JP2938498B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2938498B2
JP2938498B2 JP2027246A JP2724690A JP2938498B2 JP 2938498 B2 JP2938498 B2 JP 2938498B2 JP 2027246 A JP2027246 A JP 2027246A JP 2724690 A JP2724690 A JP 2724690A JP 2938498 B2 JP2938498 B2 JP 2938498B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は原稿画像から得られる画像情報信号を、新規
な階調調整方式により変換処理し、階調の再現性に優れ
た複製画像を形成することができるインクジェットプリ
ンタに関する。
詳しくは、本発明は各種の原稿画像(本発明におい
て、記録紙上に複製しようとする全ての対象物が原稿画
像となる。本発明において留意しなければならない点
は、原稿画像とは、通常の意味での原稿画像、例えばモ
ノクロやカラーの写真画像やビデオ信号(TV)画像から
複製画像を製作しようとする場合、これら自体が原稿画
像となることはもとより、更にその元をなす静物や人物
などの被写体や被撮像体自体、即ち文字通り元になる画
像を原稿画像という場合がある点である。)から複製画
像を製作するに際して、原稿画像から真の画像情報値を
入手するようにし、これを特定の階調変換式を用いた階
調調整機構のもとで変換処理し、この階調変換された出
力信号に基づいて記録紙上に階調や色調の再現性に優れ
た複製画像を形成することができるインクジェットプリ
ンタに関するものである。
更に詳しくは、本発明のインクジェットプリンタは、
原稿編像から複製画像を製作するに際し、複製のための
画像情報値を各種の画像情報の入力媒体(例えば、写真
感光材料、あるいは二次元CCD、フォトマル、フォトダ
イオード、CCDなどの光電変換素子などが使用される。
本発明において、これらを総称して記録媒体という。)
のもとで記録や蓄積、あるいは処理することにより(本
発明において、原稿画像との対比で、これら記録媒体の
もとにある画像を記録媒体に記録された媒体画像、ある
いは単に媒体画像という。)入手するが、従来のように
媒体画像から濃度に相関した画像情報値を入手するので
はなく、原稿画像からは媒体画像を形成するために前記
した記録媒体に入力される光量に相関した画像情報値を
入手するようにし、かかる画像情報値を特定の階調変換
式のもとで変換処理する階調調整機構を有する、全く新
規なインクジェットプリンタである。
(従来技術) 写真のような連続階調を有する原稿画像から画像を複
製する場合、記録シートして感光紙を用いるものは原稿
のアナログ的処理(露光)により原稿に対応した連続階
調を有する画像が形成(銀塩写真記録)される。一方、
感光紙でなく普通紙に画像を記録するインクジェットプ
リンタ装置においては、アナログ的処理により画像形成
を行うことはできず、濃度階調(グラデーション)の再
現が難しく、特にカラー画像の複製の場合には前記した
濃度階調とともに色調(カラーバランス)の調整も容易
ではない。
このため、プリンタ装置における階調や色調の再現性
を改良する努力が盛んに行われている。インクジェット
プリンタにおける複製画像の形成は、印刷における写真
製版の連続階調から網点階調に変換する手法と同様に、
写真等の連続階調を有する原稿画像を光電走査などして
得られる濃度情報値を処理し、原稿画像に対応した階調
や色調をもつ画素の分布から成る画像を記録用紙上に形
成しようとするものである。
しかしながら、現在のプリンタ装置は、原稿画像から
得られる濃度情報値を濃度階調(グラデーション)の再
現のために処理する階調調整方式が非科学的であるた
め、満足のいく濃度階調及びそれにともなう色調の再現
性が得れていないのが現状である。
周知のように複製画像の濃度階調は画素の濃度表示方
式に依存する。
インクジェットプリンタの場合、画素の濃度階調を表
示する方法としてドットの大きさで画素の被覆率を変え
る方法(サイズ変調法)と、規定(同一大の)ドットの
配列数で画素の被覆率を変える方法(密度変調法)とが
ある。ところが、原稿画像をインクジェットプリンタに
より複製する場合、原稿画像上の所定の標本点(画素
押)の濃度情報値に対して、これに対応する複製画像上
の画素のドットの径の大小や密度等による被覆率、即ち
画素の濃度階調を規定する値(以下、画素の階調強度値
という。)をどのように設定すべきか、またそのような
画素の階調強度値を得るにはどのようにすべきかについ
て、科学的な検討がなされていないのが現状である。
即ち、原稿画像上の所定の画素の濃度情報値に対し
て、該画素に対応する複製画像上の画素に、どのような
画素の階調強度値を相関させるべきかということについ
て、科学的な相関式が開発されておらず、現状では、こ
れら機器メーカーが予め経験、勘あるいは限られた数の
固定条件に基づいて決定したものに依存せざるを得な
い。
そのため、機器メーカーが想定しなかった画質の原稿
画像、例えば非標準的な(露光オーバの明るすぎる原
稿、露光アンダーの暗すぎる原稿、ハイキーやローキー
の原稿、色カブリや退色した原稿など)カラーフィルム
原稿などの場合、階調や色調に優れた所望の複製画像を
得ることが極めて困難である。従って、標準的な画質を
もつ原稿は勿論のこと、前記した非標準的な原稿からで
も所望の画質の複製画像が得られ、かつ、原稿の画質を
任意に変更や修正(階調や色調の変更や修正)したりで
きるフレキシビリティのあるインクジェットプリンタを
開発することができないでいる。
これは、従来のインクジェットプリンタが、複製画像
を製作するうえで極めて重要な画像情報値である原稿画
像上の所定の画素の濃度情報値を、対応する複製画像上
の画素の階調強度値に科学的かつ合理的に変換させると
ができないでいることを意味するものである。
(発明が解決しようとする課題) 従来のプリンタ装置における上記した問題を生起させ
ている原因は、連続階調画像などの原稿画像から最終的
に画素の分布による複製画像を形成する際、その最初の
段階で、かつ重要な役割を果す画像の濃度階調の変換工
程に対する考え方にあると認められる。
即ち、原稿画像上の所定の画素の濃度情報値を、対応
する複製画像上の画素の階調強度値に変換する際、従来
の画像の階調変換技術が科学的に合理的な変換技術に基
づいて行なうというものでなく、専ら経験と勘に依存す
るものであったことにあると認められる。
本発明者らは、このような状況のもとにおいて、画像
形成工程の究極的な合理化と品質の優れた複製画像を製
作するためには、合理的な画像の階調変換技術を確立し
なければならないという基本的認識のもとに鋭意、研究
を重ねた。
その結果、インクジェットプリンタにより複製画像を
製作するに際して、画像の複製のために必須の画像情報
値として該プリンタの画像情報検出(読取)機構、より
具体的にはCCDなどの記録媒体に記録または蓄積された
媒体画像から入手される画像情報値を使用する従来の方
式にかえて、複製の真に対象となる物(原稿画像)の画
像情報値を入手するようにし、かつ、このようにして入
手された画像情報値を特定の階調変換式で処理して階調
強度値を求めるとき、極めて濃度階調の再現性に優れた
複製画像が製作されることを見出した。
前記したように、本発明においては、画像の複製のた
めに必須である画像情報値として、どのようなものを使
用するかを重要視しており、従来とは相違した画像情報
値を採用している。これを、複数の対象となる画像の観
点から明らかにするため、本発明においてはインクジェ
ットプリンタの画像情報入手機構を構成する記録媒体系
に複製対象物が記録ないし蓄積される前後を境目にし
て、 (i)複製の真に対象となる物を、媒体画像の元をなす
原稿画像あるいは実体画像といい(通常、原稿画像とい
われるが、本発明の特徴を強調するために、実体画像と
もいう。また、原稿画像を被写体や被撮像体とみなす場
合があるので、被写体ともいう。)、 (ii)該記録媒体に記録あるいは蓄積された物を、媒体
画像という。
即ち、本発明において濃度階調の変換に際して使用さ
れるべき原稿画像の画像情報値は、媒体画像から入手さ
れる濃度情報値(これは、後述するように濃度に相関し
た物理量であればいずれでもよく、最広義に解釈される
べきものである。)ではなく、各記録媒体の有する濃度
情報値と当該記録媒体に入射される原稿画像からの光量
に相関した画像情報値との関係を規定する特性曲線(以
下、本発明において、どのような記録媒体においても、
それぞれの記録媒体系が有する前記した特性曲線を濃度
特性曲線と総称する。)を介して求めた光量に相関した
画像情報値である。そして本発明により該光量に相関し
た画像情報値を特定の〈階調変換式〉により処理して階
調変換用の階調強度値とするとき、原稿画像(実体画
像、被写体)に忠実な画像特性はもとより、任意に画像
特性を変更した複製画像が得られる。
本発明において、前述したように原稿画像(実体画
像)とは、複製の真に対象となる画像をいい、複製画像
を製作するための画像情報を入手するときのプリンタ機
器内の画像情報検出(読取)機構を構成する各種の記録
媒体のもとにある媒体画像とは峻別される点に留意しな
ければならない。
本発明は、従来の各種の記録媒体上に記録された媒体
画像から入手される濃度情報値を重視した複製画像の製
作技術を改め、あくまでも複製の真の対象となるべき原
稿画像(実体画像)のもつ画像情報値、即ち原稿画像か
ら記録媒体系に入射される光量に相関した画像情報値を
重視するという全く新しいインクジェットプリンタによ
る複製画像の製作技術、特にその中核技術となる画像の
階調変換技術を提供しようとするものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明を概説すれば、本発明は、原稿画像の各画素の
濃度情報値を原稿画像が所定の記録媒体に記録された媒
体画像から入手し、該濃度情報値を階調調整機構で処理
し、該処理信号に基づいて、記録用紙上に1色または多
色の中間調を有する複製画像を形成するインクジェット
プリンタにおいて、 前記階調調整機構が、 (i)原稿画像の各画素の濃度情報値(Dn値)を、記録
媒体の濃度特性曲線を介して原稿画像から該記録媒体に
入射される光量に相関した画像情報値(Xn値)に変換
し、 (ii)更に、該光量に相関した画像情報値(Xn値)を、
下記〈階調変換式(1)〉により階調調整のための階調
強度値(y値)に変換すること、 を特徴とするインクジェットプリンタに関するものであ
る。
〈階調変換式(1)〉 以下、本発明の構成について詳しく説明する。
まず、本発明の理論的背景について言及し、本発明の
位置づけを明確にする。
なお、本発明の階調変換の理論は、複製画像の製作技
術として特に代表的な分野である印刷画像の製作時にお
ける階調変換の問題点に対応すべく開発されたので、印
刷画像の製作技術との関連で多くが説明される。しか
し、これは説明の便宜のためのものであり、もとよりイ
ンクジェットプリンタにおける階調変換に際しても同様
な問題点があることから、ここで説明される本発明の階
調変換の理論の価値がいささかも減じられるものではな
い。
本発明者らは、画像の階調変換技術に合理的な理論の
裏付けを行ない、かつ前記した各種の原稿画像からでも
調子(階調と色調)の再現性をもち、さらに進んで所望
の調子をもつ複製画像を合理的に製作するためには、複
製画像の作製において中核的な二つの要素技術、即ち階
調変換技術(gradation control)と色補正(修正)技
術(colour correction)のうち、色補正(修正)技術
の向上に先立ち、画像の各画素の濃度階調の変換(印刷
の製版技術における網点などのドットの大きさをかえる
こと(面積可変ドット)によって、または前記したよう
に規定ドットの配列状態をかえること(コンスタントド
ット)によって、あるいはドット自体の濃度を変えるこ
と(濃度可変ドット)によって、画素の濃度を複製画像
上に再現させることは周知のことである。)を合理的に
行なうことができる技術が重視されなければならないと
考えている。
前記した点は、代表的にはカラー印刷画像の製作など
に見られるごとく、複製画像の製作において科学的な解
析(マスキング方程式あるいはノイゲバウア方程式によ
る解析)が比較的に容易である色補正(修正)技術を画
像の濃度階調の変換技術よりも重視している従来技術に
対して、大きな反省をせまるものである。
そして、本発明者らは、原稿画像から複製画像を作製
するときに用いられる現在の画像の濃度階調の変換技術
が、原稿画像、例えば複製画像である印刷画像を作成す
るときのカラーフィルム原稿(原稿画像)について、そ
の最明部から最暗部に至る濃度特性を合理的に把握して
いないこと、及び原稿画像の濃度特性を1:1の忠実性を
もって複製画像に変換させるうえで不可欠な両画像(原
稿画像と複製画像)間の相関関係(階調変換式)の決定
に合理的な理論の裏付けがなく、専ら人間の経験と勘に
依存したままである、という基本認識をもっている。
このような基本認識のもとで、先に本発明者らは、画
像の階調変換技術を科学的、合理的なものとするために
特定の〈階調変換式〉を提案した(特開昭64−7770号公
報,特願昭63−1114599号,特願昭63−207326号,米国
特許第4,811,108号明細書)。
しかしながら、本発明者らのその後の研究において、
前記した特定の階調変換式のもとで行なう画像の階調変
換技術に一定の限界があることが見い出された。
この限界事項とは、複製画像の真の対象とすべきもの
は原稿画像(実体画像)であるべきところ、本発明者ら
の先の提案を含めて従来の階調変換技術においては、原
稿画像(実体画像)から複製のための画像情報を入手す
るために複製画像を製作するための機器の記録媒体系に
原稿画像を一端、記録し(即ち、媒体画像となし)、こ
こから入手される濃度情報値を手掛かりとして画像の階
調変換を行なっているということである。これでは、記
録媒体系の感光特性や光電変換特性に左右されてしま
い、原稿画像(実体画像)自体の画像情報値を利用して
いることにはならない。
これを、複製画像としてカラー印刷画像を製作する場
合を例に説明する。
カラーフイルム原稿は写真用感光材料という記録媒体
に静物や人物などの画像が撮影された、本発明でいう媒
体画像である。従って、カラーフィルム原稿(媒体画
像)から濃度情報値を検出して、これを画像の階調変換
に利用した場合、被写体(実体画像)の画像情報値を基
礎とするものでなくなる。即ち、従来のカラーフィルム
原稿(媒体画像)を用いた印刷画像の製作技術において
は、被写体から記録媒体である写真用感光材料(写真用
感光乳剤層)へ入射される光を所定の露光条件(周知の
ごとく、入射光の強さIと入射時間tの条件のとき、露
光量EはE=Itで表される。)で記録した写真画像の濃
度情報値を基礎として色分解作業(カラーセパレーショ
ン作業とは、前記したカラーコレクションとグラデーシ
ョンコントロールの両者を含むものである。)を行なっ
ている。
周知のように被写体が撮影された写真用感光材料には
現像により写真濃度(photographic density)が形成さ
れ、これが媒体画像となるものである。前記した写真濃
度(黒化度)と写真用感光材料の露光量Eの相関関係を
表す曲線が、写真濃度特性曲線(photographic charact
eristic curve)である。これは、縦軸に写真濃度
(D)(D=logIo/I)、横軸に露光量Eの対数値(log
E)をとって表示されるものである。なお、フィルムや
乾板(透過原稿)では透過光の強さIと入射光の強さIo
との比が、また印画紙(反射原稿)では反射光の強さI
と完全反射光の強さIoとの比が用いられることはいうま
でもないことである。
典型的な写真濃度特性曲線(以下、単に濃度特性曲線
という。)は、下に凸形状の足部、略直線状の直線部、
上に凸形状の肩部を有するかなり複雑な曲線(この点
は、後述する第1図を参照のこと。)となることは周知
のことである。
別言すれば、従来のカラー印刷画像を製作するときの
色分解技術は、前記濃度特性曲線の縦軸(濃度値)の立
場から繰み立てられた色分解技術であり、被写体から写
真用感光材料に入射される露光量(以下、本発明におい
ては後述するように露光量の絶対値を用いてもあるいは
相対値を用いてもよいことから、広義に「光量に相関し
た画像情報値」という。)、即ち前記濃度特性曲線の横
軸(光量に相関した画像情報値)の立場から組み立てら
れた色分解技術ではない。そして従来技術が色分解作業
の基礎とするカラー原稿画像の濃度情報値は、濃度特性
曲線の形状から明らかの如く被写体(実体画像)の光量
に相関した画像情報値と相違し、しかも露光条件や現像
条件などの与件の変化により両者の乖離の様相は千差万
別のものとなる。
すなわち、記録媒体である写真用感光乳材の特性に影
響されるため、媒体画像であるカラーフィルム原稿の濃
度情報値である写真濃度と被写体(実体画像、実景)の
光量に相関した画像情報値とを直線関係(例えば1:1の4
5゜の直線関係)で相関させることができない。
一方、人間の視覚においては、明暗に対する弁別特性
が対数的であることは周知のことであり、人間は被写体
(実体画像)より視覚系に入射される光量を前記した弁
別特性に基づいてその明暗を評価している。ここでは、
濃度変化の勾配が直線的(リニア)であるものを自然な
ものとして感じているのである。
従って、カラー印刷画像の製作において、写真用感光
材料に記録された媒体画像の濃度値(D=logIo/I)を
手掛かりに作業を進めると、それは写真用感光乳材の感
光特性に影響されたあとの濃度情報値を使用しているこ
とになり、複製の真の対象となる被写体(実体画像)の
光量に相関した画像情報値を使用していることにならな
い。
本発明者らは、前記した状況を踏まえて、各種の画像
の記録媒体(写真用感光乳材、あるいは二次元CCD、フ
ォトマル、フォトダイオード、CCDなどの光電変換素
子)の感光特性や光電変換特性によって既に影響されて
しまった媒体画像の濃度情報値を使用することなく、複
製の真に対象となる原稿画像(実体画像、被写体)から
得られる第1次の(生の、原初的な)光量に相関した画
像情報値を基礎として各種の複製画像を製作する方法に
ついて鋭意検討を加えた。
その結果、印刷画像の製作において、 (1)濃度特性曲線(写真濃度特性曲線)を使用するも
のの、縦軸(D=logIo/I)の値から横軸(log E)の値
を求め(以下、縦軸をD軸、横軸をX軸ともいう。)、
別言すれば濃度特性曲線上で規定される最明部から最暗
部に至るカラーフィルム原稿(媒体画像)のD軸上の濃
度情報値をX軸上に投影させ、 (2)よりく具体的には媒体画像上の任意の画素のD軸
上の濃度値(Dn)を該濃度特性曲線を介してX軸上に投
影して対応する画素の画像情報値(Xn)(X軸は写真濃
度特性曲線においては露光量の対数値を示すが、本発明
においてはその絶対値を用いてもあるいはD軸と同じス
ケーリングで読みとった相対値を用いても等しく有効で
あるため、前記したように、これを「被写体から記録媒
体に入者された光量に相関した画像情報値」、あるいは
単に「光量に相関した画像情報値」という。)を求め、
次いで、 (3)前記のようにして得られたXn値を基礎とし、かつ
本発明者らが先に提案した特定の〈階調変換式〉を運用
して該Xn値から網点面積%値を示す階調強度値を求め、
これにより網点の大きさを制御したとき、 被写体(実体画像)に忠実な画像特性を有する優れた印
刷画像が得られることを見い出した。
本発明のインクジェットプリンタに採用される階調変
換理論は、前記したごとく従来の媒体画像から入手され
る濃度情報値を重視したものでなく、複数の真の対象と
なる原稿画像(実体画像)の画像情報量(被写体から各
記録媒体に入射される光量に相関した画像情報値)を重
視した全く新しいものである。
次に、本発明の前記〈階調変換式(1)〉の導出法や
特質などについて説明する。
インクジェットプリンタにより形成される複製画像に
おいて、その複製画像を構成する基本的構成要素は、所
定の画素における階調強度値(これは前記したように形
成される複製画像上の画素においてドットの数や大きさ
により被覆される割合を示している)と画像の形成材料
(インク)の表面反射濃度との二つであり、このうち、
人間の視覚が例えば印刷画像における網点面積の大きさ
の1%の差異を濃度差として容易に識別する能力を持っ
ていることからわかるように、画像の形成手段として網
点面積の大きさと同じ関係にある階調強度値が極めて重
要な役割を果たす。即ち、ある所定のドットに注目し
て、そのドット上に塗布するインキの量の変化とドット
の大きさの変化が濃度階調に与える影響を調べてみる
と、後者の方が格段に大きく、階調強度値をどのように
設定すべきかは、極めて重要な問題である。そして、濃
度階調の再現性に優れている複製画像は、色調の再現性
においても優れたものであり、これは多くの事例で確認
することができる。
また前記したことと関連して、インクジェットプリン
タにより複製画像を製作しようとする場合、原稿画像の
品質内容が千差万別であること、画像の形成工程も多様
な特性を有するものであること、さらに、画像品質の評
価基準が一様でないことなどの背景を抱えており、これ
らの複雑、不安定要因を克服するメカニズムがインクジ
ェットプリンタの中にビルトインされていることが強く
望まれている。
このようなことから、連続階調画像などの原稿画像を
インクジェットプリンタにより中間調を有する記録画像
に変換するにあたって、最明部(H)の画素ブロックの
階調強度値(yh)と最暗部(S)の画素ブロックの階調
強度値(ys)とを任意に選択することができ、しかも最
明部(H)から最暗部(S)にいたる画像の濃度階調を
合理的かつ簡便に調整管理することができる手だてを設
けることが是非とも必要である。
このような考え方に立脚して案出したのが本発明の階
調の調整方法、具体的には前記〈階調交換式(1)〉で
規定される階調の調整方法である。
本発明者らは、連続階調のカラーフィルム原稿から網
点階調の印刷画像を製作するとき、合理的に階調の変換
(連続階調の網点階調への変換)を行わしめるために使
用する本発明の〈階調変換式(1)〉と同様の階調変換
式を先に提案したが(特開昭64−7770号,特願昭63−11
4599号参照)、その運用条件は本発明と全く相違するも
のである。
前記した網点階調の印刷画像を製作するときに用いら
れる網点面積パーセントの数値(y)を求める階調変換
式(これは、前記したように本発明の〈階調変換式
(1)〉と同様のものであるが、その運用条件が全く異
なるものである。)は、一般に認められる濃度公式(写
真濃度、光学濃度)、即ち、 を応用することによって誘導することができる。
この濃度Dに関する一般公式を、製版・印刷に適用す
ると次のようになる。
この製版・印刷に関する濃度式(D′)に、印刷画像
のH部とS部に所望の大きさの網点を任意に設定するこ
とを可能とし、かつ、連続階調画像上の任意の標本点に
おける基礎濃度値(x)と、これに対応した網点階調画
像上の標本点における網点の網点面積パーセントの数値
(y)とを合理的に関連づけるという要請を組込み、理
論値と実測値が近似的に合致するように誘導して得たも
のが、下式で示される〈階調交換式(2)〉である。
〈階調変換式(2)〉 前記〈階調変換式(2)〉を印刷画像を製作するとき
の階調変換に適用する場合、α,yH,yS,γ値を任意に選
びながら、原稿画像上の任意の画素の基礎濃度値(x)
から印刷画像上の対応した画素における網点の網点面積
パーセントの数値(y)を求めるように運用される。こ
れにより原稿画像(連続階調画像)の濃度階調を印刷画
像(網点階調画像)上に1:1に忠実に再現させることが
できるばかりでなく、所望の画質(所望の濃度階調や色
調を有するもの)の印刷画像を製作することができる。
尚、多色製版(一般にシアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロー(Y)、墨(BL)の4版で1組と考え
られている)の場合、基準となる版(多色製版の場合、
周知の如くシアン版(C)が基準の版となる。)の作業
基準特性曲線、即ち原稿画像の濃度情報値を印刷画像の
網点面積値に変換するための作業基準となる網点階調特
性曲線(前記したx値とy値をグラフ化して得られる曲
線で、これが連続階調を網点階調に変換するための基準
となるものである。)が決まれば、その他の色版の網点
階調特性曲線は、基準となった版のyの値に印刷インキ
各色のグレー・バランス比に基く適切な調整数値を乗ず
ることにより、常に、合理的に決めることが出来る。こ
のようにして決められた各色版の網点階調特性曲線は夫
々が合理的な特性曲線であることは勿論のこと、更には
それらの特性曲線間の階調および色調に係る相互関係も
また合理的かつ適切なものである。
即ち、網点階調の印刷画像を連続階調の原稿画像から
作成するとき、その階調変換を前記〈階調変換式
(2)〉に基づいて行うならば、従来の経験と勘に頼る
画像の階調変換方式から脱却して、任意かつ合理的に画
像の階調の変換を行うことができ、しいては階調と密接
不可分の関係にある色調についても合理的に調整するこ
とができる。これにより人間の視覚間隔によって自然な
濃度勾配、色調を有する印刷画像を得ることができる。
以上は、網点階調の印刷画像の製作を中心に説明して
きたが、前記した〈階調変換式(2)〉を使用する階調
の変換作業を支える理論はインクジェットプリンタによ
る複製画像の製作にも転用することができることはいう
までもないことである。
しかしながら、前記した〈階調変換式(2)〉を運用
して複製画像を製作する場合、濃度階調の変換は濃度情
報値を使用するものである。
これに対して、本発明のインクジェットプリンタによ
る複製画像の製作に適した階調変換においては、前記し
たようにより優れた濃度階調の変換を図るために、階調
変換時に採用すべき原稿画像(実体画像)の画像情報値
として、従来の濃度情報値を使用するかわりに光量に相
関した画像情報値を採用するものである。前記した従来
とは相違する本発明の階調変換を行なうために〈階調変
換式(2)〉の運用条件を整理すると、〈階調変換式
(1)〉になることはいうまでもないことである。
次に、本発明の前記〈階調変換式(1)〉の各項の意
味、運用面の特質などについて説明する。
本発明の前記〈階調変換式(1)〉の運用において、
原稿画像が所定の記録媒体に記録された媒体画像から基
礎光量値(x)を求めなければならない。前記したよう
に、基礎光量値(x)は原稿画像が記録されている記録
媒体の濃度特性曲線を介して、即ち原稿画像の所定の画
素の濃度情報値(Dn値)を手掛かりにして求められるも
のである。
本発明において、濃度情報値は原稿画像の各画素のも
っている濃度に関する物理量を反映するものであればい
ずれでも良く、最広義に解釈されるべきである。同義語
としては、反射濃度、透過濃度、輝度、電流・電圧値、
などがある。これらの濃度情報値は、原稿画像を光電走
査などして濃度情報信号として取り出せばよい。なお、
本発明の前記〈階調変換式(1)〉において、基礎光量
値(x)を濃度特性曲線の縦軸と同じスケーリングによ
り目盛った横軸の光量に相関した画像情報値から求め、
(例えば、ポジカラーフィルムの人物画として、縦軸に
おいて0.2〜2.70の濃度値をもつものなどがあるが、こ
れに対応した横軸の値を採用する。)、また、yH[最明
部(H)の画素ブロックに設定される階調強度値]とyS
[最暗部(S)の画素ブロックに設定される階調強度
値]にパーセント数値(例えば5%とか95%という画素
の被覆率)。を用いると、y値[原稿画像上の任意の画
素ブロックに対応する複製画像上の画素ブロックに設定
される階調強度値]はパーセント数値で算出される。
本発明の前記〈階調変換式(1)〉の運用において、
次のように変形して利用することはもとより、任意の加
工、変形、誘導するなどして使用することも自由であ
る。
y=yH+E(1−10-kH)(yS−yH) 但し、 前記の変形例は、α=1としたものである。これは、
記録用紙(基材)の表面反射率を100%としたものであ
る。αの値としては、印刷用紙を基準として濃度測定機
構の零点調整を行なうならば実務上1.0として構わな
い。
また、前記変形例(α=1.0)によれば、インクジェ
ットプリンタによる記録画像上の最明部HにyHを、最暗
部SにySを予定した通りに設定することができる。これ
は、記録画像上の最明部Hにおいてはx=0となるこ
と、また最暗部Sにおいてはx=[原稿画像濃度域]と
なること、即ち、 、従って−kX=−γとなることから明らかである。
本発明の前記〈階調変換式(1)〉の運用において、
α、β、γ(これは、前記したようにβ=10−γにより
β値を規定する。)の数値は種々の値をとる。本発明に
おいては、これらの数値を適宜選ぶことにより、原稿画
像の品質特性がどのようなものであれ画像の階調の変換
処理を合理的に行うことができる。
即ち、本発明の前記〈階調変換式(1)〉をベースと
した画像の階調の変換処理は、原稿画像の階調や色調の
再現、即ち原稿画像の調子を記録画像に1:1に再現させ
るうえで極めて有用であるが、その有用さはこれに限定
されるものではない。本発明の前記〈階調変換式
(1)〉は、原稿画像の特性を忠実に再現する以外に
も、該〈階調変換式(1)〉の性格から容易にわからな
いようにα、β、γ値、さらにはyH,yS値を適宜選択す
ることにより原稿画像の特性を合理的に変更したり修正
したりするうえで極めて有用な物である。なお〈階調変
換式(1)〉のパラメータのうち、特にγ値が原稿画像
の特性を調整(修正または変更を含む。)するうえで大
きな役割を果すことは、該〈階調変換式(1)〉を運用
してみれば容易にわかることである。
前記〈階調変換式(1)〉を使用して多色画像を形成
する場合、例えばカラーフィルム原稿を用いて複製画像
を製作する場合、印刷などの分野において周知の色分
解、即ち、カラー原稿からの反射光などをブルー
(B)、グリーン(G)、レッド(R)に分光させて各
色毎の濃度情報値(D値)を入手し、これを光量に相関
した画像情報値(X値)に変換し、更に前記〈階調変換
式(1)〉を用いた階調調整機構で処理し、この処理情
報値(y値)に基づいてインクジェットプリンタの記録
部を調整し画像を形成していけば良い。その際、基準と
なる色版(例えばC版)に関するy値、即ち基準となる
色版の階調特性曲線(y値を計算し、x値に対するy値
をプロットしていくと、前記した印刷技術における網点
階調特性曲線と同様の階調特性曲線が得られる。)を決
め、その他の色版(M版、Y版)の階調特性曲線は該基
準となる色版のy値に、各インクのグレー・バランス比
に基づく適切な調整数値を乗ずることにより合理的に決
めることができるので、これらの階調特性曲線を利用し
て画像を形成していけば良い。
前記のようにして決められた各色版についてのy値、
即ち各色版についての階調特性曲線は、〈階調変換式
(1)〉で規定されるため合理的な特性曲線であること
は勿論、それらの特性曲線間の階調及び色調に係る相互
関係も合理的かつ適切なものである。
次に、各記録媒体のもつ濃度特性曲線を利用して原稿
画像上の任意の画素の濃度情報値(D値)から、各記録
媒体に入射される対応する画素の光量に相関した画像情
報値(X値)を求める方法について説明する。
本発明において、原稿画像から階調変換のための画像
情報値、特に濃度情報値を入手するため、原稿画像は種
々の記録媒体、例えば写真用感光材料、あるいは二次元
CCD、フォトマル、フォトダイオードなどの光電変換素
子といった本発明でいう記録媒体に記録されて媒体画像
とされる。そして、前記媒体画像から入手した原稿画像
の各画素における濃度情報値(D値)は、各記録媒体の
もつ固有の濃度特性曲線(原稿画像の記録媒体系で読み
とられる濃度情報値と各記録媒体に入射される原稿画像
からの光量に相関する画像情報値との関係を規定する特
性曲線)を介して対応する画素の光量に相関した画像情
報値(X値)を求めなければならない。そのためには各
記録媒体の濃度特性曲線が正確にあるいは近似的に関数
化(数式化)されなければならない。
ここでは、記録媒体が写真用感光材料であるカラーフ
ィルム原稿(媒体画像)を用いたときを例にして、写真
濃度特性曲線(以下、単に濃度特性曲線という。)の数
式化法について説明するが、他の記録媒体の濃度特性曲
線の数式化も同様にして行えばよい。なお、カラーフィ
ルム原稿(媒体画像)を用いるとき、複製の真に対象と
なるもの(原稿画像)が、カラーフィルム原稿中に撮影
されている静物や人物などの被写体(実体画像)である
ことは前述した通りである。
写真濃度特性曲線として、第1図に示されるカラーフ
ィルム(フジクローム、富士写真フィルム社製)のもの
を使用した。なお、以下の数式化においては、多色製版
のうち基準となるC版用の階調特性曲線を設定すること
を前提としているため、第1図にはカラーフィルムのR
乳剤層の感光特性曲線(写真濃度特性曲線)が示されて
いる。従って、他の色版(M版、Y版)に対してはG,B
乳剤層の感光特性曲線(写真濃度特性曲線)も利用でき
ることはいうまでもないことである。
写真濃度特性曲線の数式化にあたっては適宜の方法に
より数式化すればよく、何等の制限を受けるものではな
い。
例えば、縦軸=D=logIo/I,横軸=X(但し、X軸の
目盛りスケールをD軸と一致させるようにした。)と
し、a,b,c,d,fを常数とすれば、 (イ)濃度特性曲線の足の部分(下に凸形状のところ
で、D値が小さい領域) D=a・bc・(X+d)+e+f (ロ)略直線状の部分(略直線状のところで、D値が中
間値の領域) D=a・X+b または D=a・X2+bX+c (ハ)肩の部分(上に凸形状のところで、D値が大きい
領域) D=a・log{b+(X+c)}+d などで数式化すればよい。
第1表に、第1図に示される濃度特性曲線を数式化し
た内容を示す。第1表には、可能な限り正確に濃度特性
曲線を数式化するために、数式化区分を複数としてい
る。
本発明においては、第1図に示されるようにカラーフ
ィルム原稿(媒体画像)の濃度値を示すD軸の目盛と、
被写体(実体画像)のlogEで示される画像情報値を示す
X軸の目盛が同一であるとしてDとXの関数化が行なわ
れた。
これは、次の観点から行なった一種の相対化(擬制)
であり、本発明者らにおいて合理的なものと考えてい
る。
即ち、本来、写真濃度特性曲線においては、X軸には
露光量Eの対数値(log E=log I×t)が位置づけられ
ること、これが視覚の明暗に対する弁別特性が対数的に
評価してリニア(直線性、線形)なものとしていること
に対応すること、以上の点からみて前記したD軸とX軸
のスケーリングを同一のものにするという相対比(擬
制)は合理的なものであると考える。後述する実施例で
示されるように、この相対比(擬制)のもとにおいても
画像の階調変換において優れた結果を得ることができ
る。なお、本発明において上記の目盛りづけは一種の簡
便法であり、これに限定されないということはいうまで
もないことである。
本発明は、前記したように被写体(実体画像)の各画
素の有するD軸で表わされる濃度情報値(Dn値)を基礎
とするのでなく、X軸で表わされる光量に相関した画像
情報値(Xn値)を基礎とするものである。そして、濃度
特性曲線が第1表に示されるようにDn値とXn値とはX=
f(D)の間数式により相関されているため、容易にDn
値からXn値を求めることができる。
以上のようにして、被写体(実体画像)から写真感光
乳材層へ入射される光量に相関した画像情報値(Xn値)
を容易に得ることができる。
次いで、このようにして合理的に求めた原稿画像(媒
体画像)の各画素におけるXn値を前記〈階調変換式
(1)〉を使用して、各画素に対応するy値を求めるこ
とができる。
本発明において、該Xn値を表示するX軸(横軸)、y
値を表示する縦軸の直交座標系に、Xn値対応するy値を
プロットすると、階調特性曲線が得られることは前記し
た通りである。本発明を従来技術と区別するために、該
階調特性曲線をX軸色分解カーブと称し、従来のD軸上
の濃度情報値を重視するものをD軸色分解カーブとい
う。
前記した本発明により得られるX軸分解カーブと従来
のD軸色分解カーブの特徴について説明する。
本発明の〈階調変換式(1)〉を一定の条件、即ち
α,yH,yS,γ値をそれぞれ一定として運用し、かつ原稿
画像として画質が相違している(即ち各原稿の濃度レン
ジや濃度情報値が相違している)複製の原稿画像を使用
して夫々のX軸色分解カーブ(階調特性曲線)を求める
とき、得られる夫々のX軸色分解カーブ(階調特性曲
線)は、最終製品である複製画像のH部からS部に至る
y値の配列状態が全て相対的に同じ関係にするという特
質を有する。これは極めて重要な本発明の特徴である。
別言すれば、後述する実施例で示されるように、各原稿
画像のX軸上の光量に相関した画像情報値(X値)のレ
ンジが相違していても(これは、原稿画像の濃度レンジ
が相違すれば当然のことである。)所定の同一のX軸レ
ンジに調整すると、本発明により得られるX軸色分解カ
ーブ(階調特性曲線)は一本(唯一のもの)に収れんす
るということである。従って、夫々のX軸色分解カーブ
(階調特性曲線)から、例えば網点の配列状態(y値を
網点面積%値に対応させたとき)からみて最終的に複製
画像としてどのような画質のものが得られるか、校正刷
をしなくても事前に正しく評価することができる。
これに対して、D軸色分解カーブにおいては、夫々の
画質に対応した曲線が得られるため、夫々を校正刷しな
いと所定の階調変換が行なわれたか否かを正確に判断す
ることができない関係にある。
上記の点と関連して、本発明〈階調変換式(1)〉の
性格上、α,yH,yS,γ値を任意に変えることにより(特
にγ値を変えることにより)、合理的に階調特性曲線の
形状を変更することができること、即ち階調の変換作業
を管理する作業者は複製画像の階調を任意に所望するも
のに調整(修正、変更)することができること、という
極めて重要な特質を有するものであり、該X軸色分解カ
ーブのもとで階調の変換作業を合理的に管理することが
できる。
以上、本発明のインクジェットプリンタにおける中枢
機構である画像の階調調整機構がもつべき特徴、特質に
ついて、主に印刷画像の製作を例にとり説明してきた
が、(モノクロまたはカラー)スキャナによる印刷画像
の製作法とインクジェットプリンタによる複製画像の製
作法に実質的な差異はない。
ただ、インクジェットプリンタにおいては、原稿画像
が写真用感光材料に記録されたもの(特にネガタイプの
もの)となることがまれであり、印刷原稿や写真(ポ
ジ)などが複製の真に対象となるものであり(実体画
像)、これらがプリンタ系の濃度情報読取機構(CCDな
どの記録媒体系)に記録ないし蓄積されて媒体画像を形
成し(勿論、一過性のものであってもよいことはいうま
でもないことである。)、ここから入手される濃度情報
値をベースにして複製画像が製作されている。
この種の記録媒体として機器の種々により各種のも
の、例えば二次元CCD、フォトマル、フォトダイオー
ド、CCDなどの光電変換素子が使用されるが、これらの
記録媒体は、前記した写真用感光材料と同様に原稿画像
から、これら記録媒体系に入射される光量に相関した画
像情報値により結像(撮像)するものである。これらの
記録媒体は本発明でいうところの固有の濃度特性曲線
(光電変換特性曲線)を有しているので、これらの記録
媒体に記録されている媒体画像から複製画像を製作する
に際して、前記カラーフィルム原稿と同様に濃度特性曲
線(光電変換特性曲線)を利用して基礎光量値(X)を
求め、次いで〈階調変換式(1)〉により階調変換を行
なうようにすればよい。
一方、本発明のインクジェットプリンタにおいて、複
製(コピー)の対象物として、写真用感光材料(本発明
でいう記録媒体)に記録されたカラーフィルム原稿(ネ
ガタイプ)を使用することができる。このような場合、
インクジェットプリンタの濃度測定機構(例えばCCD構
成)より入手される濃度情報値を光量に相関した画像情
報値に変換するに際して、CCDの光電変換特性曲線を用
いるのか、あるいは写真濃度特性曲線を用いるのかが問
題になるが、いずれかにより光量に相関した画像情報値
を求めればよい。しかし、モノクロまたはカラーフィル
ム原稿の場合、複製(コピー)の真に対象となるもの、
即ち写真用感光材料という記録媒体に記録されている媒
体画像の元になる被写体(実体画像)により近い被写物
を製作使用とするならば、写真濃度特性曲線を用いた方
がよい。同様のことが、ビデオ(TV)画像、即ちCRT上
に映像されている、例えば製紙画像を複製の対象とする
場合、映像画像は媒体画像(この場合、所定の撮像素子
が記録媒体となっている。)であるが、該媒体画像から
元になる被撮像体(実体画像)に近い複製物を製作しよ
うとするときにもいえることである。
なお、本発明により複製画像を製作する場合、前記し
た記録媒体系を構成するフォトダイオードやCCDなどの
記録媒体として、これらの記録媒体の有する固有の濃度
特性曲線(光電変換特性曲線)が規定できれば、既存の
記録媒体で十分であり、これにより階調(濃度階調や色
調)に優れた複製画像が製作される。即ち、高画質の複
製画像を製作しようとして、各種の記録媒体の特性(感
光特性や光電変換特性)を改善する努力が栄んになされ
ているが、本発明により複製画像を製作する場合、必ず
しも各種の記録媒体の高級化、高性能性が要求されず既
存の性能(特性)のもので十分である。これは、本発明
のインクジェットプリンタに組込まれる階調変換法によ
るものであり、本発明の他の特徴をなすものである。
以上、説明したように、本発明のインクジェットプリ
ンタにより複製画像を形成する場合、その階調調整機構
部に、前記〈階調変換式(1)〉に基づいて階調変換を
行うハードまたはソフトを組込むことにより、階調はも
とより色調の再現に優れた記録画像、あるいは原稿画像
の画質を任意に修正または変更した記録画像を得ること
ができる。その際、〈階調変換式(1)〉の演算処理に
よって得られる階調強度値(y値)をインクジェットプ
リンタの出力形態に適した濃度表示方式(サイズ変調
法、密度変調法)に対応させればよいことはいうまでも
ないことである。
(実施例) 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明する
が、本発明はこれら実施例のものに限定されるものでは
ない。
本発明にいおいては、インクジェットプリンタによる
複製画像の製作において中核的な画像の階調変換を前記
〈階調変換式(1)〉のもとで行なわせることに最大の
特徴を有する。従って、まず最終製品である複製画像の
品質を決定づける色分解カーブ(階調特性曲線)の設定
例について説明する。ここでは本発明のX軸色分解カー
ブと従来のD軸色分解カーブの設定例とその相違点を明
確にする。次いで本発明の〈階調変換式(1)〉に基づ
いて階調変換を行うハードまたはソフトを組込んだ階調
調整機構部を有するインクジェットプリンタ装置につい
て説明する。
実施例1(X軸色分解カーブの設定) 1.実験に使用した濃度特性曲線 濃度特性曲線として第1図(D−X直交座標系)に示
されるもの(F社製、フジクローム)を使用した。第1
図においてD軸(縦軸)はカラー原稿画像の濃度値を表
示する。一方、X軸は一般の濃度特性曲線においては露
光量(logE=logI×t)を示すが、ここではD軸と同じ
スケーリングで数値化した。また、該濃度特製曲線の関
数式は第1表(1)に記載されたものを使用した。
2.実験用原稿画像 カラーフィルム原稿(媒体画像)の画質は、一般的に
写真撮影時の露光条件などにより標準的なもの(適性露
光)、非標準的なもの(オーバー/アンダー露光)など
千差万別である。これら千差万別のカラーフィルム原稿
に対して本発明が合理的に対応できるかどうかを検証す
るために、カラーフィルム原稿の濃度レンジ(Density
Range=DR)が相違するもの(D軸における濃度レンジ
が相違するもの)について実験した。
3.X軸色分解カーブの設定用データの計算 第1図の濃度特性曲線、第1表(1)の濃度特性曲線
の関数式を用いて、各種カラーフィルム原稿(媒体画
像)のD軸上のDn値をX軸上のXn値に変換した。次い
で、該Xn値を〈階調変換式(1)〉により階調強度値
(y値)に変換した。
なお、〈階調変換式(1)〉の運用条件は以下の通り
である。
x=Xn−XHn yH=5%,yS=95%, γ=1.00,β=10−γ=0.1,α=1.00 k=γ/XSn−XHn, (下記第2表(1)の場合、XHn=0.4781 XSn=2.2300
となる。その他の場合は第2表を参照のこと。) 結果を第2表に示す。
第2表において、第2表の〜は露光オーバーのも
の(淡い原稿)、第2表の〜は適性露光に近いも
の、第2表の〜は露光アンダーのもの(濃い原
稿)、をそれぞれ示す。
4. X軸色分解カーブ 第2表のデータを第2図,第3図に示す。なお、第2
図〜第3図において、縦軸はy値を示すが、横軸の性格
が相違することに注意しなければならない。第2図の横
軸は光量に相関した画像情報値を示し、第3図の横軸は
カラーフィルム原稿を示す。グラフ化するに当たり、比
較の便宜を図るために同一の光量及び濃度に関するレン
ジとして調整した数値(本実施例の場合は2.5000とし
た。)を用いた。この調整後の値は、第2表に(Dn→)
Dn′,(Xn→)X′として示される。Dn→Dn′への調整
は、第2表(1)の場合、 により計算すればよい。同様にXn→Xn′は、 により計算すればよい。
第2図は、本発明による階調特性曲線、即ちX軸色分
解カーブ(前記したようにXn′とyの関係)を示し、第
3図はD軸色分解カーブ(前記したようにDn′とyの関
係を示すもので、これは従来の色分解カーブの設定例と
みなすことができる。)を示すものである。
第2図,第3図から明らかな如く、極めて驚くべき事
実を発見することができる。即ち、どのような画質のカ
ラーフィルム原稿を用いようとも、〈階調変換式
(1)〉中のα,yH,yS,γ値の四つの値を同一にする場
合、第2図に示されるように夫々のX軸色分解カーブは
一つの同一カーブに集約されてしまうという驚くべき事
実であり、かつ色分解後に得られるカラー複製画像の調
子を統一的に表示しているという事実である。即ち、本
発明の階調特性曲線(X軸色分解カーブ)の設定技術に
よれば、どのような画質のカラーフィルム原稿を用いよ
うとも、全てy値の配列状態が同一な同質の複製画像を
製作することができる階調特性極性が得られる。加え
て、ンイクジェットプリンタにより複製画像を製作する
作業者は、前記のようにして求めたX軸色分解カーブを
〈階調変換式(1)〉中のパラメーター、特にγ値を変
えることにより所望の形状に変更することができる。即
ち、前記したX軸色分解カーブをベースとして所望な画
質や調子が得られるように階調を合理的に管理すること
ができる。
これに対して、第3図に示される従来の色分解カーブ
の設定例においては、各カラーフィルム原稿の画質内容
に対応したD軸色分解カーブが得られ、かつ色分解後に
得られるカラー印刷画像の調子がどのようになっている
かを予め正確に知ることができない。即ち、従来のD軸
色分解カーブのもとでは実際に校正刷をして評価してみ
ないと、最終製品の画質や調子が適正なものなのかどう
か判らないという欠点を有する。
これは、インクジェットプリンタによる色分解作業に
おいて数多くの色分解カーブの中から適切な色分解カー
ブを選び出さなければならないというセットアップ作
業、及びセットアップ作業の前工程においてカラー原稿
のグルーピング作業などが必要であることを意味する。
即ち、従来のD軸色分解カーブの設定技術では階調の変
換作業を効率的に実施したり管理することができない。
実施例2(インクジェットプリンタ装置) 本発明のインクジェットプリンタ装置を第4図〜第5
図に基づいて説明する。
第4図は本発明の第1の態様になるインクジェットプ
リンタ装置のブロック図である 第4図に示されるように、本発明のインクジェットプ
リンタ装置は画像の透過光または反射光をR(レッ
ド)、G(グリーン)、B(ブルー)に分光して読み取
る検出部1と、検出部1の出力信号をY(イエロー),M
(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の色分解信号
に変換する色分解部2と、前述した本発明の〈階調変換
式(1)〉を用いて色分解信号を適正な階調画像が製作
されるように処理する階調変換部3と、この階調変換部
3の出力信号に基づいてインクジェットヘッドから各色
インクの液滴を飛翔させる出力部4との四つのブロック
から構成される。
ここに検出部1は、フォトマルや固体撮像素子(CC
D)など、原稿画像5の各部の透過光または反射光を検
出して、電流値としてのR、G、B、USM各信号を出力
し、この信号をA/V変換部6において電圧信号に変換す
る。
色分解部2は、ログアンプ7において、検出部1のR,
G,B,USMをそれぞれの電圧信号を対数演算して濃度に変
換、ベーシックマスキング(BM)8においてこの濃度か
らブラッキング(K)成分を分離し、さらにY,M,Cの各
成分を分離する。即ち、本発明のインクジェットプリン
タにおいて、複写対象物(印刷物など)である原稿画像
5は、まず検出部1においてフォトマルや固体撮像素子
(CCD)などで構成される画像情報読取機構に記録ある
いは蓄積され、色分解部2において複写対象物の画像情
報として、濃度情報値(Dn)が入手される。これは、前
記したごとく各色(Y,M,C)成分毎に求める。次いで、
前記濃度情報値(Dn)は、例えば記録媒体であるCCDの
光電変換特性曲線を利用して、光量に相関した画像情報
値(Xn)、更には基礎光量値(X)に変換される。これ
らは図示しないソフトやハードのもとで行なえばよい。
また濃度情報値(Dn)から光量に相関した画像情報値
(Xn)などを求める機能を、次に説明する階調調整部11
に組込んでもよい。
なお、第4図には色分解部2の構成としてカラーコレ
クション(CC)部9が示されている。ここにおいてR,G,
BおよびY,M,Cの各原稿色に対しY成分,M成分,C成分をコ
ントロールし、さらに原稿のブラック成分をUCR/UCA部1
0のUCR(under color removal),またはUCA(under co
lor addition)において、Y,M,Cの3種のインクで表現
する比率とK(ブラックインク)で表現する比率を決定
する。
このようにして、光量に相関した画像情報値に変換さ
れたY,M,C,K成分は、階調調整部11でY,M,C,Kから各色成
分の画素ブロックにおける画素濃度値(階調強度値)、
即ち各色成分の実効面積率を示すye′,me′,ce′,ke′
への変換を行う。階調調整部11は〈階調変換式(1)〉
のアルゴリズムを内部に持ち、Y,M,C,Kそれぞれについ
て〈階調変換式(1)〉を適用し、前記ye′,me′,c
e′,ke′を求める。
階調調整部11としては、〈階調変換式(1)〉のアル
ゴリズムをソフトウェアとして保有しかつA/V、D/AのI/
F(インターフェース)を有する汎用コンピュータ、ア
ルゴリズムをロジックとして汎用ICにより具現化した電
気回路、アルゴリズムの演算結果を保持したROMを含む
電気回路、アルゴリズムを内部ロジックとして具現化し
たPAL、ゲートアレイ、カスタムIC等々種々の形態をと
ることができる。
階調調整部11によって得られた各色成分の画素濃度値
に対応する実効面積率はアラーチャンネルセレクタ12に
入力され、カラーチャンネルセレクタ12はye′,me′,c
e′,ke′を出力する。この出力はA/D変換部13によりA/D
変換されて、各色ごとにドットコントロール(D/C)部1
4に入力される。そしてこの入力情報に基づいて、イン
クジェットヘッド4(4Y,4M,4C,4K)に各画素ブロック
にドットで被覆されるべき量に対応する、即ち、色濃度
に対応する駆動電圧が印加される。そして記録用紙15上
に各色インクがシーケンスコントロールされながら、順
次、吐出し、階調に優れた記録画像を形成する。
第5図は本発明の第2の態様になるインクジェットプ
リンタ装置のブロック図である。第5図のものは、原稿
画像の画像情報信号として、TV信号を用いる。該TV信号
は、複製対象物の画像情報値に相関するものであり、こ
れは被写体を撮像するCCDなどの撮像素子の光電変換特
性曲線を利用して第1実施例と同様に既に光量に相関し
た画像情報値に変換されたものであるということはいう
までもないことである。
前記TV信号のY,M,C,K成分信号を〈階調変換式
(1)〉のアルゴリズムを内部に有する調整部に入力
し、A/D変換部でデジタル信号に変換し、帯電信号駆動
部13に入力する。インク滴6はこの入力信号に基づき帯
電部7で帯電される。なお、帯電量は画素ブロックにお
いてドットで被覆される画素濃度値、即ち色濃度値に対
応するものである。色濃度に対応する電荷量に帯電され
たインク滴は偏向部8で偏向され、記録用紙10に到達す
る。
本発明のインクジェットプリンタ装置による複製画像
の製作において、画素の被覆率(画素濃度値)を変える
には印刷技術における網点のようなドットの大きさによ
ってもよいし(ドットのサイズ変調)、あるいはディザ
マトリックス法にみられるような規定ドット(一定の大
きさのドット)の配列を工夫することによってもよい
(ドットの密度変調)。
〔発明の効果〕
本発明は、次のような優れた効果を奏するものであ
る。
1) 複製画像を製作するうえで最も基本的な事項であ
る、連続階調画像などの原稿画像上の所定の画素の濃度
値と製作される複製画像(画素の分布によって記録され
る画像)上の対応する画素の階調強度値との相関関係を
決めるにあたり、従来は専ら作業者の経験と勘、あるい
は限られた数の固定予件の資料に基づくという非合理的
な方法によるものであった。これに対して、本発明で
は、どのような予件の下にあっても、これを〈階調変換
式(1)〉のもとで合理的に決定することができる。ま
た連続階調画像などの原稿画像を画素の分布による複製
画像に変換するとき、最も重要な要素技術である階調の
管理(階調の変換、修正又は変更)の如何は、単に画像
の階調のみに止まらず、画像の色調にも直接的に深り係
り合いをもっているため、本発明により階調と色調を合
理的に管理することができる。即ち、階調の調整機構に
本発明の〈階調変換式(1)〉のアルゴリズムを採り入
れたインクジェットプリンタ装置は、階調変換作業(色
分解作業)を理論的、合理的に体系化し、その作業を単
純化することができ、その効果は極めて大きなものであ
る。
2) 〈階調変換式(1)〉のアルゴリズムをインクジ
ェットプリンタの階調調整機構に採り入れることによ
り、プリンタの装置が合理化、簡素化され、製造コスト
を低減させることが可能である。また、操作も簡易化、
明確化され、作業のやり直しを極端に少なくし、消耗資
材の消費を大幅に節約して、インクジエットプリンタの
性能を大幅に向上させることができる。特に、インクジ
ェットプリンタの性能において、原稿画像の品質がどの
ようなものであれ、階調や色調に優れた記録画像を形成
できるという大きなメリットを有する。
3) 〈階調変換式(1)〉のアルゴリズムを採り入れ
た階調調整機構により、原稿画像の画像情報と切り離し
て合理的に、かつ簡便に画素の分布による記録画像の品
質の評価基準を規定することができる。従って、顧客の
多様化したニーズに合理的に対応することができる。
4) 〈階調変換式(1)〉を採用することにより、プ
リンタ機器の高度化にともなって必要とされる技術者の
教育、訓練を〈階調変換式(1)〉の運用を通じて効果
的に行うことができ、かつ日常作業における無用な労力
を省き、新しい創造的開発に向ける時間的余裕を確保す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、カラーフィルムの濃度特性曲線を示す。 第2図は、第1図の濃度特性曲線に基づいて設定された
X軸色分解カーブ(本発明)を示す。 第3図は、第1図の濃度特性曲線に基づいて設定された
D軸色分解カーブ(従来例)を示す。 第4図は、本発明の第1の態様になるインクジェットプ
リンタのブロック図である。 第5図は、本発明の第2の態様になるインクジェットプ
リンタのブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/205 B41J 2/21 H04N 1/40

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原稿画像の各画素の濃度情報値を原稿画像
    が所定の記録媒体に記録された媒体画像から入手し、該
    濃度情報値を階調調整機構で処理し、該処理信号に基づ
    いて、記録用紙上に1色または多色の中間調を有する複
    製画像を形成するインクジェットプリンタにおいて、 前記階調調整機構が、 (i)原稿画像の各画素の濃度情報値(Dn値)を、記録
    媒体の濃度特性曲線を介して原稿画像から該記録媒体に
    入射される光量に相関した画像情報値(Xn値)に変換
    し、 (ii)更に、該光量に相関した画像情報値(Xn値)を、
    下記〈階調変換式(1)〉により階調調整のための階調
    強度値(y値)に変換すること、 を特徴とするインクジェットプリンタ。 〈階調変換式(1)〉
  2. 【請求項2】媒体画像が記録媒体としての光電変換素子
    上に記録されたものである請求項1に記載のインクジェ
    ットプリンタ。
  3. 【請求項3】記録媒体の特性曲線が、濃度情報値(D
    値)と原稿画像から記録媒体に入射される光量に相関し
    た画像情報値(X値)の関係を規定する光電変換特性曲
    線である請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 【請求項4】媒体画像が記録媒体としての写真感光材料
    上に記録されたものである請求項1に記載のインクジェ
    ットプリンタ。
  5. 【請求項5】記録媒体の特性曲線が、濃度情報値(D
    値)と原稿画像から記録媒体に入射される光量に相関し
    た画像情報値(X値)の関係を規定する写真濃度特性曲
    線である請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 【請求項6】階調強度値(y値)が、インクジェットヘ
    ッドから吐出される液量を制御して記録ドット径を変化
    させることによりドットサイズの変調画像である複製画
    像を形成するようにしたものである請求項1に記載のイ
    ンクジェットプリンタ。
  7. 【請求項7】階調強度値(y値)が、ディサマトリック
    スにより形成されるドット密度を制御してドット密度を
    変化させることによりドット密度の変調画像である複製
    画像を形成するようにしたものである請求項1に記載の
    インクジェットプリンタ。
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