JP2942432B2 - 糸の蒸気処理方法 - Google Patents

糸の蒸気処理方法

Info

Publication number
JP2942432B2
JP2942432B2 JP1691493A JP1691493A JP2942432B2 JP 2942432 B2 JP2942432 B2 JP 2942432B2 JP 1691493 A JP1691493 A JP 1691493A JP 1691493 A JP1691493 A JP 1691493A JP 2942432 B2 JP2942432 B2 JP 2942432B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
steam
pressure
steam treatment
wound layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1691493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06200467A (ja
Inventor
孝 石島
俊英 武田
旦 浦上
清隆 信國
良治 吾郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP1691493A priority Critical patent/JP2942432B2/ja
Publication of JPH06200467A publication Critical patent/JPH06200467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2942432B2 publication Critical patent/JP2942432B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は糸の蒸気処理方法に係わ
り、更に詳細には密閉蒸気処理釜内に装填された巻き層
状の合成繊維から成るサイロスパン紡績糸又は単糸紡績
糸を均一に蒸気処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、毛布等として好適に用いられ
る経編カットパイル生地による立毛生地は、例えば図1
に示す構造のカットパイル専用のダブルラッセル機を使
用して編成するもので、フロント側の筬(L1),(L
2)とバック側の筬(L4),(L5)とで挿入糸およ
び鎖糸を前後の針床(11),(12)にそれぞれ導い
て前後つまり表裏2面の地組織を形成するとともに、中
央部にある筬(L3)によりパイル糸(P)を前後針床
に導いてパイル糸(P)を編針(13),(14)に順
次ラッピングさせて前記両地組織とともに編成するもの
であり、こうして前後の両地組織に掛け渡されたパイル
糸(P)を両地組織間の中央でカットしてカットパイル
生地を得、その後パイルを解繊処理して立毛状となし、
毛布等の立毛生地に仕上げるものである。
【0003】そして、前記カットパイル生地のパイル糸
としては、編成上の糸切れ防止および張力調整等を考慮
して、通常一般には例えば32番手程度の紡績糸を2本
撚合せた所謂双糸が用いられている。
【0004】しかしながら、パイル糸に用いられる上記
の双糸は単糸よりも糸自体の製造コストが高いため、サ
イロスパン紡績糸を用いること(特開平3−10496
9号公報参照)や太番手の単糸紡績糸を用いる試みがな
されてきた。然してサイロスパン紡績糸や単糸紡績糸は
解撚力が大きく、ダブルラッセル機のクリールに仕掛け
た時、クリールからダブルラッセル機の間で撚りトルク
のためにスナルが発生し、円滑な編立てが困難となる。
【0005】かかる問題は、糸の蒸気処理により解決が
図られており、蒸気処理釜内に合成繊維から成るサイロ
スパン紡績糸又は単糸紡績糸の巻き層を装填して、蒸気
処理釜内の圧力を大気圧以下に減圧し、次いで蒸気を糸
巻き層を貫いて流通せしめる方法が知られている。しか
しながら、例えば密閉型蒸気処理釜内に2.5kg巻き
のコーン(アクリル短繊維からなるサイロスパン紡績
糸)を装填し、これを密閉し、まず真空ポンプを作動さ
せて処理釜内の圧力を40mmHgまで減圧し、この状
態を10分間継続し、次に真空ポンプを停止し処理釜内
に飽和水蒸気を送入し、糸巻き層に蒸気を流通し、60
℃で25分蒸熱処理した場合には、糸巻き層の内外層の
温度差は20℃以上となり、糸巻き層の内外層において
セット斑が発生する。このセット斑のある糸をパイル糸
として用いて例えば経編地を形成した場合、中央でパイ
ル糸をカットする時と染色する際に撚の解除に斑が発生
し、毛布原布又は毛布に縦筋が発生するという問題があ
った。
【0006】本発明者等は上述の問題点に鑑み、糸の蒸
気処理方法について鋭意研究した結果、蒸気処理釜内の
圧力を大気圧以下に減圧し、次いで蒸気を糸巻き層を貫
いて流通せしめる工程を2回以上繰り返すことによりセ
ット斑がなくなることを知見し、本発明をこの知見に基
いてなしたものである。
【0007】即ち、本発明の目的は上記の問題点を解決
し、セット斑のない高品位な糸を提供しうる糸の蒸気処
理方法提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、密閉蒸気
処理釜内に合成繊維から成るサイロスパン紡績糸又は単
糸紡績糸の巻き層を装填して蒸気処理するに際し、まず
上記蒸気処理釜内の圧力を大気圧以下に減圧し、次いで
蒸気を上記糸巻き層を貫いて流通させる工程を2回以上
繰り返して行うことを特徴とする糸の蒸気処理方法によ
り達成される。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明において合成繊維とは、たとえばポ
リエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレー
ト,ポリオキシエトキシベンゾエート,ポリエチレンナ
フタレート,シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト,及びこれ等のポリエステルに付加的成分として更に
イソフタル酸,アジピン酸,スルホイソフタル酸のよう
なジカルボン酸成分、プロピレングリコール,ブチレン
グリコール,シクロヘキサンジメタノール,ジエチレン
グリコールの様なジオール成分を共重合したポリエステ
ル;6−ナイロン、6,6−ナイロン、芳香族ナイロン
等のポリアミド;ポリプロピレン;アクリロニトリルを
40重量%以上と、他のビニル系モノマー、例えば、ア
クリル酸,メタクリル酸,あるいはこれらのアルキルエ
ステル類,酢酸ビニル,塩化ビニル,塩化ビニリデン,
アリルスルホン酸ソーダ,メタリルスルホン酸ソーダ,
ビニルスルホン酸ソーダ,スチレンスルホン酸ソーダ,
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソ
ーダ等を適宜組み合わせたものを60重量%以下の割合
で共重合させたアクリル等が挙げられる。
【0011】本発明においてサイロスパン紡績糸とは、
特開昭57−51824号公報に記載の方法で紡績され
た糸であって、その方法の概要を図2及び図3を用いて
簡単に説明する。両図はこのサイロスパン紡績法を実施
する装置であって、(1a)は通常の精紡機のドラフト
域(2)に位置するフロントボトムローラー、(1b)
は同じくフトントトップローラーである。然して、異な
る走行路を経てローラードラフト域(2)に導入した2
本の繊維束(粗糸)(3a),(3b)は、このドラフ
ト域(2)でドラフト作用を受けて平行走行する2本の
フリースとなり、前記フロントボトムローラー(1a)
のニップ点を出た直後にリングトラベラー機構(4)の
撚転作用を受けて合撚糸(5)の形でボビン(6)に巻
き取られるのである。
【0012】本発明において巻き層とは、円錐状ボビン
や円筒状ボビン等に上記のサイロスパン紡績糸や一般公
知の単糸紡績糸を巻きつけた状態のものをいう。
【0013】本発明においては、かかる合成繊維から成
るサイロスパン紡績糸又は単糸紡績糸の巻き層を蒸気処
理釜内に装填し、蒸気で熱セットするに際し、まず、蒸
気処理釜内の圧力を大気圧以下に減圧し、次いで蒸気を
糸巻き層を貫いて流通せしめる工程を2回以上繰り返し
て行うことを肝要とする。蒸気処理釜内の圧力を大気圧
以下に減圧し、次いで蒸気を糸層を貫いて流通せしめる
工程が1回であると、前述したように糸巻き層の内外層
の温度差が大きく、セット斑が発生するからである。
【0014】蒸気処理釜内の圧力、即ち残留空気圧は1
回目及び2回目以降共に160mmHg以下であること
が好ましい。残留空気圧が160mmHgを越えると空
気と蒸気の置換が困難となるからである。また蒸気を巻
層を貫いて流通せしめる温度は1回目及び2回目以降共
に50℃以上、80℃以下が好ましく、特に50℃以
上、70℃以下が好ましい。50℃未満であるとセット
効果が少なく、80℃を越えると低収縮糸と高収縮糸が
混紡されてなる紡績糸等の場合嵩高性が発現するからで
ある。また蒸気を糸層を貫いて流通せしめる時間は5〜
20分程度で良い。
【0015】
【作用】例えば、アクリル繊維の公定水分率は50%で
平衡蒸気圧は数mmHgであり、例えば通常の真空ポン
プの性能の限度である50mmHg程度の残留空気圧に
なるように減圧した場合には40mmHg程度の空気が
残留するようになる。この状態で蒸気処理を行うと蒸気
は糸巻き層にあたって凝縮し、空気は後から入ってくる
蒸気により内部に押し込められ、内部は空気圧が高くな
り蒸気圧が低くなり、糸巻き層の内外層に温度差が生じ
るようになる。しかしながら、再度蒸気処理釜内を減圧
すると糸巻き層内の蒸気圧はかなり高くなっているので
糸巻き層の空気は容易に排除されるようになる。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施態様を実施例をもって更に
詳しく説明する。
【0017】実施例1 4インチバイアスカットのアクリル短繊維を前紡工程に
て1.4ゲレンの粗糸となし、かかる粗糸2本を引き揃
えてチーズに捲取り、精紡工程用の粗糸玉を作製した。
次に、該粗糸玉を精紡機のクリールに仕掛け引き出した
2本1組の粗糸を単一のドラフト域に供給して図1に示
す精紡機を用いて16番手(梳毛式)の合撚糸を得、次
いで2.5kg巻きのコーンに仕立てた。
【0018】かかるコーンを4段積みで800kg密閉
型蒸気処理釜内に装填し、これを密閉した。まず真空ポ
ンプを作動させて処理釜内の圧力を40mmHgまで減
圧し、この状態を7分間継続し、次に真空ポンプを停止
し処理釜内に飽和水蒸気を送入し、コーン巻き層に蒸気
を流通し、60℃で15分間蒸熱処理した。
【0019】次いで、真空ポンプを作動させて処理釜内
の圧力を180mmHgまで減圧しこの状態を7分間継
続し、次に真空ポンプを停止し処理釜内に飽和水蒸気を
送入し、コーンの巻き層に蒸気を流通し、60℃で15
分間蒸熱処理した。尚、この時のコーンの巻き層の内外
層の温度差は3℃以内であった。最後に真空ポンプを作
動させて処理釜内の圧力を80mmHgまで減圧しこの
状態を7分間継続し、処理釜内を常圧に戻してからコー
ンを取り出した。
【0020】かかるコーンの外層を取り除き500gの
小コーンを作り、2.5kgのコーンと500gのコー
ンを適宜混合して、ダブルラッセル機のクリールに仕掛
けた。これをパイル糸に用い、200デニール48フィ
ラメントのポリエステルフィラメント糸を鎖糸に、34
0デニール48フィラメントのポリエステルフィラメン
ト糸を挿入糸に用いて図4に示す編組織で両地組織を編
成した(16ゲージカールマイヤ機使用)。次いで、該
両地組織間の中央でパイル糸をカットして経編カットパ
イル生地を得た。かかる生地は染色,熱処理,乾燥を行
った後、5本シリンダー方式の針布起毛機に仕掛け解繊
処理を行い、シャーリングして実施例1の製品を得た。
【0021】比較例1 実施例1において2回目の減圧処理(80mmHgまで
減圧)及び2回目の蒸熱処理を施こさなかった他は実施
例1と同様の処理を行ない比較例1の製品を得た。尚第
1回目の蒸熱処理後のコーンの巻き層の内外層の温度差
は23℃であった。
【0022】実施例1で得られた製品は、表面が均一で
経筋の発生は見られなかったが、比較例1で得られた製
品は、表面が不均一で経筋が強度に発生したものであっ
た。また実施例1においてはカールマイヤ機で編立てす
る場合に編立中にスナルが発生しなかったが、比較例1
においてはスナルが発生し、数多くの停台が発生した。
【0023】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明方法によれば
糸の蒸気処理工程において、短時間で均一な熱セットを
施すことが可能となり、例えばかかる蒸気処理した糸を
パイル糸として用いて経編地を形成した場合に、編立中
にスナルが発生せず、停台が少なく生産性の向上という
効果を奏する。またかかる経編地のパイル糸を中央で、
カットする時や染色する際に撚の解除に斑が発生しない
ので、毛布原布又は毛布等に縦筋が発生することがなく
品質の向上という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】カットパイル専用のダブルラッセル機の主要部
の側面図である。
【図2】サイロスパン紡績糸の紡績方法を示す説明図で
ある。
【図3】サイロスパン紡績糸の紡績方法を示す説明図で
ある。
【図4】本発明実施例のカットパイル生地のラッピング
状態を分解して示す編組織図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−289168(JP,A) 特開 昭57−21558(JP,A) 特開 昭49−6272(JP,A) 特開 平3−8863(JP,A) 特開 昭47−14483(JP,A) 特公 昭47−42547(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06B 5/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉蒸気処理釜内に合成繊維から成るサ
    イロスパン紡績糸又は単糸紡績糸の巻き層を装填して蒸
    気処理するに際し、まず上記蒸気処理釜内の圧力を大気
    圧以下に減圧し、次いで蒸気を上記糸巻き層を貫いて流
    通させる工程を2回以上繰り返して行うことを特徴とす
    る糸の蒸気処理方法。
JP1691493A 1993-01-06 1993-01-06 糸の蒸気処理方法 Expired - Fee Related JP2942432B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1691493A JP2942432B2 (ja) 1993-01-06 1993-01-06 糸の蒸気処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1691493A JP2942432B2 (ja) 1993-01-06 1993-01-06 糸の蒸気処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06200467A JPH06200467A (ja) 1994-07-19
JP2942432B2 true JP2942432B2 (ja) 1999-08-30

Family

ID=11929408

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1691493A Expired - Fee Related JP2942432B2 (ja) 1993-01-06 1993-01-06 糸の蒸気処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2942432B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06200467A (ja) 1994-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8276358B2 (en) Process of manufacturing ultra-soft yarn and fabric thereof
US2414800A (en) Method of producing regenerated cellulose textile material
JP4261268B2 (ja) 合撚紡績糸の製造方法
JPH0931781A (ja) 中空状撚糸とその製造方法及び布帛
JP2942432B2 (ja) 糸の蒸気処理方法
JPH01174625A (ja) 扁平状紡績糸の製造方法
JP2744480B2 (ja) 毛布等の経編立毛生地の製造方法
JPS6245009Y2 (ja)
JPH08209507A (ja) 濃淡の模様を有する経編立毛生地及びその製造方法
JPS62282053A (ja) 毛布等の経編立毛生地およびその製造方法
JPH08337937A (ja) スパン糸のような毛羽を有するフィラメント加工糸およびその製造方法
JPS6260490B2 (ja)
JPH11217741A (ja) 複合結束紡績糸及びその製造方法並びに織編物
JP2829060B2 (ja) 複合紡績糸及びその製造方法
JPH07292548A (ja) 経編編成によるカットパイル生地の編成方法
JP2666234B2 (ja) 経編立毛生地の製造方法
JPH034652B2 (ja)
JPS59116435A (ja) 複合加工糸の製造方法
US20110059288A1 (en) Flannel sheeting fabric for use in home textiles
JPS6245008Y2 (ja)
JPS6346174B2 (ja)
JPS5943573B2 (ja) ジヨ−ゼツト調編織物
JP2000256930A (ja) 毛羽を有するフィラメント縫糸の製造方法
JP3059655B2 (ja) ポリエステル系混繊糸
JPS61296135A (ja) 太デニ−ル混複合糸

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees