JP2961814B2 - 水性塗料組成物 - Google Patents

水性塗料組成物

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JP2961814B2 JP13283590A JP13283590A JP2961814B2 JP 2961814 B2 JP2961814 B2 JP 2961814B2 JP 13283590 A JP13283590 A JP 13283590A JP 13283590 A JP13283590 A JP 13283590A JP 2961814 B2 JP2961814 B2 JP 2961814B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、水性塗料組成物に関し、更に詳しくいえ
ば、耐候性、耐汚染性、湿潤接着性に優れる水性塗料組
成物に関する。
(従来の技術) 従来、芳香族系の有機溶剤を多く含有した塗料が広く
用いられてきていたが、近年大気汚染、省資源の観点か
ら、溶剤を使用しない合成樹脂エマルジョン塗料に置換
されつつある。
ところが、一般に溶剤を使用しないエマルジョン塗
料、例えばアクリル酸やメタクリル酸等のα,β−エチ
レン性不飽和酸とアクリル酸ブチルやアクリル酸2−エ
チルヘキシル等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸
メチル等のメタクリル酸エステルの重合性単量体とを乳
化重合させて得られた乳化重合体組成物をビヒクルとす
る塗料から得られた塗膜は、有機溶剤含有系の塗料から
得られた塗膜と比較して、基材への接着性が不十分であ
り、特に白亜化面への接着性及び被塗装物への湿潤接着
性が著しく劣るという欠点を有していた。
このような欠点を改良するため種々の研究が行なわれ
ており、その中でも油変性アルキッド樹脂を合成樹脂エ
マルジョンと混和した水性塗料がよく知られている。
また合成樹脂エマルジョンを製造する際に湿潤接着性
を改良するための湿潤接着助剤と称する化合物が知られ
ている。
湿潤接着助剤としては、アミノアルキル(メタ)アク
リレート、特にジメチルアミノエチルメタアクリレー
ト、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、及びアル
キレン尿素基又はアルキレンウレタン基を有するエチレ
ン性不飽和単量体が挙げられる。
(発明が解決しようとする課題) しかし、油変性アルキッド樹脂を合成樹脂エマルジョ
ンと混和した水性塗料の場合は、白亜化面、被塗装物へ
の湿潤接着性は向上するが、油変性アルキッド樹脂を合
成樹脂エマルジョンに混和する際、使用する分散剤、乳
化剤のために、耐候性が悪く、しかもアルキッド樹脂を
用いたことにより、塗装後、乾燥初期の耐汚染性が悪い
という欠点があった。
また湿潤接着助剤を乳化重合して得られた乳化重合体
組成物をビヒクルとした水性塗料組成物の場合、その塗
膜の湿潤接着性は確かに向上するが、乳化剤に起因する
と考えられる耐候性及び耐汚染性不良の問題が発生す
る。
一般に、前記のとおり、湿潤接着助剤はアミノ基を分
子中に含んでいて、カチオン性が強いため、乳化重合の
際の乳化剤の種類が限られ、且つ多量に用いなければ安
定なエマルジョンが得られにくいためである。このた
め、塗料分野で、これらの組成物を利用できる用途が限
定されていた。
従って、耐候性、耐汚染性及び湿潤接着性を兼ね備え
た水性塗料組成物の開発が待望されていた。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重
ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、N−位および/またはN′−位が水酸
基および/またはメチロール基で置換されていてもよい
N,N′−アルキレン尿素(A)の存在下に、α,β−エ
チレン性不飽和酸(B)とα,β−エチレン性不飽和酸
のアミド類(C)と、(C)と共重合可能な他のα,β
−エチレン性不飽和単量体とを乳化重合させてなる乳化
重合体組成物をビヒクルとすることを特徴とする水性塗
料組成物である。
本発明に用いられるN−位および/またはN′−位が
水酸基および/またはメチロール基で置換されていても
よいN,N′−アルキレン尿素(以下、「環式尿素化合
物」と略す)(A)としては、種々の構造のものを含み
得るが、例えば、N′−メチロール−N,N′−エチレン
尿素、N′−メチロール−N,N′−n−プロピレン尿
素、N′−メチロール−N,N′−iso−プロピレン尿素、
ジメチロール−N,N′−エチレン尿素、ジメチロールN,
N′−n−プロピレン尿素、ジメチロール−N,N′−iso
−プロピレン尿素(以上I群)、N,N′−エチレン尿
素、N,N′−n−プロピレン尿素、N,N′−iso−プロピ
レン尿素、N′−ヒドロキシ−N,N′−n−プロピレン
尿素、N′−ヒドロキシ−N,N′−エチレン尿素、N′
−ヒドロキシ−N,N′−iso−プロピレン尿素(以上II
群)などが挙げられる。
乾式尿素化合物の使用量としては、α,β−エチレン
性不飽和酸(B)と、α,β−エチレン性不飽和酸のア
ミド類(C)と、(C)と共重合可能な他のα,β−エ
チレン性不飽和単量体の合計(以下、「α,β−エチレ
ン性不飽和単量体」と略す)100重量部に対して、0.1〜
10.0重量部が好ましい。0.1重量部より少ない場合は湿
潤接着性向上の効果が顕著に認められない。一方、10.0
重量部を越える場合は、耐候性、耐汚染性のレベル低下
が観察される。
本発明に用いられるα,β−エチレン性不飽和(B)
は種々の構造のものを含み得るが、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸またはその半エステル化合
物、フマール酸またはその半エステル化合物、イタコン
酸またはその半エステル化合物、クロトン酸などが挙げ
られる。
本発明の水性塗料組成物が湿潤接着性を有するために
は、α,β−エチレン性不飽和酸を使用することが必須
条件であるが、その使用量が大きな影響を与える。その
使用量はα,β−エチレン性不飽和単量体100重量部に
対して、0.1〜10重量部、好ましくは、0.2〜5重量部が
適当である。0.1重量部以下では湿潤接着性が十分でな
く、また10重量部以上になると、湿潤接着性は向上する
が、耐候性、耐汚染性を損なうことになる。
α,β−エチレン性不飽和酸が湿潤接着性向上に寄与
する理由は明らかではないが、環式尿素化合物と、α,
β−エチレン性不飽和酸のアミド類との相互作用を高め
る触媒的な役割を果しているものと考えられる。
本発明に用いられるα,β−エチレン性不飽和酸のア
ミド類(C)は、種々の構造のものを含み得るが、例え
ば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルア
クリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミ
ド、マレインアミド、フマールアミド、ダイアセトンア
クリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド(以上II
I群)、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロー
ルメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミ
ド、N,N−ジメチロールメタクリルアミド、ジメチロー
ルイタコンアミド、ジメチロールマレインアミド、ジメ
チロールフマールアミド(以上IV群)などが挙げられ
る。
本発明の水性塗料組成物を得るための、α,β−エチ
レン性不飽和酸のアミド類の使用量は、α,β−エチレ
ン性不飽和単量体100重量部に対して、0.2〜10.0重量部
が好ましい。0.2重量部より少ない場合は湿潤接着性向
上の効果が顕著には認められない。一方、10.0重量部を
越える場合は、耐候性、耐汚染性のレベル低下が観察さ
れる。
本発明の水性塗料組成物は、耐候性及び耐汚染性を損
なうことなく、白亜化面や被塗装物への湿潤接着性の改
善された特徴的性質を有するものである。この特徴的性
質をさらに向上させるためには、環式尿素化合物とし
て、N′−メチロール−N,N′−エチレン尿素、N′−
メチロール−N,N′−n−プロピレン尿素、N′−メチ
ロール−N,N′−iso−プロピレン尿素、ジメチロール−
N,N′−エチレン尿素、ジメチロール−N,N′−n−プロ
ピレン尿素、ジメチロール−N,N′−iso−プロピレン尿
素などのN−メチロール型の化合物(I群)を用いた場
合には、α,β−エチレン性不飽和酸のアミド類とし
て、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルア
クリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、N,N′−ジメチルメタクリルア
ミド、マレイン酸アミド、フマール酸アミド、ダイアセ
トンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミドな
どの非メチロール型の化合部(III群)を用いるのが好
ましい。
一方、環式尿素化合物として、N,N′−エチレン尿
素、N,N′−n−プロピレン尿素、N,N′−iso−プロピ
レン尿素、N′−ヒドロキシ−N,N′−エチレン尿素、
N′−ヒドロキシ−N,N′−n−プロピレン尿素、N′
−ヒドロキシ−N,N′−iso−プロピレン尿素などの非N
−メチロール型の化合物(II群)を用いた場合には、
α,β−エチレン性不飽和酸のアミド類として、N−メ
チロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルア
ミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N,Nジメチロ
ールメタクリルアミド、ジメチロールイタコンアミド、
ジメチロールマレインアミド、ジメチロールフマールア
ミドなどのメチロール型の化合物(IV群)を用いるのが
特に好ましい。
このように、環化尿素化合物としてN−メチロール型
の化合物を用いた時には、α,β−メチレン性不飽和酸
のアミド類として非メチロール型の化合物を用いた場合
が、一方、環化尿素化合物として非N−メチロール型の
化合物を用いた時には、α,β−エチレン性不飽和酸の
アミド類としてメチロール型の化合物を用いた場合が、
耐候性及び耐汚染性を損なうことなく、白亜化面や非塗
装物への湿潤接着性改善が一層向上する。
その理由は明らかではないが、この分子構造をとった
ときに、α,β−エチレン性不飽和酸の触媒的作用によ
って、環式尿素化合物とα,β−エチレン性不飽和酸の
アミド類との相互作用が一層高まることによるものと考
えられる。
α,β−エチレン性不飽和酸のアミド類(C)と共重
合可能なα,β−エチレン性不飽和単量体としては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エス
テル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類;マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸の各エステル類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、第3級カルボン酸ビニル等の
ビニルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエンの如き芳香族ビニル化合物、ビニルピロリ
ドンの如き複素環式ビニル化合物;塩化ビニル、アクリ
ロニトリル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルア
ミド等;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等ハロゲン
化ビニリデン化合物;エチレン、プロピレン等のα−オ
レフィン類;ブタジエンの如きジエン類などがある。ま
た所望により、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼ
ン、アリルアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレートの如き1分子中に2個以上の不飽和結合
を有する単量体なども用いることができる。更に、ビニ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルアルキルイ
タコネート硫酸エステルなどの不飽和基とスルホン酸
基、サルフェート基を有するもの及びこれらのアルカリ
塩も使用することができる。
さらに、反応性極性基を持つα,β−エチレン性不飽
和単量体も使用可能である。例えば、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジル
エーテル等のグリシジル系化合物;ビニルトリクロロシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−
メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン等のシラン化合物;β−ヒドロキ
シエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリ
レート等のヒドロキシル系化合物などが挙げられる。
次に、本発明の水性塗料組成物の製造方法について述
べる。
即ち、環式尿素化合物(A)と乳化剤との混合物に重
合開始剤を加え、これにα,β−エチレン性不飽和酸
(B)とα,β−エチレン性不飽和酸のアミド類(C)
と、(C)と共重合可能な他のα,β−エチレン性不飽
和単量体等を添加したものを撹拌しつつ、継続して乳化
重合反応させることにより、乳化重合体組成物が得られ
る。次に、この乳化重合体組成物をビヒクルとして通常
のエマルジョン塗料の製造とまったく同様にして本発明
の水性塗料組成物が製造される。即ち、顔料、充填剤、
骨剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤及び/またはレオロジー
コントロール剤、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、有機溶
剤、防腐剤、防バイ剤、pH調節剤、防錆剤など、それぞ
れの目的に応じて選択し、組み合わされ、通常の方法で
塗料に調整される。
その乳化重合体組成物の製造の際に用いられる乳化剤
としては、公知のもので差しつかえない。
例えば、ラウリル硫酸ソーダ、アルキルベンゼンスル
ホン酸ソーダ、ナトリウムジオクチルスルホサクシネー
ト、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
塩のような陰イオン性乳化剤ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロ
ック共重合体等のような非イオン性乳化剤を適宜、選択
して使用できる。
本発明の水性塗料組成物の重大な特徴は、乳化重合体
組成物の製造に際しては、乳化剤の種類、使用量に選択
の幅が非常に広いことにある。本発明の乳化重合体組成
物は、公知のアニオン乳化剤、ノニオン乳化剤から適
宜、選択して使用できる。
しかも、乳化剤の使用量が、通常の乳化重合に用いら
れる乳化剤量よりも少ない量において、充分安定で、し
かも凝集物の少ないエマルジョンを得ることができる。
即ち、乳化剤の使用量は、α,β−エチレン性不飽和
単量体の100重量部に対して、0.1〜5.0重量部、好まし
くは、0.2〜3.0重量部用いることが適当である。
これは、環式尿素化合物、α,β−エチレン性不飽和
酸、及びα,β−エチレン性不飽和酸のアミド類の相互
作用によって、α,β−エチレン性不飽和単量体に対す
る乳化能が増加したことによるものと考えられる。
この効果は、湿潤接着性向上のための手段として用い
られる油変性アルキッドと合成樹脂エマルジョンとを混
合する際や、合成樹脂エマルジョンを製造する際に用い
られる湿潤接着助剤が有している耐候性、耐汚染性の悪
さを顕著に解像するものである。
すなわち、湿潤接着助剤については、その合成物自身
のカチオン性の為に、アニオン乳化剤は、ほとんど用い
ることができなかった。このため、安定で凝集物の少な
いエマルジョンを得るためには、多量のノニオン乳化剤
を用いなければならないので、耐候性、耐汚染性の著し
い向上を求めることは困難であった。
本発明によれば、上述のとおり、環式尿素化合物、
α,β−エチレン性不飽和酸、α,β−エチレン性不飽
和酸のアミド類の相互作用によりα,β−エチレン性不
飽和単量体に対する乳化能が増加するものと考えられる
ので、乳化重合体組成物の製造に際し、通常の乳化重合
組成物に用いられる乳化剤の量よりも少ない量に於いて
も、安定で、しかも凝集物の少ないエマルジョンを得る
ことができ、耐候性、耐汚染性を損ねることなしに湿潤
接着性の向上を図ることができる。
また、水溶性オリゴマーや、α,β−エチレン性不飽
和二重結合を有する乳化剤、いわゆる反応性乳化剤も単
独、または、上記の乳化剤と併用して使用することも可
能である。
更に、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセル
ロース等のような水溶性高分子物質を上記乳化剤と併用
したり、重合後乳化液に添加したりすることも有効であ
る。
乳化重合の際に用いられる重合開始剤としては、水溶
性及び油溶性重合体開始剤が用いられるが、単独で用い
ても複合化して用いても差し支えない。
水溶性の重合開始剤としては過酸化水素、過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどが挙
げられる。油溶性の重合開始剤としては、2,2′−アゾ
ビスイソブチルニトリル、2,2′−アゾビス−(4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1′−アゾビス
シクロヘキサン−シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジブ
チリル、過酸化ジアセチル、過酸化ジプロピオニル、ク
メンヒドロ過酸化物等が挙げられる。
上記重合開始剤の内、耐候性、耐汚染性の観点から
は、有機過酸化物又は過酸化水素を用いることが特に好
ましい。
これらの水溶性及び油溶性重合開始剤と適当な還元
剤、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸塩類またはスルホ
キシレート類との組合せよりなる、いわゆるレドックス
開始剤を用いてもよい。
乳化重合に際しては、分子量調整のため連鎖移動剤を
用いてもよい。好適な連鎖移動剤としては、メチルメル
カプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタ
ン、イソプロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、
ペンチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、オクチ
ルメルカプタン、デシルメルカプタン、ウンデシルメル
カプタン、ドデジルメルカルカプタン、ステアリルメル
カプタン、等のメルカプタン類、O−メルカプト安息香
酸、メルカプト酢酸、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノー
ル、t−ブタノール、ペンタノール類、へキサノール類
を挙げることできる。
本発明の水性塗料組成物の乳化重合体組成物のガラス
転移温度は、耐候性、耐汚染性、湿潤接着性の観点か
ら、−10〜40℃の範囲にあることが好ましい。
乳化重合の濃度は実用的な観点より最終組成物の固形
分濃度が25〜65重量%になるようにするのがよく、また
α,β−エチレン性不飽和単量体及び重合開始剤は、反
応系へ、一括仕込み、連続滴下、分割添加など公知のい
ずれの方法でも行なうことができる。
乳化重合時の温度は、すでに公知の乳化重合法で行な
われている温度の範囲でよく、また乳化重合時の圧力は
常圧でよく、ガス状のα,β−エチレン性不飽和単量体
を使用するときは、加圧下で行なわれる。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する
が、本発明、以下の実施例のみに限定されるものではな
い。なお、以下の部及び%は、いずれも重量に基づく値
である。
実施例1 (乳化重合体組成物の製造例1) 原料として下記のものを用意した。
環式尿素化合物 N,N′−エチレン尿素 10g 重合性単量体 アクリル酸2−エチルヘキシル 175g スチレン 200g メタクリル酸メチル 105g N−メチロールアクリルアミド 10g アクリル酸 10g 乳化剤 ニューコール707SF(固形分30%)*1) 50g イオン交換水 480g 重合開始剤 過硫酸アンモニウム 2.5g*1) 日本乳化剤(株)製 特殊アニオン乳化剤 四つ口フラスコに、エチレン尿素10g,乳化剤5g、イオ
ン交換水330gを仕込んで撹拌を開始し、窒素気流中で80
℃に昇温し、ついで重合開始剤を添加した。次いで重合
性単量体500g、乳化剤45g、イオン交換水150gを混合し
てモノマープレエマルジョンを作製し、このモノマープ
レエマルジョンを3時間にわたって上記のフラスコ中に
滴下した。この際の反応温度は80±30℃に保った。滴下
終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応
を継続させ、次いで冷却して14%アンモニア水にてpH8
〜9に調整し不揮発分が50.0%、粘度1200cps,pH8.5の
乳化重合体組成物を得た。
この乳化重合体組成物を使用して下記の配合により水
性塗料組成物を得た。
塗料配合 水 10.0 エチレングリコール(凍結防止剤) 2.6 クインフロー540 1.0 (分散剤;日本ゼオンKK製品) ノゲインEA−120 0.3 (湿潤剤;第一工業製薬KK製品) ベストサイドFΧ 0.01 (大日本インキ化学KK製品) JR−600A 36.0 (酸化チタン;帝国化工KK製品) SNデフォーマー121 0.4 (消泡剤;サンノプコKK製品) アンモニア水(28%) 0.15 エマルジョン(50%) 100.0 テキサノール 7.0 (造膜助剤;イーストマン・ケミカル製品) セロサイズQP−4400(3%) 9.2 (増粘剤;ユニオンカーバイト社製品) 水 3.75 Total 170.41 N.V. 51.0% 顔料容積濃度(PVC) 20% さらに実施例1と同様の方法で表1に示した原料、及
び重合条件を使用して、乳化重合体組成物(No.2〜7)
を合成し、実施例1と同様の塗料配合により水性塗料組
成物(実施例2〜7)を得た。一方、実施例1と同様の
方法で表1に示した原料及び重合条件を使用して乳化重
合体組成物(No.8〜13)を合成し、実施例1と同様の塗
料配合により、水性塗料組成物(比較例1〜6)を得
た。
乳化重合体組成物と実施例と比較例との関係は次の通
りとなる。
実施例1 乳化重合体組成物No.1をビヒクルとする水性
塗料組成物 実施例2 乳化重合体組成物No.2をビヒクルとする水性
塗料組成物 実施例3 乳化重合体組成物No.3をビヒクルとする水性
塗料組成物 実施例4 乳化重合体組成物No.4をビヒクルとする水性
塗料組成物 実施例5 乳化重合体組成物No.5をビヒクルとする水性
塗料組成物 実施例6 乳化重合体組成物No.6をビヒクルとする水性
塗料組成物 実施例7 乳化重合体組成物No.7をビヒクルとする水性
塗料組成物 比較例1 乳化重合体組成物No.8をビヒクルとする水性
塗料組成物 比較例2 乳化重合体組成物No.9をビヒクルとする水性
塗料組成物 比較例3 乳化重合体組成物No.10をビヒクルとする水
性塗料組成物 比較例4 乳化重合体組成物No.11をビヒクルとする水
性塗料組成物 比較例5 乳化重合体組成物No.12をビヒクルとする水
性塗料組成物 比較例6 乳化重合体組成物No.13をビヒクルとする水
性塗料組成物 実施例及び比較例の水性塗料組成物の塗膜性能のテス
ト結果は表2の如くであった。
試験方法 耐汚染性 (1)野外耐汚染性;フレシブル板に刷毛で塗料を2度
塗りし7日間、乾燥後、屋外バクロ試験を行い、1年
後、表面状態を観察。
○…良好 △…やや汚れ ×…汚れ大 (2)インキ汚染性;3milアプリケーターにてガラス板
に塗布し、20度にて65%RH中で1晩乾燥後、KKパイロッ
ト製の黒インキ10%溶液を塗膜の上にスポット状に置き
60分間放置。
その後、ガーゼにてインキをふきとり、汚染性の程度
を10点評価方法にて判定。
10点…まったくインキのあとが残らない 1点…塗膜にインキがにじみあとがくっきり残る。
湿潤接着性;接着性試験と同様の条件で作製した試験片
を1晩水に浸漬し、ブリスタリングの状態を判定した。
水から取り出したのち、20℃、65%RHの条件下で3時
間、乾燥後クロスカットを行ない、セロハン粘着テープ
剥離テストにて判定。
ブリスリング;○…全くブリスタなし △…試片の一部にブリスタ発生 ×…試片の全体にブリスタ発生 セロハン粘着テープ剥離テスト; ○…全く剥離なし △…一部剥離 ×…セロハン粘着テープ部周辺で剥離 耐候性;フレキシブル板に刷毛で塗料を2度塗りし7日
間、乾燥後、屋外バクロ試験を行い、1年後、表面状態
を観察。
(発明の効果) 表2からわかるように、本発明の水性塗料組成物は、
耐候性、耐汚染性が良好で、しかも、湿潤接着性を兼ね
備えた塗膜特性を発揮する。
従って、この水性塗料組成物は、室内塗装だけでなく
屋外塗装にも適し、また、家庭塗料分野のみならず、工
業塗装分野への適用も十分可能であり、有機溶剤塗料の
置換品としても使用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 133/02,133/26,5/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−位および/またはN′−位が水酸基お
    よび/またはメチロール基で置換されていてもよいN,
    N′−アルキレン尿素(A)の存在下に、α,β−エチ
    レン性不飽和酸(B)と、α,β−エチレン性不飽和酸
    のアミド類(C)と、(C)と共重合可能な他のα,β
    −エチレン性不飽和単量体とを乳化重合させてなる乳化
    重合組成物をビヒクルとすることを特徴とする水性塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】N,N′−アルキレン尿素(A)が、下記の
    I群 およびII群 からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である
    請求項1記載の水性塗料組成物。
  3. 【請求項3】α,β−エチレン性不飽和酸(B)が、ア
    クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはその半エス
    テル化合物、フマール酸またはその半エステル化合物、
    イタコン酸またはその半エステル化合物、およびクロト
    ン酸からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物で
    ある請求項1または2記載の水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】α,β−エチレン性不飽和酸のアミド類
    (C)が、下記のIII群 およびIV群 からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である
    請求項1、2または3記載の水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】N,N′−アルキレン尿素(A)が、請求項
    2記載の下記のI群N′−N−メチロール−N,N′−エ
    チレン尿素、 からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物でり、
    かつα,β−エチレン性不飽和酸のアミド類(C)が、
    下記のIII群 からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物である
    か、または、N,N′−アルキレン尿素(A)が、請求項
    2記載の下記のII群 N,N′−エチレン尿素、 からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物であ
    り、かつα,β−エチレン性不飽和酸のアミド類(C)
    が、下記のIV群 からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物であ
    る、請求項1記載の水性塗料組成物。
  6. 【請求項6】α,β−エチレン性不飽和酸(B)と、
    α,β−エチレン性不飽和酸のアミド類(C)と、
    (C)と共重合可能な他のα,β−エチレン性不飽和単
    量体の合計(以下、「α,β−エチレン性不飽和単量
    体」と略す)100重量部に対して、N,N′−アルキレン尿
    素(A)の使用量が0.1〜10.0重量部、α,β−エチレ
    ン性不飽和酸(B)の使用量が0.2〜5.0重量部、α,β
    −エチレン性不飽和酸のアミド類(C)の使用量が0.2
    〜10.0重量部である請求項1〜5のいずれか1つに記載
    の水性塗料組成物。
  7. 【請求項7】乳化重合する際の乳化剤の使用量が、α,
    β−エチレン性不飽和単量体の総量100重量部に対し
    て、0.1〜5.0重量部である請求項1〜6のいずれか1つ
    に記載の水性塗料組成物。
  8. 【請求項8】乳化重合する際、ラジカル開始剤として、
    有機過酸化物または過酸化水素を用いる請求項1〜7の
    いずれか1つに記載の水性塗料組成物。
  9. 【請求項9】乳化重合体組成物のガラス転移温度が、−
    10〜40℃の範囲である請求項1〜8のいずれか1つに記
    載の水性塗料組成物。
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