JP2943398B2 - 伝送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル移動通信等
に利用する伝送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、一つの基地局に対し多数の移動局
が同一の無線周波数を利用して相互に通信を行なう多元
接続方式の一つとしてＴＤＭＡ（Time Division Multip
le Access ）が知られている。ＴＤＭＡでは、無線周波
数を時間分割し、通信者に特定の時間帯を割り当て、そ
の割り当てられた時間帯で通信を行なう。すなわち、信
号の送受信の基本周期となるフレームを定め、このフレ
ーム内の割り当てられた一定の時間幅（タイムスロッ
ト）を用いて信号を送出する。各移動局から送出される
送信信号（バースト信号）が無線回線上で互いに重なら
ないようにするためには、送信タイミングの制御が必要
となる。そしてこの送信タイミングの制御を、従来は復
調器から生成したクロック信号を用いて変調器を動作さ
せることにより行なっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の伝送装置では、復調器から生成したクロック信号に
ジッタが含まれているため、被変調信号にこのクロック
ジッタによる歪が生じ、送信スペクトル特性等に劣化が
生じるという問題があった。

【０００４】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、クロックジッタによる変調歪を除去する
ことのできる優れた伝送装置を提供することを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、クロックを再生するＰＬＬ回路の動作を
フレーム同期再生器で検出された送信区間の間止めて発
振周波数を固定するようにしたものである。

【０００６】

【作用】したがって、本発明によれば、送信区間の間は
ジッタのないクロック信号を基準にして変調器を動かす
ことができるので、歪のない送信波を得ることができ
る。

【０００７】

【実施例】図１は本発明の一実施例の構成を示すもので
ある。図１において、１は受信信号入力端子である。２
は復調器であり、３は搬送波再生器であり、それぞれ受
信信号入力端子１に接続されている。４はディジタル方
式のＰＬＬ回路であり、復調器２および搬送波再生器３
に接続されている。５はフレーム同期再生器であり、復
調器２と受信信号出力端子６およびＰＬＬ回路４と変調
器８にそれぞれ接続されている。ＰＬＬ回路４も変調器
８に接続されている。７は送信信号入力端子であり、変
調器８を介して送信信号出力端子９に接続されている。

【０００８】次に上記実施例の動作について図２を参照
して説明する。まず受信信号入力端子１に印加されたＰ
ＳＫ等のディジタル被変調信号は、復調器２により復調
されて元のディジタル信号ａとして再生され、受信信号
出力端子６およびフレーム同期再生器５に送られる。ま
た復調器２では、受信信号の中からクロック成分も抽出
され、ディジタル方式のＰＬＬ回路４に送られる。フレ
ーム同期再生器５では、復調されたディジタル信号ａお
よびＰＬＬ回路４で再生されたクロック信号をもとに本
装置の送信区間信号ｂを検出する。

【０００９】一方、受信信号入力端子１に入力したディ
ジタル被変調信号から、搬送波再生器３によって、基地
局装置で作られた精度の高い搬送周波数が再生され、同
様にＰＬＬ回路４に送られる。このディジタル方式のＰ
ＬＬ回路４では、復調器２からのクロック成分を含んだ
信号から、搬送波再生器３から出力された搬送波を基準
信号にしてクロック信号を再生する。この場合、フレー
ム同期再生器５から出力された送信区間信号ｂにより、
送信区間の間だけＰＬＬ回路４のループを切って発振周
波数を固定したクロック信号ｃを作り、変調器８に送
る。変調器８は、この再生クロック信号ｃをもとにし
て、送信信号入力端子７から入力された送信データに変
調をかけ、送信信号出力端子９から送出する。

【００１０】なお、上記実施例における搬送波再生器３
の代わりに精度の高い自励発振器を用いても同様な作
用、効果を得ることができる。

【００１１】また、上記実施例では、ＰＬＬ回路４とし
てディジタル方式のものを用いているが、これをアナロ
グ方式のものを用いることにより、搬送波再生器３を不
要にすることができる。この場合の動作は上記実施例と
実質的に同様である。

【００１２】

【発明の効果】本発明は、上記実施例から明らかなよう
に、時分割多重方式により基地局装置に追従してバース
ト的に信号を送出する時、再生したクロック信号を送信
区間の間一定周波数に固定して変調の際に用いるので、
クロックジッタによる変調歪を除去することができると
いう効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における伝送装置の概略ブロ
ック図

【図２】同実施例における信号タイミング図

【符号の説明】

１ 受信信号入力端子 ２ 復調器 ３ 搬送波再生器 ４ ＰＬＬ回路 ５ フレーム同期再生器 ６ 受信信号出力端子 ７ 送信信号入力端子 ８ 変調器 ９ 送信信号出力端子

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディジタル被変調信号を復調する復調器
   と、前記復調器で生成したジッタを含むクロック成分か
   ら必要なクロック信号を再生するＰＬＬ回路と、前記Ｐ
   ＬＬ回路で生成されたクロック信号と前記復調器で復調
   されたディジタル信号から時分割多重化された信号のフ
   レームを検出するフレーム同期再生器と、前記フレーム
   同期再生器で検出された送信区間の間は前記ＰＬＬ回路
   の動作を止めて発振周波数を固定する手段と、前記ＰＬ
   Ｌ回路から出力された発振周波数を固定されたクロック
   信号をもとに送信のためのディジタルデータを変調する
   変調器とを備えた伝送装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の伝送装置に搬送波再生器
   を設けるとともに、ＰＬＬ回路としてディジタルＰＬＬ
   回路を用い、前記搬送波再生器の出力を基準信号として
   前記ディジタルＰＬＬ回路でクロック信号を再生するよ
   うにした伝送装置。
3. 【請求項３】 搬送波再生器の代わりに自励発振回路を
   設けた請求項２記載の伝送装置。
4. 【請求項４】 ＰＬＬ回路としてアナログＰＬＬ回路を
   用いた請求項１記載の伝送装置。