JP2980244B1 - セグメント継手部用型およびセグメント継手部用型枠の製造方法 - Google Patents

セグメント継手部用型およびセグメント継手部用型枠の製造方法

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JP2980244B1
JP2980244B1 JP10361261A JP36126198A JP2980244B1 JP 2980244 B1 JP2980244 B1 JP 2980244B1 JP 10361261 A JP10361261 A JP 10361261A JP 36126198 A JP36126198 A JP 36126198A JP 2980244 B1 JP2980244 B1 JP 2980244B1
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Abstract

【要約】 【課題】 本発明の目的は、セグメント継手用型枠をコ
ンクリート等を用いて製作することによりセグメント型
枠の製作コストを削減することができるとともに、製造
したセグメント成型品どうしの継手部分の隙間が形成さ
れにくい継手部用型およびセグメント継手部用型枠の製
造方法を提供すること。 【解決手段】 セグメントの継手部を形成するセグメン
ト継手部用型枠の製造方法であり、成形されるセグメン
トの継手部に対応して形成された型枠端板部を有する基
型1を設置して、基型1のマスターモールドML,MR
の型枠端板部T1,T2の内側に、それぞれ該型枠端板
部T1,T2に沿ってコンクリートを打設し、セグメン
ト継手部用型AL,ARを成形する。次に、このセグメ
ント継手部用型AL,ARをマスターモールドML,M
Rから脱型して、セグメント製作用型AF1,BF1,
CF1の両端部にそれぞれ離間して固定してそれぞれ各
ウイングセグメントの型枠AF,BF,CFを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シールド工法にお
いて使用されるセグメントの継手部を成形するためのセ
グメント継手部用型およびセグメント継手部用型の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トンネルの一次覆工で用いられる円弧板
からなるコンクリート製のセグメントを成形する型枠は
一般的には鋼製である。周知のように所定形状の鋼製の
型枠にコンクリートを流して固化することによりセグメ
ントは形成される。
【0003】ところで、周方向にセグメントどうしを接
続してセグメントリングを形成するセグメントにおい
て、セグメントの継手部の形状は近年では様々なものが
あり、例えば、セグメント継手部に、周方向に段差が設
けられ、周方向と交差する方向に突出部が形成された形
状のものがあり、ウイングセグメントと呼ばれている。
図20に示すセグメントリングは、3つの異なる形状の
ウイングセグメント(イ),(ロ),(ハ)を複数ピー
ス用いて構成されているものである。
【0004】このようなウイングセグメント(イ),
(ロ),(ハ)のうちセグメント継手部が左右対称なも
のを対称型のウイングセグメント(イ)、左右のセグメ
ント継手部の形状が左右非対称なものを非対称型ウイン
グセグメント(ロ),(ハ)といい、これら非対称型ウ
イングセグメント(ロ),(ハ)は、ウイングセグメン
ト(イ)の周方向の両端にそれぞれ隣接して2ピースづ
つ接合されている。図20に示すようなセグメントリン
グを構成するウイングセグメント(イ),(ロ),
(ハ)は、各々専用の型枠によりそれぞれ成形されてお
り、それぞれの型枠は個々にNC加工によって製作され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ウイングセ
グメントの継手部は、2カ所で折曲し段差が形成された
形状となっているとともに、この段差によって形成され
た高さの異なる継手面にはそれぞれ剪断キーが設けられ
ている場合があって、セグメント継手部の加工が増え、
一層複雑な構成となっている。このため、上述した対称
型ウイングセグメント(イ)、非対称型ウイングセグメ
ント(ロ),(ハ)をそれぞれ成形する専用の型枠を製
作する従来の方法では、それぞれの形態のセグメントを
製作する各型枠ごとに、個別に複雑な精度の高い継手部
用の型枠を製作することになり手間がかかる。また、こ
の型枠製作、特に複雑な構造の継手部の型枠製作におい
て、NC加工を行って、それぞれの型枠毎に製作しなけ
ればならず、その分コストがかかるという問題があっ
た。
【0006】また、上述したような複雑な継手部を成形
する型枠をそれぞれ独立して製作しているので、これら
の型枠を用いてそれぞれ成形されたウイングセグメント
を組み立てた場合に、隣接させて接合する互いのウイン
グセグメントの継手部の寸法に微妙な誤差が生じ、互い
の継手部全面が一致することがなく部分的に隙間が生じ
る可能性があった。
【0007】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもの
で、その目的は、特に、セグメントを成形するための型
枠をコンクリート等を用いて製作することによりセグメ
ント型枠の製作コストを削減することができるととも
に、製造したセグメント成型品どうしの継手部分の隙間
が形成されにくい継手部用型およびセグメント継手部用
型枠の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、シールドトンネルの覆工に用い
られるセグメントのセグメント継手部を形成するセグメ
ント継手部用型枠のセグメント継手部用型の製造方法で
あって、成形されるセグメントの継手部に対応して形成
された型枠端板部を有するマスターモールドを設置する
第1の工程と、このマスターモールドの型枠端板部の内
側に、該型枠端板部に沿って、時間の経過とともに固化
する流動体を流してセグメント継手部用型を成形する第
2の工程と、このセグメント継手部用型を前記マスター
モールドから脱型する第3の工程とからなることを特徴
としている。
【0009】前記マスターモールド(母体型枠)の有す
る前記型枠端板部は、成形されるセグメントの継手部に
対応して正確にNC加工等により製作されるものであ
る。また、前記マスターモールドの有する型枠端板部は
鋼製のものなどが挙げられる。また、この型枠端板部
は、成形されるセグメントの継手部に対応して形成され
ているものであれば、どのような形状で構成されていて
も良い。例えば、製造されるセグメントの継手面に、該
セグメントの軸方向に段差が形成されている形状のもの
である場合、これに対応した形状等が挙げられる。この
ように継手面に段差が形成されている構成であれば、こ
のように製造されるセグメント継手部用型を用いて製造
される、段差を有するセグメント成型品どうしを接合し
た際、これらの継手部での隙間が生じにくくなる。
【0010】さらに、時間の経過とともに固化する流動
体とは、時間の経過とともに固化するものであれば、ど
のような流動体でもよく、後に固化する樹脂や、コンク
リート等が挙げられる。また、これら流動体が流される
部分に該流動体が固化した際に流動体補強用鉄筋が配設
されていてもよい。上述したように成形されたセグメン
ト継手部用型を、製品となるセグメントの内側面を成形
するための円弧状の底板部であるセグメント製作用型の
端部に固定することによって、セグメント継手部用型枠
を製造できるようになっている。
【0011】請求項1記載のセグメント継手部用型の製
造方法によれば、成形されるセグメントの継手部に対応
して形成された型枠端板部を有するマスターモールドに
より前記セグメント継手部用型が製造されるので、この
マスターモールドにより同一形状の複数のセグメント継
手部用型を製造することができる。よって、このセグメ
ント継手部用型をセグメントを製造するセグメント製作
用型に取り付けてセグメント型枠を形成することができ
るので、セグメントリングを構成する形状の異なるセグ
メントを複数種類製作する場合でも、すべてのセグメン
ト継手部用型はマスターモールドから製造されるため、
セグメントの製作誤差が一定であり、それぞれの型枠に
より成形されるセグメント成型品どうしの継手部の隙間
が生じにくくなりセグメント組立誤差が生じにくい。
【0012】さらに、このような方法によってセグメン
ト継手部用型を製造し、この製造されたセグメント継手
部用型を、セグメントの円弧状の下面を成形するセグメ
ント製作用の型の端部に固定することで、セグメント継
手部用型枠が製造されことになり、従来のように、それ
ぞれの型枠毎に独立して継手部型枠をNC加工等で正確
に製作するものと異なり、マスターモールドの型枠端板
部の形成において1回のみNC加工を行うだけでよく、
セグメント継手部用型そのものを鋼製より安価な材料、
例えばコンクリートなどにより製造することができるの
で、前記セグメント継手部用型枠のコストダウンを図る
ことができる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載のセ
グメント継手部用型の製造方法により2つのセグメント
継手部用型をそれぞれ製造し、これら製造した2つのセ
グメント継手部用型をセグメント製作用型の両端部にそ
れぞれ離間して固定する第4の工程を加えたことを特徴
としている。
【0014】請求項2記載の発明に係るセグメント継手
部用型枠の製造方法によれば、請求項1記載のセグメン
ト継手部用型の製造方法により製造された2つのセグメ
ント継手部用型をセグメント製作用型の両端部にそれぞ
れ離間して固定する第4の工程を加えることによりセグ
メント継手部用型枠が製造されるので、前記セグメント
継手部用型を複数個製造して、それぞれを複数のセグメ
ント継手部用型の両端部に離間して固定することにより
製造される複数のセグメント継手部用型枠により成形さ
れるセグメント継手部は、互いに同一のマスターモール
ドから製造されていることにより製作誤差が一定であ
り、継手部どうしを接合するといったセグメントリング
を組み立てたときの誤差が生じにくいセグメントを成形
することができる。
【0015】上記セグメント継手部用型の製造方法によ
り製造される2つのセグメント継手部用型は、同一形状
のものでもよいが、それぞれ異なる形状のものであって
もよい。この場合、上述したセグメント継手部用型の製
造方法で各々個別に製造される。例えば、従来例で述べ
たような、両継手部にそれぞれ左右対称の突部が形成さ
れ、平面視して凸状のセグメント成型品(対称型ウイン
グセグメント)(イ)を成形する場合がある。上述した
ように、この対称型ウイングセグメント(イ)を用いて
セグメントリングを形成する場合には、非対称型ウイン
グセグメント(ロ)(ハ)とともに用いるため、これら
の各ウイングセグメントの継手部を成形する型枠を個別
に製造する場合について述べる。
【0016】これら対称型ウイングセグメント(イ)お
よび非対称型ウイングセグメント(ロ)(ハ)のそれぞ
れの継手部用型枠を製造する場合には、請求項1記載の
セグメント継手部用型の製造方法によって、対称型ウイ
ングセグメントの左右の継手部をそれぞれ成形するセグ
メント継手部用型を製造する。このように製造された対
称型ウイングセグメントの左右の継手部を成形するセグ
メント継手部用型を、対称型ウイングセグメントの内側
面を成形する前記セグメント製作用型の両端部に対向す
るように設置して、対称型ウイングセグメント成型用の
型枠が製造される。また、非対称型ウイングセグメント
の継手部用の型枠は、対称型ウイングセグメントの左右
の継手部用として製造された2つのセグメント継手部用
型のうち、それぞれどちらか一方のセグメント継手部用
型を2つ製造して、これらを非対称型ウイングセグメン
トの下面を成形するセグメント製作用型の両端部に離間
して対向配置することにより製造される。
【0017】このようにしてそれぞれのウイングセグメ
ントの継手部用型枠は製造されることになるので、これ
ら型枠によって成形されるウイングセグメントの継手部
どうしは、それぞれ同一のマスターモールドから成形さ
れたセグメント継手部用型によってそれぞれ成形される
ことになるので、継手部分の隙間が生じにくくなり、つ
まりセグメント製作誤差がでにくくいものとなる。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項2記載のセ
グメント継手部用型枠の製造方法において、2つの前記
セグメント継手部用型をセグメント製作用型の両端部に
それぞれ固定した第4の工程の後に、前記セグメント継
手部用型に、セグメント継手部用型枠によって成形され
るセグメントの継手部にキーまたはキー溝を形成するた
めの着脱自在の型板を取り付ける第5の工程を加えたこ
とを特徴としている。
【0019】前記マスターモールド(母体型枠)の有す
る前記型枠端板部は、成形されるセグメントの継手部に
対応して正確にNC加工等により製作されるものであ
る。また、前記マスターモールドは、鋼製の型枠端板部
を、成形されるセグメントの継手部に対応して形成され
ているものであれば、いくつ有していてもよく、例え
ば、マスターモールドが左右対称な型枠端板部を有して
いる構成などが挙げられる。
【0020】請求項3記載のセグメント継手部用型枠の
製造方法によれば、請求項2記載の発明と同様の効果を
得ることができるとともに、2つの前記セグメント継手
部用型をセグメント製作用型の両端部にそれぞれ固定し
た第4の工程の後に、セグメント継手部用型に固定され
たセグメント継手部用型のそれぞれに、該セグメント継
手部用型によって成形されるセグメントの継手部にキー
またはキー溝を形成するための着脱自在の型板を取り付
けるといった第5の工程が加えられているので、前記セ
グメント継手部用型枠によって成形されるセグメントの
継手部にキーまたはキー溝が設けられていても、該セグ
メント継手部用型枠から前記セグメントを脱型する際、
前記型板とともに取り外すことができ、キーまたはキー
溝を有するセグメント継手部を容易に製造することが出
来る。
【0021】請求項4記載の発明は、シールドトンネル
の覆工に用いられるセグメントのセグメント継手部を形
成するセグメント継手部用型枠の製造方法であって、成
形されるセグメントの継手部に対応して形成された型枠
端板部を有するマスターモールドを設置する第1の工程
と、このマスターモールドの型枠端板部の内側に、該型
枠端板部に沿って、時間の経過とともに固化する流動体
を流してセグメント継手部形状体を成形する第2の工程
と、このセグメント継手部形状体を前記マスターモール
ドから脱型する第3の工程と、前記セグメント継手部形
状体をセグメント製作用型に設置した後、前記セグメン
ト継手部形状体の外側に該セグメント継手部形状体に沿
って前記流動体を打設してセグメント継手部用型部分を
形成する第4の工程と、前記セグメント継手部形状体を
前記セグメント製作用型から脱型する第5の工程とから
なることを特徴としている。
【0022】前記流動体は記載のとおり時間の経過とと
もに固化するものであれば、どのようなものでもよく、
例えば、樹脂や、コンクリート等が挙げられる。
【0023】請求項4記載のセグメント継手部用型枠の
製造方法によれば、前記セグメントの継手部を成形する
セグメント継手部用型枠を、前記マスターモールドに形
成された型枠端板部と同一形状のものとして製造するこ
とができる。よって、同一形状のセグメント継手部用型
枠を複数製造する際、セグメント継手部形状体を用いる
ことにより、それぞれの型枠の製作毎にNC加工などを
用いることなく、マスターモールドを基準にしてセグメ
ント継手部用型が製作されているので、セグメントどう
しの接合部となるセグメントの継手部の全面どうしが一
致するようなセグメントの継手部を容易に成形すること
ができ、互いに接続される継手部を有するセグメントの
形状が異なる場合でも、従来のような、それぞれ別個に
加工することにより形成された継手部型枠と異なり、製
作誤差が生じにくい。
【0024】また、前記流動体としてコンクリートを用
いた場合、該コンクリートで型枠を製作するため、従来
の鋼製型枠より型枠製作のコストダウンが図れるととも
に、型枠自体の耐久性を向上させることができる。さら
に、前記マスターモールドで形成されたセグメント継手
部形状体を用いてセグメント継手部用型を製造している
ので、従来と異なり、NC加工により継手部が一致する
ようにセグメント継手部用型を個別に製造することがな
く、NC加工等を含む型枠コスト上昇要因を、基本とな
る前記マスターモールド製作1回に制限できるととも
に、製作工程を短縮することが出来る。
【0025】請求項5記載の発明は、請求項4記載のセ
グメント継手部用型枠の製造方法において、前記セグメ
ント継手部形状体を前記セグメント製作用型から脱型し
た第5の工程の後に、形成されたセグメント継手部用型
部分に、セグメント継手部用型枠によって成形されるセ
グメントの継手部にキーまたはキー溝を形成するための
着脱自在の型板を取り付ける第6の工程を有することを
特徴としている。
【0026】請求項5記載のセグメント継手部用型枠の
製造方法によれば、請求項4記載の発明と同様の効果を
得ることができるとともに、前記セグメント継手部形状
体を前記セグメント製作用型から脱型した第5の工程の
後に、形成されたセグメント継手部用型に、該セグメン
ト継手部形状体によって成形されるセグメントの継手部
にキーまたはキー溝を形成するための着脱自在の型板を
取り付けるといった第6の工程を有しているので、前記
セグメント継手部用型枠によって成形されるセグメント
の継手部にキーまたはキー溝が設けれていても、前記セ
グメント継手部用型枠から前記型板とともに成形された
セグメントを取り外すことによって、容易に脱型するこ
とができ、キーまたはキー溝を有するセグメントの継手
部を容易に製造することが出来る。
【0027】前記キーおよびキー溝は、それぞれ剪断キ
ーの形状を示しており、その形状はどのように形成され
ていてもよい。例えば、セグメントの継手面からセグメ
ントの周方向に突出し、継手面の延在方向に延びた突条
のものが一般的である。これらキーとキー溝は互いに嵌
合するように形成されている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るセグメント
継手部用型およびセグメント継手部用型枠の製造方法の
実施の形態を図1〜図19に基づいて説明する。
【0029】まず、この実施の形態のセグメント継手部
用型を有するセグメント継手部用型枠により成形される
セグメントは、従来の説明で参照したものと同様な構成
のセグメントを成形するものであり、図19は成形され
るセグメントを説明するセグメントリングの展開図であ
る。図19に示すように、本実施の形態のセグメント継
手部用型を備えたセグメント継手部用型枠を用いて成形
されるセグメントは、継手部に軸方向に段差が設けら
れ、該段差によりセグメント本体部分からの突出度合い
の異なる2つの面を有する円弧状のものである。
【0030】このような形態のセグメントをここでは、
便宜上ウイングセグメントと呼ぶ。また、この図19に
示すウイングセグメントを、(A)は左右両端が対称の
対称型ウイングセグメント、(B),(C)はそれぞれ
左右両側が非対称でほぼ平行四辺形状の非対称型ウイン
グセグメントと呼び、区別のため(B)は非対称型左用
セグメント、(C)は非対称型右用セグメントと以下で
はいう。この図に示すように、これらウイングセグメン
ト周方向に組み合わせることにより、セグメントリング
が形成される。
【0031】これらウイングセグメント(A),
(B),(C)は、ウイングセグメント(A)の左右に
それぞれ2ピースづつ非対称型左用ウイングセグメント
(B)、非対称型右用ウイングセグメント(C)がそれ
ぞれ隣接して接合される。対称型ウイングセグメント
(A)の一方(左側)の継手部A1と非対称型左用ウイ
ングセグメント(B)の一方(左側)の継手部B1とは
同形状のものである。また、対称型ウイングセグメント
(A)の他方(右側)の継手部A2と非対称型右用ウイ
ングセグメント(C)の一方(右側)の継手部C2とは
同形状のものであり、さらに非対称型左用ウイングセグ
メント(B)の他方(右側)の継手部B2は対称型ウイ
ングセグメント(A)の左側の継手部A1に合致して接
合されるものであり、非対称型右用ウイングセグメント
(C)の他方(左側)の継手部C1は、対称型ウイング
セグメント(A)の右側の継手部A2に合致して接合さ
れる形状となるように構成されている。
【0032】このような各ウイングセグメント(A),
(B),(C)の継手部を成形するセグメント継手部用
型を備えたセグメント継手部用型枠の製造方法の概略を
図1及び図2を用いて説明する。
【0033】図1は、本発明に係るセグメント継手部用
型を備えたセグメント型枠および、これらセグメント継
手部用型を成形するマスターモールドを示す図であり、
(a)は、上述した対称型ウイングセグメント(A)の
型枠AFを示す概略斜視図、(b)は非対称型左用ウイ
ングセグメント(B)の型枠BFの概略斜視図、(c)
は非対称型右用ウイングセグメント(C)の型枠CFの
概略斜視図、(d)はセグメント継手部用型を成形する
マスターモールドを有する基型1の概略斜視図である。
図2は本発明に係るセグメント継手部用型およびセグメ
ント継手部用型枠の製造方法において用いる、基本とな
るマスターモールドを備えた基型1の要部を説明する型
枠の概略斜視図である。
【0034】これら各ウイングセグメント(A),
(B),(C)を成形する型枠AF,BF,CFは、そ
れぞれ基型1の有するマスターモールドにより成形され
たセグメント継手部用型AL,ARを用いて製造されて
いる。
【0035】まず、対称型ウイングセグメント(A)の
継手部にそれぞれ対応して形成された型枠端板部を有す
るマスターモールド(図1(d)参照。)を有する基型
1を設置する。
【0036】ここで、基型1を説明する。この基型1
は、図2に示すように、成形することにより製品となる
ウイングセグメントの下面に対応して上面が円弧状に形
成された底板部2と、この底板部2の両端部2a,2b
の上面に立設され、成形される対称型ウイングセグメン
ト(A)の継手部A1,A2(図19参照。)にそれぞ
れ対応して形成された型枠端板部T1,T2と、底板部
2の上面にこれら型枠端板部T1,T2からそれぞれ所
定間隔離間してそれぞれ軸方向に延在するように立設さ
れた仕切り板26,26とから概略構成されている。
【0037】これら型枠端板部T1,T2はそれぞれ、
底板部2とともに、マスターモールド(基本型枠)M
L、MRを構成している。なお、図1では省略している
が、底板部2の前後側端辺部2c,2d(図2参照)と
左右の型枠端板部T1,T2の前後側端辺部とで、コ字
状にそれぞれ囲むように形成されている前側開口部21
と後側開口部22(型枠により成形されるセグメントの
リング継手部となる部分)は、型を取る際には、前後側
端板28,29で塞がれる。これら前後側端板28,2
9は成形されるセグメントのセグメントリング継手面を
成形するためのものであり、基型1から着脱可能に設け
られている。
【0038】底板部2は下部で上面の円弧状の上面20
を支持する支持部23(図2では省略、図1参照)によ
って支持されており、その底板部2の上面20の曲率半
径は、対称型ウイングセグメント(A)および非対称型
ウイングセグメント(B),(C)により組み立てられ
るセグメントリングの内径と同一でありその寸法は任意
である。
【0039】左右側型枠端板部T1,T2は、左側型枠
端板部T1と仕切り板26、右側型枠端板部T2と仕切
り板26とに挟まれている部分(基型1の内側部分)
D,Eに、それぞれコンクリートを流して固化させた際
に形成されるセグメント継手部A1,A2(図19参
照)に対応して形成されているものである。つまり、左
右側端板部T1,T2のそれぞれの内側面には段差が形
成され、それぞれ2カ所で折曲した状態となっており、
それぞれ成形される対称型ウイングセグメント(A)の
継手部A1,A2のそれぞれと合致して接合可能な形状
に構成されている。
【0040】つまり、図1に示すように、マスターモー
ルドML,MRの左側型枠端板部T1,右側型枠端板部
T2のそれぞれの内側に、これら左右側型枠端板部T
1,T2のそれぞれに沿って、コンクリートなどの時間
の経過とともに固化する流動体を打設し、セグメント継
手部用型AL,ARを成形する。図1(d)ではMLに
流動体を打設する様子を白抜き矢印で示し、矢印でAL
を脱型する様子を図示している。次に、このセグメント
継手部用型AL,ARを前記マスターモールドML,M
Rから脱型して、それぞれウイングセグメント(A),
(B),(C)の型枠AF,BF,CFの円弧状の底板
部を構成するセグメント製作用型AF1,BF1,CF
1の両端部にそれぞれ離間して固定する。これによっ
て、それぞれのウイングセグメント(A),(B),
(C)の型枠AF,BF,CFは製造されている。な
お、(d)においてARはALと同様に成形されるの
で、図では省略している。
【0041】すなわち、図1(a)に示すように、対称
型ウイングセグメント(A)は、該対称型ウイングセグ
メント(A)の円弧状の下面を成形する底板部を構成す
るセグメント製作用型AF1の左側端部AF1a上面に
セグメント継手部用型ALを固定し、このセグメント継
手部用型ALに対向するように離間して、右側端部AF
1b上面にセグメント継手部用型ARを固定して製造さ
れたものである。
【0042】また、非対称型左用ウイングセグメント
(B)は、基型1の備えたマスターモールドMLに前記
流動体を打設することにより成形されたセグメント継手
部用型ALを2つ用意し、これら成形した2つのセグメ
ント継手部用型AL,ALを、非対称型左用ウイングセ
グメント(B)の円弧状の下面を成形する底板部となる
セグメント製作用型BF1の左右の端部BF1a,BF
1b上面に離間した状態で対向して固定することにより
製造されている。
【0043】さらに、非対称型右用ウイングセグメント
(C)は、基型1の備えたマスターモールドMRに前記
流動体を打設することにより成形されたセグメント継手
部用型ARを2つ用意し、これら成形した2つのセグメ
ント継手部用型AR,ARを、非対称型左用ウイングセ
グメント(C)の円弧状の下面を成形する底板部を構成
するセグメント製作用型CF1の左右の端部CF1a,
CF1b上面に離間した状態で対向して固定することに
より製造されている。
【0044】このように成形される各ウイングセグメン
ト(A),(B),(C)の継手部に対応して形成され
た左右側型枠端板部T1,T2を有するマスターモール
ドML、MRによりセグメント継手部用型AL,ARが
それぞれ製造されるので、このマスターモールドML,
MRによりほぼそれぞれ同一形状のセグメント継手部用
型AL,ARを複数製造することができる。
【0045】よって、このセグメント継手部用型AL,
ARが各ウイングセグメント(A),(B),(C)を
製造するそれぞれのセグメント製作用型AF1,BF
1,CF1に各々固定されることにより、セグメント型
枠AF,BF,CFをそれぞれ形成することができる。
したがって、これらセグメント型枠により成形されるウ
イングセグメント(A),(B),(C)によりセグメ
ントリングを構成した場合、図19に示すように隣接し
て配置されるウイングセグメント(A),(B),
(C)のそれぞれの接合する継手部A1とB1とB2、
A2とC1とC2が、同一のマスターモールドから成形
されていることになる。よって、それぞれの継手部A
1,A2,B1,B2,C1,C2の製作誤差が一定と
なり、ウイングセグメントどうしの継手部の隙間が生じ
にくくなりセグメント組立誤差が生じにくくなる。
【0046】さらに、このような方法によってセグメン
ト継手部用型AL,ARが製造され、この製造されたセ
グメント継手部用型AL,ARを、上述したようにセグ
メントの下面を成形するウイングセグメント製作用型A
F1,BF1,CF1の端部AF1a,AF1b,BF
1a,BF1b,CF1a,CF1bにそれぞれ固定す
ることで、セグメント継手部用型枠を有するウイングセ
グメント型枠AF,BF,CFがそれぞれ製造されこと
になり、従来のように、それぞれの型枠毎に独立して継
手部型ML,MRをNC加工等で正確に製作するものと
異なり、基型1の備えたマスターモールドMR,MLの
型枠端板部T1,T2の形成において、それぞれ1回づ
つNC加工を行うだけでよいとともに、セグメント継手
部用型ML,MRそのものを鋼製より安価なコンクリー
ト製とすることができ、継手部用型枠製作のコストダウ
ンを図ることができるものとなっている。
【0047】ところで、上述した様な形状のウイングセ
グメント(A),(B),(C)の継手部には、図17
や図18に示すような、セグメントどうしを接合する継
手部の継手面において互いに填り合うオス型とメス型の
剪断キーが2種類設けられているものがある。図17に
示すウイングセグメント(A),(B),(C)には、
それぞれの継手部の段差が形成されているそれぞれの継
手面において、継手面A11,A21,B11,B2
2,C12,C21にはそれぞれオス型の剪断キー(キ
ー)S1が、また継手面A12,A22,B12,B2
1,C11,C22にはそれぞれメス型の剪断キー(キ
ー溝)S2が設けられており、これらキーS1とキー溝
S2とは嵌合するように形成されているものである。な
お、この図17におけるキーS1は、キー溝S2と同形
状、すなわちキーS1の延在方向の長さと高さが、キー
溝S2の延在方向の長さと深さとがそれぞれ同一に形成
されているものである。
【0048】また、図18に示すウイングセグメント
(1A),(1B),(1C)には、それぞれの継手部
の段差が形成されているそれぞれの継手面において、継
手面a11,a21,b12,b21,c11,c22
にはそれぞれオス型の剪断キー(キー)S3が、また継
手面a12,a22,b11,b22,c12,c21
にはそれぞれ、キーS3と嵌合するが、該キーS3と形
状が異なるメス型の剪断キー(キー溝)S4が設けられ
ているものである。この図に示すウイングセグメント
(1A),(1B),(1C)におけるキーS3の延在
方向の長さは、キー溝S4のそれより短いものとなって
いる。
【0049】このように継手面に、オス型およびメス型
のキーS1〜S4が形成されたウイングセグメント継手
部用型枠を上述したようなマスターモールドを用いて製
造する場合についてそれぞれ説明する。図3は、継手面
にオス型およびメス型のキーが形成されたウイングセグ
メント継手部用型枠をマスターモールドを用いて製造す
る場合を説明する概略平面図であり、(a)は継手部の
キー及びキー溝が同形状の場合を説明する図、(b)、
(c)はそれぞれ、継手部に互いに嵌合可能に形成され
ているキー及びキー溝の互いの形状が異形状である場合
を説明する図である。
【0050】1.セグメントの継手部に形成されるキー
及びキー溝が図17に示す各セグメントのように同形状
の場合。先ず、図17に示す継手部に同形状のキーS1
及びキー溝S2が形成されているウイングセグメントを
成形するセグメント継手部用型枠を製造する場合は、上
述したようにキーおよびキー溝を考慮しないウイングセ
グメント(A),(B),(C)とほぼ同様に製造され
る。
【0051】すなわち、図3(a)に示すように、マス
ターモールドMLにより成形されたセグメント継手部用
型ALをそのまま、セグメント製作用型Fに固定するこ
とにより、製品としてのセグメント継手部用型枠を製造
することができる。このとき、マスターモールドの有す
る型枠端板部の形状は成形されるセグメントの継手部に
対応して形成されたものである。
【0052】図4〜図6は、継手部に同形状のキーS1
及びキー溝S2を有する各ウイングセグメント型枠の斜
視図であり、図4は対称型ウイングセグメント(A)の
セグメント継手部を成形するセグメント継手部用型枠を
有するウイングセグメント(A)の型枠の斜視図であ
る。
【0053】図4に示すように、この対称型ウイングセ
グメント(A)の型枠100(図1においてAF)は、
対称型ウイングセグメント(A)の左側の継手部A1
(図19参照)を成形するセグメント継手部用型7(図
1においてALに相当)と、対称型ウイングセグメント
(A)の右側の継手部A2を成形するセグメント継手部
用型8(図1においてARに相当)と、これらセグメン
ト継手部用型7、8が内側に対向して設置され、成形さ
れる各ウイングセグメントの底板面を成形するセグメン
ト製作用型90とから概略構成されている。
【0054】セグメント継手部用型7,8の内側端部
は、上述した対称型ウイングセグメント(A)の継手部
A1,A2(図19参照)のそれぞれの形状と対応して
形成されている。つまり、セグメント継手部用型7,8
は、その内側面の略中央部の段差面7a,8aを境に段
差が設けられており、段差面7a,8aよりそれぞれ奥
側で、内方に張り出した内側張り出し端面部7b,8b
と、段差面7a,8aより手前側で内側張り出し端面部
7b,8bの外側に位置する側端面部7c,8cとを有
している状態となっている。
【0055】図4に示すように、これらセグメント継手
部用型7,8の内側張り出し端面部7b,8bには、成
形される対称型ウイングセグメント(A)の継手面A1
2,A22(図17参照)のキー溝S2を成形する突部
52a,52aを有するメス型剪断キー形成用型板5
2,52がそれぞれ着脱可能に取り付けられている。ま
た側端面部7c,8cには、それぞれ対称型ウイングセ
グメント(A)の継手面A11,A21のオス型の剪断
キーS1,S1を成形する溝部7d,8dが側端面部7
c,8cの延在方向に形成されており、これら溝部7
d,8dの上部には、成形されたオス型の剪断キー(キ
ー)S1,S1の脱型勾配がとれるように、オス型剪断
キー形成用型板51,51が取り付けられている。この
オス型剪断キー形成用型板51,51の下端面が、溝部
7d,8dのそれぞれの上側の側面を形成している。ま
た、セグメント製作用型90は、上方が開口した箱形状
に形成されているものである。
【0056】このように構成された対称型ウイングセグ
メント(A)の型枠100の中央部に、コンクリート等
の時間の経過とともに固化する流動体を打設することに
より、対称型ウイングセグメント(A)を成形できる。
なお、この流動体の打設にあたり、流動体を打設する部
分に鉄筋などを配してよいことは勿論である。図中、7
1は形成される対称型ウイングセグメント(A)のセグ
メントの継手部が有することになるボルト孔を成形する
ためのものである。
【0057】また、成形された対称型ウイングセグメン
ト(A)を型枠100から脱型する際、オス型剪断キー
形成用型板51およびメス型剪断キー形成用型板52ご
と脱型し、対称型ウイングセグメント(A)を完全に脱
型した後で、これらを外すことにより、対称型ウイング
セグメント(A)にそれぞれの継手部A1,A2の有す
る剪断キーS1,S2が設けられた状態となる。よって
継手部にキーやキー溝が設けられていても容易にウイン
グセグメント成型品を容易に脱型することができる。
【0058】図5は非対称型左用ウイングセグメント
(B)のセグメント継手部B1,B2(図17あるいは
図19参照)を成形するセグメント継手部用型7(7
A),7(7B)を有する非対称型左用ウイングセグメ
ント(B)の型枠101の斜視図である。この図に示す
非対称型左用ウイングセグメント(B)の型枠101
は、非対称型左用ウイングセグメント(B)の左右の継
手部B1,B2をそれぞれ成形するセグメント継手部用
型7,7(以下では、左側に配置固定されているものを
7A、右側のものを7Bという。)と、これら左右セグ
メント継手部用型7A,7Bが内側に対向して設置され
ているとともに、成形される非対称型左用ウイングセグ
メント(B)の下面を成形するセグメント製作用型90
Aとから概略構成されている。
【0059】なお、セグメント継手部用型7A,7Bお
よびセグメント製作用型90Aは、それぞれ上述したセ
グメント継手部用型7およびセグメント製作用型90と
同一形態のものであるので符号を付して説明は省略す
る。
【0060】対向して配置されているセグメント継手部
用型7A,7Bの内側面のそれぞれの形状は、該セグメ
ント製作用型90Aの中心部を中心に点対称となるよう
に配置されている。つまり、右側に配置固定されたセグ
メント継手部用型7Bの内側面に段差が形成され、この
段差より奥側の面を有する側端面部7cは、セグメント
製作用型90Aの左側に配置固定されたセグメント継手
部用型7Aの内側張り出し端面部7bと平行に形成さ
れ、キーを成形するための溝部7dが設けられ、この溝
部7dにより成形される部分の脱型勾配をとるために、
溝部7dの上部に沿って着脱自在な、キー形成用のオス
型剪断キー形成用型板51が内側張り出し端面部に沿っ
て取り付けられている。この型板51の下端面が溝部7
dの上側の側面を構成している。
【0061】また、セグメント製作用型90Aの右側の
セグメント継手部用型7Bでは、段差より手前側の面を
有する側端面部7bは、セグメント製作用型90Aの左
側に配置固定されたセグメント継手部用型7Aの側端面
部7cと平行に形成されており、キー溝S2を成形する
形状となっている。つまり、側端面部7bには成形され
る継手面B21のキー溝S2(図17参照)を形成する
ための突部52aが設けられた、着脱可能なメス型剪断
キー形成用型板52が取り付けられている。
【0062】図6は非対称型右用ウイングセグメント
(C)のセグメント継手部C1,C2(図19参照。)
を成形するセグメント継手部用型を有する非対称型右用
ウイングセグメント(C)の型枠の斜視図である。
【0063】図6に示すように、この非対称型右用ウイ
ングセグメント(C)の型枠103(図1のCFに相
当。)は、非対称型右用ウイングセグメント(C)の左
側の継手部C1を成形するセグメント継手部用型8A
(8)と、非対称型右用ウイングセグメント(C)の右
側の継手部C2を成形するセグメント継手部用型8B
(8)と、これらセグメント継手部用型8A,8Bが内
側に対向して設置され、成形されるセグメントの底板面
を成形するセグメント製作用型90Bとから概略構成さ
れている。なお、セグメント製作用型90Bはセグメン
ト製作用型90,90Aと同一構造のものであるので説
明は省略する。また、セグメント継手部用型8A,8B
は上述したセグメント継手部用型8と同様な構造であり
同符号を付して説明は省略する。
【0064】セグメント継手部用型8Bは、製作される
非対称型右用ウイングセグメント(C)の左側の継手部
C1に対応して形成されているものであり、対称型ウイ
ングセグメント(A)の右側の継手部A2と同一のもの
であり、配置固定状態も同様のものであるので説明は省
略する。セグメント製作用型90Bの左側に配置された
セグメント継手部用型8Aは、その内側端部のほぼ中央
に段差面8aが設けられ、この段差面8aより奥側の面
を有する側端面部8cが手前側の側端面部8bより外方
に位置した状態となっている。この奥側の側端面部8c
には継手面C12にオス型の剪断キーS1(図17参
照)を形成するための溝部8dが形成され、該溝部8d
の上部には、下端面が溝部8dの上側の側面を形成して
いる、着脱可能なオス型剪断キー形成用型板51が取り
付けられている。
【0065】また、セグメント継手部用型8Aにおい
て、段差面8aによって奥側の側端面部8cより内側に
配置されている側端面部8bには、継手面C11にメス
型の剪断キー(キー溝)S2(図17参照)を形成する
突部52aを有するメス型剪断キー形成用型板52が着
脱可能に取り付けられている。これらセグメント継手部
用型8A,8Bはセグメント製作用型90Bの中心部を
中心に点対称となるように配置固定されているものであ
り、それぞれの構成は同一である。
【0066】このように構成されているセグメントの型
枠にコンクリート等といった時間の経過とともに固化す
る流動体を打設することにより、上記各セグメントの型
枠100,101,103により、図17に示すように
継手部に同形状のキーS1及びキー溝S2が形成された
各ウイングセグメント(A),(B),(C)を成形す
ることができる。
【0067】また、それぞれのセグメント継手部用型7
(7A,7B),8(8A,8B)におけるオス型剪断
キーS1およびメス型剪断キーS2をそれぞれ成形する
オス型剪断キー(キー)形成用型板51およびメス型剪
断キー形成用型板52が取り付けられている状態を図7
及び図8に示す。この構成は、キー及びキー溝が形成さ
れている継手部であれば、どの部分の構成も同様の構成
をしている。ここではセグメント継手部用型7でのもの
として説明する。
【0068】図7はオス型剪断キー(キー)S1を成形
するセグメント継手部用型の構成を示す図であり、
(a)はオス型剪断キー(キー)形成用型板51を備え
るセグメント継手部用型7の縦断面図、(b)は、同セ
グメント継手部用型7をマスターモールドから成形する
際の、セグメント継手部用型7とマスターモールドML
との関係を示すマスターモールドMLの縦断面図であ
る。図8はメス型剪断キー形成用型板52を成形するセ
グメント継手部用型7の構成を示す図であり、(a)は
セグメント継手部用型7の縦断面図であり、(b)はメ
ス型剪断キー形成用型板52が取り付けられるセグメン
ト継手部用型7を成形する際の、該セグメント継手部用
型7とマスターモールドMLとの関係を示すマスターモ
ールドMLの縦断面図である。
【0069】図7(a)に示すようにオス型剪断キー
(キー)S1を形成する場合の構成によれば、セグメン
ト継手部用型7の内側にコンクリート等の時間の経過と
ともに固化する流動体を打設して、セグメントを成形
し、該セグメント継手部用型枠から脱型する際に、打設
された流動体のキーS1部分の上部に、オス型剪断キー
(キー)形成用型板51が配置された状態となってお
り、キーS1とともにウイングセグメント成型品を上方
に引き抜いて脱型することができるので、キーS1が形
成された継手面を有する継手部を備えたウイングセグメ
ントを製造することができる。このような形状を有する
セグメント継手部用型を製造する方法として図7(b)
に示すように、マスターモールドによって成形される時
点から、キーの先端部、キー上部に設置されるオス型剪
断キー(キー)形成用型板51の配置位置が予め決めら
れた形状のものを成形しなければならない。
【0070】この(b)では、マスターモールドの有す
る型枠端板部T5に固定された第1の金物12と第1の
金物に取り付けられた第2の金物13とを介してセグメ
ント継手部用型が成形される。つまり、第1の金物12
はセグメント継手部用型にキーの突出部を形成するため
のものである。また、第2の金物13は、セグメント継
手部用型を製品型枠の一部として用いる際に、該セグメ
ント継手部用型に、成形されたセグメントとともに脱型
するオス型剪断キー(キー)形成用型板51を取り付け
る部分を形成するものであり、オス型剪断キー(キー)
形成用型板51と同形状に構成され、この第2の金物1
3の代わりにオス型剪断キー(キー)形成用型板51を
用いてもよい。
【0071】また、メス型剪断キー形成用型板52が取
り付けられたセグメント継手部用型は、図8(a)に示
すように構成されているので、メス型剪断キー形成用型
板52が取り付けられたセグメント継手部用型7に沿っ
て内側に流動体を打設し、成形されたウイングセグメン
トをメス型剪断キー形成用型板52とともに、脱型し
て、メス型剪断キー形成用型板52をセグメント成型品
から外すことにより、継手部にキー溝が形成された継手
面を有するウイングセグメント継手部を製造することが
できる。このメス型剪断キー形成用型板52が取り付け
られる側端部は、マスターモールドMLにより成形され
る前に、型枠端板部T7の流動体の打設面にメス型剪断
キー形成用型板52を上方に抜くために用いられる長尺
の治具15と、この長尺の治具15の下方まで、型枠端
板部側に突出した状態の突出部52aを有するメス型剪
断キー形成用型板52を取り付けて、該メス型剪断キー
形成用型板52の背部に流動体を打設することにより成
形される。
【0072】2.セグメントの継手部に形成されるキー
及びキー溝の形状が図18に示すように異なる場合。以
下の2通りの製造方法が考えられる。(1).継手部に
互いに異形状のキーS3及びキー溝S4が形成されてい
るウイングセグメント継手部(図18参照)を成形する
セグメント継手部用型枠を製造する場合は、図3(b)
に示すように、マスターモールドMLでウイングセグメ
ント継手部と同一形状であるセグメント継手部形状体A
ALを成形し、このセグメント継手部形状体AALをセ
グメントの製品型枠となるセグメント製作用型Fに設置
し、該セグメント継手部形状体AALの外側に、コンク
リート等の時間の経過とともに固化する流動体を打設し
て、セグメント継手部形状体AALを脱型すること(図
中矢印で図示)により製造することができる。
【0073】(2).図3(c)に示すように、マスタ
ーモールドMLには成形されるセグメント継手部と同形
状の型枠端板部T6を設置し、このマスターモールドM
Lによりセグメント継手部用型ALを成形し、成形され
たセグメント継手部用型ALを製品としてのセグメント
継手部用型枠の底板部を構成するセグメント製作用型F
の端部に固定して製造する。これは、マスターモールド
MLの型枠端板部T6の形状のみ異なり、(イ)の製造
方法と同様の方法であるので詳細な説明は省略する。
【0074】すなわち、この製造方法で製造されるセグ
メント継手部用型を成形するマスターモールドMLで
は、型枠端板部T6の形状は、製品となったセグメント
継手部用型枠により成形されるウイングセグメントの継
手部と同様な形状として形成されているものであり、ま
た、キー及びキー溝を脱型するための型板がそれぞれ取
り付けられるため、これらセグメント継手部用型は、図
7及び図8に示す形状となっている。
【0075】以下では(1)に記載にしたように基型1
の有するマスターモールドによって成形されたセグメン
ト継手部形状体を型として、対称型ウイングセグメント
(A)の継手部用型枠の製造方法を説明する。なお、以
下に説明する製造方法により製造されるセグメント継手
部の備えたキーおよびキー溝は、図では同形状のものと
して説明するが、この製造方法によれば、互いに嵌合す
るように形成されているキー及びキー溝がそれぞれ異形
状であっても、十分対応できるものであり、図18に示
す各ウイングセグメントを製造できるものである。
【0076】図9〜図16は、マスターモールドを用い
てウイングセグメント型枠の製造を説明する図である。
図9はマスターモールドML、MRを有する基型1に時
間の経過とともに固化する流動体を流し込んでセグメン
ト継手部形状体を成形する状態を示す図であり、図10
は、図9において成形された固化した流動体製のセグメ
ント継手部形状体を示す斜視図、図11は図10の継手
部形状体のセグメント継手部分の断面図を示す図であ
り、(a)は図10のG−G線縦断面図、(b)は同、
H−H線縦断面図である。また、図12は対称型ウイン
グセグメントの左側継手部用型枠を製造するための概念
正面図、図13はウイングセグメントの内側面を成形す
るセグメント型枠のセグメント製作用型に継手部形状体
を設置する状態を示す図、図14はセグメント製作用型
に継手部形状体を設置した状態を示す図、図15はセグ
メント製作用型にセグメント型枠継手部となる時間の経
過とともに固化する流動体を流し込み(以下打設すると
いう)、セグメント製作用型からセグメント継手部形状
体を取り外した状態を示す図、図16は成形されたセグ
メント型枠のセグメント継手部用型を示す図である。
【0077】まず、図9に示すように、マスターモール
ドML,MRを有する基型1において、左側型枠端板部
4(図1においてT1に相当。)と仕切り板26とで仕
切られる内側部分Dに、該左側型枠端板部4に沿って、
時間の経過ととも固化する流動体を打設してセグメント
継手部形状体AALを成形する。そして、このセグメン
ト継手部形状体AALをマスターモールドMLから脱型
する。
【0078】脱型したセグメント継手部形状体AALを
図10に示す。このセグメント継手部形状体AALは本
発明に係るセグメント継手部用型枠により成形される対
称型ウイングセグメント(A)の左側の継手部A1と同
形状のものである。図11に示すように、このセグメン
ト継手部形状体AALの左側の継手部A1に対応する部
分には、セグメント継手部形状体AALをマスターモー
ルド1から脱型した際にマスターモールド1の左側型枠
端板部4から外れるオス型剪断キー形成用型板51とメ
ス型剪断キー形成用型板52とが取り付けられている。
なお、これらオス型剪断キー形成用型板51及びメス型
剪断キー形成用型板52は、それぞれセグメント継手部
形状体AALからも着脱可能となっているものである。
【0079】そして、図12に示すように、セグメント
継手部形状体AALをセグメント製作用型Fに配置し
て、該セグメント継手部形状体AALの外側に該セグメ
ント継手部形状体AALに沿ってコンクリート等の時間
の経過とともに固化する流動体を打設し、目的の型枠で
あるセグメント継手部用型7C(図1のセグメント継手
部用型ALや、図4のセグメント継手部用型7のそれぞ
れに相当)を製造する。
【0080】以下に、セグメント継手部用型7Cの製造
方法を詳細に述べる。図13に示すように、オス型剪断
キー形成用型板51およびメス型剪断キー形成用型板5
2が取り付けられた状態のセグメント継手部形状体AA
Lを、製品となるウイングセグメントの内側面を成形す
るセグメント型枠のセグメント製作用型F(上述したセ
グメント製作用型90と同様のものである。)の左側端
Faから所定間隔を開けた上面に配置する。
【0081】そして、図14に示すように、セグメント
継手部形状体AALの外側、つまり、セグメント製作用
型Fに配置されたセグメント継手部形状体AALとセグ
メント製作用型の左側端Faとの間の空間Iに、矢印に
示すように時間の経過とともに固化する流動体を打設
し、ウイングセグメント(A)の左側の継手部A1を成
形するセグメント継手部用型部分を形成する。
【0082】次に、図15に示すように、セグメント製
作用型Fからオス型剪断キー形成用型板51およびメス
型剪断キー形成用型板52を付設させたまま継手部形状
体AALを取り外し、ウイングセグメント(A)の左側
の継手部A1を成形するセグメント継手部用型7C(図
1においてALに相当。)が製造される。加えて、図1
6に示すように、このセグメント型枠の左側のセグメン
ト継手部用型7C部分に、オス型剪断キー形成用型板5
1とメス型剪断キー形成用型板52とを所定の位置に取
り付ける。このようにして製造されたセグメント継手部
用型7Cは、上述した基型1の左側型枠端板部4の内側
面と同様の形状となるものである。
【0083】また、図9に示すように、セグメント継手
部用型AARを用いたセグメント継手部用型枠も同様に
製造することができる。つまり、対称型ウイングセグメ
ント(A)の右側の継手部用のセグメント継手部用型8
(図4参照)は、右側型枠端板部6(図1においてT2
に相当)を用いて形成されるものであり、上述した左側
のセグメント継手部用型7Cと同様に形成する。なお、
このセグメント継手部用型8は、図1のセグメント継手
部用型ARに相当している。詳細には、図10の基型1
の右側型枠端板部6に沿って内側部分Eに時間の経過と
ともに固化する流動体を打設して、右側のセグメント継
手部形状体AARを成形し、この右側のセグメント継手
部形状体AARをマスターモールド1から脱型する。
【0084】そして、この脱型したセグメント継手部形
状体AARを所定の製作型枠であるセグメント製作用型
Fの所定の位置、言い換えれば、セグメント継手部用型
が形成される箇所に隣接している箇所に設置して、その
外側に前述した流動体を打設して、セグメント継手部形
状体AARを脱型し、セグメント継手部用型枠を形成す
るものである。上述したように形成されたセグメント継
手部用型AAL,AARの組み合わせは、図1に示した
ものと同様な組み合わせによりそれぞれのウイングセグ
メントを製造することができる。
【0085】このように、それぞれのウイングセグメン
ト(A),(B),(C)を成形する型枠において、そ
れぞれの継手部を成形するセグメント継手部用型AL,
AR、AAL,AARが、それぞれ接合される継手部を
成形する継手部用型枠と同一のマスターモールドから製
造されているので、成形されたウイングセグメントの継
手部の寸法誤差が生じる可能性がすくなくなり、これら
成形されたウイングセグメントの、隣接して接合される
接合部分が合致し易くなっており、高品質のウイングセ
グメントを成形することができる。
【0086】上述したような実施の形態のセグメント継
手部用型の製造方法によれば、それぞれのウイングセグ
メント(A),(B),(C)の継手部を成形するセグ
メント継手部用型7,7A,7B,8,8A,8Bを、
基型1に形成されたマスターモールドの有する鋼製の左
右側型枠端板部4,6と同一形状のものとして製造する
ことができる。
【0087】よって、対称型ウイングセグメント(A)
の左側の継手部A1用のセグメント継手部用型7と、非
対称型左用ウイングセグメント(B)の左側の継手部B
1用のセグメント継手部用型7Aや、対称型ウイングセ
グメント(A)の右側の継手部A2用のセグメント継手
部用型8と非対称型右用ウイングセグメントの右側継手
部C2用のセグメント継手部用型8Aといった、互いに
同一形状のセグメント継手部用型を複数製造する際、セ
グメント継手部形状体AAL,AARを用いることによ
り、NC加工して成形する作業をマスターモールド1の
製作にのみ用いて、隙間の生じにくい、一定の誤差内で
おさまるセグメント継手部用型を容易に製造することが
できる。
【0088】つまり、マスターモールド1を基準にして
セグメント継手部用型7,7A,8,8Aが製作されて
いるので、セグメントどうしの接合部となるセグメント
の継手部の全面どうしが一致するようなセグメントの継
手部を容易に成形することができ、互いに接続される継
手部を有するセグメントの形状が異なる場合でも、従来
のような、それぞれ別個に加工することにより形成され
た継手部型枠と異なり、製作誤差が生じにくい。また、
コンクリート等の時間の経過とともに固化する流動体で
型枠を製作するため、従来の鋼製型枠より型枠製作のコ
ストダウンが図れるとともに、型枠自体の耐久性を向上
させることができる。
【0089】さらに、基型1で形成されたセグメント継
手部形状体AAR,AALを用いてセグメント継手部用
型7Cを製造しているので、従来と異なり、NC加工に
より継手部が一致するようにセグメント継手部用型を個
別に製造することがなく、NC加工等を含む型枠コスト
上昇要因を、基本となるマスターモールド1製作1回に
制限できるとともに、製作工程を短縮することが出来
る。
【0090】加えて、上記実施の形態のセグメント継手
部用型の製造方法によれば、セグメント継手部形状体を
セグメント製作用型から脱型した工程の後に、形成され
たセグメント継手部用型に、該セグメント継手部形状体
によって成形されるセグメントの継手部にキーまたはキ
ー溝を形成するための着脱自在のオス型剪断キー形成用
型板51,51やメス型剪断キー形成用型板52,52
を取り付けるといった工程を有しているので、それぞれ
のセグメント継手部用型によって成形されるセグメント
の継手部にキーまたはキー溝が設けれていても、型板を
成形されたセグメントとともに取り外すことによって、
キーまたはキー溝を有するセグメントを容易に製造する
ことが出来る。
【0091】なお、上記実施の形態におけるセグメント
継手部用型は、ウイングセグメントの継手部を成形する
ものとして説明したが、これに限らず、継手面の形状が
段差によって折曲していない従来のセグメントのセグメ
ント継手部の成形にも用いることができるのは勿論であ
る。
【0092】例えば、セグメントリングを構成するA
型、B型およびK型セグメントをそれぞれ成形する場
合、それぞれの形状毎に型枠は製造され、型枠毎にNC
加工などにより個々に継手部を製作するので、上述した
ようにセグメント継手部用型を製造して適用すれば、こ
れら型枠の継手部の寸法誤差がほとんど生じることがな
くなり、継手部の精度を向上させることができたり等、
上記実施の形態と略同様の効果を得ることができる。ま
た、従来のように鋼製型枠にコンクリートを打設し、該
鋼製型枠から脱型してセグメントを成形する際と異な
り、型枠を複製する際に、継手部の寸法誤差の少ないセ
グメント継手部用型を複製することができる。
【0093】なお、上記実施の形態においてセグメント
継手部用型やセグメント継手部形状体AAL,AARな
どをコンクリートの打設により成形されるものとしても
よく、コンクリートに限らず時間の経過とともに固化す
る流動体であれば、どのようなものを用いても良い。
【0094】また、このように上記実施の形態における
セグメント継手部用型は構成されているので、型枠とし
ての強度、耐久性を有するとともに、これにより成形さ
れるセグメントの製品としての要求品質を満足する程度
の型枠精度を容易に確保することができる。
【0095】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明に係
るセグメント継手部用型の製造方法によれば、このマス
ターモールドによりほぼ同一形状の複数のセグメント継
手部用型を製造することができ、これにより、このセグ
メント継手部用型をセグメントを製造するセグメント製
作用型に取り付けてセグメント型枠を形成することがで
きる。よって、セグメントリングを構成する形状の異な
るセグメントを複数種類製作する場合でも、すべてのセ
グメント継手部用型はマスターモールドから製造される
ため、セグメントの製作誤差が一定であり、それぞれの
型枠により成形されるセグメント成型品どうしの継手部
の隙間が生じにくくなりセグメント組立誤差が生じにく
い。さらに、従来のように、それぞれの型枠毎に独立し
て継手部型枠をNC加工等で正確に製作するものと異な
り、マスターモールドの型枠端板部の形成において1回
のみNC加工を行うだけで、マスターモールドにより複
数も継手部用型を成形できる。また、セグメント継手部
用型そのものを鋼製より安価な材料、例えばコンクリー
トなどにより製造することができ、前記セグメント継手
部用型枠のコストダウンを図ることができる。
【0096】請求項2記載の発明に係るセグメント継手
部用型枠の製造方法によれば、請求項1記載のセグメン
ト継手部用型の製造方法により製造された2つのセグメ
ント継手部用型をセグメント製作用型の両端部にそれぞ
れ離間して固定する第4の工程を加えることによりセグ
メント継手部用型枠が製造されるので、前記セグメント
継手部用型を複数個製造して、それぞれを複数のセグメ
ント継手部用型の両端部に離間して固定することにより
製造される複数のセグメント継手部用型枠により成形さ
れるセグメント継手部は、互いに同一のマスターモール
ドから製造されていることにより製作誤差が一定であ
り、継手部どうしを接合するといったセグメントリング
を組み立てたときの誤差が生じにくいセグメントを成形
することができる。
【0097】請求項3記載のセグメント継手部用型枠の
製造方法によれば、請求項2記載の発明と同様の効果を
得ることができるとともに、2つの前記セグメント継手
部用型をセグメント製作用型の両端部にそれぞれ固定し
た第4の工程の後に、セグメント継手部用型に固定され
たセグメント継手部用型のそれぞれに、該セグメント継
手部用型によって成形されるセグメントの継手部にキー
またはキー溝を形成するための着脱自在の型板を取り付
けるといった第5の工程が加えられているので、前記セ
グメント継手部用型枠によって成形されるセグメントの
継手部にキーまたはキー溝が設けられていても、該セグ
メント継手部用型枠から前記セグメントを脱型する際、
前記型板とともに取り外すことができ、キーまたはキー
溝を有するセグメント継手部を容易に製造することが出
来る。
【0098】請求項4記載のセグメント継手部用型枠の
製造方法によれば、前記セグメントの継手部を成形する
セグメント継手部用型枠を、前記マスターモールドに形
成された型枠端板部と同一形状のものとして製造するこ
とができる。よって、同一形状のセグメント継手部用型
枠を複数製造する際、セグメント継手部形状体を用いる
ことにより、それぞれの型枠の製作毎にNC加工などを
用いることなく、マスターモールドを基準にしてセグメ
ント継手部用型が製作されているので、セグメントどう
しの接合部となるセグメントの継手部の全面どうしが一
致するようなセグメントの継手部を容易に成形すること
ができ、互いに接続される継手部を有するセグメントの
形状が異なる場合でも、従来のような、それぞれ別個に
加工することにより形成された継手部型枠と異なり、製
作誤差が生じにくい。
【0099】また、前記流動体としてコンクリートを用
いた場合、該コンクリートで型枠を製作するため、従来
の鋼製型枠より型枠製作のコストダウンが図れるととも
に、型枠自体の耐久性を向上させることができる。さら
に、前記マスターモールドで形成されたセグメント継手
部形状体を用いてセグメント継手部用型を製造している
ので、従来と異なり、NC加工により継手部が一致する
ようにセグメント継手部用型を個別に製造することがな
く、NC加工等を含む型枠コスト上昇要因を、基本とな
る前記マスターモールド製作1回に制限できるととも
に、製作工程を短縮することが出来る。
【0100】請求項5記載のセグメント継手部用型枠の
製造方法によれば、請求項4記載の発明と同様の効果を
得ることができるとともに、前記セグメント継手部形状
体を前記セグメント製作用型から脱型した第5の工程の
後に、形成されたセグメント継手部用型に、該セグメン
ト継手部形状体によって成形されるセグメントの継手部
にキーまたはキー溝を形成するための着脱自在の型板を
取り付けるといった第6の工程を有しているので、前記
セグメント継手部用型枠によって成形されるセグメント
の継手部にキーまたはキー溝が設けれていても、前記セ
グメント継手部用型枠から前記型板とともに成形された
セグメントを取り外すことによって、容易に脱型するこ
とができ、キーまたはキー溝を有するセグメントの継手
部を容易に製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセグメント継手部用型を備えたセ
グメント型枠および、これらセグメント継手部用型を成
形するマスターモールドを有する基型を示す図である。
【図2】本発明に係るセグメント継手部用型およびセグ
メント継手部用型枠の製造方法において用いる、基本と
なるマスターモールドを備えた基型1の要部を説明する
型枠の概略斜視図である。
【図3】継手面にオス型およびメス型のキーが形成され
たウイングセグメント継手部用型枠をマスターモールド
を用いて製造する場合を説明する概略平面図である。
【図4】対称型ウイングセグメント(A)のセグメント
継手部を成形するセグメント継手部用型を有するウイン
グセグメント(A)の型枠の斜視図である。
【図5】非対称型左用ウイングセグメント(B)のセグ
メント継手部を成形するセグメント継手部用型を有する
非対称型左用ウイングセグメント(B)の型枠の斜視図
である。
【図6】非対称型右用ウイングセグメント(C)のセグ
メント継手部を成形するセグメント継手部用型を有する
非対称型右用ウイングセグメント(C)の型枠の斜視図
である。
【図7】オス型剪断キー(キー)S1を成形するセグメ
ント継手部用型の構成を示す図である。
【図8】メス型剪断キー形成用型板52を成形するセグ
メント継手部用型7の構成を示す図である。
【図9】マスターモールドML、MRを有する基型1に
コンクリートを打設してセグメント継手部形状体を成形
する状態を示す図である。
【図10】図9において成形されたコンクリート製のセ
グメント継手部形状体を示す斜視図である。
【図11】図10の継手部形状体のセグメント継手部分
の断面図を示す図であり、(a)は同図のG−G線縦断
面図、(b)は同図のH−H線縦断面図である。
【図12】対称型ウイングセグメントの左側継手部用型
枠を製造するための概念正面図である。
【図13】ウイングセグメントの内側面を成形するセグ
メント型枠のセグメント製作用型に継手部形状体を設置
する状態を示す図である。
【図14】セグメント製作用型に継手部形状体を設置し
た状態を示す図である。
【図15】セグメント製作用型にセグメント型枠継手部
となるコンクリートを打設し、セグメント製作用型から
セグメント継手部形状体を取り外した状態を示す図であ
る。
【図16】成形されたセグメント型枠のセグメント継手
部用型を示す図である。
【図17】本発明の一例のセグメント継手部用型により
成形されるウイングセグメントを示す図である。
【図18】本発明の一例のセグメント継手部用型により
成形されるウイングセグメントの別の形態を示す図であ
る。
【図19】ウイングセグメントにより組み立てられたセ
グメントリングの展開図である。
【図20】3つの異なる形状のウイングセグメント
(イ),(ロ),(ハ)をそれぞれ複数個用いて構成さ
れたセグメントリングを示す図である。
【符号の説明】
1 基型 4 左側型枠端板部(型枠端板部) 6 右側型枠端板部(型枠端板部) 7,7A,7B セグメント継手部用型 8,8A,8B セグメント継手部用型 7b,8b溝部 51オス型剪断キー形成用型板(着脱自在の型板) 52メス型剪断キー形成用型板(着脱自在の型板) 90,90A,90B セグメント製作用型 100,101,102 セグメント型枠 (A)対称型ウイングセグメント(セグメント) (B)非対称型左用ウイングセグメント(セグメント) (C)非対称型右用ウイングセグメント(セグメント) T1,T2,T5,T6 型枠端板部 A1,A2,B1,B2,C1,C2 セグメント継手
部 AAL,AARセグメント継手部形状体 AR,AL セグメント製作用型 F セグメント製作用型
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−286813(JP,A) 特開 平8−21195(JP,A) 特開 平6−146794(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B28B 7/10 B28B 7/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールドトンネルの覆工に用いられるセ
    グメントのセグメント継手部を形成するセグメント継手
    部用型枠のセグメント継手部用型の製造方法であって、 成形されるセグメントの継手部に対応して形成された型
    枠端板部を有するマスターモールドを設置する第1の工
    程と、 このマスターモールドの型枠端板部の内側に、該型枠端
    板部に沿って、時間の経過とともに固化する流動体を流
    してセグメント継手部用型を成形する第2の工程と、 このセグメント継手部用型を前記マスターモールドから
    脱型する第3の工程とからなること、 を特徴とするセグメント継手部用型の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセグメント継手部用型の
    製造方法により2つのセグメント継手部用型をそれぞれ
    製造し、 これら製造した2つのセグメント継手部用型をセグメン
    ト製作用型の両端部にそれぞれ離間して固定する第4の
    工程を加えたこと、 を特徴とするセグメント継手部用型枠の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のセグメント継手部用型枠
    の製造方法において、 2つの前記セグメント継手部用型をセグメント製作用型
    の両端部にそれぞれ固定した第4の工程の後に、 前記セグメント継手部用型に、セグメント継手部用型枠
    によって成形されるセグメントの継手部にキーまたはキ
    ー溝を形成するための着脱自在の型板を取り付ける第5
    の工程を加えたこと、 を特徴とするセグメント継手部用型枠の製造方法。
  4. 【請求項4】 シールドトンネルの覆工に用いられるセ
    グメントのセグメント継手部を形成するセグメント継手
    部用型枠の製造方法であって、 成形されるセグメントの継手部に対応して形成された型
    枠端板部を有するマスターモールドを設置する第1の工
    程と、 このマスターモールドの型枠端板部の内側に、該型枠端
    板部に沿って、時間の経過とともに固化する流動体を流
    してセグメント継手部形状体を成形する第2の工程と、 このセグメント継手部形状体を前記マスターモールドか
    ら脱型する第3の工程と、 前記セグメント継手部形状体をセグメント製作用型に設
    置した後、前記セグメント継手部形状体の外側に該セグ
    メント継手部形状体に沿って前記流動体を打設してセグ
    メント継手部用型部分を形成する第4の工程と、 前記セグメント継手部形状体を前記セグメント製作用型
    から脱型する第5の工程とからなること、 を特徴とするセグメント継手部用型枠の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のセグメント継手部用型枠
    の製造方法において、 前記セグメント継手部形状体を前記セグメント製作用型
    から脱型した第5の工程の後に、 形成されたセグメント継手部用型部分に、セグメント継
    手部用型枠によって成形されるセグメントの継手部にキ
    ーまたはキー溝を形成するための着脱自在の型板を取り
    付ける第6の工程を有すること、 を特徴とするセグメント継手部用型枠の製造方法。
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CN110871490A (zh) * 2019-12-03 2020-03-10 王美英 一种便于脱膜的混凝土模具

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