JP2940663B2 - ステージの縦横移動旋回支持機構 - Google Patents

ステージの縦横移動旋回支持機構

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は精密測定器具、精密
加工機構、精密位置決め装置等に使用される、ステージ
の縦横移動旋回支持機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ステージを縦横方向に移動可能に
構成した、いわゆるX−Y移動テーブルにおいては、左
右一対の直動案内軸受と一つの送りねじ機構により一方
向に移動可能に構成した一軸移動機構の2組を、その移
動方向が直交するように上下に重ねて組み合わせること
により、上述した移動を可能に構成しており、これに旋
回機構を組み合わせることにより縦横移動と旋回を可能
としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような構成では、
a.支持台からステージまでの高さが高くなって、不安
定である、b.機構の占有スペースが大きい、c.組立
て工数がかかる、d.組立精度を確保するのが比較的難
しい、等々の課題がある。
【0004】このような課題を解決するために種々の工
夫がされつつあり、例えば特開平1−242989号公
報に記載のものでは、縦、横移動機構及び旋回機構を、
夫々の機構の組合せでなく構成している。
【0005】
【発明の目的】本発明では、このような構成を更に発展
させ、軽量で安価な縦横移動旋回支持機構を提供するこ
とを第1の目的とするものである。
【0006】また本発明では、ステージの中央部分に対
応する位置に機構部材を配置しないようにすることによ
り、このステージの中央部分を有効に利用し得るように
することを第2の目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明では、内側支持板と2つの外側支持板の
縁に、夫々の位置をずらして複数の凹部を構成し、2つ
の外側支持板を内側支持板の凹部の位置において結合部
材により結合することにより、内側支持板と、この内側
支持板を挟んで一体に結合した2つの外側支持板とを備
え、内側支持板と夫々の外側支持板間に保持部材に保持
したボールを介装して、内側支持板と外側支持板を平面
上で相対的に自由運動可能として、夫々内側支持板側と
外側支持板側を取付部とした支持ユニットを構成し、内
側支持板の取付部材は、一方側の外側支持板の凹部の位
置において突出させた構成とし、この支持ユニットを支
持台とステージ間に複数取付けて構成したステージの縦
横移動旋回支持機構を提案する。
【0008】そして本発明では、以上の構成において、
内側支持板側を支持台に取付け、外側支持板側をステー
ジに取付ける構成としたり、または逆に、内側支持板側
をステージに取付け、外側支持板側を支持台に取付ける
構成とすることができる。
【0009】そして本発明では、以上の構成において、
支持ユニットの形状を細長形状に構成することを提案す
る。
【0010】また本発明では、上記の構成において、少
なくともステージを枠状に形成して中央部に窓部を構成
し、枠部に複数の支持ユニットを設置することを提案す
る。そして、この場合、上述したように支持ユニットを
細長形状に構成した場合において、ステージの対向する
枠部に一対設置することを提案する。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1〜図5は本発明の実施の
形態の平面図で、符号1は支持台、2はこの支持台1上
に支持するステージ、3は支持台1とステージ2間に設
置して、ステージ2を縦横移動旋回可能に支持する支持
ユニットである。図1に示すように、ステージ2は枠状
に形成して、中央部に窓部4aを構成している。同様に
支持台1も枠状に形成して窓部4bを構成していて、こ
れらの窓部4a,4bにより貫通空間を構成している。
尚、支持台1の窓部4bはステージ2の窓部4aよりも
広く構成している。このような枠の形状は、図に示すよ
うに矩形枠とする他、方形枠、円形枠等、適宜である。
このような貫通空間ができることから、例えばステージ
2にマスク等を設置すると共に、貫通空間を隔てた適所
に露光部を構成する等の使用をすることができる。
【0012】次に本発明に適用する支持ユニット3の実
施の形態を、図2〜図4について説明する。この実施の
形態では、内側支持板26と外側支持板27a,27b
は帯板状とし、夫々の長手辺側に位置をずらして複数の
凹部28a,28bを構成している。即ち、外側支持板
27a,27bでは両端と中央に凹部28bを構成する
と共に、内側支持板26では両端と中央以外の2個所に
凹部28aを構成している。
【0013】このため、このような内側支持板26と外
側支持板27a,27bを重ねると、夫々の凹部28
a,28bは重ならずに交互に位置する。即ち、外側支
持板27a,27bの凹部28b以外の個所、即ち凸部
29bは内側支持板26の凹部28aに対応するので、
内側支持板26の両面側に対応する外側支持板27a,
27bの凸部19b間に、内側支持板26の凹部28a
を通して結合部材30により結合することができる。一
方、内側支持板26の凸部29aは外側支持板27bの
凹部28bに対応するので、上記凸部29aから外側支
持板27bの凹部28bを通して内側支持板26の取付
部材31を突出させることができる。
【0014】以上のように内側支持板26の両面側の外
側支持板27a,27bを結合部材30により結合する
に際して、内側支持板26と外側支持板27a,27b
間に保持部材32に保持したボール33を介装すること
により、内側支持板26と外側支持板27a,27bを
平面上で相対的に自由運動可能とすることができる。
尚、保持部材32には遊び孔35を形成すると共に内側
支持板26と外側支持板27a,27b間には遊び孔3
5内を通るストッパー34を設けており、このストッパ
ー34と遊び孔35が自由運動のストロークを規定す
る。従って、この遊び孔35の寸法を適宜設計すること
により、自由運動のストロークを調節することができ
る。
【0015】以上の構成において、内側支持板26の取
付部材31を支持台1の枠部に取り付けると共に、上側
の外側支持板27aをステージ2の枠部に取り付けるこ
とにより、支持台1上にステージ2を支持することがで
きる。例えば図1は、細長形状の支持ユニット3におい
てステージの縦横移動旋回支持機構を構成する場合の、
支持ユニット3の配置の実施の形態を示すもので、図1
に示すようにステージ2及び支持台1を枠状に構成した
ものにおいて、それらの対向する枠部に一対設置するこ
とにより、ステージ2の荷重を支えることができ、構成
が簡素化されて組立てが非常に簡単になると共に軽量化
が図れる。
【0016】こうして、ステージ2と支持台1間に、適
宜の駆動機構を構成することにより、ステージ2を支持
台1に対して所定の縦横移動旋回を行うことができる。
このような駆動機構は、例えば上述した特開平1−24
2989号公報に記載のもの等、適宜の駆動機構を利用
することができる。
【0017】そこで、駆動機構の実施の形態を説明する
と、図1において、符号11は直動軸受であり、レール
12をステージ2の枠部の軸方向と直交する方向に設置
すると共に、このレール12に軸受本体13を直線移動
可能に保持している。レール12は、概ね、支持ユニッ
ト3間のステージ2の枠部、即ち、両端に支持ユニット
3を設置している辺の中間と、この辺に隣接する辺の夫
々に設置しており、図中下側のレール12と左右側のレ
ール12は直交している。そして夫々において軸受本体
13はヒンジ部14を介してリニアアクチュエータ15
の作動ロッド16に固定しており、リニアアクチュエー
タ15の基部は支持台1の枠部に固定している。
【0018】以上の構成において、例えば図1の状態で
下側の直動軸受11を駆動するリニアアクチュエータ1
5の作動ロッド16を伸長すると、軸受本体13はレー
ル12を介してステージ2を図中左方向に押し、この方
向は左右側のレール12の移動方向であるので、ステー
ジ2は図中左方向に移動する。逆に、下側のリニアアク
チュエータ15の作動ロッド16を短縮すると、軸受本
体13はレール12を介してステージ2を引っ張り、ス
テージ2は図中右方向に移動する。
【0019】次に、図1において図中下側の直動軸受1
1のリニアアクチュエータ15はそのままで、左右側の
リニアアクチュエータ15の作動ロッド16を等量同方
向、即ち図中下方向又は上方向に移動すると、下側のレ
ール12が軸受本体13に対して移動してステージ2は
下方に移動する。
【0020】次に、図中下側の直動軸受11のリニアア
クチュエータ15はそのままで、左側の直動軸受11の
リニアアクチュエータ15の作動ロッド16を伸長させ
ると共に、右側の直動軸受11のリニアアクチュエータ
15の作動ロッド16を短縮させると、ステージ2は図
中時計方向に旋回する。この際の各部材間の距離の変化
は、各ヒンジ部14の回りの回動と、各軸受本体13に
対する各レール12の移動により吸収するため、機構上
の不都合は起こらない。
【0021】以上の構成において、支持ユニット3は、
図1に示すように対向位置に一対構成する他、夫々の枠
部の一辺の両端と、対向する辺の中間の3個所に設置し
て、いわゆる3点支持式に支持することもできる。勿
論、支持ユニット3の設置数は、支持台1やステージ2
の形状や大きさ等に応じて適宜に設定することができ
る。また図の構成とは逆に、図示は省略するが、内側支
持板26の取付部材31をステージ2の枠部に取付ける
と共に、外側支持板6を支持台1の枠部に取り付けるこ
とにより支持台1上にステージ2を支持することもでき
る。
【0022】
【発明の効果】本発明は、以上のとおりであるので、次
のような効果がある。a. 縦、横移動機構と旋回支持機構を上下に重ねて組み
合わせずにステージの縦横移動旋回支持機構を構成する
ことができる。b. 縦横移動旋回させるステージは枠状に構成すること
ができるので、機構の軽量化を図ることができる。c. 枠状のステージにより、縦横移動旋回可能な支持部
材や駆動部材に邪魔されない貫通空間を構成することが
できるので、この貫通空間を通した露光等、貫通空間を
有効に利用することができる。d. 精密加工を必要とする支持ユニットの小型化を図
れ、加工が容易となる。e. 支持ユニットを細長形状に構成して、長さ方向のス
トロークを大きくすることが可能である。f. 支持ユニットを細長形状に構成したものでは、最少
2つの設置により枠状のステージを自由運動可能に支持
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の支持機構の平面図である。
【図2】 支持ユニットの更に他の実施の形態の斜視図
である。
【図3】 図2の支持ユニットの平面図である。
【図4】 図2の支持ユニットの正面図である。
【図5】 図2の支持ユニットの側面図である。
【符号の説明】
1 支持台 2 ステージ 3 支持ユニット 4a,4b 窓部 26 内側支持板 27a,27b 外側支持板 28a,28b 凹部 29a,29b 凸部 30 結合部材 31 取付部材 32 保持部材 33 ボール 34 ストッパー 35 遊び孔
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23Q 1/00 - 1/76 B23Q 5/22 B23Q 5/34 G12B 5/00 H01L 21/68

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側支持板と2つの外側支持板の縁に、
    夫々の位置をずらして複数の凹部を構成し、2つの外側
    支持板を内側支持板の凹部の位置において結合部材によ
    り結合することにより、内側支持板と、この内側支持板
    を挟んで一体に結合した2つの外側支持板とを備え、内
    側支持板と夫々の外側支持板間に保持部材に保持したボ
    ールを介装して、内側支持板と外側支持板を平面上で相
    対的に自由運動可能として、夫々内側支持板側と外側支
    持板側を取付部とした支持ユニットを構成し、内側支持
    板の取付部材は、一方側の外側支持板の凹部の位置にお
    いて突出させた構成とし、この支持ユニットを支持台と
    ステージ間に複数取付けて構成したことを特徴とするス
    テージの縦横移動旋回支持機構
  2. 【請求項2】 内側支持板側を支持台に取付け、外側支
    持板側をステージに取付ける構成としたことを特徴とす
    る請求項1記載のステージの縦横移動旋回支持機構
  3. 【請求項3】 内側支持板側をステージに取付け、外側
    支持板側を支持台に取付ける構成としたことを特徴とす
    る請求項1記載のステージの縦横移動旋回支持機構
  4. 【請求項4】 支持ユニットを細長形状に構成したこと
    を特徴とする請求項1〜3までのいずれか1項に記載の
    ステージの縦横移動旋回支持機構
  5. 【請求項5】 少なくともステージを枠状に形成して中
    央部に窓部を構成し、枠部に複数の支持ユニットを設置
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載のステージの縦横移動旋回支持機構
  6. 【請求項6】 支持ユニットは細長形状に構成し、ステ
    ージの対向する枠部に一対設置したことを特徴とする請
    求項5記載のステージの縦横移動旋回支持機構
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