JP2984944B2 - 防虫性アクリル系繊維の製造方法 - Google Patents

防虫性アクリル系繊維の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衛生害虫に対して優れた
防虫効果を有し、かつ耐久性を有する防虫性アクリル系
繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、防虫剤を繊維又は繊維製品に付与
して、衣服や寝装品等に防虫効果を付与することは知ら
れているが、後加工による場合は使用中、特に洗濯にお
ける防虫剤の脱落が多く、数回の洗濯で防虫効果が失わ
れ、持続性に問題のあるものが多い。
【0003】この防虫剤の脱落を防ぐ手段として特開昭
59−163426号公報、特開昭60−57117号
公報にはアクリル系繊維の製造工程における湿式紡糸し
て延伸、水洗後のゲル膨潤状態にある繊維に対して昆虫
忌避剤や有機リン系殺虫剤等の防虫剤を乳化液にして付
与し、乾熱処理して繊維内部に含有せしめる方法が提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単に乳
化状での防虫剤を繊維内部に含有せしめただけの防虫性
能は、洗濯などの比較的軽度の処理条件に対しては一応
の耐久性を有するが、製品化加工工程、特に染色仕上な
どのように各種界面活性剤や酸、アルカリ処理剤を併用
した高温下での熱水及びスチーミング条件下では防虫剤
の脱落を充分に防止することができず、防虫効果の維持
が困難である。本発明は防虫効果を更にレベルアップ
し、かつ、かかる防虫繊維をアクリル系繊維の製造工程
で合理的に得る方法を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はアクリル系繊維
を製造する際に、湿式紡糸し、延伸及び洗浄工程を経た
膨潤度が50〜500%である一次膨潤状態の繊維に有
機系害虫防除剤と平均分子量が3000以下の1〜3量
型シクロデキストリンに包接された有機系害虫防除剤、
エポキシ変性シロキサン及びアミノ変性シロキサンを付
与し、次いで乾燥、捲縮付与、熱緩和処理を施すことを
特徴とする防虫性アクリル系繊維の製造方法にある。
【0006】本発明で用いられる有機系害虫防除剤(以
下防虫剤という)とは、ノミ、シラミ、ダニ等の衛生害
虫に有効な殺虫剤、防虫剤、忌避剤、共力剤等を意味
し、例えば、フェニトロチオン、ダイアジノン、アセフ
ェート、プロピオス等の有機リン系殺虫剤、カルバリ
ル、イソプロカーボ等のカルバメート系殺虫剤、フェノ
スリン、バーメスリン、シペラメスリン等のピレスロイ
ド系殺虫剤、樟脳、ナフタリン、パラシクロールベンゼ
ン等の防虫剤、プロピル−N,N-ジエチルサクシシナメイ
ト、プロピルマンデレート、N,N-ジエチル−m-トルアミ
ド、N-ブチルアセトアニライド、2-エチル−1,3-ヘキサ
ンジオール、2-ブチル−2-エチル−1,3-プロパンジオー
ル、ジエチルフタレート等の忌避剤、オクタクロロジプ
ロピルエーテル、イソボニルチオシアノアセテート、ピ
ペロニルブトオキサイド等の共力剤が用いられる。
【0007】本発明において防虫剤を有機系に限定して
いる理由は (1).有機系防虫剤は常温でも気化して呼吸
器官からも衛生害虫の体内に入り、防虫効果が高められ
ること、(2).シロキサン乳化分散液の乳化安定性が無機
系防虫剤より優れ、均一な防虫効果が得られること、
(3).無機系防虫剤よりシクロデキストリンに包接させる
ことが容易であることなどである。
【0008】本発明では包接化合物として平均分子量3
000以下の1〜3量型シクロデキストリンを用いるこ
とが必要である。これは防虫剤を効率よく包接し、かつ
シロキサンと有機系防虫剤包接物が繊維表面から内層に
向かって漸減状に浸透付着している被膜を形成するが、
包接物が染色仕上工程で脱落せず、また耐洗濯性を得る
ために水及び熱水に対して実質的に溶解しないことが必
要なためであって、この繊維の内層に向かって漸減状に
浸透付着している被膜は以下の手法で確認することがで
きる。すなわち、シクロデキストリンの粒径は約5〜1
8オングストロームであるが、これに相当する顔料を用
いて同様に繊維を処理し、その断面を光学顕微鏡で観察
すると可能である。
【0009】シクロデキストリンにはα、β、γ、δの
同族体があり、それらはグルコース数が6、7、8、9
で分子量は972、1135、1297、1459であ
って、平均分子量3000以下の1〜3量型シクロデキ
ストリンはエピクロールヒドリンなどの架橋剤で重合さ
せることにより製造できる。この1〜3量型シクロデキ
ストリンの包接機能は互いに類似しており、各同族体の
単独使用、また2種以上の同族体を混合使用してもよ
い。
【0010】本発明では平均分子量3000以下の1〜
3量型シクロデキストリンで包接された有機系防虫剤の
ほかに、未包接の有機系防虫剤を含有している。包接防
虫剤は洗濯による防虫効果の低下が少なく、持続効果も
優れているが、本発明はこの防虫剤の耐久性能を更に向
上させるために繊維表面のみでなく、繊維の内層部分に
も浸透付与させるものであり、そのために包接害虫防虫
剤の平均分子量を3000以上に高分子化させることは
好ましくない。従って、平均分子量3000以下のシク
ロデキストリンは繊維内層部分に浸透させる目的から、
なるべく分子状あるいは溶液状態が好ましく、また固形
の分散液の場合、出来る限り微粒子の方が良好であっ
て、本発明の場合、粒子径の面からも1〜3量型シクロ
デキストリンの大きさに限定される。
【0011】次にシクロデキストリンの25℃の水に対
する溶解度はα型が13%、β型は1.9%、γ型は3
0%でタイプによって異なり、高温になると溶解性は上
昇して、また高分子化されると一定の温度下では逆に溶
解性は低下する。本発明で必要なシクロデキストリンは
1〜3型の平均分子量が3000以下であって、繊維内
層に浸透させるのに適正な乳化分散状態に温度をコント
ロールすることによって保持出来るが、4〜5量型以上
で平均分子量が約4000以上になると溶解性の低下が
著しく、目的とする効果を得ることが出来ない。
【0012】本発明においてシロキサンは防虫剤の繊維
への強固な固着を行い、防虫剤の脱落防止、耐洗濯性及
び防虫効果の持続性を向上させる。また製品化加工工
程、例えば紡績、編織工程等を円滑に通過させることで
あり、さらに製品にソフトな風合い、タッチを付与させ
ることである。
【0013】更に重要なことは、シロキサンがアクリル
系繊維の染色工程での繊維内部に浸透した防虫剤の脱落
を防止することである。すなわち一次膨潤状態の繊維内
部に浸透した防虫剤を含んだ繊維の表面にシロキサンの
被膜を作り、更に熱処理することにより、この被膜を強
固なものにして防虫剤を内部に含んだ繊維がその後の商
品化工程、例えば染色工程(浸染あるいはプリントな
ど)で受ける二次転移点以上の高熱下の処理で繊維構造
がルーズになっても内部に含まれた包接された防虫剤の
脱落を防止するものである。
【0014】繊維表面にシロキサンの被膜がない場合
は、繊維内部の防虫剤は繊維の染色工程を想定した二次
転移点以上の浸漬浴やスチーミング処理で非常に多量の
脱落があり、また高温下での防虫剤の揮散も促進され、
防虫効果が著しく減退する。また、この繊維を用いて製
品化後の商品の使用中及び洗濯による防虫効果において
も、シロキサンによる繊維表面の被膜が大きな効果を生
ずるものである。
【0015】本発明ではシロキサンとしてエポキシ変性
シロキサンとアミノ変性シロキサンをそれぞれ単独では
なく、両者を付与することが特徴である。
【0016】エポキシ変性シロキサンとしては次式
(1)で表される化合物が用いられる。
【化1】 基本骨格として特にジメチルシロキサンが好ましく用い
られる。アミノ変性シロキサンとしては次式(2)で表
される化合物が用いられる。
【化2】 基本骨格としては特にジメチルシロキサンが好ましく用
いられる。エポキシ変性シロキサンとアミノ変性シロキ
サンを併用することにより、繊維表面上に被膜を均一
に、かつ強固に形成させることができ、防虫性能の耐久
性を著しく向上させるものである。
【0017】本発明では、少量の防虫剤、エポキシ変性
シロキサンとアミノ変性シロキサンで極めて優れた防虫
効果が得られる。
【0018】防虫剤の使用濃度は一般に0.05〜3%
(対繊維重量)が好ましい。平均分子量3000以下の
1〜3量型シクロデキストリンの使用量は、防虫剤の使
用モル量と同モルないしはやや多量(1.1倍モル)で
ある。
【0019】防虫剤の使用濃度が0.05%未満である
と効果が不充分であり、3%を超えると安全性及び経済
性の点で好ましくない。シクロデキストリンで包接され
た防虫剤を用いると、効果の持続期間が包接しないで使
用する場合に比較し1.5倍ないし数倍延長し、耐洗濯
性も向上する。
【0020】エポキシ変性シロキサンとアミノ変性シロ
キサンとはエポキシ変性シロキサン対アミノ変性シロキ
サンが5〜95対95〜5、好ましくは10〜90対9
0〜10の範囲の重量比で付与される。これらシロキサ
ンの繊維に対する付着量は、エポキシ変性シロキサンと
アミノ変性シロキサンの合計量で0.1%(対繊維重
量、以下%owfと略す)以上でないと害虫防除剤の耐久性
を保持することは不可能であるが、3.0%owfを超える
濃度の場合、一定の防虫剤濃度では防虫効果が低下する
ので、防虫剤濃度を増加させる必要があることと、紡績
後の加工工程通過性のトラブルが発生しやすくなり好ま
しくない。
【0021】本発明で防虫剤を付与する時点は、アクリ
ル系繊維の製造工程の中で湿式紡糸後の繊維が一次膨潤
状態にある間に行い、次いで乾燥、捲縮付与、熱緩和処
理を順次実施して行く。
【0022】本発明で防虫剤を付与する繊維が一次膨潤
状態にあることであって、この膨潤状態であると未包接
及び包接の有機系防虫剤が繊維の表面だけでなく、繊維
内部まで浸透付与することが可能である。すなわちこの
一次膨潤状態を膨潤度をで表すと、 膨潤度(%)=[(W1 −W2 )/W2 ]×100 W1 :約1gの繊維を20℃の水100ccに1時間以上
浸漬後、遠心分離機で100Gの遠心力で10分脱水後
の重量。 W2 :脱水後の繊維を110℃で絶乾した後の重量。 通常のアクリル系繊維が膨潤度15〜30%であるのに
対して、一次膨潤状態では膨潤度50〜500%という
非常に繊維構造がルーズな条件下にあり、目的とする未
包接及び包接の防虫剤を付与する上で極めて理想的な環
境にある。
【0023】一次膨潤状態の繊維は通常のアクリル系繊
維形成用の紡糸原液を凝固浴中に紡糸して、延伸、洗浄
工程を経た後の乾燥工程以前の繊維状態を意味し、製造
条件によって異なるが、工程によってその一次膨潤度は
異なるけれども、工程の前に行く程その数値が大きく、
繊維形成度が低い。本発明で防虫剤を付与する場合、繊
維が一次膨潤下であれば限定されないが、延伸、洗浄後
かなり繊維形成度が充実した、150〜300%の膨潤
度であることが好ましい。
【0024】本発明におけるアクリロニトリル系繊維の
重合体は特に限定されず、アクリロニトリルの単独重合
体でもよいし、共重合体であってもよい。アクリロニト
リル共重合体としては少なくとも40重量%のアクリロ
ニトリルを含有するもので、繊維形成能を有するもので
あればいかなる重合体を用いることが可能である。共重
合成分としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸
あるいはこれらのアルキルエステル類、酢酸ビニル、塩
化ビニリデン、アリルスルホン酸ソーダ、メタリルスル
ホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンスル
ホン酸ソーダなどが挙げられる。
【0025】アクリロニトリル系重合体から繊維形成を
行う場合、紡糸原液にツヤ消し、着色、導電性、抗菌性
等の機能性付与のために、酸化チタン、着色剤、カーボ
ンブラック、抗菌剤等の無機物や有機物を添加すること
も可能である。紡糸原液はアクリロニトリル系重合体を
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキサイド等の有機系溶剤の他に硝酸、ロダン
塩、塩化亜鉛等の無機系溶剤などに溶解して調整される
が、紡糸原液は好ましくは紡糸原液に用いたと同じ溶剤
と水の混合液を主体とする凝固浴中に紡糸し、延伸、洗
浄工程を行い、一次膨潤状態の繊維を得る。本発明では
かかる方法により得られた繊維に未包接及び包接の防虫
剤、エポキシ変性シロキサン及びアミノ変性シロキサン
を付与するが、付与は一浴又は二浴以上の多段浴で行っ
てもよく、また混合浴あるいは単独浴で付与してもよ
い。エポキシ変性シロキサンとアミノ変性シロキサンを
別浴で繊維に付与する場合は、エポキシ変性シロキサン
を先に付与した後にアミノ変性シロキサンを付与する方
が耐久性の点で好ましい。未包接及び包接の防虫剤及び
シロキサンが付与された繊維は乾燥、捲縮付与、熱緩和
処理を順次行いトウ又はカットした原綿とされる。
【0026】本発明により得られた繊維は通常のアクリ
ル系繊維と同様に紡績、整織仕上工程を全く問題なく通
過でき、カーペット、毛布等に製品化できる。得られた
製品は未処理繊維製品と同様に柔軟なタッチと風合を有
し、かつ耐洗濯性及び長期にわたり防虫効果、特に防ダ
ニ効果を有する。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。
【0028】防虫効果はコナヒヨウヒダニ300匹を培
地150mgと共に、評価用繊維0.2gの入った5mlス
クリュー管の中で25℃×75%RHで飼育し、48時間
後のダニの生息数を計測し、致死率で求めた。致死率は
次式で算出する。 致死率(%)=[(A−B)/A]×100 A:使用したダニの総数。 B:48時間後に生息しているダニの総数。 膨潤度は本文中に示した算出法に準拠して求めた。
【0029】
【実施例1】アクリロニトリル94.2重量%、酢酸ビ
ニル5.3重量%及びメタリル酸ソーダ0.5重量%の
アクリロニトリル系重合体を濃度18.0重量%となる
ようにジメチルアセトアミドに溶解して紡糸原液とし、
孔径0.07mmφ、孔数40000Hの口金を用いて
温度40℃のジメチルアセトアミド30.0重量%水溶
液の凝固浴中に紡出し、水洗後、5.5倍に延伸し、膨
潤度250%の一次膨潤状態の繊維を得た。この繊維に
イソボニルチオシアノアセテート(以下IBTAと略す)を
非イオン界面活性剤で分散させたA液、あらかじめIBTA
を80%モル量の分子量2800のβ−シクロデキスト
リンに包接させ、非イオン界面活性剤にて分散処理した
B液、式(3)で表されるエポキシ変性シロキサンをポ
リオキシエチレン(POE)ノニルフェニルエーテルで
乳化させたC液、式(4)で表されるアミノ変性シロキ
サンをPOEノニルフェニルエーテルで乳化させたD液
を表1のように付与した後、140℃のローラー乾燥機
で乾燥緻密化し、機械捲縮を施し、140℃の湿熱緩和
処理後、カットしてブライト2d×51mmの原綿No.
1(本発明)、No.2〜6(比較例)を得た。
【0030】また、比較のため、上記紡糸の際、一次膨
潤状態の繊維に防虫剤、シロキサンを付与することなく
製造した原綿に対し、パッケージ型染色機でIBTAが0.
1%owf、エポキシ変性シロキサンが0.3%owf、アミノ
変性シロキサンが0.3%owfとなるようにB液、C液、
D液で後加工により付着処理し、100℃×10分乾燥
及び被膜形成処理をして原綿No.7(比較例)を得
た。
【0031】これら原綿No.1〜7と防虫剤処理をし
ていない通常のアクリル繊維ブライト2d×51mmの5
0%混紡を梳毛紡で2/48メートル番手で紡績した後、編
地を作製し、各々の編地を下記の条件の染色処理、柔軟
仕上処理をし、JIS103法に準じた洗濯処理及び石
油系溶剤によるドライクリーニング処理をしたものの防
虫効果を致死率で評価した。その結果を表1に示した。
【0032】これより原綿No.5〜6は実用染色条件
(100℃×30分)で処理すると防虫剤の揮散及び脱
落が大きく、実用的製品性能の全くないものであった。
また原綿No.2〜4及びNo.7は防虫効果が耐洗濯
性、耐ドライクリーニング性の点で原綿No.1(本発
明)より劣るものであった。
【化3】
【化4】
【0033】 染色条件:カチロンレッドKGLH(保土谷化学社製カチオン染料)0.1%owf カチオゲンPAN (第一工業社製カチオン系活性剤) 1.0%owf 酢酸 1.0%owf pH=4.5、LR=1:25、100℃×30分。 柔軟仕上条件:タフロンシュール(第一工業社製カチオン系柔軟剤)1.0%owf LR=1:25、40℃×10分。
【0034】
【表1】 付与量:IBTA、シロキサンの純分での%owf。
【0035】
【実施例2】アクリロニトリル59.0重量%、塩化ビ
ニリデン40.0重量%及びメタリルスルホン酸ソーダ
1.0重量%の組成のアクリロニトリル系重合体をジメ
チルホルムアミドに重合体濃度が25.0重量%となる
ように溶解して紡糸原液とし、孔径0.09mmφ、孔
数15000Hの口金を用いて35℃のジメチルホルム
アミド50.0重量%水溶液からなる凝固浴中に紡糸
し、水洗後、5.5倍に延伸した膨潤度が75%の一次
膨潤状態の繊維にN,N-ジエチル−m-トルアミド(以下De
etと略す)を、あらかじめ90%モル量の分子量113
5のβ−シクロデキストリンに包接させ、非イオン界面
活性剤にて分散処理したE液と式(5)で表されるエポ
キシ変性シロキサンをPOEノニルフェニルエーテルで
乳化させたF液とをそれぞれDeetが0.15%owf、エポ
キシ変性シロキサンが0.3%owfとなるように付着処理
し、130℃のローラー乾燥機で乾燥緻密化した後、ア
ミノ変性シロキサンが0.2%owfとなるように第二浴で
実施例1で用いたと同じD液を付着処理後、120℃の
熱風乾燥機で乾燥し、110℃の湿熱緩和処理を施して
からカットしてブライト10d×102mmの原綿No.8
(本発明)を得た。
【0036】また、比較のため第一浴でエポキシ変性シ
ロキサンを0.5%owf付着し、第二浴でD液を付着処理
しない以外は上記と同様にして原綿No.9(比較例)
を得た。得られた原綿を下記の条件でワイン色に染色、
仕上げし、別途同色に染色仕上げされた防ダニ処理をし
ていない通常のアクリル繊維ダル8d×102mmとで5
0%混紡糸となるようにセミ梳毛で番手1/5MCを紡
績して後、この紡績糸でマットを作り、その1部はJI
S103法に準拠して10回及び20回の洗濯処理を施
し、もう1つの条件は使用中の経時変化の加速テストと
して、50℃の熱風乾燥機中に100時間放置してそれ
らの防虫効果を致死率で評価した。その結果を表2に示
す。
【0037】 染色条件:カチロンエロー3GLH 0.01%owf カチロンレッドGLH 0.8%owf カチロンブルーGLH 0.008%owf カチオゲンANスーハ゜ー (第一工業製薬カチオン系活性剤)1.0%owf pH=4.5、LR=1:10、100℃×
40分。 仕上処理条件:タフロンスピン78ND(第一工業製薬カチオン
系柔軟剤) 1.0%owfLR=1:25、40℃×10分。
【0038】
【表2】 付与量:Deet、シロキサンの純分での%owf。
【0039】
【化5】
【0040】
【発明の効果】有機系防虫剤を単に繊維及び一次膨潤状
態の繊維に付与しただけの薬効持続期間は通常2〜3ケ
月間しかないのに対して、本発明の方法によって有機系
防虫剤を特定のシクロデキストリンを用いた包接化合物
と未包接の防虫剤と特定のシロキサンとを組合せ、繊維
表面層から内層に向かって漸減状に浸透付着させること
によって未包接の有機系防虫剤で初期の防虫効果を図
り、また包接された有機系防虫剤の昇華速度の抑制、い
わゆる徐放効果によって防虫機能の持続期間が3〜4年
以上も持続し、同時に洗濯による防虫剤の脱落性も非常
に少なく、得られた製品風合、タッチは柔軟平滑性のす
ぐれた良好なもので、かつ、加工工程通過性も全く問題
のないものを得ることを可能とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−59178(JP,A) 特開 平4−202854(JP,A) 特開 平4−245978(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 11/06 D06M 13/00 - 15/72 D06M 23/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系繊維を製造する際に、湿式紡
    糸し、延伸及び洗浄工程を経た膨潤度が50〜500%
    である一次膨潤状態の繊維に有機系害虫防除剤と平均分
    子量3000以下の1〜3量型シクロデキストリンに包
    接された有機系害虫防除剤、エポキシ変性シロキサン及
    びアミノ変性シロキサンを付与し、次いで乾燥、捲縮付
    与、熱緩和処理を施すことを特徴とする防虫性アクリル
    系繊維の製造方法。
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