JP2986521B2 - 合成樹脂製反射鏡 - Google Patents

合成樹脂製反射鏡

Info

Publication number
JP2986521B2
JP2986521B2 JP2215270A JP21527090A JP2986521B2 JP 2986521 B2 JP2986521 B2 JP 2986521B2 JP 2215270 A JP2215270 A JP 2215270A JP 21527090 A JP21527090 A JP 21527090A JP 2986521 B2 JP2986521 B2 JP 2986521B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
synthetic resin
sio
reflecting mirror
mgf
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2215270A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0499881A (ja
Inventor
浩 池田
重美 井浦
利明 生水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2215270A priority Critical patent/JP2986521B2/ja
Publication of JPH0499881A publication Critical patent/JPH0499881A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2986521B2 publication Critical patent/JP2986521B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、合成樹脂製反射鏡に係り、特に高精度を要
求される光学部品において、形状安定性の良い合成樹脂
製反射鏡に関する。
[従来の技術] 合成樹脂製反射鏡は、従来より用いられてきたガラス
製反射鏡に比較して軽量であり、形状の自由度も大きい
などの理由から光学部品として用いられつつある。
従来、このような合成樹脂製反射鏡は、アクリル樹脂
あるいはポリカーボネイト樹脂などを射出成形したもの
の表面にアルミニウムなどの金属膜を真空蒸着によって
成膜し、さらにこの合成樹脂製反射鏡に耐擦傷性や耐腐
食性をもたせるために、金属膜上に二酸化ケイ素などの
誘電体よりなる保護膜が形成される。
ところが、合成樹脂ではガラスと異なり熱による線膨
張も大きく、吸水性もあるため、使用する環境の温度・
湿度の影響を受けて形状が変形する。特に、合成樹脂
は、反射面を構成する金属または誘電体との膨張係数の
差異が大きいため、高精度な形状精度を維持することが
非常に困難であった。
そこで、従来は、環境の湿度変化の影響を受けないよ
うに、特公平2−11666号公報に開示されるように、軟
質合成樹脂により裏面コート膜(バックコート膜)を形
成する方法が行われている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、軟質合成樹脂により裏面コート膜を形成する
上記従来の方法においても、樹脂層からの透湿は存在す
るため吸湿による極微少な影響は抑えきれず、また、裏
面コート膜の温度線膨張率も基板のそれと近いため、温
度による変形には全く効果がなかった。
合成樹脂製反射鏡、特に第6図に示すようなダハ形状
の合成樹脂製基板1、具体的には、2つの平面板が所定
の角度を形成して成形されたダハ形状の合成樹脂製基板
1においては、面精度、特にダハ角度が非常に高いレベ
ルで要求されることが多い。例えば、カメラのような製
品においては、−10℃〜+40℃の雰囲気および70℃,80
%雰囲気放置後においても、ダハ角度が90±15″以内と
いった高精度を要求されている。しかし、従来の設計あ
るいは製造方法では、こうした高いレベルの要求には応
え切れていない実態にあった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもの
で、高精度な形状を維持することが要求されるダハ形状
の光学部品において、設計に特別の配慮を施すことな
く、温湿度による形状の変化がない合成樹脂製反射鏡を
提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明は、ダハ形状に成
形した合成樹脂製基板の一方の面に金属と誘電体の組み
合わせからなる反射膜を形成し、前記基板の他方の面に
金属もしくは誘電体またはそれらの組み合わせからなる
裏面コート膜を形成して合成樹脂製反射鏡を構成した。
前記金属はAlまたはAgが適しており、前記誘電体はSi
O,SiO2,MgF2,CeF3,Al2O3,ZrO2,Ta2O5,CeO2,TiO2のうち
の少なくとも1種が適している。前記金属および誘電体
は、それぞれの膜厚が100Å〜1100Åであることが適し
ている。
[作用] すなわち、本発明では、ダハ形状の合成樹脂製基板が
膜材料である金属または誘電体との湿度あるいは熱線膨
張係数の違いによって変形が引き起こされることに着目
し、合成樹脂製反射鏡の表面だけでなく裏面にも金属も
しくは誘電体またはそれらの組み合わせからなる膜を形
成することにより、合成樹脂製基板の変形を抑え込み、
これによって基板の温度・湿度による変形をニュートン
干渉縞による観測のレベルでなくすことができる。
したがって、あらかじめ温湿度による変化量を見込ん
での光学系の組み込み設計を行う必要がないため、光学
設計の自由度も非常に大きくなる。
[実施例] (第1実施例) 第1図は本発明による第1実施例を示す。
アクリル樹脂からなるダハ形状の合成樹脂製基板1の
表面には、真空蒸着法を用いて密着層のSiO層2、反射
層のAl層3、保護層のSiO2層4が順次成膜されている。
また、裏面には、同じく真空蒸着法を用いてSiO層2、S
iO2層4の裏面コートが成膜されている。
表面に反射膜を形成するそれぞれのSiO層2,Al層3,SiO
2層4の各膜厚は、それぞれ100Å,800Å,300Åである。
裏面に裏面コート膜を形成するSiO層2,SiO2層4の各膜
厚は、それぞれ100Å,800Åである。
本実施例の合成樹脂製反射鏡を製造するには、真空槽
内を1×10-5Torrまで排気した後、合成樹脂製基板1に
SiO層2を抵抗加熱法によって蒸着し、続いて電子ビー
ム蒸着によってAl層3を成膜し、さらにSiO2層4を電子
ビーム蒸着した。それに引き続いて合成樹脂製基板1を
反転させ、それぞれ抵抗加熱、電子ビーム蒸着でSiO層
2,SiO2層4を蒸着した。
(第2実施例) 第2図は本発明による第2実施例を示す。
ポリカーボネイト樹脂からなるダハ形状の合成樹脂製
基板1の表面には、真空蒸着法を用いて反射層のAg層
5、保護層と増反射層を兼ねるMgF2層6およびTiO2層7
が成膜されている。また、裏面には、同じく真空蒸着法
を用いてMgF2層6の裏面コートが成膜されている。
表面に反射膜を形成するそれぞれのAg層5,MgF2層6,Ti
O2層7の各膜厚は、それぞれ800Å,1100Å,800Åであ
る。裏面の裏面コート膜となるMgF2層6の膜厚は800Å
である。
本実施例の合成樹脂製反射鏡を製造するには、真空槽
内を1×10-5Torrまで排気した後、合成樹脂製基板1に
電子ビーム蒸着によってAg層5を成膜し、さらにMgF2
6,TiO2層7を電子ビーム蒸着した。それに引き続いて合
成樹脂製基板1を反転させ、電子ビーム蒸着でMgF2層6
を蒸着した。
(第3実施例) 第3図は本発明による第3実施例を示す。
ポリカーボネイト樹脂からなるダハ形状の合成樹脂製
基板1の表面には、真空蒸着法を用いて反射層のAl層
3、保護層と増反射層を兼ねるMgF2層6,ZrO2層8,SiO2
4が成膜されている。また裏面には、同じく真空蒸着法
を用いてAl層3の裏面コートが成膜されている。
表面に反射膜を形成するそれぞれのAl層3,MgF2層6,Zr
O2層8,SiO2層4の各膜厚は、それぞれ800Å,800Å,300
Å,800Åである。裏面の裏面コート膜となるAl層3の膜
厚は800Åである。
本実施例の合成樹脂製反射鏡を製造するには、真空槽
内を1×10-5Torrまで排気した後、合成樹脂製基板1に
Al層3,MgF2層6,ZrO2層8,SiO2層4を電子ビーム蒸着によ
って蒸着した。それに引き続いて合成樹脂製基板1を反
転させ、電子ビーム蒸着でAl層3を蒸着した。
(第4実施例) 第4図は本発明による第4実施例を示す。
ポリカーボネイト樹脂からなるダハ形状の合成樹脂製
基板1の表面には、真空蒸着法を用いて反射層のAl層
3、保護層と増反射層を兼ねるMgF2層6,ZrO2層8,SiO2
4を成膜されている。また、裏面には、同じく真空蒸着
法を用いてMgF2層6,ZrO2層8の裏面コートが成膜されて
いる。
表面に反射膜を形成するそれぞれのAl層3,MgF2層6,Zr
O2層8,SiO2層4の各膜厚は、それぞれ800Å,800Å,300
Å,800Åである。裏面に裏面コート膜を形成するMgF2
6,ZrO2層8の各膜厚は、それぞれ500Å,500Åである。
本実施例の合成樹脂製反射鏡を製造するには、真空槽
内を1×10-5Torrまで排気した後、合成樹脂製基板1に
Al層3,MgF2層6,ZrO2層8,SiO2層4を電子ビーム蒸着によ
って蒸着した。それに引き続いて合成樹脂製基板1を反
転させ、電子ビーム蒸着でMgF2層6,ZrO2層8を蒸着し
た。
(第5実施例) 第5図は本発明による第5実施例を示す。
ポリカーボネイト樹脂からなるダハ形状の合成樹脂製
基板1の表面には、スパッタリング法を用いて反射層の
Al層3、保護層のSiO2層4が成膜されている。また、裏
面には、同じくスパッタリング法を用いてSiO2層4が成
膜されている。
表面に反射膜を形成するAl層3,SiO2層4の各膜厚は、
それぞれ800Å,300Åである。裏面の裏面コート膜とな
るSiO2層4の膜厚は800Åである。
本実施例の合成樹脂製反射鏡を製造するには、真空槽
内を1×10-5Torrまで排気し、その後排気を続けながら
Arガスを導入して真空度を3×10-3Torrに保つ。この状
態でAl層3をDCスパッタリング法、SiO2層4をRFスパッ
タリング法によって順次成膜した。これに引き続き合成
樹脂製基板1を反転させ、反射面と同様にして今度はSi
O2層4のみをRFスパッタリング法により成膜した。
本発明による第1から第5実施例の場合と、従来のよ
うに裏面のコートを行わなかった場合との、ダハ角度の
温湿度による変化の様子を次表に挙げた。
高温高湿試験は、70℃、80%100hr後に反射鏡の温度
が室温に戻った時点で測定した。
なお、この発明の反射鏡は、上記実施例においてダハ
形状基板を対象として説明しているが、形状は他のもの
でもよく、特に光学的に精度を求められる反射鏡に対し
て有効である。
また、手法についても真空蒸着法、スパッタリング法
だけでなく、イオンプレーティング法などでも有効なこ
とはいうまでもない。
[発明の効果] 以上のように、本発明の合成樹脂製反射鏡によれば、
高精度を要求されるようなダハ形状の合成樹脂製反射鏡
において、特殊な加工法あるいは特殊な加工条件を用い
ずに、すなわち生産性を犠牲にすることなしに、温度あ
るいは湿度による形状の変化、特にダハ角度の変化を抑
えてダハ角度を高い精度で保つことができる。その結果
として、ダハ角度を有する合成樹脂成形品の形状、材質
あるいは組み付けといった光学系全体の設計の自由度を
大きくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第5図まではそれぞれ本発明の合成樹脂製反
射鏡の第1から第5実施例を示す正面図、第6図はダハ
形状の合成樹脂製基板を示す斜視図である。 1……合成樹脂製基板 2……SiO層 3……Al層 4……SiO2層 5……Ag層 6……MgF2層 7……TiO2層 8……ZrO2

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダハ形状に成形した合成樹脂製基板の一方
    の面に金属と誘電体の組み合わせからなる反射膜を有
    し、前記基板の他方の面に金属もしくは誘電体またはそ
    れらの組み合わせからなる裏面コート膜を有することを
    特徴とする合成樹脂製反射鏡。
  2. 【請求項2】前記金属がAlまたはAgからなり、前記誘電
    体がSiO,SiO2,MgF2,CeF3,Al2O3,ZrO2,Ta2O5,CeO2,TiO2,
    のうちの少なくとも1種からなる請求項1記載の合成樹
    脂製反射鏡。
  3. 【請求項3】前記金属および誘電体は、それぞれの膜厚
    が100Å〜1100Åであることを特徴とする請求項1記載
    の合成樹脂製反射鏡。
JP2215270A 1990-08-15 1990-08-15 合成樹脂製反射鏡 Expired - Fee Related JP2986521B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2215270A JP2986521B2 (ja) 1990-08-15 1990-08-15 合成樹脂製反射鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2215270A JP2986521B2 (ja) 1990-08-15 1990-08-15 合成樹脂製反射鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0499881A JPH0499881A (ja) 1992-03-31
JP2986521B2 true JP2986521B2 (ja) 1999-12-06

Family

ID=16669532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2215270A Expired - Fee Related JP2986521B2 (ja) 1990-08-15 1990-08-15 合成樹脂製反射鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2986521B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003114313A (ja) * 2001-10-03 2003-04-18 Kiyousera Opt Kk 反射鏡およびこれを用いた映像プロジェクタ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0499881A (ja) 1992-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6064301A (ja) 光学部品の反射防止膜とその形成方法
US4979802A (en) Synthetic resin half-mirror
US4944581A (en) Rear face reflection mirror of multilayer film for synthetic resin optical parts
JPH05502738A (ja) マグネシウム膜反射材
JP2986521B2 (ja) 合成樹脂製反射鏡
JP3342042B2 (ja) 反射型色分解回折格子
JPH04260004A (ja) 合成樹脂製反射鏡
JP3221764B2 (ja) 合成樹脂製光学部品の反射防止膜
JPS63134232A (ja) 高透過率を有する赤外反射物品
JPH08327809A (ja) プラスチック製反射ミラー
JPS60156001A (ja) プラスチツク製光学部品の反射防止膜
JP3120882B2 (ja) 表面高反射鏡
JP3497236B2 (ja) 高精度光学部品用反射防止膜
JPS60130704A (ja) 合成樹脂基板の反射防止膜
JPS58113901A (ja) 積層型光学構体
JP3304396B2 (ja) 反射鏡
JPH0553001A (ja) 合成樹脂製光学部品の多層反射防止膜
JPH04176876A (ja) 合成樹脂製反射鏡
JPH02297501A (ja) 反射鏡
JP3111243B2 (ja) 積層反射防止膜を有する光学部品
JPH075308A (ja) 裏面反射鏡
JP2979327B2 (ja) 低融点基体上蒸着反射防止膜
JPS6363002A (ja) レ−ザ用反射鏡
JPS62269102A (ja) 赤外線反射材料
JPS6222122B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees