JP2958281B2 - 画像形成装置における記録紙剥離装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、感光体ドラムの周
面に形成されたトナー像を転写装置にて記録紙上に転写
することにより画像を形成する画像形成装置において、
トナー像が転写された記録紙を感光体ドラムから剥離す
るために使用される記録紙剥離装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機、レーザプリンタ等の画
像形成装置では、通常、感光体ドラム上に形成された静
電潛像をトナーにて現像して、そのトナー像を記録紙に
転写することにより、画像を形成している。トナー像が
転写された記録紙は、感光体ドラムに接触した状態にな
っているために、該記録紙を感光体ドラムから剥離する
ために、記録紙剥離装置が使用される。

【０００３】記録紙剥離装置は、通常、感光体ドラムに
沿って適当な間隔をあけて並設された複数の剥離爪を有
している。各剥離爪は感光体ドラムの周面に接離するよ
うに揺動可能になっており、各剥離爪を、一体的に揺動
させることにより感光体ドラムに対して接離させ、感光
体ドラムの周面に付着して搬送される記録紙を該感光体
ドラムから剥離する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】各剥離爪の揺動は、通
常、その揺動方向に配置されたソレノイド等の駆動手段
により行われ、剥離爪によって剥離された記録紙が通過
するのにソレノイド等の駆動手段が邪魔になるため、記
録紙の通過にソレノイド等の駆動手段が邪魔にならない
ようにソレノイド等の駆動手段を配置しなければなら
ず、広いスペースが必要になる。

【０００５】本発明はこのような問題点を解決するもの
であり、その目的は、全体が小型化された記録紙剥離装
置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の記録紙剥離装置
は、感光体ドラムの周面に形成されたトナー像を転写装
置にて記録紙上に転写することにより画像を形成する画
像形成装置において、トナー像が転写された記録紙を感
光体ドラムから剥離するために使用される記録紙剥離装
置であって、該感光体ドラムの軸方向とほぼ直交するよ
うに延びており、その先端部が感光体ドラムの周面に当
接している時に記録紙を剥離する剥離爪と、該剥離爪の
先端部を感光体ドラムに圧接するよう当該剥離爪を付勢
する付勢手段と、上記剥離爪の先端部を感光体ドラムか
ら離間する剥離爪駆動手段とを備え、装置本体に着脱自
在に設けられたプロセスカートリッジの記録紙の通過部
に対向する一面に凹部を設け、該凹部に上記付勢手段を
設け、上記プロセスカートリッジの一面に上記剥離爪の
先端部が感光体ドラムの周面に接離する方向へ回動可能
に当該剥離爪を支持軸により軸支し、該剥離爪とプロセ
スカートリッジの一面との間に上記剥離爪駆動手段を配
設している。

【０００７】

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。

【０００９】本発明の記録紙剥離装置を有する画像形成
装置である複写機は、図３に示すように、機体のほぼ中
央部に配設された感光体ドラム１０を有する。該感光体
ドラム１０は、図３に矢印Ａで示す方向に回転される。
該感光体ドラム１０の上方には、帯電装置１１が配設さ
れており、該帯電装置１１により、感光体ドラム１０の
周面が、例えばマイナスに帯電される。該帯電装置１１
における感光体ドラム１０の回転方向下流側には、現像
装置１２が配設されている。帯電装置１１により帯電さ
れた感光体ドラム１０の周面には、該帯電装置１１と現
像装置１２との間を通過する画像形成のための光１７が
露光されて、該感光体ドラム１０の周面に静電潛像が形
成される。そして、感光体ドラム１０の周面に形成され
た静電潛像に、現像装置１２内の現像マグローラ１２ａ
により、プラス帯電されたトナーが付着して、感光体ド
ラム１０上にトナー像が形成される。

【００１０】感光体ドラム１０の下方には、転写装置１
３が配設されており、該転写装置１３により、現像装置
１２の下方を通って搬送される記録紙１８上に、感光体
ドラム１０上のトナー像が転写される。

【００１１】該転写装置１３における記録紙搬送方向側
には、除電板１５が鉛直状に配設されている。該除電板
１５は、感光体ドラム１０に付着して搬送される記録紙
上の静電気を除去する。

【００１２】転写装置１３における感光体ドラム１０の
回転方向下流側である感光体ドラム１０の側方には、ク
リーニング装置１４が配設されており、クリーニング装
置１４の下方に、トナー像が転写された記録紙を感光体
ドラム１０から剥離するための記録紙剥離装置２０が配
設されている。該記録紙剥離装置２０の下方には、感光
体ドラム１０から剥離された記録紙を搬送する搬送装置
１６が配設されており、該搬送装置１６により、記録紙
は図示しない定着装置へと搬送される。記録紙が剥離さ
れた感光体ドラム１０の周面は、クリーニング装置１４
によりクリーニングされ、その周面に残留するトナー
が、該クリーニング装置１４における廃トナー容器１４
ａに収容される。

【００１３】本実施形態では、感光体ドラム１０、現像
装置１２、およびクリーニング装置１４は、プロセスカ
ートリッジとして一体化されており、機体に対して着脱
可能になっている。該プロセスカートリッジは、例え
ば、クリーニング装置１４における廃トナー容器１４ａ
が満杯になった時点で交換される。

【００１４】本発明の記録紙剥離装置２０は、図１およ
び図２に示すように、感光体ドラム１０の軸方向に適当
な間隔をあけて配設された複数の剥離爪２１と、各剥離
爪２１の上面に圧接されて各剥離爪２１を揺動させる１
本の駆動軸２４とを有する。

【００１５】各剥離爪２１は、感光体ドラム１０の軸方
向と直交する方向に延びており、感光体ドラム１０側の
先端部が先鋭的になっている。各剥離爪２１は、感光体
ドラム１０に対して遠方側の基端部寄りの位置にて、ク
リーニング装置１４の下面に、支持軸２２により、上下
方向への揺動可能にそれぞれ支持されている。各剥離爪
２１の基端部は、押しバネ２３により下方へ押圧されて
おり、従って、各剥離爪２１の先端は、上方へ付勢され
ている。該押しバネ２３は、クリーニング装置１４の下
面に形成された凹部内に位置されている。

【００１６】各剥離爪２１の駆動軸２４は、感光体ドラ
ム１０の軸方向にほぼ平行となるように、クリーニング
装置１４の下方における剥離爪２１の揺動域内に配設さ
れている。該駆動軸２４は、クリーニング装置１４の下
面に軸方向への移動可能に支持されている。該駆動軸２
４は、その周面が、各剥離爪２１の支持軸２２よりも先
端側部分の上面に接触するように位置されており、各剥
離爪２１の上面が、それぞれの基端部が押しバネ２３に
より下方へ押圧されていることにより、該駆動軸２４の
周面に圧接されている。

【００１７】該駆動軸２４は、例えば、磁性材料によっ
て構成されており、その一方の端部に対向させて、電磁
石２５が配設されている。該電磁石２５は、例えば、プ
ロセスカートリッジが装着される複写機本体に取り付け
られている。該駆動軸２４の電磁石２５に近接した端部
には、圧縮バネ２６が嵌合されている。該圧縮バネの一
方の端部は、電磁石２５に対向する駆動軸２４の端面か
ら適当な距離だけ離れた位置に設けられたバネ座２４ａ
に当接されており、他方の端部は、該圧縮バネ２６が駆
動軸２４全体をソレノイド２５から離れるように付勢す
るように、クリーニング装置１４の下面に設けられたバ
ネ座１４ｂに当接されている。

【００１８】駆動軸２４は、電磁石２５に通電されるこ
とにより、圧縮バネ２６の付勢力に抗して、該電磁石２
５に引き付けられ、電磁石２５への通電が停止された状
態では、圧縮バネ２６により電磁石２５から離れる方向
へ移動される。

【００１９】該駆動軸２４が軸方向へ移動される際に各
剥離爪２１が圧接される周面には、圧縮バネ２６のバネ
力により移動される方向に沿って順次縮径するテーパー
面２４ｂがそれぞれ設けられており、さらにそのテーパ
ー面に連続して一定の小径部２４ｃがそれぞれ設けられ
ている。従って、該駆動軸２４の周面は、その軸方向に
沿って各剥離爪２１の揺動方向に変位している。

【００２０】各剥離爪２１は、通常は、押しバネ２３に
よる下方への付勢力によって、駆動軸２４における各テ
ーパー面２４ｂ近傍の大径になっている周面部分に当接
した状態になっている。そして、該駆動軸２４が、電磁
石２５によって圧縮バネ２６の押圧力に抗して牽引され
ると、各剥離爪２１の上面が各テーパー面２４ｂに摺接
した後に小径部２４ｃにそれぞれ摺接する。従って、各
剥離爪２１の先端は、押しバネ２３による押圧力によっ
て、順次上方へ移動されて感光体ドラム１０の周面に接
触した状態になる。

【００２１】このような構成の剥離装置２０の動作は、
次の通りである。複写機の画像形成動作により、感光体
ドラム１０の周面にトナー像が形成されて、該トナー像
が転写装置１３により搬送される記録紙に転写される。
このような画像形成動作の当初は、電磁石２５には通電
されず、従って、駆動軸２４は、圧縮バネ２６により、
図１に矢印Ｂで示す方向へ移動された状態になってい
る。その結果、各剥離爪２１の上面は、駆動軸２４にお
ける大径の周面部分に接触した状態になっており、各剥
離爪２１の先端部は、感光体ドラム１０の周面から離れ
た状態になっている。

【００２２】転写装置１３によってトナー像が該記録紙
上に転写されると、該記録紙は感光体ドラム１０の周面
に付着した状態で、該感光体ドラム１０とともに搬送さ
れる。このとき、電磁石２５に通電され、磁性材料によ
り構成された駆動軸２４が、該電磁石２５に引き付けら
れて、図１に矢印Ｂで示す方向とは反対方向へ移動され
る。その結果、押しバネ２３により基端部が下方へ付勢
された各剥離爪２１の上面が、駆動軸２４の大径の周面
部分から各テーパー面２４ｂに摺接した後に、各小径部
２４ｃにそれぞれ当接する。従って、各剥離爪２１の先
端は、順次、上方へ移動し、感光体ドラム１０の周面に
当接する。

【００２３】このような状態で、記録紙が感光体ドラム
１０の周面に付着して搬送されると、該記録紙の搬送方
向先端が各剥離爪２１の下面に案内されて、順次、感光
体ドラム１０から剥離される。その後に電磁石２５の通
電が停止され、駆動軸２４が圧縮バネ２６により電磁石
２５から遠ざかる方向へ移動される。これにより、各剥
離爪２１の上面は、駆動軸２４の小径部２４ｃからテー
パー面２４ｂを経て大径の周面部分に接触され、各剥離
爪２１の先端は感光体ドラム１０から離れる下方へと順
次移動される。

【００２４】このように、駆動軸２４を軸方向へ移動さ
せることによって、各剥離爪２１を感光体ドラム１０に
接離させることができるために、剥離装置全体が著しく
小型化される。駆動軸２４の移動がわずかであっても、
確実に各剥離爪２１が揺動される。上記実施形態のよう
に、駆動軸２４を磁性体として電磁石２５により該駆動
軸を移動させる場合には、駆動軸２４と電磁石２５を連
結させる必要がなく、従って、電磁石２５のみを複写機
本体に配置して、駆動軸２４等をプロセスカートリッジ
に取り付けることができる。駆動軸２４を磁性材料にて
構成する場合には、該駆動軸をソレノイドのプランジャ
ーとして使用することも可能である。

【００２５】剥離爪２１は、駆動軸２４の大径の周面か
ら、テーパー面２４ｂに圧接された後に、小径部２４ｃ
に圧接されるために、剥離爪２１の先端部は、徐々に感
光体ドラム１０の周面に接触される。従って、感光体ド
ラムの周面が、剥離爪２１によって傷つけられるおそれ
がない。

【００２６】

【発明の効果】本発明の記録紙剥離装置は、このよう
に、付勢手段及び剥離爪をプロセスカートリッジの一面
に配設しているので、付勢手段及び剥離爪を配設する部
材を新たに設ける必要がなく、しかも、付勢手段をプロ
セスカートリッジの一面の凹部に設けているので、プロ
セスカートリッジの一面からの高さを抑えることがで
き、その結果、装置全体を小型化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の記録紙剥離装置の実施形態を示す要部
斜視図である。

【図２】図１の断面図である。

【図３】本発明の記録紙剥離装置を有する複写機の要部
の断面図である。

【符号の説明】

１０ 感光体ドラム １４ 転写装置 ２０ 剥離装置 ２１ 剥離爪 ２２ 支持軸 ２３ 押しバネ ２４ 駆動軸 ２４ｂ テーパー面 ２４ｃ 小径部 ２５ 電磁石

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−239785（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−75681（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G03G 15/14 101

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 感光体ドラムの周面に形成されたトナー
   像を転写装置にて記録紙上に転写することにより画像を
   形成する画像形成装置において、トナー像が転写された
   記録紙を感光体ドラムから剥離するために使用される記
   録紙剥離装置であって、 該感光体ドラムの軸方向とほぼ直交するように延びてお
   り、その先端部が感光体ドラムの周面に当接している時
   に記録紙を剥離する剥離爪と、 該剥離爪の先端部を感光体ドラムに圧接するよう当該剥
   離爪を付勢する付勢手段と、 上記剥離爪の先端部を感光体ドラムから離間する剥離爪
   駆動手段とを備え、 装置本体に着脱自在に設けられたプロセスカートリッジ
   の記録紙の通過部に対向する一面に凹部を設け、 該凹部に上記付勢手段を設け、 上記プロセスカートリッジの一面に上記剥離爪の先端部
   が感光体ドラムの周面に接離する方向へ回動可能に当該
   剥離爪を支持軸により軸支し、 該剥離爪とプロセスカートリッジの一面との間に上記剥
   離爪駆動手段を配設したことを特徴とする 画像形成装置
   における記録紙剥離装置。