JP2969794B2 - 安定化された過炭酸ナトリウムの製造方法 - Google Patents
安定化された過炭酸ナトリウムの製造方法Info
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Description
法に関する。更に詳しくはホウ酸水溶液とケイ酸アルカ
リ金属塩水溶液とを別々に噴霧して乾燥することを特徴
とする過炭酸ナトリウムの製造方法に関する。
化水素付加化合物が、粉末状の洗浄剤組成物に漂白成分
として配合されることは周知である。過炭酸ナトリウ
ム、過ホウ酸ナトリウムなどは洗濯に際して溶解し、分
解して漂白作用を発揮する。この場合、過ホウ酸ナトリ
ウムは低温での溶解速度が遅く、特に水あるいはぬるま
湯等を主として使用する我が国の事情においては、洗剤
に配合する漂白成分としては漂白効果の点で余り好まし
くない。
はやく、漂白効果を充分に発揮できることから近年急激
に需要が増大しつつある。
ムに比べ、水分に対して鋭敏であり、洗浄剤組成物中の
水分、あるいは空気中の湿気、水分によっても常温で比
較的分解され易い。また洗浄剤組成物中にはゼオライト
などの過炭酸ナトリウムの分解を促進する物質も含まれ
ており、これらと接触して分解され易い傾向がある。そ
こで、従来より過炭酸ナトリウムの分解を防止、抑制
し、安定化した過炭酸ナトリウムを得る方法が種々提案
されている。
する方法が有力である。
の有機物、ケイ酸塩、過ホウ酸塩、ホウ酸塩、ホウ酸
等の無機物が提案されている。
の方法が知られている。この方法は過炭酸ナトリウム粒
子にホウ酸水溶液を噴霧しつつ乾燥する方法であり、過
炭酸ナトリウムの安定性を高めることができるが、ホウ
酸単独で被覆したのではその安定性が必ずしも充分では
なく、一層の安定性の向上が望まれる。
酸化物を安定化する効果を持つことが知られている化合
物を含んでいてもよいと記載されており、特に燐酸とケ
イ酸のアルカリ金属塩が例示されている。しかしながら
具体的な実施の方法は記載されていない。また特開昭59
−193999号公報には少なくともホウ酸塩とケイ酸アルカ
リ金属塩の両者を含む被覆剤によって表面を被覆された
過炭酸ナトリウムを配合してなる漂白洗浄剤組成物が開
示されているが、その比較例においてホウ酸とケイ酸ナ
トリウムを併用した例が記載されている。しかしなが
ら、その実施の方法は詳細に記載されておらず、またそ
の併用の効果は顕著とは言い難い。
媒に一緒に溶かすと混合比率、あるいは濃度によって、
特に高濃度においては酸化ケイ素がゲル状の沈澱を形成
する。従ってこれらを併用する場合にあっては必ずしも
任意の被覆剤組成および被覆剤溶液濃度を採用し得るわ
けではない。水溶液を噴霧して乾燥することにより被覆
する場合には、低濃度では乾燥に多大のエネルギーを要
するので、できるだけ高濃度で噴霧することが望ましい
が、ホウ酸とケイ酸アルカリ金属塩とを併用して被覆し
ようとする場合にはゲル状の沈澱の形成は大きな障害と
なる。
リウムを被覆する方法について鋭意検討した結果、ホウ
酸溶液とケイ酸アルカリ金属塩溶液とを別々に噴霧して
乾燥することによって上記のような制約を排除し、過炭
酸ナトリウムの安定性を飛躍的に向上させ得ることを見
出し、本発明を完成した。
は逐次にホウ酸溶液とケイ酸アルカリ金属塩水溶液とを
噴霧し、乾燥することにより、被覆された過炭酸ナトリ
ウムを製造する方法に関する。噴霧と乾燥とは同時であ
っても、また交互であってもよいが、いずれの場合にお
いても過炭酸ナトリウムの表面上にあまりに多量の被覆
剤溶液が付着すると過炭酸ナトリウム粒子が凝集するの
で、間欠的に噴霧と乾燥とを繰り返す場合にはその間隔
を一定時間以下に設定する必要がある。過炭酸ナトリウ
ムの表面上の被覆剤溶液の量を制御するためには噴霧と
乾燥を同時に行なうことが好ましい。
の温度が所定範囲内に維持されるように実施することが
望ましい。噴霧乾燥時の過炭酸ナトリウムの温度は30〜
100℃、好ましくは35〜95℃、更に好ましくは40〜90
℃、最も好ましくは45〜90℃である。
リウム粒子が凝集するので好ましくない。過炭酸ナトリ
ウムの温度が高過ぎる場合には過炭酸ナトリウムが分解
する傾向があり、また被覆剤の結晶が成長するなどして
延展性が悪くなり、被覆効果が充分でなくなる。
するものの中から選ばれるが、両者を良く溶解し、安全
かつ安価である水が最も好ましい。
あればよいが、余りに低い濃度では乾燥に時間を要し、
そのために過炭酸ナトリウムの分解が生起し、また乾燥
に多量の熱量を要するので好ましくない。また余りに高
い濃度では配管やノズルにおいてホウ酸が沈積し、閉塞
しやすくなるので好ましくない。この点においてホウ酸
濃度は好ましくは飽和溶解濃度の10〜95%の濃度、更に
好ましくは30〜90%の濃度、最も好ましくは50〜90%の
濃度である。
燥を容易にするために高い方がよいが、あまりに高いと
過炭酸ナトリウムの分解を招来する。この点においてホ
ウ酸溶液の温度は10〜120℃、好ましくは30〜100℃、更
に好ましくは50〜100℃が選ばれる。
ウム粒子に対して重量基準で通常0.3〜20%、好ましく
は0.5〜10%、更に好ましくは1〜8%、最も好ましく
は2〜8%が選ばれる。
ム、オルトケイ酸ナトリウム、水ガラス1号、2号、3
号等のナトリウム塩、メタケイ酸カリウム、オルトケイ
酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム等
が使用し得る。中でも水ガラス1号、2号、3号が液状
であって使用上の利便の点で好ましい。またこれらを併
用してもよい。
よって異なる。ケイ酸アルカリ金属塩の濃度は使用温度
での飽和溶解度以下であればよいが、余りに低い濃度で
は乾燥に時間を要し、そのために過炭酸ナトリウムの分
解が生起し、また乾燥に多量の熱量を要するので好まし
くない。逆に余りに高い濃度では被覆液の粘度が高過ぎ
たり、また配管やノズルにおいて溶質、特にシリカの析
出が生じることがあるので好ましくない。この点におい
てケイ酸アルカリ金属塩の濃度はSiO2に換算して好まし
くは5〜50重量%、更に好ましくは10〜40重量%、最も
好ましくは10〜35重量%である。水ガラスを使用する場
合は液状であるので加熱して粘度を下げればそのままで
も使用できるが、通常水で薄めて噴霧に供する。
と同様、10〜120℃、好ましくは30〜100℃、更に好まし
くは50〜100℃が選ばれる。
る過炭酸ナトリウム粒子に対して重量基準でSiO2に換算
して0.1〜10%、好ましくは0.2〜7%、最も好ましくは
0.3〜5%が選ばれる。
安定化剤を被覆剤と併用してもよい。
100〜2000μ、好ましくは200〜1000μが選ばれる。
算)との比率には特に制限はないが、通常重量で10:1〜
1:5、好ましくは8:1〜1:2、最も好ましくは5:1〜1:1が
選ばれる。
実施できるものであればどのような型のものであっても
使用し得るが、熱風で流動させる方式が好ましい。
れの方式であっても良いが、被覆の一様性を達するため
にはバッチ式が最も好ましい。
およびケイ酸アルカリ金属塩によってむらなく被覆し、
水分あるいは他の分解促進物と過炭酸ナトリウムとを遮
断する作用を発現することができる。
分解し易い傾向があるが、本発明によって被覆された過
炭酸ナトリウムはそのような場合においても極めて安定
である。
より更に具体的に説明する。実施例中の%は特に記載が
ない限り重量%を意味する。
本を有する流動層式乾燥機の多孔板上に置き、下方より
100℃の熱風を送って、過炭酸ナトリウムを流動状態に
保った。多孔板より40cm上の位置にある噴霧ノズルより
90℃の15%ホウ酸水溶液を80g/min.の流量で噴霧し、同
時に多孔板より40cm上の位置にある別の噴霧ノズルより
90℃の水ガラス1号水溶液(SiO2として濃度15%)を20
g/min.の流量で噴霧した。こうして熱風で流動しつつ、
両液の噴霧を33.3分間続けた〔過炭酸ナトリウムに対す
るホウ酸の量5.0%、水ガラスの量1.25%(SiO2とし
て)に相当する〕。この間過炭酸ナトリウムの温度は50
〜70℃の範囲に維持された。両液の噴霧を停止した後更
に10分間送風を続けた。冷却後被覆された過炭酸ナトリ
ウムを取り出した。凝集物は全く観察されなかった。
定性試験を実施した。結果を表1に示す。
被覆剤がよく延展し、一様に被覆していることを示して
いた。
ムを10%混合し、カートン紙箱に入れてビニールテープ
で密封した。これを35℃、80%相対湿度に維持された恒
温槽中に28日間保存した。サンプルの活性酸素量をチオ
硫酸ナトリウム滴定(KIと過酸化物とで生じたI2を滴
定。)で求めた。
以外は実施例1と同様にして被覆された過炭酸ナトリウ
ムを得た(過炭酸ナトリウムに対するホウ酸の量5.0
%、水ガラスの量0.62%に相当する)。洗剤と混合して
行なった保存安定性試験結果を表1に示す。
した。噴霧ノズルより90℃の15%ホウ酸水溶液を100g/m
in.の流量で26.7分間噴霧した後ホウ酸水溶液の噴霧を
停止し(過炭酸ナトリウムに対するホウ酸の量5.0%に
相当する)、次いで別の噴霧ノズルより90℃の水ガラス
1号水溶液(SiO2として濃度15%)を100g/min.の流量
で6.7分間噴霧した〔過炭酸ナトリウムに対する水ガラ
スの量1.3%(SiO2として)に相当する〕。得られた被
覆過炭酸ナトリウムの保存安定性試験結果を表1に示
す。
を噴霧した以外は実施例3と同様に実施した。得られた
被覆過炭酸ナトリウムの保存安定性試験結果を表1に示
す。
100℃の範囲に維持した以外は実施例1と同様に実施し
た。被覆された過炭酸ナトリウムの走査電子顕微鏡写真
は、微細な結晶がヒゲ状に表面上に成長していることを
示していた。被覆過炭酸ナトリウムの保存安定性試験結
果を表1に示す。
50℃の範囲に維持した以外は実施例1と同様に実施し
た。被覆された過炭酸ナトリウムは約5%の凝集物(10
メッシュのふるい不通過。)を含んでいた。被覆過炭酸
ナトリウムの保存安定性試験結果を表1に示す。
施例3と同様に実施した。得られた被覆過炭酸ナトリウ
ムの保存安定性試験結果を表2に示す。
と同様に実施した。得られた被覆過炭酸ナトリウムの保
存安定性試験結果を表2に示す。
存安定性試験結果を表2に示す。
溶液(SiO2として濃度15%。)20gを混合した。ただち
に全体がゲル状となった。
Claims (8)
- 【請求項1】過炭酸ナトリウム粒子にホウ酸水溶液とケ
イ酸アルカリ金属塩水溶液とを別々に噴霧して乾燥する
ことを特徴とする安定化された過炭酸ナトリウムの製造
方法。 - 【請求項2】過炭酸ナトリウム粒子にホウ酸水溶液とケ
イ酸アルカリ金属塩水溶液とを別々に同時に噴霧して乾
燥することを特徴とする請求項1記載の安定化された過
炭酸ナトリウムの製造方法。 - 【請求項3】過炭酸ナトリウム粒子にホウ酸水溶液とケ
イ酸アルカリ金属塩水溶液とを別々に逐次に噴霧して乾
燥することを特徴とする請求項1記載の安定化された過
炭酸ナトリウムの製造方法。 - 【請求項4】噴霧と乾燥を同時に行う請求項1〜3記載
の安定化された過炭酸ナトリウムの製造方法。 - 【請求項5】ホウ酸水溶液の濃度が飽和溶解濃度の10〜
95%の濃度であり、ケイ酸アルカリ金属塩の濃度がSiO2
に換算して5〜50重量%である請求項1〜3記載の安定
化された過炭酸ナトリウムの製造方法。 - 【請求項6】ホウ酸の量が過炭酸ナトリウムに対して0.
3〜20重量%であり、ケイ酸アルカリ金属塩の量が過炭
酸ナトリウムに対してSiO2に換算して0.1〜10重量%で
ある請求項1〜3記載の安定化された過炭酸ナトリウム
の製造方法。 - 【請求項7】被覆される過炭酸ナトリウム粒子の平均粒
子径が100〜2000μである請求項1〜3記載の安定化さ
れた過炭酸ナトリウムの製造方法。 - 【請求項8】過炭酸ナトリウムの温度を30〜100℃に維
持する請求項1〜3記載の安定化された過炭酸ナトリウ
ムの製造方法。
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