に、前記帯域通過フィルター57と同様の帯
域通過フィルター62を設けても同様の効果が得られ
る。
【0032】また、入力端子1に再生平衡変調信号が入
力される場合であれば、図5(b)のように前記帯域通
過フィルター62の他にこの帯域通過フィルター62と
同様の帯域通過フィルター63を入力端子50と減算器
5との間に設けてもよく、図5(c)のように前記帯域
通過フィルター63を入力端子50と減算器5との間に
設け、かつ前記帯域通過フィルター57を減算器5と出
力端子6との間に設けても同様の効果が得られる。
【0033】尚、前記図5(b)または(c)のように
構成して、入力端子50に再生平衡変調信号を入力する
場合には、前記帯域通過フィルター63と減算器5との
間よりクロストーク除去処理の行なわれていない再生搬
送色信号を取り出すことができ、この信号を周知のよう
にVTR等に用いられている色信号のAPC回路用信号
とすることもできる。また、図1または図3において、
1H遅延素子54の出力より搬送色信号の周波数帯域に
相当する周波数帯域の信号を取り出せば、これは1H遅
延搬送色信号である。また、図1または図3において、
2重平衡変調器55のの信号リークが大きく、これが問
題となるときには、同様の2重平衡変調器を2個に増や
し、それぞれに別の帯域制限を分けるようにすることが
望ましい。また、図1または図3において、各帯域制限
手段及び変調器による遅延及び振幅変化の影響がある場
合には、減算器5における減算において、非遅延搬送色
信号と2H遅延搬送色信号の振幅、位相を合わせるよう
な調整手段を設けることが望ましい。
【0034】上記図1または図3の実施例では、この発
明の遅延装置をVTR等の再生搬送色信号のクロストー
ク除去装置に用いたものを説明したが、この発明の遅延
装置は、前記のクロストーク除去装置に限られず、例え
ば前記従来例で説明した輪郭補正回路の水平輪郭補正ま
たは垂直輪郭補正等の遅延にも用いることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、単
一の遅延素子と単一の2重平衡変調器を用いて、遅延す
べき信号が前記遅延素子の遅延時間の2倍遅延された信
号として、かつ遅延前の元の周波数帯域に相当する周波
数帯域の信号として得られる遅延装置及びこれを用いた
VTR等の再生搬送色信号のクロストーク除去装置を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の各ブロックの出力信号のスペクトル波形
図である。
【図3】この発明の他の実施例を示すブロック図であ
る。
【図4】図3の一部のブロックの出力信号のスペクトル
波形図である。
【図5】この発明の更に他の実施例を示す要部のブロッ
ク図である。
【図6】従来例を示すブロック図である。
【図7】従来例を示すブロック図である。
【図8】従来例を示すブロック図である。
【図9】従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
5 減算器 6 出力端子 50,51 入力端子 52 加算器 53 帯域通過フィルター 54 1H遅延素子 55 2重平衡変調器 56 搬送波発振器 57 帯域通過フィルター 58 低域通過フィルター 59 出力端子 60 帯域通過フィルター 61 トラップ 62 帯域通過フィルター 63 帯域通過フィルター

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遅延すべき入力信号と後述する帯域通過
    フィルターからの出力信号を加算する加算器と、この加
    算器の出力信号が入力される遅延素子と、この遅延素子
    の出力信号を2重平衡変調る2重平衡変調器とを備
    え、 この2重平衡変調器の出力信号から、前記遅延すべき入
    力信号を前記2重平衡変調器によって2重平衡変調し際
    に得られる出力信号の側帯波の周波数帯域に相当する
    周波数帯域の信号を前記帯域通過フィルターにより抽出
    し、 以て、前記2重平衡変調器からは、前記遅延すべき入力
    信号が前記遅延素子の遅延時間の2倍遅延された信号と
    して得られるようにしたことを特徴とする遅延装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遅延装置において、 前記2重平衡変調器に入力される信号を、前記遅延すべ
    き信号と、この遅延すべき信号を前記2重平衡変調器に
    より2重平衡変調した際に得られる出力信号の側帯波
    との、2種の信号の周波数帯域に相当する周波数帯域の
    信号のみに帯域制限する第1の帯域制限手段を設け、 前記帯域通過フィルターに代え、前記遅延すべき入力信
    号の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号の通過を阻
    止する第2の帯域制限手段を設けたことを特徴とする遅
    延装置。
  3. 【請求項3】 搬送色信号及び輝度信号を含む、遅延す
    べき入力信号と後述する帯域通過フィルターからの出力
    信号を加算する加算器と、この加算器の出力信号をTV
    信号の1水平期間遅延する1H遅延素子と、この1H遅
    延素子の出力信号を2重平衡変調る2重平衡変調器と
    を備え、 この2重平衡変調器の出力信号から、前記搬送色信号を
    前記2重平衡変調器によって2重平衡変調した際に得ら
    れる出力信号の側帯波の周波数帯域に相当する周波数
    帯域の信号を前記帯域通過フィルターにより抽出し、 以て、前記2重平衡変調器からは、前記搬送色信号が2
    H遅延された信号として得られるようになし、 かつ、前記1H遅延素子の出力信号から前記輝度信号の
    周波数帯域に相当する周波数帯域の信号を抽出する手段
    を設けたことを特徴とする遅延装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の遅延装置において、 前記2重平衡変調器に入力される信号を、前記搬送色信
    号と、この搬送色信号を前記2重平衡変調器により2重
    平衡変調した際に得られる出力信号の側帯波との、2
    種の信号の周波数帯域に相当する周波数帯域の信号のみ
    に帯域制限する第1の帯域制限手段を設け、 前記帯域通過フィルターに代え、前記搬送色信号の周波
    数帯域に相当する周波数帯域の信号の通過を阻止する第
    2の帯域制限手段を設けたことを特徴とする遅延装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4記載の遅延装置
    を用い、 前記2重平衡変調器の出力信号と前記入力信号中の搬送
    信号とを減算する減算器と、この減算器から得られる
    信号の周波数帯域が前記搬送色信号の周波数帯域となる
    ように通過帯域を制限する他の帯域通過フィルターとを
    備えたことを特徴とするVTR等の再生搬送色信号のク
    ロストーク除去装置。
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