JP2990765B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ゴム強化樹脂に180℃以上の軟化点を有す
るカルボン酸アマイド系ワックスを配合して得られる、
成形加工性、耐熱性の物性バランスが高水準にある熱可
塑性樹脂組成物に関する。
るカルボン酸アマイド系ワックスを配合して得られる、
成形加工性、耐熱性の物性バランスが高水準にある熱可
塑性樹脂組成物に関する。
従来、ゴム強化樹脂の代表例であるABS樹脂は、衝撃
強度と剛性のバランスに優れ、耐熱性、成形加工性も良
好なことから、自動車部品、家電製品などに幅広く利用
されている。
強度と剛性のバランスに優れ、耐熱性、成形加工性も良
好なことから、自動車部品、家電製品などに幅広く利用
されている。
近年、耐熱性に対する要求が高まり、α−メチルスチ
レンやN−フェニルマレイミドなどを共重合させること
により、ゴム強化樹脂の耐熱性の向上が行われている。
レンやN−フェニルマレイミドなどを共重合させること
により、ゴム強化樹脂の耐熱性の向上が行われている。
しかしながら、前記方法によってゴム強化樹脂の耐熱
性は向上できるが、同時に成形加工性が低下するという
問題が発生する。このため、滑剤添加により、成形加工
性を改良しようとする試みがなされ、代表的な滑剤とし
てポリエチレンワックス、ステアリン酸、カルボン酸ア
マイド系のエチレンビスステアリルアミドなどが用いら
れている。
性は向上できるが、同時に成形加工性が低下するという
問題が発生する。このため、滑剤添加により、成形加工
性を改良しようとする試みがなされ、代表的な滑剤とし
てポリエチレンワックス、ステアリン酸、カルボン酸ア
マイド系のエチレンビスステアリルアミドなどが用いら
れている。
しかし、エチレンビスステアリルアミドの添加では、
成形加工性は改良できるが、同時に耐熱性が低下すると
いう問題があり、耐熱性を保持しながら流動性を改良で
きる方法は見出されていないのが現状である。
成形加工性は改良できるが、同時に耐熱性が低下すると
いう問題があり、耐熱性を保持しながら流動性を改良で
きる方法は見出されていないのが現状である。
本発明は、前記従来技術の課題を背景になされたもの
で、耐熱性を保持しながら大幅に成形加工性を改良した
ゴム強化樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物を提供
することを目的とする。
で、耐熱性を保持しながら大幅に成形加工性を改良した
ゴム強化樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物を提供
することを目的とする。
本発明は、下記(イ)または(イ)および(ロ)から
なり、かつゴム状重合体の含有量が3〜40重量%である
ゴム強化樹脂(A)100重量部に対し、高級脂肪族モノ
カルボン酸と多塩基酸との酸混合物と、ジアミン類とを
脱水反応することによって得られる、軟化点が180℃以
上のカルボン酸アマイド系ワックス(B)0.1〜15重量
部を含有する熱可塑性樹脂組成物を提供するものであ
る。
なり、かつゴム状重合体の含有量が3〜40重量%である
ゴム強化樹脂(A)100重量部に対し、高級脂肪族モノ
カルボン酸と多塩基酸との酸混合物と、ジアミン類とを
脱水反応することによって得られる、軟化点が180℃以
上のカルボン酸アマイド系ワックス(B)0.1〜15重量
部を含有する熱可塑性樹脂組成物を提供するものであ
る。
(イ)ゴム状重合体の存在下に、(a)芳香族ビニル化
合物、(b)シアン化ビニル化合物および(c)(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの3種類から選ばれた
少なくとも2種類の単量体成分(I)を重合して得られ
るグラフト共重合体。
合物、(b)シアン化ビニル化合物および(c)(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの3種類から選ばれた
少なくとも2種類の単量体成分(I)を重合して得られ
るグラフト共重合体。
(ロ)(a)芳香族ビニル化合物、(b)シアン化ビニ
ル化合物および(c)(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルの3種類から選ばれた少なくとも2種類の単量体成
分(II)を重合して得られる共重合体および/または
(c)(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合
体。
ル化合物および(c)(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルの3種類から選ばれた少なくとも2種類の単量体成
分(II)を重合して得られる共重合体および/または
(c)(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合
体。
本発明のゴム強化樹脂(A)を構成する(イ)成分に
使用されるゴム状重合体としては、例えばポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンランダム共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体などのジエン系ゴム
状重合体、該ジエン系ゴム状重合体の水素添加物、エチ
レン−プロピレン−(ジエン)ゴム、アクリルゴムなど
が挙げられ、これらは1種または2種以上で使用され
る。
使用されるゴム状重合体としては、例えばポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンランダム共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体などのジエン系ゴム
状重合体、該ジエン系ゴム状重合体の水素添加物、エチ
レン−プロピレン−(ジエン)ゴム、アクリルゴムなど
が挙げられ、これらは1種または2種以上で使用され
る。
本発明のゴム強化樹脂(A)を構成する(イ)および
(ロ)成分に使用される(a)芳香族ビニル化合物とし
ては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モ
ノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチ
レン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−t−
ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、
ジビニルベンゼン、1,1−ジフニルスチレン、N,N−ジエ
チル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなど
が挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ま
しい。
(ロ)成分に使用される(a)芳香族ビニル化合物とし
ては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モ
ノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチ
レン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−t−
ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、
ジビニルベンゼン、1,1−ジフニルスチレン、N,N−ジエ
チル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなど
が挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ま
しい。
また、前記(イ)および(ロ)成分に使用される
(b)シアン化ビニル化合物としては、例えばアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
(b)シアン化ビニル化合物としては、例えばアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
さらに、前記(イ)および(ロ)成分に使用される
(c)(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ヘキシルなどが挙げられ、これらの1
種以上が使用できる。これらのなかでは、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチルが好ましく、さらに好まし
くはメタクリル酸メチルである。
(c)(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸t−ブチルシクロヘキシル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ヘキシルなどが挙げられ、これらの1
種以上が使用できる。これらのなかでは、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチルが好ましく、さらに好まし
くはメタクリル酸メチルである。
なお、前記(イ)および(ロ)成分には、(d)前記
(a)〜(c)と共重合可能な他の単量体を共重合させ
ることもできる。この(d)他の単量体としては、例え
ばマレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレ
イミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−
フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドな
どのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物、その
ほか無水マレイン酸、メタクリル酸などが挙げられる。
(a)〜(c)と共重合可能な他の単量体を共重合させ
ることもできる。この(d)他の単量体としては、例え
ばマレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレ
イミド、N−(p−メチルフェニル)マレイミド、N−
フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドな
どのα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物、その
ほか無水マレイン酸、メタクリル酸などが挙げられる。
(イ)成分中の各単量体の好ましい使用量は、次のとお
りである。
りである。
(a)芳香族ビニル化合物を必須成分とするときの全
単量体成分中に占める(a)芳香族ビニル化合物量は、
5〜95重量%、 (b)シアン化ビニル化合物を必須成分とするときの
全単量体成分中に示す(b)シアン化ビニル化合物量
は、5〜40重量%、 (c)(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須成
分とするときの全単量体成分中に占める(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル量は、5〜95重量%である。
単量体成分中に占める(a)芳香族ビニル化合物量は、
5〜95重量%、 (b)シアン化ビニル化合物を必須成分とするときの
全単量体成分中に示す(b)シアン化ビニル化合物量
は、5〜40重量%、 (c)(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須成
分とするときの全単量体成分中に占める(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル量は、5〜95重量%である。
一方、(ロ)成分中の各単量体の好ましい使用量は、
次のとおりである。
次のとおりである。
(a)芳香族ビニル化合物を必須成分とするときの全
単量体成分中に占める(a)芳香族ビニル化合物量は、
5〜95重量%、 (b)シアン化ビニル化合物を必須成分とするときの
全単量体成分中に示す(b)シアン化ビニル化合物量
は、5〜40重量%、 (c)(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須成
分とするときの全単量体成分中に占める(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル量は、5〜100重量%である。
単量体成分中に占める(a)芳香族ビニル化合物量は、
5〜95重量%、 (b)シアン化ビニル化合物を必須成分とするときの
全単量体成分中に示す(b)シアン化ビニル化合物量
は、5〜40重量%、 (c)(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須成
分とするときの全単量体成分中に占める(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル量は、5〜100重量%である。
なお、前記(イ)〜(ロ)成分において、(d)他の
単量体の使用割合は、全単量体成分中に50重量%以下で
ある。
単量体の使用割合は、全単量体成分中に50重量%以下で
ある。
前記(イ)〜(ロ)成分において、(a)芳香族ビニ
ル化合物および(b)シアン化ビニル化合物を併用する
場合には、耐衝撃性が一段と優れたゴム強化樹脂が得ら
れる。
ル化合物および(b)シアン化ビニル化合物を併用する
場合には、耐衝撃性が一段と優れたゴム強化樹脂が得ら
れる。
ゴム強化樹脂(A)中の前記ゴム状重合体の含有量
は、3〜40重量%、好ましくは5〜35重量%であり、3
重量%未満では機械的強度が得られず、一方40重量%を
超えると成形加工性、耐熱性が低下するので好ましくな
い。
は、3〜40重量%、好ましくは5〜35重量%であり、3
重量%未満では機械的強度が得られず、一方40重量%を
超えると成形加工性、耐熱性が低下するので好ましくな
い。
なお、ゴム強化樹脂(A)のグラフト率は、好ましく
は10〜200%、さらに好ましくは20〜150%である。グラ
フト率がこの範囲にあると、成形加工性、耐熱性、機械
的強度などの物性のバランスの優れたものが得られるの
で好ましい。
は10〜200%、さらに好ましくは20〜150%である。グラ
フト率がこの範囲にあると、成形加工性、耐熱性、機械
的強度などの物性のバランスの優れたものが得られるの
で好ましい。
また、ゴム強化樹脂(A)のメチルエチルケトン可溶
分の固有粘度〔η〕(30℃で測定)は、好ましくは0.2
〜1.2dl/g、さらに好ましくは0.3〜1.0dl/gであり、0.2
dl/g未満では充分な機械的強度、耐熱性が得られず、一
方1.2を超えると成形加工性が低下するので好ましくな
い。
分の固有粘度〔η〕(30℃で測定)は、好ましくは0.2
〜1.2dl/g、さらに好ましくは0.3〜1.0dl/gであり、0.2
dl/g未満では充分な機械的強度、耐熱性が得られず、一
方1.2を超えると成形加工性が低下するので好ましくな
い。
ゴム強化樹脂(A)は、ゴム状重合体の存在下に単量
体成分(I)を重合して得られるグラフト共重合体、あ
るいはこれと単量体成分(II)もしくは(c)(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを別途重合して得られる
(共)重合体とのブレンドであってもよい。
体成分(I)を重合して得られるグラフト共重合体、あ
るいはこれと単量体成分(II)もしくは(c)(メタ)
アクリル酸アルキルエステルを別途重合して得られる
(共)重合体とのブレンドであってもよい。
本発明に使用されるゴム強化樹脂(A)は、乳化重
合、溶液重合、懸濁重合などによって製造される。
合、溶液重合、懸濁重合などによって製造される。
また、この際、重合に用いられる重合開始剤、分子量
調節剤、乳化剤、分散剤、溶媒などとしては、通常、こ
れらの重合法で用いられるものをそのまま用いることが
可能である。
調節剤、乳化剤、分散剤、溶媒などとしては、通常、こ
れらの重合法で用いられるものをそのまま用いることが
可能である。
ゴム強化樹脂(A)の製造方法の好ましい方法として
は、例えばゴム状重合体の存在下に、単量体成分および
乳化剤、重合開始剤を用い、一般に重合温度30〜150
℃、重合時間1〜15時間、重合圧力−1.0〜5.0kg/cm2の
条件下でグラフト重合して(グラフト)共重合体(ただ
し、未グラフトの重合体を含む)を得るか、あるいはゴ
ム状重合体と、乳化重合もしくは溶液重合により得られ
る単量体成分(II)の(共)重合体とを混合することに
よって製造する。
は、例えばゴム状重合体の存在下に、単量体成分および
乳化剤、重合開始剤を用い、一般に重合温度30〜150
℃、重合時間1〜15時間、重合圧力−1.0〜5.0kg/cm2の
条件下でグラフト重合して(グラフト)共重合体(ただ
し、未グラフトの重合体を含む)を得るか、あるいはゴ
ム状重合体と、乳化重合もしくは溶液重合により得られ
る単量体成分(II)の(共)重合体とを混合することに
よって製造する。
次に、本発明に使用されるカルボン酸アマイド系ワッ
クス(B)は、180℃以上、好ましくは190〜270℃、さ
らに好ましくは200〜260℃の軟化点を有するものであ
る。
クス(B)は、180℃以上、好ましくは190〜270℃、さ
らに好ましくは200〜260℃の軟化点を有するものであ
る。
ここで、この軟化点は、JIS K2531−1960の石油アス
ファルト軟化点試験方法(環球法、熱媒としてシリコー
ンオイルを使用)によって測定した値である。
ファルト軟化点試験方法(環球法、熱媒としてシリコー
ンオイルを使用)によって測定した値である。
このカルボン酸アマイド系ワックス(B)としては、
例えばカルボン酸成分としてパルミチン酸、ステアリン
酸、モンタン酸、ベヘン酸などの高級脂肪族モノカルボ
ン酸とマロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸な
どの多塩基酸との酸混合物と、エチレンジアミン、1,3
−ジアミノプロパン、ヘキサメチルジアミン、トリレン
ジアミンなどのジアミン類とを熱脱水反応することによ
って得られる。この際、高級脂肪族モノカルボン酸と多
塩基酸とのモル比は、2/0.1〜2/1.5、好ましくは2/0.18
〜1.0である。また、高級脂肪族モノカルボン酸と多塩
基酸との混合物とジアミン類とのモル比は、1/0.4〜1/
0.8、好ましくは1/0.5〜1/0.7である。
例えばカルボン酸成分としてパルミチン酸、ステアリン
酸、モンタン酸、ベヘン酸などの高級脂肪族モノカルボ
ン酸とマロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸な
どの多塩基酸との酸混合物と、エチレンジアミン、1,3
−ジアミノプロパン、ヘキサメチルジアミン、トリレン
ジアミンなどのジアミン類とを熱脱水反応することによ
って得られる。この際、高級脂肪族モノカルボン酸と多
塩基酸とのモル比は、2/0.1〜2/1.5、好ましくは2/0.18
〜1.0である。また、高級脂肪族モノカルボン酸と多塩
基酸との混合物とジアミン類とのモル比は、1/0.4〜1/
0.8、好ましくは1/0.5〜1/0.7である。
カルボン酸アマイド系ワックス(B)の具体的な製造
方法としては、例えば高級脂肪族モノカルボン酸と多塩
基酸とを溶融混合したのち、この溶融混合物に前記ジア
ミン類を徐々に加えて、窒素気流下で160〜300℃で脱水
反応させることによって得られる。
方法としては、例えば高級脂肪族モノカルボン酸と多塩
基酸とを溶融混合したのち、この溶融混合物に前記ジア
ミン類を徐々に加えて、窒素気流下で160〜300℃で脱水
反応させることによって得られる。
このカルボン酸アマイド系ワックス(B)の軟化点が
180℃未満では、目的とする耐熱性が得られない。
180℃未満では、目的とする耐熱性が得られない。
前記ゴム強化樹脂(A)に対するカルボン酸アマイド
系ワックス(B)の配合量は、(A)成分100重量部に
対し、(B)成分が0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜5
重量部であり、0.1重量部未満では目的とする成形加工
性が得られず、一方15重量部を超えると耐熱性が低下す
るので好ましくない。
系ワックス(B)の配合量は、(A)成分100重量部に
対し、(B)成分が0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜5
重量部であり、0.1重量部未満では目的とする成形加工
性が得られず、一方15重量部を超えると耐熱性が低下す
るので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記のゴム強化樹脂
(A)およびカルボン酸アマイド系ワックス(B)のほ
かに、必要に応じて滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、難
燃剤、紫外線吸収剤、光酸化防止剤、着色剤、ガラス繊
維などの無機質充填剤など、あるいはこの種の熱可塑性
樹脂組成物において一般に用いられている配合剤や添加
剤を混合することが可能である。
(A)およびカルボン酸アマイド系ワックス(B)のほ
かに、必要に応じて滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、難
燃剤、紫外線吸収剤、光酸化防止剤、着色剤、ガラス繊
維などの無機質充填剤など、あるいはこの種の熱可塑性
樹脂組成物において一般に用いられている配合剤や添加
剤を混合することが可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前記ゴム強化樹脂
(A)とカルボン酸アマイド系ワックス(B)およびさ
らに必要に応じて配合剤、添加剤などをバンバリーミキ
サー、ブラベンダー、プラストミル、ニーダー、ベント
付き押し出し機などの一般に熱可塑性樹脂の混合に用い
られる各種の混合装置および方法を用いて混合すること
ができるが、特にベント付き押し出し機を用いる方法が
好ましい。例えば、ミキサーで前記各成分を混合したの
ち、ベント付き押し出し機で220〜240℃で溶融混練りし
て造粒する。
(A)とカルボン酸アマイド系ワックス(B)およびさ
らに必要に応じて配合剤、添加剤などをバンバリーミキ
サー、ブラベンダー、プラストミル、ニーダー、ベント
付き押し出し機などの一般に熱可塑性樹脂の混合に用い
られる各種の混合装置および方法を用いて混合すること
ができるが、特にベント付き押し出し機を用いる方法が
好ましい。例えば、ミキサーで前記各成分を混合したの
ち、ベント付き押し出し機で220〜240℃で溶融混練りし
て造粒する。
さらに、簡単には各成分を直接、成形機内で溶融混練
りして成形することができる。
りして成形することができる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り
重量基準である。
る。なお、実施例中、部および%は、特に断らない限り
重量基準である。
また、実施例中の樹脂のグラフト率および組成物の物
性の評価は、次のようにして行った。
性の評価は、次のようにして行った。
グラフト率 グラフト率=〔(アセトン不溶部%−グラフト共重合
体中のゴム%)/(グラフト共重合体中のゴム%)〕×
100 メルトフローレート ASTM D1238(220℃、10kg)に準じて測定した。
体中のゴム%)/(グラフト共重合体中のゴム%)〕×
100 メルトフローレート ASTM D1238(220℃、10kg)に準じて測定した。
熱変形温度 ASTM D648(1/2インチ、18.6kg/cm2)に準じて測定
した。
した。
参考例 (ゴム強化)樹脂(A)の調製 樹脂A−1;ゴム状重合体であるポリブタジエンラテッ
クス40部(固形分換算)に、単量体成分であるスチレン
45部およびアクリロニトリル15部をグラフト重合し、樹
脂B−1を得た。
クス40部(固形分換算)に、単量体成分であるスチレン
45部およびアクリロニトリル15部をグラフト重合し、樹
脂B−1を得た。
この樹脂B−1のグラフト率は50%、〔η〕(メチル
エチルケトン可溶分の固有粘度、30℃で測定)は0.5dl/
gであった。
エチルケトン可溶分の固有粘度、30℃で測定)は0.5dl/
gであった。
樹脂A−2;ゴム状重合体としてエチレン−プロピレン
−非共役ジエン共重合体ゴム20部、単量体成分としてス
チレン60部およびアクリロニトリル20部を使用する以外
は、樹脂A−1と同様にしてグラフト重合を行い、グラ
フト率=40%、同〔η〕=0.5dl/gの樹脂A−2を得
た。
−非共役ジエン共重合体ゴム20部、単量体成分としてス
チレン60部およびアクリロニトリル20部を使用する以外
は、樹脂A−1と同様にしてグラフト重合を行い、グラ
フト率=40%、同〔η〕=0.5dl/gの樹脂A−2を得
た。
樹脂A−3;ゴム状重合体として水素添加したスチレン
−ブタジエンブロック共重合体(水添率=90%)20部、
単量体成分としてスチレン50部、アクリロニトリル20部
およびメチルメタクリレート10部を使用する以外は、樹
脂A−1と同様にしてグラフト重合を行い、グラフト率
=40%、同〔η〕=0.4dl/g)の樹脂A−3を得た。
−ブタジエンブロック共重合体(水添率=90%)20部、
単量体成分としてスチレン50部、アクリロニトリル20部
およびメチルメタクリレート10部を使用する以外は、樹
脂A−1と同様にしてグラフト重合を行い、グラフト率
=40%、同〔η〕=0.4dl/g)の樹脂A−3を得た。
樹脂A−4;ゴム状重合体を用いず、単量体成分として
スチレン75部およびアクリロニトリル25部を用いる以外
は、樹脂A−1と同様にして乳化重合を行い、同〔η〕
=0.5の樹脂A−4を得た。
スチレン75部およびアクリロニトリル25部を用いる以外
は、樹脂A−1と同様にして乳化重合を行い、同〔η〕
=0.5の樹脂A−4を得た。
樹脂A−5;ゴム状重合体を用いず、単量体成分として
α−メチルスチレン75部およびアクリロニトリル25部を
用いる以外は、樹脂A−1と同様にして乳化重合を行
い、同〔η〕=0.5の樹脂A−5を得た。
α−メチルスチレン75部およびアクリロニトリル25部を
用いる以外は、樹脂A−1と同様にして乳化重合を行
い、同〔η〕=0.5の樹脂A−5を得た。
カルボン酸アマイド系ワックスの調製 ワックスB−1;ステアリン酸568gおよびセバシン酸6
6.8gを混合し、加熱溶融したのち、エチレンジアミン8
3.5gを徐々に加えて窒素気流中で160℃から脱水反応を
開始させ、250℃でアミン価が5以下になるまで4〜7
時間反応させ、軟化点が215℃のカルボン酸アマイド系
ワックスB−1を得た。
6.8gを混合し、加熱溶融したのち、エチレンジアミン8
3.5gを徐々に加えて窒素気流中で160℃から脱水反応を
開始させ、250℃でアミン価が5以下になるまで4〜7
時間反応させ、軟化点が215℃のカルボン酸アマイド系
ワックスB−1を得た。
ワックスB−2;ステアリン酸/セバシン酸/エチレン
ジアミン=568g/202g/120gを原料として、B−1と同様
にして反応させ、軟化点250℃のカルボン酸アマイド系
ワックスB−2を得た。
ジアミン=568g/202g/120gを原料として、B−1と同様
にして反応させ、軟化点250℃のカルボン酸アマイド系
ワックスB−2を得た。
実施例1〜6、比較例1〜3 第1表に示す割合で、各樹脂をヘンシェルミキサーを
用いて混合し、さらに押し出し機を用いて210〜240℃で
造粒し、90℃で乾燥したのち、射出成形機(東芝機械
(株)製、IS80A)を用いて200℃でテストピースを作製
し、物性を評価した。結果を第1表に示す。
用いて混合し、さらに押し出し機を用いて210〜240℃で
造粒し、90℃で乾燥したのち、射出成形機(東芝機械
(株)製、IS80A)を用いて200℃でテストピースを作製
し、物性を評価した。結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、実施例1〜6の本発明に
係わる熱可塑性樹脂組成物は、成形加工性と耐熱性のバ
ランスが極めて良好である。
係わる熱可塑性樹脂組成物は、成形加工性と耐熱性のバ
ランスが極めて良好である。
これに対し、比較例1では、カルボン酸アマイド系ワ
ックス(B)の配合量が本発明の加減値未満の例であ
り、成形加工性と耐熱性の物性バランスに劣る。
ックス(B)の配合量が本発明の加減値未満の例であ
り、成形加工性と耐熱性の物性バランスに劣る。
また、比較例2〜3は、軟化点が本発明の範囲未満の
カルボン酸アマイド系ワックス(エチレンビスステアリ
ルアミド)を用いた例であり、成形加工性と耐熱性の物
性バランスが劣る。
カルボン酸アマイド系ワックス(エチレンビスステアリ
ルアミド)を用いた例であり、成形加工性と耐熱性の物
性バランスが劣る。
〔発明の効果〕 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形加工性と耐熱性
のバランスが高水準にあり、特に高品質の成形材料が要
求される自動車部品、家電製品などの用途に好適に用い
ることができる。
のバランスが高水準にあり、特に高品質の成形材料が要
求される自動車部品、家電製品などの用途に好適に用い
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古山 建樹 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−192765(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 51/04,25/12 C08L 25/14,33/06 C08K 5/20
Claims (1)
- 【請求項1】下記(イ)または(イ)および(ロ)から
なり、かつゴム状重合体の含有量が3〜40重量%である
ゴム強化樹脂(A)100重量部に対し、高級脂肪族モノ
カルボン酸と多塩基酸との酸混合物と、ジアミン類とを
脱水反応することによって得られる、軟化点が180℃以
上のカルボン酸アマイド系ワックス(B)0.1〜15重量
部を含有する熱可塑性樹脂組成物。 (イ)ゴム状重合体の存在下に、(a)芳香族ビニル化
合物、(b)シアン化ビニル化合物および(c)(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの3種類から選ばれた
少なくとも2種類の単量体成分(I)を重合して得られ
るグラフト共重合体。 (ロ)(a)芳香族ビニル化合物、(b)シアン化ビニ
ル化合物および(c)(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルの3種類から選ばれた少なくとも2種類の単量体成
分(II)を重合して得られる共重合体および/または
(c)(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合
体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2228082A JP2990765B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2228082A JP2990765B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04110341A JPH04110341A (ja) | 1992-04-10 |
JP2990765B2 true JP2990765B2 (ja) | 1999-12-13 |
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ID=16870911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2228082A Expired - Fee Related JP2990765B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2990765B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4315698B2 (ja) * | 2003-02-19 | 2009-08-19 | 三井化学株式会社 | L−乳酸系ポリマー組成物 |
-
1990
- 1990-08-31 JP JP2228082A patent/JP2990765B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04110341A (ja) | 1992-04-10 |
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