JPH06225145A - 画像の階調変換法 - Google Patents

画像の階調変換法

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JPH06225145A
JPH06225145A JP5026025A JP2602593A JPH06225145A JP H06225145 A JPH06225145 A JP H06225145A JP 5026025 A JP5026025 A JP 5026025A JP 2602593 A JP2602593 A JP 2602593A JP H06225145 A JPH06225145 A JP H06225145A
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JP5026025A
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English (en)
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Takashi Numakura
孝 沼倉
Iwao Numakura
巌 沼倉
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Yamatoya and Co Ltd
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Yamatoya and Co Ltd
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
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    • H04N1/40Picture signal circuits
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 常に設計通りの階調強度値を有する複製画像
を製作するための新規な画像の階調変換法を提供する。 【構成】 連続階調のカラー写真画像を階調変換して網
点階調の複製画像を製作するとき(i) カラー写真原稿上
に指定された最明部(H)と最暗部(S)の濃度値とし
て、各近傍部位の代表濃度値 (DHav、DSav)を入手し、
(ii)H〜Sに至る各画素点(n点)をスキャンして各画
素点の濃度値(Dn)を入手し、(iii)濃度値を表わす縦軸
(D軸)と光量に相関した画像情報値を表わす横軸(X
軸)のD−X直交座標系で規定されるカラー写真の撮影
に供した写真感材の濃度特性曲線を利用して、HとSの
代表濃度値(DHav、DSav)及び各画素点の濃度値(Dn ) を
光量に相関した画像情報値(Xn )に変換し、(iv)画像情
報値(Xn ) を、下記の階調変換式を用いて階調強度値
(y) に変換する。 y=yH +[α(1−10-k・x )/(α−β)・(yS
− yH)]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷画像や各種の高画
質のピクトリアル・ハードコピーなど、画質に優れた複
製画像を製版するときの画像の階調変換法に関する。更
に詳しくは、本発明は、特に原稿画像として連続階調の
カラー写真画像から網点階調(ハーフトーン)の複製画
像を製作するときの新規な画像の階調変換法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】カラースキャナー(製版用機器)を使用
した印刷画像の製作、あるいはスキャナと高精度プリン
タを用いて高画質のハードコピー(ピクトリアルハード
コピー)を出力する場合など、各種の複製画像を製作し
ようとするとき、例えば原稿画像として連続階調のカラ
ー写真画像を使用する場合、原稿画像の連続階調を複製
画像の網点階調(ハーフトーン)へ階調変換しなければ
ならないことはいうまでもないことである。
【0003】前記した画像の階調変換とは、原稿画像の
各画素の濃度情報を複製画像系へ変換することである。
周知のように、複製画像の製作において、原稿のもつ濃
度情報を複製画像上に再現させる方法として各種の再現
方式(濃度表示方法)が採用されている。そして、これ
ら濃度表示方式において、階調の変換が行われているこ
とはいうまでもないことである。なお、階調変換は、画
素の濃度情報の変換はもとより、画素の色調の変換にも
極めて密接に関係しており、この点は後述される。
【0004】前記した複製画像系の濃度表示方式として
各種の方式が採用されており、その代表的なものを以下
に示す。 (i)典型的には印刷画像の製作にみられるもので、網点
(網点面積%値、dotarea % value)の大きさにより所定
画素の被覆率を変化させるものである。即ち、ドットの
大きさにより所定の大きさの画素の被覆率を変化させ
て、濃度情報を再現させようとするものである。この方
式は多値面積階調表示ともいわれ、印刷画像のほかにイ
ンクジェットプリンタや溶融感熱転写プリンタ(サーマ
ルプリンタ)などで応用されている。
【0005】(ii)前記したドットの大きさを変化させる
(多値面積)方式に対し、同一大きさのドットの配列方
式で所定画素の被覆率を変化させる方式がある。この方
式は、二値面積階調表示ともいわれ、前記と同様の応用
分野、即ち溶融型感熱転写プリンタ、インクジェットプ
リンタなどで応用されている。
【0006】(iii)所定の大きさの画素自体の濃度を直
接変化させる方式がある。これは通常のカラー写真材料
の連続的な濃度再現系と同じ方式である。この方式は、
直接濃度階調表示法ともいわれ、昇華型色素感熱転写プ
リンタ(サブリメーション型プリンタ)などで応用され
ている。
【0007】前記したように、連続階調の原稿画像から
各種の複製技術により、印刷画像や高画質のプリンタ画
像などの複製画像(なお、本発明において複製画像とい
う場合、このように最広義に解釈されるべきである。)
が製作されているが、原稿画像のもつ濃度階調(gradat
ion)と色調(color tone)を複製画像上に作業規則性をも
って忠実に再現させることは、極めて重要な課題であ
る。しかしながら、昨今の複製技術の進歩にも拘らず、
前記した再現性の課題を合理的に解決できないでいるの
が現状である。これは前記した原稿画像の調子(階調と
色調を含む。)を複製画像上に忠実に再現させる技術、
されには原稿画像の調子を所望する調子のものに、調整
(修正または変更)するという技術おいて、その基本と
もなるべき画像の濃度領域における非線型変換処理技術
(画像の階調変換技術、画像の階調変換法)が、合理的
な理論の裏付けを欠き非科学的、非合理的なものである
からである。
【0008】この点を、代表的な複製画像の技術分野で
ある印刷画像の製造技術を例にとって、以下に説明す
る。本発明者らは、現在のモノクロ・スキャナー、カラ
ー・スキャナーなどの高度化した製版用機器は、基本的
には製版及び印刷に関する必要にして十分な知見が生か
されておらず、その設計技術が非体系的である写真的マ
スキング法に基づく色分解理論により構成されており、
さらに同機器に対する度重なる改良も基本的には該色分
解理論を基礎とした対処療法的措置であったと考えてい
る。即ち、従来のスキャナー装置の設計技術において
は、色分解作業で写真原稿の連続階調画像から印刷画像
の網点階調画像へ階調を変換する際、色補正や色修正
(カラーマスキング)を第一義とし、画像の階調調整を
第二義的に考えているために印刷画像の画質の安定化と
高度化をなし得ないでいるのが現状である。
【0009】前記したように、従来の連続階調画像から
網点階調画像への階調変換技術においては、連続階調画
像上の任意の標本点(画素点)における濃度値と、これ
に対応した網点階調画像上の標本点における網点の網点
面積パーセント値とを合理的かつ普遍的に相関させる手
段が存在していなかった。本発明者らは、印刷画像を合
理的に製作するためには中核的な二つの要素技術、即
ち、階調変換技術(gradation control )と色補正(修
正)技術(colour correction )のうち、色補正(修
正)技術の向上に先立ち、画像の各画素の濃度階調の変
換を合理的に行なうことができる技術が第一義的に重視
されなければならないという考え方に立脚し、従来の非
合理的かつ非科学的な階調変換技術の限界を打破すべく
鋭意研究を続けた。その結果、原稿画像である連続階調
画像上の任意の標本点の基礎濃度値と、これに対応した
網点階調画像上の標本点における網点面積パーセント値
とを関連づけた新規な階調変換方式を発案するに及び、
この新規で合理的、科学的な階調変換方式が従来の製版
用機器に十分に適用でき、かつ従来の色分解技術の限界
を打破し優れた効果を発現することを見い出し、先に、
例えば特願平1−135825号、同2−55204号
として提案した。
【0010】前記した本発明者らによる先の提案の技術
は、画像の階調変換に際して、本発明と類似の階調変換
式を使用するものがあるが(ただし、後述するように、
階調変換式の運用条件は全く異質のものである。)、画
質の優れた印刷画像を再現性よく製作するためには、ま
だ改善の余地を残すものである。前記した改善の余地と
は、原稿画像のHとSの測定濃度値から該階調変換式の
運用のための定数が設定されること、かつ、該HとSの
測定濃度値が不可避的にバラツキを伴なうこと、による
ものであり、この点が解決されないと、製版設計通りの
画質の優れた印刷画像を再現性よく製作することができ
ないという点である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記印刷画
像の製作を例にとって説明して来た階調の変換法におけ
る問題点が、広く一般の複製画像の製作分野にも存在す
ることに鑑み、各種の複製画像の製作分野に適用するこ
とが出来る新規な画像の階調変換法を提供しようとする
ものである。即ち、複製画像の製作技術においては、原
稿画像から画像情報を入手(濃度情報の入手)、該画像
情報を複製画像の製作機器の階調変換機構(階調変換
部)で階調変換することは必然のものであり、ここに本
発明の画像の階調変換法を適用し、階調変換を合理的な
ものにしようとするものである。
【0012】特に、本発明の画像の階調変換法は、原稿
画像としてカラー写真原稿を使用し、かつ原稿画像中に
指定されたHとSのもとで高画質の複製画像を製作する
に際し、カラー写真原稿のHとSの測定濃度値における
不可避的なバラツキを意識し、バラツキを低減化し、こ
のようにして得られるバラツキのない濃度情報値を特定
の<階調変換式>で階調変換するものであり、これによ
り設計通りの複製画像が再現性よく製作することができ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】連続階調のカラー写真原
稿画像を階調変換して網点階調の複製画像を製作すると
きの画像の階調変換法において、前記画像の階調変換
が、(i) カラー写真原稿上に指定された最明部(H)と
最暗部(S)の濃度値として、Hとその近傍部部位、及
びSとその近傍部位の代表濃度値(DHav、DSav)を入手
する工程、(ii)H〜Sに至る各画素点(n点)をスキャ
ンして各画素点の濃度値(Dn)を入手する工程、(iii)濃
度値を表わす縦軸(D軸)と光量に相関した画像情報値
をを表わす(X軸)のD−X直交座標系で規定されるカ
ラー写真原稿の撮影に供した写真感材の濃度特性曲線を
利用して、前記HとSの代表濃度値(DHav、DSav)及び
各画素点の濃度値(Dn)を光量に相関した画像情報値
(Xn)に変換する工程、(iv) 前記光量に相関した画像情
報値(Xn) を、下記<階調変換式>を用いて階調強度値
(y)に変換する工程、から構成されることを特徴とす
る画像の階調変換法に関するものである。 <階調変換式> y=yH +[α(1−10-k・x )/(α−β)]・(yS − yH ) ただし、上記<階調変換式>において、 X :X =( Xn − XH )で示される基礎光量値。即ち、
原稿上の任意の画素(n点)の濃度値(Dn ) から前記D
−X直交座標系で規定される濃度特性曲線を介して求め
た光量に相関した画像情報値(Xn ) と、前記H部の代表
濃度値(DHav)に対応する光量に相関した画像情報値(X
H ) の差を示す。 y:原稿上の任意の画素(n点)に対応する複製画像上の
画素の階調強度値。 yH :原稿上のHに対応する複製画像上のHに対して、
予め設定される階調強度値。 yS :原稿上のSに対応する複製画像上のSに対して、
予め設定される階調強度値。 α:複製画像の記録用紙の表面反射率。 β:β=10により決められる数値。 k:k=γ/(XS − XH)により決められる数値。但し、
上式において XS は、前記S部の代表濃度値 (DSav) か
ら前記D−X直交座標系で規定される濃度特性曲線を介
して求めた光量に相関した画像情報値を示す。 γ:任意の係数。 をそれぞれ表わす。
【0014】以下、本発明の技術的構成について詳しく
説明する。なお、引きつづき本発明の画像の階調変換法
を、複製画像としてカラー印刷画像を製作するケース、
特にカラースキャナを使用して印刷画像を製作するケー
スを引用して説明する。従って、これは説明の便宜上の
ことであり、本発明の画像の階調変換法はカラー印刷画
像の複製の場合だけに適用されることを意味するのもで
はない。まず、本発明の理解を助けるために、階調変換
の対象とされる画像情報、即ち、光量に相関した画像情
報値(後述する理由から、以下、単に光量値という。)
という重要な概念、及び該光量値を使用しての階調変換
法、より具体的には階調変換カーブ)(色分解カーブ)
の設定法について説明する。
【0015】前記したように、本発明者らは、色分解作
業の中核をなす階調変換カーブ(色分解カーブ、調子再
現カーブ)の設定技術を合理的なものにすべく鋭意検討
を加えてきた。その中で、従来の各色版(C/M/Y
版)、例えば製版の基準となるC版を製作するとき、そ
の補色関係のR(赤) フィルターを介して入手される濃
度値と網点面積%値の関係で規定されるC版用色分解カ
ーブの設定技術に代り、該濃度値を原稿画像が撮影され
ているカラー写真フィルムの感材の写真濃度特性曲線を
利用して露光量値(後述するように、本発明はこれを光
量値という概念の中に含ませているので、以下、光量値
という用語を用いる。)に変換し、該光量値を特定の階
調変換式により階調変換して網点面積%値を求めると
き、即ち光量値と網点面積%値の関係で規定される色分
解カーブを設定するとき、該色分解カーブのもとで原稿
画像の画質がどのようなものであれ(例えば、アンダー
/オーバー露光のもの、ハイキー/ローキーという複製
が極めて困難な原稿、各種の色カブリのある原稿、退色
した原稿など)、優れた階調特性を有する印刷画像が得
られることを見い出した(例えば、特願平1−1358
25号)。なお、以下、前記した従来の濃度値と網点面
積%値の関係で規定される各色版用色分解カーブは、写
真フィルム感材の特性曲線において縦軸である濃度(Den
sity) からの画像情報を重視していることからD軸色分
解カーブという。これに対して本発明の光量値と網点面
積%値の関係で規定する各色版用色分解カーブは、該特
性曲線において横軸(X軸)の光量軸からの画像情報を
重視していることからX軸色分解カーブという。
【0016】前記したように、本発明は、製版対象とな
るカラー原稿(ポジ型、ネジ型、透過型、反射型などい
ずれであってもよい。)の画質に左右されずに、例えば
オーバー/ノーマル/アンダー露光の原稿、ハイキー/
ローキーの原稿、各種の色カブリのある原稿あるいは褪
色(フェーディング)した原稿などから優れた画質の印
刷物を作成するために、階調変換のための画像情報とし
て、濃度値ではなく光量値を使用する。これは従来技術
ときわだった相違をなしている点である。そして、階調
変換(連続階調の網点階調への変換)に際して原稿画像
のもつ「濃度値」ではなく「光量値」を利用する理由
は、次の通りである。前記した画質の異なる種々の原稿
画像を合理的に階調変換するためには、カラーフィルム
感材がそれぞれ固有的に有する写真濃度特性曲線に依存
してしまった「濃度値」を利用するのでなく、該カラー
フィルム感材に入射される被写体(原稿画像の文字通り
のベースとなるもの。実体画像、実景。)からの光量値
を利用すれば、該写真濃度特性曲線(写真感材の特性)
に依存しない画像情報であるために、どんな画質の原稿
であっても合理的に統一的に階調変換できるのではない
かという本発明者らの創意に基づくものである。
【0017】次に、前記光量値を使用して、各色版、例
えばC版のX軸色分解カーブを設定する方法について説
明する。まず、カラー写真原稿から、画像情報として光
量値を入手しなければならない。前記光量値は当該原稿
画像が撮影されているカラー写真フィルム感材(感光性
乳剤)の特性曲線、いわゆる写真濃度特性曲線(photogr
aphic characteristic curve) を用いて、写真濃度(pho
tographic density)から容易に求めることができる。な
お、前記写真濃度特性曲線は、縦軸を濃度(D)、横軸
(X)を露光量とするD−X直交座標系で表わされるも
のである。そして、前記光量値を求めるためには、原稿
画像が撮影されているカラー写真フィルム感材の写真濃
度特性曲線を関数化しなければならない。これにより原
稿画像中の任意の画素点(n点)の濃度値(Dn ) から対
応する画素の光量値(Xn )値を求めることができる。写
真濃度特性曲線は各写真感材メーカーから技術資料など
として与えられているものを関数化すればよい。例え
ば、図1にEK社製エクタクローム64、プロフッショナ
ルフィルム(デーライト)の写真濃度特性曲線を示す。
写真濃度特性曲線を関数化する方式は、特に限定され
ず、所望の方式に従えばよい。いうまでもないが、図1
に図示されているように、カラー写真フィルムのR/G
/Bの各感光乳剤は、夫々の特性曲線を有しているの
で、これらを関数化し、対応色版の製作のための光量値
を求めなければならない。表1に、その結果を示す。な
お、表1には、可能な限り正確に写真濃度特性曲線を数
式化するために、数式化区分を複数としている。
【0018】
【表1】
【0019】本発明においては、図1に示されるような
写真濃度特性曲線を関数化するときにカラー写真原稿の
濃度値を示すD軸の目盛(スケール)と、被写体(実体
画像)の logEで示される光量値を示すX軸の目盛を同
一なものとしてDとXの関数化が行なわれた。このD軸
とX軸に関するスケーリングは、次の観点から行ったも
ので、本発明者らにおいて全く合理的なものと考えてい
る。即ち、写真濃度特性曲線においては、該X軸には露
光量Eの対数値( logE=logI×t)が位置づけら
れ、この物理量は人間の視覚の明暗に対する対数的な弁
別特性により評価される。一方D軸の濃度に関する物理
量も人間の視覚においては対数的に評価される。従っ
て、D軸とX軸を相関させるとき同一スケーリングのも
とで行なっても何等の不合理はないと考える。なお、本
発明において上記の目盛りづけは一種の簡便法であり、
これに限定されないことは言うまでもないことである。
例えば、図1に示されるD軸とX軸の数値関係で関数化
してもよい。前記した相対的な意味を含ませて、本発明
においては、X軸の物理量を、露光量値を含む概念であ
る「光量値」という用語で表現している。
【0020】本発明は、前記したように階調変換に際し
てカラー写真原稿の濃度値(Dn 値)を基準とするのでは
なく、被写体(実体画像、実景)が与えてくれる画像情
報値、即ちX軸で表わされる光量値(Xn 値) を基礎とす
るものである。前記した如く、写真濃度特性曲線の関数
化により表1に示されるように Dn 値と Xn 値とはX=F
(D) の関数式により相関されているため、容易に Dn
から Xn 値を求めることができる。
【0021】以上のようにして、被写体(実体画像)が
与える光量値(Xn ) を得ることができる。次いで、この
ようにして合理的に求めた Xn 値と前記<階調変換式>
を使用して、色分解カーブ、即ち従来の濃度情報値を重
視したD軸色分解カーブに代る光量値を重視したX軸色
分解カーブを求めればよいだけである。なお、所定の写
真濃度特性曲線のもとでカラー写真原稿上の任意の画素
(n点)における濃度値(Dn ) から対応する被写体(実
体画像)上の画素の光量値(Xn ) を求め、該 Xn 値を前
記<階調変換式>に代入することにより階調強度値であ
る網点面積%値が計算され、X軸色分解カーブが設定さ
れる。
【0022】前記<階調変換式>の運用は、原稿画像上
に指定された最明部(H)及び最暗部(S)の濃度値
( DH , DS )に、対応する光量値( XH , XS )を使
用して行なわれるものである。しかしながら、最明部
(H)と最暗部(S)の濃度測定値にはに不可避的にバ
ラツキが生じることを認識し、これに起因する重大な欠
点を解消しようとするのが本発明の中心課題である。こ
の点は、詳しく後述される。
【0023】前記<階調変換式>の運用に際して、光量
値(Xn ) は前記したように基礎光量値(X)に変換してお
かなければならないが、これはH部とS部に予め設定さ
れた網点面積%値( yH , yS )を確保するために必要
な手当である。そして、網点階調のC版を製作するため
には、カラースキャナの網点発生器(ドットジェネレー
タ)が該C版用X軸色分解カーブに従って作動するよう
にすればよいだけである。
【0024】次に、本発明の前記した<階調変換式>の
誘導過程とその特質について、ここで簡単に説明する。
網点階調である印刷画像の製作において、原稿画像中の
各画素に対して設定される網点面積%の数値(y)を求
める<階調変換式>は、一般に認められている濃度公式
(写真濃度、光学濃度)、即ち D= logIo /I= log1/T ただし、Io =入射光量、I =反射光量又は透過光
量、T =I/Io =反射率又は透過率、を基礎として
誘導したものである。この濃度Dに関する一般公式を、
製版・印刷に適用すると次のようになる。 製版・印刷における濃度(D´)= logIo /I= log
(単位面積×紙の反射率)/{(単位面積−網点面積)
×紙の反射率+網点面積×インキの表面反射率}= l
ogαA/[α{A−(d1 +d2 +…dn ) }+β(d
1 +d2 +…dn) ]ここで、A:単位面積、dn :単
位面積内にある夫々の網点面積、α:印刷用紙の反射
率、β:印刷インキの表面反射率、である。本発明はこ
の製版・印刷に関する濃度式(D´)を基本として、画
像情報として濃度値でなく光量値を使用するとともに連
続階調である原稿画像上の標本点(画素)(n点)にお
ける基礎光量値(X) と、これに対応した網点階調である
印刷画像上の標本点における網点の網点面積%値の数値
(y) との関連づけが理論値と実測値が合致するように、
前記<階調変換式>を誘導したものである。
【0025】本発明の前記<階調変換式>の運用におい
ては、一般にyH ,yS のパラメーターは定数化されて
おり、例えば、C版のyCHに5%,yCSに95%,Mおよ
びY版ではyMH=yYHに3%,yMS=yYSに90%という
網点面積%が使用される。なお、前記<階調変換式>の
運用において、濃度計により測定したD値との関連で
求めた Xn 値を使用し、yH とyS に百分率数値(%
値)を用いると、y値も百分率数値で算出される。本発
明の<階調変換式>の運用において、他の重要なパラメ
ータγの値は、以下に示す理由でC版用色分解カーブの
設定においては一般的には定数化されていると考えてよ
い。即ちC版用X軸色分解カーブの設定において、γ値
=0.45に固定してよい。これは、本発明者らにより本発
明の<階調変換式>の開発過程で画像情報値として濃度
値を採用する階調変換式を開発した経緯から導かれるも
のであり、多くの実験例により支持されている。しかし
ながら、該パラメータγは、色分解カーブの形状を合目
的に変化させることができること、別言すればγ値を合
目的に操作することにより所望の階調特性を有する印刷
物を製作することができるため、極めて重要なパラメー
タであり、前記した値に固定されるものではない。本発
明の<階調変換式>のパラメータの数値設定は、所与の
被写体(実体画像)の調子をあくまでも忠実に印刷画像
に再現させようとする立場と、意識的に調子を調整(修
正または変更)した印刷画像を製作しようとする立場、
により相違してくる。後者の場合、γ値を意識的に変化
させることにより、X軸色分解カーブの形状を所望のも
のに(即ち所望の階調のものに)変更することができる
ため、種々の調子の印刷画像が得られる。例えばX軸色
分解カーブの形状を上に凸形状としたいとき(H部〜中
間調の調子を強調したいとき)は、γ値を0より大きい
プラスの値とし、ほぼ直線上にしたいときはγ値を0に
近づけ、逆に下に凹形状としたいとき(中間調〜シャド
ウ部の調子を強調したいとき)は、γ値をマイナスの値
とすればよい。
【0026】本発明の前記<階調変換式>の運用におい
て、次のように変形して利用することはもとより、任意
の加工、変形、誘導するなどして使用することも自由で
ある。 y=yH +E(1−10-k・x )・(yS −yH ) 但し、E=1/(1−β)=1/(1−10 ) 前記の変形例は、α=1としたものである。これは、例
えば印刷画像を表現するために用いられる印刷用紙(基
材)の表面反射率を100%としたものである。αの値
としては、任意の値を取り得るが、実務上紙の白度に零
点調整するため1.0として構わない。前記変形例(α
=1.0)によれば、印刷画像上の最明部HにyH を、
最暗部SにyS を予定した通りに設定することができ、
これは前記<階調変換式>の大きな特徴をなしている。
このことは、印刷画像上の最明部Hにおいては、定義に
よりX=( Xn − XH )=0となること、また最暗部S
においてはX = XS − XHとなること、即ち −k・x=−γ・( XS − XH )/( XS − XH )=−γ となることから明らかである。このように、本発明の<
階調変換式>(α=1とする変形例)を利用するにこと
により、常に予定した通りのyH とyS を印刷画像上の
H部とS部に設定することができることは、利用者が作
業結果を考察する上で極めて重要なことである。例えば
印刷画像上におけるyH とyS に所望する値を設定し、
γ値を変化させると(但し、α=1.0)、各種のX軸
色分解カーブが得られる。そして、これらのX軸色分解
カーブのもとで得た印刷画像をγ値との関係で容易に評
価することができる。
【0027】特に製版実務において重要な点は、本発明
で得られるX軸色分解カーブが、従来のD軸色分解カー
ブと相違して最終製品としての印刷画像のH〜Sに至る
階調特性、調子特性を表示しているという点である。即
ち、製版作業者は、所定のyH ,yS 及びγ値のもとで
得られるX軸色分解カーブから、その形状の考察を通じ
て最終印刷画像の仕上り(調子)を的確に予測すること
ができる。これは、画質が相違する(例えば露光条件が
相違する)複数の原稿画像に対して、夫々の設定された
X軸色分解カーブが全て1つの同じ色分解カーブに収斂
するという本発明の階調変換法の大きな特徴によるもの
である。これに対して、従来のD軸色分解カーブ(同じ
H ,yS 及びγ値を採用する。)は、画質の異なる夫
々の原稿画像に対応するカーブが得られ、その形状は複
雑なものである。従って、製版作業は、そのカーブを考
察しただけでは最終の印刷画像がどのようなものである
かを的確に予測することができない。前記したことの意
味は極めて重要であり、製版作業者は各色版(C,M,
Y)と墨版(B)のX軸色分解カーブを例えばモニター
表示させることにより、最終印刷画像の仕上りを的確に
予測することができるため、各種の校正作業を不要なも
のとすることができる。即ち、本発明により直接製版
(ダイレクト・プレート製版法)が可能となる。
【0028】また、本発明の前記<階調変換式>の運用
において、k値がγ値になるように、即ち、( XS − X
H )値が1.0になるように正規化してもよい。このよ
うなXH 〜 XS のダイナミックレンジを0〜1=1.0
に正規化するとX軸色分解カーブ相互間の比較検討が容
易になるとともに、<階調変換式>の計算が極めて容易
なものとなる。もとよりダイナミックレンジ内の各画質
の光量値(x) も、該正規化に準じて変化するが、相対的
な変化であるため色分解カーブの設定に何等の支障をき
たすものではない。なお、以下の説明において、y値の
計算は、正規化後の値を用いて計算したものである。本
発明の前記<階調変換式>を運用して、多色製版(一般
に、C版,M版,Y版,B(スミ)版の四版が一組と考
えられている。)用の各色版のX軸色分解カーブを設定
するには、所望の製版設計のもとに前記C版と同様に行
なえばよい。
【0029】以上の説明は、カラースキャナを使用して
印刷画像を製作するとき、特にその中核的な構成要素で
ある階調変換部において採用される階調変換技術の概要
である。次に、カラースキャナにおいて、前記階調変換
技術を組込むための階調変換部の改良について説明す
る。印刷画像を製作するためのカラースキャナの階調変
換部には、前記<階調変換式>が組込まれ、前記<階調
変換式>により階調変換がなされることはいうまでもな
いことである。前記したように前記<階調変換式>は、
カラー写真原稿上に最明部(H)と最暗部(S)が指定
され、該HとSの濃度値( DH , DS )が測定され、該
濃度値( DH , DS )に対応する光量値( XH , XS
が求められ、他のパロメータ(γ値, yH , yS 値)と
同様に該光量値( XH , XS )を使用して<階調変換式
>が運用され、階調変換(X軸色分解カーブの設定)が
なされる。
【0030】この場合、極めて重要な問題点は、カラー
写真原稿のH及び/又はSの濃度値の測定に不可避的に
バラツキが生じるということである。このHとSの測定
濃度値のバラツキは、階調変換後に製作されるカラー印
刷画像の調子、即ち濃度階調や色調、ならびにグレーバ
ランス(等価中性濃度の維持)に悪影響を与えてしまう
こと、従って製版設計において意図された印刷画像が製
作されないという極めて重要な問題点を発生させる。因
みに、前記H及び/又はSの測定濃度値のバラツキをC
版を製作するときに各種の原稿(淡い原稿、標準原稿、
濃い原稿)について調査した結果を、表2に示す。な
お、表2の結果は、サンプルカラー写真原稿(F社製デ
ーライトASA 100 )、ISOMET社製カラースキャナ
455を用いて調査したものである。
【0031】
【表2】
【0032】前記H及び/又はSの測定濃度値のバラツ
キが、フジクローム 100、プロフェショナルD(デーラ
イト)階調変換後の網点階調の色版画像の調子再現にど
のような影響を与えるかを調査した。結果を表3〜表7
に示す。なお、・表3は、淡いカラーフィルム原稿:比
較中心原稿の濃度域0.175 〜2.325 、・表4は、標準カ
ラーフィルム原稿:比較中心原稿の濃度域0.300 〜2.70
0 、・表5は、濃いカラーフィルム原稿:比較中心原稿
の濃度域0.500 〜2.750 、・表6は、極端に淡いカラー
フィルム原稿:比較中心原稿の濃度域0.125 〜1.850 、
・表7は、極端に濃いカラーフィルム原稿:比較中心原
稿の濃度域0.900 〜3.100 、のカラーフィルム原稿を夫
々用いたときの結果を示すもので、表3〜表7は、次の
条件で作成された。 (i) HとSにおける測定濃度値のバラツキの検討対象と
して、F社製デーライト・フィルムを使用した。 (ii)<階調変換式>の運用において、C版を製作するこ
とを前提に、 yH =5%、 yS =95%、γ=0.45
とした。なお、各表中の数値は、<階調変換式>の計算
結果であるy値(網点面積%値)であることはいうまで
もないことである。 また、表3〜表7において、各表の標題は、HとSの測
定が製版設計通りに行なわれたカラーフィルム原稿(即
ち、測定のバラツキがないもので、以下、これを比較中
心原稿という。)を表わすものであり、各表において、
前記比較中心原稿とバラツキ原稿が比較検討されるべき
である。各表において濃度の欄の1/8 ,1/4 ,1/3 ,1/
2 ,3/4 は、階調変換の管理ポイントを示し、その下記
の数値は、前記した比較中心原稿の濃度域値(ダイナミ
ックレンジ)をHから1/8 ,1/4 ,1/3 ,1/2 ,3/4 の
割合で増大させた管理ポイントでの濃度値を示す。表3
〜表7から、前記管理点において、測定濃度値のバラツ
キに起因して網点面積%値がどのように比較中心原稿の
ものから乖離しているかを容易に知ることができる。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】前記表3〜表7は、前記表2の濃度測定の
バラツキを考慮して作成されたものであり、各管理点に
おいて、製版設計値よりかなりの乖離がみられることを
明確に示している。特に、1/8 ,1/4 ,1/3 などの管理
点は画質の優れた印刷画像を製作する上で重要な領域の
ものであり、これら管理点での乖離が大きい。従って、
製版設計通りの印刷画像を製作するためには、H及び/
又はSの測定濃度値のバラツキが意味することを明確に
認識し、それを解消する手段の開発が不可欠である。
【0039】前記H及び/又はSの測定濃度値のバラツ
キは原稿画像としてカラー写真(フィルム)原稿を使用
する場合、不可避的なものである。その主因は、カラー
フィルム乳化剤中の銀粒子のサイズ、形状、粒子分散状
態、及びカラースキャナ側のアパーチャー(またはスリ
ット)の大きさによるものである。Hの濃度測定は、ス
キャンニング光束(走査光束)が原稿の所定画素を透過
(または反射)したあと、該走査画素に対応する所定の
大きさのアパーチャーを通過し、光電変換されて各画素
の濃度値が測定される。図2に、前記銀粒子とアパーチ
ャーの関係を模式図的に示す。カラーフィルムのR/G
/B乳剤層に含まれる銀粒子のサイズは、一般に1〜3
μm2 であり、一方アパーチャーの口経は一般に1〜数
mmのものである。印刷画像を製作するためのカラースキ
ャナの階調変換部においては、前記<階調変換式>を運
用して階調変換作業が実施されるため、まず、指定され
たH及びSの領域にカラースキャナのヘッドを配置し、
H及びSの濃度測定を行なわなければならない。このと
き、前記した銀粒子サイドにおける不均一性、アパーチ
ャーサイドにおけるH部に対する不正確な配置などが相
互に作用しあって、H及びSの測定濃度値にバラツキを
もたらす。
【0040】即ち、製版設計者、製版オペレータなどに
より指定されたカラー写真原稿中のH及びSの濃度測定
を行う場合、・指定されたH及びSの部位に対して、濃
度測定のための採光(原稿からの反射光または透過光の
光量を測定する。)を行なう所定の開口率をもつアパー
チャーを正確に配置することが困難であること、・ま
た、指定されたH及びSの部位に対して、仮に正確にア
パーチャーを配置したとしても、当該部位に前記した銀
粒子サイドの不均一性があり、その近傍部位に最適なH
及びSの部位がありうること(前記した銀粒子サイドの
不均一性が存在することは、通常、H及びSの部位の濃
度測定が当該部位を拡大鏡で観察しながら行なっている
ので、容易に把握される。)、そして、作業者において
指定された部位を濃度測定する場合と、前記した後者の
部位を濃度測定する場合がありうること、などが相互に
作用しあって、H及びSの濃度測定値にバラツキがもた
らされる。
【0041】印刷画像を製作するためのカラースキャナ
においては、前記HとSの測定濃度のバラツキに起因す
る欠点を解消するために、カラースキャナの濃度測定部
が最明部(H) とその近傍部位における代表濃度値 (D
Hav) 、及び最暗部(S) とその近傍部位における代表濃
度値 (DSav) を出力するように構成する。そしてカラー
スキャナの階調変換部が、前記代表濃度値 (DHav, D
Sav) から対応する光量値( XH , XS )を求め、かつ
前記<階調変換式>により階調変換を行なうように構成
する。本発明において、前記代表濃度値 (DHav, DSav)
を求める方法は、測定濃度値のバラツキを解消するもの
であれば、特に制限を受けるものではない。例えば、前
記代表濃度値 (DHav, DSav) として、平均値、最頻値、
標準偏差などが使用されても良いことは言うまでもない
ことである。なお、以下の説明では、代表濃度値として
平均濃度値を用いて説明する。前記最明部(H) とその近
傍部位、及び最暗部(S) とその近傍部位における平均濃
度値の測定は、カラースキャナの構成に適合した方式な
どにより行なえばよい。例えばドラムタイプのスキャナ
の場合、オペレータがドラムを微動させながら行なって
もよいし、あるいはアパーチャー部分に微振動を与える
ようにしてもよい。また、フラットベッドの場合、例え
ばCCDに蓄積された所定画素の周囲の画素の濃度情報
値を平均化してもよい。このほか、極細のグラスファイ
バーを所望本数まとめ、夫々のグラスファイバー毎に濃
度値を測定し、平均化してもよい。なお、平均濃度値を
求める場合、例えば最明部(H) を中心に測定領域を変位
させて測定する態様において、多くの実験例から3〜5
回測定して平均化すれば十分である。この測定回数は使
用するフィルムの品種、アパーチャーの構造などを考慮
して適宜に決定すればよい。
【0042】次に、HとSの測定濃度値のバラツキを調
整管理したときの、スキャナ出力の網点階調画像(C版
用印刷原版)の階調改善効果を表8〜表11に示す。本
発明において、スキャナ出力の網点階調画像の階調特性
の改善効果は、(i) HとSの測定濃度値のバラツキを平
均濃度値 (DHav, DSav) により調整する場合、(ii)更
に、前記平均濃度値 (DHav, DSav) の調整に加えて、<
階調変換式>のγ値をも調整する場合、(なお、γ値の
調整により、階調特性を合理的に変化させることができ
ることは前述した通りである。)、により評価すること
ができる。表8〜表9は前記(i) の場合、表10〜表1
1は前記(ii)の場合における改善効果を表わすものであ
る。表3〜表7と表8〜9、更には表10〜表11を比
較検討すれば、前記(i) のアプローチ、更には前(ii)の
アプローチが極めて有効なものであることが判る。
【0043】なお、表8〜表11は,次の条件で作成さ
れたものである。 ・サンプルカラーフィルム原稿(F社製 デーライト・
フィルム):標準画質のカラー原稿 ・調整管理の基準としたフィルム原稿の濃度域:2.4000
(0.3000 〜2.7000) ・<階調変換式>のパラメータ:yH =5%,yS =9
5%,γ値=表8〜表9は0.4500,γ値=表10〜表1
1は調整。 なお、各表の標題は、基準原稿のHの濃度値(0.3000)及
びSの濃度値(2.7000)に対するバラツキの程度を表わ
す。いうまでもないことであるが、表3〜表7のバラツ
キよりも、平均化して調整したため、バラツキ程度が改
善されている。
【0044】
【表8】
【0045】
【表9】
【0046】
【表10】
【0047】
【表11】
【0048】次に、前記印刷画像を製作するためのカラ
ースキャナの機器構成の一例を図3により説明する。本
発明のカラースキャナは、前記したように従来のものと
比較して、原稿画像中に指定されたHとS及びその近傍
部位から平均濃度値 (DHav, DSav) を出力することがで
きる濃度測定機構、及び前記平均濃度値を利用しながら
<階調変換式>により階調変換を行なう階調変換機構が
配設されている点に特徴を有する。即ち、他の構成要素
は従来と同じであるため、前記した機構を組入れるだけ
で、従来のスキャナを本発明の画像の階調変換法が実施
されるスキャナに再構成することができる。
【0049】図3において、ドラムタイプのカラースキ
ャナは原稿を読み取る検出部1と、検出部1の出力信号
をY,M,C,Kの色分解信号に変換する色分解部2
と、前記<階調変換式>を用いて適正な網点階調を求め
る階調調整部3と、この階調調整部3の出力信号に基い
てレーザ光による生フィル露光を行う出力部4との四つ
のブロックからなる。前記カラースキャナの構成におい
て、色分解部2,出力部4のブロックには従来のカラー
スキャナと同様の構成が採用され、検出部1を最明部
(H) とその近傍部位、及び最暗部(S) とその近傍部位か
ら平均濃度値を検出する機構とし、また階調調整部3を
前記<階調変換式>のもとで階調変換させるようにした
点が従来と相違する。
【0050】ここに検出部1は、フォトマルなど、カラ
ーフィルム原稿5の各画素の透過光または反射光を検出
して、電流値としてのR,G,B,USM各信号を出力
し、この信号をA/V変換部6において電圧信号に変換
する。なお、検出部1は、前記したように特にHとS及
びその近傍部位から平均濃度値 (DHav, DSav) を求める
ための透過光(または反射光)を検出できる機構のもの
である。色分解部2は、ログアンプ7において、検出部
1のR,G,B,USMそれぞれの電圧信号を対数演算
して濃度に変換し、ベーシックマスキング(BM)8に
おいてこの濃度からグレー(K) 成分を分離し、さらに
Y,M,Cの各成分を分離する。なお、ログアンプ7に
おいて、検出部1で平均濃度値 (DHav, DSav) を求める
ために検出した透過光(または反射光)、更にはこれを
電圧信号に変換し、次いで対数演算して平均濃度値を求
める。これは、後述する階調変換部3に送られ、<階調
変換式>の運用の重要な定数項となる。
【0051】次にカラーコレクション(CC)部9にお
いて、R,G,BおよびY,M,Cの各原稿色に対しY
版成分、M版成分、C版成分をコントロールし、更に原
稿のグレー成分をUCR/UCA部10のUCR(under
color removal) ,またはUCA(under color additio
n)において、Y,M,Cの3版で表現する比率とK版で
表現する比率を決定する。これらY,M,C,K成分が
得られた後に、従来は階調変換部(IMC)のグラデー
ションコントロール部において各成分の網点実行面積率
ye´,me´,ce´,ke´を求めてこれを逆 log
変換部で逆 log変換していたが、図3に示されるスキャ
ナ構成においては、グラデーションコントロール部およ
び逆 log変換部にかえて階調変換部11を用い、ここで
Y,M,C,Kからye´,me´,ce´,ke´へ
の変換を行っている。階調変換部11は前記<階調変換
式>のアルゴリズムを内部に持ち、Y,M,C,Kそれ
ぞれについて<階調変換式>を適用し、ye´,me
´,ce´,ke´を求める。
【0052】階調変換部11としては、<階調変換式>
のアルゴリズムをソフトウェアとして保有しかつA/
D、D/AのI/F(インターフェース)を有する汎用
コンピュータ,アルゴリズムをロジックとして汎用IC
により具現化した電気回路、アルゴリズムの演算結果を
保持したROMを含む電気回路、アルゴリズムを内部ロ
ジックとして具現化したPAL、ゲートアレイ、カスタ
ムIC等々種々の形態をとることができる。階調変換部
11によって得られた網点実効面積率はカラーチャンネ
ルセレクタ12に入力され、カラーチャンネルセレクタ
12はye´,me´,ce´,ke´を順次選択的に
出力する。この出力はA/D変換部13によりA/D変
換されて、出力部4に入力される。出力部4では、階調
調整部3の出力にもとづいてドットコントロール部14
においてレーザビームのコントロールを行う。
【0053】本発明は、前記したように、複製画像の製
作分野として印刷画像の製作分野に限定されるものでは
ない。本発明の画像の階調変換法の応用例としては、前
記したように複製画像の再現系においてドットの大きさ
を変える(多値化)ことができる溶融型感熱転写プリン
タ、画素自体の濃淡を変える昇華転写型感熱プリンタ、
ドット配列により濃淡を変えるデジタル式複写機(カラ
ーコピー)、各種プリンタ(インキジェット式、バブル
ジェット式)などに応用できるものである。
【0054】そして、本発明の画像の階調変換法を前記
した種々の応用分野に適用するには、それぞれの複製画
像の製作用機器において、(i) カラー写真原稿の濃度に
関する画像情報値及び/又は画像情報電気信号値(アナ
ログでもデジタルでもよい。)に対応する光量値を求
め、その際、特に指定されたHとSにおいては平均濃度
値と対応する光量値を求めるようにし、(ii) 前記光量
値を機器の画像変換処理部(階調変換部)において、前
記<階調変換式>のもとで階調変換し、(iii) その処理
値であるy値(階調強度値)に対応させて機器の記録部
(記録ヘッド)の電流値や電圧値、あるいはその印加時
間などを制御し、・網点面積の大きさ、・所定画素(一
定面積)当たりのドット数とその配列方式、・所定画素
(一定面積)自体の濃度を変化させ、別言すればサイズ
変調法、密度変調法あるいは濃度変調法などの階調表現
方法により、原稿画像の濃度階調をH〜S全ダイナミッ
クレンジに亘り合理的かつ忠実に複製画像へ1:1に変
換するようにすればよい。
【0055】例えば、図4は、周知のレーザービームを
使用したデジタル式複写機(カラーコピー)の機器構成
を説明する概要図である。図示される通り、その機器構
成は図3のカラースキャナと略同一のものである。図4
において、カラー写真原稿(5) は回転式ドラムに貼着さ
れているが、フラットベッド方式の原稿読取り機構であ
ってもよいことはいうまでもないことである。図4の変
換部11は、本発明の<階調変換式>のアルゴリズムを
内部にもち、カラースキャナと同様にY、M、C、K成
分のそれぞれについて、<階調変換式>を適用し、階調
強変値(y) を求める。なお、y値としては、複製画像の
再現階調数、例えば256階調などにに対応した値を求
めればよい。256階調の場合、<階調変換式>の適用
においてyH =0,yS =255に設定すれば、H〜S
のダイナミックレンジにおいて0〜255(256)階調
の画像が複製される。
【0056】図4において、レーザビーム発生器(15)か
らのレーザビームにより、写真製版の網点に対応する階
調強度値(y)、即ち、所定画素ブロックの被覆される画
素の比率に基づいて感光体上に潜像が形成される。即
ち、変換部(11)によって得られた画素の面積比率はカラ
ーチャンネルセレクタ(12)に入力され、ye´,me
´,ce´,ke´を順次、選択的に出力する。この出
力は、A/D変換され、出力部(4) に入力される。出
力部(4)は階調調整部(3)の出力に基づいて、ドットコ
ントロール部(14)ににおいてレーザビーム発生器(15)の
コントロールを行なう。本発明の画像の階調変換法は図
示しないが、他の複製画像の製作機器の前記した図3〜
図4と同様の階調調整部に組み入れられ、これら機器の
階調変換作業を合理化することができる。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
する。実施例に使用したカラーフィルム原稿、カラース
キャナ、色校正(カラープルーフィング)は以下の通り
である。 (i) カラーフィルム原稿 カラーフィルム原稿として、F社製フジクローム100D
,4″×5″で撮影した標準品質の女性人物像を使用
した。前記原稿をX−RITE濃度計で測定したところ、H
部0.31、S部で2.72であり、その濃度域(ダイナミック
レンジ)は2.41であった。なお、前記カラーフィルム原
稿のHとSの測定濃度値が、表4(標準カラーフィルム
原稿)と略同じであることから、色分解前の製版設計の
段階いおいて行うべきHとSの測定濃度値のバラツキに
基づくカラースキャナ出力色版画像の階調の変化、及び
本発明によるHとSの測定濃度値の調整、あるいは前記
<階調変換式>中のγ値の調整による同出力色版画像の
階調の安定化効果に関するデータは、表4、表9、及び
表11を参考にすることができる。
【0058】(ii)カラースキャナ 色分解に使用したカラースキャナとして、ISOMET社製45
5 DIGITAL COLOR SCANNERを選び、これに以下の機能を
付与した。 濃度測定部がHとその近傍部位における平均濃度値
(DHav) 、及びSとその近傍部位における平均濃度値
(DHav) を表示ならびに出力できるようにした。平均濃
度値としてm回(mは任意の整数)測定し、その算術平
均値がデジタル表示ならびに出力されるように仕組ん
だ。なお、本実施例において、m=5回とした。 また、階調変換部には、本発明の前記<階調変換式
>により、濃度値(Dn) から得られた光量値(正規化光
量値)(Xn)を網点面積%値(y) に変換できるソフトウェ
アを搭載した。更に、所望の光量値(または濃度値)の
部位において、所望の網点面積%値、例えば50%を与
えるγ値が自動的に求められるソフトウェアも搭載し
た。
【0059】(iii) 色校正 カラースキャナによる色分解後の色校正として、D社ク
ロマリン法を採用した。
【0060】(iv)色分解 実験に当たり、本発明の効果、即ち、カラーフィルム原
稿のHとSの測定濃度値のバラツキを低減させたときの
効果、より具体的には、HとSのバラツキを夫々0.0200
及び0.0500の範囲内にとどめたときの効果、更に前記効
果に加えて本発明の前記<階調変換式>中の係数γ値に
よる調整効果を確かめるため、作業者に甲、乙の二人を
選んだ。そして、前記カラーフィルム原稿上にHとSの
部位を設定し、作業者甲には前者の効果を、作業者乙に
は後者の効果が確認できるように色分解作業を行なっ
た。なお、各色版(C、M、Y版)の色分解カーブを設
定するための前記<階調変換式>の運用条件は下記と通
りである。 C版 :yH =5%, yS =95% M=Y版:yH =3%, yS =90% γ値 :0.45(固定方式)又は任意に変更(表1
0〜表11参照)
【0061】甲は、カラースキャナの走査用ヘッドを使
用して、HとSの濃度値を、夫々10回測定した。なお、
各回の測定濃度値は、夫々5回の平均値から成るもので
ある。結果を表12に示す。また、乙は、甲と同様にし
てHとSの濃度値を、夫々5回測定した。結果を表13
に示す。
【0062】
【表12】
【0063】
【表13】
【0064】以上の結果、甲によるHとSの測定値のバ
ラツキの範囲は、表12より0.3100−0.2940=0.0160、
2.7320−2.6840=0.0480であり、何れも表9で予定した
Hが0.020、Sが0.0500 の許容範囲に収まることが確認
された。なお、色分解作業は表12のNo.7のデータに
基づいて実施したが、満足すべき結果が得られた。ま
た、乙によるHとSの測定値のバラツキの範囲は、表1
3により、同様に何れも表9で予定したバラツキの範囲
内に収まることが確認された。なお、色分解作業は、表
13のNo.2 のデータに基づいて実施したが、同様に満
足すべき結果が得られた。
【0065】次に、色分解作業を表13のNo.2 のデー
タを用いるとともに、本発明の<階調変換式>中のγ値
を調整するようにして行い、表12のNo.7 のデータに
基づく色分解作業(γ=0.45の固定式)と同じ結果が得
られるかどうかを実験した。表13のNo.2 のデータを
採用する理由は、表12のNo.7 のデータに対してデー
タの乖離度が最大のものであり、本発明の効果を確認す
る上で最適の比較ケースと考えたからである。表12〜
表13の備考欄に示したように、製版設計用データによ
れば、<階調変換式>中のγ値がγ=0.45の場合、・甲
のNo.7(表12)のケースにおける1/4部のC版の網点
面積%値……50.4104、・乙のNo.2(表13)
のケースにおける1/4部のC版の網点面積%値……4
9.3713、となり、両者は同一でない。即ち、両者
は厳密な意味で同じ階調の印刷画像ではない。そこで、
γ値を調整してγ=0.45をγ=0.4921に変更し、乙の N
o.2(表13)のデータを用いて色分解作業を行なっ
た。なお、γ=0.4921のとき、1/4 部のC版の網点面積
%値は50.4089(%)となる。前記のように製作した甲
と乙のカラー校正印刷画像の調子を比較したところ、両
画像は殆ど同質のものであった。
【0066】前記実験の結果、本発明は予定した通りの
効果をあげることができ、予めHとSの位置を指定して
おくことにより、写真感材中の銀粒子のサイズ、形状、
分布の不規則性、スキャナオペレータの作業要領の相違
などに左右されることなく、カラーフィルム原稿のHと
Sの測定濃度値のバラツキに基づくカラースキャナ出力
色版画像への悪影響を排除し、常に安定した調子(階調
と色調)をもつカラー印刷画像を製作することができ
る。
【0067】
【発明の効果】印刷画像を製作するためのカラースキャ
ナ、あるいは他の高品位の複製画像を製作するためのイ
メージスキャナを使用して連続階調のカラー写真原稿か
ら網点階調の複製画像を製作する場合、最明部(H) から
最暗部(S) の全ダイナミックレンジにわたり設計通りの
階調強度値(例えば網点面積%値、ドットによる画素の
被覆率など)を有する複製画像を製作することは極めて
困難である。別言すれば、設計通りに階調の変換を行な
い、所望した複製画像を安定的に、かつ効率よく製作す
ることは極めて困難である。
【0068】本発明の画像の階調変換法は、特定の<階
調変換式>により階調変換を合理的にコントロールする
ものであるが、該階調変換のための初期条件を設定する
ために、原稿のHとSの濃度測定を行なわなければなら
ないものである。しかしながら、前記HとSの濃度測定
には不可避的なバラツキを伴なうものであり、その測定
濃度値が階調変換に極めて大きな悪影響を与えること
が、前記<階調変換式>の出力結果から定量的に把握さ
れる。HとSの濃度測定によるバラツキは、階調再現の
ための重要な領域であるH〜中間調において、10%近
く階調強度値に相違をもたらす。これは人間の視覚能力
に対して、極めて大きな影響力を与えるものである。
【0069】本発明の画像の階調変換法を適用して高品
位の複製画像を製作するためには、各種の複製画像製作
用の機器において、前記HとSの濃度測定バラツキを平
均化して平均濃度値を得るための濃度測定部、及び本発
明の<階調変換式>により階調変換を行なう階調変換部
を組み込むことが必要であるが、これにより常に設計通
りの複製画像を製作することができる。前記したことの
意義は極めて大きく、例えば印刷画像の製作において、
製版作業の効率性、即ち、損版の低減又は解消、関連資
材の節約、作業時間の短縮化、製品の短納期化などに貢
献する。更に、印刷画像の製作において、階調変換が合
理的、定量的に実施されるため、色分解作業(階調変換
及び分色作業、後者はカラーコレクションを含む。)に
関する作業者(オペレータ)の定量的、科学的な教育、
顧客の要求の実現などの面で優れた効果を発揮する。前
記した点は、印刷画像の製作に限らず、他の複製画像に
ついてもいえることはいうまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カラー写真フィルム感材の写真濃度特性曲線
を示す。
【図2】 カラースキャナのアパーチャー視野内におけ
る乳剤層中の銀粒子の分散状態を説明する模式図であ
る。
【図3】 本発明の画像の階調変換法が適用されるカラ
ースキャナの機器構成を説明する概要図である。
【図4】 本発明の画像の階調変換法が適用されるデジ
タル式複写機(カラーコピー)の機器構成を説明する概
要図である。
【符号の説明】
1……………検出部 2……………色分解部 3……………階調調整部 4……………出力部 5……………カラー写真原稿 6……………A/V変換部 7……………ログアンプ 8……………ベーシックマスキング部 9……………カラーコレクション部 10…………UCR/UCA部 11…………階調変換部 12…………カラーチャンネルセレクタ 13…………A/D変換部 14…………ドットコントロール部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続階調のカラー写真原稿画像を階調変
    換して網点階調の複製画像を製作するときの画像の階調
    変換法において、前記画像の階調変換が、 (i) カラー写真原稿上に指定された最明部(H)と最暗
    部(S)の濃度値として、Hとその近傍部部位、及びS
    とその近傍部位の代表濃度値(DHav、DSav)を入手する
    工程、 (ii)H〜Sに至る各画素点(n点)をスキャンして各画
    素点の濃度値(Dn)を入手する工程、 (iii)濃度値を表わす縦軸(D軸)と光量に相関した画
    像情報値をを表わす(X軸)のD−X直交座標系で規定
    されるカラー写真原稿の撮影に供した写真感材の濃度特
    性曲線を利用して、前記HとSの代表濃度値(DHav、DS
    av)及び各画素点の濃度値(Dn)を光量に相関した画像
    情報値(Xn)に変換する工程、 (iv)前記光量に相関した画像情報値(Xn ) を、下記<階
    調変換式>を用いて階調強度値(y)に変換する工程、 から構成されることを特徴とする画像の階調変換法。 <階調変換式> y=yH +[α(1−10-k・x )/(α−β)]・(yS − yH) ただし、上記<階調変換式>において、 X :X =( Xn − XH )で示される基礎光量値。即ち、
    原稿上の任意の画素(n点)の濃度値(Dn ) から前記D
    −X直交座標系で規定される濃度特性曲線を介して求め
    た光量に相関した画像情報値(Xn ) と、前記H部の代表
    濃度値(DHav)に対応する光量に相関した画像情報値(X
    H ) の差を示す。 y:原稿上の任意の画素(n点)に対応する複製画像上の
    画素の階調強度値。 yH :原稿上のHに対応する複製画像上のHに対して、
    予め設定される階調強度値。 yS :原稿上のSに対応する複製画像上のSに対して、
    予め設定される階調強度値。 α:複製画像の記録用紙の表面反射率。 β:β=10により決められる数値。 k:k=γ/(Xs − XH)により決められる数値。但し、
    上式において Xs は、前記S部の代表濃度値 (DSav) か
    ら前記D−X直交座標系で規定される濃度特性曲線を介
    して求めた光量に相関した画像情報値を示す。 γ:任意の係数。 をそれぞれ表わす。
  2. 【請求項2】 濃度特性曲線が、写真用感光材料の黒化
    度(濃度D)と露光量(E)の対数値(log E) の相関
    を表わす写真濃度特性曲線である請求項1に記載の画像
    の階調変換法。
  3. 【請求項3】 濃度特性曲線を規定するD−X直交座標
    系のD(縦)軸−X(横)軸の目盛(スケーリング)に
    おいて、X軸目盛がD軸目盛を同一である請求項1に記
    載の画像の階調変換法。
  4. 【請求項4】 光量に相関した画像情報値(Xn)が、[ X
    s − XH ]値(光量に相関した画像情報値のダイナミッ
    クレンジ)を1.0に調整したときの正規化光量値であ
    る請求項1に記載の画像の階調変換法。
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