JP2992377B2 - 放射性廃液の処理方法 - Google Patents
放射性廃液の処理方法Info
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- JP2992377B2 JP2992377B2 JP3211773A JP21177391A JP2992377B2 JP 2992377 B2 JP2992377 B2 JP 2992377B2 JP 3211773 A JP3211773 A JP 3211773A JP 21177391 A JP21177391 A JP 21177391A JP 2992377 B2 JP2992377 B2 JP 2992377B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は原子力施設から発生する
放射性廃液の処理方法に係り、特に衣服の洗濯水，手洗
い，シャワー水等の放射能の低い低レベル放射性廃液の
処理方法に関する。
放射性廃液の処理方法に係り、特に衣服の洗濯水，手洗
い，シャワー水等の放射能の低い低レベル放射性廃液の
処理方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】原子力施設、特に原子力発電所では作業
員の使用した衣服の洗濯水や手洗い，シャワー等の廃水
が発生する。このような廃水は放射能濃度が極めて低
く、洗剤成分や糸屑，髪の毛，埃等の浮遊懸濁物質を多
く含み、かつ洗剤成分，シャンプー等による化学的酸素
要求量（ＣＯＤ）が高い。これらの廃液を処理する場
合、従来はストレーナー等により、糸屑等の大きなごみ
を除去した後、放射能を測定し、規定濃度以下の放射能
であることを確認して環境に放出している。
員の使用した衣服の洗濯水や手洗い，シャワー等の廃水
が発生する。このような廃水は放射能濃度が極めて低
く、洗剤成分や糸屑，髪の毛，埃等の浮遊懸濁物質を多
く含み、かつ洗剤成分，シャンプー等による化学的酸素
要求量（ＣＯＤ）が高い。これらの廃液を処理する場
合、従来はストレーナー等により、糸屑等の大きなごみ
を除去した後、放射能を測定し、規定濃度以下の放射能
であることを確認して環境に放出している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、廃液中の微細な浮遊懸濁物質や洗剤，油分等の
化学的酸素要求量の元となる物質の除去はほとんど不可
能であり、環境保全上好ましくない。そこで、これらの
廃水に含まれる微細な浮遊懸濁物質や化学的酸素要求量
の元になる洗剤等の物質を除去する処理方法を試みた。
法では、廃液中の微細な浮遊懸濁物質や洗剤，油分等の
化学的酸素要求量の元となる物質の除去はほとんど不可
能であり、環境保全上好ましくない。そこで、これらの
廃水に含まれる微細な浮遊懸濁物質や化学的酸素要求量
の元になる洗剤等の物質を除去する処理方法を試みた。
【０００４】廃水中の浮遊懸濁物質を除去する方法とし
て、けいそう土等の濾材による濾過方法，中空糸膜濾過
器，セラミックス製濾過器による方法がある。また洗剤
等の除去方法として活性炭による除去方法がある。これ
らの方法は以下に記す欠点がある。
て、けいそう土等の濾材による濾過方法，中空糸膜濾過
器，セラミックス製濾過器による方法がある。また洗剤
等の除去方法として活性炭による除去方法がある。これ
らの方法は以下に記す欠点がある。
【０００５】浮遊懸濁物質をけいそう土でプレコートす
る方法では使用済みのけいそう土は多少ではあるが、放
射能が存在するために一般産業で使用しているように廃
棄ができず、またけいそう土は無機物質であるので焼却
処理も不可能である。他方、中空糸膜フィルタ，セラミ
ックスフィルタ等の非濾材型の濾過器ではこれらの廃水
の性質上濾過時の目詰まりによる処理能力の低下が著し
くて適さない。
る方法では使用済みのけいそう土は多少ではあるが、放
射能が存在するために一般産業で使用しているように廃
棄ができず、またけいそう土は無機物質であるので焼却
処理も不可能である。他方、中空糸膜フィルタ，セラミ
ックスフィルタ等の非濾材型の濾過器ではこれらの廃水
の性質上濾過時の目詰まりによる処理能力の低下が著し
くて適さない。
【０００６】また、化学的酸素要求量の主要物質である
洗剤の除去方法として活性炭による吸着が一般に知られ
ている。しかしこの活性炭による除去方法は、活性炭の
吸着力が低下すると活性炭の再生・交換等が必要であ
る。活性炭の再生・交換も一般産業のように容易でない
課題がある。
洗剤の除去方法として活性炭による吸着が一般に知られ
ている。しかしこの活性炭による除去方法は、活性炭の
吸着力が低下すると活性炭の再生・交換等が必要であ
る。活性炭の再生・交換も一般産業のように容易でない
課題がある。
【０００７】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、低レベル放射性廃液から浮遊懸濁物質と化学
的酸素要求物質を効率的に除去することができる放射性
廃液の処理方法を提供することにある。
たもので、低レベル放射性廃液から浮遊懸濁物質と化学
的酸素要求物質を効率的に除去することができる放射性
廃液の処理方法を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は原子力施設で発
生する洗濯廃液、シャワードレン系廃液等の低レベル放
射性廃液を濾材として高分子繊維が充填されている濾過
器内を通流させて該放射性廃液中の浮遊懸濁物質を除去
した後、その濾液を電気分解槽を通流させて化学的酸素
要求物質を除去することを特徴とする。
生する洗濯廃液、シャワードレン系廃液等の低レベル放
射性廃液を濾材として高分子繊維が充填されている濾過
器内を通流させて該放射性廃液中の浮遊懸濁物質を除去
した後、その濾液を電気分解槽を通流させて化学的酸素
要求物質を除去することを特徴とする。
【０００９】
【作用】低レベル放射性廃液中の浮遊懸濁物質は高分子
繊維濾材で容易に捕獲され、洗剤等の化学的酸素要求量
の主原因となる物質は電気分解法により容易に分解され
て、化学的酸素要求量は低下する。
繊維濾材で容易に捕獲され、洗剤等の化学的酸素要求量
の主原因となる物質は電気分解法により容易に分解され
て、化学的酸素要求量は低下する。
【００１０】
【実施例】図１を参照しながら本発明に係る放射性廃液
の処理方法の一実施例を説明する。図１は本発明方法を
実施するための装置の系統図を示している。
の処理方法の一実施例を説明する。図１は本発明方法を
実施するための装置の系統図を示している。
【００１１】図１中、符号は１は給液タンクで、給液タ
ンク１内には低レベルの放射性試験廃液２が収容されて
いる。給液タンク１の底部には廃液流出管３が接続さ
れ、この廃液流出管３はバルブＶ1 を介してポンプ４に
接続している。ポンプ４の吐出側には濾材として高分子
繊維が充填された濾過器５に連結する廃液供給管６が接
続されている。濾過器５の出口側は電気分解槽７に濾液
を供給する濾液輸送管８がバルブＶ2 を介して接続され
ている。上記構成の装置を使用して放射性廃液の浄化処
理を行った結果について説明する。放射性廃液は原子力
発電所から排出される洗濯廃液を試験廃液として使用
し、その試験廃液の組成は表１に示したとおりである。
ンク１内には低レベルの放射性試験廃液２が収容されて
いる。給液タンク１の底部には廃液流出管３が接続さ
れ、この廃液流出管３はバルブＶ1 を介してポンプ４に
接続している。ポンプ４の吐出側には濾材として高分子
繊維が充填された濾過器５に連結する廃液供給管６が接
続されている。濾過器５の出口側は電気分解槽７に濾液
を供給する濾液輸送管８がバルブＶ2 を介して接続され
ている。上記構成の装置を使用して放射性廃液の浄化処
理を行った結果について説明する。放射性廃液は原子力
発電所から排出される洗濯廃液を試験廃液として使用
し、その試験廃液の組成は表１に示したとおりである。
【００１２】
【表１】
【００１３】上記組成の試験廃液を給液タンク１に供給
し、ポンプ４を作動させてバルブＶ1 ，Ｖ2 を開にし、
濾過器５，電気分解槽７に通水を行う。すなわち、ポン
プ４により給液タンク１内の試験廃液２を廃液流出管３
および廃液供給管６を通して濾過器５内に流入する。濾
過器５で濾過された濾液を濾液輸送管８を通して電気分
解槽７内に流入して電気分解する。電気分解された廃液
は出口Ｓ2 の排出管から流出される。電気分解槽７にお
ける分解条件は表２に示したとおりである。
し、ポンプ４を作動させてバルブＶ1 ，Ｖ2 を開にし、
濾過器５，電気分解槽７に通水を行う。すなわち、ポン
プ４により給液タンク１内の試験廃液２を廃液流出管３
および廃液供給管６を通して濾過器５内に流入する。濾
過器５で濾過された濾液を濾液輸送管８を通して電気分
解槽７内に流入して電気分解する。電気分解された廃液
は出口Ｓ2 の排出管から流出される。電気分解槽７にお
ける分解条件は表２に示したとおりである。
【００１４】
【表２】 上記操作による濾過器５の出口Ｓ1 と電気分解槽７の出
口Ｓ2 の浮遊懸濁物質と化学的酸素要求量濃度を測定し
た結果を表３に示す。
口Ｓ2 の浮遊懸濁物質と化学的酸素要求量濃度を測定し
た結果を表３に示す。
【００１５】
【表３】
【００１６】表１および表３から明らかなように浮遊懸
濁物質は、給液タンク１内では40ppm であったのが、濾
過器５の出口Ｓ1 では６ppm に減少した。また、化学的
酸素要求量（ＣＯＤ）は給液タンク１内では48ppm であ
ったのが、電気分解槽７の出口Ｓ2 では４ppm に減少す
ることが認められる。しかして、本発明は濾過器５で浮
遊懸濁物質を減少させ、電気分解槽７で化学的酸素要求
量を分解させることができる。
濁物質は、給液タンク１内では40ppm であったのが、濾
過器５の出口Ｓ1 では６ppm に減少した。また、化学的
酸素要求量（ＣＯＤ）は給液タンク１内では48ppm であ
ったのが、電気分解槽７の出口Ｓ2 では４ppm に減少す
ることが認められる。しかして、本発明は濾過器５で浮
遊懸濁物質を減少させ、電気分解槽７で化学的酸素要求
量を分解させることができる。
【００１７】
【発明の効果】本発明によれば原子力施設で発生する衣
類の洗濯水，手洗い，シャワー等の放射能濃度のきわめ
て低く、かつ化学的酸素要求量濃度が比較的高い低レベ
ル放射性廃液の処理を容易に行うことができる。
類の洗濯水，手洗い，シャワー等の放射能濃度のきわめ
て低く、かつ化学的酸素要求量濃度が比較的高い低レベ
ル放射性廃液の処理を容易に行うことができる。
【図１】本発明に係る放射性廃液の処理方法を説明する
ための装置の一例を示す系統図。
ための装置の一例を示す系統図。
１…給液タンク、２…試験廃液、３…廃液流出管、４…
ポンプ、５…濾過器、６…廃液供給管、７…電気分解
槽、８…濾液輸送管、Ｖ1 ，Ｖ2 …バルブ。
ポンプ、５…濾過器、６…廃液供給管、７…電気分解
槽、８…濾液輸送管、Ｖ1 ，Ｖ2 …バルブ。
Claims (1)
- 【請求項１】 原子力施設で発生する洗濯廃液、シャワ
ードレン系廃液等の低レベル放射性廃液を濾材として高
分子繊維が充填されている濾過器内を通流させて該放射
性廃液中の浮遊懸濁物質を除去した後、その濾液を電気
分解槽を通流させて化学的酸素要求物質を除去すること
を特徴とする放射性廃液の処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3211773A JP2992377B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 放射性廃液の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3211773A JP2992377B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 放射性廃液の処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0552992A JPH0552992A (ja) | 1993-03-02 |
| JP2992377B2 true JP2992377B2 (ja) | 1999-12-20 |
Family
ID=16611356
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3211773A Expired - Fee Related JP2992377B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 放射性廃液の処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2992377B2 (ja) |
-
1991
- 1991-08-23 JP JP3211773A patent/JP2992377B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0552992A (ja) | 1993-03-02 |
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Legal Events
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