JP2936177B2 - フロントフオーク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動二輪車の車体と車軸間に介装されて路面
からの振動を減衰するフオークと緩衝器を兼ねたフロン
トフオークに関する。

〔従来の技術〕

この種のフロントフオークとして、例えば特開昭64−
21236号公報に開示されたものが知られている。

このフロントフオークは車体側チユーブ内に車輪側チ
ユーブが摺動自在に挿入され、車輪側チユーブの下部か
らダンパーシリンダが起立し、ダンパーシリンダ内にピ
ストンを介してピストンロツドが移動自在に挿入され、
ピストンロツドの上部には上部を小径にしたスプリング
カラーを下方に向けて設け、このスプリングカラーと車
輪側チユーブの下部との間に懸架スプリングを介装さ
せ、ダンパーシリンダの上端部にオイルロツク用のオイ
ルロツクピースとチエツクバルブを設けたものである。

上記のフロントフオークでは最圧縮にはオイルロツク
ピースがスプリングカラーの上部小径なオイルロツクカ
ラー内に侵入してオイルロツクを効かせる。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記、従来のフロントフオークはオイルロツクカラー
の上方に空気室が形成されており、オイルロツクピース
はダンパーシリンダの上端部にオイルロツクピースが設
けられているから、オイルロツクピースがオイルロツク
カラー内に侵入した際、オイルロツクピースとオイルロ
ツクカラーとの間を絞られながら流れる作動油中には空
気室の空気が気泡となつて混入するため所望のオイルロ
ツク圧が発生せず、オイルロツク特性が不安定となる。

そこで、本発明の目的はオイルロツク時に作動油中に
は空気が混入せず、安定したオイルロツク特性を得るこ
とができるフロントフオークを提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本発明の構成は車体側チ
ユーブ内に車輪側チユーブが摺動自在に挿入され、車輪
側チユーブの下部中央からダンパーシリンダが起立し、
ダンパージリンダ内にはピストンを介してピストンロツ
ドが移動自在に挿入され、ピストンロツドは車体側チユ
ーブと連動しているフロントフオークにおいて、ピスト
ンロツドの外側にピストンロツドと連動するパイプを下
方に向けて設け、前記パイプの下部と車輪側チユーブの
内側下部との間に互いにばね荷重の重なる二つの懸架ば
ねを介装し、二つの懸架ばね間にはバルブケースを設
け、このバルブケース内にはチエツクバルブを上下移動
自在に設け、更にダンパーシリンダの外周には円筒状の
オイルロツクピースを設け、最圧縮にバルブケースとチ
エツクバルブとが車輪側チユーブ内周とオイルロツクピ
ース外周との間に侵入してオイルロツクを効かせること
を特徴とするものである。

〔作 用〕

圧縮作動時にピストンロツドと連動してパイプが下降
し、この時ばね荷重の小さい懸架スプリングが圧縮し初
め、この懸架スプリングが最圧縮した時チエツクバルブ
とバルブケースがオイルロツクピースの外周に嵌合し始
め、次いでばね荷重の大きい懸架スプリングを圧縮させ
ながらチエツクバルブとバルブケースが更に侵入してオ
イルロツクを効かせる。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。

アウターチユーブたる車体側チユーブ１内にインナー
チユーブたる車輪側チユーブ２を摺動自在に挿入させ、
車輪側チユーブ２の下部中央からダンパーシリンダ３が
起立し、ダンパーシリンダ３内には減衰力発生機構を設
けたピストン４を介してピストンロツド５が移動自在に
挿入され、ピストンロツド５はキヤツプ６を介して車体
側チユーブ１に連結されている。

ダンパーシリンダ３の外周、特に下方外周にはストツ
パたるスナツプリング8,8を介して円筒状のオイルロツ
クピース９が取り付けられている。

ピストンロツド５の上部外周には取り付け部材10,11
を介してパイプ12が下方に向けて設けられ、このパイプ
12の下端にはスプリングシート13が設けられている。こ
のスプリングシート13はリング14又はバルブを介して車
輪側チユーブ２の内周に摺接している。

パイプ12の内側と外側には空気室と油室からなる室1
5,16が区画され、二つの空15,16はパイプ12の上下に設
けたポート17,18を介して連通している。

車輪側チユーブ２の内周下部にはスプリングシート13
が設けられ、このスプリングシート13と前記上方のスプ
リングシート13との間にばね荷重の小さい懸架スプリン
グ19とこのスプリングよりばね荷重の大きい懸架スプリ
ング20とが介装され、二つの懸架スプリング19,20間に
ピストンを兼ねたバルブケース21が介在されている。

バルブケース21はリングを介して車輪側チユーブ２の
内周を摺接し、このバルブケース21内には切欠き23を有
するチエツクバルブ22が上下移動自在に挿入されてい
る。

伸縮作動時にはピストン４に設けた減衰力発生機構と
ダンパーシリンダ３内下方のバルブ機構を介して減衰力
を発生させる。

圧縮作動時にはピストンロツド５とパイプ12が下降
し、ばね荷重の小さい懸架スプリング19を圧縮させる。
最圧縮近傍ではこの懸架スプリング19は最圧縮してコイ
ルが密着しており、他方の懸架スプリング20を圧縮させ
ながらバルブケース21とチエツクバルブ22が車輪側チユ
ーブ２の内周とオイルロツクピース９の外周間に嵌合し
始める。

更にパイプ12が下降して最圧縮になるとチエツクバル
ブ22はオイルロツクピース９の外周に侵入し、チエツク
バルブ22は下方の油圧で押し上げられてバルブケース21
とチエツクバルブ22との間の隙間から油が流れるのを遮
断する。この為、下方の油室の油はチエツクバルブ22内
周とオイルロツクピースの外周との間の隙間から上方に
絞られながら流出し、その時の流動抵抗でオイルロツク
圧が発生して徐々にオイルロツクが効く。

この状態から伸長作動に移ると上方の油圧でチエツク
バルブ22が押し下げられ、バルブケース21とチエツクバ
ルブ22との隙間と切欠き23を介して上方の油が下方に流
れ、負圧の発生を防止する。

〔発明の効果〕

本発明によれば、次の効果がある。

オイルロツクピースがダンパーシリンダの外周に設け
られ、バルブケースとチエツクバルブがパイプより下方
に設けられているから、バルブケースとチエツクバルブ
とがオイルロツクケースに侵入する圧縮時には、この位
置が上方の空気室と離れている為にオイルロツクピース
の外周とチエツクバルブの内周を流れる油の中には空気
が混入せず、よつて所望の流動抵抗が発生して安定した
オイルロツク特性によるオイルロツクを効かせることが
できる。

バルブケースを挾持する二つの懸架ばねはばね荷重が
重なり、ばね荷重の小さい懸架スプリングが圧縮した後
に更にばね荷重の大きい懸架スプリングが圧縮するため
にピストンロツドの圧縮ストロークが十分にとれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係るフロントフオークの縦
断正面図である。 １……車体側チユーブ、２……車輪側チユーブ、３……
ダンパーシリンダ、４……ピストン、５……ピストンロ
ツド、９……オイルロツクピース、12……パイプ、19,2
0……懸架ばね、21……バルブケース、22……チエツク
バルブ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車体側チユーブ内に車輪側チユーブが摺動
   自在に挿入され、車輪側チユーブの下部中央からダンパ
   ーシリンダが起立し、ダンパーシリンダ内にはピストン
   を介してピストンロツドが移動自在に挿入され、ピスト
   ンロツドは車体側チユーブと連動しているフロントフオ
   ークにおいて、ピストンロツドの外側にピストンロツド
   と連動するパイプを下方に向けて設け、前記パイプの下
   部と車輪側チユーブの内側下部との間に互いにばね荷重
   の異なる二つの懸架ばねを介装し、二つの懸架ばね間に
   はバルブケースを設け、このバルブケース内にはチエツ
   クバルブを上下移動自在に設け、更にダンパーシリンダ
   の外周には円筒状のオイルロツクピースを設け、最圧縮
   にバルブケースとチエツクバルブとが車輪側チユーブ内
   周とオイルロツクピース外周との間に侵入してオイルロ
   ツクを効かせることを特徴とするフロントフオーク。