JP2986353B2

JP2986353B2 - 立体駐車場設備

Info

Publication number: JP2986353B2
Application number: JP6305793A
Authority: JP
Inventors: 英雄原田
Original assignee: Hitachi Zosen Corp
Current assignee: Hitachi Zosen Corp
Priority date: 1994-12-09
Filing date: 1994-12-09
Publication date: 1999-12-06
Anticipated expiration: 2014-12-06
Also published as: JPH08158691A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、互いに重なり合い通過
可能な櫛歯状の車輪載置部を介して車を受渡しする立体
駐車場設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】櫛歯状の車輪載置部を介して車を受渡し
する立体駐車場設備において、駐車階では、たとえば車
を昇降装置と駐車室との間で受渡しする搬送台車の走行
空間の両側に複数の駐車室を１列ずつ並設したものが多
く見られるが、空間を有効利用するために、走行空間に
隣接する内側駐車室の外側にさらに外側駐車室を並設し
たものもある。このうち、たとえば特開平５−２９５９
１９号公報に提案されたものは、外側駐車室列の底部
に、内側駐車室と外側駐車室との間で車を移送可能な移
載台車を外側駐車室列に沿って移動自在に配置したもの
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記構成では、
外側駐車室を設ける為にわざわざ移載台車を装備しなけ
ればならず、極めて設備コストが高くなるという問題が
あった。

【０００４】本発明は、上記問題点を解決して、複数列
配設された駐車室間の移載装置を無くして構成を簡略化
し、限られた空間で多くの駐車室を確保できるとともに
設備コストを低減できる立体駐車場設備を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、駐車空間と入出庫用昇降装置の昇降空間
との間で車を搬送する搬送台車の走行空間に沿って、側
部に少なくとも２列の駐車室を並設した立体駐車場設備
において、走行空間に隣接する内側の駐車室に、四隅側
に櫛歯形車輪載置部を有する固定駐車フレームを配置
し、その外側の駐車室に前記車輪載置部と同一形状の車
輪載置部を有する可動駐車フレームを前記固定駐車フレ
ーム上に移動自在に配置し、搬送台車に、四隅側に前記
車輪載置部を上下方向に通過可能な櫛歯形車輪移載部を
有し前記両駐車フレーム内を上下方向に通過可能な車受
台を、内側駐車室に出退自在な出退装置と、前記両駐車
フレームの上下に昇降自在なリフト装置とを介して配設
し、この車受台に、可動駐車フレームを外側駐車室と内
側駐車室との間で押し引き移送可能な掛止部を設けたも
のである。

【０００６】

【作用】上記構成において、車を入庫する場合には、内
側の駐車室の固定駐車フレーム上に可動駐車フレームを
重ねておき、車を載置した車受台を内側の駐車室側の可
動駐車フレーム上方に突出させてさらに下降することに
より、車受台の櫛歯形車輪移載部を両駐車フレームの車
輪載置部を通過させて、車を車受台から可動駐車フレー
ム上に移載し、車受台を後退することにより車を入庫す
ることができる。つぎに２台目の車の入庫は、２台目の
車を搭載した車受台を内側の駐車室側に突出移動させる
ことにより、掛止部を介して可動駐車フレームを外側の
駐車室に押し出し、さらに車受台を固定駐車枠フレーム
上から下降させることにより、車受台から固定駐車枠フ
レーム上に車を移載し、車受台を後退することにより２
台目の車を入庫することができる。

【０００７】また車を出庫する場合には、車受台を内側
の駐車室の固定駐車枠フレームの下方に突出移動させ、
次いで固定駐車フレーム内を上昇する時に、固定駐車フ
レーム上の車を車受台に受け取るとともに、車受台の掛
止部を可動駐車フレームに連結し、さらに車受台を搬送
台車側に後退する時に可動駐車フレームを固定駐車フレ
ーム上まで引出す。２台目を出庫する時は、固定駐車フ
レームの下方に車受台を突出移動させて上昇することに
より、固定駐車フレームおよび可動駐車フレームを通過
する時に可動駐車フレーム上の車を車受台に受け取り、
そしてこの車受台を搬送台車側に後退させればよい。

【０００８】したがって、上記構成によれば、外側の駐
車室の可動駐車フレームを、車受台が内側の駐車室に出
退移動する時に、掛止部により、外側の駐車室と内側の
駐車室の固定駐車フレーム上の間で押し引き移動させる
ように構成したので、外側の駐車室と内側の駐車室の間
の車の移載装置が不要になり、従来に比べて設備を大幅
に簡略化することができ、設備コストを低くかつ多数の
駐車室を確保することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明に係る立体駐車場設備の一実施
例を図面に基づいて説明する。図２に示すように、複数
の駐車階を具備した１つの駐車階には、駐車空間２と入
出庫用昇降装置３の昇降空間４と間で車を搬送する搬送
台車１の走行空間５の両側の駐車空間２に、内側駐車室
６，７が２列それぞれ形成され、一方の内側駐車室６の
外側に外側駐車室８が１列配設されている。

【００１０】前記搬送台車１は、図１に示すように、走
行空間５の両側に沿って架設された走行レール１１に案
内されて移動自在な自走式で、立体駐車場の制御装置の
指令により、昇降空間４の対向位置と目的の駐車室６，
７，８に対向する位置との間を往復移動される。そして
搬送台車１にたとえばクロスリンク機構や油圧シリンダ
からなるリフト装置１２により昇降される昇降フレーム
１３が配置され、さらにこの昇降フレーム１３にラック
ピニオン機構などからなる３段または４段の出退装置１
３が設けられており、出退装置１３の伸縮フレーム端１
３ａに車受台１４が設けられている。

【００１１】この車受台１４は、受台本体１５の四隅側
にそれぞれ複数の櫛歯１６ａが外側方に突出された車輪
移載部１６が形成されて、前後左右の車輪をそれぞれ支
持できるように構成されている。また、受台本体１５の
内側駐車室６側の前後位置には、後述する可動駐車フレ
ーム３１を押し引き可能な掛止装置（掛止部）１７が設
けられている。

【００１２】内側駐車室６および外側駐車室８には、車
受台１４が上下方向に通過可能で車を受渡しできる矩形
枠形の固定駐車フレーム２１および可動駐車フレーム３
１がそれぞれ配置されている。すなわち、固定駐車フレ
ーム２１は、走行空間２側の中間部に出退装置１３の伸
縮フレーム端１３ａが出退可能な切欠き２２が形成され
て車受台１４が通過可能な挿通空間２３を囲む枠フレー
ム２４と、枠フレーム２４の四隅側近傍に車受台１４の
櫛歯１６ａが通過可能な複数の櫛歯２５ａ内側に突出さ
れた車輪載置部２５とが設けられており、またこの固定
駐車フレーム２１の前部および後部に外側駐車室８側に
延びて複数のガイドローラ２６が配置されたガイド板２
７が設けられている。

【００１３】また可動駐車フレーム３１は、固定駐車フ
レーム２１と同一構造で、走行空間２側の中間部に出退
装置１３の伸縮フレーム端１３ａが出退可能な切欠き３
２が形成されて車受台１４が通過可能な挿通空間３３を
囲む枠フレーム３４と、枠フレーム３４の四隅側近傍に
車受台１４の櫛歯１６ａが通過可能な複数の櫛歯３５ａ
内側に突出された車載置部３５とが設けられている。ま
た、枠フレーム３４の前部および後部には、前記ガイド
ローラ２６に案内されるコの字形断面のガイドレール３
６が設けられている。なお、図示しないが、可動駐車フ
レーム３１を移動限で停止するとともに、所定位置で位
置規制するストッパが取り付けられている。

【００１４】前記掛止装置１７は、図３〜図５に示すよ
うに、車受台１４の前部および後部にそれぞれ突設され
た取付部材４１のガイド孔４１ａに、一対のガイドロッ
ド４２に孔部４３ａを介して案内されて出退自在な掛止
爪４３が設けられており、取付部材４１に設けられた爪
出退シリンダ４４により、図３，図４に示す可動駐車フ
レーム３１の枠フレーム３４を押し出す時の後退位置
と、図５に示す枠フレーム３４を引き出す時の突出位置
との間を移動される。なお、枠フレーム３４の受面３４
ａおよび取付部材４１の先端面４１ｂには、掛止爪４３
の掛止面４３ｂと同一の傾斜を有するテーパー面が形成
されている。また、固定駐車フレーム２１の枠フレーム
２４には、突出位置の掛止爪４３の昇降移動を許容する
切欠き２４ａが形成されている。

【００１５】上記構成における車両の入庫動作を図６を
参照して説明する。（１）図６（ａ）に示すように、駐車室６，８に車がな
い時には、内側駐車室６の固定駐車フレーム２１上に可
動駐車フレーム３１が重ねられて配置される。そして、
昇降装置３により入庫された第１車両Ｍ１は、搬送台車
１の車受台１４上に移載された後、搬送台車１が走行空
間５を移動されて目的の駐車室６に対向して停止され
る。

【００１６】（２）リフト装置１２が駆動されて搬送位
置Ａ３にある車受台１４が最上位の第１上昇位置Ａ１ま
で上昇され、さらに出退装置１３が駆動されて車受台１
４が可動駐車フレーム３１上方の第１移載位置Ｂ１まで
移動される。

【００１７】（３）リフト装置１２により車受台１４が
下降されて可動駐車フレーム３１内および固定駐車フレ
ーム２１内を通過され、最下位の第３移載位置Ｂ３まで
下降される。この時、車受台１４の車輪移載部１６が可
動駐車フレーム３１の車輪載置部３５を通過することに
より、第１車両Ｍ１が車受台１４から可動駐車フレーム
３１に受け渡される。

【００１８】（４）出退装置１３により第３移載位置Ｂ
３の車受台１４が搬送台車１上の搬送位置Ａ３に戻さ
れ、第１車両Ｍ１の入庫が完了する。

【００１９】（５）次いで２番目の第２車両Ｍ２の入庫
作業は、図６（ｂ）に示すように、リフト装置１２が駆
動されて搬送位置Ａ３にある車受台１４が、可動駐車フ
レーム３１と略同一レベルの第２上昇位置Ａ２まで上昇
され、さらに出退装置１３が駆動されて車受台１４が固
定駐車フレーム２１上方の第２移載位置Ｂ２で停止され
る。この時、図３に示すように、掛止装置１７は爪出退
シリンダ４４が収縮されることにより掛止爪４３が後退
された状態にあり、突出移動する車受台１４により掛止
爪４３を介して第１車両Ｍ１を載せた可動駐車フレーム
３１が外側駐車室８側に押し出され、車受台１４が第２
移載位置Ｂ２まで移動することにより、可動駐車フレー
ム３１が外側駐車位置Ｃまで移動されて外側駐車室８に
収容される。

【００２０】（６）図６（ｃ）に示すように、リフト装
置１２により第２移載位置Ｂ２から第３移載位置Ｂ３ま
で車受台１４が下降されて固定駐車フレーム２１内を通
過する。この時、車受台１４の車輪移載部１６が固定駐
車フレーム２１の車輪載置部２５を通過することによ
り、第２車両Ｍ２が車受台１４から固定駐車フレーム２
１に受け渡される。

【００２１】（７）図６（ｄ）に示すように、出退装置
１３により第３移載位置Ｂ３の車受台１４が搬送台車１
上の搬送位置Ａ３に戻され、第２車両Ｍ２の入庫が完了
される。

【００２２】次に車両の出庫動作を図７を参照して説明
する。（１）搬送台車１が駐車室６，８に対向して停止される
と、図７（ａ）に示すように、出退装置１３により車受
台１４が搬送位置Ａ３から第３移載位置Ｂ３に突出移動
され、さらにリフト装置１２により第３移載位置Ｂ３か
ら第２移載位置Ｂ２に上昇されることにより、固定駐車
フレーム２１上の第２車両Ｍ２を車受台１４上に受け取
る。この時、図５に示すように、掛止装置１７は爪出退
シリンダ４４が進展されることにより掛止爪４３が突出
された状態にあり、第２移載位置Ｂ２では掛止爪４３が
可動駐車フレーム３１の枠フレーム３４に係合されて車
受台１４と可動駐車フレーム３１が連結される。

【００２３】（２）図７（ｂ）に示すように、出退装置
１３により第２車両Ｍ２を搭載した車受台１４が第２移
載位置Ｂ２から第２上昇位置Ａ２まで後退移動される
と、掛止装置１７を介して可動駐車フレーム３１が外側
駐車位置Ｃから第２移載位置Ｂ２の内側駐車室６まで引
き出される。

【００２４】（３）図７（ｃ）に示すように、リフト装
置１２により車受台１４が第２上昇位置Ａ２から搬送位
置Ａ３に下降されることにより、掛止装置１７の掛止爪
４３が可動駐車フレーム３１の枠フレーム３４から離脱
され、第２車両Ｍ２の出庫が完了される。

【００２５】（４）ついで第１車両Ｍ１を出庫する場合
には、図７（ｄ）に示すように、駐車室６に対向して停
止された搬送台車１から、出退装置１２により搬送位置
Ａ３の車受台１４を第３移載位置Ｂ３まで突出させる。
そしてリフト装置１２により車受台１４を第３移載位置
Ｂ３から第１移載位置Ｂ１に上昇させることにより、可
動駐車フレーム３１上の第１車両Ｍ１を車受台１４に受
け取る。

【００２６】（５）さらに出退装置１３により車受台１
４を第１移載位置Ｂ１から第１上昇位置Ａ１に後退さ
せ、さらにリフト装置１２により第１上昇位置Ａ１から
搬送位置Ａ３に下降させ、第１車両Ｍ１を搬送台車１に
より出庫する。

【００２７】上記実施例によれば、外側駐車室８に内側
駐車室６の固定駐車フレーム２１上に移動自在な可動駐
車フレーム３１を設け、この可動駐車フレーム３１を搬
送台車１の車受台１４により掛止装置１７を介して押し
引きできるように構成したので、外側駐車室８と内側駐
車室６との間で車を移載する移載装置が不要になり、設
備コストを大幅に低減することができる。

【００２８】なお、上記実施例では、内側駐車室６の外
側に１列の外側駐車室８を配設したが、さらに外側駐車
室８の外側にもう１列の駐車室を配設し、この駐車室に
も外側駐車室８の可動駐車フレーム３１上で内側駐車室
６まで移動自在な可動駐車フレームを配置し、掛止装置
により可動駐車フレーム３１と連結離脱自在に構成する
こともできる。

【００２９】

【発明の効果】以上に述べたごとく本発明によれば、外
側の駐車室の可動駐車フレームを、搬送台車の車受台の
内側の駐車室への出退動に伴って掛止部を介して押し引
きし、内側の駐車室の固定駐車フレーム上方に移動する
ように構成したので、外側と内側の駐車室の間で車を移
動する移載装置が不要になり、従来に比べて設備を大幅
に簡略化することができ、設備コストを低くかつ多数の
駐車室を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る立体駐車場設備の一実施例を示
し、駐車室と搬送台車を示す斜視図である。

【図２】同立体駐車場の駐車階を示す概略平面図であ
る。

【図３】同立体駐車場の掛止装置を示す側面断面図であ
る。

【図４】同立体駐車場の掛止装置を示す平面図である。

【図５】同立体駐車場の掛止装置の動作を示す側面断面
図である。

【図６】（ａ）〜（ｄ）はそれぞれ同立体駐車場の入庫
動作の説明図である。

【図７】（ａ）〜（ｄ）はそれぞれ同立体駐車場の出庫
動作の説明図である。

【符号の説明】

１搬送台車２駐車空間３昇降装置４昇降空間５走行空間６内側駐車室８外側駐車室１２リフト装置１３出退装置１４車受台１６車輪移載部１６ａ櫛歯１７掛止装置（掛止部）２１固定駐車フレーム２５車輪載置部２５ａ櫛歯２６ガイドローラ３１可動駐車フレーム３５車輪載置部３５ａ櫛歯３６ガイドレール４３掛止爪４４爪出退シリンダ

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】駐車空間と入出庫用昇降装置の昇降空間と
の間で車を搬送する搬送台車の走行空間に沿って、側部
に少なくとも２列の駐車室を並設した立体駐車場設備に
おいて、走行空間に隣接する内側の駐車室に、四隅側に櫛歯形車
輪載置部を有する固定駐車フレームを配置し、その外側の駐車室に前記車輪載置部と同一形状の車輪載
置部を有する可動駐車フレームを前記固定駐車フレーム
上に移動自在に配置し、搬送台車に、四隅側に前記車輪載置部を上下方向に通過
可能な櫛歯形車輪移載部を有し前記両駐車フレーム内を
上下方向に通過可能な車受台を、内側駐車室に出退自在
な出退装置と、前記両駐車フレームの上下に昇降自在な
リフト装置とを介して配設し、この車受台に、可動駐車フレームを外側駐車室と内側駐
車室との間で押し引き移送可能な掛止部を設けたことを
特徴とする立体駐車場設備。