JP2980808B2 - 酸化物超電導電流リード装置 - Google Patents

酸化物超電導電流リード装置

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JP2980808B2
JP2980808B2 JP6091776A JP9177694A JP2980808B2 JP 2980808 B2 JP2980808 B2 JP 2980808B2 JP 6091776 A JP6091776 A JP 6091776A JP 9177694 A JP9177694 A JP 9177694A JP 2980808 B2 JP2980808 B2 JP 2980808B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば超電導マグネ
ット装置や超電導送電装置などの熱的に絶縁された極低
温装置に電流を導入するための酸化物超電導電流リード
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図50は、例えば特開平5−10953
1号公報に示された従来の酸化物超電導電流リードを示
す縦断面図である。図において1は円筒形の酸化物超電
導体、2は接触子バンド、3は金属製接続金物、4は引
っ張りバネ、5は銀シート、6は金属製接続金物3と図
示しない電源装置或いは図示じない低温装置(例えば超
電導コイル)を接続する導体である。 酸化物超電導体
1の両端外周に銀シート5が加圧密着され、酸化物超電
導体1と共に焼成密着されている。銀シート5に対し、
接触子バンド2を介して金属製接続金物3が接触してい
る。接触子バンド2は金属製接続金物3にハンダ付けで
接続されている。酸化物超電導体1の両端の金属製接続
金物3には引っ張りバネ4が固定されている。
【0003】上記のように構成された酸化物超電導電流
リードにおいて、冷却時に酸化物超電導体1と金属製接
続金物3の熱膨張率の差異により作用する両者間の応力
を弾性のある接触子バンド2の嵌入により緩和し、過度
の応力が作用して酸化物超電導体1が破損することを防
止する。これは酸化物超電導体1が歪または応力に対し
て劣化や破損しやすく、例えば歪が約1%で超電導特性
が劣化し、軽く力を加えるだけで破損するのを防止する
ためである。
【0004】また接触子バンド2は常に一定の圧力で酸
化物超電導体1を締め付けて、良好な電気的・機械的接
続を保つ。また、酸化物超電導体1と接続されている電
流リードの両端の金属製接続金物3を良好な導電性と弾
性を有する引っ張りバネ4により接続し、酸化物超電導
体1と電気的に並列に接続するようにする。
【0005】引っ張りバネ4の内部に酸化物超電導体を
配置するなどして、衝撃による電流リードの破損を防止
する構成としている。また酸化物超電導体1は従来の金
属系超電導体と比して50K以上迄超電導状態を保ち、
同等の常電導電流リードと比して、同一の電流を通電し
た場合の低温側への熱の侵入量が20%以下に低減でき
る。さらに電流リードは酸化物超電導体1の超電導状態
を保持するために両端で主に伝熱でまたは一部ガスによ
って冷却されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の酸化物超電導電
流リード装置は以上のように酸化物超電導体1の両端は
金属製接続金物3でのみ固定されているので、金属製接
続金物3に接続される導体6の熱収縮振動等により、酸
化物超電導体1と金属製接続金物3が酸化物超電導体1
の電流導通方向に対して垂直な方向に移動することが考
えられる。その場合、酸化物超電導体1に加わる機械的
負荷を接触子バンド2はほとんど吸収できず酸化物超電
導体1が破損するという問題点があった。
【0007】また、酸化物超電導体1を装置に取り付け
るときにハンドリングが悪いという欠点もあった。ま
た、銀シート5を介しての接触子バンド2と酸化物超電
導体1との接触電気抵抗は一般にハンダ付けと比較して
10倍以上に大きく、そのため通電時の発熱が大きくな
り、酸化物超電導体1の温度が上昇して常伝導状態に転
移したり焼損したりするという問題点もあった。
【0008】この発明は係る問題点を解決するためにな
されたものであり、電流リードを構成する酸化物超電導
体に加えられる機械的負荷、磁気的負荷および電流リー
ドの熱流量および発熱量を低減し、更に酸化物超電導電
流リード装置の破損時やメインテナンス時の電流リード
の交換を容易にすると共に、電流リードの動作を安定化
したり電流リードの立ち上げ時間を短縮できる酸化物超
電導電流リード装置を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項の発明に係る酸
化物超電導電流リード装置は、低温装置収納容器に体し
て着脱自在な有蓋筒状容器を形成すると共に前記有蓋筒
状容器内の蓋部に設けた電極に熱シールドを容器の長手
方向に沿って固定し,熱シールド内に配置した酸化物超
電導体の高温端を導体を介して前記電極に接続し、低温
端を導体を介して着脱自在に低温装置収納容器の収容物
に接続したものである。
【0010】請求項の発明に係る酸化物超電導電流リ
ード装置は、複数本の酸化物超電導体を導体によって並
列に接続する場合,各々の酸化物超電導体の臨界電流の
逆数の比となるように,導体と酸化物超電導体との接続
抵抗を接続面積で調整したものである。
【0011】請求項の発明に係る酸化物超電導電流リ
ード装置は、請求項19に記載の酸化物超電導電流リー
ド装置において複数本の酸化物超電導体を並列に接続す
る場合,予め各酸化物超電導体に電流端子を設置して電
流端子部の接続抵抗を測定し,その後,前記各酸化物超
電導体の臨界電流を測定してこの臨界電流の逆数の比と
なるように電流端子部の接続部分を切断して接続抵抗を
調整したものである。
【0012】請求項の発明に係る酸化物超電導電流リ
ード装置は、請求項19に記載の酸化物超電導電流リー
ド装置において酸化物超電導体を複数並列に配置して電
流リードを作成する際、前記複数の酸化物超電導体の端
部付近を熱的に短絡したものである。
【0013】請求項の発明に係る酸化物超電導電流リ
ード装置は、酸化物超電導体の高温端を熱シールドに固
定し、且つ、冷却伝熱部材あるいは合金系超電導体とを
兼用した低温端の導体を可撓導体或いは合金系超電導体
を用いて冷却板に固定し冷却伝熱部材を構成したもので
ある。
【0014】請求項の発明に係る酸化物超電導電流リ
ード装置は、請求項5に記載の酸化物超電導電流リード
装置において合金系超電導体をサーマルアンカを介して
冷却板に接続したものである。
【0015】請求項の発明に係る酸化物超電導電流リ
ード装置は、酸化物超電導体を用いて装置外部と極低温
部を電気的に接続可能な電流リードにおいて、前記装置
外部と前記装置内部を隔離する壁面の一部を構成する板
材と、この板材を通って前記装置外部から前記装置内部
を電気的に接続する金属導体と、この金属導体に電気的
に接続された酸化物超電導体と,この酸化物超電導体の
両端付近においてこの酸化物超電導体と接する良熱伝導
体である電気絶縁体と、この電気絶縁体に接する熱伝導
体を備え、前記板材、金属導体、酸化物超電導体、電気
絶縁体および熱伝導体を一体化して電流リードを構成し
たものである。
【0016】
【作用】請求項の発明における酸化物超電導電流リー
ド装置は、低温装置収納容器に対して着脱自在な有蓋筒
状容器を形成すると共に前記有蓋筒状容器内の蓋部に設
けた電極に熱シールドを容器の長手方向に沿って固定
し,熱シールド内に配置した酸化物超電導体の高温端を
導体を介して前記電極に接続し、低温端を導体を介して
着脱自在に低温装置収納容器の収容物に接続できるよう
に有蓋筒状容器をリードポート化したので、酸化物超電
導電流リード装置の取り付け、取り外し作業が容易にな
る。
【0017】請求項の発明における酸化物超電導電流
リード装置は、複数の酸化物超電導体を並列に接続する
場合、酸化物超電導体の各々の臨界電流の逆数の比とな
るように接続抵抗を接続面積で調整したので電流リード
の性能に応じた電流の分流ができる。
【0018】請求項の発明における酸化物超電導電流
リード装置は、酸化物超電導体に電流端子となる金属端
子を設置して電流端子部の接続抵抗を測定し、その後、
酸化物超電導体の臨界電流を測定し、この臨界電流の逆
数の比となるように電流端子部の接続部分を切断して接
続抵抗を調整するので作業が容易になる。
【0019】請求項の発明における酸化物超電導電流
リード装置は、複数本の酸化物超電導体の端部付近を熱
的に短絡したので、いずれの酸化物超電導体にも温度分
布の片寄りが生じず電流リードが安定に動作する。
【0020】請求項の発明における酸化物超電導電流
リード装置は、低温端の冷却伝熱部材を電導体と兼用し
ているので構造を簡略化できると共に、発熱を低減でき
る。
【0021】請求項の発明における酸化物超電導電流
リード装置は、伝熱・電導部材をサーマルアンカ及び絶
縁部材を介して低温端の冷却板に接続されているため冷
却板への熱伝達が効率良く行われ、低温装置への熱侵入
を低減できる。
【0022】請求項の発明における酸化物超電導電流
リード装置は、装置外部と極低温部を電気的に接続可能
な電流リードであって、装置外部と装置内部を隔離する
壁面の一部を構成する板材と、上記板材を通って装置外
部から装置内部を電気的に接続する金属導体と、その金
属導体に電気的に接続された酸化物超電導体と、この酸
化物超電導体の両端付近において酸化物超電導体と接す
る良熱伝導体である電気絶縁体と、この電気絶縁体に接
する熱伝導体を一体化して電流リードを構成したもので
あるので酸化物超電導電流リード装置部の低温装置への
脱着が容易になる。
【0023】
【実施例】実施例1. 図1はこの発明の一実施例による酸化物超電導電流リー
ド装置を使用した超電導マグネットを示す図である。図
において、1は電流リードを構成する酸化物超電導体で
あって液体窒素温度部(熱シールド11内)に設置され
ている。7は室温部から液体窒素温度部(熱シールド1
1)に設置された酸化物超電導体1の高温端までに電流
を導く銅リードである。8は極低温環境で動作する低温
装置である超電導コイルであって酸化物超電導体1の低
温端に接続されている。
【0024】9は熱シールド11内の酸化物超電導電流
リード装置および低温装置を冷却するGM冷凍機であ
る。10はGM冷凍機9の1段ステージであって熱シー
ルド11を冷却し、酸化物超電導体1の高温端を液体窒
素温度程度に冷却している。12はGM冷凍機9の2段
ステージであって伝導冷却部材13を冷却して超電導コ
イル8を極低温に維持している。14は各装置を収める
真空層である。
【0025】上記のような構成で、超電導コイル8に電
流を流した時に電流リード(銅リード7)を伝わって室
温部から超電導コイル8部まで熱が伝わる。ここで電流
リードの一部を酸化物高温超電導体1で形成した。酸化
物超電導体1は一般に熱伝導率が低く、最適化された銅
リード7の熱侵入量の20%以下に熱侵入量を低減する
ことができる。このため超電導コイル8に加わる熱負荷
が小さくなるので超電導コイル8は安定に動作する。さ
らにGM冷凍機9の出力も小さくて済む。
【0026】図2はこの超電導マグネットに電流を流す
時に使用される酸化物超電導電流リード装置を示す断面
図である。図において、1は酸化物超電導体、15は酸
化物超電導体1にハンダ付けで溶着されて接続された電
流端子(金属端子)17をスペーサ16を介して載置し
た板材、18は電流端子17と共に酸化物超電導体1を
収納した電流リードケースであり、この電流リードケー
ス18の各端部より電流端子17の先端を外部に突出さ
せて固定している。また、酸化物超電導体1両端の接続
部は銀等でメタライズされた後に、ハンダ付け等で電流
端子17が溶着されている。酸化物超電導体1を支持す
る板材17が電流リードケース18の壁面を形成するよ
うに構成されている。
【0027】尚、酸化物超電導体1としてBi、Sr、
Ca、Cu、Oから構成される超電導体を使用してい
る。板材15は酸化物超電導体1と接するように構成さ
れているが、酸化物超電導体1を直接板材15に固着せ
ず接触支持している。実際には酸化物超電導体1より若
干の厚みを持つスペーサ16を介して電流端子17は板
材15の上に固定されているため、酸化物超電導体1は
スペーサ16と酸化物超電導体1の厚みの差だけ板材1
5の内面より離れている。従って、本構成では酸化物超
電導体1と直接固定されているのは電流端子17のみで
ある。
【0028】板材15は酸化物超電導体に接触支持され
ているのみなので、電流リードケース18に外力が加わ
っても外力によって酸化物超電導体1が反ったりするこ
とがない。それは電流リードケース18は外力を吸収
し、酸化物超電導体1にかかる力は電流端子に接続され
たことによって加わる力のみで、酸化物超電導体1に加
わる力を小さくする事に外ならい。本実施例による板材
15は例えば絶縁体などの熱伝導度の低い材料を使用
し、例えばGFRP(グラスファイバー強化プラスチッ
ク)や他の合成樹脂等である。電流端子17は導電性物
質であり、例えば金、銀、銅等の金属または金属系超電
導体である。電流リードケース18は板材15と同様な
熱伝導度の低い材料を使用し、例えばGFRPや他の合
成樹脂等で構成される。
【0029】実施例2. 上記、実施例1では酸化物超電導体1より若干厚みのあ
るスペーサを介して電流端子17を板材15に載置して
酸化物超電導1が板材15に直接固定されないようにし
たが、図3に示すように各電流端子17の一端を実施例
1のように酸化物超電導体1に接続したならば、各端子
17の他端を板材15方向に折曲した後に板材15に沿
って平行に電流リードケース18の端面方向に折り返し
て外部に突出させて電流リードケース18の端面に固定
する。
【0030】この時、電流端子17を折曲する地点より
折り返す地点までの長さは酸化物超電導体1の厚みより
若干長くする。この結果、酸化物超電導1は板材に固定
されずに電流端子17に固定することができる。従っ
て、酸化物超電導体1は電流リードケース18に加えら
れる外力の影響を低減できる。
【0031】実施例3. 上記、実施例1,2では板材15を用いて酸化物超電導
体1を接触支持したため、例えば酸化物超電導1と板材
15とが長手方向に熱収縮した場合に両者の熱膨張率の
差により酸化物超電導体1と板材15との間の摩擦によ
って発熱が生じ、酸化物超電導体1は常伝導状態に陥る
ことがある。
【0032】そこで、板材15と酸化物超電導体1の間
に図4のように低摩擦材料19を貼付すると、酸化物超
電導体1と板材15の間の摩擦が抑制され、発熱量を抑
制することができる。この低摩擦材料19は、例えばフ
ロン系シートであってもポリイミドシートでも良い。ま
た潤滑材等を酸化物超電導体1と板材15の摩擦面に塗
布しても良い。さらに板材15自身を低摩擦材料で構成
しても良い。
【0033】実施例4. 上記、実施例2〜3では図2、図3、図4の構成で明ら
かなように、酸化物超電導体1の両端を電流端子17を
介して電流リードケース15に固定している。しかし酸
化物超電導体1と板材15、電流リードケース18の間
には熱膨張率に差がある。このため電流リードを冷却す
ると熱膨張率の差によって酸化物超電導体1と板材1
5、電流リードケース18の間に収縮量に差が生じる。
【0034】従って、酸化物超電導体1の両端は電流端
子17を介して電流リードケース18に固定されている
ので、上記収縮量の差により、冷却したときに酸化物超
電導体1に負荷が加わわり酸化物超電導体1が変形する
という不具合が発生する。そこで、本実施例では、図5
に示すように酸化物超電導体1の両端(片側でも良い)
に接続される電流端子17の中間部を金、銀、銅などで
形成された編組線、バネなどの可橈性もしくは弾性のあ
る軟導電性金属で形成すると、収縮量の差による変位量
を軟導電性金属が吸収し、酸化物超電導体1には負荷が
加わらず酸化物超電導体1は変形しにくい。
【0035】しかしながら、同程度の形状でバルク金属
導体と編組線やバネなどを比較すると、編組線やバネな
どは実質的な電導断面積が小さいので抵抗が大きく電流
を流すと発熱量が大きくなる。そこで図5のように電流
端子17の一部を可橈性導体21で構成し、可橈性導体
21の実質長を短くすることによって抵抗を小さくでき
発熱量は抑制される。
【0036】実施例5. 上記、実施例4のように電流端子17の一部を編組線に
した場合、酸化物超電導体1を電流端子17に固定する
ことができない。そのため、酸化物超電導電流リード装
置全体に力が加わり加速度が生じた時には、酸化物超電
導体1は慣性力により酸化物超電導電流リード装置全体
の動きより遅延して動揺が生じて電流リードケース18
内で電流リードケース18壁面と酸化物超電導体1が衝
突する。または酸化物超電導体1自身にも応力がかかる
ことになり、変形の危険がある。
【0037】このような不具合を防ぐために、図6に示
すように電流リードケース18の内壁面を酸化物超電導
体1に向けて突出させ、凸部で酸化物超電導体1を接触
支持することにより、酸化物超電導体1の電流リードケ
ース18内での可動範囲が小さくなり、加速度による力
が酸化物超電導体1に加わわっても酸化物超電導体1が
大きな衝撃力で電流リードケース18の内壁面に衝突す
ることを防ぐことができる。
【0038】実施例6. 上記、実施例5では電流リードケース18の突出した壁
面のみ酸化物超電導体1を接触支持する構造を採った
が、この構造では完全に酸化物超電導体1と電流リード
ケース18壁面の間隙を無くすことは困難であるので微
小な間隙が残る。このため装置の運搬等の作業時に酸化
物超電導電流リード装置に振動等の負荷が加えられた
時、酸化物超電導体1が変形して振動することを完全に
抑制することはできない。従って、微小な振動が生じる
ため酸化物超電導体1と電流リードケース18壁面が衝
突しあうことになる。
【0039】そこで、図7に示されるように、電流端子
17が接続されていない酸化物超電導体1の全面に沿っ
て緩衝材26があてがわれるように、電流リードケース
18の底面に緩衝材26を設置する。酸化物超電導体1
の片方の面を板材15で支持し、もう一方の面を緩衝材
26によって押さえつけることによって、緩衝材26が
振動や衝撃力などの外力を吸収する。この結果、酸化物
超電導体1の変形量を低減すると共に、運搬時の取扱い
が容易になる。緩衝材26は冷却時には収縮してしまう
ため、低温装置稼働時には酸化物超電導体1とは非接触
となるため摩擦は発生しない。尚、緩衝材26は弾性物
質であり、例えば天然ゴム、ウレタン、バネなどで構成
されている。
【0040】実施例7. 上記、実施例6では図7に示されるように電流リードケ
ース内の片方の面だけに緩衝材26を設置し、酸化物超
電導体1を片面のみから緩衝材26で支持した。しかし
図8に示すように両面から酸化物超電導体1を緩衝材2
6で挟み込み支持することで、運搬時の振動等の力をう
けても酸化物超電導体1には負荷が加わらず変形量をよ
り低減し、取扱いを容易にすることができる。この場
合、各電流端子17を板材15に固定するスペーサの厚
みは酸化物超電導体1と緩衝材26の厚みの合計とす
る。
【0041】実施例8. 上記、実施例6、7では緩衝材26の長手方向の幅を酸
化物超電導体1の長手方向の幅に合わせ、この幅の緩衝
材26を電流リードケース18の内壁面および板材15
に設置したが、この場合、緩衝材26の量だけ熱伝導断
面積が増加することになる。すなわち熱流量が増加して
低温側への熱侵入量が増える。
【0042】そこで、図9に示すように、緩衝材26
を、酸化物超電導体1を必要最小限支持できる量だけ使
用するように分割する。緩衝材26を分割したことによ
って実質的な熱伝導断面積が減少し、熱流量を低減する
ことができる。
【0043】実施例9. 図10は酸化物超電導体1、電流リードケース18の材
料になりうるGFRP、緩衝材26の材料になり得るウ
レタンおよび天然ゴムの熱膨張率を示すものである。図
11は冷却時の酸化物超電導電流リード装置を示す断面
図である。上記実施例で緩衝材26は極低温環境におか
れると弾性を失い硬化する。硬化した緩衝材26が酸化
物超電導体1に接触していた場合、緩衝材26が酸化物
超電導体1を変形させる可能性がある。
【0044】この変形を防ぐために、図10で示された
ようなデータをもとに、常温では図7のように緩衝材2
6が酸化物超電導体1と接触して酸化物超電導体1を保
護するように構成し、冷却されたとき緩衝材26と酸化
物超電導体1が非接触となるように酸化物超電導電流リ
ード装置を構成する。この結果、酸化物超電導電流リー
ド装置が冷却されて緩衝材26が硬化しても、図11の
ように酸化物超電導体1と緩衝材26は接触していない
ので酸化物超電導体は変形しない。
【0045】実施例10. 上記、実施例9では酸化物超電導電流リード装置が冷却
された時に、緩衝材26が硬化して酸化物超電導体1と
接触しないようにしたが、緩衝材26の材料によっては
熱収縮量が小さく、極低温で緩衝材26と酸化物超電導
体1を非接触状態にすることが困難である。
【0046】そこで図12のように緩衝材26の酸化物
超電導体1に対する接触部分を球形や錐形にすると、常
温では接触面積が大きく緩衝材26が酸化物超電導体を
支持する効果が大きい。極低温では緩衝材26が収縮す
る事により、緩衝材26と酸化物超電導体1の接触面積
が小さくなる。その結果、緩衝材26が酸化物超電導体
1に加える外力を小さくでき、更に硬化した緩衝材26
が酸化物超電導体1を変形させる量を低減することでき
る。
【0047】実施例11. 上記、実施例10は、酸化物超電導体1は先端の接触部
が球形等の緩衝材26によって支持されるだけであった
が、図13に示すように板材15の表面に低摩擦材料1
9を敷設し、この低摩擦材料19を介して酸化物超電導
体1の他面を板材15に接触支持させる構成を採っても
良い。この構成によれば、緩衝材26の収縮量が少なく
ても酸化物超電導体1と板材15との間の摩擦が抑制さ
れると共に、酸化物超電導電流リード装置内部での酸化
物超電導体1の変形を抑制することができる。
【0048】実施例12. 今までの各実施例では酸化物超電導体1をほぼ密閉状態
にして電流リードケース18に収納して保護していた
が、このような構成では真空中で酸化物超電導電流リー
ド装置を使用する時、電流リードケース18内から気体
を排出するのが困難であり、装置の立ち上げ時の真空引
きに時間がかかるという不具合が生じることもある。
【0049】この実施例はこのような不具合を解消する
ためのものであり、図14の電流リードケース18の斜
視図に示されるように電流リードケース18の表面にガ
ス抜き穴36を設けると、気体がガス抜き穴36から出
入りするので気体の排出が容易になり、装置の立ち上げ
時の真空びきの時間が短縮できる。
【0050】実施例13. 上記、各実施例では酸化物超電導体1に対する外力の影
響を低減するために、酸化物超電導を緩衝材26等を敷
き詰めた電流リードケース18に収納するだけであった
が、図15の酸化物超電導体1の斜視図に示すように、
酸化物超電導体1の表面に紙、布などの織った繊維41
を貼付して支持すると、繊維41と酸化物超電導体1が
補強しあって、酸化物超電導体1の強度が上昇する。ま
た繊維41は酸化物超電導体に過度の応力を加えないの
で冷却時の熱収縮量による変形が生じにくい。
【0051】実施例14. 図17の酸化物超電導体の臨界電流密度−磁場強度特性
から明らかなように、酸化物超電導体に磁場が印加され
ると急速に臨界電流値が低下することがわかる。このた
め超電導マグネットなどの磁場発生装置で酸化物超電導
電流リードを使用する場合には酸化物超電導体部を磁気
的に保護するために磁気シールドをすることが必要であ
る。しかし、酸化物超電導電流リードに直接磁気シール
ドを設置すると磁気シールドを伝導する熱が酸化物超電
導電流リードの熱流量に寄与するので熱流量が増加する
ことになる。
【0052】この結果、極低温装置に熱が侵入する量が
増加し、低温を維持することが困難になる。これを解決
するために、磁気シールドを酸化物超電導電流リードか
ら熱的に隔離して設置することにより、酸化物超電導電
流リードの低温側への熱侵入の影響がない磁気シールド
が形成できる。
【0053】図16はこのような目的で構成された酸化
物超電導電流リード装置の磁気シールド部の断面図であ
る。図において、45は酸化物超電導電流リード、46
は装置全体を真空状態に保つチャンバである。47は小
型冷凍機であり例えば2段式GM冷凍機である。48は
例えば金、銀、銅などで構成されている伝導冷却部材で
あり、小型冷凍機47とは熱的に、例えばインジウムシ
ートやハンダ付けによって短絡されている。49は電流
リード及び低温装置(例えば、超電導コイル)を熱遮断
する熱シールドであって小型冷凍機47とは熱的に、例
えばインジウムシートやハンダ付けによって短絡されて
いる。
【0054】50は酸化物超電導電流リード45を磁気
的に保護する磁気シールドであり、電流リード部とは熱
的には接触していない。このように磁気シールド50を
酸化物超電導電流リード45から熱的に隔離して設置す
ることにより、酸化物超電導電流リード45の低温側へ
の熱侵入量が影響がない磁気シールドが形成できる。
【0055】実施例15. 上記、実施例14では酸化物超電導電流リード45の周
囲を磁気シールド50で囲む構成にしたが、この構成で
あると磁気シールド50の存在は酸化物超電導電流リー
ド45の交換や点検を妨げる。このため、磁気シールド
50に開口部を設ける必要がある。そこで、本実施例で
は、酸化物超電導体1には磁場印加方向によって臨界電
流値が変化する性質があることを利用して酸化物超電導
電流リード45の交換や点検に便利なように磁気シール
ド50の開口部を設けるようにする。
【0056】次に、磁気シールド50の開口部の位置を
設定する方法について説明する。電流Iは図18におい
て紙面の表から裏方向に流れているとする。この時、酸
化物超電導体1に印加される磁場Bの方向θと臨界電流
値との関係を図19より考察すると、印加磁場方向が0
度のときに酸化物超電導体1の臨界電流値が最大にな
る。
【0057】従って、図20に示すように磁気シールド
50内に設置された酸化物超電導体1に対して磁場Bが
0度の方向から印加されるように開口部51を設けるこ
とで、酸化物超電導リードは安定に動作し、酸化物超電
導電流リード45の交換、点検が容易になる。尚、図に
おいて磁気シールド50は熱シールド49内に設置され
ている。
【0058】実施例16. 上記、実施例15では磁気シールド50を強磁性体で構
成したが、酸化物超電導体で構成しても磁気遮断効果は
向上する。ここで、磁気シールドに強磁性体を使用した
場合と酸化物超電導体を使用した場合のシールド効果に
ついて説明する。
【0059】図21は磁気シールド52に強磁性体を使
用した場合であり、磁気シールド52の開口部51は磁
力線の透過方向に向けて設けてあるため、磁場を印加す
ると磁力線は磁気シールド部材内を通過するので酸化物
超電導体1に磁場は加わらない。しかし、図22に示す
ように磁気シールド52に対して垂直方向に磁場を印加
すると、磁力線は磁気シールド52を透過するため磁気
シールド52内に設置した酸化物超電導体1に磁場が加
わる。従って、磁気シールド52を強磁性体で構成する
場合は、その開口部を磁場の印加方向に設けるのが好ま
しい。
【0060】しかし、磁気シールド53を酸化物超電導
体を使用して構成した場合、磁場を磁気シールドに対し
て垂直に印加すると酸化物超電導体は磁力線を外側に押
し出す性質を有するため、磁力線は図23に示すように
磁気シールドを透過せずに、磁気シールド53に沿って
流れるため磁気シールド53内に設置した酸化物超電導
体1に磁場は加わらない。
【0061】だが、図24に示すように磁気シールド5
3に対して開口部51の方向から磁場を印加すると、磁
力線は磁気シールド53の外がに排除されるために磁場
印加方向に通過する。そのため、開口部51より磁気シ
ールド53内の酸化物超電導体1に磁場が加わる。以上
の図21、図22、図23、図24で説明したように強
磁性体の磁気シールド52と酸化物超電導体の磁気シー
ルド53とでは磁力線を遮蔽する方向が異なるので、酸
化物超電導体の磁気シールド53では磁力線に対して平
行に開口部51を設け、強磁性体磁気シールド52では
磁力線に対して垂直に開口部51を設ける必要がある。
【0062】実施例17. 上記、各実施例では酸化物超電導電流リード45を磁気
シールド50内に非接触で設置したが、磁気シールドを
酸化物超電導電流リード45の高温端に接続した電流端
子に熱的に接触させて固定しても良い。図25は本実施
例による酸化物超電導電流リード装置を断面図である。
図において、54は電源側に電気的に接続された高温端
の電流端子、55は低温装置側に電気的に接続された低
温端の電流端子である。磁気シールド50は酸化物超電
導電流リード45を接続する電流端子54に固定されて
いる。
【0063】このような構成であると、磁気シールド5
0が高温端の電流端子54に熱的に接触していても、接
触しているのは電流端子54だけであるので、低温装置
に侵入する熱量は酸化物超電導電流リード45の分だけ
となる。この結果、磁気シールド50を酸化物超電導電
流リード45に固定しても低温装置へ侵入する熱量は増
加しない。
【0064】実施例18. 上記実施例では高温端の電流端子54に磁気シールド5
0を固定したが、図26に示す断面図のように磁気シー
ルド50を低温端の電流端子55に固定して、高温端の
方向には非接触となるように構成しても磁気シールド5
0による熱侵入の影響を無くすことができ、低温装置へ
の熱侵入量を減らすことができる。
【0065】実施例19. 上記実施例18,19では高温端の電流端子54あるい
は低温端の電流端子55に磁気シールド50を固定した
が、図27の断面図に示すように磁気シールド50を酸
化物超電導電流リード45の一部に固定して、高温端お
よび低温端の方向には非接触となるように構成する。本
構成でも、磁気シールド50による熱侵入の影響は、接
触部分の熱伝導に寄与する断面積が若干増加する程度の
ものである。このため磁気シールド50による熱侵入の
影響を無くすことができ、低温装置への熱侵入量を減ら
すことができる。
【0066】実施例20. 上記、実施例17〜19では磁気シールド50は熱が直
接流入する構成でないため酸化物超電導電流リード45
に磁気シールド50を熱的に接触させることができた
が、磁気シールドが熱を流入する場合は、図28の断面
図に示すように磁気シールド50を熱シールド49に熱
的に接触し、磁気シールド50を熱シールド49によっ
て包括する状態にしても良い。この結果、磁気シールド
50に対する熱侵入は熱シールド49によって遮断され
るため、酸化物超電導電流リード45の熱侵入に対して
磁気シールドは全く寄与せず低温装置への熱侵入の影響
が無い磁気シールドが形成できる。
【0067】実施例21. 実施例17の図25においては磁気シールド25の長手
方向、即ち酸化物超電導1の高温端から低温端に向けて
の厚みは一様であるが、図29の酸化物超電導体の臨界
電流密度−温度特性を見ると、低温になるほど酸化物超
電導体の臨界電流密度が上昇している。また低温では磁
場強度が増加しても臨界電流密度の低下量は小さい。こ
のため、図30のように、酸化物超電導電流リード45
を保護する磁気シールド50を高温端側で厚くして電流
端子に固定する際の機械的強度を保つようにし、低温端
側に向かうに連れて薄くする。この結果、磁場の影響を
受け易くしても酸化物超電導電流リード45は安定に動
作する。また、磁気シールド50を薄くできるので、磁
気シールド50の全重量を軽くできる。
【0068】実施例22. 例えば、図20に示すように冷凍機が熱的に接触した熱
シールド49によって包括された磁気シールドにおいて
も、磁気シールドの厚みを低温側に向かうに連れて薄く
しても良い。図31は本実施例に於ける酸化物超電導電
流リード装置の断面図である。図において、45A,4
5Bは酸化物超電導電流リードであって高温端と低温端
のそれぞれに電流端子54、55が接続されている。4
6は図示しない低温装置および酸化物超電導電流リード
45を真空状態で収容するチャンバ、49はチャンバ4
6内に設置され、酸化物超電導電流リード45の熱侵入
を遮断する熱シールド、50は熱シールド49内に設置
された磁気シールドである。
【0069】磁気シールド50は熱シールド49内で酸
化物超電導電流リード45の低温端に向かうに連れて厚
さが薄くなるため全重量が軽くなる。従って、図20に
示すように冷凍機47によって熱シールド49をチャン
バ46に宙づり状態にした場合でも冷凍機47へ加わる
荷重が小さくなる。
【0070】実施例23. 図32は低温装置に対して酸化物超電導電流リードの交
換を容易にした酸化物超電導電流リード装置の構成を示
す断面図である。図において、60は酸化物超電導電流
リード45等を収納したリードポートであり、このリー
ドポート60は低温装置に対して58の部分(接続部5
8)で着脱自在に接続される。
【0071】リードポート60の形状は全体として上面
が閉鎖された筒状を成しており、筒内の上面には電極5
7の一部が外部に貫通して固定されている。そして電極
57には酸化物超電導電流リード45の高温端に接続さ
れた電流端子52からの導体56(金、銀、銅等で構成
されている)が接続されている。また、酸化物超電導電
流リード45の低温端側の電流端子53からは導体59
(金、銀、銅等の金属または金属系超電導体で構成され
ている)が低温装置に向けて着脱自在に接続されてい
る。更に、筒内には電極に固定された熱シールド49が
酸化物超電導電流リード45を包括するように低温装置
に向けて配置されている。
【0072】尚、リードポート60を構成する筒の開放
部の周囲にはフランジが形成され、且つ、低温装置のリ
ードポート60接続部分にもフランジが形成され双方の
フランジ部分でリードポート60と低温装置が着脱自在
に接続される。従って、接続部58で低温装置から酸化
物超電導リード45部がリードポート60に収容された
まま切り放せる。このため酸化物超電導電流リード45
の交換が容易になり、リードポート部単位で酸化物超電
導電流リード45のスペアを用意すれば故障時に迅速な
交換ができる。
【0073】実施例24. 酸化物超電導体1は図29に示されるように、温度が低
下すると臨界電流値が上昇する。温度勾配のある状態で
酸化物超電導体1を使用するとき、酸化物超電導体1が
最も高温になる点の臨界電流に制限されることになる。
同一温度で図33に示される酸化物超電導体1のIc1
とIc2部の臨界電流を測定する。同一温度で例えば臨
界電流値がIc1>Ic2であった時、高温端がIc1
なるように電流リードに設置すると、冷却後はIc1
Ic2となる。高温端がIc2となるように電流リードに
設置すると、冷却後はIc2<Ic1となる。さらに、臨
界電流の低いところで酸化物超電導体1全体の臨界電流
は制限される。この結果、電流リードの高温端に酸化物
超電導体1の臨界電流値の高い端部Ic1を持ってくる
方が全体の臨界電流値が上昇し、電流リードの安定動作
が得られる。
【0074】実施例25. 酸化物超電導体1の臨界電流の高い方の端部を電流リー
ドの高温側に配置することによって,複数本の酸化物超
電導体を用いた酸化物超電導電流リードにおいても実施
例24の効果が得られる。
【0075】実施例26. 酸化物超電導体1と電流端子17の接続抵抗の低い方を
電流リードの高温側に設置することで酸化物超電導電流
リード装置の全発生熱量を低減できる。これは、即ち、
酸化物超電導体1の臨界電流はその温度が5Kの時と6
0Kのときを比較すると、臨界電流は5Kの時の方が6
0K時の約1/10となるからである。
【0076】次に、本実施例を図34を用いて具体的に
説明する。接続部62の接続抵抗が60Kで1×10−
6Ω,5Kで1×10−7Ωであり,接続部63の接続
抵抗が60Kで1×10−7Ω,5Kで1×10−8で
あったとする。いま,酸化物超電導電流リードの定格が
100Aであり,電流端子17と酸化物超電導体1の接
続部の温度が高温側で60K,低温側で5Kとなるよう
にする。
【0077】接続部62が高温側になるように酸化物超
電導電流リードを設置すると,高温側にある接続部62
の発熱量はP=RI2により10mWとなり,低温側に
ある接続部63の発熱量は0.1mWとなり,合わせて
10.1mW発熱することになる。接続部63が高温側
になるように酸化物超電導電流リードを設置すると,高
温側にある接続部63の発熱量は1mWとなり,低温側
にある接続部62の発熱量は1mWとなり,あわせて2
mW発熱することになる。この結果、酸化物超電導体1
と電流端子17の接続抵抗の低い方を電流リードの高温
側に設置することで酸化物超電導電流リード装置の全発
生熱量を低減できる。
【0078】実施例27. 上記の効果は複数本の酸化物超電導体1を使用した時に
も同様に得られる。
【0079】実施例28酸化物超電導体1を複数本導体
によって図35のように並列接続して酸化物超電導電流
リードを構成した場合、各酸化物超電導体1の固有抵抗
の違いにより各酸化物超電導体1に流れる電流はランダ
ムである。そのため、いずれか。1本の酸化物超電導体
1に流れる電流が最初に臨界電流値を越えた点で電流リ
ードの安定動作が制限される。このため,他の酸化物超
電導体の性能を活用することができない。
【0080】そこで、各酸化物超電導体1の臨界電流の
逆数の比になるよう接続抵抗を、酸化物超電導体1と図
示しない電流端子とを接続した際の接続面積より決定す
る。回路の配線よりも接続部66の接続抵抗の方が1×
10−6Ω程度と大きいので,接続部66の接続抵抗を
調整することによって各酸化物超電導体1に流れる電流
を酸化物超電導体の臨界電流値に比例した電流を流すこ
とができるため酸化物超電導体の性能を完全に活用でき
る。
【0081】また,上記実施例26で述べたように接続
抵抗は酸化物超電導電流リードの低温端側は高温端側よ
りも小さいので,高温端側の接続抵抗を調整することで
電流を十分に各電流リードに分流させることができる。
【0082】実施例29. 上記、実施例28において酸化物超電導体1の接続部6
6の接続抵抗の調整は困難である。そこで,あらかじめ
酸化物超電導体1に電流端子17を接続し、電流端子1
7部の接続抵抗を測定する。その後,酸化物超電導体1
の臨界電流を測定して臨界電流の逆数の比となるように
電流端子17部の接続部分を切断して接続抵抗を調整す
ると容易に接続抵抗を調整できる。
【0083】実施例30. 複数の酸化物超電導体1に電流端子を接続し、各電流端
子を導体によって接続して複数の酸化物超電導体1を並
列接続した場合、いずれかの酸化物超電導体に発熱の片
寄りが生じて温度分布が生じることがある。本実施例は
いずれかの酸化物超電導体1に発熱の片寄りが生じても
温度分布が生じないようにして温度分布による電流リー
ドの動作の不安定性を取り除き、酸化物超電導体1を並
列に使用した電流リードの動作の安定性を高めることに
ようにするものである。
【0084】図36は本実施例による酸化物超電導電流
リードの構成を示す断面図である。図において、71は
回路に並列に接続された酸化物超電導体1を熱的に短絡
するための熱伝導体で,例えばインジウムで形成されて
いる。72は電流端子に接続された導体であり、この導
体72によって複数本の酸化物超電導1を並列接続して
いる。
【0085】図のように複数本の酸化物超電導体1を電
流リードとして使用したときの高温端および低温端を熱
的に短絡することによって,いずれかの酸化物超電導体
1に発熱の片寄りが生じても温度分布が生じないように
する。この結果、温度分布が生じることによる電流リー
ドの動作の不安定性を取り除き,酸化物超電導体1を並
列に使用した電流リードの動作の安定性を高めることに
なる。
【0086】実施例31. 上記、実施例30では並列接続された複数の酸化物超電
導体1に温度分布を生じさせないようにするために、酸
化物超電導1の低温端と高温端のそれぞれを熱伝導体7
1によって熱的に短絡したが、熱伝導体が良熱伝導体で
ありしかも絶縁体であることに注目して電源より低温装
置へ電流を供給する酸化物超電導電流リードの温度分布
を取り去るのにも熱伝導体を使用することができる。
【0087】図37は本実施例の構成を示す断面図であ
る。図において、1A、1Bはそれぞれ酸化物超電導体
であり、これら酸化物超電導体1A,1Bはそれぞれ高
温端と低温端に電流端子が接続されて並列接続されてい
る。
【0088】酸化物超電導体1Aは電源の+端子より低
温装置に接続され、もう一方の酸化物超電導体1Bは電
源の−端子より低温装置に接続されている。このよう
に、複数本の酸化物超電導体1A,1Bを電流リードと
して使用したとき,電源の+端子及び−端子に接続され
た酸化物超電導体1A,1Bの高温端および低温端を熱
伝導体73で熱的に短絡する。
【0089】熱伝導体73は絶縁体であるので回路の短
絡は生じない。このためいずれかの酸化物超電導体1
A,1Bに発熱の片寄りが生じても温度分布が生じない
ようにすることができる。従って、温度分布が生じるこ
とによる電流リードの動作の不安定性を取り除き,酸化
物超電導体1を並列に使用した電流リードの動作の安定
性を高めることになる。
【0090】実施例32. 酸化物超電導1は熱伝導率が悪いため熱シールドを介し
てチャンバに収容しても、酸化物超電導1を冷却して安
定させるまでに時間がかかる。そこで、この実施例はこ
のような不具合を解消するためになされたものである。
図38は本実施例の構成を示す斜視図である。図におい
て、76は酸化物超電導体1に接触して併設された初期
冷却管であり,この初期冷却管76は例えば薄肉のステ
ンレスパイプ等の金属で構成されている。
【0091】酸化物超電導体1を迅速に冷却するには、
超電導マグネット等の低温装置を使用時に冷却するため
の冷媒である液体Heが蒸発して発生する気体Heを、
初期冷却管76に通過させることにより酸化物超電導体
1を迅速に冷却できる。その結果、酸化物超電導体1は
図29に示すように早期に必要臨界電流値を得て、装置
の立ち上げ時間を短縮できる。また装置稼動後は初期冷
却管内を真空にすることによって,気体の対流を防ぎ,
低温装置に侵入する熱侵入量を減らす。
【0092】実施例33. 上記、実施例32では酸化物超電導1に対して初期冷却
管76の全面を接触させて接続したが、初期冷却管76
と酸化物超電導体1との間の熱膨張率の差により初期冷
却管76を冷却した時に接続面に熱歪みが生じて初期冷
却管76が酸化物超電導体1より離脱したり、酸化物超
電導体1に機械的な負荷がかかることがある。
【0093】そこで、図39に示すように初期冷却管7
6を接続する酸化物超電導体1の表面に対して垂直方向
に波形に初期冷却管76をたわませ、その谷部でもって
初期冷却管76を酸化物超電導1に接続する。この結
果、初期冷却管76を冷却した際に、初期冷却管76と
酸化物超電導体1との間に熱膨張率の差によって発生す
る熱歪を初期冷却管76のたわみが緩和して初期冷却管
76が酸化物超電導体1より離脱したり、酸化物超電導
体1に機械的な負荷がかかることがない。
【0094】実施例34. 上記、実施例32,33においては酸化物超電導電流リ
ード45を構成する酸化物超電導体1に金属性の初期冷
却管76が直接接続されていたため、初期冷却管76の
延長部分が装置に接触すると短絡事故を起こす恐れがあ
る。そこで、本実施例では図40のように初期冷却管7
6の一部を絶縁体77で構成することにより,酸化物超
電導体1が初期冷却管77を介して装置の構成要素,例
えばチャンバ等に短絡することを防ぐことができる。
【0095】実施例35. 実施例13では、酸化物超電導体1の複合強化を図るた
めに酸化物超電導体1に周囲に繊維を被着したが、より
強度を高めるために長手方向の熱膨張率が酸化物超電導
体1と同様な材質のGFRP材を補強材として用いても
良い。
【0096】図41は本実施例による補強材を用いて構
成した酸化物超電導電流リード45の斜視図である。図
において、79は補強材であって長手方向に向けて酸化
物超電導体1を嵌入させることのできる溝が掘られてい
る。酸化物超電導体1の各端部には電流端子17が接続
されているため、酸化物超電導体1を溝に嵌入した後に
各電流端子17を絶縁ボルト81で補強材79に螺合す
ることで酸化物超電導体1は補強材79に固定され強度
が増加する。
【0097】実施例36. 上記、実施例35では補強材79の一面のみを使用した
が、補強材79の裏表面に酸化物超電導体1を埋没させ
る長溝を形成して2本の酸化物超電導体1の補強材79
として用いても良い。図42は本実施例による補強材7
9を用いて構成した酸化物超電導電流リード45の斜視
図である。図において、79は本実施例による補強材で
あってその裏表面の双方に長手方向に沿って酸化物超電
導体1を嵌入できる溝が形成されている。
【0098】酸化物超電導体1の各端部には電流端子1
7が接続されて酸化物超電導体1を溝に嵌入した後に各
電流端子17を絶縁ボルト81で補強材79に螺合する
ことで酸化物超電導体1は補強材79に固定することが
できる。酸化物超電導体1を溝内に固定した後、溝部の
縁に沿って接着剤を塗布し板材15を補強材79に接着
して酸化物超電導体1を覆うことにより電気的な絶縁を
確保できると共に、超電導電流リード装置の断面積が増
加し強度が上昇する。
【0099】実施例37. 尚、実施例35では酸化物超電導体1を補強材79に嵌
入させて固定することで酸化物超電導体1の強度の向上
を図るのみであったが、実施例36のように酸化物超電
導体1を溝内に固定した後、溝部の縁に沿って接着剤を
塗布し板材15を補強材79に接着して酸化物超電導体
1を覆うことにより電気的な絶縁を確保できる。
【0100】実施例38. 酸化物超電導電流リードを低温装置に接続する際には室
温部から低温装置への熱侵入を低減させる必要がある。
図44は本実施例による酸化物超電導電流リード装置の
構成図である。図に示すように、補強材79に固定され
た酸化物超電導体1の高温端に接続された電流端子17
は、図示しない電源に一端が接続された金属導体90と
共に絶縁板96を介して絶縁ボルト81により冷却板8
6に螺合されている。
【0101】一方。酸化物超電導体1の低温端に接続さ
れた電流端子17には、一端が図示しない低温装置に接
続される合金系超電導導体98と可橈導体87の一端が
接続されている。この可橈導体87の他端は絶縁板96
を介して絶縁ボルト81により冷却板88に螺合されて
いる。このように、高温側の電流端子17を冷却板(高
温側)86に固定することで高温側の熱接続が強固にな
る。しかも、低温側を可橈導体87で冷却板(低温側)8
8に接続することで室温部からの金属導体90を介した
熱侵入は冷却板(低温側)88に吸収されて低温装置へ
の熱侵入を低減させることができる。
【0102】実施例39. 上記、実施例38では可橈導体87を低温側伝熱部材と
使用して冷却板88に接続したが、可橈導体87を低温
側伝熱部材と低温装置へ電流を流す電導体とに兼用して
も良い。図45は本実施例による酸化物超電導電流リー
ド装置の構成図である。図中、図44と同一符号は同一
又は相当部分を示す。酸化物超電導体1の低温側の電流
端子17に一端が接続された可橈導体87の他端は、低
温装置に一端が接続された合金系超電導導体98と共に
絶縁板96を介して絶縁ボルト81により冷却板88に
螺合されている。このような構成によれば、可橈導体8
7が低温側伝熱部材と電導体とを兼用し低温装置への熱
侵入を低減できると共に、電流端子の端末処理が容易に
なる。
【0103】実施例40. 上記、実施例39では低温端側の電流端子17と冷却板
88との接続に可橈導体87を用いたが、可橈導体87
の代わりに合金系超電導導体を用いても良い。図46は
本実施例による酸化物超電導電流リード装置の構成図で
ある。図中、図44と同一符号は同一又は相当部分を示
す。図において、TAはサーマルアンカであり、このサ
ーマルTAは冷却板88上に絶縁部材96を介して載置
されている。酸化物超電導体1の低温端側の電流端子1
7に接続され、低温装置に導出される合金系超電導導体
98は途中一端サーマルアンカTA上に載置され、絶縁
部材96を介して冷却板96に絶縁ボルト81によって
螺合される。
【0104】このように、サーマルアンカTAを介して
合金系超電導導体98を冷却板88に螺合することで合
金系超電導導体98は冷却板88と熱的に強固に接続さ
れる。その結果、熱はサーマルアンカTA、絶縁部材9
6を経出して効率良く冷却板88に伝達される。
【0105】実施例41. 上記、実例40では酸化物超電導1の高温端側の電流端
子17と図示しない室温部とを剛性に高い金属導体で接
続していた。そのため、冷却時における室温部の金属導
体接続部と高温端側の電流端子17を接続する冷却板8
6との熱収縮差により、いずれか一方に機械的負荷がか
かる不具合があった。本実施例はこのような不具合を解
消するためのものである。図47は本実施例による酸化
物超電導電流リード装置の構成図である。
【0106】図中、図46と同一符号は同一又は相当部
分を示す。図において、87は可橈導体であって一端は
冷却板86を経由して酸化物超電導1の高温側の電流端
子17に、他端は室温部の室温端子Tに接続されてい
る。このように、可橈導体87で室温端子104と高温
側の電流端子17とを接続することで、冷却板(高温側)
86と室温端子104との間の熱収縮差は可橈導体87
により吸収される。
【0107】実施例42. 上記、実施例38,39では酸化物超電導1の低温端側
の電流端子17と低温端側の冷却板88との間の接続に
可橈導体87を使用して低温装置への熱侵入を低減させ
た。しかし、図48に示すように酸化物超電導体1の高
温端側の電流端子17と冷却板86との接続、および低
温端側の各電流端子17と冷却板88との接続のそれぞ
れに可橈導体87を使用しても良い。
【0108】各冷却板86,88においては、電流端子
17より延設された可橈導体87の一端を絶縁部材96
を介して冷却板86,88に載置したならば、可橈導体
87と共に、金属導体90を絶縁ボルト81にて絶縁部
材86,88に螺合する。これにより酸化物超電導電流
リードと電源および低温装置との電気的接続、及び酸化
物超電導電流リードと冷却板86,88との熱的接続が
確実に維持できる。
【0109】実施例43. 上記、実施例23ではチャンバをリードポート構成に
し、このリードポート内に熱シールドと共に、酸化物超
電導電流リードを内蔵して酸化物超電導電流リードの交
換時にはリードポートごと交換したが、実際に交換が必
要な酸化物超電導電流リードのみを容易に交換できるよ
うにしても良い。
【0110】図49は本実施例による酸化物超電導電流
リード装置の構成を示す断面図である。図において、1
00はチャンバ101の開口部H1を覆うフランジであ
って、上面には下面に向かってリードLが挿通された2
個の電流端子102が固定され、下面には酸化物超電導
体1を支持する電気的および熱的に絶縁体である例えば
GFPRより構成される支持材103が下方に向けて固
定されると共に、挿通されたリードLに例えば銅でなる
金属導体104が下方に向けて接続されている。また、
金属導体104には下方に向けて高温側電流端子105
が接続されている。尚、フランジ100はチャンバ10
1にボルトBによって固定されている。
【0111】200は熱シールド201の開口部H2を
覆う中空のフランジであり、このフランジ200の上面
において中空部H3の周囲には内周面に良熱伝導体でな
る例えば窒化アルミの電気絶縁材203が設けられた熱
伝達材202(例えば良熱伝導体である銅)が立設され
ている。そして、電気絶縁材203に沿って高温側電流
端子105がチャンバ101よりフランジ200の中空
部H3に挿入されている。尚、フランジ200はチャン
バ201にボルトBによって固定されいる。
【0112】チャンバ201内においては、フランジ1
00より降ろされた支持材103とチャンバ101より
延設された高温側電流端子105との間に酸化物超電導
体1が接続されている。300は銅でなる伝導冷却部材
301の開口部H4を覆う中空のフランジであり、この
フランジ300の上面において中空部H5の周囲には内
周面に電気絶縁材303が設けられた熱伝達材302が
立設されている。そして、電気絶縁材303に沿って酸
化物超電導体1に接続された例えばCu/NbTi線の
低温側電流端子305がフランジ200の中空部H5に
挿入されている。
【0113】尚、フランジ300は伝導冷却材301に
ボルトBによって固定されいる。また、低温側電流端子
305は図示しない低温装置に着脱自在に接続されてい
る。更に、各開口部はH1>H2>H4の順に大きくな
っているため各フランジ100,200,300のボル
トBを取り外すことで酸化物超電導電流リードをフラン
ジ100,200,300ごとチャンバ101より取り
出すことができる。
【0114】ここで各部の接続関係を詳細に述べるなら
ば、酸化物超電導体1は支持材103に固定されてい
る。酸化物超電導体1と高温側電流端子105は電気的
に接続されている。酸化物超電導体1の高温端部は高温
側電流端子105,電気絶縁体203,熱伝達材202
を介して熱シールド201に熱的に接続されている。電
気絶縁体203および熱伝達材202は良熱伝導体であ
るので,酸化物超電導体1の高温端部は熱シールド20
1によって効率的に冷却される。また電気絶縁体203
は絶縁体でもあるので酸化物超電導体1と熱シールド2
01は電気的に短絡することがない。
【0115】またフランジ100に支持材103と電流
端子102は固定され,さらに支持材103に酸化物超
電導体1が固定されている。そして電流端子102に金
属導体104が接続され,金属導体104に高温側電流
端子105が接続され,その高温側電流端子105は酸
化物超電導体1に接続されている。また高温側電流端子
105には電気絶縁体203を介して熱伝達材202が
固定されている。
【0116】さらに酸化物超電導体1には低温側電流端
子305が接続され,その低温側電流端子305に電気
絶縁体303を介して熱伝達材302が固定されてい
る。上記のような構成で酸化物超電導電流リード装置を
一体化する。そして伝導冷却部材301に熱伝達材30
2を固定し,熱シールド201に熱伝達材202を固定
してフランジ202を固定する。上記の構成のように電
流リードを一体化しているので,酸化物超電導電流リー
ド装置を低温装置から容易に取り外すことができ,取り
替えが容易になる。
【0117】実施例44. 上記実施例では往復導体を一体化したが,片側を別々に
一体化しても良く,また複数本の導体を一体化しても同
様の効果が得られる。
【0118】実施例45. 上記実施例では,熱伝達材202および302はボルト
Bで固定したが,コネクター等を用いた脱着部材を用い
れば,さらに交換が容易になる。
【0119】ところで上記説明では,この発明を超電導
装置の電流リードに利用する場合について述べたが,そ
の他の低温装置に利用できることはいうまでもない。例
えば,極低温で測定実験を行う場合,電流リードから侵
入してくる熱による熱擾乱によって測定精度が悪くなる
場合がある。このときこの酸化物超電導電流リード装置
を使用すると熱侵入量が低減でき,熱擾乱を低減でき
る。また酸化物超電導体としてBi,Sr,Ca,C
u,Oから構成される超電導体について述べてきたが,
例えばY系など他の酸化物超電導体であっても良い。
【0120】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、低温装置収納
容器に対して着脱自在な有蓋筒状容器を形成すると共に
前記有蓋筒状容器内の蓋部に設けた電極に熱シールドを
長手方向に沿って固定し、熱シールド内に配置した酸化
物超電導体の高温端を導体を介して前記電極に接続し、
前記酸化物超電導体の低温部を導体を介して着脱自在に
前記低温装置収納容器の収納物に接続にしたので、酸化
物超電導電流リード装置の取り付け、取り外し作業が容
易になるという効果がある。
【0121】請求項2の発明によれば、複数の酸化物超
電導体を導体によって並列に接続する場合、各々の酸化
物超電導体の臨界電流の逆数の比となるように、導体と
酸化物超電導体との接続抵抗を接続面積で調整したの
で、各酸化物超電導体の性能に応じた電流を各酸化物超
電導体に分流ができるという効果がある。
【0122】請求項3の発明によれば、複数の酸化物超
電導体を導体によって並列に接続する場合、予め各酸化
物超電導体に電流端子を設置して電流端子部の接続抵抗
を測定し、その後、酸化物超電導体の臨界電流を測定し
て臨界電流の逆数の比となるように電流端子部の接続部
分を切断して接続抵抗を調整するので作業が容易になる
という効果がある。
【0123】請求項4の発明によれば、請求項19の酸
化物超電導電流リード装置におい酸化物超電導体を複数
並列に配置して電流リードを作成する際、前記複数の酸
化物超電導体の端部付近を熱的に短絡したので、請求項
19の効果に加えていずれかの酸化物超電導体に温度分
布の片寄りが生じず、電流リードが安定に動作するとい
う効果がある。
【0124】請求項5の発明によれば、低温端の導体を
冷却伝熱部材と合金系超電導導体とを兼用させたので電
流端子の端末構造を簡略化できと共に、発熱を低減でき
るという効果がある。
【0125】請求項6の発明によれば、請求項28又は
29に記載の酸化物超電導電流リード装置おいて合金系
超電導導体をサーマルアンカを介して冷却板に接続した
ので、請求項28又は29の構成に加えて低温装置への
伝熱をより効果的に低減させることができるという効果
がある。
【0126】請求項7の発明によれば、酸化物超電導体
を用いて装置外部と極低温部を電気的に接続可能な酸化
超電導電流リードにおいて、前記装置外部と前記装置内
部を隔離する壁面の一部を構成する板材と、この板材を
通って前記装置外部から前記装置内部を電気的に接続す
る金属導体と、この金属導体に電気的に接続された酸化
物超電導体と、この酸化物超電導体の両端付近において
この酸化物超電導体と接する良熱伝導体である電気絶縁
体と、この電気絶縁体に接する熱伝導体を備え、前記板
材、金属導体、酸化物超電導体、電気絶縁体および熱伝
導体を一体化して電流リードを構成したので酸化物超電
導電流リード装置部の低温装置への脱着が容易になると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による酸化物超電導電流
リード装置を組み込んだ超電導マグネットの全体の構成
を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施例1である酸化物超電導電流
リード装置の電流リード部を示す断面図である。
【図3】 この発明の実施例2である酸化物超電導電流
リード装置の電流リード部を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施例3である酸化物超電導電流
リード装置の電流リード部を示す断面図である。
【図5】 この発明の実施例4である酸化物超電導電流
リード装置の電流リード部を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施例5である酸化物超電導電流
リード装置の電流リード部を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施例6である酸化物超電導電流
リード装置の電流リード部を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施例7である酸化物超電導電流
リード装置の電流リード部を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施例8である酸化物超電導電流
リード装置の電流リード部を示す断面図である。
【図10】 この発明の実施例9における酸化物超電導
体と電流リードケースと緩衝材の熱膨張率を示すグラフ
である。
【図11】 この発明の実施例9である酸化物超電導電
流リード装置の電流リード部を示す断面図である。
【図12】 この発明の実施例10である酸化物超電導
電流リード装置の電流リード部を示す断面図である。
【図13】 この発明の実施例11である酸化物超電導
電流リード装置の電流リード部を示す断面図である。
【図14】 この発明の実施例12である酸化物超電導
電流リード装置の電流リード部を示す斜視図である。
【図15】 この発明の実施例13である酸化物超電導
電流リード装置の酸化物超電導体部の斜視図である。
【図16】 この発明の実施例14である酸化物超電導
電流リード装置の磁気シールド部を示す断面図である。
【図17】 この発明の実施例14における酸化物超電
導体の臨界電流密度−磁場強度特性を示すグラフであ
る。
【図18】 この発明の実施例15における酸化物超電
導体に印加する磁場の方向を定義する略図である。
【図19】 この発明の実施例15における酸化物超
電導体の臨界電流−磁場印加方向特性を示すグラフであ
る。
【図20】 この発明の実施例15である酸化物超電導
電流リード装置の磁気シールド部を示す断面図である。
【図21】 この発明の実施例16である酸化物超電導
電流リード装置の強磁性体磁気シールド部に印加された
磁場の様子を示す模式図である。
【図22】 この発明の実施例16である酸化物超電導
電流リード装置の強磁性体磁気シールド部に印加された
磁場の様子を示す模式図である。
【図23】 この発明の実施例16である酸化物超電導
電流リード装置の酸化物超電導体磁気シールド部に印加
された磁場の様子を示す模式図である。
【図24】 この発明の実施例16である酸化物超電導
電流リード装置の酸化物超電導体磁気シールド部に印加
された磁場の様子を示す模式図である。
【図25】 この発明の実施例17である酸化物超電導
電流リード装置の磁気シールド部を示す断面図である。
【図26】 この発明の実施例18である酸化物超電導
電流リード装置の磁気シールド部を示す断面図である。
【図27】 この発明の実施例19である酸化物超電導
電流リード装置の磁気シールド部を示す断面図である。
【図28】 この発明の実施例20である酸化物超電導
電流リード装置の磁気シールド部を示す断面図である。
【図29】 この発明の実施例21、24における酸化
物超電導体の臨界電流密度−温度特性である。
【図30】 この発明の実施例21である酸化物超電導
電流リード装置の磁気シールド部を示す断面図である。
【図31】 この発明の実施例22である酸化物超電導
電流リード装置の磁気シールド部を示す断面図である。
【図32】 この発明の実施例23である酸化物超電導
電流リード装置のリードポート部を示す断面図である。
【図33】 この発明の実施例24である酸化物超電導
電流リード装置の酸化物超電導体を示す図である。
【図34】 この発明の実施例26である酸化物超電導
電流リード装置の酸化物超電導体と電流端子の接続部を
示す断面図である。
【図35】 この発明の実施例28である酸化物超電導
電流リード装置の酸化物超電導体と電流端子の接続部を
示す略図である。
【図36】 この発明の実施例30である酸化物超電導
電流リード装置の電流リードの要部を示す断面図であ
る。
【図37】 この発明の実施例31である酸化物超電導
電流リード装置の電流リードの要部を示す断面図であ
る。
【図38】 この発明の実施例32である酸化物超電導
電流リード装置の電流リードの要部を示す斜視図であ
る。
【図39】 この発明の実施例33である酸化物超電導
電流リード装置の電流リードの要部を示す斜視図であ
る。
【図40】 この発明の実施例34である酸化物超電導
電流リード装置の電流リードの要部を示す斜視図であ
る。
【図41】 この発明の実施例35である高温超電導電
流リード装置の電流リードの要部を示す斜視図である。
【図42】 この発明の実施例36である高温超電導電
流リード装置の電流リードの要部を示す図である。
【図43】 この発明の実施例37である高温超電導電
流リード装置の電流リードの要部を示す斜視図である。
【図44】 この発明の実施例38である高温超電導電
流リード装置の電流リードの要部を示す図である。
【図45】 この発明の実施例39である高温超電導電
流リード装置の電流リードの要部を示す図である。
【図46】 この発明の実施例39である高温超電導電
流リード装置の電流リードの要部を示す図である。
【図47】 この発明の実施例40である高温超電導電
流リード装置の電流リードの要部を示す図である。
【図48】 この発明の実施例41である高温超電導電
流リード装置の電流リードの要部を示す図である。
【図49】 この発明の実施例42である高温超電導電
流リード装置の断面図を示す図である。
【図50】 従来の酸化物超電導電流リード装置を示す
断面図である。
【符号の説明】 1 酸化物超電導体、8 超電導コイル、9 GM冷凍
機、11 熱シールド、13 伝導冷却部材、14 真
空層、15 板材、16 スペーサ、17 電流端子、
18 電流リードケース、19 低摩擦材料、21、8
7 可橈導体、26緩衝材、36 ガス抜き穴、41
繊維、45 酸化物超電導電流リード、49 熱シール
ド、50 磁気シールド、51 開口部、52 強磁性
体磁気シールド、53 酸化物超電導体磁気シールド、
54 電流端子、55 電流端子、56 導体、57
電極、58 接続部、59 導体、60 リードポー
ト、62、63、66 接続部、71 熱伝導体、72
導体、73 熱伝導体、76 初期冷却管、77 絶
縁体、79 補強材、81 絶縁ボルト、86 冷却板
(高温側)、88 冷却板(低温側)、90 金属導
体、96 絶縁板、98合金系超電導導体、102 サ
ーマルアンカ、104 室温端子、103 支持材、1
05 高温側電流端子、203 電気絶縁体、202
熱伝達材、201 熱シールド、305 低温側電流端
子、303 電気絶縁体、302 熱伝達材、300
伝導冷却部材、104 金属導体。
フロントページの続き (72)発明者 今井 良夫 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2号 三菱電機株式会社 神戸製作所内 (72)発明者 湊 恒明 神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2号 三菱電機株式会社 神戸製作所内 (56)参考文献 特開 平5−121236(JP,A) 特開 平1−123405(JP,A) 実開 昭61−183554(JP,U) 実開 昭57−175409(JP,U) 実開 昭63−200307(JP,U) 実開 平2−120809(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 6/00 H01F 6/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低温装置収納容器に対して着脱自在な有
    蓋筒状容器を形成すると共に前記有蓋筒状容器内の蓋部
    に設けた電極に熱シールドを容器の長手方向に沿って固
    定し、熱シールド内に配置した酸化物超電導体の高温端
    を導体を介して前記電極に接続し、低温端を導体を介し
    て着脱自在に低温装置収納容器の収容物に接続したこと
    を特徴とする酸化物超電導電流リード。
  2. 【請求項2】 複数本の酸化物超電導体を導体によって
    並列に接続する場合、各々の酸化物超電導体の臨界電流
    の逆数の比となるように、導体と酸化物超電導体との接
    続抵抗を接続面積で調整したことを特徴とする酸化物超
    電導電流リード装置。
  3. 【請求項3】 複数本の酸化物超電導体を並列に接続す
    る場合、予め各酸化物超電導体に電流端子を設置して電
    流端子部の接続抵抗を測定し、その後、前記各酸化物超
    電導体の臨界電流を測定してこの臨界電流の逆数の比と
    なるように電流端子部の接続部分を切断して接続抵抗を
    調整したことを特徴とする請求項2に記載の酸化物超電
    導電流リード装置。
  4. 【請求項4】 酸化物超電導体を複数並列に配置して電
    流リードを作成する際、前記複数の酸化物超電導体の端
    部付近を熱的に短絡したことを特徴とする請求項2に記
    載の酸化物超電導電流リード装置。
  5. 【請求項5】 酸化物超電導体の高温端を熱シールドに
    固定し、且つ、冷却伝熱部材あるいは合金系超電導体と
    を兼用した低温端の導体を可撓導体或いは合金系超電導
    体を用いて冷却板に固定し冷却伝熱部材を構成したこと
    を特徴とする酸化物超電導電流リード装置。
  6. 【請求項6】 合金系超電導体をサーマルアンカを介し
    て冷却板に接続したことを特徴とする請求項5に記載の
    酸化物超電導電流リード装置。
  7. 【請求項7】 酸化物超電導体を用いて装置外部と極低
    温部を電気的に接続可能な酸化超電導電流リードにおい
    て、前記装置外部と前記装置内部を隔離する壁面の一部
    を構成する板材と、この板材を通って前記装置外部から
    前記装置内部 を電気的に接続する金属導体と、この金属
    導体に電気的に接続された酸化物超電導体と、この酸化
    物超電導体の両端付近においてこの酸化物超電導体と接
    する良熱伝導体である電気絶縁体と、この電気絶縁体に
    接する熱伝導体を備え、前記板材、金属導体、酸化物超
    電導体、電気絶縁体および熱伝導体を一体化して電流リ
    ードを構成したことを特徴とする酸化物超電導電流リー
    ド装置。
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