JP2935129B2 - 固定磁気ディスク装置及び関連する装置・方法 - Google Patents

固定磁気ディスク装置及び関連する装置・方法

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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 この発明は、ディスク基板としてガラス又はセラミッ
クを用いた磁気ディスク装置、特に磁気ヘッドのクロス
トークノイズを大幅に軽減させた磁気ディスク装置に関
するものである。
B.従来の技術 従来、ディスク基板としてアルミを用いた磁気ディス
ク装置が一般に使用されている。近年、ハードディスク
装置の分野において、その大容量化、小形化が望まれて
いる。大容量化の手法としては、ディスク基板としてガ
ラス、セラミックを用いることが考案されている。この
ディスク基板を用いると、その優れた化表面性等によ
り、ヘッドの低浮上化が容易に行なえ、記録密度を向上
させることができる。
しかしながら、従来のアルミ基板の磁気ディスクを用
いた磁気ディスク装置の場合、磁気ディスクを挟む一対
の上下磁気ヘッドの電磁的な結合をシールドすることが
できるが、ガラス基板の磁気ディスクを用いた磁気ディ
スク装置の場合、上述の上下磁気ヘッドの電磁結合をシ
ールドすることができなくなり、クロストークノイズが
増大し、再生信号が劣化する問題を生じる。例えば、基
板の厚さが1.27mmのガラス基板ディスク及びアルミ基板
ディスクを用いて、下面側のヘッドで4MHzの信号を記録
中に、上面側のヘッドで再生した場合のそれぞれのクロ
ストーク（4MHz出力レベル）を測定すると、ガラス基板
ディスクのクロストークがアルミ基板ディスクのクロス
トークより＋8.9dB大きいことがわかった。また、信号
が書かれていないないEraseされたディスク上に、上面
側のヘッドで最初に4MHzの信号のみを書きこみ、後に下
面側のヘッドで1.5MHzの信号のみを書き込んだ場合にお
ける再生信号の変化を調べる。ここで、f4M＝下面側の
ヘッドで記録する前の上面側のヘッドの4MHz再生信号レ
ベル、f4M＝下面側のヘッドで記録する後の上面側のヘ
ッドの4MHz再生信号レベル、f1,5M＝下が面側のヘッド
ディスクで記録する後の上面側のヘッドの4MHz再生信号
レベルと定義する。ガラス基板ディスクの場合、例えば
再生信号の減衰量を′f4M／f4M，クロストーク量をｆ′
1.5M/f′4Mと定義して、f4M、ｆ′4M、ｆ′1.5Mを測定
し、これらの量を求めるとそれぞれ−1.73dB、−46.4dB
となり、アルミ基板ディスクの場合、ガラス基板ディス
クの場合と同様にf4M、ｆ′4M、ｆ′1.5Mを測定し、こ
れらの量を求めると再生信号の減衰量、クロストーク量
はそれぞれ−0.38dB、−60.6dBとなる。これらのことか
ら明らかなように、ガラス基板ディスクはアルミ基板デ
ィスクに比較して減衰量及びクロストーク量共に非常に
大きいことがわかった。
なお、実験に用いた磁気ディスクの記録層の磁気特性
は、アルミ基板ディスクの場合、Hc＝１×103Oe、。Ｍ
γｔ4.2×10-3emu／cm2、ガラス基板ディスクの場
合、Hc1.25×103Oe、Ｍγｔ4.0×10-3emu／cm2であ
る。
また、磁気ヘッドは、ギャップ長0.6μｍ、トラック
幅Tw10μｍのものを用いた。この場合の磁気ヘッドの
浮上量は８μ″（マイクロインチ）である。このように
従来のアルミ基板ディスクを用いた場合、アルミ基板に
よって上下磁気ヘッドの電磁的なカップリングをシール
ドできるためクロストークノイズはあまり問題にならな
かった。
しかしながら、ガラス基板ディスクを用いた磁気ディ
スク装置では、上下磁気ヘッドの電磁的あカップリング
をシールドできないため上述のようなクロストークノイ
ズが大きな問題となる。
C.発明が解決しようとする課題 上記のような従来のガラス基板ディスクを用いた磁気
ディスク装置では、この磁気ディスクを挟んで設けられ
た一対の上下磁気ヘッドの電磁的なカップリングにより
大きクロストークノイズが乗じるという問題点があっ
た。
この発明は、上述のような電磁気的なクロストークを
軽減するためになされたもので、磁気ディスク基板にシ
ールド層を形成しないで、一対の上下磁気ヘッドのいち
を変えるだけでクロストークノイズ及び信号出力の減衰
を軽減できる磁気ディスク装置を得ることを目的とす
る。
D.課題を解決するための手段 この発明に係る磁気ディスク装置は、ガラス基板の磁
気ディスクを挟む一対の上下磁気ヘッドにおいて、上下
磁気ヘッドの位置をずらして位置するようにしたもので
ある。
E.作用 この発明においては、ガラス基板の磁気ディスクを挟
む一対の上下磁気ヘッドの位置をずらして配置すること
によりクロストークノイズ及び信号出力の減衰を軽減す
る。
F.実施例 第１図は、この発明の一実施例による磁気ディスクの
回転方向からの磁気ディスクと磁気ヘッドの位置関係を
示し、第２図は、この発明の磁気ディスク装置の全体構
造を示し、第３図は、第２図の磁気アクチュエータ部の
構造を示す。
第１図の実施例を説明する前に、この発明の磁気ディ
スク装置の全体的構造を最初に第２図及び第３図を参照
して説明する。磁気ディスク装置12は、ベース６及び上
面カバー７を含む。ベース６には、アクチュエータ部８
が軸12によって取り付けられ、このアクチュエータ部８
には磁気ディスク１を挟んで、上下に設けられたスライ
ダー3a、3bが取り付けられている。アクチュエータ部８
と軸12に大して反対側にはコイル９が固定されている。
コイル９の上方にはこのコイル９と所定間隔をおいて上
部ヨーク10aがベース６に固定されている。コイル９の
下方にはこのコイル９と所定間隔において下部ヨーク10
bがベース６に固定される。上部ヨーク10a及び下部ヨー
ク10bのコイル９の方の側には、それぞれ永久磁石11a、
11bが固定される。コイル９と永久磁石11a、11bとは、
ボイス・コイルモータを構成し、コイル９に流れる電流
と永久磁石11a、11bにより生じる磁界とで力を生じさ
せ、アクチュエータ部８を動かす。アクチュエータ部８
が動く方向は、コイル９に流れる電流の大きさによって
決まる。
次に、第１図を参照してこの発明の実施例を説明す
る。磁気ディスク１の基板は、ガラスからなり、この基
板の上面側及び下面側には磁性層が蒸着されている。こ
の磁気ディスク１の上面側には第１の磁気ヘッド2aが配
置されている。この第１の磁気ヘッド2aは第１のスライ
ダー3aに支持されている。磁気ディスク１の上面側の磁
気媒体面に対するデータの記録再生は、駆動回路（図示
せず）からの駆動電流を第１の磁気ヘッド2aのコイルに
流すことによって行なわれる。また、磁気ディスク１の
下面側には第２の磁気ヘッド2bが配置さている。この第
２の磁気ヘッド2bは、第２のスライダー3bに支持されて
いる。磁気ディスク１の下面側の磁気媒体面に対するデ
ータの記録再生は、上部側の磁気媒体面に対するデータ
の記録再生の場合と同様に、前述の駆動回路から駆動電
流を第２の磁気ヘッド2bのコイルに流すことによって行
なう。
また、第１の磁気ヘッド2aと第２の磁気ヘッド2bは、
記録トラックをｄだけずらして配置されている。なお、
磁気ヘッドはスライダーと一体にしたモノシックヘッド
である。
第１図において、初めに第１の磁気ヘッド2aで4MHzの
信号を磁気ディスク１の上面側に記録した後に、第２の
磁気ヘッド2bで1.5MHzの信号磁気ディスク１の下面側に
記録する。この場合の第２の磁気ヘッド2bによる記録前
後における前述のf4M（第２の磁気ヘッド2bによる記録
前の第１の磁気ヘッド2aによって再生された4MHz再生信
号レベル）、ｆ′4M（第２の磁気ヘッド2bによって磁気
ディスク１の下面側に信号を記録した後の第１の磁気ヘ
ッド2aによって再生された4MHz再生信号レベル）、 ｆ′1.5M（第２の磁気ヘッド2bによって磁気ディスク１
の下面側に信号を記録した後の第１の磁気ヘッド2aによ
って再生された1.5MHz再生信号レベル）のそれぞれを測
定し、この測定値によって前述の再生信号の減衰量及び
クロストーク量をそれぞれ求める。
いま、第１の磁気ヘッド2aと第２の磁気ヘッド2bと
が、同一トラック（ｄ＝ｏ）に配置された従来の場合及
び例えば、記録トラックをｄ＝70ずらして配置された場
合における前述の減衰量及びクロストーク量を求めて比
較すると、第４図に示された表のようになる。
第４図から明らかなように、第１の磁気ヘッド2aと第
２の磁気ヘッド2bを第１図に示すように記録トラック数
を所定数ｄだけずらして配置することにより再生信号の
減衰量及びクロストーク量がそれぞれ−1.73dBから−0.
29dBへ、−46.4dBから−54.6dBへとそれぞれ大幅に軽減
され得ることがわかった。なお、この実験に使用した磁
気ディスクの基板の厚さ、磁気ディスクの記録層の磁気
特性、磁気ヘッドの特性等は、前述のものと同様であ
る。
勿論、磁気ディスクの回転方向に磁気ギャップの位置
をずらしても、上記実施例で述べた再生信号の減衰量及
びクロストーク量を軽減され得る。しかし、第１及び第
２の磁気ヘッドの記録トラックをずらした場合が、最も
効果的に再生信号の減衰量及びクロストーク量を軽減す
ることができる。
なお、上記実施例ではディスク基板としてガラスを用
いたが、セラミックを用いても上記実施例と同様な効果
を奏する。
また、上記実施例では磁気ヘッドとしてモノリシック
ヘッドを用いたが、薄膜ヘッド又はコンポジットを用い
ても上記実施例と同様な効果を奏する。
さらに、基板の厚さを薄くし、または磁性媒体の保磁
力（Hc）を小さくし、もしくは磁気ヘッドの浮上量を低
くした場合には、それだけこの発明の効果は著しくな
る。
G.発明の効果 この発明は、以上説明した通り、磁気ディスク基板に
シールド層を形成することなく、磁気ディスクを挟んで
上面側の磁気ヘッドと下面側の磁気ヘッドとの位置をず
らすだけで信号出力の減衰量及びクロストークノイズを
大幅に軽減できると共に装置を低価にできるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
第１図は、この発明の一実施例による磁気ディスクの回
転方向からの磁気ヘッドと磁気ディスクの位置関係を示
す図、第２図は、この発明の磁気ディスク装置の全体構
造図、第３図は磁気アクチュエータ部の構造図、第４図
は、従来技術と本発明の各場合における信号出力の減衰
量及びクロストーク量を示す表である。 １…磁気ディスク、2a…第１の磁気ヘッド、2b…第２の
磁気ヘッド、3a…第１のスライダー、3b…第２のスライ
ダー、６…ベース、８…アクチュエータ部、９…コイ
ル、10…ヨーク、11…永久磁石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−154614（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−185708（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】回転軸と第１及び第２の面とを有する固定
    磁気ディスクであって、非金属の固定基板と前記第１及
    び第２の面を覆う磁性材料層とを含む、少なくとも１つ
    の前記固定磁気ディスクと、 前記固定磁気ディスクの第１の面の側に備えられた第１
    の磁気ヘッドを有する第１のスライダと、 前記固定磁気ディスクの第２の面の側に備えられた第２
    の磁気ヘッドを有する第２のスライダとを備え、 前記第１及び第２のスライダが互いに前記固定磁気ディ
    スクの回転軸について半径方向にずれるように配置さ
    れ、それによって前記第１及び第２の磁気ヘッドが互い
    にずれることを特徴とする、 固定磁気ディスク装置。
  2. 【請求項２】前記基板の材料がガラス又はセラミックで
    あることを特徴とする請求項１記載の固定磁気ディスク
    装置。
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