JP2943644B2 - 含フッ素アミド化合物 - Google Patents

含フッ素アミド化合物

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JP2943644B2
JP2943644B2 JP7027297A JP2729795A JP2943644B2 JP 2943644 B2 JP2943644 B2 JP 2943644B2 JP 7027297 A JP7027297 A JP 7027297A JP 2729795 A JP2729795 A JP 2729795A JP 2943644 B2 JP2943644 B2 JP 2943644B2
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則之 小池
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐溶剤性、耐
薬品性を有するゴム材料用素材及び離型剤用素材等の原
料として有効に利用することができる新規な含フッ素ア
ミド化合物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、含フッ素有機化合物は、各種分野で使用されてお
り、例えば含フッ素有機化合物のポリマーを架橋剤を用
いて架橋することにより含フッ素エラストマーや樹脂硬
化物を得、これをゴム材料や塗料及び離型剤として利用
している。
【0003】しかし、従来の含フッ素エラストマーや樹
脂では、その耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性等が十分でな
い場合があり、より耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性等に優
れるエラストマーや樹脂が望まれる。
【0004】また、塗料、離型剤等として使用される含
フッ素エラストマーや樹脂は、更に離型性、撥水性に優
れるものがより望ましい。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、また、離型性に優
れた含フッ素エラストマーや樹脂を与える新規な含フッ
素アミド化合物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、例えば下記
一般式(4)で示される両末端に酸フロライド基を有す
る化合物と下記一般式(5)で示される二級アミン化合
物とを反応させることにより、あるいはまず式(4)の
化合物と、下記一般式(6)で示される化合物とを反応
させた後、式(5)の化合物を反応させることにより、
下記一般式(1)で示される新規な含フッ素アミド化合
物が得られること、更に、この含フッ素アミド化合物
が、フッ素含有率が高く、表面エネルギーが低いエラス
トマーとなり得ることを知見し、本発明をなすに至っ
た。
【0007】
【化4】
【0008】従って、本発明は、上記式(1)で示され
る含フッ素アミド化合物を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の含フッ素アミド化合物は、下記一般式(1)で示さ
れるものである。
【0010】
【化5】
【0011】ここで、上記式(1)中のR1は、炭素数
1〜10、特に1〜8の、好ましくは脂肪族不飽和結合
を除く、置換又は非置換の一価炭化水素基であり、R2
は水素原子又はR1と同様の一価炭化水素基である。R1
及びR2の一価炭化水素基としては、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル
基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニ
ル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シ
クロヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリ
ル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジ
ル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチル
ベンジル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水
素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換したクロロ
メチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフ
ルオロプロピル基などが挙げられる。
【0012】また、上記式(1)においてQは下記一般
式(2)又は一般式(3)で示される基である。
【0013】
【化6】
【0014】上記式(2)中のR2は前記と同様であ
り、R3としては、置換又は非置換の二価炭化水素基
で、炭素数1〜20、特に2〜10の二価炭化水素基で
あり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン
基、メチルエチレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基
等のアルキレン基、シクロヘキシレン基等のシクロアル
キレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、
ナフチレン基、ビフェニレン基等のアリーレン基、ある
いはこれらの基の水素原子の一部をハロゲン原子で置換
した基、あるいはこれらの置換又は非置換のアルキレン
基、アリーレン基の組み合わせである。
【0015】また、R3は結合の途中に酸素原子、窒素
原子、ケイ素原子の1種又は2種以上を介在させても良
い。この場合、酸素原子は−O−、窒素原子は−NR’
−(R’は水素原子又は炭素数1〜8、特に1〜6のア
ルキル基又はアリール基である)として介在することが
でき、またケイ素原子は下記の基のように直鎖状又は環
状のオルガノシロキサンを含有する基あるいはオルガノ
シリレン基として介在することができる。
【0016】
【化7】 (但し、R”は前記R1,R2として例示したものと同様
の炭素数1〜8のアルキル基又はアリール基、R'''
前記R3として例示したものと同様の炭素数1〜6のア
ルキレン基又はアリーレン基であり、n=0〜10、特
に0〜5の整数である。) このような基としては、下記の基を例示することができ
る。
【0017】
【化8】 (Meはメチル基を示す。)
【0018】更に、上記式(3)中のR4及びR5は、炭
素数1〜10、特に2〜6の置換又は非置換の二価炭化
水素基であり、具体的にはメチレン基、エチレン基、プ
ロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、ヘキサメ
チレン基等のアルキレン基、シクロヘキシレン基等のシ
クロアルキレン基、あるいはこれらの基の水素原子の一
部をハロゲン原子で置換した基である。
【0019】上記式(2)又は式(3)により示される
式(1)中のQとして具体的には下記の基が例示され
る。なお、以下の化学式において、Meはメチル基、P
hはフェニル基を示す。
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】また、式(1)においてRfは二価パーフ
ルオロアルキレン基又は二価パーフルオロポリエーテル
基であり、二価パーフルオロアルキレン基としては −Cm2m− (但し、m=1〜10、好ましくは2〜6である。)で
示されるものであり、二価パーフルオロポリエーテル基
としては下記式で示されるものである。
【0023】
【化11】 Rfとして具体的には、下記のものが例示される。
【0024】
【化12】
【0025】なお、上記式(1)においてaは0〜10
の整数であり、従って、式(1)の含フッ素アミド化合
物は1分子中に二価パーフルオロアルキレン基又は二価
パーフルオロポリエーテル基を1個以上含むものである
が、aは特に1〜6の整数である。
【0026】本発明において、上記式(1)の含フッ素
アミド化合物は、粘度(25℃、以下同様)が数十cs
の低粘度ポリマーから固形の生ゴム状のポリマーまでを
包含するが、取り扱いやすさの点からは、例えば熱加硫
ゴム用としては生ゴム状のポリマーが、また、液状ゴム
用には粘度が100〜100000cs程度のポリマー
が好適に使用される。低粘度すぎると得られる硬化物が
エラストマーとしての伸びが小さくなり、バランスのと
れた物性が得られない場合が生じる。
【0027】上記式(1)の含フッ素アミド化合物は、
下記の方法により得ることができる。即ち、上記式
(1)においてaが0である含フッ素アミド化合物は、
例えば下記一般式(4)で示される両末端に酸フロライ
ド基を有する化合物と下記一般式(5)で示される一級
あるいは二級アミン化合物とをトリメチルアミン等の受
酸剤の存在下で反応させることにより合成することがで
きる。
【0028】
【化13】 (R1,R2,Rfは上記と同様の意味を示す。)
【0029】更に、上記式(1)においてaが1以上の
整数となる含フッ素アミド化合物は、例えば上記式
(4)に示される両末端に酸フロライド基を有する化合
物と下記一般式(6) H−Q−H …(6) (Qは上記と同様の意味を示す。)で示されるジアミン
化合物とを受酸剤の存在下で反応させ、更に上記式
(5)で示される一級あるいは二級アミン化合物を反応
させることにより合成することができる。
【0030】この場合、式(4)の両末端に酸フロライ
ド基を有する化合物と式(5)の一級あるいは二級アミ
ン化合物との仕込量の比率は、特に限定されるものでは
ないが、モル換算で式(4)の化合物の仕込量(a)と
式(5)の化合物の仕込量(b)との比率(a)/
(b)を0.1〜1.2mol/mol、特に0.2〜
0.5mol/molとすると好適である。
【0031】また、上記式(4)の化合物の仕込量
(a)と式(6)の化合物の仕込量(c)とは、モル換
算で(a)を(c)より少なくしない限り、特に限定さ
れるものではない。式(1)中の繰り返し単位aは、
(a)/(c)を調整することにより目的に応じた適宜
な値にすることができ、(a)/(c)を大きくすれば
比較的分子量の小さなポリマーを合成することができ、
(a)/(c)の値を1に近づければ分子量の大きなポ
リマーを合成することができる。
【0032】上記反応の条件は、特に制限されないが、
20〜100℃で1〜8時間、好ましくは20〜50℃
で2〜4時間反応させることが好ましい。
【0033】なお、式(1)の含フッ素アミド化合物に
おいて、Qがケイ素原子を介在するものである含フッ素
アミド化合物は、例えばビニル基、アリル基等の脂肪族
不飽和基を有する一級あるいは二級アミン化合物として
上記式(5)のアミン化合物を使用して上記反応により
例えば下記一般式(1’)で示される両末端にビニル基
を有する化合物を合成し、これと例えば下記一般式
(7)で示される、分子中にヒドロシリル基を2個有す
るオルガノシロキサン化合物とを付加反応触媒の存在下
で反応させることにより合成することができる。
【0034】
【化14】 (但し、式中R1,R2,Rfは前記と同様の意味を示
す。) H−P−H …(7) 但し、式中Pはシロキサン結合を有する二価の有機基で
あり、具体的には下記の基が例示される。
【0035】
【化15】
【0036】この反応で上記式(1’)で示される両末
端にビニル基を有する化合物と式(7)の化合物との仕
込量との比率は、モル換算で式(1’)の化合物の仕込
量(d)を式(7)の化合物の仕込量(e)より多くし
なくてはならないが、その比率(d)/(e)は最大で
2である。即ち、1<(d)/(e)≦2である。
【0037】なお、(d)/(e)を大きくすれば比較
的分子量の小さなポリマーを合成することができ、
(d)/(e)の値を1に近づければ分子量の大きなポ
リマーを合成することができる。
【0038】この場合、上記触媒としては周期表第VI
II族元素又はその化合物、例えば塩化白金酸、アルコ
ール変性塩化白金酸(米国特許第3220972号参
照)、塩化白金酸とオレフィンとの錯体(米国特許第3
159601号、同第3159662号、同第3775
452号参照)、白金黒又はパラジウム等をアルミナ、
シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの、ロジウム
−オレフィン錯体、クロロトリス(トリフェニルホスフ
ィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)等を使用し得、
その添加量は触媒量とすることができる。上記の錯体は
アルコール系、ケトン系、エーテル系、炭化水素系の溶
剤に溶解して使用することが好ましい。
【0039】また、上記反応の条件は、50〜150
℃、好ましくは80〜120℃で2〜4時間反応させる
ことが好ましい。
【0040】本発明の含フッ素アミド化合物は、フッ素
含有率が高く、表面エネルギーが低いエラストマーとな
り得るために、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性のゴム材料
用素材及び離型剤用素材等の原料として種々の用途に利
用することができる。例えば、本発明の両末端にビニル
基を有する含フッ素アミド化合物のポリマーと一分子中
に3つ以上のヒドロシリル基を有する化合物とを付加反
応触媒の存在下にて反応させればエラストマーを得るこ
とができる。このエラストマーはフッ素含有率が高いた
め耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、また、低表面エ
ネルギーを有するため離型性、撥水性に優れており、シ
ーラント、成形部品、押出部品、被覆材料、離型剤等と
して有効に使用することができる。
【0041】
【発明の効果】本発明の含フッ素アミド化合物は、フッ
素含有率が高く、表面エネルギーが低いエラストマーあ
るいは樹脂となり得るもので、耐熱性、耐溶剤性、耐薬
品性のゴム材料用素材、離型剤用素材などとして有効で
ある。
【0042】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。なお、以下においてMeはメチル基を示す。
【0043】[実施例1]下記式(8)で示される両末
端に酸フロライド基を有する化合物1000gを撹拌
棒、温度計、ジムロート、滴下ロートを付した1リット
ルの四つ口フラスコ内に仕込み、撹拌しながら滴下ロー
トより下記式(9)で示されるビニルシリルアニリン7
2.0gとトリエチルアミン44.8gとの混合物を2
0℃にて滴下した。
【0044】
【化16】
【0045】滴下後に、60℃にて反応を2時間行い、
反応混合物を加圧濾過して得られた濾液を120℃/3
mmHgで減圧ストリップしたところ、淡黄色透明な液
状化合物989.5gが得られた。得られた化合物は、
粘度9500cs(25℃)、比重1.829(25
℃)、屈折率1.3258(25℃)であった。この化
合物をIR測定した結果を図1に示す。図1より、以下
に示す吸収が認められた。
【0046】
【化17】
【0047】また、この化合物のビニル基量を定量した
ところ、0.035モル/100gであり、得られた化
合物は、下記構造式(10)で示される含フッ素アミド
化合物のポリマーであることが確認された。
【0048】
【化18】
【0049】[実施例2]下記式(11)で示される両
末端に酸フロライド基を有する化合物500gを撹拌
棒、温度計、ジムロート、滴下ロートを付した500m
lの四つ口フラスコ内に仕込み、撹拌しながら滴下ロー
トより前記式(9)で示されるビニルシリルアニリン1
2.4gとトリエチルアミン7.7gとの混合物を20
℃にて滴下した。
【0050】
【化19】
【0051】滴下後に、60℃にて反応を2時間行い、
反応混合物を加圧濾過して得られた濾液を120℃/3
mmHgで減圧ストリップしたところ、淡黄色透明な液
状化合物469.4gが得られた。得られた化合物は、
粘度21000cs(25℃)、比重1.884(25
℃)、屈折率1.3136(25℃)であった。この化
合物をIR測定した結果を図2に示す。図2より、以下
に示す吸収が認められた。
【0052】
【化20】
【0053】また、この化合物のビニル基量を定量した
ところ、0.013モル/100gであり、得られた化
合物は、下記構造式(12)で示される含フッ素アミド
化合物のポリマーであることが確認された。
【0054】
【化21】
【0055】[実施例3]前記式(8)で示される両末
端に酸フロライド基を有する化合物76.9gを撹拌
棒、温度計、ジムロート、滴下ロートを付した200m
lの四つ口フラスコ内に仕込み、撹拌しながら滴下ロー
トより2,5−ジメチルピペラジン1.14gとトリエ
チルアミン2.9gとの混合物を20℃にて滴下した。
滴下後に、60℃にて反応を2時間行い、その後、前記
式(9)で示されるビニルシリルアニリン0.36gを
添加し、更に、60℃にて反応を2時間行い、実施例1
と同様に後処理を行ったところ、淡黄色透明な液状化合
物72.9gが得られた。
【0056】得られた化合物は、粘度43200cs
(25℃)であった。この化合物をIR測定した結果を
図3に示す。図3より、以下に示す吸収が認められた。
【0057】
【化22】
【0058】また、この化合物のビニル基量を定量した
ところ、0.005モル/100gであり、得られた化
合物は、下記構造式(13)で示される含フッ素アミド
化合物のポリマーであることが確認された。
【0059】
【化23】
【0060】[実施例4]実施例3と同様の装置に実施
例1で得られ、前記式(10)で示される両末端にビニ
ル基を有する化合物100.0g(粘度:9500c
s;25℃)とメタキシレンヘキサフロライド50.0
gとを仕込み、撹拌しながら90℃に加熱して、塩化白
金酸のイソプロピルアルコール2%溶液0.1gを添加
した。その後、滴下ロートにて下記式(14)で示され
るシクロテトラシロキサン4.25gを滴下し、反応を
行った。
【0061】
【化24】
【0062】滴下後、熟成させながらガスクロマトグラ
フでシクロテトラシロキサンの消失を確認した後、室温
まで冷却し、活性炭1.5gを投入して2時間撹拌し
た。これに実施例1と同様の後処理を行ったところ、透
明な液状化合物99.2gが得られた。
【0063】得られた化合物は、粘度87500cs
(25℃)であった。この化合物をIR測定した結果を
図4に示す。図4より、以下に示す吸収が認められた。
【0064】
【化25】
【0065】また、この化合物のビニル基量を定量した
ところ、0.009モル/100gであり、得られた化
合物は、下記構造式(15)で示される含フッ素アミド
化合物のポリマーであることが確認された。
【0066】
【化26】
【0067】[実施例5]下記式(16)で示される両
末端に酸フロライド基を有する化合物81.6gを撹拌
棒、温度計、ジムロート、滴下ロートを付した200m
lの四つ口セパラフラスコ内に仕込み、撹拌しながら滴
下ロートより下記式(17)で示されるビニルシリルア
ニリン2.8gとトリエチルアミン1.0gとの混合物
を20℃にて滴下した。
【0068】
【化27】
【0069】滴下後に、60℃にて反応を2時間行い、
反応混合物を加圧濾過して得られた濾液を120℃/3
mmHgで減圧ストリップしたところ、淡黄色透明な液
状化合物76.8gが得られた。得られた化合物は、粘
度9800cs(25℃)、比重1.873(25
℃)、屈折率1.3126(25℃)であった。この化
合物をIR測定した結果を図5に示す。図5より、以下
に示す吸収が認められた。
【0070】
【化28】
【0071】また、この化合物のビニル基量を定量した
ところ、0.013モル/100gであり、得られた化
合物は、下記構造式(18)で示される含フッ素アミド
化合物のポリマーであることが確認された。
【0072】
【化29】
【0073】[応用例1]実施例1で得られ、前記式
(10)で示されるポリマー(粘度9500cs、平均
分子量5720、ビニル基量0.035モル/100
g)100重量部にトリメチルシロキシ基で処理された
比表面積200m2/gの煙霧質シリカ10重量部を加
え、混合、熱処理した後、三本ロールミル上にて混合
し、更に、下記式(19)で示される含フッ素環状水素
シロキサン45.0重量部、塩化白金酸をCH2=CH
SiMe2OSiMe2CH=CH2で変性した触媒のト
ルエン溶液(白金濃度1.0重量%)0.2重量部を加
え、混合した。
【0074】
【化30】
【0075】これを減圧下で脱泡し、2mm厚の長方形
の枠に置き、再び空気抜きをし、120kg/cm2
150℃で10分間プレス硬化した。試験片を硬化した
試料から切り取り、JIS K6301に準じて物性を
測定したところ、以下に示す結果を得た。
【0076】 硬さ(JIS−A) 46 伸び(%) 240 引っ張り強さ(kgf/cm2) 59 (JIS−A:JIS K6301に規定のA型スプリ
ング式硬さ試験機を使用して測定)
【0077】次に、上記試験片を用いて、耐熱性、耐薬
品性、溶剤膨潤性、低温特性及び透湿性を測定した。そ
れらの結果を表1、表2、表3、表4及び表5に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の含フッ素アミド化合物のIRスペク
トルを示すチャートである。
【図2】実施例2の含フッ素アミド化合物のIRスペク
トルを示すチャートである。
【図3】実施例3の含フッ素アミド化合物のIRスペク
トルを示すチャートである。
【図4】実施例4の含フッ素アミド化合物のIRスペク
トルを示すチャートである。
【図5】実施例5の含フッ素アミド化合物のIRスペク
トルを示すチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 高至 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (72)発明者 山本 靖 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平8−199070(JP,A) 特開 平8−104862(JP,A) 特開 平6−256500(JP,A) 特開 平6−234923(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 65/00 - 65/32 C08G 69/40 - 69/42 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される含フッ素ア
    ミド化合物。 【化1】 [但し、式中R1は炭素数1〜10の、アルキル基、シ
    クロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキ
    ル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲ
    ン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基、R2
    は水素原子又はR1と同様の一価炭化水素基、Qは下記
    一般式(2)又は下記一般式(3)で示される基 【化2】 (但し、式中R3は結合途中に酸素原子、窒素原子及び
    ケイ素原子の1種又は2種以上を介在させてもよい炭素
    数1〜20の、アルキレン基、シクロアルキレン基、ア
    リーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原
    子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基
    とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基を示
    す。) 【化3】 (但し、式中R4及びR5は炭素数1〜10の、アルキレ
    ン基、シクロアルキレン基及びこれらの基の水素原子の
    一部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる二価炭化
    水素基を示す。)、 Rfは、−Cm2m−(m=1〜10)で示される二価
    パーフルオロアルキレン基又は下記式 【化31】 で示される基から選ばれる二価のパーフルオロポリエー
    テル基であり、aは0〜10の整数である。]
  2. 【請求項2】 R1及びR2のアリール基がフェニル基、
    トリル基又はキシリル基であり、アラルキル基がベンジ
    ル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基又はメチ
    ルベンジル基であり、R3のアリーレン基がフェニレン
    基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基又はビフ
    ェニレン基であり、R3の結合途中に介在される酸素原
    子は−O−、窒素原子は−NR’−(R’は水素原子又
    は炭素数1〜8のアルキル基又はアリール基)、ケイ素
    原子は 【化32】 (但し、R”は炭素数1〜8のアルキル基又はアリール
    基、R’’’は炭素数1〜6のアルキレン基又はアリー
    レン基であり、n=0〜10の整数である。)として介
    在される請求項1記載の含フッ素アミド化合物。
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