JP2959894B2 - カルボニル化プロセス流からのカルボニル不純物の除去法 - Google Patents

カルボニル化プロセス流からのカルボニル不純物の除去法

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Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、第VIII族金属カルボニル化触媒
の存在下でのメタノール又は酢酸メチルのカルボニル化
によって形成された酢酸及び/又は無水酢酸の新規な精
製法に関する。さらに詳しくは、本発明は、第VIII族金
属触媒作用カルボニル化法によって形成される酢酸及び
/又は無水酢酸からカルボニル不純物を除去する新規な
方法に関する。
【0002】現在用いられている酢酸合成法の中で商業
的に最も有用な方法は、1973年10月30日にポー
リク(Paulic)等に発行された米国特許3,769,3
29号明細書に開示される、一酸化炭素によるメタノー
ルの触媒作用カルボニル化である。カルボニル化触媒
は、液体反応媒質中に溶解又は分散した、又は不活性な
固体に支持されたロジウムを、ヨウ化メチルによって代
表されるハロゲン含有触媒促進剤と共に含むものであ
る。ロジウムはいずれの形態でも反応系に導入すること
ができが、ここで活性触媒複合体中のロジウム部分の正
確な性質を確認することは、実際は可能であるとして
も、不必要である。同様に、ハリド促進剤の性質も重要
ではない。上記米国特許の特許権者は非常に多数の適切
な促進剤を開示しているが、その殆どは有機ヨウ化物で
ある。反応は、最も典型的かつ一般的には、一酸化炭素
ガスが絶えずバブルされている液体反応媒質中に溶解し
た触媒を用いて実施される。
【0003】ロジウム触媒の存在下でアルコールよりも
1炭素原子多く有するカルボン酸を製造するアルコール
の従来のカルボニル化法における1つの改良点は、19
86年6月3日に出願された、出願中の、本願と共通に
譲渡された米国特許出願第870,267号明細書に開
示されている。その開示によると、酢酸は、酢酸メチ
ル、メチルハリド、特にヨウ化メチル及び触媒有効量で
存在するロジウムを含む反応媒質中でメタノールから製
造される。この発明は、主として、反応媒質中に、触媒
有効量のロジウムと共に、少なくとも測定可能な濃度の
水、酢酸メチル及びヨウ化メチル、ヨウ化メチルとして
又は他の有機ヨウ化物として存在する含有ヨージドの他
に特定濃度のヨージドイオンを維持することによって、
意外にも、(一般の工業的実施では、水が約14重量%
又は15重量%に維持されるにも拘わらず)非常に低い
反応媒質中水濃度(すなわち4重量%以下)において
も、触媒安定性とカルボニル化の反応器生産性が高レベ
ルに維持され得るという発見にある。ヨージドイオンは
単純な塩として存在し、その塩はヨウ化リチウムが好ま
しい。この出願は、酢酸メチルとヨウ化物塩の濃度が、
特に低い反応器水濃度において酢酸を生成させるメタノ
ールのカルボニル化速度に影響を与える重要なパラメー
ターであることを教示している。比較的高濃度の酢酸メ
チルとヨウ化物塩を用いることによって、液体反応媒質
が大ざっぱに水の「測定可能な濃度(finite concentra
tion)」と単純に定義できるような低さである約0.1
重量%程度の濃度で水を含む場合でさえも、驚くべき程
度の触媒安定度と反応器生産性とが得られる。さらに、
生成物の酢酸を回収するための蒸留が反応器内に維持さ
れている環境中でロジウムに安定化効果を与えるリガン
ドである一酸化炭素を触媒から除去する傾向があるプロ
セスの生成物回収工程中に、特に、使用反応媒質がロジ
ウム触媒の安定性、すなわち触媒の沈殿に対する抵抗性
を改善する。米国特許出願第870,256号明細書を
ここに引用、参照することにより、この米国特許の開示
が本明細書に含まれるものとする。
【0004】反応物質が水及びメタノールを本質的に含
まないならば、上記の方法によって無水酢酸も酢酸メチ
ル又はジメチルエーテルのカルボニル化から得られる。
【0005】メタノールのカルボニル化によって形成さ
れる酢酸は、たとえば一連の蒸留によるような通常の手
段によって高純度生成物に転化される。このようにして
比較的高純度の酢酸を得ることが可能ではあるが、上記
低水分カルボニル化によって形成される酢酸生成物は、
その中に少量の残留不純物が存在するために過マンガン
酸塩時間(permanganate time)に関してしばしば不充
分である。充分な過マンガン酸塩時間は酸生成物が多く
の用途のために満たさなければならない重要な商業的テ
ストのパラメーターであるので、過マンガン酸塩時間を
悪化させるこのような不純物の存在は非常に好ましくな
い。酢酸から少量のこれら不純物を通常の蒸留法で取り
除くことは、商業的には実行可能ではない。
【0006】酢酸の過マンガン酸塩時間を悪化させる不
純物にはカルボニル化合物と有機ヨウ化物がある。測定
可能な量の水の存在下でのメタノール又は酢酸メチルの
カルボニル化による酢酸の製造中に、アセトアルデヒ
ド、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒ
ド、クロトンアルデヒド等のようなカルボニル不純物が
存在し、それらがさらに反応してアルドール縮合生成物
を形成し、及び/又はヨウ化物触媒促進剤と反応して多
炭素数(multi-carbon)アルキルヨージド、すなわちヨ
ウ化エチル、ヨウ化ブチル及びヨウ化ヘキシルを形成す
ることが、本発明者によって今回発見された。無水酢酸
の形成では、又は酢酸メチルとジメチルエーテルとのカ
ルボニル化による酢酸/無水酢酸同時製造ユニットで
は、好ましくない高沸点タールが触媒溶液中に形成され
ることが知られている。このタールは、アセトアルデヒ
ドとアセトンのようなカルボニル不純物のアルドール縮
合によって、並びにカルボニル化合物及びアルドール生
成物と形成された無水酢酸との反応によって形成される
と考えられる。タールは、これが除去されなければ又は
充分に減ぜられなければ、触媒活性を非常に減じ、結局
はカルボニル反応を終了させる。従って、沈殿したター
ルは環境問題になるのみでなく、商業的カルボニル化プ
ロセスの操作も悪化させ、補充触媒を必要とするので、
より費用のかかるものにする。先行技術による幾つかの
発明が副生成物の除去を扱っているが、特に注目すべき
はエルペンバッハ(Erpendach)等の米国特許第4,7
17,454号;ホッホ(Hoch)及びヴァン(Wan)の
米国特許第4,252,748号;並びにラーキン(La
rkin)の米国特許第4,434,241号明細書に記載
される発明である。
【0007】不純物は酢酸と無水酢酸生成物の沸点に近
い沸点を有するので、例えば蒸留のような通常の手段に
よっては、存在する少量のカルボニル不純物を完全に除
去することは残念ながら困難である。カルボニル化合物
と反応してオキシムを形成するアミノ化合物によって有
機流を処理し、次に蒸留により精製有機生成物をオキシ
ム反応生成物から分離することによって、一般に、有機
流からカルボニル不純物を除去することは公知である。
しかし、最終生成物に追加の処理を施すことはプロセス
の費用を高めることになり、またその処理酢酸生成物の
蒸留はさらに不純物の形成を招くことが判明している。
例えば、オキシムを除去する蒸留中にオキシムからのニ
トリル形成が容易に起こることが判明している。最終生
成物が再び汚染されるならば、このようなプロセスが有
用であるとは明らかに言い難い。
【0008】このように、カルボニル化生成物である酢
酸及び/または無水酢酸からのカルボニル不純物の除去
が、純粋な生成物を得るのに決定的に重要であることが
判明しているが、カルボニル化プロセスの何処におい
て、どのような方法でこのような物質の除去を再汚染の
リスクなしに行い得るかを知る必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応混合中
の循環するカルボニル含有不飽和有機物質を最小限に抑
え、かくして第VIII族金属カルボニル化触媒の存在下で
のメタノール、ジメチルエーテル又は酢酸メチルのカル
ボニル化によって形成される酢酸及び/又は無水酢酸の
精製をより容易にする方法を提供することを主たる目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記のカルボニル化反応
は、米国特許第3,769,329号明細書に開示され
る、有機ハリドのようなハリド促進剤の存在下、又は触
媒溶液が第VIII族金属触媒と有機ハリド促進剤を含むの
みでなく、追加のヨウ化物塩も含む前記の米国特許出願
第870,267号明細書に開示されているような低水
濃度条件下での一酸化炭素による触媒反応を含む。この
ような方法では、メタノール又は酢酸メチル供給材料は
液相カルボニル化反応器中でカルボニル化される。生成
物の分離は、反応器の内容物をフラッシャーに導き、そ
こで触媒溶液を底部流として取り出し、反応器に再循環
させ、同時に主として生成物の酢酸及び/又は無水酢酸
をヨウ化メチル、酢酸メチル及び水(無水酢酸のみを製
造する場合)と共に含むオーバーヘッドをヨウ化メチル
−酢酸スプリッターカラムに導くことによって実施され
る。スプリッターカラムからのオーバーヘッドは主とし
て有機ヨウ化物と酢酸メチルを含むが、スプリッターカ
ラムの底部からは酢酸又は無水酢酸生成物が取り出され
て、通常は最終蒸留によってさらに精製されるように導
かれる。有機ヨウ化物を含むスプリッターカラムからの
オーバーヘッドはカルボニル化反応器へ再循環される。
酢酸生成物中に検出され、無水酢酸の形成中又は酢酸/
無水酢酸の同時製造中にタールの形成を招くことが判明
しているカルボニル不純物は、スプリッターカラムから
のオーバーヘッド中で濃縮されることが今回発見され
た。本発明の方法によれば、スプリッターカラムのオー
バーヘッドをカルボニル化合物と反応する化合物によっ
て処理することにより、このようなカルボニル化合物を
残りのオーバーヘッドから蒸留によって分離できるよう
にする。このような処理によって改良されたメタノール
のカルボニル化は、非常に改良された過マンガン酸塩時
間を有し、カルボニル不純物を実質的に含まない酢酸生
成物を精製させる。さらに、酢酸メチルから無水酢酸へ
のカルボニル化では、商業的生産ユニットでこれまでに
検出されていたタールの形成が実質的に減ぜられる。
【0011】本発明の精製法は、例えばロジウムのよう
な第VIII族金属触媒とヨウ化物促進剤との存在下でのメ
タノール、ジメチルエーテル又は酢酸メチルの酢酸及び
/又は無水酢酸へのカルボニル化に用いられるいずれの
方法にも有用である。特に有用な方法は、前記米国特許
出願第870,267号明細書に例示されるメタノール
から酢酸への低水分ロジウム触媒作用カルボニル化であ
る。一般に、この触媒系のロジウム成分は、ロジウム
と、配位化合物のリガンドの少なくとも一つとなるハロ
ゲン成分との配位化合物として存在すると考えられる。
ロジウムとハロゲンとの配位結合の他に、一酸化炭素リ
ガンドがロジウムとの配位化合物又は錯体を形成するこ
とも考えられる。触媒系のロジウム成分は、反応帯中に
ロジウムをロジウム金属、ロジウム塩と酸化物、有機ロ
ジウム化合物、ロジウムの配位化合物等として導入する
ことによって与えることができる。
【0012】触媒系のハロゲン促進剤成分は有機ハリド
から成るハロゲン化合物である。かくして、アルキルハ
リド、アリールハリド、置換アルキルハリド又は置換ア
リールハリドを用いることができる。ハリド促進剤は、
アルキルラジカルがカルボニル化されるアルコール供給
材料のアルキルラジカルに一致するアルキルハリドとし
て存在するのが好ましい。しかして、メタノールから酢
酸へのカルボニル化では、ハリド促進剤はメチルハリ
ド、より好ましくはヨウ化メチルから成る。
【0013】使用液体反応媒質は触媒系と相容性である
いかなる溶媒を含んでいてもよく、また純粋なアルコー
ル、アルコール供給材料及び/又は目的カルボン酸及び
/又はこれら2種の化合物のエステルの混合物を含んで
いてもよい。低水分カルボニル化法に好ましい溶媒と液
体反応媒質はカルボン酸生成物を含む。従って、メタノ
ールから酢酸へのカルボニル化では、好ましい溶媒は酢
酸である。
【0014】この反応を酢酸の製造に用いる場合、水は
反応媒質中に含められるが、それは今まで充分な反応速
度を得るために実用的であると考えられていた濃度より
もかなり低い濃度においてである。本発明に開示される
ロジウム触媒作用カルボニル化反応では、水の添加が反
応速度に有利な効果を及ぼすことが知られている(米国
特許第9,769,329号明細書)。かくして、商業
的操作は少なくとも14重量%の水濃度で実施される
(ヨーロッパ特許第055618号明細書)。従って、
このような高レベルの水濃度によって得られる反応速度
に実質的に匹敵する以上の反応速度が14重量%未満
で、0.1重量%程度の低い水濃度によっても得られる
ことは全く予想外なことである。
【0015】本発明による酢酸製造に最も有用なカルボ
ニル化プロセスによれば、反応媒質中に酢酸メチルと、
ヨウ化メチル又は他の有機ヨウ化物のような触媒促進剤
として存在するヨウ化物の他に追加のヨードジイオンと
を含めることによって、低い水濃度下でも目的の反応速
度が得られる。この追加のヨウ化物促進剤はヨウ化物塩
であり、ヨウ化リチウムが好ましい。低水濃度では、酢
酸メチルとヨウ化リチウムとが、これら各成分が比較的
高濃度で存在する時にのみ速度促進剤として作用するこ
と、及びこれら両成分が同時に存在する時に促進がより
大きいことが判明している。これは、共通に譲渡された
米国特許出願第870,267号明細書の開示以前に
は、先行技術において認められていなかったことであ
る。好ましいカルボニル化反応系の反応媒質中で用いら
れるヨウ化リチウムの濃度は、この種の反応系における
ハリド塩の使用を扱った先行技術は殆ど存在しないが、
先行技術と比べて非常に高いと考えられる。
【0016】メタノールから酢酸生成物へのカルボニル
化反応は、液相中に存在するメタノール供給材料を、ロ
ジウム触媒、ヨウ化メチル促進剤成分、酢酸メチル及び
追加の可溶性ヨウ化物塩促進剤を含む液体反応媒質を通
してバブルされるガス状一酸化炭素と、カルボニル化生
成物の形成に適した温度と圧力の条件において、よく接
触させることによって行われる。重要であるのは触媒系
におけるヨージドイオンの濃度であって、ヨウ化物に関
連する陽イオン濃度ではないこと、及びヨウ化物の一定
モル濃度においては陽イオンの性質はヨウ化物濃度の影
響ほど顕著ではないことが一般に認められている。如何
なる金属ヨウ化物塩又は如何なる有機陽イオンのヨウ化
物塩であっても、その塩が反応媒質に充分に可溶であ
り、好ましいレベルのヨージドを与えるならば、使用可
能である。ヨウ化物塩は有機陽イオンの第4級塩又は無
機陽イオンのヨウ化物塩であることができる。これは、
「ハンドブック オブ ケミストリー アンド フィジ
クス(Handbook of Chemistry and Physics)」、CR
Cプレス社[オハイオ州(Ohio)、クリーブランド(Cl
eveland)]発行、1975〜76頁(第56版)に記
載の周期律表第Ia族及び第IIa族の金属から成る群よ
り選ばれる金属のヨウ化物塩であるのが好ましい。特
に、アルカリ金属ヨウ化物が有用であり、ヨウ化リチウ
ムが好ましい。本発明に最も有用な低水分カルボニル化
では、触媒溶液中に有機ヨウ化物促進剤の他に追加のヨ
ウ化物が約2〜約20重量%、好ましくは5〜15重量
%の量で存在し、酢酸メチルが約0.5〜約30重量
%、好ましくは2〜5重量%の量で存在し、そしてヨウ
化メチルが約5〜約20重量%、好ましくは10〜16
重量%、最も好ましくは12〜15重量%の量で存在す
る。ロジウム触媒は200〜1000ppm、好ましく
は300〜600ppmの量で存在する。
【0017】カルボニル化の典型的な反応温度は約15
0〜250℃であり、約180〜220℃の温度が好ま
しい範囲である。反応器中の一酸化炭素分圧は広範囲に
変え得るが、典型的には約2〜30気圧、好ましくは3
〜10気圧である。全反応器圧は、副生成物の分圧と含
まれる液体の蒸気圧とのために、約15〜40気圧の範
囲内である。
【0018】図1に示す、メタノールから酢酸への、ヨ
ウ化物によって促進されるロジウム触媒作用カルボニル
化に用いられる反応−酢酸回収系は、液相カルボニル化
反応器10、フラッシャー12及びヨウ化メチル−酢酸
スプリッターカラム14を含む。カルボニル化反応器1
0は、典型的には、反応液体内容物が自動的に一定レベ
ルに維持される撹拌器付きオートクレーブである。この
反応器には、新鮮なメタノール、充分な水が必要に応じ
て連続的に導入され、反応媒質中、フラッシャー底部か
らの再循環触媒溶液中、再循環ヨウ化メチル/酢酸メチ
ル相中、及びヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム1
4のオーバーヘッドからの水性酢酸相中に少なくとも測
定可能な水濃度を維持するようになっている。代替え蒸
留系も、粗酢酸回収手段と触媒溶液、ヨウ化メチル及び
酢酸メチルを反応器に再循環させる手段とを備える限
り、使用可能である。好ましいプロセスでは、一酸化炭
素が、カルボニル化反応器10に内容物の撹拌に用いる
撹拌機のすぐ下方において、連続的に導入される。ガス
状供給材料はこの手段によって当然反応液中に完全に分
散される。ガス状パージ流を反応器から排出して、ガス
状副生成物の蓄積を阻止し、設定一酸化炭素分圧を一定
総反応器圧に維持する。反応器温度は自動的に制御さ
れ、一酸化炭素供給材料は好ましい総反応器圧を維持す
るのに充分な速度で導入される。
【0019】液体生成物はカルボニル化反応器10から
一定レベルを維持するのに充分な速度で取り出され、フ
ラッシャー12にその頂部と底部との中間点においてラ
イン11を介して導入される。フラッシャー12では、
触媒溶液が底部流13(主として、ロジウムとヨウ化物
塩とを、少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル及び水と共に
含む酢酸)として取り出され、一方フラッシャーのオー
バーヘッド15は主として生成物の酢酸をヨウ化メチ
ル、酢酸メチル及び水と共に含む。一酸化炭素の一部
は、メタン、水素及び二酸化炭素のようなガス状副生成
物と共に、フラッシャーの頂部を出る。
【0020】ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム1
4の底部近くの側面から取り出される生成物の酢酸(底
部流としても取り出すことができる)は、当業者にとっ
て自明である、最も好ましくは蒸留を含めて色々な方法
によって水を所望どうりに除去するような最終精製のた
めに、ライン17を介して送られる。主としてヨウ化メ
チル及び酢酸メチルと、それにプラスして若干の水及び
酢酸とを含む、ヨウ化メチル−酢酸スプリッターからの
オーバーヘッド20は、ライン21を介してカルボニル
化反応器10に再循環される。オーバーヘッド20が凝
縮されると、それは、充分な水が存在する場合には、典
型的には、二つの液相に分かれる。重い相30は主とし
てヨウ化メチルと、それにプラスして若干の酢酸メチル
及び酢酸とから成る。液相32は主として水及び酢酸
と、それにプラスして若干の酢酸メチルとから成る。ヨ
ウ化メチル−酢酸スプリッターからの重いオーバーヘッ
ド相30又は総オーバーヘッド20(分離していない場
合)は処理を受けるか、又はこれらの流れをヨウ化メチ
ル、酢酸メチル、水及び他の不純物を含む他の精製プロ
セスからの再循環生成物と一緒にして、本発明による処
理を受ける再循環流21を形成することができる。
【0021】本発明のカルボニル化法によれば、ヨウ化
メチル富化相30中に又は総オーバーヘッド20(二相
に分離されない場合)中に蓄積するカルボニル不純物
は、カルボニル化プロセスのこの流れから除去されて酢
酸及び/又は無水酢酸生成物の質を実質的に改良する。
このようにして、例えばアセトアルデヒド、クロトンア
ルデヒド、ブチルアルデヒド等のようなカルボニル不純
物を含むヨウ化メチル富化相30は、カルボニル不純物
を反応生成物から蒸留によって分離されうる誘導体に転
化させる化合物と反応せしめられて、カルボニル不純物
を含まない再循環流を形成する。好ましい実施態様で
は、ヨウ化メチル富化相はアミノ化合物の水溶液で処理
される。続いて分離を実施して、窒素含有誘導体を除去
し、窒素含有アルデヒド誘導体から精製再循環流を汚染
し得るニトリルへの転化を最小限に抑える。この分離は
揮発性オーバーヘッドを不揮発性アミン残渣から除去す
る蒸留であるのが好ましい。
【0022】好ましい方法の第1工程では、例えばアセ
トアルデヒド、クロトンアルデヒド及びブチルアルデヒ
ドのようなアルデヒドを含むカルボニル不純物を含有す
る複合再循環流30を、アミノ化合物、好ましくは水性
ヒドロキシルアミン塩、例えば塩酸ヒドロキシルアミ
ン、硫酸ヒドロキシルアミン、硫酸水素ヒドロキシルア
ミン又はリン酸ヒドロキシルアミンと接触させる。ヒド
ロキシルアミンはその遊離形では徐々に分解するので、
商業的にはその酸塩として供給される。酸塩を、例えば
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム
のような塩基によって処理すると、遊離ヒドロキシルア
ミンが遊離される。ヒドロキシルアミンをその酸性硫酸
塩から遊離させるために塩基として水酸化ナトリウムを
用いる場合には、このような遊離は副生成物として硫酸
ナトリウムも生成させる。多量の酢酸又は無水酢酸がこ
の流れ30の中に残留する場合、それは、アミノ化合物
の添加前に、例えば蒸留によって取り出すことができ
る。
【0023】塩基は、例えば出発ヒドロキシルアミン1
当量につき約0.5当量と、それにプラスして流れ中の
残留酢酸又は同無水酢酸の中和に必要とされる量で用い
られるべきである。少量のヒドロキシルアミンがその酸
塩として残留して、反応物質の溶液のpHを4.0〜
7.0の範囲内に維持するpH緩衝液を形成するよう
に、塩基は出発ヒドロキシルアミン1当量につき0.8
〜1.0当量の量で用いられるのが好ましい。それより
多い量の塩基の使用は、pHを7より高く上昇させ、不
安定なヒドロキシルアミン遊離塩基を、例えばヨウ化メ
チル富化複合再循環流と形成される遊離ヒドロキシルア
ミンとの好ましくない縮合反応を開始させるアンモニア
のような好ましくない揮発性副生成物に分解させる。ヒ
ドロキシルアミン酸塩は、複合再循環物質30中に含ま
れるカルボニル不純物1当量につき出発ヒドロキシルア
ミン1〜2当量の量で用いられるのが好ましい。カルボ
ニル不純物の量は反応前に分析の手法で測定することが
できる。反応溶液のpHが4.5付近にあることも、オ
キシム化反応を最大にするのに重要なことである。反応
は約0℃〜70℃の温度において約1分間から1時間ま
での期間実施される。如何なる圧力も用いることがで
き、圧力はこの方法において決定的に重要な訳けではな
い。
【0024】ヒドロキシルアミンが本発明の方法で用い
るのに好ましいアミノ化合物であるが、アニリンとその
酸塩、例えば酢酸アニリン、硫酸アニリン、ヒドラジ
ン、フェニルヒドラジン;アルキルアミン、例えばメチ
ルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、フェニルア
ミン及びナフチルアミンを含めて他のアミノ化合物も適
している。さらに、上記よりは好ましくない実施態様で
は、亜硫酸水素塩、例えば亜硫酸水素ナトリウムを含め
て他の化合物を用いて、スプリッターカラムのオーバー
ヘッドを処理することができる。
【0025】用いられるアミノ化合物の種類に拘わら
ず、アルデヒドとアミノ化合物との反応生成物からのニ
トリル形成が、例えば蒸留中のような長期間の加熱中に
生じうる。ヒドロキシルアミンとアルデヒドとの反応は
オキシムを生じさせるが、ヒドラジンとの反応はヒドラ
ゾンを生じさせる。このニトリル形成反応を(1)オキ
シム生成物と(2)ヒドラゾン生成物とに関して下記に
示す。
【0026】
【化1】
【0027】アミノ化合物の添加と、アミノ化合物とカ
ルボニル不純物との反応に続いて、処理された流れが反
応器に戻される前に、その処理流からの窒素含有生成物
から再循環流を分離することが必要である。本発明によ
れば、一連の工程を用いてこの分離を行って精製再循環
流、特にニトリルを含まない純粋な再循環流を生じさせ
る。先行技術におけるような、アルデヒド不純物とアミ
ノ化合物との反応によって形成される窒素含有生成物か
らの精製有機流の分離に用いられる典型的な蒸留法は、
残念ながら、長期間の加熱時に上記反応式によってニト
リルを生成させる傾向がある。
【0028】不純な窒素含有反応生成物からの純粋な再
循環流の分離は、本発明の再循環精製法の概略図である
図2を参照することによってさらに容易に説明すること
ができる。図2と下記例では、アミノ化合物としてヒド
ロキシルアミンが用いられる。本発明の方法では如何な
る反応性アミノ化合物も有用であり、従って下記の説明
は本発明を限定する意図のものではないことを理解すべ
きである。しかして、図2を参照して説明すると、再循
環流30、硫酸ヒドロキシルアミン(HAS)供給流4
2、水酸化ナトリウム供給流44並びに再循環水性流4
6が反応器40に入ることが分かる。反応は上述したよ
うに反応器40内で行われ、再循環流中に含まれるカル
ボニル不純物はヒドロキシルアミンと反応して水相に可
溶なオキシム化生成物を形成する。反応器は撹拌機付き
バックーミックス又はプラグ流反応器を含めてこの技術
分野で周知の適当な如何なる装置であってもよい。
【0029】反応に続いて、反応生成物は反応器40か
らライン48を介して回収され、デカンター50に送ら
れ、未反応硫酸ヒドロキシルアミン並びに再循環流30
中のカルボニル不純物とヒドロキシルアミンとの反応か
らのオキシム化生成物の大部分を含む軽い水相54から
精製再循環流52が分離される。硫酸ヒドロキシルアミ
ンを含む水相は、完全に又は部分的に、反応器40にラ
イン56と46を介して再循環されるか、またはライン
58を介して部分的にパージされる。水相の再循環は、
ヒドロキシルアミン塩からヒドロキシルアミンを放出さ
せ、そしてカルボニル不純物との最適反応を可能にする
のに必要なpH制御を非常に改善する。水相の再循環は
ヒドロキシルアミンの使用量も最小限に抑える。ヨウ化
メチル富化再循環物と少量の水並びに痕跡量の硫酸ヒド
ロキシルアミンとオキシム、及び水性硫酸ヒドロキシル
アミン相によっては分離されない不純物とを含む有機相
52をデカンター50からライン60を介して取り出
し、蒸留塔62に送ってその再循環物からこれらの成分
を除去する。塔62内で蒸留すると、精製再循環流を含
む留出物がその塔からライン64を介して出て来る。こ
の軽い末端流は、前記のように、ライン21を介してカ
ルボニル化反応器10に再循環される。蒸留塔62から
の釜残液(bottom)66は分離された水性オキシム、並
びにアルカンのような他の不純物を含む。
【0030】蒸留塔62の頂部においては、オキシム含
量を減ずることが重要である。ヒドロキシルアミンとア
ルデヒドとの反応によって形成されるもののようなオキ
シム、特にアセトアルデヒドオキシムは、ニトリル、例
えばアセトニトリルに容易に転化される可能性があり、
そのニトリルはヨウ化メチル富化再循環物に近い沸点を
有し、蒸留塔62を出る再循環相留出物64と共に蒸留
されて、これを汚染することが発見された。このような
転化は酸性媒質中では高温の条件下でさらに生ずる。従
って、蒸留塔62を出る留出物64からオキシム並びに
ニトリルを全て除去するためには、蒸留塔62に追加の
水を加えなければならない。追加される水の量は、例え
ば水対有機相(塔)供給流60の比として0.1〜3供
給容量比の量であるべきである。水はオキシムを蒸留塔
62の釜残液にオキシムを分配し、蒸留に必要とされる
温度を低下させ、さらには好ましくないニトリルの形成
を減ずる。
【0031】ヨウ化メチル富化相30からのカルボニル
生成物の除去値を知るために、次の実験を実施した。酢
酸製造の商業的装置の操作中にライン30の内容物の組
成が変化した。500ポンドというアセトアルデヒドの
装入量を1時間未満にライン30に注入した。分析は生
成物の幾つかの精製流に対して実施した。添加時点にお
いて、アセトアルデヒドとその縮合生成物との基底レベ
ルが1.5%の基底レベルから7時間時点での2.0%
まで上昇した。ライン21では、アセトアルデヒド生成
物のレベルが0.6%の基底レベルから4時間後に最大
1.5%のレベルまで上昇した。フラッシャーからのベ
ントでは、アルデヒドレベルが1時間以内に最大0.6
%まで上昇し、基底レベルに戻るのに15時間要した。
反応器10では、アルドール生成物が10時間後に0.
27%というピーク値に達し、0.2%の基底レベルに
戻るのにさらに10時間要した。アセトアルデヒド誘導
生成物は次の化合物、即ちアセトアルデヒド、アセトア
ルデヒドジメチルアセタール、クロトンアルデヒド、ブ
チルアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、2−
エチルブチルアルデヒド及び2−ヘキセナールの内の1
種以上を含み得る。アセトアルデヒド添加後の24時間
中に最終生成物流を分析すると、次の副生成物、即ちク
ロトンアルデヒド、エチルクロトンアルデヒド及びブチ
ルアセテートの各々に2倍の濃度上昇があることが示さ
れた。
【0032】例1 図2に示すような連続法を用いて、3909ppmのア
セトアルデヒドを含む、主としてヨウ化メチルのプロセ
ス流からアセトアルデヒドを除去した。
【0033】 操作条件反応器40において 反応器へのヨウ化メチル流の流量(30) 6.6g/分 反応器への30%ヒドロキシルアミン水溶液流量(42)0.16g/分 反応器への30%水酸化ナトリウム水溶液流量(44) 0.06g/分 反応器パージ流量 0.31g/分 反応器への反応器水相再循環流量 6.3ml/分 反応器水相再循環流pH 4.7 塔62において 塔への水供給流量 3.2g/分 塔留出物流量(64) 6.5g/分 塔釜残液水性流量(66) 3.2g/分 塔還流/留出物比 2.0 塔ヨウ化メチル流供給温度 39℃ 塔水供給温度 52℃ 塔基底温度 96℃ トレー15への反応器有機相(52)カラム供給流(6
0)とトレーへの水カラム供給流(5)とを有する20
トレーカラム(62)
【0034】精製ヨウ化メチルの塔留出生成物流(6
4)をガスクロマトグラフィーによって分析したとこ
ろ、それは573ppmのアセトアルデヒドを含有する
に過ぎなかった。この結果は、ヨウ化メチルプロセス流
(30)中のアセトアルデヒド濃度が有意に低下したこ
とを証明するものである。
【0035】 比較例 操作条件反応器40において 反応器へのヨウ化メチル流流量(30) 5.20g/分 反応器への30%ヒドロキシルアミン水溶液流量(42)0g/分 反応器への30%水酸化ナトリウム水溶液流量(44) 0g/分 反応器パージ流量 0.23g/分 反応器への反応器水相再循環流量 6.8ml/分 反応器水相再循環流pH 4.6 塔62において 塔への水供給流量 3.0g/分 塔留出物流量(64) 5.0g/分 塔釜残液水性流量(66) 3.2g/分 塔還流/留出物比 2.0g/分 塔ヨウ化メチル流供給温度 39℃ 塔水供給温度 54℃ 塔基底温度 96℃ トレー15への反応器有機相(52)カラム供給流(6
0)とトレーへの水カラム供給流(5)とを有する20
トレーカラム(60)
【0036】精製ヨウ化メチルの塔留出生成物流(6
4)をガスクロマトグラフィーによって分析したとこ
ろ、それは2884ppmのアセトアルデヒドを含有し
ていた。この結果は、ヨウ化メチルプロセス流(30)
中のアセトアルデヒド濃度がわずかしか低下しないこと
を証明するものである。アセトアルデヒド濃度のこの低
下は、アセトアルデヒドの化学反応処理によるものでは
なく、反応器での混合中にアセトアルデヒドが反応器有
機相(52)から反応器水相(54)に水抽出された結
果にすぎない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、メタノールから酢酸へのロジウム触媒
作用カルボニル化に用いられる反応−酢酸回収系を示す
ものである。
【図2】図2は、本発明の再循環精製法の概略図であ
り、不純な窒素含有反応生成物からの純粋な再循環流の
分離を説明するものである。
【符号の説明】
10 カルボニル化反応器 12 フラッシャー 14 ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム 30 再循環流 40 反応器 50 デカンター 62 蒸留塔
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 51/573 C07C 51/573 53/12 53/12 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 53/08 C07C 51/12 C07C 51/44 C07C 51/487 C07C 51/573 C07C 53/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボニル化反応のための反応器におい
    て、メタノール、ジメチルエーテル又は酢酸メチルを、
    第VIII族金属カルボニル化触媒とヨウ化メチルとを含む
    反応媒質中でカルボニル化して酢酸若しくは無水酢酸又
    はその両者を生成させ;生成した反応混合物を、前記カ
    ルボニル化生成物及び未反応のジメチルエーテル又は酢
    酸メチル並びにヨウ化メチルを含む揮発性相と、前記第
    VIII族金属触媒を含む低揮発性相とに分離し;前記揮発
    性相を蒸留して前記生成物と、未反応のメタノール及び
    ジメチルエーテル又は酢酸メチル並びにヨウ化メチルを
    含むオーバーヘッドとを得;前記オーバーヘッドを前記
    カルボニル化反応器に再循環させる、メタノール、ジメ
    チルエーテル及び酢酸メチルより成る群から選ばれる1
    種以上の化合物の、酢酸若しくは無水酢酸又はその両者
    へのカルボニル法において、 前記オーバーヘッドをアミノ化合物の水溶液と、該アミ
    ノ化合物が該オーバーヘッド中のカルボニル不純物と反
    応して該カルボニル不純物をその水溶性窒素含有誘導体
    に転化させる条件下で接触させて、過半量の前記ジメチ
    ルエーテル又は酢酸メチル及びヨウ化メチルを含む有機
    相と、該窒素含有誘導体を含む水相とを形成し;次いで
    前記の有機相と水相とを分離し、そして該有機相を、更
    に精製した後、前記カルボニル化反応器に再循環させ
    る、 ことを特徴とする前記のカルボニル化法。
  2. 【請求項2】 前記アミノ化合物がヒドロキシルアミン
    であり、前記窒素含有誘導体がオキシムである、請求項
    1に記載の方法。
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