JP2976498B2 - 塩素化ポリエチレンおよびその製造方法 - Google Patents
塩素化ポリエチレンおよびその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な塩素化ポリエチレンに関するもので
ある。
ある。
更に詳しくは、加硫操作時のスコーチ安定性および加
硫物の圧縮永久歪み等に優れ、しかも従来のクロロスル
ホン化ポリエチレンの一般ゴム物性(引っ張り強さや引
き裂き強さ等)を維持した新規な塩素化ポリエチレンに
関するものである。
硫物の圧縮永久歪み等に優れ、しかも従来のクロロスル
ホン化ポリエチレンの一般ゴム物性(引っ張り強さや引
き裂き強さ等)を維持した新規な塩素化ポリエチレンに
関するものである。
[従来の技術] クロロスルホン化ポリエチレンは、耐候性、耐オゾン
性、耐油性、耐熱性、及び着色性等に優れたエラストマ
ーとして知られており、自動車用各種ホース材、電線被
覆、引き布、シート、塗料、コーティング、及びルーフ
ィング材等に用いられている。
性、耐油性、耐熱性、及び着色性等に優れたエラストマ
ーとして知られており、自動車用各種ホース材、電線被
覆、引き布、シート、塗料、コーティング、及びルーフ
ィング材等に用いられている。
クロロスルホン化ポリエチレンに用いられている加硫
系は、例えば、金属酸化物/硫黄促進剤系、過酸化物
系、マレイミド系等が知られている。この中で、引っ張
り強さや引き裂き強さ等のゴム物性のバランス、ゴムコ
ンパウンドの貯蔵安定性、過酸化物取扱いの危険性か
ら、金属酸化物/硫黄促進剤の加硫系が主として用いら
れている。
系は、例えば、金属酸化物/硫黄促進剤系、過酸化物
系、マレイミド系等が知られている。この中で、引っ張
り強さや引き裂き強さ等のゴム物性のバランス、ゴムコ
ンパウンドの貯蔵安定性、過酸化物取扱いの危険性か
ら、金属酸化物/硫黄促進剤の加硫系が主として用いら
れている。
しかし、この金属酸化物/硫黄促進剤の加硫系は、過
酸化物系、マレイミド系に比べ、圧縮永久歪みが劣るこ
とが一般に知られている。この原因として以下のことを
考える。
酸化物系、マレイミド系に比べ、圧縮永久歪みが劣るこ
とが一般に知られている。この原因として以下のことを
考える。
クロロスルホン化ポリエチレンの架橋サイトであるス
ルホニルクロライド基(−SO2Cl)は、非常に反応性に
富んだ基である。そのため、金属酸化物/硫黄促進剤の
加硫系において、加工工程中の湿気や配合剤(充填剤
等)に含まれる水分によってスルホニルクロライド基
(−SO2Cl)が加水分解し、一部スルホン酸に変わる。
さらに、このスルホン酸が、金属酸化物の金属イオンと
の間でイオン架橋体を形成する。従って、金属酸化物/
硫黄促進剤の加硫系は、本来の硫黄架橋体(共有結合)
以外にイオン架橋体が存在する。そのため、スコーチ安
定性や圧縮永久歪みが一般の加硫系に比べて劣ると考え
た。
ルホニルクロライド基(−SO2Cl)は、非常に反応性に
富んだ基である。そのため、金属酸化物/硫黄促進剤の
加硫系において、加工工程中の湿気や配合剤(充填剤
等)に含まれる水分によってスルホニルクロライド基
(−SO2Cl)が加水分解し、一部スルホン酸に変わる。
さらに、このスルホン酸が、金属酸化物の金属イオンと
の間でイオン架橋体を形成する。従って、金属酸化物/
硫黄促進剤の加硫系は、本来の硫黄架橋体(共有結合)
以外にイオン架橋体が存在する。そのため、スコーチ安
定性や圧縮永久歪みが一般の加硫系に比べて劣ると考え
た。
一方、これまでスルホニルクロライド基(−SO2Cl)
を水分に対して安定な官能基に改質する試みがなされて
きた。例えば、スルホニルクロライド基をアンモニアと
反応させスルホンアミド基に変換する方法(D.A.Olsen,
J.Polymer Sci.A−I,7,1913,1921,1927(1969))が
ある。しかしこの反応は、フィルム状のポリマーを用い
て行われているため、表面のみの改質であった。又クロ
ロスルホン化ポリエチレンを溶媒中でアミンと反応させ
てスルホンアミド基に変える反応も報告されている(特
公昭34−9285)。しかし本発明者らは、この報告の方法
で得られるクロロスルホン化ポリエチレンについて検討
した所、このクロロスルホン化ポリエチレンは、圧縮永
久歪みがやや改良されているもののスコーチ安定性が非
常に悪く、そのため混練作業中にゲル化(架橋反応)が
進行してしまい、工業的に実施できるものではなかっ
た。
を水分に対して安定な官能基に改質する試みがなされて
きた。例えば、スルホニルクロライド基をアンモニアと
反応させスルホンアミド基に変換する方法(D.A.Olsen,
J.Polymer Sci.A−I,7,1913,1921,1927(1969))が
ある。しかしこの反応は、フィルム状のポリマーを用い
て行われているため、表面のみの改質であった。又クロ
ロスルホン化ポリエチレンを溶媒中でアミンと反応させ
てスルホンアミド基に変える反応も報告されている(特
公昭34−9285)。しかし本発明者らは、この報告の方法
で得られるクロロスルホン化ポリエチレンについて検討
した所、このクロロスルホン化ポリエチレンは、圧縮永
久歪みがやや改良されているもののスコーチ安定性が非
常に悪く、そのため混練作業中にゲル化(架橋反応)が
進行してしまい、工業的に実施できるものではなかっ
た。
[発明が解決しようとする課題] 即ち、本発明の目的とするところは、優れたスコーチ
安定性と同時に加硫物が優れた圧縮永久歪みを示す変性
クロロスルホン化ポリエチレンである新規な塩素化ポリ
エチレンを提供することである。
安定性と同時に加硫物が優れた圧縮永久歪みを示す変性
クロロスルホン化ポリエチレンである新規な塩素化ポリ
エチレンを提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、かかる新規な塩素化ポリエチレンの開
発に鋭意検討を行った結果、塩素化ポリエチレンを基準
にして、10〜60重量%の塩素、スルホンアミド基として
0.2〜3.0重量%の硫黄、0.1〜1.5重量%の窒素原子を含
有し、かつスルホン酸イオン含量が、メチレンブルー吸
光光度法で測定して、0〜100[mg NaO3 SO(CH2)11CH
3/g]である新規塩素化ポリエチレンが上記の目的を達
する重合体であることを見出だし本発明をなすに至った
ものである。
発に鋭意検討を行った結果、塩素化ポリエチレンを基準
にして、10〜60重量%の塩素、スルホンアミド基として
0.2〜3.0重量%の硫黄、0.1〜1.5重量%の窒素原子を含
有し、かつスルホン酸イオン含量が、メチレンブルー吸
光光度法で測定して、0〜100[mg NaO3 SO(CH2)11CH
3/g]である新規塩素化ポリエチレンが上記の目的を達
する重合体であることを見出だし本発明をなすに至った
ものである。
[作用] 本発明の新規な塩素化ポリエチレンは、クロロスルホ
ン化ポリエチレンと次式[II]で示す第一級脂肪族アミ
ンとを、溶液中で反応温度−30℃〜10℃で反応させて得
られる。
ン化ポリエチレンと次式[II]で示す第一級脂肪族アミ
ンとを、溶液中で反応温度−30℃〜10℃で反応させて得
られる。
本発明で用いるクロロスルホン化ポリエチレンは、線
状高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE,VLDPE)、分岐状低密度ポリエチレン(LDP
E)等、密度0.83〜0.97g/cc、重量平均分子量2万〜100
万のエチレン単独重合体もしくはエチレンとエチレンと
共重合可能な単量体(例えばプロピレン、1−ブテン、
4−メチルペンテン−1、等の炭素数3〜8個のα−オ
レフィン:エチレンに対して、1〜50重量%)との共重
合体を塩素化及びクロロスルホン化して得られる重合体
である。
状高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE,VLDPE)、分岐状低密度ポリエチレン(LDP
E)等、密度0.83〜0.97g/cc、重量平均分子量2万〜100
万のエチレン単独重合体もしくはエチレンとエチレンと
共重合可能な単量体(例えばプロピレン、1−ブテン、
4−メチルペンテン−1、等の炭素数3〜8個のα−オ
レフィン:エチレンに対して、1〜50重量%)との共重
合体を塩素化及びクロロスルホン化して得られる重合体
である。
ポリエチレンを塩素化及びクロロスルホン化する方法
は、例えば溶媒にポリエチレンを溶解させ、塩素と亜硫
酸ガスまたは塩化スルフリル、あるいは塩化スルフリル
を単独でラジカル発生剤を触媒として、必要に応じて助
触媒を用いることから製造する方法があげられる。
は、例えば溶媒にポリエチレンを溶解させ、塩素と亜硫
酸ガスまたは塩化スルフリル、あるいは塩化スルフリル
を単独でラジカル発生剤を触媒として、必要に応じて助
触媒を用いることから製造する方法があげられる。
この際、溶媒としては、ハロゲン化反応に不活性な、
四塩化炭素、クロロホルム、四塩化エタン、モノクロル
ベンゼン、ベンゼンなどが用いられる。
四塩化炭素、クロロホルム、四塩化エタン、モノクロル
ベンゼン、ベンゼンなどが用いられる。
ラジカル発生剤としては、α,α′−アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル
のようなアゾ系ラジカル開始剤、過酸化ベンゾイル、過
酸化アセチルのような過酸化物あるいは紫外線が用いら
れる。
チロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル
のようなアゾ系ラジカル開始剤、過酸化ベンゾイル、過
酸化アセチルのような過酸化物あるいは紫外線が用いら
れる。
助触媒としては、ピリジン、キノリンのようなアミン
化合物が挙げられる。
化合物が挙げられる。
反応の終了した溶液は、液中に残存する塩化水素ガ
ス、亜硫酸ガス等の酸分を取り除く。
ス、亜硫酸ガス等の酸分を取り除く。
得られた溶液からクロロスルホン化ポリエチレンを分
離乾燥する手段としては、水蒸気蒸留法(例えば米国特
許2592814)、ドラム乾燥法(例えば米国特許292397
9)、押出乾燥法(例えば特開昭57−47303)等公知の方
法が挙げられる。
離乾燥する手段としては、水蒸気蒸留法(例えば米国特
許2592814)、ドラム乾燥法(例えば米国特許292397
9)、押出乾燥法(例えば特開昭57−47303)等公知の方
法が挙げられる。
通常、クロロスルホン化ポリエチレンは約10〜60重量
%の塩素と約0.2〜3.0重量%の硫黄を含有している。
%の塩素と約0.2〜3.0重量%の硫黄を含有している。
本発明の、クロロスルホン化ポリエチレンと第一級脂
肪族アミンとの反応は、クロロスルホン化ポリエチレン
を溶媒に溶解して反応してもよいが、クロロスルホン化
ポリエチレンを合成した溶液を直接第一級脂肪族アミン
との反応に用いることもできる。両者の方法は、合成し
たクロロスルホン化ポリエチレンを溶液から分離した
後、再度溶媒に溶解しなければならない。従って、前者
に比べて後者の方法は、経済的にも水分等の不純物混入
の危険性から見ても好ましいと言える。
肪族アミンとの反応は、クロロスルホン化ポリエチレン
を溶媒に溶解して反応してもよいが、クロロスルホン化
ポリエチレンを合成した溶液を直接第一級脂肪族アミン
との反応に用いることもできる。両者の方法は、合成し
たクロロスルホン化ポリエチレンを溶液から分離した
後、再度溶媒に溶解しなければならない。従って、前者
に比べて後者の方法は、経済的にも水分等の不純物混入
の危険性から見ても好ましいと言える。
本発明の、クロロスルホン化ポリエチレンと第一級脂
肪族アミンとの反応は、溶液に溶解させた均一系で行な
わなければならない。使用できる溶媒は、クロロスルホ
ン化ポリエチレンおよび第一級脂肪族アミンの両方を均
一に溶解できるものであれば良い。例えば、四塩化炭
素、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、モノクロルベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、フルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
やベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、
p−キシレン等の芳香族炭化水素がある。これらの溶媒
は、モレキュラ−シーブや蒸留等で脱水して用いなけれ
ばならない。溶媒に含まれている水分が多い場合、スル
ホニルクロライド基(−SO2Cl)と水分からスルホン酸
が形成される副反応が起こってしまい、本発明の新規な
塩素化ポリエチレンは得られない。
肪族アミンとの反応は、溶液に溶解させた均一系で行な
わなければならない。使用できる溶媒は、クロロスルホ
ン化ポリエチレンおよび第一級脂肪族アミンの両方を均
一に溶解できるものであれば良い。例えば、四塩化炭
素、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、モノクロルベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、フルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
やベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、
p−キシレン等の芳香族炭化水素がある。これらの溶媒
は、モレキュラ−シーブや蒸留等で脱水して用いなけれ
ばならない。溶媒に含まれている水分が多い場合、スル
ホニルクロライド基(−SO2Cl)と水分からスルホン酸
が形成される副反応が起こってしまい、本発明の新規な
塩素化ポリエチレンは得られない。
溶解するクロロスルホン化ポリエチレンの量は、0.2
〜30重量%が好ましい。30重量%を越えた場合、高粘度
のため攪拌効率が悪く均一な反応を行うことが困難とな
る。0.2重量%未満の場合、多量の溶媒を必要とし、反
応物からの除去等の問題から生産性が著しく悪化してし
まう。
〜30重量%が好ましい。30重量%を越えた場合、高粘度
のため攪拌効率が悪く均一な反応を行うことが困難とな
る。0.2重量%未満の場合、多量の溶媒を必要とし、反
応物からの除去等の問題から生産性が著しく悪化してし
まう。
本発明で用いる第一級脂肪族アミンは、次式[II]で
示す炭素原子1〜20個のアルキル基を有するアミンであ
る。
示す炭素原子1〜20個のアルキル基を有するアミンであ
る。
例えば、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピル
アミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec
−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルア
ミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−
オクチルアミン、n−ノニルアミンである。
アミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec
−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペンチルア
ミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−
オクチルアミン、n−ノニルアミンである。
本発明の、クロロスルホン化ポリエチレンと第一級脂
肪族アミンとの反応で用いられる第一級脂肪族アミンの
使用量は、クロロスルホン化ポリエチレンのスルホニル
クロライド基(−SO2Cl)のモルに対して、2〜50モル
倍が好ましく、特に望ましくは、5〜40モル倍である。
肪族アミンとの反応で用いられる第一級脂肪族アミンの
使用量は、クロロスルホン化ポリエチレンのスルホニル
クロライド基(−SO2Cl)のモルに対して、2〜50モル
倍が好ましく、特に望ましくは、5〜40モル倍である。
クロロスルホン化ポリエチレンとアミンとの反応は、
次式[III]で示す反応経路で進行する。
次式[III]で示す反応経路で進行する。
そのため、アミンの使用量が2モル倍未満の場合、ア
ミン改質反応が完全にいかず、未反応のスルホニルクロ
ライド基が残る。アミンの使用量が50モル倍を越える場
合、アミン改質反応は完全に進行するが、過剰の未反応
アミンが残り経済的な反応と言えない。
ミン改質反応が完全にいかず、未反応のスルホニルクロ
ライド基が残る。アミンの使用量が50モル倍を越える場
合、アミン改質反応は完全に進行するが、過剰の未反応
アミンが残り経済的な反応と言えない。
本発明のクロロスルホン化ポリエチレンと第一級脂肪
族アミンとの反応は、−30〜10℃の低温で行うことが必
須である。先の報告(特公昭34−9285)は、クロロスル
ホン化ポリエチレンとアミンとの反応を室温以上で行う
ことを示している。しかし我々が検討した結果、10℃を
越える反応温度で行った場合、得られたクロロスルホン
化ポリエチレンには、多量のスルホン酸を含んでおり、
ムーニー粘度が高く、しかも一部ゲル化していた。その
ためスコーチ安定性や加硫物の圧縮永久歪みはほとんど
改良されていなかった。一方、−30℃未満の温度で反応
を行った場合、反応速度が遅く長い反応時間を必要と
し、経済的でない。好ましくは、−30〜5℃である。
族アミンとの反応は、−30〜10℃の低温で行うことが必
須である。先の報告(特公昭34−9285)は、クロロスル
ホン化ポリエチレンとアミンとの反応を室温以上で行う
ことを示している。しかし我々が検討した結果、10℃を
越える反応温度で行った場合、得られたクロロスルホン
化ポリエチレンには、多量のスルホン酸を含んでおり、
ムーニー粘度が高く、しかも一部ゲル化していた。その
ためスコーチ安定性や加硫物の圧縮永久歪みはほとんど
改良されていなかった。一方、−30℃未満の温度で反応
を行った場合、反応速度が遅く長い反応時間を必要と
し、経済的でない。好ましくは、−30〜5℃である。
本発明の新規塩素化ポリエチレンに含まれる塩素含量
は、該新規塩素化ポリエチレンを基準にして、10〜60重
量%、好ましくは20〜45重量%である。また、硫黄含量
は、0.2〜3.0重量%、窒素含量は、0.1〜1.5重量%であ
る。硫黄含量や窒素含量は、新規塩素化重合体に含まれ
るスルホンアミド基(−SO2NHR)の量を示す尺度であり
加硫速度、加硫密度等の加硫挙動を支配する因子とな
る。好ましくは、硫黄含量0.5〜1.8重量%、窒素含量0.
2〜1.3重量%である。
は、該新規塩素化ポリエチレンを基準にして、10〜60重
量%、好ましくは20〜45重量%である。また、硫黄含量
は、0.2〜3.0重量%、窒素含量は、0.1〜1.5重量%であ
る。硫黄含量や窒素含量は、新規塩素化重合体に含まれ
るスルホンアミド基(−SO2NHR)の量を示す尺度であり
加硫速度、加硫密度等の加硫挙動を支配する因子とな
る。好ましくは、硫黄含量0.5〜1.8重量%、窒素含量0.
2〜1.3重量%である。
本発明の新規な塩素化ポリエチレンの構造単位は、式
[I](A,B,C,Dはモル%を示す。)で表される。この
モル%は上記に示す硫黄含量,窒素含量,塩素含量に対
応している。
[I](A,B,C,Dはモル%を示す。)で表される。この
モル%は上記に示す硫黄含量,窒素含量,塩素含量に対
応している。
本発明の新規な塩素化ポリエチレンの重量平均分子量
(Mw)は、20,000以上である。好ましくは、20,000〜1,
000,000である。重量平均分子量(Mw)が20,000未満の
場合、ロールやバンバリーミキサー等で混練する際、ロ
ールやバンバリーミキサーへの粘着がおこる。また、未
加硫物あるいは加硫物として使用する際、その引張物性
等が著しく劣る。
(Mw)は、20,000以上である。好ましくは、20,000〜1,
000,000である。重量平均分子量(Mw)が20,000未満の
場合、ロールやバンバリーミキサー等で混練する際、ロ
ールやバンバリーミキサーへの粘着がおこる。また、未
加硫物あるいは加硫物として使用する際、その引張物性
等が著しく劣る。
本発明の新規な塩素化ポリエチレンに含まれるスルホ
ン酸イオン含量は、メチレンブルー吸光光度法で測定し
て、0〜100[mg NaO3 SO(CH2)11CH3/g]である。好
ましくは、0〜50[mg NaO3 SO(CH2)11CH3/g]であ
る。このスルホン酸イオンは、クロロスルホン化ポリエ
チレン中のスルホニルクロライド基(−SO2Cl)が、ア
ミンを触媒として加水分解したために形成される副生成
物[次式IV]である。
ン酸イオン含量は、メチレンブルー吸光光度法で測定し
て、0〜100[mg NaO3 SO(CH2)11CH3/g]である。好
ましくは、0〜50[mg NaO3 SO(CH2)11CH3/g]であ
る。このスルホン酸イオンは、クロロスルホン化ポリエ
チレン中のスルホニルクロライド基(−SO2Cl)が、ア
ミンを触媒として加水分解したために形成される副生成
物[次式IV]である。
スルホン酸イオン含量が、100[mg NaO3 SO(CH2)11
CH3/g]を越えた場合、スコーチ安定性や、加硫物の圧
縮永久歪みは、改良されない。この原因として次のこと
があげられる。
CH3/g]を越えた場合、スコーチ安定性や、加硫物の圧
縮永久歪みは、改良されない。この原因として次のこと
があげられる。
スルホン酸イオンは、通常使用される金属酸化物/硫
黄促進剤の加硫系で用いられる金属酸化物の金属イオン
との間でイオン架橋体を容易に形成する。そのため配合
物のスコーチ安定性が著しく悪化してしまう。また本来
の硫黄架橋体以外にイオン架橋体が存在するため、加硫
物の圧縮永久歪みが劣る。
黄促進剤の加硫系で用いられる金属酸化物の金属イオン
との間でイオン架橋体を容易に形成する。そのため配合
物のスコーチ安定性が著しく悪化してしまう。また本来
の硫黄架橋体以外にイオン架橋体が存在するため、加硫
物の圧縮永久歪みが劣る。
本発明の新規な塩素化ポリエチレンは、未加硫物とし
て、あるいは加硫剤、加硫促進剤、補強剤、充填剤、可
塑剤、軟化剤、老化防止剤等の配合物を加え、加硫する
ことによって加硫物として使用される。加硫剤として
は、硫黄、有機過酸化物が用いられる。加硫促進剤とし
ては、テトラメチルチラウムジスルフィド(TT)、ジベ
ンゾチアジルジスルフィド’(DM)、ジペンタメチレン
チウラム・テトラスルフィド(TRA)、2−メルカプト
イミダゾリン(#22)等の硫黄系加硫促進剤、ジクミル
パーオキサイド(DCP)等の過酸化物、N,N′−m−フェ
ニレンジマレイミド(PM)等のマレイミド類が用いられ
る。また加硫促進助剤として、酸化亜鉛(ZnO)が用い
られる。充填剤としては炭カル、クレー、シリカ、オイ
ル軟化剤、カーボンブラック等がある。これらの配合剤
は、新規な塩素化ポリエチレンと共にロールあるいはバ
ンバリーミキサー等で配合、混練されたのち、プレス加
硫、蒸気加硫、UHF加硫などが行われる。
て、あるいは加硫剤、加硫促進剤、補強剤、充填剤、可
塑剤、軟化剤、老化防止剤等の配合物を加え、加硫する
ことによって加硫物として使用される。加硫剤として
は、硫黄、有機過酸化物が用いられる。加硫促進剤とし
ては、テトラメチルチラウムジスルフィド(TT)、ジベ
ンゾチアジルジスルフィド’(DM)、ジペンタメチレン
チウラム・テトラスルフィド(TRA)、2−メルカプト
イミダゾリン(#22)等の硫黄系加硫促進剤、ジクミル
パーオキサイド(DCP)等の過酸化物、N,N′−m−フェ
ニレンジマレイミド(PM)等のマレイミド類が用いられ
る。また加硫促進助剤として、酸化亜鉛(ZnO)が用い
られる。充填剤としては炭カル、クレー、シリカ、オイ
ル軟化剤、カーボンブラック等がある。これらの配合剤
は、新規な塩素化ポリエチレンと共にロールあるいはバ
ンバリーミキサー等で配合、混練されたのち、プレス加
硫、蒸気加硫、UHF加硫などが行われる。
[実施例] 次に実施例にもとづき本発明をさらに詳しく説明する
が、これらは本発明の理解を助けるための例で、本発明
はこれらの実施例により何等の制限を受けるものではな
い。
が、これらは本発明の理解を助けるための例で、本発明
はこれらの実施例により何等の制限を受けるものではな
い。
なおこれらの実施例で用いた値は以下の測定法に準拠
して得られたものである。
して得られたものである。
塩素、硫黄含量 :燃焼フラスコ法 窒素含量 :JIS K 6384 ムーニー粘度 :JIS K 6300 (ML1+4100℃) 加硫ゴム物性 :JIS K 6301 スルホン酸イオン含量:メチレンブルー吸光光度法
(陰イオン界面活性剤の定量法) 以下、メチレンブルー吸光光度法についてさらに詳し
く説明する。
(陰イオン界面活性剤の定量法) 以下、メチレンブルー吸光光度法についてさらに詳し
く説明する。
メチレンブルー(3,7−ビス(アミノ)フェノチアジ
ン−5−イウムクロリド)1.36gを0.01Nの塩酸1Lに溶か
したものを用意する。スルホン酸イオン含量を測定する
サンプル0.5重量%クロロホルム溶液を10mlとり、これ
に同量の上記調整メチレンブルー試薬を加え、よく振と
うする。3〜4時間断続的に振ったのち2層を分離し、
クロロホルム層の光学濃度(測定装置:島津製 UV−VI
SIBLE RECORDING SPECTROPHOTOMETER UV−265FW,測定波
長:650nm)を測定した。測定用サンプルを含まないとき
のブランク実験を同時に行い補正した。あらかじめドデ
シル硫酸ナトリウム[NaO3 SO(CH2)11CH3]を用いて
作成した吸光度−濃度の検量線を用いてスルホン酸イオ
ンの濃度を求めた。
ン−5−イウムクロリド)1.36gを0.01Nの塩酸1Lに溶か
したものを用意する。スルホン酸イオン含量を測定する
サンプル0.5重量%クロロホルム溶液を10mlとり、これ
に同量の上記調整メチレンブルー試薬を加え、よく振と
うする。3〜4時間断続的に振ったのち2層を分離し、
クロロホルム層の光学濃度(測定装置:島津製 UV−VI
SIBLE RECORDING SPECTROPHOTOMETER UV−265FW,測定波
長:650nm)を測定した。測定用サンプルを含まないとき
のブランク実験を同時に行い補正した。あらかじめドデ
シル硫酸ナトリウム[NaO3 SO(CH2)11CH3]を用いて
作成した吸光度−濃度の検量線を用いてスルホン酸イオ
ンの濃度を求めた。
構造単位:13C−NMRにより構造の同定および定量を行
った。
った。
・装置 日本電子社製 FX−100 ・条件 溶媒 C6 D6 温度 室温 パルス パルス巾 7μsec パルス間隔 5sec 積算回数 30,000回以上 GPC:分子量および分子量分布の測定 ・機種 東ソー(株)社製 HLC802A ・カラム 東ソー(株)社製 67000H 1本 GMH6 2本 ・溶媒 テトラヒドロフラン ・流速 1.2ml/分 ・圧力 45kg/cm2 ・温度 38℃ ・サンプル濃度 0.10wt% ・検量線 東ソー(株)社製 標準ポリスチレン IR測定:日本分光(株)社製 機種 JASCO IR−810 実施例−1 10Lの攪拌機付きオートクレーブに700gの高密度ポリ
エチレン(メルトインデックス5.3g/分、密度0.963g/c
c)を3.0kg/cm2の圧力下、110℃で7,000gのモレキュラ
シーブで乾燥した四塩化炭素に溶解する。ラジカル発生
剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.945
g,助触媒としてピリジン0.28gとともに塩化スルフリル
1,485gと3.0kg/cm2の圧力下、100℃で3時間反応させ
る。
エチレン(メルトインデックス5.3g/分、密度0.963g/c
c)を3.0kg/cm2の圧力下、110℃で7,000gのモレキュラ
シーブで乾燥した四塩化炭素に溶解する。ラジカル発生
剤としてα,α′−アゾビスイソブチロニトリル0.945
g,助触媒としてピリジン0.28gとともに塩化スルフリル
1,485gと3.0kg/cm2の圧力下、100℃で3時間反応させ
る。
反応後、窒素を吹き込むことによって溶液中に残存す
る酸分を除いた。このクロロスルホン化ポリエチレンの
四塩化炭素溶液濃度は、13重量%であった。この溶液に
モレキュラシーブで乾燥した四塩化炭素を添加して8重
量%の濃度に調整し、次のアミン化反応に用いた。
る酸分を除いた。このクロロスルホン化ポリエチレンの
四塩化炭素溶液濃度は、13重量%であった。この溶液に
モレキュラシーブで乾燥した四塩化炭素を添加して8重
量%の濃度に調整し、次のアミン化反応に用いた。
この溶液の一部をドライヤーにフィードして、生成物
を溶媒から分離した。分析の結果、このクロロスルホン
化ポリエチレンは、35.8重量%の塩素と0.96重量%の硫
黄を含んでいた。
を溶媒から分離した。分析の結果、このクロロスルホン
化ポリエチレンは、35.8重量%の塩素と0.96重量%の硫
黄を含んでいた。
アミン化反応は、反応溶液を窒素雰囲気下で、0℃に
保って行った。387gのn−プロピルアミンを添加し、5
時間攪拌して反応を行った。反応溶液をドラム乾燥機に
フィードして反応物を溶媒と分離した。
保って行った。387gのn−プロピルアミンを添加し、5
時間攪拌して反応を行った。反応溶液をドラム乾燥機に
フィードして反応物を溶媒と分離した。
分析の結果、得られた重合体は、34.4重量%の塩素、
0.96重量%の硫黄、0.42重量%の窒素を含んでいた。
0.96重量%の硫黄、0.42重量%の窒素を含んでいた。
またスルホン酸イオン含量は、8[mg NaO3 SO(C
H2)11CH3/g]であった。
H2)11CH3/g]であった。
ムーニー粘度は、89であった。
この重合体の13C−NMRスペクトルを図−1に示した。
またIRスペクトルを図−2に示した。IRスペクトルか
ら、クロロスルホン化ポリエチレンのスルホニルクロラ
イド基(1,370及び1,160cm-1に帰属される)が完全に消
失し、スルホンアミド基(1,320および1,140cm-1に帰属
される)に変化していることがわかる。
またIRスペクトルを図−2に示した。IRスペクトルか
ら、クロロスルホン化ポリエチレンのスルホニルクロラ
イド基(1,370及び1,160cm-1に帰属される)が完全に消
失し、スルホンアミド基(1,320および1,140cm-1に帰属
される)に変化していることがわかる。
構造単位のモル%を表−1に示した。
この重合体の分子量および分子量分布を表−1に示し
た。
た。
40℃に加熱した8インチロールを用いて、表−2に示
す配合処方でロール混練した。160℃30分間プレス加硫
して、加硫ゴムシートを得た。
す配合処方でロール混練した。160℃30分間プレス加硫
して、加硫ゴムシートを得た。
加硫ゴム物性評価結果を表−3に示した。
実施例−2〜3 実施例−1と同様の方法で得られたクロロスルホン化
ポリエチレン溶液を用いて、アミン化反応を行った。実
施例−2は245gのn−ブチルアミンを、実施例−3は39
5gのn−ペンチルアミンを添加し、実施例−1と同様に
反応した。加硫ゴム物性評価結果を表−3に示した。
ポリエチレン溶液を用いて、アミン化反応を行った。実
施例−2は245gのn−ブチルアミンを、実施例−3は39
5gのn−ペンチルアミンを添加し、実施例−1と同様に
反応した。加硫ゴム物性評価結果を表−3に示した。
実施例−4 10Lの攪拌機付きオートクレーブに1,000gのクロロス
ルホン化ポリエチレン(東ソー(株)社製:TS−530,塩
素含量:35.5重量%,硫黄含量:1.01重量%)をモレキュ
ラシーブで脱水した7000gのクロロホルムに溶解した。
溶解後、反応器内を窒素雰囲気下で、−5℃に保った。
100gのn−プロピルアミンを添加し、5時間攪拌下、反
応を行った。反応溶液をドラム乾燥機にフィードして反
応物を溶媒と分離した。分析の結果、得られた重合体
は、34.4重量%の塩素、1.00重量%の硫黄、0.42重量%
の窒素を含んでいた。
ルホン化ポリエチレン(東ソー(株)社製:TS−530,塩
素含量:35.5重量%,硫黄含量:1.01重量%)をモレキュ
ラシーブで脱水した7000gのクロロホルムに溶解した。
溶解後、反応器内を窒素雰囲気下で、−5℃に保った。
100gのn−プロピルアミンを添加し、5時間攪拌下、反
応を行った。反応溶液をドラム乾燥機にフィードして反
応物を溶媒と分離した。分析の結果、得られた重合体
は、34.4重量%の塩素、1.00重量%の硫黄、0.42重量%
の窒素を含んでいた。
またスルホン酸イオン含量は、5[mg NaO3 SO(C
H2)11CH3/g]であった。
H2)11CH3/g]であった。
実施例−1と同様の方法でロール混練して、加硫ゴム
シートを得た。物性評価結果を表−3に示した。
シートを得た。物性評価結果を表−3に示した。
比較例−1 10Lの攪拌機付きオートクレーブに400gのクロロスル
ホン化ポリエチレン(東ソー株式会社製:TS−530,塩素
含量:35.5重量%,硫黄含量:1.01重量%)を4,000mlの
充分に脱水したトルエンに溶解した。次いで、溶液を60
℃に保った。
ホン化ポリエチレン(東ソー株式会社製:TS−530,塩素
含量:35.5重量%,硫黄含量:1.01重量%)を4,000mlの
充分に脱水したトルエンに溶解した。次いで、溶液を60
℃に保った。
192gのN−エチル・アリルアミンを加え、反応混合物
を一夜60℃で撹拌し続けた。これを4000mlのメタノール
中に注ぎ、生成物を分離する。粘ちょうな重合体を反応
器に移し、2,000mlのメタノールとともに高速度の鋭利
な羽でもって小片に切り刻むように攪拌した。さらに、
重合体を分離濾過し、メタノールで2回繰り返した。吸
引乾燥しついで一夜空気乾燥した。得られた重合体は、
34.3重量%の塩素、1.00重量%の硫黄、0.4重量%の窒
素を含んでいた。またスルホン酸イオン含量は、130[m
g NaO3 SO(CH2)11CH3/g]であった。
を一夜60℃で撹拌し続けた。これを4000mlのメタノール
中に注ぎ、生成物を分離する。粘ちょうな重合体を反応
器に移し、2,000mlのメタノールとともに高速度の鋭利
な羽でもって小片に切り刻むように攪拌した。さらに、
重合体を分離濾過し、メタノールで2回繰り返した。吸
引乾燥しついで一夜空気乾燥した。得られた重合体は、
34.3重量%の塩素、1.00重量%の硫黄、0.4重量%の窒
素を含んでいた。またスルホン酸イオン含量は、130[m
g NaO3 SO(CH2)11CH3/g]であった。
ムーニー粘度は、160であった。
この重合体の構造単位含量と分子量を表−1に示し
た。
た。
40℃に加熱した8インチロールを用いて、表−2に示
す配合処方でロール混練した。160℃30分間プレス加硫
して、加硫ゴムシートを得た。
す配合処方でロール混練した。160℃30分間プレス加硫
して、加硫ゴムシートを得た。
加硫ゴム物性評価結果を表−4に示した。
比較例−2 実施例−1と同様の方法で得られたクロロスルホン化
ポリエチレン溶液を用いてアミン化反応を行った。アミ
ン化反応は、反応溶液を窒素雰囲気で、40℃に保って行
った。387gのn−プロピルアミンを添加し、5時間攪拌
して反応を行った。分析の結果、得られた重合体は、3
4.8重量%の塩素、0.96重量%の硫黄、0.41重量%の窒
素を含んでいた。またスルホン酸イオン含量は、130[m
g NaO3 SO(CH2)11CH3/g]であった。ムーニー粘度
は、154であった。
ポリエチレン溶液を用いてアミン化反応を行った。アミ
ン化反応は、反応溶液を窒素雰囲気で、40℃に保って行
った。387gのn−プロピルアミンを添加し、5時間攪拌
して反応を行った。分析の結果、得られた重合体は、3
4.8重量%の塩素、0.96重量%の硫黄、0.41重量%の窒
素を含んでいた。またスルホン酸イオン含量は、130[m
g NaO3 SO(CH2)11CH3/g]であった。ムーニー粘度
は、154であった。
加硫ゴム物性評価結果を表−4に示した。
比較例−3 実施例−1と同様の方法で得られたクロロスルホン化
ポリエチレン溶液を用いてアミン化反応を行った。アミ
ン化反応は、反応溶液を窒素雰囲気下で、60℃に保って
行った。387gのn−プロピルアミンを添加し、5時間攪
拌して反応を行った。分析の結果、得られた重合体は、
34.5重量%の塩素、0.86重量%の硫黄、0.40重量%の窒
素を含んでいた。またスルホン酸イオン含量は、152[m
g NaO3 SO(CH2)11CH3/g]であった。ムーニー粘度
は、174であった。
ポリエチレン溶液を用いてアミン化反応を行った。アミ
ン化反応は、反応溶液を窒素雰囲気下で、60℃に保って
行った。387gのn−プロピルアミンを添加し、5時間攪
拌して反応を行った。分析の結果、得られた重合体は、
34.5重量%の塩素、0.86重量%の硫黄、0.40重量%の窒
素を含んでいた。またスルホン酸イオン含量は、152[m
g NaO3 SO(CH2)11CH3/g]であった。ムーニー粘度
は、174であった。
加硫ゴム物性評価結果を表−4に示した。
比較例−4 実施例−1と同様の方法で得られたクロロスルホン化
ポリエチレン溶液を用いてアミン化反応を行った。アミ
ン化反応は、反応溶液を窒素雰囲気下で、0℃に保って
行った。23gのn−プロピルアミンを添加し、5時間攪
拌して反応を行った。分析の結果、得られた重合体は、
35.4重量%の塩素、0.96重量%の硫黄、0.08重量%の窒
素を含んでいた。またスルホン酸イオン含量は、10[mg
NaO3 SO(CH2)11CH3/g]であった。
ポリエチレン溶液を用いてアミン化反応を行った。アミ
ン化反応は、反応溶液を窒素雰囲気下で、0℃に保って
行った。23gのn−プロピルアミンを添加し、5時間攪
拌して反応を行った。分析の結果、得られた重合体は、
35.4重量%の塩素、0.96重量%の硫黄、0.08重量%の窒
素を含んでいた。またスルホン酸イオン含量は、10[mg
NaO3 SO(CH2)11CH3/g]であった。
得られた重合体のスペクトルを図−3に示したが、ス
ルホンアミド基に帰属される吸収が認められず、未反応
のスルホニルクロライド基(1,370及び1,160cm-1)が認
められた。
ルホンアミド基に帰属される吸収が認められず、未反応
のスルホニルクロライド基(1,370及び1,160cm-1)が認
められた。
ムーニー粘度は、59であった。
加硫ゴム物性評価結果を表−4に示した。
表−2 配合処方 重量% クロロスルホン化ポリエチレン 100 MgO#150 10 ジペンタメチレンチウラム・ 2 テトラスルフィドペンタエリスリトール 3 [発明の効果] 本発明により得られる新規塩素化ポリエチレンは、加
硫操作時のスコーチ安定性および加硫物の圧縮永久歪み
等に優れ、しかも従来のクロロスルホン化ポリエチレン
重合体のゴム物性(引っ張り強さ、引き裂き強さ、およ
びムーニー粘度)を維持している。
硫操作時のスコーチ安定性および加硫物の圧縮永久歪み
等に優れ、しかも従来のクロロスルホン化ポリエチレン
重合体のゴム物性(引っ張り強さ、引き裂き強さ、およ
びムーニー粘度)を維持している。
【図面の簡単な説明】 図−1は実施例1で得られた新規塩素化ポリエチレンの
NMRスペクトル、図−2のスペクトル1は実施例1で得
られた新規塩素化ポリエチレンのIRスペクトル、スペク
トル2はクロロスルホン化ポリエチレンのIRスペクト
ル、図−3は比較例4で得られた塩素化ポリエチレンの
IRスペクトルである。
NMRスペクトル、図−2のスペクトル1は実施例1で得
られた新規塩素化ポリエチレンのIRスペクトル、スペク
トル2はクロロスルホン化ポリエチレンのIRスペクト
ル、図−3は比較例4で得られた塩素化ポリエチレンの
IRスペクトルである。
Claims (2)
- 【請求項1】10〜60重量%の塩素、スルホンアミド基と
して0.2〜3.0重量%の硫黄、0.1〜1.5重量%の窒素原子
を含有し、かつスルホン酸イオン含量が、メチレンブル
ー吸光光度法で測定して、0〜100[mg NaO3 SO(CH2)
11CH3/g]である、重量平均分子量が20,000以上の塩素
化ポリエチレン。 - 【請求項2】クロロスルホン化ポリエチレンと次式 (R:炭素原子1〜20個のアルキル基) で示される第一級脂肪族アミンとを、溶液中で反応温度
−30℃〜10℃で反応させて得られる、特許請求の範囲第
1項に記載の塩素化ポリエチレンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2211694A JP2976498B2 (ja) | 1990-08-13 | 1990-08-13 | 塩素化ポリエチレンおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2211694A JP2976498B2 (ja) | 1990-08-13 | 1990-08-13 | 塩素化ポリエチレンおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0496906A JPH0496906A (ja) | 1992-03-30 |
JP2976498B2 true JP2976498B2 (ja) | 1999-11-10 |
Family
ID=16610042
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2211694A Expired - Fee Related JP2976498B2 (ja) | 1990-08-13 | 1990-08-13 | 塩素化ポリエチレンおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2976498B2 (ja) |
-
1990
- 1990-08-13 JP JP2211694A patent/JP2976498B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0496906A (ja) | 1992-03-30 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |