JP2934207B2 - アイオノマー樹脂 - Google Patents

アイオノマー樹脂

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JP2934207B2 JP14079697A JP14079697A JP2934207B2 JP 2934207 B2 JP2934207 B2 JP 2934207B2 JP 14079697 A JP14079697 A JP 14079697A JP 14079697 A JP14079697 A JP 14079697A JP 2934207 B2 JP2934207 B2 JP 2934207B2
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copolymer
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一男 津布子
信一 倉本
和彦 梅村
信 大河原
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフッ素化合物を含有
したアイオノマー樹脂に関し、詳しくは、物理特性など
が改良された熱可塑性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】アイオノマー(有機及び無機の成分が共
有結合とイオン結合によって結合されているポリマー)
は、一般的には、ポリオレフィンの分子鎖に極性基をも
ち、その一部分が金属イオンなどによって分子間が架橋
された構造を有しているものである。
【0003】ところで、デュポン社の商品名「サーリ
ン」に代表されるアイオノマーは、従来のポリオレフィ
ン系重合体等にない幾つかの特徴を有している重合体で
あって、近年注目されている材料である。すなわち、こ
の「サーリン」は、エチレン−メタクリル酸共重合体
に、ナトリウムや亜鉛の金属イオンを反応させてイオン
架橋することによって得られるものであるが、その特徴
として、透明性、適度の柔軟性、耐熱性、耐摩耗性、ヒ
ートシール性、金属等との接着性、溶融強度、耐油性、
耐薬品性を必要としており、かつ、通常のポリオレフィ
ン系重合体と同等な成形・加工が可能であることから、
フイルム、シートなどの包装材料、コーティング材料、
ゴルフボール、玩具などの成形品、積層体の被覆層など
の各種用途に使用されている。しかしながら、この「サ
ーリン」のようなアイオノマーは、必ずしも、耐水性特
に接着強度の耐水性が良好であるとはいえず、多湿時や
水に浸漬した時に接着面が剥離を起こしやすいという欠
陥を有している。
【0004】一方、スチレン含有量が比較的多いブロッ
ク共重合体は透明な耐衝撃性樹脂であって、こうした樹
脂は商品名「Kレジン」(フイリップス・ペトロリュー
ム社製)、「クリアレン」(電気化学社製)などとして
知られており、シート、フイルム、中空品などの包装材
料を中心とした分野に使用されている。だが、これら樹
脂においても耐水性、耐溶剤性、耐熱性などの点で欠陥
を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記「サー
リン」等のアイオノマーにみられるような耐水性、耐溶
剤性、耐温度特性を改良しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のアイオノマー樹
脂は、その重合体が、オレフィンモノマー単位50〜95重
量%とカルボキシル基を1つ以上有する重合性モノマー
単位5〜50重量%とを含有する共重合体(b−1)と、
フッ素を含む重合性モノマー単位50〜95重量%とカルボ
キシル基を1つ以上有する重合性モノマー単位5〜50重
量%とを含有する共重合体(b−2)との5:5の比率
からなる混合物を金属イオン又は塩基によりイオン架橋
したものであることを特徴としている。ここで、各モノ
マー単位とは、上記各モノマーがオレフィン性付加重合
によって、直鎖状に結合された構成単位を示すものであ
る。
【0007】ちなみに、本発明者らは、アイオノマー樹
脂は、そのモノマー成分の1つにフッ素含有モノマーを
用い共重合されたものであれば前記目的が達成しうるこ
とを確めた。本発明はこれに基づいてなされたものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係るアイオノマー樹脂は
共重合体(b−1)と他の共重合体(b−2)との5:
5の比率からなる混合物を後述する金属イオン又は塩基
によりイオン架橋したものである。これらにおける各モ
ノマー成分としては次のごときのものが挙げられる。 (1)オレフィンモノマーとしてはエチレン、プロピレ
ン、ブテンなど、 (2)カルボキシル基を1個以上有する重合性モノマー
としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸等のα,β−不飽和モノカルボン酸又は不飽和ジ
カルボン酸など、 (3)フッ素を含む重合性モノマーとしては下記表1に
示されたフルオロオレフィン系モノマー及び下記表2に
示された含フッ素(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】これら以外にも、アイオノマー樹脂として
有用なある種のモノマー成分は特公昭39-6810号公報に
記載されており、そこに開示されたオレフィンモノマ
ー、カルボキシル基を少なくとも1つ有する重合性モノ
マーなどは本発明にも使用しうる。
【0012】本発明における前記各共重合体を製造する
には、(b−1)のものであれば、例えばエチレンとア
クリル酸との共重合体に1価、2価、3価の金属化合物
のいずれかを反応させればよい。この場合、これらの金
属化合物は共重合体中のカルボン酸基の1〜100モル%
が中和され、その結果、エチレン−アクリル酸共重合体
はイオン架橋されたものとして得られる。
【0013】ここで、本発明での共重合体の具体例を幾
つかあげれば次のとおりである。なお、カッコ内の%は
重量%であり、末尾のカッコ内は架橋金属又は架橋塩基
を示している。 (b−1)共重合体の例 No.1 エチレン(80%)−アクリル酸(20%)共重合
体(Ca) No.2 エチレン(90%)−メタクリル酸(10%)共重
合体(トリエチルアミン) No.3 プロピレン(60%)−イタコン酸(40%)共重
合体(Zn) No.4 エチレン(50%)−2−エチルヘキシルメター
ト(30%)−マレイン酸(20%)共重合体(NH4) No.5 ブテン(20%)−メチルメタクリレート(60
%)−アクリル酸(40%)共重合体(Fe)
【0014】(b−2)共重合体の例 No.6 ヘプタデカフルオロオクチルエチルメタクリレ
ート(80%)−メタクリル酸(20%)共重合体(Ca) No.7 トリフルオロイソプロピル−α−シアノアクリ
レート(80%)−アクリル酸(20%)共重合体(ジエチ
ルアミン) No.8 ヘキサフルオロブチルメタクリレート(50%)
−スチレン(20%)−マレイン酸(30%)共重合体(Z
n) No.9 テトラフルオロエチレン(80%)−アクリル酸
(20%)共重合体(NH4) No.10 ヘキサフルオロプロピレン(60%)−イタコン
酸(40%)共重合体(Fe)
【0015】これらアイオノマーの製造に用いられる金
属イオンは、既述のように、周期律表I,II,III,IV
−AおよびVI族の金属の1,2及び3価イオンであり、
それらの具体例としてはNa+,Li+,K+,Ag+など
の1価イオン、Ca2+,Mg2+,Ba2+,Zn2+,Sr
2+,Hg2+などの2価イオン、Al3+,Fe3+などの3
価イオンが挙げられる。これらは水酸化物、アルコラー
ト、低級カルボン酸基などの化合物として共重合体に反
応させる。また、上記アイオノマーの製造には、これも
既述したように、塩基が用いられてもよく、この塩基と
してはアンモニア、アミンなどが例示でき、これらを共
重合体に反応させればよい。
【0016】本発明の重合体の各モノマー成分比(組成
比)は、次のような重量割合である。 (b−1)共重合体:オレフィンモノマー/カルボキシ
ル基を1つ以上を有する重合性モノマー=50〜95/5〜5
0 (b−2)共重合体:フッ素を含む重合性モノマー/カ
ルボキシル基を1つ以上を有する重合性モノマー=50〜
95/5〜50
【0017】ただし、これら共重合体に共通して、カル
ボキシル基を1つ以上有する重合性モノマーが、5重量
%以下ではイオン架橋がおこりにくく、逆に、50重量%
以上では柔軟性が悪くなったりイオン架橋が強すぎて加
工しにくくなる、等の不都合を生じることがある。ま
た、重合性フッ素モノマーが5重量%以下では耐水性、
耐熱性、耐油性などに劣り、逆に、50重量%以上では接
着性が悪くなる傾向を示すようになる。
【0018】本発明の共重合体組成物は(b−1)及び
(b−2)の各共重合体をブレンドしてアイオノマーが
つくられる。この場合(b−1)/(b−2)≒5/5
である。(b−2)共重合体の割合が50重量%より可成
り少なくすると耐水性や耐熱性、耐溶剤性が不足するよ
うになる。
【0019】本発明の樹脂組成物は、その各成分の組成
比に応じて通常の高分子物質の混合に供される装置によ
って調製できる。それら混合装置としては、例えば、押
出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダ
ー等が挙げられ、特に、本発明では押出機による溶融混
合法が好ましい。また、本発明のアイオノマー樹脂に
は、その性質を損わない程度に、炭酸カルシウム、シリ
カ、カーボンブラック、ガラス繊維、クレーなどの補強
剤ないしは充填剤、プロセスオイル、ポリエチレングリ
コール、フタル酸エステルなどの可塑剤を添加すること
も可能である。その他、添加剤として酸化防止剤、紫外
線吸収剤、着色剤、発泡剤などを加えることもできる。
【0020】いま、ここで(b−1)共重合体の製造例
を示せば次の(1)及び(2)のとおりである。 (1)クロム触媒成分の調製 アルゴン置換した200mlのフラスコに、直径5〜10mmの
ステンレス球10個を入れ、つぎにステアリン酸クロム3.
6g(4ミリモル)とトルエン100mlとを入れて、室温で
撹拌しながら10時間ボールミル粉砕した。ついで、これ
にトルエンを加えて全量を200mlとした。この結果、黒
紫色のゲル状をなすクロム触媒含有成分を得た。
【0021】(2)共重合体の製造 アルゴン置換した内容積500mlの耐圧ガラス容器に、ト
ルエン300mlとアクリル酸3.4ml及びルイス酸としてエチ
ルアルミニウムジクロリド10ミリモルを加え、20℃にお
いて5分間撹拌し反応させた。次いで、これに上記(1)
で調製したクロム触媒成分0.01ミリモルとジエチルアル
ミニウムモノクロリド1ミリモルとを加え、エチレンを
連続的に導入し、内圧を2kg/cm2Gに保持して20℃にお
いて3時間共重合反応を行なった。反応終了後、エチレ
ンを脱圧して生成物をメタノールに投入して沈澱させ
た。得られた固体を濾別回収し、塩酸・メタノール混合
液で脱灰洗浄して可溶分を除去した後、アセトン抽出を
5時間行ない、非晶質重合体を除去した。さらに抽出残
物を80℃で2時間減圧乾燥することにより、白色の共重
合体6.6gを得た。触媒活性(重合活性)は12.7kg/g・
クロムであった。同様に、(b−2)共重合体を製造す
るには、上記(b−2)製造例でエチレンを連続的に導
入する代りにフッ素含有モノマーを導入すればよい。
【0022】
【実施例】実施例1〜4 先に製造した共重合体そのもの又は共重合体組成物の物
性を測定した。結果は表3のとおりであった。
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】本発明のアイオノマー樹脂は金属、紙等
への接着性がよく、また、良好な耐水性、耐油性及び撥
油性を有している。さらに、本発明のアイオノマー樹脂
は、従来からの各種の成型法例えば押出成型、射出成
型、カレンダー成型等により成型が可能であり、各種成
形品例えば機械部品、自動車部品、電器部品、玩具、工
業用部品、ベルト、ホース、はきもの、医療用品、防振
ゴム、日用品、雑貨、建材、シート、フイルム、中空成
形品や、溶液型・ホットメルト型の接着剤、粘着剤など
の各種分野に利用できる有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 27/12 - 27/20 C08L 33/02 - 33/16 C08F 8/00 C08F 8/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィンモノマー単位50〜95重量%と
    カルボキシル基を1つ以上有する重合性モノマー単位5
    〜50重量%とを含有する共重合体(b−1)と、フッ素
    を含む重合性モノマー単位50〜95重量%とカルボキシル
    基を1つ以上有する重合性モノマー単位5〜50重量%と
    を含有する共重合体(b−2)との5:5の比率からな
    る混合物を金属イオン又は塩基によりイオン架橋したこ
    とを特徴とするアイオノマー樹脂。
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