JP2975211B2 - コンクリート型枠 - Google Patents

コンクリート型枠

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JP2975211B2
JP2975211B2 JP4090149A JP9014992A JP2975211B2 JP 2975211 B2 JP2975211 B2 JP 2975211B2 JP 4090149 A JP4090149 A JP 4090149A JP 9014992 A JP9014992 A JP 9014992A JP 2975211 B2 JP2975211 B2 JP 2975211B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンクリート等の材
料から成る壁、梁、床等の建造物の製造に使用されるコ
ンクリート型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート打設用型枠として
は、ラワン材等の単板を重ね合わせた合板(例えば、縦
1800mm、横900mm、厚さ12mmの大きさの
合板)の背面に木製の桟木を釘打ちして補強したコンク
リート型枠が用いられてきた。しかし、この木製の桟木
を釘打ちしたコンクリート型枠は、桟木の彎曲や寸法精
度の低さゆえに、型枠を組み立てた時、隣接する型枠の
間に目違いが生じやすく、型枠を取り外した後で、はつ
り工事やモルタルのてこ塗り等により補修をする必要が
あった。特に、コンクリート打ち放し工法や、コンクリ
ート打設面に直接内装用のクロスを張り付ける工法の場
合に支障があった。
【0003】そこで、木製桟木の代わりに金属製桟木を
合板にねじ止めしたコンクリート型枠が開発された。こ
のコンクリート型枠の一例を図13に示す。このコンク
リート型枠は、合板50の背面に金属製桟木51をねじ
止めし、構築すべき壁等の高さや幅に応じてこの二枚の
合板50を所定の間隔を置いて対向させて立設すると共
に、両端にコーン52を螺合したセパレータ53を二枚
の合板50の間に介在させ、タイロッド(例えば、フォ
ームタイ)54を合板50にあけた孔55に挿通し、こ
のタイロッド54をコーン52に螺合することによって
コーン52を介してセパレータ53に連結し、続いて、
打設されたコンクリートの圧力に耐え得るように、金属
製補強パイプ56を桟木51に対して直角に配設し、タ
イロッド54に螺合されたナット57を締め付けること
によって座金58を介して金属製補強パイプ56を桟木
51に固定したものである(例えば、特公昭63−23
347号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のコンクリート型枠においては以下に述べる欠点があ
る。即ち、合板50にあけた孔55は当初はタイロッド
54と同一径であるが、繰り返し使用するうちに孔55
が大きくなって、孔55とタイロッド54との間にクリ
アランスが生じ、打設されるコンクリートがこのクリア
ランス内に侵入して、型枠の分解を困難にしたり、ある
いはクリアランスにより型枠とタイロッド54との固定
に緩みが生じて、所望の製品が得られないことがある。
【0005】また、解体後のコンクリート型枠は損傷が
甚だしく、再々繰り返して使用することができないた
め、木材資源消費の無駄が大きいという欠点がある。ま
た、コンクリートから合板50を取り外し易くするため
に、合板50の表面には離型剤即ち剥離剤を塗布してい
るので、その廃棄処理にも困難を伴う上、廃棄する際に
は切り刻んで廃棄することになる。
【0006】しかも、現在使用されている合板は南洋ラ
ワン材一辺倒であるが、今後は森林資源の不足からラワ
ン材の供給が困難になると予想され、或いは地球環境問
題からラワン材の切り出しが禁止されることも考えられ
る状況下にある。そこで、これらの問題に対応するた
め、北方材、国産材等の針葉樹を利用することを、将来
的には考えなければならない。その場合、針葉樹が節あ
るいは割れ易いという木質の性質上、針葉樹をロータリ
レースによってその周方向に薄削りして単板を製作する
ことはできず、ラワン合板のような面積の大きな合板を
作ることは今のところできないのが現状である。そし
て、針葉樹から作った合板は面積の小さなものにならざ
るを得ない。ところが、小さな合板同士を連結する手段
を欠いている上記の従来のコンクリート打設用型枠で
は、針葉樹で作製した合板を適用できないという問題が
あり、しかも段々品薄になるラワン合板では対応できな
くなるという問題がある。
【0007】また、対向して配置された合板50の間に
は、通常は鉄筋などが林立しているので、セパレータ5
3の軸心を合板50にあけた孔55の中心と一致させる
ことができない場合がある。その場合には、セパレータ
53とタイロッド54とがコーン52を介してうまく連
結できない。そのような場合には、勢い現場において木
工ドリルで合板50に孔をあけ直す作業を行うことにな
り、雨天などには手元が狂って振り回されたり、あるい
は感電事故を起こしたりする危険がある。
【0008】また、金属製桟木から古い合板を取り外し
て新しい合板を付け直す作業は、通常工事現場または付
近の作業所で行われる。その際、新しい合板に、金属製
桟木のねじ孔に合致する位置を罫書きして、その位置に
正確に木工ドリルで孔をあけ、図14に示すように、合
板50と金属製桟木51をボルト59及びナットでねじ
止めしなければならない。工事現場で正確な位置に穴を
あけてねじ止めする作業は人手と時間を要し、この精度
の優れた金属製桟木51を使用する工法の大きな欠点と
なっていた。
【0009】従って、上述のような従来技術の問題点に
鑑み、小さなパネル(合板を含む)を使用して型枠を構
成すると共に、補強パイプを固定するためのセパレータ
及びタイロッドを設けるために、そのパネルに孔をあけ
ることなく、且つそのパネルをいかにして相互に連結で
きるように構成するかが課題であった。
【0010】そこで、この発明の目的は、上記課題を解
決することによって、ラワン合板は勿論のこと、ラワン
合板に代わる別の面積の小さい板材を使用できるように
構成し、しかも、針葉樹等を板材として使用できるよう
に、針葉樹等から成る合板を製作すると共に、工事現場
等で合板にセパレータ用に孔をあける必要がなく、現場
等で簡単に効率よく組み立てることができ、しかも強度
的にも従来の型枠に比べて同等の強度を有し、且つ型枠
の機能を十分に備えたコンクリート型枠を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するため、次のように構成されている。即ち、こ
の発明は、貫通する嵌合孔を有する棒体、該嵌合孔に挿
入した筒部と該筒部と一体構造のフランジ部とを備えた
押え部材、前記棒体を間に挟んで端面同士を突き合わせ
状態に配置したパネル、前記フランジ部と共働して前記
パネルを挟持する平坦面を備えた当て部材、前記棒体に
固定した前記押え部材の前記フランジ部を対向状態に隔
置させるセパレータ、及び前記筒部に設けたねじに螺合
して前記押え部材と前記当て部材とを緊締したタイロッ
ドを有することを特徴とするコンクリート型枠に関す
る。
【0012】また、このコンクリート型枠において、前
記パネルは針葉樹を長手方向に切断した単板を複数枚重
ねて製作した合板を利用できるものである。場合によっ
ては、前記パネルは合板のみに限定されることなく、金
属製板、合成樹脂製板コンクリート製板、合板廃材等の
他の板材或いは複合板材を使用してもよいものである。
【0013】また、このコンクリート型枠において、前
記当て部材は筒状三角支柱で構成されることが好ましい
ものである。
【0014】また、このコンクリート型枠は、隔置状態
に配置した複数の前記当て部材に交差して前記当て部材
を固定した補強部材を有するものである。
【0015】また、このコンクリート型枠において、前
記補強部材は前記当て部材と同様の筒状三角支柱を利用
できるものである。
【0016】更に、このコンクリート型枠において、ジ
ョイントを用いて前記当て部材の端部同士を所定の角度
をもって連結することができるものである。
【0017】
【作用】この発明によるコンクリート型枠は、上記のよ
うに構成されているので、次のように作用する。このコ
ンクリート型枠については、まず、棒体を間に挟んで一
対のパネルの端面同士を突き合わせるように配置し、次
いで、棒体に押え部材の筒部を螺入等で嵌合すると共
に、押え部材と反対側から棒体に当て部材を当て、一対
のパネルを挟持してパネル列をつくる。このようにし
て、組み立てたパネル列を一対用意し、壁の厚みに相当
する所定の間隔をあけてフランジ部が対向するように一
対のパネル列を配置し、フランジ部間にセパレータを配
置する。そして、タイロッドを筒部の内周面に螺合して
押え部材と当て部材とをパネルを介在させて緊締すると
共に、タイロッドの先端をコーン等の連結具を介してセ
パレータに連結する。更に、当て部材と同様の部材から
成る補強部材を、複数の棒体に交差するように固定し、
コンクリート型枠を完成するものである。
【0018】このようにして、パネルを押え部材と当て
部材で挟持することによって型枠を組み立てる構造にな
っているので、面積の小さなパネルを使用することがで
きる。また、タイロッドは長尺角棒等の棒体のねじ孔内
を貫通してセパレータに連結されるので、パネルに一切
孔をあけずにコンクリート型枠を組み立てることができ
る。
【0019】また、前記当て部材としては、筒状三角支
柱(通称、三角バタ材)が好適である。更に、コンクリ
ート打設時における内圧によるコンクリート打設用型枠
の破砕を防ぐために、前記当て部材に直交等で交差し且
つ複数の前記当て部材に跨って配置された補強部材を介
して前記当て部材同士を連結することが好ましい。ま
た、部品点数を少なくするために、前記補強部材とし
て、筒状三角支柱である前記当て部材を兼用することが
好ましいものである。また、ジョイントを使用して前記
当て部材の端部同士を所定の角度をもって連結可能にす
ることによって、種々の形状のコンクリート型枠を作製
することができる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明によるコン
クリート型枠の一実施例について説明する。図1及び図
2はこの発明によるコンクリート型枠の構成部品を示す
分解斜視図である。
【0021】図1では、組み立て前の長尺角棒等の棒体
1、針葉樹で製作した合板等から成るパネル8,9、押
え部材10、及び当て部材15を示している。棒体1に
は、前面2から背面3に達する嵌合孔であるねじ孔4が
形成されている。前面2には凸部5が形成され階段状に
形成されている。側面6,7には一対のパネル8,9の
端面が当接する。押え部材10は、円筒部等の筒部11
とその筒部11と一体構造に形成されたフランジ部12
から構成されている。筒部11の外周面には雄ねじ13
が形成され、内周面には雌ねじ14が形成されている。
例えば、当て部材15は、断面形状が三角形の筒状三角
支柱である通称三角バタ材等を利用でき、少なくとを一
面が平坦面16に形成されている。平坦面16には中央
に溝17が形成されており、この溝17の幅は棒体1の
凸部5の幅とほぼ同一寸法であり、該凸部5が当て部材
15の溝17に嵌合するように形成されている。また、
溝17に対向する側の当て部材15の頂部には、所定の
間隔で複数個の孔18があけられている。当て部材15
の平坦面16は押え部材10のフランジ部12と共働し
てパネル8,9を挟持する。
【0022】図2には、緊締部材19、タイロッド(例
えば、フォームタイ)28及び爪部材33が示されてい
る。緊締部材19は、三角柱等のストッパ20、フラン
ジ21付きのねじ付き筒体等のねじ体22、三角バタ材
である当て部材15の頂部に載置される受座部材23、
締付ナット24から成る。ストッパ20の幅は、当て部
材15の溝17の幅よりもやや小さいので、ストッパ2
0は溝17から挿入可能である。ねじ体22とストッパ
20は、ストッパ20に形成された孔にねじ体22を挿
入することによって組み立てられる。この時、フランジ
21が抜け止めの役目を果たす。ねじ体22の雄ねじ部
25は受座部材23の孔26に挿入可能である。受座部
材23のV溝27の角度は、当て部材15の頂角に等し
く形成されている。締付ナット24はねじ体22の雄ね
じ部25に螺合する。
【0023】タイロッド28は、先端に雄ねじ29が刻
設されており、雄ねじ29の終端にはフランジ30が形
成されている。また、タイロッド28の反対の端部には
六角頭部31が形成されている。受座部材23の孔26
は、六角頭部31が通過し得る程度の大きさである。タ
イロッド28のフランジ30は、フランジ21の中央に
形成された貫通孔32に挿入できるサイズである。
【0024】爪部材33は、一対の爪34,35を有し
ており、爪34と爪35の間の距離は、三角バタ材であ
る当て部材15の溝17の幅に等しいので、爪34と爪
35の間に棒体1の凸部5がぴったり嵌合する。また、
爪部材33の幅は、当て部材15の溝17の幅より小さ
いので、溝17から爪部材33は挿入可能である。爪部
材33にはねじ孔36が形成されており、タイロッド2
8の雄ねじ29が螺合する。
【0025】図3はコンクリート型枠の組立状態の一部
を示す斜視図である。図4は図3における鎖線X−Xを
含む水平面で切断した状態を示す断面図である。これら
の図に基づいてコンクリート型枠の組立作業の手順につ
いて説明する。
【0026】まず、棒体1のねじ孔4に押え部材10の
筒部11をフランジ部12の付け根までいっぱいにねじ
込んで、棒体1と押え部材10を一体状態に固定する。
一方、ストッパ20と筒状のねじ体22とを一体に組み
立てて、この組み立てたものを、当て部材15の溝17
から挿入し、ねじ体22のねじ部25を当て部材15の
孔18に挿入する。次いで、ねじ体22のねじ部25側
からタイロッド28を挿入し、タイロッド28の先端を
当て部材15の溝17から突出させ、タイロッド28の
先端に爪部材33をねじ込む。その際、タイロッド28
の先端が爪部材33から突出するか或いは突出しない程
度にねじ込む。
【0027】更に、爪部材33が溝17に当たらないよ
うにしてタイロッド28を当て部材15の中に引き込ん
で、タイロッド28を回転させ、爪34、35の先端を
溝17の縁に当接させる。押え部材10と一体化した棒
体1のそれぞれの側面6,7に一対のパネル8,9の端
面を当接させておいて、当て部材15の溝17及び爪部
材33の爪34と爪35の間に棒体1の凸部5を嵌合す
る。この状態で、タイロッド28を溝17の縁に押し付
けながら回して、タイロッド28を押え部材10の筒部
11の雌ねじ14にねじ込む。この時、凸部5が爪部材
33の回り止めとして機能する。更に、タイロッド28
の先端が押え部材10から突出した時に、爪部材33が
フランジ30に当接して、それ以上ねじ込めなくなると
同時に、爪部材33の爪34,35が強く当て部材15
の溝17の縁を押圧する。この状態において、押え部材
10のフランジ部12と当て部材15の平坦面16とで
一対のパネル8,9が挟持され、緊締される。そして、
以上の手順で、必要数の棒体1を用いて順次パネルを連
設してパネル列38を作る。
【0028】構築即ち建造しようとする壁の厚みに相当
する間隔をあけて、上記のパネル列38を両側に立設す
る(場合によっては、横設してもよい)。その際、図3
に示すように、フランジ部12が内側になるように配置
する。即ち、フランジ部12がお互いに向き合うように
配置する。一対のパネル列38の間に、セパレータ39
を配置し、セパレータ39の両端をそれぞれフランジ部
12の背面から突出したタイロッド28の先端にコーン
40を介して連結する。
【0029】次いで、パネル8,9を挟持している当て
部材15に直交し、且つ複数本の当て部材15に跨って
接触する補強部材37としての補強用三角バタ材を取り
付ける。この例では、補強用三角バタ材として、当て部
材15を兼用しているが、平坦面16に溝17を有しな
い三角バタ材であり、且つ頂部と平坦面に複数個の孔1
8を等間隔で形成した三角バタ材を使用してもよい。
【0030】補強部材37の取り付けについて説明する
と、パネル8,9を連設した状態においては、タイロッ
ド28及び円筒状のねじ体22が当て部材15の頂部か
ら突出しているので、まず、これらのタイロッド28及
びねじ体22を補強部材37の孔18へ挿入する。そし
て、受座部材23をねじ体22に嵌合すると共に、受座
部材23を補強部材37の頂部に載置して、ねじ部25
に締付ナット24を螺合して締め付ける。これによりコ
ンクリート打設時における内圧によるパネル列38の破
砕を防止することができる。以上のような工程によっ
て、コンクリート打設用型枠が組み立てられる。
【0031】このようにしてコンクリート型枠が組み立
てられると、コンクリートの打設が行われる。対向して
配置されたパネル列38の間の空間部にコンクリートが
打設される。コンクリート打設後はコンクリートを硬化
させ、養生後にコンクリート型枠を分解する。即ち、型
枠はタイロッド28を逆方向に回転させてタイロッド2
8をコーン40から外すことによって取り外される。そ
の際、コーン40とセパレータ39はコンクリートの中
に残され、コーン40が打設したコンクリートの表面か
ら見える状態にある。しかし、コーン40の周囲のコン
クリート表面には、円形状の凹部がフランジ部12によ
って形成されているので、必要ならば、この凹部にパテ
などを詰めることによって、コーン40を覆い隠すと同
時にコンクリート表面を平坦面にすることができる。
【0032】コンクリート型枠内に適宜な高さまでコン
クリートを打設した後、再びその上方にコンクリート型
枠を取り付け、壁の高さを順次加えていく場合には、タ
イロッド28をコーン40から外す。この時、当て部材
15と補強部材37との固定は解除しない。そして、次
に型枠と補強部材37とが一体の状態のまま、型枠全体
を上方に移動させて、下方のタイロッド28をコンクリ
ート中に残された上方のコーン40に螺合し、更に上方
のタイロッド28をコーン40を介してセパレータ39
に連結すればよい。従って、コンクリートの打設を繰り
返す場合、型枠組立作業が極めて容易に且つ効率的に行
える。勿論、コンクリート打設用型枠の左右方向即ち水
平方向、場合によっては、下方向等の移動についても、
同様な工程を繰り返すことによってコンクリート型枠を
移動させることができる。
【0033】また、このコンクリート型枠は、棒体1か
ら押え部材10を取り外せば、パネルを部分的に取り外
すことができる。従って、コンクリート打設前に行う電
気配線工事、ガス又は水道の配管工事等の作業における
壁面上への引き出し作業においても、部分的にパネルを
取り外すことができるので、この種の工事が極めて容易
に行えるようになる。なお、この実施例では押え部材1
0のフランジ部12は円形としたが、例えば、これを幅
が棒体1の幅よりも小さくて、長さが棒体1の幅よりも
長い長方形にしてやれば、押え部材10を90度回転す
るだけでパネルを部分的に取り外すことができるので、
この種の工事が一層容易になる。
【0034】また、この実施例では、当て部材15とし
て三角バタ材を使用する例を図示したが、三角バタ材は
断面形状が正三角形であるから強度的に優れていること
は勿論のこと、集積が容易であるので、工事現場におけ
る保管スペースの確保の点から無駄がないという優れた
利点があるが、平坦面16を有する筒状部材、場合によ
っては柱状部材であれば、どのようなものでもよく、例
えば、半円柱であっても、四角柱であってもよい。勿
論、上記当て部材15は断面形状が正三角形である必要
はない。
【0035】この発明によるコンクリート型枠は、上記
のように構成されているので、パネル8,9は面積の小
さい板材を使用することができる。例えば、パネル8,
9を針葉樹から製作した合板、ラワン合板の廃材、鉄
板、コンクリート板等の各種の板材を利用することがで
きる。ここで、針葉樹から合板を製作する実施例を、図
9と図10、及び図11と図12を参照して説明する。
図9は針葉樹から製作した単板(ベニヤ)の接着前の状
態の一例を示す斜視図、図10は図9に示す単板から製
作した合板の側面図、図11は針葉樹から製作した単板
の接着前の状態の別の例を示す斜視図、及び図12は図
11の単板から製作した合板の側面図である。
【0036】図9及び図10は、針葉樹から製作した合
板を製作する一実施例を説明する。針葉樹は、ラワン材
のようにロータリレースで周方向に切削すると、木質の
性質上、木目で割れ等が発生し、薄板材を製作すること
ができない。そこで、針葉樹を長手方向に鋸等で引き割
りして多数の薄板状の単板8Vを製作する。従って、1
枚の単板8Vは、幅の狭いものになる。図示のように、
これらの単板8Vを木目方向を交互に直交させて複数枚
(図では4枚)配置すると共に、単板8Vと単板8Vと
の間に両面に糊等の接着剤を塗布した紙、布、合成樹脂
等のシート49を介在させ、単板8Vとシート49との
組立体を作製する。次いで、この組立体をプレス等で押
圧して針葉樹の合板8Pを製作する。
【0037】上記のように、針葉樹で作製した上記合板
8Pは、単板8Vの間にシート49が介在しているの
で、単板8Vに節が多く有っても、或いは単板8Vが一
枚のみでは割れ易い性質であっても、シート49によっ
て各単板8Vを十分に固着することができ、コンクリー
ト型枠の板材即ちパネル8,9として十分に機能を果た
すことができるものである。
【0038】また、上記のように、単板8Vを一枚ずつ
順次重ねた場合には、合板8Pは面積の狭いものにな
る。そこで、図11及び図12に示すように、単板9V
の端面9Eを互いに当接させて、複数枚の単板9Vを一
面に配置して複合単板にし、各複合単板の間に両面に糊
等の接着剤を塗布した紙、布、合成樹脂等のシート49
を介在させ、これらの複合単板とシート49との組立体
を作製する。次いで、この組立体をプレス等で押圧して
針葉樹の合板9Pを製作する。従って、このように合板
9Pを製作すれば、面積の広いパネル8,9を得ること
ができる。
【0039】これまで壁を構築する場合について説明し
てきたが、次に床や梁等の本体をコンクリート打設で構
築する場合について説明する。図5は床及び梁を形成す
るために組み立てられたコンクリート型枠の一例を示す
断面図である。この型枠は、梁の側壁を形成するコンク
リート打設用型枠41、梁の底面を形成するコンクリー
ト型枠42、及び床を形成するコンクリート型枠43を
組み立てたものである。コンクリート型枠自体の構造
は、図1、図2、図3及び図4で説明したとおりである
から、説明は省略する。なお、図5には図示していない
が、必要に応じて三角バタ材から成る補強部材37を地
上或いは床から支柱で支えるようにしてもよい。
【0040】図6は図5の領域Yにおける拡大図であ
る。梁の側面を形成するコンクリート型枠41の当て部
材15と、床を形成するコンクリート型枠43の当て部
材15とはジョイント44で連結されている。図7はジ
ョイント44の正面図、及び図8は図7の線Z−Zにお
ける断面図である。このジョイント44は、断面形状が
三角形の二本の三角柱即ち筒状三角支柱部45,46か
ら構成されている。即ち、筒状三角支柱部45,46
は、どちらも端部が、例えば、45度の角度で切断さ
れ、切断された端部同士を突き合わせて溶接している。
また、ジョイント44には、当て部材15の孔と一致す
る位置に孔47,48が形成されており、これらの孔に
ボルトを挿通してナットで締め付けることにより、ジョ
イント44を介して二本の当て部材15を互に直角に連
結することができる。その際、当て部材15の稜線即ち
頂部に受座部材23を載置して連結するとよい。
【0041】また、図1に示した当て部材15の場合、
ジョイント44の孔47,48に一致する孔が頂部には
存在するが、平坦面16には存在しない。そこで、孔が
形成された小さな板を当て部材15の溝17に溶接した
ものを使用するとよい。図7に示すジョイント44は、
当て部材15同士を直角に連結するためのものである
が、筒状三角支柱部45,46の端部を切断する角度を
45度ではなくて、適宜角度に切断することによって、
当て部材15同士を任意の角度で連結することができ
る。
【0042】
【発明の効果】この発明によるコンクリート型枠は、以
上のように構成されているので、以下のような効果を有
する。即ち、このコンクリート型枠は、長尺角棒等の棒
体に合板等から成るパネルの端面を当接して押え部材と
当て部材で挟持することによって組み立てられるので、
パネルに孔をあけなくても済む。従って、パネルに孔を
あける従来の型枠において生じていた問題、即ちコンク
リートが孔に入って型枠の分解を困難にしたり、あるい
は型枠とタイロッドとの固定に緩みが生じて、所望の製
品が得られないといった問題は一切生じない。その上、
従来、現場で行われていた金属製桟木から古いパネルを
取り外して新しい合板を付け直す作業において、新しい
パネルに、金属製桟木のねじ孔に合致する位置を罫書き
してその位置に正確に木工ドリルで孔をあけるといった
人手を要する作業も一切不要となる。
【0043】また、これまで孔が大きくなって廃棄せざ
るをえなかった大きなパネルを小さく切断して、この発
明におけるパネルとして再利用することができるので、
経済的にも優れたものである。
【0044】特に、このコンクリート型枠は、小さな面
積のパネルを使用することができるので、針葉樹等の木
材から作った合板も使用可能となり、ラワン合板が品薄
になったとしても、将来的にも十分に対応することがで
きる。
【0045】更に、対向して配置されたパネルとパネル
の間に林立している鉄筋などがセパレータを設ける上で
邪魔になる場合には、違う大きさのパネルを使用するこ
とによって鉄筋を避けることができる。従って、こうい
う意味からも工事現場等での穴あけ作業は一切不要とな
り、雨天などに感電事故を起こす危険もなくなり、安全
性に富んだコンクリート型枠を提供できる。
【0046】更に、パネルの表面に凹凸を付け、このよ
うなパネルを何種類か用意しておけば、これらを適当に
組み合わせることによって、壁に任意の模様をつけた
り、絵画、図形、文字などを表すこともできるという利
点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるコンクリート型枠の棒体、パネ
ル、押え部材、当て部材等の構成部品を示す分解斜視図
である。
【図2】この発明によるコンクリート型枠の緊締部材、
タイロッド、爪部材等の構成部品を示す分解斜視図であ
る。
【図3】コンクリート型枠の組立状態示す斜視図であ
る。
【図4】図3において鎖線X−Xを含む水平面で切断し
た時の断面図である。
【図5】床及び梁を形成するために組み立てられたコン
クリート型枠の一例を示す断面図である。
【図6】図5の領域Yにおける拡大図である。
【図7】ジョイントを示す正面図である。
【図8】図7の線Z−Zにおける断面図である。
【図9】針葉樹から製作した単板の接着前の状態の一例
を示す斜視図である。
【図10】図9に示す単板から製作した合板の側面図で
ある。
【図11】針葉樹から製作した複合単板の接着前の状態
の別の例を示す斜視図である。
【図12】図11の複合単板から製作した合板の側面図
である。
【図13】金属製桟枠を用いた従来のコンクリート型枠
の組立断面図である。
【図14】金属製桟枠を用いた従来のコンクリート型枠
の平面図である。
【符号の説明】
1 棒体 4 ねじ孔 8,9 パネル 8V,9V 単板 8P,9P 合板 10 押え部材 11 筒部 12 フランジ部 13 雄ねじ 14 雌ねじ 15 当て部材 16 平坦面 19 緊締部材 28 タイロッド 37 補強部材 39 セパレータ 44 ジョイント 49 シート

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通する嵌合孔を有する棒体、該嵌合孔
    に挿入した筒部と該筒部と一体構造のフランジ部とを備
    えた押え部材、前記棒体を間に挟んで端面同士を対向状
    態に配置したパネル、前記フランジ部と共働して前記パ
    ネルを挟持する平坦面を備えた当て部材、前記棒体に固
    定した前記押え部材の前記フランジ部を対向状態に隔置
    させるセパレータ、及び前記筒部に設けたねじに螺合し
    て前記押え部材と前記当て部材とを緊締したタイロッド
    を有することを特徴とするコンクリート型枠。
  2. 【請求項2】 前記パネルは針葉樹を長手方向に切断し
    た単板を複数枚重ねて製作した合板であることを特徴と
    する請求項1に記載のコンクリート型枠。
  3. 【請求項3】 前記当て部材は筒状三角支柱であること
    を特徴とする請求項1に記載のコンクリート型枠。
  4. 【請求項4】 隔置状態に配置した複数の前記当て部材
    に交差して前記当て部材を固定した補強部材を有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のコンクリート型枠。
  5. 【請求項5】 前記補強部材は前記当て部材と同様の筒
    状三角支柱であることを特徴とする請求項4に記載のコ
    ンクリート型枠。
  6. 【請求項6】 前記当て部材の端部同士を所定の角度を
    もって連結するジョイントを設けたことを特徴とする請
    求項1に記載のコンクリート型枠。
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