JP2962859B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2962859B2
JP2962859B2 JP10138091A JP10138091A JP2962859B2 JP 2962859 B2 JP2962859 B2 JP 2962859B2 JP 10138091 A JP10138091 A JP 10138091A JP 10138091 A JP10138091 A JP 10138091A JP 2962859 B2 JP2962859 B2 JP 2962859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真装置、静電記
録装置等の画像形成装置に用いられ、記録材上の顕画像
を加熱定着する定着装置に関する。特には、薄膜のフィ
ルムを介して顕画像を加熱定着する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱定着装置としては、所定の温
度に維持された加熱ローラと、弾性層を有して該加熱ロ
ーラに圧接する加圧ローラとによって記録材を狭持し搬
送しつつ加熱する熱ローラ方式が多用されている。
【0003】しかし、加熱ローラは温度変動を防止する
ために大きな熱容量を必要とするため、メインスイッチ
オンから所定の温度に達する迄の画像形成禁止時間であ
るウェイトタイムが長くかかる。
【0004】そこで、出願人は特開昭63−31318
2号公報、特願平2−153602〜153610号公
報等で瞬時に昇温する熱容量の小さなヒータと、薄膜の
フィルムを用いウェイトタイムを大幅に減縮及至無くし
た定着装置を先に提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなニ
ップ部に向けて発熱するヒータとフィルムを用いる定着
装置では、トナーとの接触面の温度をコントロールでき
ないため熱ローラ方式に比べ、トナーの加熱温度のばら
つきは大きくなる。
【0006】このため単色のプリントではオフセットし
ない温度領域が広いため、あまり問題にならないが、積
層されたトナーを混色するフルカラー画像の定着の場
合、オフセットの発生しない温度のラティチュードが狭
いためオフセットが発生し易い。
【0007】また、熱ローラ定着方式の場合、加圧ロー
ラ側からも加熱することも考えられるが、カラートナに
加わる熱量が変化すると、色味や光沢に変化が発生す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決する本
発明は、発熱抵抗体を備える加熱体と、一方の面が加熱
体と摺動しつつ他方の面が未定着像を担持する記録材と
接し共に移動するフィルムと、このフィルムを介して加
熱体と共にニップを形成する加圧回転体と、加熱体の温
度を検知する第1の温度検知部材と、定着時、第1の温度
検知部材の検知温度が一定となるように発熱抵抗体への
通電を制御する第1の通電制御手段と、を有し、画像形
成スタート信号の入力により記録材への像形成を開始す
る画像形成装置に用いられる定着装置において、上記加
圧回転体の内部から加圧回転体を加熱するヒータと、上
記加圧回転体の表面温度を検知する第2の温度検知部材
と、定着時、第2の温度検知部材の検知温度が一定とな
るようにヒータへの通電を制御する第2の通電制御手段
と、を有し、上記第1の通電制御手段と上記第2の通電
制御手段は画像形成装置への画像形成スタート信号の入
力により所定のタイミングで通電開始することを特徴と
する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。
【0010】図4は本発明の実施例の定着装置を用いた
画像形成装置の断面図である。
【0011】本例の画像形成装置は原稿画像光電読取り
式・レーザービーム走査露光式・多重転写式の電子写真
カラー画像形成装置である。
【0012】30は画像形成装置本体、50はその上に
搭載された原稿画像光電読取り装置(スキャナ)であ
る。原稿画像光電読取り装置50は原稿台ガラス51上
に載置セットされた原稿0の画像の色成分パターンを光
電読取りユニット52の1回又は複数回の走査移動動作
で読取る。これにより不図示の制御回路に原稿画像のイ
エロー画像信号、マゼンタ画像信号、シアン画像信号、
ブラック画像信号が入力される。
【0013】画像形成装置本体30において、31は像
担持体としての電子写真感光体ドラム(以下、ドラムと
記す)であり、矢示の反時計方向に所定の周速度(プロ
セススピード)をもって回転駆動される。32はドラム
1を所定の極性・電位に一様に帯電する一次帯電器、3
3は制御回路からの画像信号にて変調されたレーザ光L
を出力して帯電済みの回転ドラム31を走査露光するレ
ーザービームスキャナであり、この走査露光により画像
信号に対応した静電潜像がドラム31面に形成されてい
く。
【0014】34は回転式現像装置であり、イエロー現
像器34Y、マゼンタ現像器34M、シアン現像器34
C、ブラック現像器34BKの4つの色現像器を有して
おり、色切換え信号により上記の各現像器がドラム31
に対する作用位置に順次に回転式に切換え移動される。
そしてドラム31面の形成潜像がドラム31に対して所
定に切換え位置された現像器のトナーで現像される。
【0015】35は転写ドラムであり、感光ドラム31
とほぼ同じ周速度もってドラム31の回転に順方向に回
転駆動される。この転写ドラム35に対して第1又は第
2の給紙カセット36・37から給紙ローラ36a又は
37aの駆動により記録材としての転写材Pが1枚宛給
紙されて搬送ローラ38・ガイド39を経由して供給さ
れ、転写材の先端が転写ドラム35の転写材当接用ロー
ラ40との共働グリッパ41に挟持されて転写材が転写
ドラム35の外周面に巻き付き的に保持される。そして
その巻き付き転写材面に対してドラム31側の形成トナ
ー像が転写帯電器42により転写される。転写ドラム3
5に巻き付き的に保持された転写材は所定回数だけ繰り
返してトナー像転写を受ける。43は転写後のドラム1
面を除電する除電器、44はドラム31面のクリーニン
グ装置である。
【0016】本例装置の場合はフルカラー画像形成のと
きは 帯電→イエロー画像信号による露光L→イエロー現像
器34Yによる現像→転写→除電→クリーニング 帯電→マゼンタ画像信号による露光→マゼンタ現像器
34Mによる現像→転写→除電→クリーニング 帯電→シアン画像信号による露光L→シアン現像器3
4Cによる現像→転写→除電→クリーニング 帯電→ブラック画像信号による露光→ブラック現像器
34BKによる現像→転写→除電→クリーニング の上記〜の作像プロセスが順次に実行されてその各
プロセスにおけるイエロートナー画像・マゼンタトナー
画像・シアントナー画像・ブラックトナー画像が転写ド
ラム35に保持されている同一の転写材に対して順次に
転写されることで、転写材面にフルカラー画像が合成形
成される。
【0017】そして最終のブラックトナー画像の転写が
開始されると転写材先端のクリッパ41による把持が解
除されて除電・分離用帯電器45・分離爪46により転
写材が転写ドラム35から分離されて搬送ベルト47で
定着装置11へ搬送され、混色定着処理を受けて排出ト
レイ48へ排出される。
【0018】次に、この画像形成装置に用いられるトナ
ーについて説明する。
【0019】カラー画像またはフルカラー画像の形成に
おいて、シャープメルトなトナーを使用することによ
り、複写物の色再現範囲を広め、原稿の多色またはフル
カラー像に忠実なカラーコピーを良好に得ることが出来
る。
【0020】トナーは、ポリエステル樹脂またはスチレ
ン−アクリルエステル樹脂の如き結着樹脂、着色剤(染
料、昇華性染料)、荷電制御剤の如きトナー形成用材料
を溶融混練、粉砕、分級することにより製造される。必
要とあらばトナーに各種外添剤(例えば、疎水性コロイ
ダルシリカ)を添加する外添工程を付加してもよい。
【0021】カラートナーは、定着性及びシャープメル
ト性を考慮すると、結着樹脂としてポリエステル樹脂を
使用したものが特に好ましい。シャープメルト性ポリエ
ステル樹脂としては、ジオール化合物とジカルボン酸と
から合成される分子の主鎖にエステル結合を有する高分
子化合物が例示される。
【0022】特に、次式
【0023】
【外1】 (式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x、y
はそれぞれ1以上の正の整数であり、かつx+yの平均
値は2〜10である)で代表されるビスフェノール誘電
体もしくはその置換体をジオール成分とし、2価以上の
カルボン酸又はその酸無水物又はその低級アルキルエス
テルとからなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ト
リメリット酸、ピロメリット酸など)とを少なくとも共
縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有
するのでより好ましい。
【0024】ポリエステル樹脂の軟化点は75〜150
℃、好ましくは80〜120℃が良い。ポリエステル樹
脂を結着樹脂として含有するトナーの軟化特性を図5に
示す。本発明における軟化点の測定法に関して以下に説
明する。
【0025】フローテスターCFT−500A型(島津
製作所製)を使用し、ダイ(ノズル)の直径0.2m
m、厚み1.0mmとして20kgの押出荷重を加え初
期設定温度70℃で、予熱時間300秒の後、6℃/分
の速度で等速昇温した時、描かれるトナーのプランジャ
ー降下量−温度曲線(以後、軟化S次曲線という)を求
める。試料となるトナーは1〜3g精秤した微粉末を用
い、プランジャー断面積は1.0cm2とする。軟化S
字曲線は図5のようなカーブとなる。等速昇温するに従
い、トナーは徐々に加熱され流出が開始される(プラン
ジャー降下A→B)。さらに昇温すると溶融状態となっ
たトナーは大きく流出し(B→C→D)プランジャー降
下が停止し終了する(D→E)。
【0026】S字曲線の高さHは全流出量を示し、H/
2のC点に対応する温度T0はその試料(例えば、トナ
ーまたは樹脂)の軟化点を示す。
【0027】トナー及び結着樹脂がシャープメルト性を
有するか否かは、トナーまたは結着樹脂の見掛けの溶融
粘度を測定することにより判定できる。
【0028】本発明においてシャープメルト性を有する
トナーまたは結着樹脂とは、見掛けの溶融粘度が103
ポイズを示す時の温度をT1、5×102ポイズを示す時
の温度をT2とした時、 T1=90〜150℃ |△T|=|T1−T2|=5〜20℃ の条件を満たすものをいう。
【0029】これらの温度−溶融粘度特性を有するシャ
ープメルト性樹脂は加熱されることにより極めてシャー
プに粘度低下を起こすことが特徴である。このような粘
度低下が最上部トナー層と最下部トナー層との適度な混
合を生じせしめ、さらにトナー層自体の透明性を急激に
増加させ、良好な減色混合を起こすものである。
【0030】このようなシャープメルト性のカラートナ
ーは親和力が大きく、定着時オフセットし易い。
【0031】次に本発明の実施例の定着装置について詳
細に説明する。
【0032】図1は本発明に従うフィルム加熱方式の定
着装置の一例の概略構成図である。
【0033】11は該定着装置の総括符号である。24
はエンドレスベルト状の耐熱性の定着フィルムであり、
左側の駆動ローラ25と、右側の従動ローラ26と、駆
動ローラ25と従動ローラ26間の下方に配置した加熱
体としての低熱容量線状加熱体20の互いに並行な該3
部材25・26・20間に懸回張設してある。
【0034】従動ローラ26はエンドレスベルト状の定
着フィルム24のテンションローラを兼ねさせており、
該定着フィルム24は駆動ローラ25の時計方向回転駆
動に伴ない時計方向に所定の周速度、即ち不図示の画像
形成部側から搬送されてくる未定着トナー画像Taを上
面に担持した記録材としての転写材シートPの搬送速度
(本例では50mm/sec)と同じ周速度をもってシ
ワや蛇行、速度遅れなく回動駆動される。
【0035】28は加圧部材としての、シリコーンゴム
等の離型性の良いゴム弾性層を有する加圧ローラであ
り、前記エンドレスベルト状定着フィルム24の下行側
フィルム部分を挟ませて前記加熱体20の下面に対して
不図示の付勢手段により例えば総圧4〜7kgの当圧接
をもって対向圧接させてあり、転写材シートPの搬送方
向に順方向の反時計方向に回転する。
【0036】Hは加圧ローラ28内に設けられたハロゲ
ンヒータであり、70はサーミスタで、弾性スポンジゴ
ム71と板バネ72により加圧ローラ表面に弾性的に押
圧されている。
【0037】少なくとも定着時、このサーミスタ70の
検知出力が所定値となるように温度制御回路73はトラ
イアック等の駆動回路74によりハロゲンヒータ70へ
の通電をオンオフ制御する。
【0038】該加圧ローラ28は本例のものは芯金28
1の外周に同心一体に金型成形等で肉厚3mmのシリコ
ンゴムを成形した外径30mmのシリコーンゴムローラ
である。
【0039】加熱体20は定着フィルム24の面移動方
向と交差する方向(フィルムの幅方向)を長手とする低
熱容量線状加熱体であり、高熱伝導性のヒータ基板2
1、通電発熱抵抗体(発熱体)22、検温素子23等よ
りなり、ヒータ支持体27に取付け保持させて固定支持
させてある。
【0040】ヒータ支持体27は加熱体20を定着装置
11及び該定着装置を組み込んだ画像形成装置全体に対
して断熱支持するもので、例えばPPS(ポリフェニレ
ンサルファイド)・PAI(ポリアミドイミド)・PI
(ポリイミド)・PEEK(ポリエーテルエーテルケト
ン)・液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂
とセラミックス・金属・ガラス等との複合材料などであ
る。
【0041】ヒータ基板21は耐熱性・絶縁性・低熱容
量・高熱伝導性の部材であり、一例として厚み1mm・
巾10mm・長さ310mmのアルミナ基板である。
【0042】発熱体22は、例えば、ヒータ基板21の
下面(フィルム24との対面側)の略中央部に長手に沿
って、例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、Ta
2N、RuO2等の電気抵抗材料を厚み約10μm・巾1
〜3mmにスクリーン印刷等により塗工し、その上に表
面保護層21aとして耐熱ガラスやPTFE等の耐熱樹
脂を約10μmコートしたものである。
【0043】検温素子23は一例として基板21の上面
(発熱体22を設けた面とは反対側の面)の略中央部に
スクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等の
低熱容量の測温抵抗体である。検温素子としては、他に
低熱容量のサーミスタなどを基板21に当接配置する構
成にしてもよい。
【0044】本例の加熱体20の場合は、線状又は帯状
をなす抵抗発熱体22に対し、その長手方向両端部より
通電し、発熱体22を略全長にわたって発熱させる。通
電はAC100Vであり、少なくとも定着時検温素子2
3の検知温度が一定となるように温度制御回路73はト
ライアックを含む通電制御回路75により通電する位相
角を制御することにより、通電電力を制御して定着温度
を180℃となるように制御している。
【0045】次に本実施例に用いられる定着フィルム2
4について説明する。
【0046】定着フィルム24は熱容量を小さくしクイ
ックスタート性を達成するために、基層は総厚100μ
m以下、好ましくは40μm以下の耐熱性・離型性・耐
久性等のフィルムを使用できる。図2はフィルム全体と
して複合層フィルムの一例の層構成模型図であり、本例
は2層構成フィルムである。24aは定着フィルムの基
層(ベースフィルム)としての耐熱層、24bは該耐熱
層24aの外面(トナー面像に対面する側の面)に積層
した離型層(表層)である。
【0047】耐熱層24aは例えばポリイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサル
ホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリ
パラバン酸(PPA)などの高耐熱性樹脂フィルムや、
Ni・SUS・Al等の金属など、強度・耐熱性に優れ
たものが使用できる。
【0048】離型層24bは黒トナー画像の定着処理だ
けならば例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)・PFA・FEP等のフッ素樹脂等を利用でるき
が、カラートナー画像についてはオフセットなく定着処
理するため且つ、定着性の向上のためにリコーンゴムと
してある。
【0049】離型層24bをカーボンブラック、グラフ
ァイト、導電性ウィスカ等の導電剤を混入する等の方法
により表面の抵抗値を下げてもよい。その場合は、定着
フィルム24のトナー当接面の帯電を防止できる。定着
フィルム24のトナー当接面が絶縁性の場合、定着フィ
ルムの前記表面が帯電し、シートP上のトナー画像を乱
したり、トナー画像が定着フィルム24に移転(いわゆ
る帯電オフセット)したりする場合があるが、離型層を
低抵抗化することでこの問題を解決できる。
【0050】特には、離型層24bの表面抵抗を1010
Ω以下とすることが好ましい。
【0051】定着フィルム24は上記のような2層構成
に限らず、少なくともトナー画像と接する側の面はシリ
コーンゴム層とした3層以上の多層構成であってもよい
し、必要に応じてフィラー・充填剤等を配合して強度強
化処置したシリコーンゴムの単層フィルムとすることも
できる。
【0052】一般にカラー画像の定着に際しては色再現
性や外観上、光沢度の高い定着画像が要求される事が多
い。こうした高い画像光沢性を要求するカラー画像の定
着には本発明のフィルム加熱方式は特に有効であり、定
着フィルム24の表面(記録材のトナー画像と接する面
が粗れの少ない様に作成する事により高い光沢性が得ら
れる。又逆に定着フィルム24の表面を粗らす事によっ
て光沢の少ない画像も得られる様にする事も可能であ
る。
【0053】こうした表面状態の差は定着フィルム作成
後、ブラスト処理等により表面を荒らしても良く、又表
面を平滑にするには従来公知の内面鏡面の成形型により
定着フィルムを作成して定着フィルム表面を平滑性の高
いものに仕上げる等の方法により可能であるが、特にこ
の方法に限られるものではない。
【0054】次に本定着装置の動作を説明する。
【0055】画像形成スタート信号により装置が画像形
成動作して不図示の画像形成部から定着装置11へ搬送
された、未定着のトナー画像(黒トナー画像又はフルカ
ラートナー画像)Taを上面に担持した記録材としての
転写材シートPはガイド29に案内されて加熱体20と
加圧ローラ28との圧接部Nの定着フィルム24と加圧
ローラ28との間に進入して、未定着トナー画像面がシ
ートPの搬送速度と同一速度で同方向に回転状態の定着
フィルム24の下面に密着して面ズレやしわ寄りを生じ
ることなく定着フィルム24と一緒の重なり状態で加熱
体20と加圧ローラ28との相互圧接部N間を挟圧力を
受けつつ通過していく。
【0056】加熱体20と加圧ローラ28は画像形成ス
タート信号により所定のタイミングで通電加熱されるの
で、トナー画像Taは圧接部Nにおいて加熱を受け軟化
溶融像Tbとなる。
【0057】定着フィルム24はヒータ支持体27の曲
率の大きいエッジ部S(曲率半径が約2mm)において
急角度(屈曲角度θが略45°)で走行方向が転向す
る。従って、定着フィルム24と重なった状態で圧接部
Nを通過して搬送されたシートPはエッジ部Sにおいて
定着フィルム24から曲率分離していき、この分離のと
き、トナー画像Taがフルカラートナー画像であっても
定着フィルム24の、トナー画像と接する面である離型
層24aがシリコーンゴムであることによりトナーオフ
セットは実質的に発生しない。
【0058】定着フィルム24から分離されたシートP
は排紙トレイ12へ排紙されてゆく。排紙される時まで
にはトナーは十分冷却固化しシートPに完全に定着した
状態(トナー画像Tc)となっている。
【0059】本例において加熱体20のうち発熱体22
及び基板21の熱容量が小さく、かつ、これらが支持体
27により断熱支持されているので、圧接部Nにおける
加熱体20の表面温度は短時間にトナーの融点(又はシ
ートPへの定着可能温度)に対して十分な高温に昇温す
るので、加熱体20をあらかじめ昇温させておく(いわ
ゆるスタンバイ温調)必要がなく、省エネルギーが実現
でき、しかも機内昇温も防止できる。
【0060】10は定着フィルム24をクリーニング兼
シリコンオイルを塗布するクリーニング兼塗布器であ
る。
【0061】このフィルムの外周面にはサーミスタ、分
離爪等の転写材の搬送方向と直交方向での当接物が設け
られていない。
【0062】このため離型オイルを多量に塗布してもオ
イル塗布量の違いによる光沢ムラを発生しない。
【0063】又、加圧ローラ表面も110℃の一定温度
に保たれる。
【0064】このためニップでは加圧ローラ表面が18
0℃に保たれているため、定着フィルムの温度を管理し
てないにもかかわらず、ニップ温度は一定に保たれる。
【0065】尚、加熱体20の昇温に対し加圧ローラ2
8の昇温は遅い。
【0066】このため装置のメインスイッチON直後の
プリントでは、加圧ローラ全体としては十分な加熱を受
けてない状態であるが、定着ニップに記録材が侵入する
前に加圧ローラが回転して表面が加熱体20により加熱
されることにより、十分な定着性が得られる。
【0067】また、温度変動を生じ易い連続プリント中
は、加圧ローラ表面温度を一定に保っているため、加熱
体20を一定に温調することでニップでのフィルム表面
温度に変動は生じない。
【0068】図3に本発明の別の実施例の定着装置の断
面図を示す。
【0069】定着フィルム24はエンドレスベルト状に
限らず、図3のように送り出し軸12にロール巻きに巻
回した有端の定着フィルム24を加熱体20と加圧ロー
ラ28との間を経由させて巻取り軸13に係止させ、送
り出し軸12側から巻取り軸13側へ転写材シートPの
搬送速度と同一速度をもって走行させる構成(フィルム
巻取りタイプ)であってもよい。
【0070】次に更に具体的な実験例について説明す
る。
【0071】〔実験例1〕装置構成は図1のものを用い
た。
【0072】加圧ローラ28として芯金上にJISA硬
度40°の3mm厚のHTVシリコーンゴム層を設け、
このシリコーンゴム上に50μm厚のフッ素樹脂チュー
ブを被覆した外径30mmのものを用い、300Wのハ
ロゲンヒータを内蔵させサーミスタ70の検知温度が1
10℃となるように制御した。
【0073】また、エンドレスの定着フィルム24とし
て下記の耐熱層(基層、ベースフィルム)24aと離型
層(表層)24bの2層複合層フィルムを用いた。・耐
熱層24a 20μm厚のポリイミドフィルム・離型層
24b 10μm厚のRTV(室温加硫タイプ)のシリ
コーンゴム層ポリイミドフィルム24aの表面をプラス
ト処理などにより荒らし、RTVシリコーンゴム用プラ
イマーをスプレー塗工により塗膜し、RTVシリコーン
ゴムをスプレー塗布して被膜することで製造したもので
ある。
【0074】該定着装置11を前述図4の画像形成装置
に使用しフルカラー画像の定着処理を実行させたとこ
ろ、定着フィルムに対するトナーオフセットのない好ま
しい良好な定着処理がなされた。
【0075】〔比較例1〕加圧ローラがハロゲンヒータ
を内蔵してない点を除いては前記実験例と同様の装置を
用いてフルカラー画像の定着処理を行った。
【0076】連続通紙30枚め位より画像の光沢感がな
くなり、トナーが転写材より剥離するコールドオフセッ
トが発生してしまった。
【0077】これは加熱体温度は180℃に保たれてい
るにもかかわらず、連続通紙にともない加圧ローラが温
度低下し、ニップでトナーに加わる熱量が低下している
ためである。
【0078】〔実験例2〕黒トナーを用い、図1構成の
定着装置に、離型層24bとしてPFAを表面にコート
した定着フィルムを用いた。
【0079】フィルムにPFAを表面にコートしたもの
を用いまた、加圧ローラとして外形28mm、ゴム厚3
mmヒータに100Wのハロゲンヒータを内蔵したもの
を用い、表面温度を110℃に温調した。
【0080】これにより、白黒未定着画像を連続に定着
試験をした所、線画、ベタ画像等良好な定着を行なえ
た。
【0081】〔比較例2〕加圧ローラに400Wのヒー
タを入れ、常に加熱を行ない、定着を行なった所、連続
定着50枚め位より、ホットオフセットが発生してしま
った。
【0082】これは連続通紙にともない加圧ローラ温度
が上昇し、加熱体を一定温度に保っているにもかかわら
ず、トナーには非常に高い熱量が加わるためである。
【0083】〔実験例3〕前記実験例1においてエンド
レスの定着フィルム24として下記の2層複合層フィル
ムを用いた。
【0084】耐熱層24a 20μm厚のポリイミドフ
ィルム 離型層24b 50μm厚のLTV(低温加硫タイプ)
のシリコーンゴム層また図1に示すように離型層24b
の表面にシリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル
一万CS)を含浸させたフェルトパッド10(商品名ノ
ーメックス等)を当接させた。これによりLTVシリコ
ーンゴムの離型層24bのパッド10より付与される離
型剤としてのシリコーンオイルにより高い離型性が得ら
れる。離型剤塗布機構10はローラ体やウェブ等にシリ
コーンオイルを含浸または塗布した形態のものなどとす
ることもできる。
【0085】加圧ローラとして、外形30mm、ゴム厚
2mmのローラを用い、内部に200Wのハロゲンヒー
タを内蔵した。
【0086】かかるハロゲンヒータにより、加圧ローラ
を100℃に保つように加熱している。
【0087】この定着装置の場合も、カラー画像定着に
於て定着フィルムに対するトナーオフセットのない好ま
しい良好な定着処理が実行された。
【0088】〔実験例4〕前述図1の定着装置11にお
いてエンドレスの定着フィルム24として120μm厚
の1液性RTVシリコーンゴムフィルムの単層フィルム
を用いた。なおこのフィルムは従来公知のフィラー・充
填剤の選択及び増量により高強度化した。
【0089】この定着装置の場合もカラー画像定着にお
いて定着フィルムに対するトナーオフセットのない好ま
しい良好な定着処理が実行された。
【0090】〔実験例5〕前述の実行例2の定着装置を
使用し、また記録材Pとしてオーバーヘッドプロジェク
タ用のトランスペアレンシーフィルム(以下、OHPフ
ィルムと記す)を使用してこれにカラー画像を形成し、
そのカラー画像の定着を実行させた。
【0091】OHPシートの定着に於てはトナーの透過
性を必要とするために定着速度を紙の場合の半分にして
(すなわち本実施例の場合25mm/sec)定着を行
なった。この場合加熱部Nでの加熱量が倍になる為にト
ナーの軟化度が増しエッジ部Sにおいても同様トナーが
軟化している状態となってしまうが、本構成の定着装置
によって高離型性定着フィルムを用いている事と、加圧
ローラ側から適度に一定の加熱がなされている事、又、
オイルの塗布ともあいまってオフセットの発生しない高
い透過性の得られるOHPシートへの定着を行うことが
可能となった。
【0092】尚本構成をとることにより薄紙など転写材
の種類によって、加熱・冷却の状態が変わってしまって
いもトナーが完全に冷却されなかった場合に発生してし
まっていた定着フィルムへのオフセット現象も発生せ
ず、良好な定着を行うことが出来る様になった。
【0093】また各実行例中において特に定着フィルム
のクリーニング手段は例示しなかったが、オイル塗布手
段10がフェルトやウェブの場合は同時にクリーニング
手段となる。オイル塗布手段10とは別にクリーニング
手段を各設けてもよい。
【0094】又加圧ローラのゴム厚、材質は内部にヒー
タを有している為に、耐熱性の高い材質が好ましく、又
厚みも薄く3mm以内位が良い。
【0095】
【発明の効果】このように本発明によればトナーと接触
するフィルムの温度は管理しなくてもニップでのトナー
に加わる熱量の変動を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う定着装置の一例の概略構成図。
【図2】定着フィルムの層構成断面模型図。
【図3】定着装置の他の構成例の概略構成図。
【図4】画像形成装置の一例の概略構成図。
【図5】トナーのフローテスター図。
【符号の説明】
20 加熱体 24 定着フィルム 24a 耐熱層(ベースフィルム) 24b 離型層(表層) 28 加圧ローラ 10 シリコーンオイル含浸フェルト 70 サーミスタ H ヒータ P 記録材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱抵抗体を備える加熱体と、一方の面
    が加熱体と摺動しつつ他方の面が未定着像を担持する記
    録材と接し共に移動するフィルムと、このフィルムを介
    して加熱体と共にニップを形成する加圧回転体と、加熱
    体の温度を検知する第1の温度検知部材と、定着時、第1
    の温度検知部材の検知温度が一定となるように発熱抵抗
    体への通電を制御する第1の通電制御手段と、を有し、
    画像形成スタート信号の入力により記録材への像形成を
    開始する画像形成装置に用いられる定着装置において、 上記加圧回転体の内部から加圧回転体を加熱するヒータ
    と、上記加圧回転体の表面温度を検知する第2の温度検
    知部材と、定着時、第2の温度検知部材の検知温度が一
    定となるようにヒータへの通電を制御する第2の通電制
    御手段と、を有し、上記第1の通電制御手段と上記第2
    の通電制御手段は画像形成装置への画像形成スタート信
    号の入力により所定のタイミングで通電開始することを
    特徴とする定着装置。
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