JP2977922B2 - 圧力スイング洗浄方法および装置 - Google Patents

圧力スイング洗浄方法および装置

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JP2977922B2
JP2977922B2 JP3057867A JP5786791A JP2977922B2 JP 2977922 B2 JP2977922 B2 JP 2977922B2 JP 3057867 A JP3057867 A JP 3057867A JP 5786791 A JP5786791 A JP 5786791A JP 2977922 B2 JP2977922 B2 JP 2977922B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧力スイング洗浄方法お
よび洗浄装置に係り、特に穴加工などが施された物品で
あって例えば磁気ディスク部品等の洗浄や乾燥処理に有
効な圧力スイング洗浄方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気ディスク装置等のような精
密電気装置の構成部品は、塵埃付着による障害を防止す
るために高い精度で洗浄処理され、付着塵埃を取除いて
から組立てられるようになっている。
【0003】従来、この種の部品洗浄にはフロン洗浄を
行っていたが、フロン使用禁止の国際的了解から代替洗
浄方法が模索されている。例えば特開平2−86878
号公報に開示されている技術は、密閉容器内に洗浄液を
入れて物品を浸漬し、容器内圧を減圧した後急激に解放
して圧力上昇させることによって、容器内液面の急激な
上昇に伴う液の高速流れによって物品表面の洗浄を施す
ようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の方法
では減圧後の急激な圧力上昇による液の高速流れを生起
して、物品の表面汚れを流し落とすようにしているた
め、物品の表面洗浄にはある程度有効性が認められるも
のの、洗浄対象物品に袋ナット部分等のように加工され
た袋穴がある場合、袋穴内に洗浄液が入り込まず、穴加
工が施されている物品に対する洗浄効果が充分でないと
いう問題があった。特に袋穴の径が6mm以下の場合には
従来方法によっても穴内に付着した塵埃が除去されない
欠点があった。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に着目し、微
小径の袋穴を有する物品の洗浄を表面のみならず袋穴の
内部まで確実に行わせることができるようにした圧力ス
イング洗浄方法および装置を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る圧力スイング洗浄方法は、第1に袋穴
等が形成された物品を洗浄する方法であって、前記物品
を洗剤液または純水中に浸漬させ液槽内を洗剤液または
純水の沸点近傍まで減圧した後、これを常圧に解放する
ことを繰り返す圧力スイングを行って洗浄するように構
成した。
【0007】また第2には袋穴等が形成された物品を洗
浄する方法であって、前記物品を洗剤液槽中に浸漬させ
液槽内を洗剤液の沸点近傍まで減圧した後常圧に解放す
ることを繰り返す洗浄液圧力スイングを行って洗浄し、
その後純水液槽中に前記物品を浸漬させ純水液の沸点近
傍まで減圧した後常圧に解放することを繰り返す純水圧
力スイングを行って洗浄液を洗い落とすように構成し
た。
【0008】更に第3には袋穴等が形成された物品を洗
浄する方法であって、前記物品を洗剤液槽中に浸漬させ
超音波洗浄を行いながら同時に液槽内で液沸点近傍に達
する減圧と常圧とを繰り返し作用して圧力スイング洗浄
を行う第1の工程と、前記物品を純水液槽に浸漬させて
当該液槽内で液沸点近傍に達する減圧と常圧とを繰り返
して圧力スイング洗浄をなす第2の工程と、前記物品を
乾燥容器内に収容し容器内を減圧しつつ加熱する第3の
工程から構成したものである。なお前記物品の各槽内で
の洗浄・乾燥処理を同一時間で行い、槽間移動を同時に
行うことが好ましい。
【0009】また、上記各圧力スイング洗浄方法におい
て、各槽内液を加熱しておき、減圧時には加熱を停止し
て槽内液の突沸を防止するようにしたものである。
【0010】更に、本発明に係る洗浄装置は、負圧源と
大気管路に接続される圧力容器から形成される減圧容器
内に洗浄液や純水が入れられる液容器を内蔵させた二重
容器を備え、前記液容器の内壁面部には超音波振動子を
取り付け、減圧容器内において液容器内外の圧力導通を
図るとともに、前記液容器からオーバーフロー液を回収
し前記液容器に接続される環流路を形成し、この環流路
の途中に前記洗浄液の加熱をなすヒータを設けたもので
ある。 さらに、本発明に係る洗浄装置は、耐圧容器本体
とその内部に形成され直接洗浄液が入れられる液容器か
らなる二重容器として構成された液槽を多段に設置し、
単一の真空吸引装置から引き出された配管をこれら液層
に接続するとともに前記液層の後段に真空乾燥容器を設
置し、各容器に投入される洗浄対象部品の容器間移動を
同時に行う搬送ロボットを設けたものである。
【0011】
【作用】上記第1の発明構成によれば、物品洗浄のため
の溶液をその沸点領域まで減圧し、さらにこれを常圧に
解放する作業を繰り返し行う圧力スイングをなすように
しているので、袋穴内の洗浄溶液は一部蒸気化して激し
く動くと同時に、穴内の汚れた液が穴外の清浄な液と置
換され、物品表面のみならず微小な穴であっても清浄化
が促進される。また、上記蒸気化作用と相俟って減圧時
に穴内の空気膨張、収縮作用によって液の突沸と吸引が
繰り返され、置換が更に促進される。この結果、袋穴を
有する物品の洗浄効果が非常に向上し、清浄度を増すこ
とができるのである。
【0012】第2の発明によれば、最初に洗剤液による
圧力スイングを行い、その後に純水による圧力スイング
を物品に施すようにしているため、当初の洗剤液が袋穴
内の油分や汚れを分離しつつ液の一部蒸発と穴内空気の
急激な膨張により内部は清浄な洗浄液と置換される。次
いで、この物品を純水圧力容器に入れて同様に圧力スイ
ングを行うと、物品の穴内部の洗浄液が清浄な純水と置
換される。これによって穴の内部には純水以外の不純物
がない状態になるので、その後の乾燥処理によって表面
のみならず加工穴内部の汚れ成分や塵埃をも高い精度で
除去できるのである。
【0013】また、第3の発明によれば、洗浄液による
圧力スイングと、その後の純水による圧力スイングによ
って物品の穴の内部洗浄およびリンス作用を行って、特
に袋穴の内部を純水によって充満させた状態から、減圧
乾燥するようにしているため、物品の袋穴の内部の置換
純水は突沸されて一挙に穴から吐き出される。そして、
同時に加熱しているので突沸作用の推進作用と乾燥が促
進され、高速の洗浄乾燥が可能となるのである。
【0014】更に第4の発明構成によれば、上記減圧と
常圧を繰り返す圧力スイングを行う際に、洗浄液や純水
を加熱しておき、減圧時には加熱を停止するため、減圧
に伴う使用液の温度低下を抑制して洗浄作用を効果的に
行わせることができ、同時に減圧時に液が槽から突沸し
て溢出するのを防止できるのである。
【0015】また、本発明の装置構成によれば、圧力ス
イングを行わせるための圧力容器を二重容器構造として
内部槽内に洗浄液や純水を入れるようにし、圧力を外部
容器と内部容器に同時に作用させることができる。これ
によって内部容器を薄肉にして超音波振動子を取り付け
ることが可能となる。したがって、超音波を効率よく槽
内液に伝達することができ、もって圧力スイング洗浄と
同時に物品の表面洗浄を有効に行わせることができるの
である。
【0016】
【実施例】以下に、本発明に係る圧力スイング洗浄方法
および装置の具体的実施例を図面を参照して詳細に説明
する。
【0017】図1は実施例に係る圧力スイング洗浄を行
うための設備構成を示している。この洗浄設備は第1の
洗剤洗浄工程と、洗剤洗浄により物品に付着した洗浄液
を洗い落とす第2の純水洗浄工程と、その後の第3の乾
燥工程を構成しており、洗浄対象物品を図示しない搬送
ロボットにより連続して各工程に移送することにより、
洗剤洗浄、純水洗浄、乾燥処理を順次行わせるものとし
ている。
【0018】洗剤洗浄工程と純水洗浄工程には共通の構
造を有する液槽10が採用されており、これは肉厚の厚
い耐圧容器本体12と、その内部に形成され直接洗浄液
が入れられる肉厚の薄い液容器14からなる二重容器と
して構成されている。そして耐圧容器本体12と液容器
14との間の空間を液容器14からオーバフロー液を収
容する液溜め空間16としている。このような液槽10
は、洗剤洗浄工程に2槽101、102設置され、後段の
液槽102は開放上面部に密閉蓋18を設けて開閉でき
るように形成して真空容器を構成している。一方、純水
洗浄工程には4槽の液槽103〜106が設置され、中段
の液槽104、105に密閉蓋18を取り付けてやはり真
空容器を構成しているのである。
【0019】更に、図4に詳細に示したように、上記真
空容器102、104、105は外容器の耐圧容器本体1
2の内部に開口される空気配管20を介して真空吸引装
置22に接続されている。真空吸引装置22は真空ポン
プ23と気液分離装置24を具備し、前記空気配管20
を介して真空容器102、104、105内を減圧可能と
している。また真空ポンプ23に接続される空気配管2
0はポンプ上流側で大気開口の分岐管26にも接続され
ており、この分岐管26には切換え制御弁28を介装
し、その開閉制御により流路の切換えを行って真空容器
102、104、105を減圧し、あるいは大気圧まで昇
圧させることができるようになっている。真空容器10
2、104、105内での減圧作用は耐圧容器本体12の
内部全体に均一に作用するようになっている。このた
め、液容器14とその外部の液溜め空間16とは密閉蓋
18によって仕切られずに、両空間が相互に圧力導通可
能とされている。
【0020】また、各真空容器102、104、105
は収容液の加熱手段30が取り付けられており、これは
液溜め空間16のドレン32から液容器14に接続され
る環流路34にポンプ36とヒータ38を介装してな
り、洗浄液を循環させつつ所定の温度に加熱するように
したものである。更に、真空容器102、104、105
では、後述する圧力スイング洗浄をなすようにしている
が、同時に超音波洗浄も行うようにしており、このため
特に内容器としての液容器14の内表面に超音波振動子
39を取り付けている。この振動子39は液容器14の
底板面と、側壁面のうち互いに対向しない面に取り付
け、作動時の干渉を防止しつつ、物品の各面に超音波洗
浄を施すようにしている。このような超音波振動子39
は洗剤洗浄工程の初段液槽101および純水洗浄工程の
最終段液槽106にも付帯され、これらの液槽中でも超
音波洗浄を行わせるようにしている。
【0021】なお、上記洗剤洗浄工程と純水洗浄工程の
各液槽10の上縁には吸引口40が開口され、洗浄物品
の出し入れに際しての発生蒸気等を系外に排気するよう
にしている。
【0022】蒸気洗浄工程に続く乾燥工程には、図示の
ように、水切り槽42と真空乾燥容器44が配置されて
いる。水切り槽42内にはエアブロー用ノズル管46が
多段に配置され、導入された洗浄物品に送風空気を吹き
掛けて内部で水切りを行うようにしている。この水切り
槽42には開閉蓋48が取り付けられ、エアブロー時に
霧が外部に飛散しないようにしている。
【0023】また、真空乾燥容器44は耐圧容器によっ
て形成され、これには耐圧性の開閉蓋50が取り付けら
れている。そして、容器内部には加熱ヒータ52が内蔵
されており、収容物品を加熱乾燥するようにしている。
この真空乾燥容器44には前段工程で用いされた真空吸
引装置22と同様な装置54に吸引配管56を介して接
続されている。すなわち、真空吸引装置54は真空ポン
プ58と気液分離装置60を具備し、前記吸引配管56
を介して真空乾燥容器44内を減圧することができるよ
うになっている。また真空ポンプ58に接続される吸引
配管56はポンプ上流側で大気開口の分岐管62にも接
続されており、この分岐管62には切換え制御弁64を
介装し、その開閉制御により流路の切換えを行って真空
乾燥容器44を減圧し、あるいは大気圧まで昇圧させる
ことができるようになっている。
【0024】上述のような設備により例えば磁気ディス
ク装置の部品を洗浄する方法は次のように行う。
【0025】まず、洗浄作業に先立って、洗剤洗浄工程
の各液槽101、102には界面活性剤の原液を希釈して
5〜10%濃度にした洗剤液を入れておき、また加熱手
段30により洗浄液の温度が30〜50℃となるように
設定しておく。また、純水洗浄工程の各液槽103、1
4、105、106には純水を入れておき、この純水も
加熱手段30により30〜60℃となるように設定して
おく。
【0026】このような準備作業が整ったら、洗浄対象
の部品を籠容器に収容して設備の入口までローラ搬送装
置等を利用して搬送する。そして、洗浄設備の入口に達
したときに、ロボットにより部品を籠容器ごと持上げ、
所定のタクトにしたがって連続的に各槽に搬入、搬出を
繰り返しながら、図2に示すような作業工程により部品
の洗浄を行うのである。
【0027】まず、洗浄対象の部品は、ロボットにより
最初の洗剤洗浄工程の初段液槽10 1に浸漬される。そ
して、当該液槽101内で籠容器を上下に揺動させると
ともに、超音波振動子39を作動させ、部品の予備洗浄
を行うようにしている(作業工程100)。
【0028】この予備洗浄を1〜10分間行ったのち、
次の洗浄液槽102にロボットにより移送する。第2洗
剤液槽である真空容器102では密閉蓋18を開放して
おき、洗浄部品を収容してロボットが離れた後に自動的
に施蓋し、完全密閉状態にする。そして、この真空容器
102に接続されている真空吸引装置22のポンプ23
を起動し、真空容器102内を減圧するとともに、その
真空度が洗剤が沸騰する圧力25〜70Torr(実施例で
は30Torr)に達した時に、真空吸引装置22内の切換
え制御弁28を切換えて大気開放し、真空容器102
を常圧に戻すような圧力変化を与えるようにしている
(作業工程110)。このような圧力変化は連続的に2
〜5回繰り返すようにし、当該真空容器102に図3に
示すようないわゆる圧力スイングを付与するようにして
いる。
【0029】このような圧力スイング洗浄を行うことに
よって、減圧時には物品の袋穴の内部では洗浄液の一部
が蒸発し、また内部気泡が急激に膨張するとともに、常
圧時には内部空間の急激な収縮が発生し、減圧と常圧の
連続した繰り返しにより洗浄液が袋穴に対してピストン
運動をなす。この結果、袋穴内の汚れは洗剤液により穴
壁面から分離され、穴内は清浄な洗浄液と置換される。
【0030】上記圧力スイングに際して、洗浄液は加熱
手段30によって加熱状態にあるが、減圧時に洗浄液の
温度が高いと沸点が高くなってしまう。そこで、減圧に
際して加熱手段30のヒータ38を停止し、液容器14
から洗浄液が沸騰することを防止し、併せて減圧度を大
きくとれるようにしている。
【0031】なお、圧力スイング洗浄を行うと同時に、
真空容器102の液容器14に取り付けた超音波振動子
39を作動させ、部品の表面洗浄を行わせるようにして
いる。
【0032】このようにして洗剤洗浄が行われたのち、
部品を純水洗浄工程に移行させるようにしている。この
工程では最初に密閉蓋18が設けられていない液槽10
3にロボットにより部品を搬送し、部品に付着した洗剤
を洗い落とすようにしている(作業工程120)。これ
は常温で行うようにしており、特に単純な浸漬により可
能であるが、実施例では部品の浸漬中に純水を循環さ
せ、この循環流によって洗い落とすようにしている。こ
のため、液槽103には液容器14の底部分にノズルヘ
ッダ66を設け、これにポンプ68を介装した循環配管
70を接続し、液容器14内で純水の上昇流を発生させ
るようにしている。
【0033】純水による予備洗浄が行われた部品は隣接
する第2純水洗浄液槽である真空容器104に移送さ
れ、ここで圧力スイングを施すようにしている(作業工
程130)。ここでの洗浄作業は洗剤洗浄工程の圧力ス
イングと同様な方法で行われるものとなっている。すな
わち、真空容器104に接続されている真空吸引装置2
2のポンプ23を起動し、真空容器104内を減圧する
とともに、その真空度が純水が沸騰する圧力25〜70
Torr(実施例では30Torr)に達した時に、真空吸引装
置22内の切換え制御弁28を切換えて大気開放し、真
空容器104内を常圧に戻すような圧力変化を与えるよ
うにしている。このような圧力変化は連続的に2〜5回
繰り返すようにし、当該真空容器104においても図3
に示すようないわゆる圧力スイングを付与するようにし
ている。
【0034】このような圧力スイング洗浄を行うことに
よって、減圧時には物品の袋穴の内部では残留洗浄液の
一部が蒸発し、また内部残留気泡が急激に膨張するとと
もに、常圧時には内部空間の急激な収縮が発生し、減圧
と常圧の連続した繰り返しにより内部洗浄液が突沸し、
外部の純水と置換されるのである。
【0035】上記純水液槽における圧力スイングに際し
て、純水は加熱手段30によって加熱状態にあり、洗剤
液槽における圧力スイングの場合と同様に、減圧時に洗
浄液の温度が高いと沸点が高くなってしまう。そこで、
この純水槽による圧力スイングに際しても加熱手段30
のヒータ38を停止し、液容器14から純水が沸騰する
ことを防止し、併せて減圧度を大きくとれるようにして
いる。そして、純水圧力スイング洗浄を行うと同時に、
真空容器104の液容器14に取り付けた超音波振動子
39を作動させ、部品の表面洗浄を行わせるようにして
いる。
【0036】このような純水洗浄工程の圧力スイング洗
浄は、次の第3純水液槽である真空容器105において
も同様に行われるようにしている(作業工程140)。
これはいわゆるリンス効果を高めるためであり、洗剤を
完全に部品から除去するためである。
【0037】次いで部品は純水洗浄工程の最終液槽10
6に移送される。ここでは加熱手段30により純水の温
度が50〜90℃の範囲で設定されており、洗浄対象の
部品は、ロボットにより液槽106に浸漬される。そし
て、当該液槽106内で籠容器を上下に揺動させるとと
もに、超音波振動子39を作動させ、部品の仕上リンス
をおこなわせるのである(作業工程150)。
【0038】このようにして洗浄工程を経由した洗浄部
品は、乾燥工程に搬入され、最初に水切り槽42に入れ
られて温風をノズル管46から吹き付けられる。これに
よって部品の表面に付着している液が取除かれる(作業
工程160)。この水切り作業が終了したのち、後段に
設置されている真空乾燥容器44内に移送され、ここで
最終的な乾燥処理を行うようにしている。これは前段の
洗浄工程において部品の袋穴内に入り込んでいる純水は
エアブローによっても除去されずに残留している場合が
殆どであり、これを完全に取除く必要があるためであ
る。このため、真空乾燥容器44内に設置されたヒータ
52により容器内温度が120℃程度になるように設定
し、搬入部品の表面温度が80℃以下になるように調整
する。そして、密閉した状態で接続されている真空吸引
装置54を起動し、内部を50〜100Torr(実施例で
は60Torr)に減圧するようにしている。この加熱・減
圧により部品の袋穴内に充満している純水は外部に突沸
し、加熱により穴内壁表面の乾燥が確実に行われる(作
業工程170)。この減圧乾燥は2〜5分間行えばよ
く、タイマ管理によって設定すればよい。
【0039】なお、必要に応じて、図2に示したよう
に、減圧乾燥処理後に再度温風乾燥を施すようにして、
より完全な乾燥処理を行わせるようにしてもよい(作業
工程180)。
【0040】上記実施例において、各槽内での洗浄・乾
燥処理は同一時間により行うようにすることによって槽
間移動が同時に行われ、作業シーケンスが非常に円滑に
なる結果、ロボットのタクトが容易になる利点がある。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
微少径の袋穴を有する部品の洗浄を表面のみならず袋穴
の内部まで確実に行わせることができる効果を奏するこ
とができる。特に、第1の発明構成によれば、洗浄液ま
たは純水の沸点近傍まで減圧するようにしているので袋
穴からの突沸効果が有効に働き、穴内の汚れを分離して
洗浄液との置換効率が高いものとなる。第2の発明構成
によれば、最初の行程で袋穴の汚れが洗浄液のピストン
作用によって有効に分離され、その後の純水による洗浄
工程で洗剤と純水の置換が行われる結果、部品の清浄度
が向上し、単純な乾燥によっても高い洗浄効果が得られ
る。更に第3の発明構成によれば、洗剤液槽の圧力スイ
ング洗浄と純水槽の圧力スイング洗浄後に減圧して加熱
乾燥させるため、特に乾燥時に袋穴の突沸効果が発揮さ
れ、困難な袋穴の乾燥が迅速に行われ効果がある。そし
て第4の発明構成によれば、物品における槽間の移動を
同期化して、作業シーケンスを円滑化し、搬送ロボット
のタクトを容易にすることが可能になる。また、第
発明構成によれば、減圧に伴う使用液の温度低下を抑制
して洗浄作用を効果的に行わせることができ、同時に減
圧時に液が槽から突沸を防止できるものとなる。第
発明構成によれば、内部容器を薄肉にして超音波振動子
を取り付けることが可能となる。したがって、超音波を
効率よく槽内液に伝達することができ、もって圧力スイ
ング洗浄と同時に物品の表面洗浄を有効に行わせること
ができるのである。さらに、第7の発明構成によれば、
作業シーケンスを円滑化し、搬送ロボットのタクトを容
易にするとともに真空吸引装置の共通化により装置構成
のコンパクト化を達成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例に係る洗浄方法を行うための洗浄
設備の構成図である。
【図2】実施例の洗浄方法の工程ブロック図である。
【図3】圧力スイングの説明図である。
【図4】真空液槽の断面構成図である。
【符号の説明】 10(101〜106) 液槽 12 耐圧容器本体 14 液容器 16 液溜め空間 18 密閉蓋 22 真空吸引装置 28 切換え制御弁 30 加熱手段 39 超音波振動子 42 水切り槽 44 真空乾燥容器 54 真空吸引装置
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 忠 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所 小田原工場内 (72)発明者 山崎 静男 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所 小田原工場内 (72)発明者 川島 仁 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所 小田原工場内 (72)発明者 水島 清隆 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所 小田原工場内 (72)発明者 松元 文敏 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所 小田原工場内 (72)発明者 藤崎 芳男 千葉県松戸市上本郷船付537 エイチ・ ピー・シー機電エンジニアリング株式会 社内 (72)発明者 小松 康宏 千葉県松戸市上本郷船付537 エイチ・ ピー・シー機電エンジニアリング株式会 社内 (72)発明者 山崎 征 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 (72)発明者 河西 正隆 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−10531(JP,A) 特開 平2−83074(JP,A) 特開 昭62−117686(JP,A) 特開 昭54−73474(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B08B 3/00 - 3/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 袋穴等が形成された物品を洗浄する方法
    であって、前記物品を洗浄液または純水中に浸漬させ液
    槽内を洗浄液または純水の沸点近傍まで減圧した後、こ
    れを常圧に解放することを繰り返す圧力スイングを行っ
    て洗浄することを特徴とする圧力スイング方法。
  2. 【請求項2】 袋穴等が形成された物品を洗浄する方法
    であって、前記物品を洗剤液槽中に浸漬させ液槽内を洗
    剤液の沸点近傍まで減圧した後常圧に解放することを繰
    り返す洗浄液圧力スイングを行って洗浄し、その後純水
    液槽中に前記物品を浸漬させ純水液の沸点近傍まで減圧
    した後常圧に解放することを繰り返す純水圧力スイング
    を行って洗浄液を洗い落とすことを特徴とする圧力スイ
    ング洗浄方法。
  3. 【請求項3】 袋穴等が形成された物品を洗浄する方法
    であって、前記物品を洗剤液槽中に浸漬させ超音波洗浄
    を行いながら同時に液槽内で液沸点近傍に達する減圧と
    常圧とを繰り返し作用して圧力スイング洗浄を行う第1
    の工程と、前記物品を純水液槽に浸漬させて当該液槽内
    で液沸点近傍に達する減圧と常圧とを繰り返して圧力ス
    イング洗浄をなす第2の工程と、前記物品を乾燥容器内
    に収容し容器内を減圧しつつ加熱する第3の工程からな
    る圧力スイング洗浄方法。
  4. 【請求項4】 前記物品の各槽内での洗浄・乾燥処理を
    同一時間で行い、槽間移動を同時に行うことを特徴とす
    る請求項3に記載の圧力スイング洗浄方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないしの圧力スイング洗浄方
    法において、各槽内液を加熱しておき、減圧時には加熱
    を停止して槽内液の突沸を防止するようにしたことを特
    徴とする圧力スイング洗浄方法。
  6. 【請求項6】 負圧源と大気管路に接続される圧力容器
    から形成される減圧容器内に洗浄液や純水が入れられる
    液容器を内蔵させた二重容器を備え、前記液容器の内壁
    面部には超音波振動子を取り付け、減圧容器内において
    液容器内外の圧力導通を図るとともに、前記液容器から
    オーバーフロー液を回収し前記液容器に接続される環流
    路を形成し、この環流路の途中に前記洗浄液の加熱をな
    すヒータを設けたことを特徴とする洗浄装置。
  7. 【請求項7】 耐圧容器本体とその内部に形成され直接
    洗浄液が入れられる 液容器からなる二重容器として構成
    された液槽を多段に設置し、単一の真空吸引装置から引
    き出された配管をこれら液層に接続するとともに前記液
    層の後段に真空乾燥容器を設置し、各容器に投入される
    洗浄対象部品の容器間移動を同時に行う搬送ロボットを
    設けたことを特徴とする洗浄装置。
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