JP2961008B2 - シュープレス用ベルト - Google Patents
シュープレス用ベルトInfo
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Description
り、特に、抄紙機において湿紙から脱水するプレス工程
に使用するシュープレス用ベルトの寿命向上に関する。
一対のロールで脱水するロールプレスやロールとそのロ
ールに面接触する窪んだ湾曲面を有する加圧シューとで
脱水するシュープレスが使用されているが、近年では、
種々の利点を有することから、シュープレスがより頻繁
に使用されている。
まれた湿紙の一方側の面を回転ロールで押さえ、他方側
の面を非透液性のエンドレスベルト(シュープレス用ベ
ルト)を介して加圧シューで加圧し、前記湿紙の脱水を
行うものである。前記シュープレス用ベルトとしては、
特公昭63−15398号公報に開示されているよう
に、袋織りでエンドレス状に製織した基布のシュー側と
なる面を弾性材料からなる層で被覆し、他方の面(フェ
ルトと当接する面)に露出している基布面では、ベルト
の走行方向の糸(タテ糸)の屈曲の頂点に接する平面
が、ベルトの走行方向に交差する方向の糸(ヨコ糸)の
屈曲の頂点に接する平面よりも低い位置となる多重織り
にて製織したものが紹介されている。
に開示されているように、基布のシュー側となる面を弾
性材料からなる層で被覆し、他方の面に露出している基
布面では、ベルトの走行方向に交差する方向の糸の屈曲
の頂点に接する平面が、ベルトの走行方向の糸の屈曲の
頂点に接する平面よりも低い位置としたシュープレス用
ベルトが紹介されている。
公昭63−15398号公報、前記特公昭63−384
7号公報で紹介されているシュープレス用ベルトは、基
布が露出ている面において、走行方向の糸、または走行
方向に交差する糸にいずれか一方の糸が他方の糸より突
出した状態となっているため、この突出した部分に圧力
が集中して摩耗し易いという問題があった。
交差する糸が摩耗されるので、巾に伸びが生じ、プレス
入口で当該シュープレス用ベルトが膨れ、ラインスピー
ドが低下するという問題があった。さらに、シュープレ
ス機を停止して、シュープレス用ベルトの耳をカットし
なければならない等、生産性を著しく低下させるという
問題があった。
ため、シュープレス用ベルトの丈が伸びて、当該シュー
プレス用ベルトがストレッチオーバーしてしまい、使用
不可となるという問題があった。さらに、近年では、抄
紙機の抄紙速度が向上し、高速抄紙機にもシュープレス
用ベルトが使用されるようになったり、シュープレス用
ベルトの長さを短くしたいわゆるショートベルトタイプ
のシュープレスの普及により、プレス回数が増加して、
益々シュープレス用ベルトに摩耗が発生し易くなってき
ており、他の部品の寿命に比べ、シュープレス用ベルト
の寿命が短くなる傾向となっている。
を課題とするものであり、シュープレス用ベルトの摩耗
を防止し、寿命が向上したシュープレス用ベルトを提供
することを目的とする。
に、本発明は、基布のシュー側となる面から所望深さの
基布内に弾性樹脂を充填し、かつ、該弾性樹脂でシュー
側面を被覆してなるシュープレス用ベルトにおいて、前
記基布の他方の表面に露出した、べルトの走行方向の糸
と、これに交差する糸のそれぞれの屈曲頂点をほぼ同一
レベルにしたことを特徴とするシュープレス用ベルトを
提供するものである。
シュー側となる面側に、前記弾性樹脂層を設け、前記基
布の他方の表面(フェルト側となる面)に露出した、べ
ルトの走行方向の糸と、これに交差する糸のそれぞれの
屈曲頂点をほぼ同一レベルとした構造を有するため、フ
ェルトと接触する表面積を増加することができると共
に、前記両糸の屈曲の頂点に、均一の荷重(圧力)をか
けることができる。従って、前記シュープレス用ベルト
にかかる荷重を分散することができ、当該シュープレス
用ベルトの特定箇所に圧力が集中することがない。従っ
て、前記シュープレス用ベルト表面の偏った摩耗を防止
することができる。
糸及びベルトの走行方向の糸の断面形状は、円形、フラ
ット形状のいずれでもよく、タテ糸とヨコ糸の形状が異
なってもよい。そして、前記ベルトの走行方向に交差す
る糸及びベルトの走行方向の糸は、細すぎると摩耗し易
く、また、太すぎると抄紙する紙にマークが発生してし
まう。従って、断面形状が円形の糸は、その径を0.1
〜1.0mmΦ程度とすることが好適である。また、断
面形状がフラット形状の糸は、その短辺の長さを0.1
〜1.0mm程度とすることが好適であり、長辺の長さ
を0.2〜2.0mm程度とすることが好適である。そ
して、特に、長辺を短辺に対して1.2〜3.5倍とな
るようにすることが好適である。
参照して説明する。図1ないし図3は、本発明の実施例
に係るシュープレス用ベルトの構造を示す一部拡大断面
図であり、図4及び図5は、従来のシュープレス用ベル
トの構造を示す一部拡大断面図、図6は、図2に示すシ
ュープレス用ベルトのフェルト側となる面の加圧マーク
図である。
1)は、ベルトの走行方向と交差する糸1(ヨコ糸)と
ベルトの走行方向の糸2(タテ糸)が共に二重構造を有
する基布4のシュー側となる面側に、この面側から当該
基布4の所望深さまでポリウレタン樹脂を充填すると共
に、当該基布4のシュー側となる面をポリウレタン樹脂
で被覆したポリウレタン樹脂層3を設け、一方、基布4
のフェルト側となる面に露出したベルトの走行方向と交
差する糸1の屈曲の頂点と、ベルトの走行方向の糸2の
屈曲の頂点とを、ほぼ同高とした構造を有している。
尚、ベルトの走行方向と交差する糸1及びベルトの走行
方向の糸2として、ポリエステル(PET)モノフィラ
メントを用い、且つ断面形状が円形のものを使用した。
2)は、ベルトの走行方向と交差する糸1とベルトの走
行方向の糸2が共に二重構造を有する基布4のシュー側
となる面側に、この面側から当該基布4の所望深さまで
ポリウレタン樹脂を充填すると共に、当該基布4のシュ
ー側となる面をポリウレタン樹脂で被覆したポリウレタ
ン樹脂層3を設け、一方、基布4のフェルト側となる面
に露出したベルトの走行方向と交差する糸1の屈曲の頂
点と、ベルトの走行方向の糸2の屈曲の頂点とを、ほぼ
同高とした構造を有している。尚、ベルトの走行方向と
交差する糸1及びベルトの走行方向の糸2として、PE
Tモノフィラメントを用い、且つ断面形状がフラット形
状のものを使用した。
3)は、ベルトの走行方向と交差する糸1A及び1B
と、ベルトの走行方向の糸2A及び2Bが二重構造を有
する基布4のシュー側となる面側に、この面側から当該
基布4の充填糸5部分までポリウレタン樹脂を充填する
と共に、当該基布4のシュー側となる面をポリウレタン
樹脂で被覆したポリウレタン樹脂層3を設け、一方、基
布4のフェルト側となる面に露出したベルトの走行方向
と交差する糸1の屈曲の頂点と、ベルトの走行方向の糸
2の屈曲の頂点とを、ほぼ同一レベルとした構造を有し
ている。尚、前記基布4の上層部にあるベルトの走行方
向と交差する糸1A及びベルトの走行方向の糸2Aとし
て、耐摩耗性を有するナイロン6(N6)モノフラメン
トを用い、基布4の下層部にあるベルトの走行方向と交
差する糸1B及びベルトの走行方向の糸2Bとして、膨
潤の小さいPETモノフィラメントを用い、且つ断面形
状が円形のものを使用した。
1)は、従来のシュープレス用ベルトであり、ベルトの
走行方向の糸2が二重となった二重構造を有する基布4
のシュー側となる面側に、この面側から当該基布4の所
望深さまでポリウレタン樹脂を充填すると共に、当該基
布4のシュー側となる面をポリウレタン樹脂で被覆した
ポリウレタン樹脂層3を設け、一方、基布4のフェルト
側となる面に露出したベルトの走行方向と交差する糸1
の屈曲の頂点が、ベルトの走行方向の糸2の屈曲の頂点
より上部に突出した構造を有している。尚、ベルトの走
行方向と交差する糸1及びベルトの走行方向の糸2とし
て、PETを用い、且つ断面形状が円形のものを使用し
た。
2)は、 従来のシュープレス用ベルトであり、ベルト
の走行方向と交差する糸1が二重となった二重構造を有
する基布4のシュー側となる面側に、この面側から当該
基布4の所望深さまでポリウレタン樹脂を充填すると共
に、当該基布4のシュー側となる面をポリウレタン樹脂
で被覆したポリウレタン樹脂層3を設け、一方、基布4
のフェルト側となる面に露出したベルトの走行方向と交
差する糸1の屈曲の頂点が、ベルトの走行方向の糸2の
屈曲の頂点より上部に突出した構造を有している。尚、
ベルトの走行方向と交差する糸1及びベルトの走行方向
の糸2として、PETモノフィラメントを用い、且つ断
面形状が円形のものを使用した。
基布4内への樹脂充填を調節する働きを持ち、いずれも
PETマルチモノフィラメントを使用した。但し、充填
糸5は、共通であるから、その仕様は省いた。尚、発明
品1ないし発明品4、及び従来品の仕様を表1に示す。
従来品1及び従来品2について、基布マーク面積比、摩
耗試験、湿潤繰り返し加工後のシュープレス用ベルトの
伸びについて調査した。調査方法を下記に示す。 (基布加圧マーク面積比)前記各シュープレス用ベルト
のフェルト側となる面に、カーボン紙を載せ、これに4
0kg/cm2 の荷重をかけ、転写した加圧マークの面
積を、全面積に対する百分率で評価した。その加圧マー
クの一例を図6に示す。 (摩耗試験)遊星式摩耗試験機を用い、前記各シュープ
レス用ベルトに1kgの荷重をかけて、前記シュープレ
ス用ベルトを3000回周回させる。この試験終了後の
シュープレス用ベルトの走行方向と、走行方向と交差す
る方向の強度と、新品のシュープレス用ベルトの強度と
を比較し、新品のシュープレス用ベルトに対する百分率
で評価した。 (湿潤繰り返し加圧後のシュープレス用ベルトの伸び)
前記各シュープレス用ベルトを、水に7日間浸漬し、当
該浸漬後のシュープレス用ベルトに、10Hzで50k
g/cm2 の荷重をかけ、これを100万回繰り返した
後のシュープレス用ベルトの寸法と、新品のシュープレ
ス用ベルトの寸法との差を、新品のシュープレス用ベル
トの寸法に対する百分率で評価した。
及び従来品2より、加圧マーク面積比が大幅に増加して
いることが立証された。これは、発明品1ないし発明品
3のフェルト側となる面に露出したベルトの走行方向と
交差する糸1の屈曲の頂点と、ベルトの走行方向の糸2
の屈曲の頂点とを、ほぼ同高としたため、前記屈曲頂点
の接触する面積が増加したと共に、前記両糸1及び2の
屈曲の頂点に、均一の荷重をかけることができたためで
ある。
品1及び従来品2より、摩耗の発生が少なく、ベルトの
走行方向及びベルトの走行方向と交差する方向の伸び率
が共に、1.0%以下となって、寸法安定性も向上して
いることが立証された。そして、特に、発明品3は、耐
摩耗性を有するナイロン6(N6)モノフラメントで、
基布4の上層部を構成したため、耐摩耗性が著しく向上
した。
差する糸1とベルトの走行方向の糸2の二重構造を有す
る基布4を使用したが、これに限らず、これ以上の多重
構造を有する基布を使用してもよいことは勿論である。
また、本実施例では、ベルトの走行方向と交差する糸1
及びベルトの走行方向の糸2として、PETやN6を使
用したが、これに限らず、ナイロン66、ナイロン6・
12、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエー
テルケトン等の他の繊維を使用してもよい。
ポリウレタン樹脂を使用したが、これに限らず、尿素樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマー、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、シリコン樹脂等、他の弾性樹脂を使用してもよい。
ープレス用ベルトは、基布のシュー側となる面から所望
深さの基布内に弾性樹脂を充填し、かつ、該弾性樹脂で
シュー側面を被覆してなるシュープレス用ベルトにおい
て、前記基布の他方の表面に露出した、べルトの走行方
向の糸と、これに交差する糸のそれぞれの屈曲頂点をほ
ぼ同一レベルとしたため、前記フェルトと接触する面積
を増加すると共に、前記両糸の屈曲の頂点に、均一の荷
重をかけることができる。従って、前記シュープレス用
ベルトにかかる荷重を分散することができ、当該シュー
プレス用ベルトの特定箇所に圧力が集中することを防止
することができる。この結果、シュープレス用ベルト表
面の偏った摩耗を防止することができ、寿命を著しく向
上することができる。
一部断面図である。
一部断面図である。
一部断面図である。
る。
る。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 基布のシュー側となる面から所望深さの
基布内に弾性樹脂を充填し、かつ、該弾性樹脂でシュー
側面を被覆してなるシュープレス用ベルトにおいて、前
記基布の他方の表面に露出した、べルトの走行方向の糸
と、これに交差する糸のそれぞれの屈曲頂点をほぼ同一
レベルにしたことを特徴とするシュープレス用ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11183892A JP2961008B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | シュープレス用ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11183892A JP2961008B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | シュープレス用ベルト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05311591A JPH05311591A (ja) | 1993-11-22 |
JP2961008B2 true JP2961008B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=14571445
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11183892A Expired - Lifetime JP2961008B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | シュープレス用ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2961008B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3787458B2 (ja) | 1998-08-06 | 2006-06-21 | イチカワ株式会社 | 抄紙用ベルト |
DE102004011665A1 (de) * | 2004-03-10 | 2005-10-06 | Stowe Woodward Ag | Integraler Schuhpressenbelt |
-
1992
- 1992-04-30 JP JP11183892A patent/JP2961008B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05311591A (ja) | 1993-11-22 |
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