JP2936754B2 - 冷間鍛造性に優れたTi合金 - Google Patents

冷間鍛造性に優れたTi合金

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英人 大山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷間鍛造性に優れたT
i合金に関し、詳細には従来のβ型Ti合金と同程度の
強度を維持しつつ、冷間加工性及び延性を向上させたT
i合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Ti合金は添加元素の種類や量によって
組織がかわり、α型,α+β型,β型等に分類され、各
々個有の特性を示すことが知られている。これまでのT
i合金としてはα+β型Ti合金であるTi−6Al−
4Vが最も多く利用されており、航空機や宇宙開発機器
を中心として需要が拡大しつつある。最近では上記Ti
合金の、軽く,強く、しかも耐食性に優れるという特性
に着目して、自動車や家庭用電化製品等をはじめとする
量産型民生品の部品として使用することも検討されはじ
めている。量産に適した部品としては冷間鍛造が効率良
く行なえることが要求され、この為には変形抵抗が小さ
く延性が大きいことが必要である。しかしながら前記α
+β型Ti合金であるTi−6Al−4Vは冷間加工性
に乏しく量産用の素材としては不適当である。
【0003】冷間加工に適したTi合金としてはβ型T
i合金が有力視されており、応力誘起マルテンサイト変
態を生じるTi−16V−4Snや変形が双晶で起こる
Ti−16V−10Sn等が既に開発されている。本発
明者らが上記2種類のβ型Ti合金について変形抵抗を
比較調査したところ、Ti−16V−4Snでは0.2 %
耐力が30kgf/mm2程度、引張強さが50kgf/mm2程度で
あるのに対して、Ti−16V−10Snの0.2 %耐力
と引張強さは共に60kgf/mm2程度にも及び、Ti−1
6V−4Snの方が変形抵抗の面で優れていることを確
認している。
【0004】但し、該Ti−16V−4Snは据込み限
界においては既存のβ型Ti合金であるTi−15V−
3Cr−3Sn−3Al等に劣り、またAlを含有して
いないため耐酸化性に不安が残ると共に、時効処理時に
析出するα相が軟らかくて高強度が得られず、かと言っ
てAlを添加すると冷間鍛造性が極端に低下するという
問題を有している。
【0005】ところで本発明者らは冷間鍛造性に優れた
Ti合金を開発すべく研究を重ねてきており、これまで
にも冷間鍛造に適した強度と延性を有するTi合金を発
明して先に出願を行なった(特開平1−12994
1)。
【0006】しかしながら上記先願合金で据込み鍛造を
行ない、既存のβ型Ti合金であるTi−15V−3C
r−3Sn−3Alと冷間鍛造性を比較したところ、変
形抵抗の面では優れているが、据込み限界の点ではTi
−15V−3Cr−3Sn−3Alが80%の圧縮率を
有するのに対して、上記先願合金は75%と幾分低い圧
縮率を示している。そこでさらに冷間鍛造性の優れたT
i合金を開発することが要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、既存のβ型Ti合金であ
るTi−15V−3Cr−3Sn−3Alと同程度の据
込み限界を有すると共に変形抵抗がTi−16V−4S
nと同程度若しくはそれ以上に低い冷間鍛造性に優れた
Ti合金を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明とはMoおよび/またはNb:0.5 〜18重量%,
V:13〜19重量%,Al:0.5 〜6重量%,Sn:
0.5 〜6重量%を含有し、残部がTiおよび不可避不純
物からなることを要旨とするものである。
【0009】
【作用】本発明者らは変形に伴なって応力誘起マルテン
サイト変態を示すβ型Ti合金であるTi−16V−4
Snが低い変形抵抗を示すことに着目して、これに種々
の合金元素を添加して実験を繰り返す中で、Alを適量
添加して適当な強度をもたせた上で、ある種のβ相安定
化元素を添加すれば、Al添加によるα相の安定化を抑
制し、強度及び冷間加工性が共に適切なレベルに改良さ
れることを知見して本発明に想到した。
【0010】上記β相安定化元素を選択するにあたって
は、Mo,Nb,Fe,Crの中から選び、種々の添加
量を変えて実験を行なったところ、次の様な結果を得
た。即ちFe,Crは合金の据込み限界を向上させる点
では寄与するが、変形抵抗をも上昇させてしまうのに対
し、Mo,Nbは据込み限界を向上させると同時に変形
抵抗もTi−16V−4Snより低く抑えることが可能
であることを見い出したのである。
【0011】以下本発明合金における各成分元素の添加
量の限定理由について述べる。
【0012】Alは時効処理によって十分な引張強度を
得る目的で添加するが、0.5 重量%未満では時効処理を
施しても十分な引張強度が得られず、6重量%を超える
と延性及び冷間鍛造性が著しく低下するので、Alの添
加量は0.5 〜6重量%とした。
【0013】MoとNbは据込み限界を向上させ、変形
抵抗を低くする目的で添加するが、0.5 重量%未満では
その効果が見られず、18重量%を超えると変形抵抗が
かえって上昇するので、0.5 〜18重量%とした。尚こ
の変形抵抗の上昇は固溶硬化によるものであると考えら
れる。また本合金においてMoとNbはほぼ同様に作用
するので、両元素の添加量の合計が上記範囲内に入って
いれば、単独に用いても同時に用いても良い。
【0014】VおよびSnの範囲を決定するにあたって
はAlおよびMoとNbを前記範囲内で添加した上で、
VおよびSnの添加量を変動させながら冷間鍛造性を評
価することによって行なった。Vは13重量%未満では
据込み限界が低く、19重量%を超えて添加すると変形
抵抗が上昇するので13〜19重量%とした。一方Sn
は0.5 重量%未満になると据え込み限界が極端に低下
し、6重量%を超えて添加すると変形抵抗が上昇するの
で0.5 〜6重量%とした。尚上記据込み限界の低下は焼
入れ時に拡散変態が進行するからであると考えられ、ま
た変形抵抗の上昇は固溶硬化によるものと思われる。
【0015】
【実施例】表1及び表2に示す種々の組成を有するTi
合金をボタン溶解にて溶製し(各600g)、20mmφ
になるまで1000℃で約50%の熱間鍛造を行なった
後、900℃で10分間保持することによって溶体化処
理を施し水冷を行なった。これより直径16mm,高さ2
4mmの円柱状試験片を切り出し、端面拘束状態で冷間に
おける据込み鍛造を行なった。
【0016】冷間鍛造性の評価は参考文献[塑性と加
工,第27巻,第304号(1986),568頁「冷
間鍛造用炭素鋼線材の変形抵抗と延性に関するデータシ
ート」]記載の手法に基づいて70%及び80%の変形
抵抗を測定すると共に、80%圧縮したときの割れ発生
の有無を観察して行なった。
【0017】また一部の合金に対しては500℃で8時
間保持する時効処理を施して引張試験を行ない、引張強
度及び伸びを測定した。結果は表1及び表2に併記す
る。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】No.1〜20は各合金成分が本発明範囲に
ある実施例であり、80%の圧縮によっても割れの発生
は見られず、70%及び80%の変形抵抗も比較的低い
値を示している。No.1〜14の実施例については時効
処理後の引張性質を調べたが、引張強度は90kgf/mm2
台と適度であり、伸びも14%以上と高い。
【0021】No.21〜36は合金成分のいずれかが本
発明範囲をはずれた場合の比較例であり、下記の様に冷
間加工性若しくは時効処理後の引張強度の点で劣ること
がわかる。尚表1では80%の圧縮で割れが発生した場
合は変形抵抗が測定できないので空欄にしている。No.
21,22はMo,Nbの添加量が少ない場合の比較例
であり、80%の圧縮で割れが発生しており、変形抵抗
は測定不可能になっている。
【0022】No.23〜25はMo,Nbの添加量が多
過ぎる場合の比較例であり、変形抵抗が高い。No.2
6,27はAlの含有量が少ない場合の比較例であり、
時効処理後の引張強さが低い。No.28,29はAlの
含有量が多い場合の比較例であり、80%の圧縮によっ
て割れが発生すると共に時効処理後の伸びが7%以下と
著しく低い。No.30はSn量が少ない場合の比較例で
あり、80%の圧縮によって割れが発生している。一方
No.31はSn量が多い場合の比較例であり、70%及
び80%での変形抵抗が著しく高い。No.32はVの添
加量が少ない場合の比較例であり、80%の圧縮によっ
て割れが発生している。これに対してNo.33はVの添
加量が多い場合の比較例であり、70%及び80%の変
形抵抗が高い。No.34〜36はMo若しくはNbに代
わってFe若しくはCrが添加された場合の比較例であ
り、いずれも変形抵抗が著しく高い。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、既存のβ型Ti合金よりも変形抵抗が低く、しかも
80%までの据込み鍛造が可能なTi合金を提供するこ
とが可能となった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Moおよび/またはNb:0.5 〜18重
    量%,V:13〜19重量%,Al:0.5 〜6重量%,
    Sn:0.5 〜6重量%を含有し、残部がTiおよび不可
    避不純物からなることを特徴とする冷間鍛造性に優れた
    Ti合金。
JP3908991A 1990-02-09 1991-02-08 冷間鍛造性に優れたTi合金 Expired - Fee Related JP2936754B2 (ja)

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JP2-31060 1990-02-09
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