JP2936239B2 - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

内燃機関用点火コイル

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JP2936239B2
JP2936239B2 JP3174351A JP17435191A JP2936239B2 JP 2936239 B2 JP2936239 B2 JP 2936239B2 JP 3174351 A JP3174351 A JP 3174351A JP 17435191 A JP17435191 A JP 17435191A JP 2936239 B2 JP2936239 B2 JP 2936239B2
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晃司 吉川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関用点火コイルに
関し、特に磁路に永久磁石を介装して出力電圧を増大す
る点火コイルに係る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の点火コイルに関しては、近時
の内燃機関の高出力化に伴い、出力電圧、放電エネルギ
ーの増大が要求される。このため、コアの断面積を増加
させ、コアに巻回するコイルの巻数を増加させるといっ
た対応が必要となるが、そうすると点火コイルが大型と
なり内燃機関への装着が困難となる。
【0003】これに対し、二次コイルの出力電圧を増大
する手段として、一次コイルによる励磁方向と逆方向に
磁化された永久磁石を磁路に介装することが提案されて
おり、例えば特開平2−37705号公報においては、
コア及びコア間に介装される永久磁石の緒元が規定され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載のよう
に永久磁石を磁路に介装した点火コイルにおいては、一
次電流断続時の磁束変化が大となり、二次コイルに発生
する出力電圧は従前の点火コイルに比し大となる。然し
乍ら、上記公報に記載の点火コイルにおいては漏洩磁束
について考慮されていない。即ち、この種の点火コイル
においては、一次コイル通電時に生ずる漏洩磁束が多い
ため、折角増加した磁束の多くが相殺され磁束の増加は
僅かとなる。
【0005】特に、上記公報に記載のような、永久磁石
がコイル外に配設された点火コイルにあっては、漏洩磁
束が大となる。また、上記公報に記載のような、一次コ
イル回りに二次コイルが巻装される構成であると、コイ
ル巻装部が大となり、内燃機関に装着する場合には上下
方向の寸法(厚さ)が大となるので、内燃機関の設計に
対し大きな制約となる。しかし、単に上記コイル巻装部
を薄くするだけでは漏洩磁束が大となり、これに対し必
要な磁束を確保しようとするとコアを大きくしなければ
ならず、結局大型となってしまう。
【0006】そこで、本発明は磁路に永久磁石を介装す
る点火コイルに関し、点火コイルの大型化を招くことな
く、磁束の漏洩を抑え所定の点火性能を確保することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内燃機関用点火コイルは、第1の脚部と第
2の脚部を有するU字状の一対のコアであって、各々の
第1の脚部の端面及び各々の第2の脚部の端面が夫々対
向するように配置する一対のコアと、該一対のコアの各
々の第1の脚部に巻装した一次コイルと、前記一対のコ
アの各々の第2の脚部に巻装した二次コイルと、前記一
対のコアの各々の第1の脚部の端面間に介装し前記一次
コイル通電時の磁束と反対方向の磁束を発生する永久磁
石とを備えたものである。
【0008】前記内燃機関用点火コイルにおいて、前記
永久磁石を、前記一次コイルの軸方向中央に配置すると
よい。
【0009】また、前記内燃機関用点火コイルにおい
て、前記一対のコアは同一形状の方向性珪素鋼板の積層
体であって、前記第1の脚部の断面積を前記第2の脚部
の断面積より大とし、前記永久磁石の断面積を前記第1
の脚部の断面積と略同一とすることが望ましい。
【0010】特に、前記永久磁石の断面積をSmとし、
前記永久磁石の残留磁束密度をBr(テスラ)とし、前
記一対のコアの最小断面部の断面積をScとしたとき、
面積比Sm/Scが1.8テスラ/Brとなるように設
定するとよい。尚、面積比Sm/Scの値としては1.
5乃至2.6が好ましい。
【0011】
【作用】上記のように構成された本発明の内燃機関用点
火コイルにおいては、一次コイルに供給される一次電流
が断続することによりコアに磁束変化が生じ、二次コイ
ルに高電圧が誘起される。
【0012】このとき、一次コイル通電時の磁束と反対
方向の磁束を発生する永久磁石の存在により、二次コイ
ルの鎖交磁束の変化が大となり出力二次電圧が大とな
る。特に、永久磁石は一次コイル内の例えば軸方向中央
といった適切な位置に配置されているので、局部的な磁
気飽和がなくなり、漏洩磁束が低減される。
【0013】また、コアを方向性珪素鋼板の積層体と
し、第1の脚部の断面積を第2の脚部の断面積より大と
すると共に、永久磁石の断面積を第1の脚部の断面積と
略同一としたもの、あるいは更に永久磁石の断面積Sm
と一対のコアの最小断面部の断面積Scの面積比Sm/
Scが1.8テスラ/Brとなるように設定したものに
あっては、永久磁石の減磁が防止され、二次コイルに対
する所定の鎖交磁束が確保される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の内燃機関用点火コイルの望ま
しい実施例を図面を参照して説明する。図1乃至図4は
本発明の点火コイルの一実施例を示すもので、点火コイ
ル1は一対のU字状のコア2,3を有し、これらの両脚
部に夫々一次コイルアセンブリ10及び二次コイルアセ
ンブリ20が装着されている。
【0015】コア2,3は、夫々第1の脚部2a,3a
及び第2の脚部2b,3bを有するU字状の鉄心で、圧
延方向が図1の上下方向の方向性珪素鋼板が複数積層さ
れて成る。方向性珪素鋼板は周知のように、圧延方向に
は極めて良好な磁気特性を示すが、圧延方向と異なる角
度では磁気特性が低下する。このため、コア2,3にお
いて、圧延方向に直交する連結部2c,3cの幅は圧延
方向の第2の脚部2b,3bの幅の1.5乃至1.8倍
に設定されている。例えば圧延方向で1.7T(テス
ラ)の磁束密度を許容するとき、圧延方向に対し45°
の方向では1.1Tの磁束密度が限度となるので、第2
の脚部2b,3bの長手方向に直交する方向に延在する
連結部2c,3cの幅Wcは、長手方向の第2の腕部2
b,3bの幅Wbに対しWc≒Wb×1.7/1.1の
関係となるように設定される。
【0016】コア2,3の表面にはエラストマ等の弾性
部材が被覆され、弾性部材層4が形成されている。この
弾性部材層4はコア2,3とこれらを囲繞する部品との
間の熱膨張差を吸収するもので、例えばポリオレフィン
系の熱可塑性エラストマが用いられる。このエラストマ
は、通常のゴムと同程度の弾性を有し、熱可塑性樹脂と
同じ加工法によって成形される高分子分質である。
【0017】尚、本実施例においては第1の脚部2a,
3a側は表裏面のみ、第2の脚部2b,3b側は両側面
のみにエラストマが複覆されているが、全表面を被覆す
るように構成してもよい。また、上記弾性部材層4は、
エラストマに所定割合の接着性、親和性に優れた改質材
を混合することとしてもよい。この改質材としては、エ
チレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元共重
合体が知られており、これをエラストマに混合すること
によりコア2,3との熱膨張差に大きく影響されること
なく良好な接着性が得られる。
【0018】永久磁石5としては残留磁束密度が大で減
磁されにくいサマリウム−コバルト(Sm−Co)系金
属の焼結体の希土類マグネットが用いられる。例えば、
通常時の磁束密度が0.8T(テスラ)で、温度150
℃でも一次コイル12通電時の反対方向の磁束密度が
0.7T(テスラ)となるまでは減磁しないものが用い
られる。
【0019】永久磁石5は略正方形で、その一辺の幅は
コア2,3の第2の脚部2b,3bの断面一辺の幅に対
し1.5乃至2.6倍の範囲内の値に設定され、本実施
例では約2倍に設定され、第1の脚部2a,3aの断面
の一辺の幅と同一となっている。永久磁石5の他辺の幅
はコア2,3の第2の脚部2b,3bの断面の他辺の幅
(厚さ)と同一に設定されており、従って永久磁石5の
断面積はコア2,3の第1の脚部2a,3aの断面積と
同一で、第2の脚部2b,3bの断面積の1.5乃至
2.6倍の範囲内の約2倍となっている。この永久磁石
5は一次コイル12の通電時にコア2,3に形成される
磁束の方向と反対の方向となるように配置される。
【0020】コア2,3の第1の脚部2a,3a回りに
は、一次コイルアセンブリ10が装着されている。一次
コイルアセンブリ10は一次ボビン11に一次コイル1
2が巻装されて成り、一次ボビン11には図3に示す一
次ターミナル13a,13bが植設されている。一次ボ
ビン11は、断面略矩形の樹脂製筒体で、両端に鍔部1
1aが形成されており、これらの間に一次コイル12の
巻線が二層もしくは四層に巻回されている。
【0021】一次コイル12の両端は夫々一次ターミナ
ル13a,13bに接続され、これら一次ターミナル1
3a,13bはコネクタ6のコネクタターミナル6a,
6bに夫々抵抗溶接によって接合されている。コネクタ
6はインサート樹脂成形によりコネクタターミナル6
a,6bを内蔵して形成したもので、ケース30の側面
に形成した開口に嵌着されている。コネクタターミナル
6aは図示しないバッテリに接続され、コネクタターミ
ナル6bは図示しない制御回路、通称イグナイタに接続
される。
【0022】コア2,3の第2の脚部2b,3b回りに
は、二次コイルアセンブリ20が装着されている。二次
コイルアセンブリ20は二次ボビン21に二次コイル2
2が巻装されたもので、二次ボビン21には二次ターミ
ナル23aが固着されると共に、図2に示す二次ターミ
ナル23bが植設されている。二次ボビン21は軸方向
に所定間隔毎に複数の鍔部21aが形成され、従ってこ
れらの間に複数の溝21bが形成されており、この溝2
1b内に二次コイル22の巻線が図1及び図3の上方か
ら下方へ順次巻回されている。
【0023】図3に示すように、上端の鍔部21aには
支持部21cが軸方向に延出形成されており、この支持
部21cに形成した溝(図示せず)に二次ターミナル2
3aが嵌着されている。この二次ターミナル23aに二
次コイル22の巻線の巻始めが接続され、二次ターミナ
ル23aは図3に示すダイオード8の一端のリード8a
に抵抗溶接によって接合されている。二次コイル22の
巻線の巻き終りは二次ターミナル23bに接続されてい
る。この二次ターミナル23bには爪を備えた穴が穿設
されており、この穴に後述する高圧ターミナル7の接続
部7aが圧入される。尚、ダイオード8は、一次コイル
12通電時に発生する1乃至3kvの電圧によって後述
する点火プラグ40が飛火するのを防止するもので、コ
ネクタターミナル6bに立設された爪6cにリード8b
が挟持された後抵抗溶接によって接合され、この後リー
ド8aが上記のように接合される。
【0024】ケース30は合成樹脂製の筐体で、底部に
二次コネクタ部30aが形成されている。二次コネクタ
部30a内にはインサート樹脂成形によって有底筒体の
高圧ターミナル7が収容されており、その底部に延出形
成された接続部7aが二次コネクタ部30aの底面を貫
通してケース30内に延出している。この接続部7a
は、二次ターミナル23bに穿設された穴に圧入され、
電気的に接続されている。
【0025】ケース30内の空間には熱硬化性の合成樹
脂、例えばエポキシ樹脂が充填、硬化されて樹脂部9が
形成されている。これにより、一次コイル12及び二次
コイル22が含侵固着されると共に二次コイル22の出
力高電圧に耐え得る絶縁性が確保される。
【0026】上記の構成になる点火コイル1の製造組付
工程を説明すると、先ず所定枚数の方向性珪素鋼板を積
層し、U字形にプレス成形すると共にスタッキングによ
り鋼板相互間を接合し、U字状の積層体とし、コア2,
3を形成する。この加工に伴う磁気特性の低下に対処す
べく磁気焼鈍を行った後、エラストマの弾性部材層4を
被覆する。
【0027】一方、インサート樹脂成形により一次ター
ミナル13a,13bを具備した筒体の一次ボビン11
を形成し、両側の鍔部11a間の外周に一次コイル12
を巻装する。一次コイル12の巻線の両端は鍔部11a
の切欠11cを介して夫々一次ターミナル13a,13
bに巻き付けた後半田接合する。これにより一次コイル
アセンブリ10が形成される。
【0028】同様に、インサート樹脂成形により二次タ
ーミナル23bを具備すると共に複数(本実施例では7
つ)の鍔部21aを備えた筒体の二次ボビン21を形成
し、各溝21bに二次コイル22を巻装する。また、鍔
部21aの一端に、溝を有する支持部21cを一体的に
形成し、この溝に二次ターミナル23aを嵌着する。二
次コイル22の巻線の一端は二次ターミナル23aに巻
き付けた後半田接合し、他端は二次ターミナル23bに
巻き付けた後半田接合する。而して、二次コイルアセン
ブリ20が形成される。
【0029】更に、インサート樹脂成形により高圧ター
ミナル7を内蔵したケース30を形成する。このケース
30は図2に示すように凹部底面から高圧ターミナル7
の接続部7aの先端が露呈するように形成される。
【0030】上記一次コイルアセンブリ10と二次コイ
ルアセンブリ20を並設し、各々の中空部に一方のコア
3の第1及び第2の脚部3a,3bを挿入し、一次ボビ
ン11内に永久磁石5を収容した後、他方のコア2の第
1及び第2の脚部2a,2bを挿入する。これにより、
永久磁石5がコア2,3の各々の第1の脚部2a,3a
間に挟持される。これらのアセンブリをケース30内に
収容し、二次ターミナル23bを高圧ターミナル7に係
合させ電気的接続状態とする。
【0031】そして、ケース30に装着したコネクタ6
のコネクタターミナル6a,6bと一次コイルアセンブ
リ10の一次ターミナル13a,13bとを夫々抵抗溶
接によって接合する。また、ダイオード8を介して二次
コイルアセンブリ20の二次ターミナル23aとコネク
タターミナル6bを抵抗溶接によって接合する。最後
に、ケース30内の空間にエポキシ樹脂を充填し、熱硬
化させて含侵固着させる。
【0032】前述のように本実施例においては永久磁石
5は一辺の幅がコア2,3の第2の脚部2b,3bの断
面の一辺の幅の約2倍で、他辺が第2の脚部2b,3b
の断面の他辺の幅と同一幅の正方形であり、従って第2
の脚部2b,3bの断面に対し面積比で約2倍となって
いるが、この最適面積比は以下のようにして設定され
る。尚、以下の例では永久磁石5としてサマリウム−コ
バルト系の希土類磁石が用いられ、コア2,3に方向性
珪素鋼板が用いられ、そして漏洩磁束が20%であるこ
とを前提としている。更に、永久磁石5は一次電流遮断
時の磁束密度が0.8T(テスラ)であり、一次電流通
電時の反対方向の磁束密度が0.7Tとなるまで減磁さ
れないものが用いられる。また、コア2,3は1.8T
の磁束密度を通す能力があり、これ以上では磁気飽和す
るものが用いられる。
【0033】即ち、コア2,3に方向性珪素鋼板を用い
ているので一次電流通電時の飽和磁束密度が1.8T以
上であり、そのときの永久磁石5の磁束密度が−0.7
Tということになり、一時電流無通電時の0.8Tより
小さくなる。而して、永久磁石5の残留磁束密度をBr
(テスラ)としたとき、永久磁石5の断面積Smとコア
2,3の第2の脚部2b,3bの断面積Scの面積比S
m/Scは、下記の関係となるように設定される。 Sm/Sc=1.8T/Br
【0034】本実施例における永久磁石5を含む希土類
マグネットにおいては、残留磁束密度Brは0.7T乃
至1.2Tとすることが可能であり、これを上記の式に
代入すると面積比Sm/Scは1.5乃至2.6の値と
なる。このようにして、永久磁石5の厚さ、漏洩磁束、
コア2,3の磁気飽和領域及び永久磁石5の減磁領域等
を考慮し所定の出力二次電圧を確保し得る面積比Sm/
Scを求めると、1.5±10%乃至2.6±10%の
範囲の値が最適となる。
【0035】図6は上記面積比Sm/Scと出力二次電
圧(kV)の関係を示すもので、コア2,3の断面積S
cを一定とし、永久磁石5の断面積Smを大きくし、面
積比Sm/Scを増加させたときの出力二次電圧の変化
を示している。同図において、残留磁束密度Brが1.
2T(テスラ)のときの出力特性を破線で示し、1.0
Tのときの特性を実線で示し、0.7Tのときの特性を
一点鎖線で示している。図6に示すように、永久磁石5
の特性により残留磁束密度Brが決まれば、出力二次電
圧が最大となる面積比Sm/Scが略々1.5乃至2.
6の範囲内で設定される。永久磁石5の減磁防止という
観点からすれば面積比Sm/Scを大きくすることにな
るが、減磁防止に配慮しつつ小型化を図るには2.25
(=1.8/0.8)とするのが好適である。
【0036】上記点火コイル1は、図5に示すように内
燃機関50のシリンダヘッドカバー53に各気筒毎に装
着される。本実施例における内燃機関50は直列に並設
された複数の気筒を備えており、図5はこの内一気筒の
シリンダヘッド部の断面を示している。内燃機関50の
シリンダヘッド52には各気筒毎に燃焼室51に開口す
る吸気ポート及び排気ポートが夫々一体成形されてお
り、これらに夫々一対の吸気弁56及び排気弁57が装
着されているが、図5にはこれらの内一組のみが表れて
いる。即ち、本実施例では各気筒毎に吸気弁56及び排
気弁57が一対、計四個の弁が装着され、所謂四バルブ
エンジンとなっており、直接駆動方式のダブルオーバー
ヘッドカムシャフトの動弁系となっている。
【0037】内燃機関50において、シリンダヘッド5
2の上方にシリンダヘッドカバー53が接合され、両者
間にオイル室55が郭成されている。シリンダヘッド5
2の吸気弁56と排気弁57の間には、オイル室55か
ら燃焼室51に向かって取付孔54が形成されている。
この取付孔54の燃焼室51側の小径孔に点火プラグ4
0が螺着され、その電極部が燃焼室51内に露出した状
態で固定されている。
【0038】一方シリンダヘッドカバー53の頂部に、
取付孔54のオイル室55への開口部に対向して開口す
る取付凹部53aが形成されており、取付凹部53aの
底部に挿通孔53bが穿設されている。取付孔54内に
は、金属で形成された筒状の遮蔽筒体41が挿嵌され、
その一端が取付孔54下端近傍に圧入等によって固着さ
れている。遮蔽筒体41の他端は取付孔54から突出
し、取付凹部53aの挿通孔53b迄延出している。
【0039】点火コイル1は、その二次コネクタ部30
aの外周に円環状のシール部材42が嵌合された後遮蔽
筒体41内に挿入され、その本体部がシリンダヘッドカ
バー53の取付凹部53a内に収容されている。これに
より、点火コイル1の二次コネクタ部30aは連結部材
43の一端に電気的に接続され、その他端が点火コイル
40に電気的に接続される。このように、本実施例の点
火コイル1は小型で、特に本体部が薄く形成されている
ので、シリンダヘッドカバー53内に容易に収容でき
る。また、遮蔽筒体41内の収容室とオイル室55は完
全に分離され、オイル室55内のオイル飛沫が遮蔽筒体
41内に進入することはない。
【0040】而して、本実施例の作用を説明すると、内
燃機関50が始動され、吸気弁56及び排気弁57が所
定の周期で駆動される。そして、内燃機関50の回転に
応じ所定の順序で出力される点火信号により点火コイル
1の一次電流が制御され、二次コイル22に所定の高電
圧が発生する。この高電圧はそのまま高圧ターミナル7
及び連結部材43を介して点火プラグ40に印加され、
点火プラグ40の先端の電極部において火花放電が生
じ、燃焼室51内の圧縮混合気が着火される。
【0041】点火コイル1においては、例えば永久磁石
5の図1の上方がN極となっており、磁束の流れはコア
2,3内を巡回し閉ループとなっている。この状態での
磁束の漏洩は殆どない。一次コイル12が図示しない制
御回路により通電され一次電流が供給されると、磁束の
流れは永久磁石5の磁化方向と逆方向となる。そして、
一次電流が遮断されると二次コイル22に逆起電力が誘
起され30乃至40kvの高電圧が発生する。この高電
圧は二次ターミナル23b、高圧ターミナル7を介して
点火プラグ40に印加される。
【0042】本実施例の点火コイル1においては、コア
2,3間に介装された永久磁石5により大きな有効磁束
変化を確保することができる。特に、永久磁石5は一次
コイル12内に収容され、軸方向中央という適切な位置
に配置されているので磁束の集中により従来に比し漏洩
磁束が少なくなり、コア2,3における局部的な磁気飽
和が無くなる。しかも、コア2,3の最小断面部(第2
の脚部2b,3b)の断面積に対する永久磁石5の断面
積が約2倍とされているので、一次コイル12による磁
界が永久磁石5の減磁限界に達する前にコア2,3が飽
和磁束密度に達し永久磁石5が減磁される、といったこ
とは生じない。従って、一次電流の通電による起磁力に
対し一次コイル12内に形成される磁束密度が大とな
り、放電エネルギーが増加すると共に、二次コイル22
を鎖交する磁束変化が大となるので二次コイル22の出
力電圧が大となる。
【0043】尚、上記実施例において、第1の脚部2
a,3aは、その断面積は第2の脚部2b,3bの断面
積より大で、約2倍に設定されているが、第1の脚部2
a,3aの端部を、端面から離隔するに従って断面積が
漸減し第2の脚部2b,3bの断面積と同一となるまで
テーパ状に形成することとしてもよい。これにより、所
定の点火性能を確保しつつコア2,3の重量を低減する
ことができる。
【0044】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下に記載の効果を奏する。即ち、本発明の点火コイ
ルによれば、一対のU字状のコアの第1の脚部に一次コ
イルが巻装されると共に第2の脚部に二次コイルが巻装
されるように構成されているので、厚さを薄く形成で
き、しかも一次コイル内に永久磁石が設けられているの
で、漏洩磁束が低減され二次コイルの鎖交磁束の変化が
大となり、大きな出力二次電圧が得られる。
【0045】特に、永久磁石を一次コイル内の軸方向中
央位置に配置したものにあっては、有効に漏洩磁束を低
減し得ると共に、一対のコアを同一形状とすることがで
きるので製造、組付けが容易となる。
【0046】一対のコアを方向性珪素鋼板の積層体と
し、各々の第1の脚部の断面積を第2の脚部の断面積よ
り大とすると共に、永久磁石の断面積を第1の脚部の断
面積と略同一とした場合、特に、永久磁石の断面積Sm
とコアの最小断面部の断面積Scとの面積比Sm/Sc
が1.8テスラ/Brとなるように設定した場合には、
減磁による出力二次電圧の低下が確実に回避される。従
って、良好な点火性能を確保しつつ点火コイルを小型に
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る点火コイルの横断面図
である。
【図2】本発明の一実施例に係る点火コイルの縦断面図
である。
【図3】本発明の一実施例に係る点火コイルの平面図で
ある。
【図4】本発明の一実施例に係る点火コイルの正面図で
ある。
【図5】本発明の一実施例に係る点火コイルを備えた内
燃機関の断面図である。
【図6】本発明の一実施例における、コアの最小断面積
と永久磁石の断面積の面積比と、点火コイルの出力二次
電圧の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 点火コイル 2 コア, 2a 第1の脚部, 2b 第2の脚部,
2c 連結部 3 コア, 3a 第1の脚部, 3b 第2の脚部,
3c 連結部 4 エラストマ 5 永久磁石 6 コネクタ, 6a,6b コネクタターミナル 7 高圧ターミナル, 7a 接続部 8 ダイオード 9 樹脂部 10 一次コイルアセンブリ 11 一次ボビン, 11a,11b 鍔部, 11c
切欠 12 一次コイル 13a,13b 一次ターミナル 20 二次コイルアセンブリ 21 二次ボビン, 21a 鍔部, 21b 溝,
21c 支持部 22 二次コイル 23a,23b 二次ターミナル 30 ケース 30a 二次コネクタ部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の脚部と第2の脚部を有するU字状
    の一対のコアであって、各々の第1の脚部の端面及び各
    々の第2の脚部の端面が夫々対向するように配置する一
    対のコアと、該一対のコアの各々の第1の脚部に巻装し
    た一次コイルと、前記一対のコアの各々の第2の脚部に
    巻装した二次コイルと、前記一対のコアの各々の第1の
    脚部の端面間に介装し前記一次コイル通電時の磁束と反
    対方向の磁束を発生する永久磁石とを備えたことを特徴
    とする内燃機関用点火コイル。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石を、前記一次コイルの軸方
    向中央に配置するようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の内燃機関用点火コイル。
  3. 【請求項3】 前記一対のコアは同一形状の方向性珪素
    鋼板の積層体であって、前記第1の脚部の断面積は前記
    第2の脚部の断面積より大であり、前記永久磁石の断面
    積は前記第1の脚部の断面積と略同一であることを特徴
    とする請求項1記載の内燃機関用点火コイル。
  4. 【請求項4】 前記永久磁石の断面積をSmとし、前記
    永久磁石の残留磁束密度をBr(テスラ)とし、前記一
    対のコアの最小断面部の断面積をScとしたとき、面積
    比Sm/Scが下記の関係となるように設定することを
    特徴とする請求項3記載の内燃機関用点火コイル。 Sm/Sc=1.8テスラ/Br
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