JP2935008B2 - ポリエステル芯鞘型複合繊維及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル芯鞘型複合繊維及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル芯鞘型複
合繊維及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、繊維製品の多色表現の手段と
して、綿状で染色し、混綿や混紡で色相や濃度の異なる
繊維をミックスするか、糸状で染色したものを混繊、交
撚、交織、交編でミックスするか、原着糸や、染色性の
異なる繊維をミックスしてから染色し、シネ調、メラン
ジ調、シャンブレ等の多色表現としたり、ストーンウオ
ッシュ加工やブリーチ加工等の様にフィブリル化させた
り、繊維表層のみの着色のリング染色したものを物理
的、化学的処理により表面部分脱色したもの等の特別な
加工によって得られているが、これ等はいずれも工程が
複雑であり、コストが高く、加工ロットも大きくなる等
の問題がある。
【0003】また、繊維そのものの多色化手段として霜
降り効果を与える太細繊維がある。そしてかかる太細繊
維として、染色性の異なる2成分で芯鞘型複合紡糸し、
これを高温に加熱された引き取りローラー上で糸とロー
ラー表面との摩擦力を利用して全構成フィラメント繊維
間にランダムな延伸斑を発生させて太細を形成し、更に
アルカリ減量処理して複合繊維の少なくとも太部の鞘成
分を分解除去し、露出した芯部と鞘部のそれぞれの染色
特性が発現するポリエステル芯鞘型複合繊維が知られて
いる。しかしながら、この太細複合繊維は、霜降り調の
色相及び濃度の多色表現効果は得られても、芯部の染色
特性を満足しうる程十分に発現するものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、太細を有す
る芯鞘型複合繊維について検討の結果、従来全く知られ
ていない極めて多様な多色表現効果を奏するポリエステ
ル芯鞘型複合繊維を見い出したものであり、本発明の目
的は、異なる色相及び異なる濃度の明瞭な多色表現効果
を奏するポリエステル芯鞘型複合繊維を提供することに
ある。
【0005】
〔但し、式中DRは延伸倍率、MDRは未延伸糸の最大延伸倍率、PTは延伸領域における第1摩擦抵抗ピンの温度(℃)、PTは第2摩擦抵抗ピンの温度(℃)、Tcは未延伸糸の結晶化温度(℃)、Tgは未延伸糸のガラス転移温度(℃)を表す〕
【0006】
【0007】
【0008】本発明の芯鞘型複合繊維を構成する2種の
ポリエステルは、染色性を異にするもので、一方がカチ
オン染料や酸性染料に対する可染性或いは分散染料に対
する易染性を有する変性ポリエステル、他方がカチオン
染料や酸性染料に対して非可染性或いは分散染料に対し
て非易染性を有する未変性ポリエステルが典型的なポリ
エステルとして挙げられる。
【0009】変性ポリエステルは、エチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とし可染性或いは易染性に変
性されたポリエステルであり、未変性ポリエステルは、
エチレンテレフタレートやブチレンテレフタレートを主
たる繰り返し単位とするポリエステルである。変性ポリ
エステルとしては、カチオン染料可染性または酸性染料
可染性或いは分散染料易染性の変性ポリエステルが用い
られ、強度確保、多色表現付与の容易さから、変性ポリ
エステルがシース部に、未変性ポリエステルがコア部に
配されることが好ましい。
【0010】カチオン染料可染性変性ポリエステルとし
ては、公知の方法によって得られるエチレンテレフタレ
ートにナトリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスル
ホナフタレンジカルボン酸等の金属塩スルホネート基等
の酸基含有エステル形成性化合物を共重合した変性ポリ
エステル、好ましくはエチレンテレフタレートに5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸を1.5〜3.5モル%共
重合した変性ポリエステルが用いられる。
【0011】また、酸性染料可染性変性ポリエステルと
しては、公知の方法によって得られるエチレンテレフタ
レートにN−アルキル置換ジエタノールアミン等のアミ
ノアルコールや第3級アミノ含有グリコール等の塩基含
有エステル形成性化合物を共重合した変性ポリエステ
ル、ビニルピリジンのホモポリマーまたはコポリマー混
合の変性ポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0012】更に、分散染料易染性変性ポリエステルと
しては、公知の方法によって得られるエチレンテレフタ
レートにイソフタル酸、アジピン酸、ポリオキシアルキ
レングリコール等のエステル形成性化合物を共重合した
変性ポリエステルが用いられる。
【0013】未変性ポリエステルとしては、具体的には
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ートが挙げられ、かかる未変性ポリエステルには5モル
%未満の共重合成分やブレンド成分が含まれていてもよ
いが、特に好ましくはポリエチレンテレフタレートが用
いられる。
【0014】芯鞘型複合繊維の繊維断面に占める鞘部と
芯部の複合比は、鞘部/芯部の面積比で1/3〜1/1
であることが好ましい。鞘部の厚みが小さすぎる場合
は、染料での着色が淡色化し、厚みが大きすぎる場合
は、また芯部の露出の際の強度確保が困難となる。
【0015】本発明の芯鞘型複合繊維は、その断面形状
が、丸断面、三角、多葉、偏平等の異型断面のいずれで
あってもよく、芯部の形状、数、位置も特に限定はされ
ない。本発明の芯鞘型複合繊維は、繊維軸方向に繊度が
変化したいわゆるシックアンドシンといわれる太細を有
しており、かつ糸全体としての太さ斑の変動係数CVが
5〜7%、平均値に対する太さの変動率が15%以上の
太さ斑の頻度X値が2〜4ケ/mであることが必要であ
る。
【0016】糸全体の太さ斑の変動係数CVが5〜7%
であることにより、構成する各繊維の太部が集中するい
わゆるスラブ調の斑となり、より明瞭な多色表現を与え
ることになる。変動係数CVが5%未満では、各繊維の
太部が分散され斑が目立たなくなり、アルカリ減量処理
後の染色において多色染め或いは染色濃淡による霜降り
効果は得られても、明瞭な多色表現は得られず、7%を
超えると、不自然な斑となり、細部の筋状の斑が目立
ち、品質が不良なものとなる。
【0017】ここに、太さ斑の変動係数CVは、計測器
工業株式会社製のイーブネステスターKET−80Cを
用い、糸速度8m/分、チャートスピード50cm/分
の条件で、ウースターノルマル値を測定して得られた値
であり、平均値からの偏りの大きさを示す指標となるも
のである。
【0018】また、平均値に対する太さの変動率が15
%以上の太さ斑の頻度X値が2ケ/m未満では、アルカ
リ減量処理後の染色において、芯部の染色部が不明瞭と
なり、十分な多色効果が得られず、4ケ/mを超える
と、細部の染色部が不明瞭となる。この頻度X値は、変
動係数CVの測定条件と同一の条件で得られたチャート
の糸長8m間で平均太さに比べ15%以上の太さを示す
箇所の数を求め、これを1m当たりの個数に換算したも
のをいい、太さ斑の頻度を表すものである。
【0019】本発明の芯鞘型複合繊維の少なくとも太部
の芯部の全部または一部が露出している。太部の芯部の
全部が露出しているよりも一部が露出している方が多色
表現上からは好ましいが、太部の芯部の露出程度は、適
宜目的に応じ選択される。また太部以外の細部の芯部の
露出は必要に応じてあってもよいが、太部以外の細部の
一部の露出に限られることが好ましい。
【0020】本発明の芯鞘型複合繊維は、好ましくは次
のようにして製造される。本発明の製造方法で用いるポ
リエステルは、互いに染色性を異にする変性及び未変性
のポリエステルが組み合わされ、変性ポリエステルを鞘
成分、未変性ポリエステルを芯成分、または変性度の大
きい変性ポリエステルを鞘成分、変性度の小さい変性ポ
リエステルを芯成分或いは変性ポリエステルを鞘成分、
他種変性ポリエステルを芯成分とするが、好ましくは、
カチオン染料可染性または酸性染料可染性或いは分散染
料易染性の変性ポリエステルを鞘成分とし、未変性ポリ
エステルを芯成分とする。
【0021】かかる変性及び未変性ポリエステルをそれ
ぞれ鞘成分及び芯成分とし、好ましくは鞘成分と芯成分
を、鞘部/芯部の面積比で1/3〜1/1となるような
複合比に、公知の芯鞘型複合紡糸法により紡糸して得た
芯鞘型複合構造の未延伸糸を用いて、太細繊維とする。
用いる複合紡糸未延伸糸としては、良好な太細差を形成
させるためには、紡糸速度が1500〜2500m/m
inの条件にて得られた未延伸糸であることが好まし
い。
【0022】紡糸速度が1500m/min未満では、
自然延伸領域が大きく良好な太細差が得られるものの、
太部は、低配向であるため、アルカリ減量処理時の破断
強度の低下が著しく、品質及び工程安定性が損なわれ、
2500m/minを超えると、自然延伸領域が小さく
なり良好な太細差が得られない。
【0023】本発明の製造方法において、太部と細部を
分散させて形成するためには、複合紡糸未延伸糸を、そ
の最大延伸倍率の半ば程度の倍率で延伸する、即ち半延
伸する必要があり、好ましくは最大延伸倍率の0.45
〜0.60倍の倍率で熱ピン延伸することにより、繊維
軸方向に太細を形成する。熱ピン延伸における第1摩擦
抵抗ピンの温度は、未延伸糸の結晶化温度以下とし、或
いは更に第2摩擦抵抗ピンを設け、第2摩擦抵抗ピンの
温度をガラス転移温度以上結晶化温度以下の温度とし、
所望の収縮率を与えるよう熱処理する。
【0024】太細の形成における太部の分散の程度、太
部の長短、大小は、延伸倍率及び第1摩擦抵抗ピンの温
度との適宜組み合わせの設定により調整される。
【0025】太細の形成された芯鞘型複合繊維は、紡績
糸、マルチフィラメント糸或いは更に仮撚加工糸等の任
意の糸条形態としうる。本発明の製造方法においては、
太細芯鞘型複合繊維を、糸条形態でアルカリ減量処理す
ることも可能であるが、製織、製編した後に、織物や編
物の形態でポリエステル繊維の織物、編物に通常適用さ
れている減量加工でアルカリ減量処理することが好まし
い。
【0026】アルカリ減量処理に先立ち、起毛処理を施
すことができ、ペーパー起毛、あざみ起毛、針布起毛等
の起毛処理により立毛効果を付与するだけでなく、芯鞘
型複合繊維表面の鞘部の損傷付与によりアルカリ減量処
理での太部や細部の鞘部のアルカリによる分解除去を促
進するので、多色表現をより向上させる。
【0027】アルカリ減量処理には、公知の水酸化ナト
リウム等のアルカリ金属水酸化物を用いる方法及び条件
が適用され、任意の方式の処理方法が用いられる。本発
明においては、かかるアルカリ減量処理により、太細芯
鞘型複合繊維の少なくとも太部の鞘成分を分解除去す
る。アルカリ減量処理による鞘成分の分解除去は、少な
くとも太部の芯部の一部が露出するように、少なくとも
太部の鞘成分を分解除去する。このアルカリ減量処理
は、鞘成分の全部が分解除去されない範囲で行う必要が
ある。
【0028】アルカリ減量処理においては、太部の鞘成
分が選択的に除去され、芯部を露出させることができ、
減量率15〜50wt%において繊維表面での染色性の
異なる部分の比率を任意に変化させることが可能であ
る。
【0029】かかるアルカリ減量処理された芯鞘型複合
繊維は、鞘成分、芯成分のポリエステルの染色性に応じ
て、カチオン染料または酸性染料及びまたは分散染料で
染色処理して鞘部と露出芯部及び太部と細部とをそれぞ
れ異色に着色することができる。また、露出芯部を白残
し等の片染めにしたり、場合によっては全体を均一染め
にする等多様な着色が可能である。
【0030】染色方法としては、浸染、捺染或いは浸染
と捺染の組合わせ、更には捺染における抜染、防染等の
公知の方法や装置が繊維の形態に応じて適用され、特に
限定されるものではない。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0032】(実施例1)固有粘度0.72、密度1.
38g/cm3、融点256℃のポリエチレンテレフタ
レートを芯成分に用い、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を2.0モル%共重合してなる固有粘度0.58、
密度1.38g/cm3、融点252℃のカチオン染料
可染性変性ポリエチレンテレフタレートを鞘成分に用
い、ノズルホール数48のノズルにて、紡糸温度285
℃、複合比(面積比)鞘部/芯部=1/2、丸断面に引
取速度1800m/minで紡糸し、174デニール
(d)、最大延伸倍率3.3の未延伸糸を得た。
【0033】この未延伸糸を延伸倍率1.736倍、第
1摩擦抵抗ピン温度58℃、第2摩擦抵抗ピン温度10
6℃で延伸して、セミダル、100d/48f、破断強
度2.3g/d、破断伸度70%、沸水収縮率45%、
平均偏差率5.1%、太さ斑の変動係数CV6.2%、
平均値に対する太さの変動率が15%以上の太さ斑の頻
度X値が2.8ケ/mのスラブ調の太細芯鞘型複合繊維
マルチフィラメント延伸糸を得た。更に、この延伸糸
を、以下の条件で、製織し、アルカリ減量処理及び染色
処理を施した。
【0034】製織: 経糸:セミダル100d/48f、300T/M(S
撚)、70羽/3本/寸 緯糸:セミダル100d/48f、2000T/M(S
撚、Z撚、2本交互)、120本/寸 組織:平織
【0035】処理工程: 生機 → 精錬(沸水) → リラックス(110℃)
→ 中間セット(190℃) → アルカリ減量 →
染色
【0036】アルカリ減量: 減量方法:吊り減量 NaOH:15g/l 沸騰×60分、(減量率25%) 染色: 染料: カヤクリル ブルー 3RLED 1%owf(対繊
維重量) (日本化薬(株)製カチオン染料) 染料: ダイヤニックス レッド NSE 1%owf (三菱化成ヘキスト(株)製分散染料) 浴比:1:30、130℃×60分
【0037】染色処理で得られた織物の着色結果は、染
料のみで染色した場合、細部がブルーに染色し、太部
の露出芯部が白残しになり、従来の霜降り調の太細複合
繊維では得られ明瞭な太部の白残しとなり、意匠性に富
んだ多色表現が得られた。また、染料及び染料を用
いて染色した場合、細部が青紫で太部露出芯部が赤の異
色ミックスの効果に更に太部によるスラブ調表現が加わ
った、商品性の高い、意匠性に富んだものであった。こ
れらの染色織物は、また、風合が太細繊維の有する優れ
たふくらみ感、ドライタッチを有し、ドレープ性に富ん
だものであった。
【0038】(比較例1)固有粘度0.72、密度1.
38g/cm3、融点256℃のポリエチレンテレフタ
レートを芯成分に用い、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を2.0モル%共重合してなる固有粘度0.58、
密度1.38g/cm3、融点252℃のカチオン染料
可染性変性ポリエチレンテレフタレートを鞘成分に用
い、ノズルホール数48のノズルにて、紡糸温度285
℃、複合比(面積比)鞘部/芯部=1/2、丸断面に引
取速度1800m/minで紡糸し、162d、最大延
伸倍率3.3の未延伸糸を得た。
【0039】この未延伸糸を第1段延伸倍率1.595
倍、第2段延伸倍率1.015倍、第1段延伸温度11
5℃、第2段延伸域温度120℃で延伸して、セミダ
ル、100d/48f、破断強度1.9g/d、破断伸
度78%、沸水収縮率18%、平均偏差率2.0%、太
さ斑の変動係数CV2.4%、平均値に対する太さの変
動率が15%以上の太さ斑の頻度X値が0ケ/mの太細
芯鞘型複合繊維マルチフィラメント延伸糸を得た。更
に、この延伸糸を、実施例1と同様の条件で、製織し、
アルカリ減量処理及び染色処理を施した。
【0040】染色処理で得られた織物の着色結果は、染
料のみで染色した場合、ジーンズのストンウオッシュ
の多色表現を呈し、また、染料及び染料を用いて染
色した場合、全体として紫に見えるメランジ調の多色表
現を呈したが、白残し、各色の明瞭さが十分ではなかっ
た。
【0041】(比較例2)固有粘度0.72、密度1.
38g/cm3、融点256℃のポリエチレンテレフタ
レートを芯成分に用い、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を2.0モル%共重合してなる固有粘度0.58、
密度1.38g/cm3、融点252℃のカチオン染料
可染性変性ポリエチレンテレフタレートを鞘成分に用
い、ノズルホール数48のノズルにて、紡糸温度285
℃、複合比(面積比)鞘部/芯部=1/2、丸断面に引
取速度1800m/minで紡糸し、241d、最大延
伸倍率3.4の未延伸糸を得た。
【0042】この未延伸糸を第1段延伸倍率1.011
倍、第2段延伸倍率2.380倍、第1段延伸温度85
℃、第2段延伸域温度145℃で延伸して、セミダル、
100d/48f、破断強度5.0g/d、破断伸度2
8%、沸水収縮率12%、平均偏差率0.7%、太さ斑
の変動係数CV0.8%、平均値に対する太さの変動率
が15%以上の太さ斑の頻度X値が0ケ/mの通常の芯
鞘型複合繊維マルチフィラメント延伸糸を得た。更に、
この延伸糸を、実施例1と同様の条件で、製織し、アル
カリ減量処理及び染色処理を施した。
【0043】染色処理で得られた織物の着色結果は、染
料のみで染色した場合、全体がブルーに着色し、ま
た、また、染料及び染料を用いて染色した場合、全
体として青紫に着色し、異色、濃淡効果は、認められな
かった。
【0044】
【発明の効果】本発明によるポリエステル芯鞘型複合繊
維は、スラブ調の太細繊維であることから、従来品に比
べて、極めて明瞭な多色表現が可能であり、更には太細
の効果も相乗されて、良好な風合いを奏する意匠性に富
む繊維製品を得ることができる。また本発明によるポリ
エステル芯鞘型複合繊維は、小加工ロットでも生産性高
く多色表現の繊維製品を提供することができ、経済的に
も有利な素材である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 101:32 D06M 5/02 G (56)参考文献 特開 昭55−116819(JP,A) 特開 平2−221416(JP,A) 特開 平7−292516(JP,A) 特開 平7−173766(JP,A) 特開 昭63−75133(JP,A) 特公 平1−37512(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 11/38 D01F 8/14 D01F 6/62 303

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染色性を異にする2種のポリエステルの
    一方が鞘部に、他方が芯部に配された複合繊維であっ
    て、繊維軸方向に太細を有し、かつ糸全体としての太さ
    斑の変動係数CVが5〜7%、平均値に対する太さの変
    動率が15%以上の太さ斑の頻度X値が2〜4ケ/mで
    あり、複合繊維の少なくとも太部の芯部の一部が露出し
    ていることを特徴とするポリエステル芯鞘型複合繊維。
  2. 【請求項2】 染色性を異にする2種のポリエステルの
    一方を鞘成分とし、他方を芯成分とする複合紡糸未延伸
    糸を、下記(1)〜(3)の条件で熱ピン延伸して繊維
    軸方向に太細を形成した後、アルカリ減量処理して該複
    合繊維の少なくとも太部の鞘成分を分解除去することを
    特徴とするポリエステル芯鞘型複合繊維の製造方法。 (1) MDR×0.45≦DR≦MDR×0.60 (2) PT≦Tc (3) Tg≦PT≦Tc 〔但し、式中DRは延伸倍率、MDRは未延伸糸の最大
    延伸倍率、PTは延伸領域における第1摩擦抵抗ピン
    の温度(℃)、PTは第2摩擦抵抗ピンの温度
    (℃)、Tcは未延伸糸の結晶化温度(℃)、Tgは未
    延伸糸のガラス転移温度(℃)を表す〕
  3. 【請求項3】 複合紡糸未延伸糸として、繊維断面に占
    める鞘部と芯部の複合比が鞘部/芯部の面積比で1/3
    〜1/1であり、紡糸速度が1500〜2500m/m
    inの条件にて得られた未延伸糸を用いる請求項2記載
    のポリエステル芯鞘型複合繊維の製造方法。
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