JP2937768B2 - 高周波電磁調理器 - Google Patents

高周波電磁調理器

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JP2937768B2
JP2937768B2 JP6238666A JP23866694A JP2937768B2 JP 2937768 B2 JP2937768 B2 JP 2937768B2 JP 6238666 A JP6238666 A JP 6238666A JP 23866694 A JP23866694 A JP 23866694A JP 2937768 B2 JP2937768 B2 JP 2937768B2
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修行 河村
熱 井口
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Kansai Denryoku KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高周波電磁調理器に関
し、さらに詳しくは、魚貝類、食肉類、野菜類、茸類、
ピザ、グラタン等を放射光熱線で焼くために用いられる
高周波電磁調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、焼き物調理品は天然の炭を用いた
炭火が最高のものであった。たとえば鰻の蒲焼は、炭火
を用いなければ良い味は得られない。また鰻に限らず、
一流のレストランでは、魚、貝、肉などを炭火を用いて
良い味を出している。炭火を用いている理由は、炭火の
赤外線による放射熱が、被加熱体調理物への熱透過性に
優れることと、均一熱を発生させることができるからで
ある。しかしながら、均一熱を発生させるためには、樫
等の堅い木材から得られた炭を用い、炭火の配置を工夫
し、かつ調理中は調理物から落下した液体によって発生
する煙をうちわによって排除したり、炭火の表面に発生
する灰を除去するなどの工夫が必要で、一流のコックに
なるには長年の修行と熟練が必要であった。そのうえ、
良質の炭は入手が困難で、かつ炭火を扱うこと自体が面
倒であるので、炭火はますます使用されなくなってきて
いる。
【0003】また、コスト上の問題からそれ程一流の味
を出すことが要求されないレストランや家庭では、焼き
物調理は抵抗式の電気オーブンを用いたり、ガスを燃焼
させて金属物体を加熱し、その反射熱で食物材料(食
材)を焼くことが一般的に行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記抵
抗式の電気オーブンを用いた調理は、発熱量がそれ程高
くなく、調理に時間が長時間かかる上、食材の内部まで
火が良く通らないという問題があった。また、ガス燃焼
による調理はやはり食材の内部まで火が良く通らないと
いう問題があった。
【0005】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、高周波電力を用いて可視光線または赤外線を含む
放射熱光線により焼き物調理ができる均熱性に優れた高
周波電磁調理器を提供することを目的とする。ここで、
「焼き物調理」とは、熱源と一定の距離を置いて被加熱
物を配置し、熱源が発生する放射熱光線を被加熱物に照
射して調理することをいう。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る高周波電磁調理器は、高周波を発生さ
せるワークコイルと、前記高周波によって発生した交流
磁場により加熱される金属加熱部材と、前記ワークコイ
ルと前記金属加熱部材とを断熱する断熱手段とを少なく
とも備え、高周波電力を用いて可視光線または赤外線を
含む放射熱光線により焼き物調理をするための高周波電
磁調理器であって、前記金属加熱部材は、厚さが0.1
〜1mmの範囲の平面状で、かつ実質的に円周方向に沿
た環状の一部に不連続部を有する形状のスリット孔
複数本設けられており、前記断熱手段が、前記ワークコ
イル上のトッププレートと、前記トッププレート上にス
ペーサーを介して設置した断熱材プレートと、前記トッ
ププレートと前記断熱材プレートとの隙間に送風する手
段とを備えていることを特徴とする。
【0007】前記構成においては、金属加熱部材のスリ
ット孔が3〜10本設けられていることが好ましい。ま
た前記構成においては、スリット孔の不連続部が、隣接
するスリット孔の不連続部と金属加熱部材の中心点を挟
んで反対の位置に存在することが好ましい。
【0008】前記構成においては、金属加熱部材の中央
部分がくりぬかれていることが好ましい。また前記構成
においては、金属加熱部材が、非磁性体または磁性体の
ステンレス鋼であることが好ましい。
【0009】また前記構成においては、金属加熱部材の
発熱温度が、700〜1000℃の範囲であることが好
ましい。また前記構成においては、金属加熱部材の発熱
が、可視光線または赤外線を含むことが好ましい。
【0010】前記構成においては、ワークコイルの発生
周波数が、20〜30kHzの範囲であることが好まし
い。また前記構成においては、トッププレートと断熱材
プレートとの隙間に送風する手段が、断熱材プレート周
囲に漏れている磁束を捕らえるためのアンテナコイル
と、前記アンテナコイルに生ずる交流電流を直流電流に
変換するための整流器及びコンデンサーと、前記変換さ
れた直流電流を電源とする直流モータを用いて駆動され
る冷却ファンとを備えていることが好ましい。
【0011】
【作用】前記した本発明によれば、高周波を発生させる
ワークコイルと、前記高周波によって発生した交流磁場
により加熱される金属加熱部材と、前記ワークコイルと
前記金属加熱部材とを断熱する手段を少なくとも備えた
高周波電磁調理器であって、前記金属加熱部材は平面状
でかつ少なくとも1本以上の実質的に円周方向に沿った
スリット孔を有することにより、高周波電力を用いて可
視光線または赤外線を含む放射熱光線を効率良く均一に
発生させることができる。すなわち、スリット孔を形成
したことにより、金属加熱部材が放射熱光線を発生する
程度の高温まで急激に熱膨張しても、金属加熱部材が熱
変形を起こさず、安定して平面状態を保持できる。また
平面状態であると、放射熱光線を最も効率良く発生させ
ることができる。この結果、焼き物調理に好適な均熱性
に優れた高周波電磁調理器を提供することができる。ま
た、エネルギー源として電力を用いるので、温度制御が
容易で、かつ炭火やガス燃焼に比べて調理環境を格段に
クリーンにできる。
【0012】前記において、金属加熱部材のスリット孔
が複数本存在し、かつ前記スリット孔は一部で不連続部
を有するという好ましい例によれば、さらに熱膨張に対
して有利にできる。前記において、好ましい不連続部の
長さは、スリット孔の長さの1〜30%程度である。ま
た、複数本のスリット孔により、ワークコイルに対応す
るように金属加熱部材を形成できる。スリット孔の好ま
しい数は、ワークコイルの巻き数にもよるが、おおむね
3〜10程度である。
【0013】また前記において、スリット孔の不連続部
が、隣接するスリット孔の不連続部と対称位置に存在す
るという好ましい例によれば、熱膨張による変形を防止
できるとともに強度を高く維持できる。
【0014】また前記において、金属加熱部材の中央部
分がくりぬかれているという好ましい例によれば、ワー
クコイルの存在していない部分、すなわち加熱に寄与し
ない部分を除去し、熱変形をさらに防止できる。
【0015】また前記において、金属加熱部材が、厚さ
0.1〜1mmの非磁性体または磁性体のステンレス鋼
であるという好ましい例によれば、高温での耐酸化性に
優れ、食材またはこれに関連する材料から発生する様々
な液体(油脂、調味料など)が高温で接触しても変質せ
ず長期にわたり安定して使用することができる。また、
本発明によって発生させる放射熱光線は、熱光線量が必
要であるため、金属加熱部材の厚さはあまり必要ではな
く、0.1〜1mm程度の厚さで十分である。さらに好
ましくは、0.3〜0.8mm程度の厚さである。また
ステンレス鋼としては、たとえばSUS304等のオー
ステナイト系ステンレス鋼などがある。
【0016】また前記において、金属加熱部材の発熱温
度が、700〜1000℃の範囲であるという好ましい
例によれば、放射熱光線を実用的に十分に発生できる。
また前記において、金属加熱部材の発熱が、可視光線ま
たは赤外線を含むという好ましい例によれば、黄、橙
(オレンジ)、赤などを含む放射熱光線を実用的に十分
に発生できる。すなわち高品位の炭火と同等かそれ以上
の発熱ができる。
【0017】また前記において、ワークコイルの発生周
波数が、20〜30kHzの範囲であるという好ましい
例によれば、放射熱光線を実用的に十分に発生できる。
入力する電気容量はたとえば1.5〜3.0kw程度で
ある。
【0018】また前記において、ワークコイルと金属加
熱部材とを断熱する手段が、ワークコイル上のトッププ
レートと、トッププレート上にスペーサーを介して設置
した断熱材プレートと、トッププレートと断熱材プレー
トとの隙間に送風する手段から構成されるという好まし
い例によれば、効率良く長期間安定して加熱装置を稼働
できる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。図1は本発明に係る高周波電磁調理器の一
実施例を示す模式図である。
【0020】図1に示すように、本体1の上部にはセラ
ミック製のトッププレート2が固定されており、このト
ッププレート2の下部には当業者にとって周知の高周波
電力発生装置が設けられている。図1にはインバーター
のワークコイル3を図示し、その他の高周波電力発生装
置を省略しているが、高周波電力発生装置はAC電源を
介して商用波数(50Hzまたは60Hz)の交流電力
を供給し、DC電流に変換し、インバーターと出力トラ
ンスを用いてワークコイル3から高周波電力(たとえば
25kHz)を発生させ、トッププレート2の上部に交
流磁場を発生させる。ここで、トッププレート2はイン
バーターを保護する役目を担っている。
【0021】トッププレート2の上部には、5〜10m
m厚のセラミック製のスペーサー4、4を介して断熱材
5が設けられており、この断熱材5の上には加熱プレー
ト6が載置されている。これにより、ワークコイル3に
よってトッププレート2の上部に発生した交流磁場の作
用により加熱プレート6に起電力が誘起され、その表面
層を流れる渦電流によってジュール熱が発生し、加熱プ
レート6が加熱される。加熱プレート6は可視光線、赤
外線を含む放射光熱線を発生し、加熱プレート6の上方
に一定の距離を置いてのせた魚貝類、牛肉等を調理する
ことができる。
【0022】トッププレート2の上には、断熱材5の側
方に位置して冷却ファン7が設けられており、この冷却
ファン7によって断熱材5とトッププレート2との間に
冷風を送り込むことができる。そして、この冷却ファン
7の働きにより、断熱材5から下方へ向かって放射する
熱は冷却され、ワークコイル3が高温になることはない
ので、ワークコイル3の損傷を防止することができる。
このように、冷却ファン7によってワークコイル3の損
傷を防止するようにしたので、従来のように装置全体を
オフにすることなくインバーターのワークコイルを保護
することができるので、ある程度長時間にわたって加熱
する必要がある場合にもうまく調理することができる。
【0023】断熱材5の側壁5aには、直径1.2mm
のアルミ線が1〜20回程巻かれており、アンテナコイ
ル8が構成されている。これにより、断熱材5の周囲に
漏れている磁束がアンテナコイル8を鎖交し、アンテナ
コイル8に起電力が発生するので、交流を得ることがで
きる。
【0024】図2に示すように、アンテナコイル8はシ
リコン整流器9及び平滑用コンデンサ10を介してDC
モータ11に接続されている。尚、図2において、12
は回路保護用の抵抗器である。
【0025】以上のような構成とすることにより、アン
テナコイル8によって得られた交流はシリコン整流器9
及び平滑用コンデンサ10を通して全波整流され、25
〜30Vの直流を得ることができるので、DCモータ1
1を駆動して冷却ファン7を作動させることができる。
もちろん冷却ファン7は別の電源に接続しても良い。
【0026】このように、断熱材5の周囲に漏れている
磁束を利用して冷却ファン7を作動させるようにしたの
で、外部電源を必要としない。その結果、電磁調理器か
ら電源コードがぶら下がった状態となることはなく、電
磁調理器の外観がすっきりしたものになると共に、節電
にも貢献することができる。また、電磁調理器を洗浄す
るに際しても電源コードが邪魔になることはなく、他の
場所への運搬にも支障がない。
【0027】尚、本実施例においては、冷却ファン7を
トッププレート2の上に設けているが、必ずしもこの構
成に限定されるものではなく、冷却ファン7をトッププ
レート2の下側に設け、トッププレート2とワークコイ
ル3との間に冷風を送り込むようにしてもよい。
【0028】また、本実施例においては、トッププレー
ト2の上部に設けた断熱材5の側壁5aにアルミ線を巻
回することにより、アンテナコイル8が構成されている
が、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、断熱
材5の周囲に断熱材5とは別個独立にアンテナコイルを
付設するようにしてもよい。そして、この場合、金属加
熱部材としては、断熱材5のように容器状のものである
必要はなく、例えば、平板状、シート状のものであって
もよい。
【0029】また、本実施例においては、漏れ磁束を利
用して冷却ファン7を作動させるようにしているが、必
ずしもこの構成に限定されるものではなく、金属加熱部
材の周囲と冷却ファン7のDCモータ11とを熱電対を
介して接続し、発生した起電力をDCモータ11に適合
した駆動電圧に調節することによって、冷却ファン7を
作動させるようにしてもよい。また、別の外部電源を利
用して冷却ファン7を作動させることもできる。
【0030】次に図3は、本発明にかかる高周波電磁調
理器の別の実施例を示す模式図である。図1と異なると
ころは、冷却用風を送り出す部分である。すなわち本体
1の内側にファン13を設け、ワークコイル3を冷却す
ると同時に、冷却用風をトッププレート2の端に開けた
冷却孔14からフード15を通過してトッププレート2
と断熱材5との間を冷却する部分である。
【0031】次に図4は、本発明にかかる高周波電磁調
理器のさらに別の実施例を示す模式図である。図1と異
なるところは、ファン17を断熱材プレート16の横に
横向きに置き、トッププレート2と断熱材プレート16
との間を冷却するところである。この様にすると、使用
者にとってファン17が調理の邪魔にならず、また加熱
プレート6も見やすくなる。ファン17を回転させるモ
ーター(薄いため図示せず)は、下向に置くと使用者に
とってさらに使いやすい。またこの実施例においては、
アンテナコイルは加熱プレート6の外側であって、断熱
材プレート16の下側に5〜6回巻回しておく。アンテ
ナコイルは細いものなので、ファン17からの送風を妨
げることはない。なお、トッププレート2と断熱材プレ
ート16との間のスペース(間隔)は5mm程度が好ま
しい。
【0032】前記において、断熱材プレート16として
は、たとえばカオウールボード(イソライト工業社
製)、カオウール1000ボード(イソライト工業社
製)などのシリカ系セラミックを繊維化したボードなど
の無機材料断熱シートを使うのが好ましい。なお図4に
おいて、18はセンタースペーサーである。
【0033】次に図5は、図1,3,4で説明してきた
本発明の実施例で用いる加熱プレート6の一実施例を示
すものである。まず形状はとくに限定されないが、直径
180mm、厚さ0.5mm、金属発熱部19の幅tが
ほぼ9mm、スリット孔20の幅sがほぼ1mm、中央
くりぬき部21の直径hがほぼ40mmである。この加
熱プレート6は、たとえば厚さ1mmのプレートを購入
して、熱間圧延して厚さ0.5mmにし、ウォータージ
ェット加工によりスリット孔20を形成した。スリット
孔20の形状は、C型スリット孔と逆C型スリット孔を
交互に形成し、合計6本形成した。C型スリット孔の島
の部分は約5mmとした。
【0034】加熱プレート6の材料としては、非磁性体
または磁性体のステンレス鋼が好ましい。非磁性体のス
テンレス鋼としては、SUS304等のオーステナイト
系ステンレス鋼などがある。磁性体のステンレス鋼とし
ては、たとえば住友金属テクノロジー株式会社製のNA
R160,FH−11等がある。
【0035】次に図6は、断熱材プレート16の形状を
示す。断熱材プレート16としては、前記したようにカ
オウールボードまたはカオウール1000ボードを用
い、厚さ5mm、1辺が240mmの正方形のものを脱
バインダー処理して用いた。脱バインダー処理は、異臭
をなくすために行うもので、700〜800℃で熱処理
することにより行った。また中央にはセンタースペーサ
ー18を通す穴18´を形成した。
【0036】次に図7は、図4の加熱装置の上に金網2
3をのせ(金網23と加熱プレート24の距離約20〜
120mm、なお生魚の場合は約80mm、乾物の場合
は約20mm、貝類80〜100mm、肉類100〜1
20mmが好ましい)、かつ加熱プレートの周囲に吸引
ダクト22を設け、実際に魚24を焼いている実験例を
示すものである。入力した電気容量は200V、2.2
kw、ワークコイル3の発生周波数は25kHzであっ
た。この条件で金属加熱プレート6の発熱温度は、約1
分30秒で795〜810℃の範囲に加熱でき、可視光
線または赤外線を含む黄、橙(オレンジ)、赤などを含
む放射熱光線を発生した。魚24は表面が焦げることな
く、内部まで十分に加熱され、高品位の炭火を用いた場
合と同等かそれ以上の良い調理ができた。魚24から落
下する液25は加熱プレート6上で騰沸して跳ね飛び吸
引ダクト22で除去された。したがって金属加熱プレー
ト6が汚れることはなかった。なお、魚の他にサザエな
どの貝類、カニ、エビ、鰻なども調理したが、外部は焦
げたり黒くなることはなく、内部まで十分に加熱され、
高品位の炭火を用いた場合と同等かそれ以上の良い調理
ができた。さらに牛肉、鶏肉、焼き鳥なども焼いてみた
が、表面は焦げることなく、内部まで十分に加熱され、
良い調理ができた。以上の調理は一流の料理人が担当し
たが、炭火と同等、または炭火以上の調理ができた。さ
らに繰り返して1月間使用したが、加熱プレート6が変
形したり酸化することはなかった。
【0037】次に図7の装置を用いて、具体的にどの程
度の発熱量があるかを、水の加熱によって実験した。用
いた鍋は表面が黒色の寸胴鍋である。この中に25℃の
水を2リットル入れ、加熱プレート6の上方20mmと
80mmに架台の位置を変え、架台の上に金網を置き、
その上に鍋をかけた。そして、10分間加熱して加熱プ
レート6の温度、鍋の中の水をかきまぜたときの温度、
架台の上に金網の温度をそれぞれ測定した。なお加熱プ
レート6としては、SUS304ステンレス鋼、NAR
160ステンレス鋼,FH−11ステンレス鋼をそれぞ
れ用いた。以上の実験結果を表1(距離20mm)、表
2(距離80mm)に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1、表2から明らかな通り、火力は強い
ことが確認できた。また急速加熱もできることがわかっ
た。次に図8は、本発明の別の実施例を示すもので、ワ
ークコイル3、トッププレート2を上に置き、加熱ボッ
クス26の中の上方に断熱材プレート16と加熱プレー
ト6を設置したものである。この例においては、デッシ
ュ27内のたとえばグラタン、ピザパイなどの食材28
を加熱したり、焼く調理に都合が良い。
【0041】次に図9は、本発明の別の実施例を示すも
ので、ワークコイル3、トッププレート2を横に一対に
置き、加熱ボックス29の中の横に一対断熱材プレート
16と加熱プレート6を設置したものである。この例に
おいては、デッシュ30内のたとえば一匹の鶏肉のよう
な大型の食材31を加熱調理したり、焼く調理に都合が
良い。
【0042】以上説明したように、本実施例係る高周波
電磁調理器によれば、従来のように装置全体をオフにす
ることなくインバーターのワークコイルを保護すること
ができるので、ある程度長時間にわたって加熱する必要
がある場合にもうまく調理することができる。
【0043】また、前記本実施例において、金属加熱部
材の周囲に、漏れ磁束の鎖交によって交流を生じさせる
アンテナコイルを付設し、前記アンテナコイルを整流回
路を介して冷却装置用のDCモータに接続するという好
ましい構成、又は金属加熱部材の周囲と冷却装置用のD
Cモータとを熱電対を介して接続するという好ましい構
成によれば、冷却装置を作動させるための外部電源を一
切必要としないので、電源コードによって電磁調理器の
外観が損なわれることはないと共に、節電にも貢献する
ことができる。また、洗浄するに際しても電源コードが
邪魔になることがなく、他の場所への運搬にも支障がな
い。
【0044】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、高
周波を発生させるワークコイルと、前記高周波によって
発生した交流磁場により加熱される金属加熱部材と、前
記ワークコイルと前記金属加熱部材とを断熱する手段を
少なくとも備えた高周波電磁調理器であって、前記金属
加熱部材は平面状でかつ少なくとも1本以上の実質的に
円周方向に沿ったスリット孔を有することにより、高周
波電力を用いて放射熱光線を効率良く均一に発生させる
ことができる。すなわち、スリット孔を形成したことに
より、金属加熱部材が放射熱光線を発生する程度の高温
まで急激に熱膨張しても、金属加熱部材が熱変形を起こ
さず、平面状態で維持できる。また平面状態であると、
放射熱光線を最も効率良く発生させることができる。ま
た、エネルギー源として電力を用いるので、温度制御が
容易で、かつ炭火やガス燃焼に比べて調理環境を格段に
クリーンにできる。この結果、焼き物調理に好適な均熱
性に優れた高周波電磁調理器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる高周波電磁調理器の一実施例を
示す模式図である。
【図2】同、冷却ファンを作動させるための電気回路図
である。
【図3】本発明にかかる高周波電磁調理器の別の実施例
を示す模式図である。
【図4】本発明にかかる高周波電磁調理器のさらに別の
実施例を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例で用いる加熱プレートの一実施
例を示すものである。
【図6】本発明の実施例で用いる断熱材プレートの形状
を示す。
【図7】図4の加熱装置の実験例を示す。
【図8】本発明の別の実施例を示すもので、加熱部を上
方に設置した例である。
【図9】本発明の別の実施例を示すもので、加熱部を横
に一対に設置した例である。
【符号の説明】
1 本体 2 トッププレート 3 ワークコイル 4 スペーサー 5 断熱材 6 加熱プレート 7,17 冷却ファン 8 アンテナコイル 9 シリコン整流器 10 平滑用コンデンサ 11 DCモータ 12 回路保護用の抵抗器 13 ファン 14 冷却孔 15 フード 16 断熱材プレート 18 センタースペーサー 18´ センタースペーサーを通す穴 19 金属発熱部 20 スリット孔 21 中央くりぬき部 22 吸引ダクト 23 金網 24 魚 25 魚から落下する液体 26,29 加熱ボックス 27,30 デッシュ 28,31 食材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−251169(JP,A) 特開 平5−205861(JP,A) 特開 平4−366587(JP,A) 特開 平3−192684(JP,A) 特開 平4−248289(JP,A) 実開 昭60−9191(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 6/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波を発生させるワークコイルと、前
    記高周波によって発生した交流磁場により加熱される金
    属加熱部材と、前記ワークコイルと前記金属加熱部材と
    を断熱する断熱手段とを少なくとも備え、高周波電力を
    用いて可視光線または赤外線を含む放射熱光線により焼
    き物調理をするための高周波電磁調理器であって、 前記金属加熱部材は、厚さが0.1〜1mmの範囲の
    面状で、かつ実質的に円周方向に沿った環状の一部に不
    連続部を有する形状のスリット孔が複数本設けられてお
    り、 前記断熱手段は、前記ワークコイル上のトッププレート
    と、前記トッププレート上にスペーサーを介して設置し
    た断熱材プレートと、前記トッププレートと前記断熱材
    プレートとの隙間に送風する手段とを備えている ことを
    特徴とする高周波電磁調理器。
  2. 【請求項2】 金属加熱部材のスリット孔が3〜10本
    設けられている請求項1に記載の高周波電磁調理器。
  3. 【請求項3】 スリット孔の不連続部が、隣接するスリ
    ット孔の不連続部と金属加熱部材の中心点を挟んで反対
    の位置に存在する請求項1に記載の高周波電磁調理器。
  4. 【請求項4】 金属加熱部材の中央部分がくりぬかれて
    いる請求項1に記載の高周波電磁調理器。
  5. 【請求項5】 金属加熱部材が、非磁性体または磁性体
    のステンレス鋼である請求項1に記載の高周波電磁調理
    器。
  6. 【請求項6】 金属加熱部材の発熱温度が、700〜1
    000℃の範囲である請求項1に記載の高周波電磁調理
    器。
  7. 【請求項7】 ワークコイルの発生周波数が、20〜3
    0kHzの範囲である請求項1に記載の高周波電磁調理
    器。
  8. 【請求項8】 トッププレートと断熱材プレートとの隙
    間に送風する手段が、断熱材プレート周囲に漏れている
    磁束を捕らえるためのアンテナコイルと、前記アンテナ
    コイルに生ずる交流電流を直流電流に変換するための整
    流器及びコンデンサーと、前記変換された直流電流を電
    源とする直流モータを用いて駆動される冷却ファンと
    備えている請求項に記載の高周波電磁調理器。
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