JP2920362B2 - ポリエステルシースコア複合繊維糸条及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステルシースコア複合繊維糸条及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルシー
スコア複合繊維糸条及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、繊維製品の多色表現の手段と
して、綿状で染色し、混綿や混紡で色相や濃度の異なる
繊維をミックスするか、糸状で染色したものを混繊、交
撚、交織、交編でミックスするか、原着糸や、染色性の
異なる繊維をミックスしてから染色し、シネ調、メラン
ジ調、シャンブレ等の多色表現としたり、ストーンウオ
ッシュ加工やブリーチ加工等の様にフィブリル化させた
り、繊維表層のみの着色のリング染色したものを物理
的、化学的処理により表面部分脱色したもの等の特別な
加工によって得られているが、これ等はいずれも工程が
複雑であり、コストが高く、加工ロットも大きくなる等
の問題がある。
【0003】また、繊維そのものの多色化手段として霜
降り効果を与える太細繊維がある。そしてかかる太細繊
維として、染色性の異なる2成分でシースコア複合紡糸
し、これを太細を与える条件で延伸した太細を有するシ
ースコア複合繊維であって、異染色性を示す成分をシー
ス部に配するものが、特開昭55−116812号公報
や特開昭55−116819号公報で開示されている。
【0004】しかしながら、従来知られている太細複合
繊維は、その染色性が太部及び細部のシース部のポリマ
ーの染色性に主として依存し、コア部の染色特性を満足
しうる程十分に発現するものではなく、また、染色濃淡
による霜降り効果も十分ではなく、その多様性に欠ける
ものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、太細を有す
るシースコア複合繊維糸条について検討の結果、従来全
く知られていない極めて多様な多色表現効果を奏するポ
リエステルシースコア複合繊維糸条を見い出したもので
あり、本発明の目的は、異なる色相及び異なる濃度の多
色表現効果を奏するポリエステルシースコア複合繊維糸
条を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、染色性を異に
する2種のポリエステルの一方がシース部に、他方がコ
ア部に配され、繊維軸方向に沿って太細を有する複合繊
維からなり、かつ、絡数3〜150個/mの交絡部を
有し、交絡部が太部、非交絡部が細部を構成しているこ
を特長とするポリエステルシースコア複合繊維糸条、
及び、染色性を異にする2種のポリエステルの一方をシ
ース成分とし、他方をコア成分とする未延伸複合繊維糸
条をエア交絡処理して得た複合繊維糸条を用いて、ある
いは、染色性を異にする2種のポリエステルの一方をシ
ース成分とし、他方をコア成分とする複合繊維をエア交
絡処理しながら紡糸して得た未延伸複合繊維糸条を用い
て、半延伸処理を行うことにより繊維軸方向に太細を形
成させることを特長とするポリエステルシースコア複合
繊維糸条の製造方法を要旨とする。
【0007】本発明のシースコア複合繊維を構成する2
種のポリエステルは、染色性を異にするもので、一方が
カチオン染料や酸性染料に対する可染性或いは分散染料
に対する易染性を有する変性ポリエステル、他方がカチ
オン染料や酸性染料に対して非可染性或いは分散染料に
対して非易染性を有する未変性ポリエステルが典型的な
ポリエステルとして挙げられる。また、変性度の大きい
変性ポリエステルと変性度の小さい変性ポリエステルの
組み合わせでも良い。或いは、変性ポリエステルをシー
ス部に、他種変性ポリエステルをコア部に配しても良い
が、好ましくは、カチオン染料可染性または酸性染料可
染性或いは分散染料易染性の変性ポリエステルをシース
部に、未変性ポリエステルをコア部に配する。
【0008】変性ポリエステルは、エチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とし可染性或いは易染性に変
性されたポリエステルで、未変性ポリエステルは、エチ
レンテレフタレートやブチレンテレフタレートを主たる
繰り返し単位とするポリエステルである。変性ポリエス
テルとしては、カチオン染料可染性または酸性染料可染
性或いは分散染料易染性の変性ポリエステルが用いら
れ、強度確保、多色表現付与の容易さから、変性ポリエ
ステルがシース部に、未変性ポリエステルがコア部に配
されることが好ましい。
【0009】カチオン染料可染性変性ポリエステルとし
ては、公知の方法によって得られるエチレンテレフタレ
ートにナトリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスル
ホナフタレンジカルボン酸等の金属塩スルホネート基等
の酸基含有エステル形成性化合物を共重合した変性ポリ
エステル、好ましくはエチレンテレフタレートに5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸1.5〜3.5モル%を共
重合した変性ポリエステルが用いられる。
【0010】また、酸性染料可染性変性ポリエステルと
しては、公知の方法によって得られるエチレンテレフタ
レートにN−アルキル置換ジエタノールアミン等のアミ
ノアルコールや第3級アミノ含有グリコール等の塩基含
有エステル形成性化合物を共重合した変性ポリエステ
ル、ビニルピリジンのホモポリマーまたはコポリマー混
合の変性ポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0011】更に、分散染料易染性変性ポリエステルと
しては、公知の方法によって得られるエチレンテレフタ
レートにイソフタル酸、アジピン酸、ポリオキシアルキ
レングリコール等のエステル形成性化合物を共重合した
変性ポリエステルが用いられる。
【0012】未変性ポリエステルとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが挙げ
られ、かかる未変性ポリエステルには5モル%未満の共
重合成分やブレンド成分が含まれていてもよいが、特に
好ましくはポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0013】本発明のシースコア複合繊維糸条は、繊維
軸方向に3〜150個/mの交絡部を有し、交絡部が太
部、非交絡部が細部を構成している。さらに、糸全体と
しての太さ斑の変動係数CVが7〜15%であることが
好ましい。
【0014】交絡部が太部、非交絡部が細部を構成する
太細を形成していること、及び、糸全体としての太さ斑
の変動係数CVが7〜15%を示すことにより、アルカ
リ減量に伴う全構成フィラメントのコア部の露出部分が
限定され、より明瞭な多色表現が可能になる。
【0015】変動係数CVが7%未満では、各繊維の交
絡が不十分であり、太部が分散され、コア部の露出が目
立たなくなり、アルカリ減量処理後の染色において多色
染めあるいは染色濃淡による霜降り効果は得られても、
明瞭な多色表現は得られ難くなる。また、15%を越え
ると不自然な斑となり、品質が不良なものとなりやすく
なる。
【0016】ここに、太さ斑の変動係数CVは、計測器
工業株式会社製のイーブネステスター(KET−80
C)を用い、糸速度8m/分、チャートスピード50c
m/分の条件下で、ウースターノルマル値を測定して得
られた値であり、平均値からの偏りの大きさを示す指標
となるものである。
【0017】また、交絡部が150個/mを越えると細
部の染色性が不明瞭となり易くなり、逆に3個/m未満
であると太部の着色性が不明瞭となり、それぞれ十分な
多色効果が得られ難くなる。
【0018】ここに、交絡部の個数は、ROTHSCH
ILD MESSINSTRUMENTE社製 自動ヤ
ーンエンタングルメントテスタ(Needle Pul
lTester R−2040)を用い、下記式で示す
トリップレベルテンションの条件で得られた値である。
【0019】[トリップレベルテンション=(D×0.
2)+D/F+振動幅] (但し、式中Dは糸束のデニール、Fは糸束を構成する
フィラメント数、振動幅はD×0.02を表す。) また、シースコア複合繊維における繊維断面に占めるシ
ース部とコア部の複合比は、シース部/コア部の面積比
で1/3〜1/1であることが好ましい。シース部の厚
みが小さすぎる場合は、染料での着色が淡色化し、厚み
が大きすぎる場合は、太細が得られ難く、またコア部の
露出の際の強度確保が困難となる。
【0020】本発明のシースコア複合繊維は、その断面
形状が、丸断面、三角、多葉、偏平等の異型断面のいず
れであってもよく、コア部の形状、数、位置も特に限定
はされない。
【0021】本発明のシースコア複合繊維は、繊維軸方
向に繊度が変化したいわゆるシックアンドシンといわれ
る太細を有しており、かつ太細シースコア複合繊維の少
なくとも太部のコア部の全部または一部が露出してい
る。太部のコア部の全部が露出しているよりも一部が露
出している方が多色表現上からは好ましいが、太部のコ
ア部の露出程度は、適宜目的に応じ選択される。また太
部以外の部分のコア部の露出は必要に応じてあってもよ
いが、太部以外の部分のコア部の一部の露出に限られる
ことが好ましい。
【0022】また、本発明のシースコア複合繊維は、シ
ース部と露出したコア部及び太部と細部とがそれぞれ異
色に着色されていてもよく、着色は、シース部及びコア
部ををそれぞれ構成するポリエステルの染色性、太部の
濃色性に基づき、カチオン染料と分散染料、酸性染料と
分散染料、或いは分散染料と分散染料等の任意の色相、
濃淡の組み合わせにより多色表現される。例えば染色で
シース部は、カチオン染料で、太部は、カチオン染料で
より濃色に、太部の露出コア部は、分散染料でカチオン
染料とは異色相にそれぞれ着色され、或いはカチオン染
料のみで露出コア部の白残し等多様な着色効果を与え
る。
【0023】本発明のポリエステルシースコア複合繊維
糸条は、好ましくは次のようにして製造される。本発明
の製造方法で用いるポリエステルは、互いに染色性を異
にする変性及び未変性のポリエステルが組み合わされ、
変性ポリエステルをシース部に、未変性ポリエステルを
コア部に、または変性度の大きい変性ポリエステルをシ
ース部に、変性度の小さい変性ポリエステルをコア部
に、或いは、変性ポリエステルをシース部に、他種変性
ポリエステルをコア部に、好ましくは、カチオン染料可
染性または酸性染料可染性或いは分散染料易染性の変性
ポリエステルをシース部に、未変性ポリエステルをコア
部に配してシースコア型に複合紡糸する。
【0024】かかるシース部とコア部を、好ましくはシ
ース部/コア部面積比を1/3〜1/1となるような複
合比で、複合紡糸して得たシースコア型複合構造の未延
伸糸をエア交絡処理した後、半延伸処理を行って、太細
繊維とする。
【0025】用いる未延伸複合繊維糸条としては良好な
太細差を形成させるためには、紡糸速度が1000〜2
500m/minの条件にて得られた未延伸糸であるこ
とが好ましく、またエア交絡処理としては、公知の高圧
空気射出ノズルによって射出圧力が3〜6kg/cm2
で交絡処理することが好ましい。
【0026】紡糸速度が1000m/min未満では、
自然延伸領域が大きく良好な太細差が得られるものの、
太部は、低配向であるため、加熱処理後の破断強度の低
下が著しく、品質及び工程安定性が損なわれ、2500
m/minを越えると、自然延伸領域が小さくなり良好
な太細差が得られない。
【0027】また、空気圧力が3kg/cm2 未満であ
ると、糸束を構成するフィラメント間の交絡が不十分で
あり、各フィラメントの太部の位置が分散してしまうた
め、明瞭な多色表現が得られなくなり、6kg/cm2
を越えると、交絡形態が不良となるばかりでなく、フィ
ラメントへのダメージが大きく、糸切れ等の要因とな
る。
【0028】太細繊維とするためには、前述のようにし
て得られた未延伸複合繊維糸条を半延伸処理する。例え
ば、未延伸複合繊維糸条を、繊維の最大延伸倍率の半ば
程度の倍率、好ましくは最大伸倍率の0.45〜0.6
0倍の倍率で、半延伸、好ましくは延伸を2段に分けて
2段延伸することにより、繊維軸方向に太細を形成す
る。太細の形成における太部の分散の程度、太部の長
短、大小は、2段延伸での第1延伸と第2延伸の適宜組
み合わせの設定により調整される。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明で用いる太細繊維の製造の
好ましい態様の一例を次に挙げる。主たる繰り返し単位
がエチレンテレフタレートであり、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸1.5〜3.5モル%を共重合した変性
ポリエステルをシース部に配し、ポリエチレンテレフタ
レートをコア部に配し、エアー交絡処理させながら、紡
糸速度1500〜2500m/分で紡糸して得た未延伸
複合繊維糸条を、下記(1)〜(4)の条件で2段延伸
する。
【0030】(1)TDR=MDR×(0.45〜0.
60)=DR1×DR2 (2)DR1=MDR×(0.40〜0.55) (3)HRT≦Tc (4)Tg≦HPT≦Tc 但し、TDRは総延伸倍率、MDRは最大延伸倍率、D
1は第1延伸倍率、DR2は第2延伸倍率、HRTは第
1延伸温度、HPTは第2延伸温度、Tcは結晶化温
度、Tgはガラス転移点温度を示し、各温度は℃であ
る。
【0031】あるいは、未延伸複合繊維糸条を、繊維の
最大延伸倍率の0.50〜0.75倍の倍率で熱ピン延
伸することにより、繊維軸方向に太細を形成する。本発
明で用いる太細繊維の製造の好ましい態様の他の一例を
次に挙げる。主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ
ートであり、5−ナトリウムスルホイソフタル酸1.5
〜3.5モル%を共重合した変性ポリエステルをシース
部に配し、ポリエチレンテレフタレートをコア部に配
し、エアー交絡処理させながら、紡糸速度1500〜2
500m/分で紡糸して得た未延伸複合繊維糸条を、下
式、(6)、(7)、あるいは、(6)〜(8)を満た
す条件で熱ピン延伸する。
【0032】 (6)MDR×0.50≦DR≦MDR×0.75 (7)P1 T≦Tc (8)Tg ≦P2 T≦Tc 但し、式中DRは延伸倍率、MDRは未延伸糸の最大延
伸倍率、P1 Tは延伸領域における第1摩擦抵抗ピンの
温度(℃)、Tc は未延伸糸の結晶化温度(℃)、P2
Tは第2摩擦抵抗ピンの温度(℃)、Tg は未延伸糸の
ガラス転移温度(℃)である。
【0033】得られるポリエステルシースコア複合繊維
糸条の収縮率は、第1または2摩擦抵抗ピンの温度によ
って、所望の収縮率を与えるよう熱処理する。太細の形
成における太部の分散の程度、太部の長短、大小は、延
伸倍率及び、第1摩擦抵抗ピンの温度との適宜組合せの
設定により調節される。
【0034】太細複合繊維糸条は、紡績糸、マルチフィ
ラメント糸或いは更に仮撚加工糸等の任意の糸条形態と
しうる。本発明においては、太細複合繊維糸条を、糸条
形態でアルカリ減量処理することも可能であるが、製
織、製編した後に、織物や編物の形態でポリエステル繊
維の織物、編物に通常適用されている減量加工でアルカ
リ減量処理することが好ましい。
【0035】アルカリ減量処理に先立ち、起毛処理を施
すことができ、ペーパー起毛、あざみ起毛、針布起毛等
の起毛処理により立毛効果を付与するだけでなく、太細
複合繊維糸条表面のシース部の損傷付与によりアルカリ
減量処理での太部や細部のシース部のアルカリによる分
解除去を促進するので、多色表現をより向上させる。
【0036】アルカリ減量処理には、公知の水酸化ナト
リウム等のアルカリ金属水酸化物を用いる方法及び条件
が適用され、吊り減量、液流減量、パッド減量等任意の
方式が用いられる。本発明においては、かかるアルカリ
減量処理により、太細複合繊維糸条の少なくとも太部の
シース成分を分解除去する。アルカリ減量処理によるシ
ース成分の分解除去は、少なくとも太部のコア部の一部
が露出するように、少なくとも太部のシース成分を分解
除去する。このアルカリ減量処理は、シース成分の全部
が分解除去されない範囲で行う必要がある。
【0037】アルカリ減量処理においては、太部のシー
ス成分が選択的に除去され、コア部を露出させることが
でき、減量率15〜50wt%において繊維表面での染
色性の異なる部分の比率を任意に変化させることが可能
である。
【0038】かかるアルカリ減量処理された太細複合繊
維糸条を、シース成分、コア成分のポリエステルの染色
性に応じて、カチオン染料または酸性染料及びまたは分
散染料で着色処理してシース部と露出コア部及び太部と
細部とをそれぞれ異色に着色する。また、露出コア部を
白残し等の片染めにしたり、場合によっては全体を均一
染めにする等多様な着色が可能である。
【0039】着色方法としては、染色、捺染或いは染色
と捺染の組合わせ、更には捺染における抜染、防染等の
公知の方法や装置が繊維の形態に応じて適用され、特に
限定されるものではない。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 [実施例1]固有粘度0.72、密度1.38g/cm
3 、融点256℃のポリエチレンテレフタレートを芯成
分に用い、5−ナトリウムスルホイソフタール酸を2.
0mol%共重合してなる固有粘度0.58、密度1.
38g/cm3 、融点252℃のカチオン染料可染性変
性ポリエチレンテレフタレートを鞘成分に用いノズルホ
ール数48のノズルにて、紡糸温度285℃、複合比
(面積比)シース部/コア部=1/2、丸断面に引取速
度1800m/minで紡糸し、2ケの引取りローラー
間でエアー交絡ノズルにより、エアー圧力4kg/cm
2 、オーバーフィード率1%の条件で交絡処理を行い、
230デニール(d)、最大延伸倍率=3.3の未延伸
糸を得た。この未延伸糸を延伸倍率2.244、第1摩
擦抵抗ピン温度60℃、第2摩擦抵抗ピン温度110℃
で延伸して、セミダル、100d/48f、破断強度
2.8g/d、破断伸度30%、沸水収縮率25%、太
さ斑の平均偏差率1.5%、変動係数CV8.6%、交
絡数7.1個/mのスラブ調の太細芯鞘型複合繊維マル
チフィラメント延伸糸を得た。更に、この延伸糸を、以
下の条件で、製織し、アルカリ減量処理及び染色処理を
施した。 製織: 経糸:セミダル100d/48f、300T/M(S
撚)、70羽/3本/寸 緯糸:セミダル100d/48f、2000T/M(S
撚、Z撚、2本交互)、120本/寸 組織:平織 処理工程 生機 → 精練(沸水) → リラックス(110℃)
→ 中間セット(190℃) → アルカリ減量 →
染色 アルカリ減量: 減量方法:吊り減量 NaOH:15g/l 沸騰水×60分(減量率25%) 染料:染料:カヤクリル ブルー 3RLED 1%owf (日本化薬(株)製 カチオン染料) (対繊維重量) 染料:ダイヤニックス レッド NSE 1%owf (三菱化成ヘキスト(株)製 分散染料)(対繊維重量) 浴比:1:30、130℃×60分 染色処理で得られた織物の着色結果は、染料のみで着
色した場合、細部がブルーに染色し、太部の露出コア部
が白残しになり、従来の霜降り調の太細複合繊維糸条で
は得られなかった明確な太部の白残しが意匠性に富んだ
多色表現が得られた。また、染料及び染料を用いて
染色した場合、細部が青紫で、太部露出コア部が赤の、
異色ミックスの効果に更に太部によるスラブ調表現が加
わった、商品性の高い、意匠性に富んだものであった。
これらの染色織物は、また、風合が、太細繊維の有する
優れたふくらみ感、ドライタッチを有し、ドレープ性に
富んだものであった。
【0041】[実施例2]固有粘度0.72、密度1.
38g/cm3 、融点256℃のポリエチレンテレフタ
レートを芯成分に用い、5−ナトリウムスルホイソフタ
ール酸を2.0mol%共重合してなる固有粘度0.5
8、密度1.38g/cm3 、融点252℃のカチオン
染料可染性変性ポリエチレンテレフタレートを鞘成分に
用いノズルホール数48のノズルにて、紡糸温度285
℃、複合比(面積比)シース部/コア部=1/2、丸断
面に引取速度1800m/minで紡糸し、2ケの引取
りローラー間でエアー交絡ノズルにより、エアー圧力4
kg/cm2 、オーバーフィード率1%の条件で交絡処
理を行い、173デニール(d)、最大延伸倍率=3.
3の未延伸糸を得た。この未延伸糸を第1延伸倍率1.
643、第2延伸倍率1.015、第1延伸温度110
℃、第2延伸温度115℃で延伸して、104d/48
f、破断強度1.8g/d、破断伸度74%、沸水収縮
率21%、太さ斑の平均偏差率1.14%、変動係数C
V11%、交絡数6.3個/mのスラブ調の太細芯鞘型
複合繊維マルチフィラメント延伸糸を得た。更に、この
延伸糸を、実施例1と同様の条件で、製織し、20%の
アルカリ減量処理を施した後、赤色系カチオン染料で染
色した。得られた織物は、繊維の太部は白残し、細部の
みが赤色に染色され、意匠性に富んだ多色表現が得られ
た。また、その後、青色分散染料で染色すると、太部が
青色で、細部が赤紫の多色性を示した。
【0042】[比較例1]固有粘度0.72、密度1.
38g/cm3 、融点256℃のポリエチレンテレフタ
レートを芯成分に用い、5−ナトリウムスルホイソフタ
ール酸を2.0mol%共重合してなる固有粘度0.5
8、密度1.38g/cm3 、融点252℃のカチオン
染料可染性変性ポリエチレンテレフタレートを鞘成分に
用いノズルホール数48のノズルにて、紡糸温度285
℃、複合比(面積比)シース部/コア部=1/2、丸断
面に引取速度1800m/minで紡糸し、173デニ
ール(d)、最大延伸倍率=3.5の未延伸糸を得た。
この未延伸糸を延伸倍率1.736、第1摩擦抵抗ピン
温度58℃、第2摩擦抵抗ピン温度106℃で延伸し
て、セミダル、100d/48f、破断強度2.8g/
d、破断伸度30%、沸水収縮率25%、太さ斑の平均
偏差率1.3%、変動係数CV6.7%、交絡数約0個
/mの通常の芯鞘型複合繊維マルチフィラメント延伸糸
を得た。更に、この延伸糸を、実施例1と同様の条件
で、製織し、アルカリ減量処理及び染色処理を施した。
染色処理で得られた織物の着色結果は、染料のみで着
色した場合、全体がブルーに着色し、また染料及び染
料を用いて染色した場合、全体として青紫に着色し、
異色・濃淡効果は認められなかった。
【0043】[比較例2]固有粘度0.72、密度1.
38g/cm3 、融点256℃のポリエチレンテレフタ
レートを芯成分に用い、5−ナトリウムスルホイソフタ
ール酸を2.0mol%共重合してなる固有粘度0.5
8、密度1.38g/cm3 、融点252℃のカチオン
染料可染性変性ポリエチレンテレフタレートを鞘成分に
用いノズルホール数48のノズルにて、紡糸温度285
℃、複合比(面積比)シース部/コア部=1/2、丸断
面に引取速度1800m/minで紡糸し、173デニ
ール(d)、最大延伸倍率=3.5の未延伸糸を得た。
この未延伸糸を第1延伸倍率1.671、第2延伸倍率
1.01、第1延伸温度110℃、第2延伸温度120
℃で延伸して、103d/48f、破断強度1.8g/
d、破断伸度74%、沸水収縮率21%、太さ斑の平均
偏差率1.14%、変動係数CV3.8%、交絡数0個
/mのスラブ調の太細芯鞘型複合繊維マルチフィラメン
ト延伸糸を得た。得られた延伸糸を実施例1と同様に、
製織し、アルカリ減量処理及び染色処理を施した。染色
処理で得られた織物の着色結果は、染料のみで着色し
た場合、全体がブルーに着色し、また染料及び染料
を用いて染色した場合、全体として青紫に着色し、異色
・濃淡効果は認められなかった。
【0044】[比較例3]固有粘度0.72、密度1.
38g/cm3 、融点256℃のポリエチレンテレフタ
レートを芯成分に用い、5−ナトリウムスルホイソフタ
ール酸を2.0mol%共重合してなる固有粘度0.5
8、密度1.38g/cm3 、融点252℃のカチオン
染料可染性変性ポリエチレンテレフタレートを鞘成分に
用いノズルホール数48のノズルにて、紡糸温度285
℃、複合比(面積比)シース部/コア部=1/2、丸断
面に引取速度1800m/minで紡糸し、230デニ
ール(d)、最大延伸倍率=3.5の未延伸糸を得た。
この未延伸糸を延伸倍率2.244、第1摩擦抵抗ピン
温度60℃、第2摩擦抵抗ピン温度110℃で延伸し
て、セミダル、100d/48f、破断強度2.8g/
d、破断伸度30%、沸水収縮率25%、太さ斑の平均
偏差率1.0%、変動係数CV4.0%、交絡数約0個
/mの通常の芯鞘型複合繊維マルチフィラメント延伸糸
を得た。更に、この延伸糸を、実施例1と同様の条件
で、製織し、アルカリ減量処理及び染色処理を施した。
染色処理で得られた織物の着色結果は、染料のみで着
色した場合、全体がブルーに着色し、また染料及び染
料を用いて染色した場合、全体として青紫に着色し、
異色・濃淡効果は認められなかった。
【0045】[比較例4]固有粘度0.72、密度1.
38g/cm3 、融点256℃のポリエチレンテレフタ
レートを芯成分に用い、5−ナトリウムスルホイソフタ
ール酸を2.0mol%共重合してなる固有粘度0.5
8、密度1.38g/cm3 、融点252℃のカチオン
染料可染性変性ポリエチレンテレフタレートを鞘成分に
用いノズルホール数48のノズルにて、紡糸温度285
℃、複合比(面積比)シース部/コア部=1/2、丸断
面に引取速度1800m/minで紡糸し、2ケの引取
りローラー間でエアー交絡ノズルにより、エアー圧力2
kg/cm2 、オーバーフィード率1%の条件で交絡処
理を行い、230デニール(d)、最大延伸倍率=3.
3の未延伸糸を得た。この未延伸糸を延伸倍率2.24
4、第1摩擦抵抗ピン温度60℃、第2摩擦抵抗ピン温
度110℃で延伸して、セミダル、100d/48f、
破断強度2.8g/d、破断伸度30%、沸水収縮率2
5%、太さ斑の平均偏差率1.3%、変動係数CV6.
0%、交絡数2個/mのスラブ調の太細芯鞘型複合繊維
マルチフィラメント延伸糸を得た。更に、この延伸糸
を、実施例1と同様の条件で、製織し、アルカリ減量処
理及び染色処理を施した。染色処理で得られた織物の着
色結果は、染料のみで着色した場合、ジーンズのスト
ーンウォッシュ調の多色表現を呈し、また染料及び染
料を用いて染色した場合、全体として紫に見える深み
のあるメランジ調の多色表現を呈したが、白残し、各色
の明瞭さが十分ではなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明によるポリエステル芯鞘型複合繊
維糸条は、スラブ調の太細繊維であることから、従来品
に比べて、極めて明瞭な多色表現が可能であり、さらに
は太細の効果も相乗されて、良好な風合いを奏する意匠
性に富む繊維製品を得ることができる。また本発明によ
るポリエステル芯鞘型複合繊維糸条は、小ロットでも生
産性高く、多色表現の繊維製品を提供することができ、
経済的にも有利な素材である。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた延伸糸の太さ斑を示すイー
ブネステスターで得られたチャートである。
【図2】実施例2で得られた延伸糸の太さ斑を示すイー
ブネステスターで得られたチャートである。
【図3】比較例1で得られた延伸糸の太さ斑を示すイー
ブネステスターで得られたチャートである。
【図4】比較例2で得られた延伸糸の太さ斑を示すイー
ブネステスターで得られたチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−116819(JP,A) 特開 平7−126920(JP,A) 特開 昭55−116812(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 8/14

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染色性を異にする2種のポリエステルの
    一方がシース部に、他方がコア部に配され、繊維軸方向
    に沿って太細を有する複合繊維からなり、かつ、交絡数
    3〜150個/mの交絡部を有し、交絡部が太部、非交
    絡部が細部を構成していることを特長とするポリエステ
    ルシースコア複合繊維糸条。
  2. 【請求項2】 複合繊維断面におけるシース部/コア部
    の面積比が1/3〜1/1である請求項1記載のポリエ
    ステルシースコア複合繊維糸条。
  3. 【請求項3】 糸全体としての太さ斑の変動係数CVが
    7〜15%である請求項1または2記載のポリエステル
    シースコア複合繊維糸条。
  4. 【請求項4】 少なくとも太部のコア部の一部が露出し
    ている請求項1、2または3記載のポリエステルシース
    コア複合繊維糸条。
  5. 【請求項5】 染色性を異にする2種のポリエステルの
    一方をシース成分とし、他方をコア成分とする未延伸複
    合繊維糸条をエアー交絡処理した得た複合繊維糸条用い
    て、あるいは、染色性を異にする2種のポリエステルの
    一方をシース成分とし、他方をコア成分とする複合繊維
    をエア交絡処理しながら紡糸して得た未延伸複合繊維糸
    条を用いて、半延伸処理を行うことにより繊維軸方向に
    太細を形成させることを特徴とするポリエステルシース
    コア複合繊維糸条の製造方法。
  6. 【請求項6】 半延伸処理を下式(1)〜(5)を満た
    す条件で2段延伸する請求項5記載のポリエステルシー
    スコア複合繊維糸条の製造方法。 (1)TDR=MDR×(0.45〜0.55) (2)TDR=DR1×DR2 (3)DR1=MDR×(0.40〜0.50) (4)HRT≦Tc (5)Tg≦HPT≦Tc 但し、式中、TDRは総延伸倍率、DR1は第1段延伸
    倍率、DR2は第2段延伸倍率、MDRは上記未延伸糸
    の最大延伸倍率、HRTは第1段延伸における温度
    (℃)、HPTは第2段延伸域における温度(℃)、T
    cは上記未延伸糸の結晶化温度(℃)、Tgは上記未延
    伸糸のガラス転移温度(℃)である。
  7. 【請求項7】 半延伸処理を下式、(6)、(7)を満
    たす条件で熱ピン延伸する請求項5記載のポリエステル
    シースコア複合繊維糸条の製造方法。 (6)MDR×0.50≦DR≦MDR×0.75 (7)P1 T≦Tc 但し、式中DRは延伸倍率、MDRは未延伸糸の最大延
    伸倍率、P1 Tは延伸領域における第1摩擦抵抗ピンの
    温度(℃)、Tc は未延伸糸の結晶化温度(℃)であ
    る。
  8. 【請求項8】 下式(8)を満たす条件で熱ピン延伸す
    る請求項7記載のポリエステルシースコア複合繊維糸条
    の製造方法。 (8)Tg ≦P2 T≦Tc 但し、P2 Tは第2摩擦抵抗ピンの温度(℃)、Tg
    未延伸糸のガラス転移温度(℃)である。
  9. 【請求項9】 エアー圧力3〜6kg/cm2でエアー
    交絡処理しながら、1000〜2500m/minで紡
    糸巻取る請求項5、6、7または8記載のポリエステル
    シースコア複合繊維糸条の製造方法。
  10. 【請求項10】 半延伸処理した後、アルカリ減量処理
    して、複合繊維の少なくとも太部のシース成分を分解除
    去する請求項5、6、7、8または9記載のポリエステ
    ルシースコア複合繊維糸条の製造方法。
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